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681.  ヒート 本当に「男」を感じさせられる映画だ。 面倒な関わりをもたずに常に孤独であることを自らの掟として課しながらも、一方で誰かを求めてしまう。 人間が寂しい生き物だと改めて感じる。 これについてはデニーロだけでなくパチーノも同じだろう。 何度も離婚を繰り返しても破綻することが分かっていても誰かを求めてしまう。 激しい壮絶な銃撃戦もさることながらそういう「人間」の本質を描かれている点が素晴らしいと思う。 本作ではほとんどデニーロとパチーノ同じ人種の人間として描かれていたと思う。 自分の生き方は他人を不幸にしてもどうあっても変えられなく、自分の生き様を貫くことしかできない男達。 二人のプロフェッショナルは、一方は警官で他方は強盗であっても根っこは同じ。 根っこが同じだから、それがラストの握手に現れたような気がした。 それぞれの仲間が死んだが、二人にとって別に恨みも何もない、お互いがお互いのなすべき事をして、それぞれが力を出し切った結果でのこと、検討ハズレかもしれないけどスポーツをした後健闘をたたえあう姿にだぶってみえた。 主演の二人も良かったが、初めてヴァルキルマーが良く思えた。奥さんに見せた最後の笑顔もなかなか良かった。 パチーノは最初の方でちょっと軽い感じがしたが、映画全体のバランスを取っての事かもしれない、それとも表面の軽さと内に秘めた重さの二面性を表したかったのかもしれないけど。 二人のプロを描いた映画だが、疲労感や緊張感が詰まった本当のプロが作った映画とも言える。マイケルマンというもう一人のプロも忘れてはいけない。 出てきたと思ったらあっけなく死んでいく他の俳優陣もリアルで良いと感じた。9点(2004-10-09 19:49:56)(良:3票) 《改行有》

682.  黙秘 キングらしくはないけど、結構気に入った作品。 キングとベイツこの二人が組めばいい映画になるなあ。 ミザリーを見た後に本作を見たのでベイツの深みのある演技には驚かされた。 過去と現在が交錯し、二人の死を通して母と娘の関係、母とヴェラの関係が明らかになり、そしてその関係が深く描かれている。 日蝕がまた一つのキーワードなのかもしれない。 夫と妻、母と娘、雇い主と使用人、それぞれに目に見える光の部分と見えない闇の部分がある。 日蝕のような日中起きるはずのない闇が光を包んだ時に、明かされることはない闇に包まれて事件が起きているような錯覚を覚えた。 「事故は不幸な女の友達」「悪態をつくのが生きるよすが」「生きるためには悪女にならなくては」等々なかなか深いセリフには、しゃべったキャラクターの生き様を考えると色々な複雑な想いを感じられる。7点(2004-10-04 01:12:57)《改行有》

683.  ミザリー 《ネタバレ》 作家とそのストーカーが織り成す閉鎖的な空間を描いた設定も面白いけど、やはりキャシーベイツの演技に尽きる映画とも言える。 このキャラクターであってもアカデミー賞主演女優賞を受賞できたのもうなづけられる。 時折、豹変するシーンは迫真な演技だったし、無茶苦茶な要求をするシーンも演技というより完全に成り切っていた。 一番笑ったのは、ワインをこぼされた後のジェームズカーンのがっかりした顔だったなあ。 怖さの中に多少のユーモアがあるのがこの映画の良さかと思われる。 自分の作品に二回火をつけるシーンがあるが、これが正に作家と読者の戦いと言えよう。 作家の魂である作品を気に入らないからと言って火をつけろと要求する読者と、その読者の生きがいであり、また自分を救ってくれたと感じていたミザリーという作品に、待ち焦がれたラストを書き上げた後にその復讐のために火を放つ作家…凄まじい攻防としか言いようがない。7点(2004-10-03 21:45:23)《改行有》

684.  ジェリー 特にストーリーもなく、二人の男が荒野をさまよう映画。 監督の意図がなんにせよ、観客が自由にこの映画を解釈してもいいだろう。 自分は勝手ながら、この映画を「人生」に置き換えてみた。 人生もいわば目的地も何も分からずに、解決する術も持たずにただひたすらさまよう、どこに辿りつくかも分からずに。 人生という荒野をさまようためにはパートナーが必要だろう、だから男と女二人で歩き始める。 実話のベースであり、サントがあれなんで二人の男という設定だが、これが男と女だったらもっと面白いだろうな感じる。 あるシーンでは、一人は降りれない岩に勢いで登り、オマエのせいでこうなったと叫ぶ。 もう一人も助けるフリはするが、どうにも助けようにも助ける気にはなれない。 やむなく一人は自分の力で解決するというシーンがある。 人生もこのようなものではないかという気がする。 勢いで物事を推し進め、どうしようもない困難にぶちあたったら、とりあえず人のせいにしてみる。 他人も助けてくれそうにみえて、実際には親身には助けてはくれない、やはり自力で解決するしかない。 これが現実の夫婦のような二人なら、そのような二人に入ったささいな亀裂は徐々に大きくなる。 そして会話もなくなる二人。 もっとも映画のような状況なら、どんなセリフが適切か考えてみたがやはり無言しかないだろうな。 一番好きなシーンが夜の暗闇をひたすら明かりもなしに歩くシーン。 自分が今どこにいるのか、どこに向かっているのかも考えずにひたすらがむしゃらに前に進むことしか考えられない状況に陥る。 そして散々さまよったあげくにどんな風に歩いてきたかを話し合う二人…だがもう物事が解決できる状況にはない。 そしてラスト。 冷静になれば問題を解決できたであろう二人が取った行動。 人生にもこのような状況があるはず、しっかりと周りを見れば解決できたはずなのに周りが見れなくなっているから解決手段が分からずに何の解決にならない解決方法を取るしかなくなっている。 この映画に点数をつけるのは難しいが、色々と人生のことを考えることが出来たのが収穫だった。 8点(2004-10-03 00:23:46)《改行有》

685.  ラスト・オブ・モヒカン かなり説明不足というか不必要なセリフを拝した映画に仕上がっているという印象。 だから一度見ただけではちょっとピンとは来なかったが、二度見ると監督のこだわりや良さや、やはり熱い映画だなと感じる。 言葉やセリフはなくてもあの三人組の個性は感じられるし、視線だけで何を考え、何を感じているのかが理解できる。 オヤジは渋すぎてカッコイイし、ウンカスは優しさに溢れていた。 ルイスは他者のことを一番に考える正に男の中の男という感じ、最後の見所も補助に徹し、オヤジにいい所を持っていかれて、自分がいるにも関わらずオヤジがラストオブモヒカンになってしまったと嘆いたのはちょっと辛いけど。 初見のときはなんでこうもラヴストーリーを前面に押し出しちゃったんだろうと感じていたが、ラヴストーリーを押し出すことで「ブレイヴハート」や「グラディエーター」のような映画とは違うこの映画の良さみたいなものがある。 寸前の所でコーラを助けるルイスには熱い気持ちになるし、素直にカッコイイと感じられた。 ただやはりインディアンの悲哀や開拓の虚しさみたいなものが感じ取りたかった。 確かにマグワは欲に駆られて白人の真似をしていき、徐々に白人の文明に毒されていく姿を見ると、インディアンの未来に暗い影が覆い、進むべき道を誤るという族長の話は分かるけど、ちょっとラストのオヤジのセリフには唐突なモノは感じる。 「インディアンは滅びるだろうが、彼ら白人も我々と同じ消え去る運命を辿るだろう。でも我々は確かに存在した」と言われても、ちょっとなあという感じはする。 ダンカンも最後男を見せてこれは良かったが、アリス・ウンカスに滝のシーン以外に1エピソードがあれば嬉しい。 音楽は映画のシーンへの相乗的な効果があり、間違いなく良かった。8点(2004-10-02 18:27:55)(良:1票) 《改行有》

686.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 とても切ない映画としか言いようがない。 5ドル使い切ったら死ぬことを考えていた、そんな絶望と孤独の中に見出した一つの光。 それがセルビーとの愛。絶望の世界が大きく変わった瞬間、あのスケート場の描き方は特に良かった。 誰よりも愛や自分を信じることに飢えていたアイリーンだからこそ、セルビーとの会う約束が生きたいという思いに変わり、人殺しをするきっかけになったのだろう。 恐らくセルビーとの出会いがなければ、あのまま乱暴されて死んでいたはず。 ただ、その光が純粋すぎて、その光を守るために次々と悲劇が繰り返されることになる。 肉体的にも精神的にもボロボロになっていくアイリーンに比べて、セルビーの無邪気さが余計に引き立つ。 自分はモンスターはアイリーンではなくセルビーと思っている。 無垢な笑顔の下に潜む怪物、その怪物がアイリーンを犯罪へと導く、自分が言い出したこととも気づかずに。 中盤セルビーの描き方がイマイチはっきりせずよく分からないなと感じていたが、分からないからこそ逆に何を考えているか分からない、だからその分恐怖を感じた。 ただ、幸せに暮らしたかったその一言がセルビーの考えなんだろうが、怪物は犯罪の共犯にもならずに、当然のようにアイリーンを裏切る。 裏切られてもなお、セルビーを守ろうとする姿にアイリーンの絶望の淵から救ってくれた想い、愛の強さを感じる。 セロンの13キロ増の身体、汚い顔、滑稽な動き、全て頑張っている感じたが、それだけではアカデミー賞は獲れない。 暴力的な男を殺すことに対しては神にも正面から向き合えると言ったが、無実な男を殺す際の演技、そしてバス停での告白、あのシーンはとても素晴らしく胸を打つ。 夢を見ていた少女の現実は、結局はまた夢のような世界でしかなかったか。9点(2004-09-26 03:25:35)(良:2票) 《改行有》

687.  アラモ(1960) とにかく男の生き様、散り方を見させてもらった気がする。 3時間20分という長尺で、家族の別れのシーンなどはかなりしっかりと描かれていると感じた、確かに長くてちょっと飽きるかもしれないけど。 自分の生きたいように生きる自由を求めて、勇気と威厳とをもって立ち向かった戦い。 確かに彼らの正義も描かれているが、メキシコ人の正義や痛み、女、子どもを脱出させる時間を与える人間的な部分も多少描かれているのがポイントかな。 主人公3人のそれぞれ個性も注目できる。この3人の微妙なバランスが見所と言っていいだろう。 感情的で短気だけど豪快だが一方弱気も見え隠れする、仲間の信頼の厚いボウイ、指揮官としての重責を担いながら責任感、冷静さを常に保ち、勇気と優しさのあるトラヴィス、そして包容力と指導力のあるクロケット。 それぞれ3人の個性が対照的でいがみ合いながらも、それぞれ認め合う存在だったと思える。そしてそれぞれが自分の信じる道を生き、死んでいった。 個人的に欲を言えば、全体的に悲壮感がもっと欲しかった気がする。8点(2004-09-26 02:14:12)《改行有》

688.  アラモ(2004) 《ネタバレ》 オリジナルに比べるとやはり落ちる気がした、オリジナルに比べ彼らの死を見ても胸にあまり響いてくるものがなかったからだ。 デニスクエイドが演じているだけあって、ヒューストンの出番は大幅にアップ、後日談的なストーリーだったがヒューストンの無念、アラモへの想い、人間性等を描かれている。 そのためオリジナルでは紳士的な面もあったメキシコ人を完全に悪役に描いているのが特徴。特に指揮官は仲間の兵士の命でさえ何とも思ってないような悪党に描かれている。 ソーントンのクロケットも英雄としての皆から期待の大きさに苦悩する姿が描かれていて、人間像としては良かったのだが、戦争が終わったと思ってテキサスに来たというのはどうなんだろう。オリジナルでは意味のない戦いに行くために配下の士気を上げようと手紙の芝居までしてたのに。銃ではなく音楽で対抗するシーンと死に際はオリジナルよりは良かった。 トラヴィスはそこそこ良かったと感じた。指揮官としての責任感や勇気はオリジナル通り、ボウイの停戦交渉中にいきなりぶっ放すような無茶をやるのはトラヴィスらしいと感じた。 その分、序盤の離婚とかイマイチ意味が分からん。 全く存在感がなかったのがジムボウイ、実際には病気だったのかもしれんがもっと出番やれよ。トラヴィスとの和解も早すぎる、いがみ合いながらもお互い認め合う存在というのがやはり理想だろう。 病気は匂わせておいて、前半に活躍の場を与えておいて、後半病気で戦えない無念さを出すとか色々工夫できるのに。 ストーリーとしても、味方の援軍が来ないと完全に決めつけずに援軍は来るはずという期待感を砦に匂わせた方が良かったのではないか。 そうすれば援軍を出せないヒューストンのあせりや無念さがアラモの期待感とリンクしてもっと相乗的な効果が出せたと思う。 序盤の戦闘シーンやメキシコ人の少年もちょっと中途半端な印象。 宣伝には家族がどうのこうの言っているがそんなのほとんど描かれてないのが致命的で、どこに1億ドルかけているんだろうと感じもする。トラヴィス役の人は頑張っていたとは思うが、ヒットさせるためにはこの役はもっとビッグネームの人間が演じるべきだったのだろう。 テキサスのことアメリカ人は「未来」というか「自分を変えるチャンス」と捉えていたのが自由という概念よりも違う印象を受けたので少し新鮮だった。6点(2004-09-26 02:12:52)《改行有》

689.  テルマ&ルイーズ 手を取り合って駆け出していくラストが何とも言えず良い。 最高の二人が最高の旅を締めくくった瞬間…二人の旅は決して終わらないと感じた瞬間でもあった。 当時の女性に対する社会的背景がイマイチ良く分からないけど、恐らく家庭にがんじがらめにされ閉じ込められた自由のない存在であり、ルイーズの言葉にあった様に男に襲われても誰も取り合ってもくれない社会的弱者であったのかもしれない。 夫にも言いたいことを言えないそのような弱い立場から一転して、自由を取り戻して過去の自分を捨て、本来の自分らしい自分になっていく二人。 画面上の二人はとても輝いてみえたのが印象的だった。 彼女らの行動は現実を顧みない甘さしかないけど、多くの人にとって夢や自由、現実を、そして男女ともに自分自身を見つめる何かを見せてくれたのではないか。 二人は着飾ったり化粧をやめていき、次々に男たちからモノ(服、帽子、サングラス)を奪ったり、交換していく姿を見ていくと、過去の自分を捨てているようで面白い。外見が変わることで逆に内面の変化、成長も感じ取ることができる。 きっかけとなった事件も男にとっては単にふざけていたの一言で済まされるかもしれないけど、女にとっては一生消えないココロの傷として残る。ルイーズの頂点に達した怒りはその点に尽きるといえよう。 それにしてもサランドンの表情はイイ。ようやく結婚を切り出してくれた最愛の男と別れる決意を固めた時にホテルで見せた表情には様々な想いが込められていた。 他人を信用するなとテルマに言ったルイーズ、本当に他人を信用することは悪いことなのかどうか、その点をカイテルにいくつポイントを与えてやればもっと映画として良くなったかなとも思われる。7点(2004-09-23 18:21:15)《改行有》

690.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 ゴッドファーザーを意識している創りにはなっているが、決して劣化コピーではなかった。 それぞれが、それぞれ複雑な想いを抱きながら、引き返すことが出来ない場所に辿り着く。戻ることが出来ない場所が地獄の一歩とも言えようか。 それぞれの悲痛で複雑な想いが互いに絡み合い、実に見事としか言いようがないストーリーに仕上がっている。 他の人とは感想は違うが、個人的に1では足りないと感じた緊張感が、1で結果が分かっているとはいえ、2では2時間保たれていると感じた。 ウォン警部は警察官としてあるまじきことをした所で、ラウはマリーが自分のところを離れた時に電話をした所で、マリーはサムを愛した所で、サムは警察と協力して証言台に立つ事よりもハウと刺し違えることを選んだ所で戻れなくなっている。 それぞれが戻れない場所に来ているのに一人、戻ることを夢見て、「自分は警官だ」と(自分に)言い聞かせるヤンが痛々しくも熱い。 もう何が善で、何が悪なのか分からなくなる世界、それだけに善悪が一義的に定まらない所に面白さを感じる。 個人的に好きだったのがサム、マリーの写真を見て、その後何かを吹っ切ったように歩くシーンには、複雑な想いを感じずにはいられない。 1と2の繋がりの粗さは気になるけど、封筒を持ちながら歩くラウの仕草や、ヤンの子どもを結局オロさなかったメイや、ラウとメリーとの出会いも描かれているのも嬉しい限り。 エンディング後に流れた3の予告編を見て、3もまたかなり楽しみになってきた。9点(2004-09-20 21:28:50)(良:2票) 《改行有》

691.  クロウ/飛翔伝説 評価は高いようですが、この監督とはやはり相性が悪いとしか言いようがない。 中盤の主人公が不死身という設定が、いかにつまらなく、緊張感や緊迫感を欠くものになるかを知った。 身体の痛みがあってこそ、心の痛みを感じることが出来るのではないか。 序盤の襲撃シーンももっときっちと描かないと復讐の対象が誰で何人なのかイマイチ分かりづらい。立ち退きとかはどうでもいいが訳分からんし。 また、幸せだった二人を最初に描いても良かったのではないか、多少写真等で回想されるが、冒頭に結婚式を控えた二人を描けば、幸せだった二人を引き裂かれた悲痛な想いを感じることが出来る。 その痛みを感じられれば、怒りや復讐の意味が分かり、復讐を遂げた時、真の愛は永遠に生き続けるとラストで締めることが出来ようかと思われる。4点(2004-09-19 16:02:24)《改行有》

692.  インファナル・アフェア ポイントは個々人にとって色々あるだろうが、自分はラウの人生は本当に無間地獄なのかという点に注目してみた。 冒頭に触れられていたが、無間地獄とは絶え間なく責め苦にあうという意味だが、ラウの人生は果たしてそうだったのか? 最初の見所である内通者合戦からラウは命懸けでボスを守ろうとしている。はっきり言って悪の道を必死にやっているようにしか見えない。 つまりラウという人間が本当は善人であり、善人なのに苦しみながら悪事に手を染めているようには見えないのである。彼の行動は全て自分自身のことしか考えていないように見える。 ラウの苦しみが描かれていないからイマイチ感情移入できないのである。一方、ヤンの方は安心して眠れる場所はただ一つ、ケリーチャンの椅子だけであり彼の苦しみ、地獄は感じ取れた。 チャンが次は見た夢を教えてと精神科医として言った時に、「夢で会おう」と語ったセリフはカッコ良かった。 ラストももう一工夫欲しかったと思う。 自分なら、善人の道を歩みたいと嘆いたラウに対して、潜入の苦しみを知っているヤンはこの地獄から抜け出させるために手を差し伸べるようにすると思う。 そのやっと掴んだ自分の道を一歩、歩もうとした時にもう一匹のイヌが出てくる方がいいだろう。 イヌはヤンを殺し、証拠をネタにラウを再び悪人の道に引きずり込む。それが無間地獄というモノだろう。 ラストの歌にもあるようにやっと見つけた自分の道が、自分の人生を変えることも許されずに、振り出しに戻る、それが地獄というもの。 イヌを殺したら地獄でも何でもない。少しLAコンフィデンシャルに似ているのもマイナスかと思う。5点(2004-09-19 00:35:17)《改行有》

693.  アンブレイカブル 冗談抜きにして感動して泣きそうになってしまった。 自分の存在理由を見出せない二人の男。 一人は毎朝、言い知れぬ悲しみとともに目が醒める。 そしてもう一人は、自分の生きる意味を問いかけていた。 一人は愛のためにフットボールを辞め、やるべきことが分からずに毎日を無気力に生きる。その無気力さがやがて徐々に愛を失いかけている。 警備員をやりながらフットボールの思い(冒頭での女性との会話も注目)を捨てきれてないウィリスは中々いい感じだったし、罪を犯した奴を見抜くという力と絶対に怪我をしないという力という自分の真の力を使って、つたないながらもヒーローとしての一歩を歩み、息子に黙って新聞を差し出すシーンなんてとても良かった。少し距離があった二人の距離が近く感じたシーンでもある。 また同様に、いつからか別々に寝ていた嫁ハンを夜ベッドに運ぶシーンも、この映画が実は失いかけていた愛を取り戻したがっていた二人のラブストーリーでもあったとも気づかされるし、実はかなり深い映画だと思う。 そして対極にいるもう一人の男は、耐えがたい苦しみに生きる目的・希望を失っていた。精神を病んでいたと一言では片付けられないのではないか。本当に病気に苦しむ人間はそういう悩みは抱えているだろうし、死ぬまで怯えて生きていかなくてはならない逃れられない恐怖から「自分」が生きている意味、答えを見出そうとした哀しい男がちゃんと描かれていたと思う。 現実はコミックではないという視点もラストの結末には描かれていたし評判が悪い理由がよく分からないけど、見ててハゲは病気ではないのかとか、ヒーローも悪役も水が苦手って、水が苦手な宇宙人もいたけど、この監督、水になんか恨みでもあるのかと突っ込める楽しい映画でもあるし、冒頭のウィリスが振られる列車での長回しのシーンも結構見応えがあり面白く撮れていると感じた。10点(2004-09-18 18:53:58)(良:7票) 《改行有》

694.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 ストーリー自体はよくできていると思う。 犯罪などによって肉親を殺された人たちが、犯罪も争いもない「理想郷」をこの現代に作り上げるという思想は、実にシャマランらしいなと思う。 シャマランはこの「理想郷」は破綻の危険性を若干孕みつつも成功だと締めくくったように感じるが、この「理想郷」はやはりどことなく破綻しているようにみえる。 犯罪により肉親を失った悲しみから逃れるために現代を捨てて、過去に回帰した「ヴィレッジ」を創り出したとしても、結果的に現代の医療において直るはずの幼い命を病で失うという矛盾(冒頭で示される)に満ちた世界に陥っている。 やはり、人間は悲しみからは結局、逃れることは出来ない。犯罪によって失われる命と病気によって失われる命の重みは、前者の方が重いのだろうか。そうではないだろう。 そのような救われるべき犠牲を出してまでも守らなくてはならない大人達が創り出した「ヴィレッジ」は、本当に成功したのだろうか。 マインドコントロールして善良な子どもたちを作り上げることには成功できたかもしれない。しかし、ノアのような学習できない人間には、彼らの掟をきちんと守らせることはできない。ノアの姿をみて、人間の本質は「暴力」であり、暴力のない世界はやはりあり得ないのではないかという思いを強くした。 そして、犯罪や殺人を嫌っていたはずなのに、大人達の創り出したあらゆる嘘や汚れが、結果的に、ノアを殺したということにはならないだろうか。 「ヴィレッジ」という加害者が、ノアという被害者を生んでしまってはいないか。[映画館(字幕)] 7点(2004-09-12 06:55:36)《改行有》

695.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 ダークシティ同様に特異な世界観と凝った映像は楽しめますが、やはりストーリーの流れが悪いというか、この監督とは相性が良くない。 核の部分である「人間の心」を描こうとしていると思われるが、そこまでの深みがなかった。そのためアクションとしても、サスペンスとしても中途半端な印象を受けた。 出発点であるスミスのロボット嫌いの理由が自分には分かりづらい。確率のみで物事を考え、将来性等を考慮しない感情のなさ、融通のなさに苛立つのは分かるけど、女の子は確かに助からなかったかもしれないが、自分が助かったんだからいいんじゃないか。 そもそも酔っ払いの居眠り運転が原因だから、そっちを毛嫌いしろよ。人の家来て勝手に酒ついでる場合じゃあないだろう。 出発点で入りこめなかったのが失敗したかな。ヴィキの三原則の発展論理や暴走とかは人間を考えればそこそこは理解できるしこれについては面白く感じた。 ラストはどう捉えればいいのかな。サニーの夢が現実になったわけだが、彼らに感情や心を教えて導いていくつもりなのか。 良かったのはモイナハンの変化かな。最初のスミスとの会話の無機質な感じ、まるでコンピューターと会話しているような雰囲気が逆に良かった。徐々に変わっていき最後の方ではイキイキとしていたのが多少印象的だった。 個人的に感じたのはやっぱりサニーの苦悩をもっと描けば良かったと思われる。自分は何者なのか、何のために創られたのか、目的を達した後の存在意義、感情とは何か等悩むネタは色々あるし、握手までの道程も、感動的なものに活かすつもりならスミスともっと絡ませて欲しかった、ウインクだけではちょっと弱い。5点(2004-09-12 06:11:56)(良:1票) 《改行有》

696.  ダークシティ ストーリーや設定、世界観も独創的で素晴らしいが、こちらに分かるようにやってもらわないとちょっときついね。 なんとなく監督の一人よがりになってないかなという気がする。 色々なことがやりたくて、全てが置き去りになってしまっていると思われる。 冒頭の連続殺人から始まり、記憶を失った者の「自分は何者なのか?」という自分探しや人間の個性とは、思い出とは何か?という人間性を描きたいのかと思いきや超能力対決になってしまうし、最後も太陽とか海とかなあ、しまいにはラヴストーリーだし。 舞台は面白いからもっと絞って描けば、なかなかの傑作になり得た可能性もあったんだが。6点(2004-09-06 00:30:41)(良:1票) 《改行有》

697.  翼のない天使 「サイン」の内容を宇宙人を使わずに描くとこんな感じになるんですね。 子どもが好きな人なら向くかもしれませんが、自分には少しこのスローな流れは合わなかった。 じじが無事なのかを確かめたいことから始まる神に会うための精神的な旅。 別れることのつらさを知ったためか、嫌ないじめっ子にも向き合えたし、デブも相手にすることができたのも、一人一人がかけがえのない人間ということが分かったんでしょうね。 その答えを自分で出せ、自分を目覚めさせることが出来たから天使にも会うことが出来た。なかなか夢のある話でした。 個人的には、神父とか女の子とか姉貴とか色々いじれるキャラがいる分話をもっと面白くできたと感じる。4点(2004-09-05 21:45:23)《改行有》

698.  サイン この映画を宇宙人モノや超常現象モノと考えればそのスケールのショボさから恐らく評価は0点に近いモノになるでしょう。 この映画の正しい鑑賞方法は信仰を失った人が信仰を取り戻す姿を描く感動ストーリーと捉えないといけない。 昨今、神の存在を信じない輩が増えてきている現代において、大切な家族を奪われた痛みと悲しみという大きな不幸から神への憎しみだけを募らせていく元牧師というのは中々いい現代の象徴だと思う。 壁にかかっていたと思われる十字架の跡がまた何とも言えないいい現代の象徴とも考えられる。 幸運や不運をただの偶然と考えるか、それとも神の啓示(サイン)と考えるかそれは確かに個々人が決めることだけれども、誰かに見守られていると考えれば生きる希望が沸くし、この世は自分一人で生きていると考えれば人間は孤独なんだという捉え方は今までの自分にない発想だけに意外と面白かったと感じる。 本作のテーマがこれなんで、テーマが分かれば水に弱い宇宙人とか、人間を食糧にするとか全てにおいてショボイ無茶苦茶な設定は逆に笑えるものになるんではないだろうか。 宇宙人や幽霊等の一見派手なオカルトチックな舞台で家族愛や信仰の回復等の人間の本質をテーマに描くというのはシャマランしか出来ないし、また、やらないだろう。 他の監督が出来ないことややらないことをやる、だからシャマランの映画は結構貴重な存在なのかもしれない。7点(2004-09-05 19:25:47)《改行有》

699.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票) 《改行有》

700.  LOVERS 《ネタバレ》 「hero」好きだから結構期待してたけど、多少だが期待ハズレだった気もする。 恋愛をテーマにしているから「hero」ほどの衝撃やスケールの大きさはやはり無理かもしれない、恋愛モノでしかも一人の女性に対して二人の男が争うという展開から、この映画は男性よりも女性受けする映画かもしれない。 恋愛モノは別に嫌いではないけど、イーモウの描くラブストーリーはかなり青臭くて、しかも気持ちの悪くなるラブシーンには抵抗がある。 はっきり言って、オープニングの「踊り」のシーンとラストの決闘シーン以外に気に入ったシーンはなかったけど、ラストシーンには男の情念が溢れていた。 好きな人の気持ちを奪われた男と好きな人の命を奪われそうになった男のまさに死闘と言っても過言ではない戦いに二人の小妹に対するそれぞれの想いが伝わるし、何よりもボロボロになった刀と肉体が物語っていた。 ラウの最期の賭けにも、あきらめきれない男の気持ちが良く伝わってくる。自分の命を賭けてもその男が本当に好きなのかどうかという無言の問いかけと小妹が出したその答え。 あの答えを出されてはもう何も争う理由なんてない。惨めで肉体的にも精神的にもずたぼろになって歩いていくラウの姿にはいい意味で男を感じる。 金城は違和感は感じたが、そこそこには頑張っていたとは思う。 冒頭のちょっと嫌みのある余裕のある男から、徐々に本気になっていく真剣な表情への変化、結婚とか言われた時の照れくさそうな表情や、小妹と交わした笑顔とかいい表情もあったけど出来れば別の役者が良かったかな。 アクションは「hero」にはその必要性や色々な想い、意味が隠れていたが、今回は逃げ回るだけのアクションなのでちょっと飽きる上にそれほど目を奪われるほどのものでもなかった。 ストーリーとしてもちょっと弱いとは思う。小妹が風のような自由できままな生き方に憧れるという流れならば自分らしく生きれない束縛された人生を金城に語って欲しかった。 お互いがお互いをかばい合い、惹かれていき、必要としていくことを描いていかなければ感情移入は出来にくい。7点(2004-08-29 23:32:10)(良:2票) 《改行有》

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