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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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721.  フェア・ゲーム(2010) シンディ・クロフォードのお色気バカアクションと同じタイトルなので何となく舐めた目で鑑賞をはじめたのですが、本作は驚くほど硬派で見応えがあり、その面白さには目を見張りました。国家vs個人というハリウッドお決まりのテーマを扱っているのですが、個人が権力を敵に回した時の恐ろしさというものが非常にうまく表現されており、際立った見せ場がなくとも全編に渡って緊張感が維持されています。そして、「攻撃は最大の防御」と言わんばかりに政府に対する攻撃姿勢を強める旦那と、「これ以上傷を広げたくない」と沈黙を守る妻の対立もうまく処理されていて、どちらの主張にも「わかるわかる」と納得させられました。結果、観終わった後もあれこれと考えさせる内容となっており、21世紀版「インサイダー」とでも言うべきレベルには到達していると思います。。。 薬漬けにされた上で処刑されたサダム・フセイン、特殊部隊により殺害されたことになっているビン・ラディンと、スッキリしない結末を迎えるアメリカの対テロ戦争は今後も映画化されていくと思いますが、本作は将来生まれる作品群のお手本となることでしょう。 [DVD(吹替)] 8点(2012-04-21 19:31:07)《改行有》

722.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 論理的な整合性や設定の納得感よりも派手さ・面白さを重視した内容ではあるのですが、事前の予想よりもずっとマトモな仕上がりでした。元ネタが戦艦ゲームであるため敵の弱点をどう突くかという”戦略”に重きを置いているのが本作の特色なのですが、複雑すぎずバカバカしすぎず、この”戦略”の処理が抜群にうまかったのが勝因だと思います。しかも、その戦略を担当するのが日本人艦長という点が燃えさせるではありませんか。相手となるエイリアンの戦力設定も絶妙で、圧倒的に強い敵ではあるが、通常兵器でダメージを与えることは可能。おまけに「戦力を持たない相手は絶対に襲わない」という特有の倫理観が彼らの行動の枷となっており、テクノロジーで劣る人類はその隙を突いて反撃を加えるという図式になっています。このような特殊な設定により他の侵略SFとはまったく異なる印象の作品に仕上がっており、見応えはなかなかのものです。これまでは大した監督ではないと思っていたピーター・バーグによる演出も非常に的確で、適度に笑わせ、適度にハラハラさせ、適度に興奮させます。主人公の成長物語としても真っ当な仕上がりとなっており、頭空っぽにして観る娯楽大作としては理想的な作品だと思います。 あと、これは私が観賞した六本木ヒルズという土地柄によるのですが、外国人の観客が大騒ぎしながら観ているという空気感も、本作の観賞にはプラスにはたらきました。彼らのハイテンションに日本人客も触発され、劇場にいる全員の笑い声が大きめになっていたのです。家での鑑賞では味わえない、映画館ならではの興奮や一体感というものも味わえたのは貴重な経験でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-14 23:47:49)(良:3票) 《改行有》

723.  ムカデ人間 「ムカデ人間」…一度聞くと一生忘れない直球勝負のタイトルと、そんなタイトルまんまの内容にはB級映画ウォッチャーとして感動しました。こういう一発芸みたいなアイデアを90分の映画として成立させるのって、実は難しいことではないかと思います。お笑いで言えば出オチですからね。そんなテーマを出鱈目なキワモノ映画に終わらせず、ホラーシナリオの黄金律に当てはめてきちっと作りこんできた辺り、この監督さんの構成力はなかなかのものだと思います。 もうひとつこの監督さんを誉めるならば、スタッフもキャストもやる気を出さないであろうこの企画において、無駄に美しい撮影や渾身の演技を引き出した現場責任者としての手腕の高さが挙げられます。ハイター博士を演じたディーター・ラーザーなる人物が今までどこで何をしてきた人なのかは知りませんが、本作におけるジャック・ニコルソンとリー・アーメイとナメクジを合わせたような見事なキ○ガイぶりは輝いています。無名の老人にこれだけのインパクトを与えられる監督が他にいるでしょうか?また、ムカデ人間さん達にマトモな演技をさせた点でも感心しました。終始裸で他人のケツに顔を押しあてるというみっとも恥ずかしい格好をさせられ、その上常に四つん這いなので肉体的にも相当厳しい撮影だったことは容易に想像できるのですが、そんな過酷な状況にあって質の高い演技を引き出しているのです。部下にやる気を出させることが上司の仕事であると経済誌などにはよく書かれていますが、過酷な条件下で俳優からベストなパフォーマンスを引き出したこの監督さんは、相当優秀な上司であったと思います。起業でもしたら大成功するのではないでしょうか? とまぁ誉めてばかりなので次は問題点も指摘しますが、この映画の欠点としては監督にエログロへのこだわりがなかったことが挙げられます。設定の過激さに比べると際立った描写は少なく、かなりおとなしめの仕上がりとなっています。ホラー映画であるにも関わらず血の量は最小限で、えげつない部分については観客の想像力に任せて直接的な描写は避けています。せっかく女優さんを裸にしているのにおっぱいはほとんど見えないし、「これが撮りたかったんだ!」という訳の分からんこだわりや熱意みたいなものがあまり感じられません。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-31 17:04:53)(良:2票) 《改行有》

724.  プライド/運命の瞬間 公開時は高校生だったのですが、従軍慰安婦も南京大虐殺もバリバリに信じていた当時の私は本作の内容に激しく憤り、「こんな映画は駄作に決まっている。死んでも観るものか」と固く心に誓ったものでした。当時の日本は私のような心境の人間が圧倒的多数を占めていたようで(表現者であるはずの山田洋二までが「プライド」上映禁止運動に参加するという異常事態)、2011年のDVD発売までの10数年間、本作は封印作品に近い扱いを受けていました。しかし時代は変わるもので、「日本って言うほどは悪くなかったんじゃ?」という疑念とともに本作はシレっと復活。かつては「死んでも観るか」と固く誓った私もアッサリ誓いを撤回し、死んでもどころか10年そこそこで本作を鑑賞するに至ったのでした。。。そうして鑑賞しての感想ですが、これがなかなか面白いのです。理由は簡単、題材が面白すぎるのです。弁護側が提示した3000もの証拠は理由もなく却下され、一方で歪曲や捏造に溢れる検察側の証拠はロクに検証もされずにどんどん通っていく。ならばと弁護側が検察側の矛盾点を追及しようとすると、「後で答える」との返答で終わらされてしまうという理不尽にも程がある魔女裁判が繰り広げられたわけですから、これをドラマにしてつまらないわけがありません。開始から2時間は時間を忘れるほど映画にのめり込みました。しかし、物語が裁判を離れ、東条英機やパール判事のプライドにフォーカスするラスト40分に入ると、映画は一気に息切れを起こします。東京裁判のみで突っ切ってしまえば面白かったのに、インド独立運動などを入れてしまったために視点が分散してしまったのです(そもそも本作はパール判事の伝記映画の企画だったわけですが…)。とはいえトータルでは満足度の高い作品であり、本作を頭ごなしに否定する人は自分の目で映画を観ていない人だと思います。「東条英機を擁護するなんて言語道断」と思う人も、映画を見れば意見が変わるはず。日本の側に非があるのなら検察側はその悪事を淡々と暴いていけばいいだけなのですが、実際の東京裁判では検察側が日本の悪をまともに立証できず、判事と検事の超絶連携プレイで7人を絞首刑にしたという法の精神完全無視の結末を迎えたわけです。なお、監督・脚本を務めた伊藤俊也氏は東映労組の戦闘的な委員長として知られたバリバリの左翼。左翼の目で評価しても東京裁判は狂っていたというわけです。[ビデオ(邦画)] 7点(2012-02-25 05:36:09)

725.  デビルマン 《ネタバレ》 酷い酷いとは聞いていましたが、今回体感した酷さは前評判を軽く上回っていました。シベ超がかわいく思えるほどの駄作ぶり。本作は日本映画の黒歴史として永久に語り継がれるはずです。まず、出演者の演技が素人以下。イメージが固定されたプロの役者は敢えて避け、観客に先入観なく受け入れられる若手を抜擢するというキャスティング方法もあるにはあるのですが、本作はロクな指導もなく素人を素人のままカメラ前に立たせているため、物凄いことになっています。誕生日プレゼントをもらう時も、サタンになってしまった時も、恋人の生首を発見した時もすべて同じ表情、同じ語気。おまけに一言一言セリフを思い出しながら喋っているため、句読点がくる度に一呼吸入れるというおかしな話し方になっています。そうして役者がまったく演技をしていないことに加えて、脚本までが支離滅裂なので話がサッパリ理解不能。例えば、序盤において了は明に対して自分がサタンであることを明かすのですが、中盤においてデーモン狩りを行う人類に了が復讐しようとすると、明は了に向かって「お前、サタンだったのか?」と頓珍漢なことを言い出します。さらにラスト、ついにサタンの姿になった了に向かって、明は「お前はサタンだったのか…騙したな!」と怒り出します。この映画は「メメント」でしょうか?演出もいい加減で、昼間かと思えば次のカットは夜になったり、雨かと思えば次のカットは晴れていたりと、10億もの金をかけてエド・ウッド並の仕事を披露。人間ならざる者同士の死闘を描くにはかなりの映像テクニックが必要となるはずなのですが、この監督は役者のアクションをただカメラで追うだけなので、物凄く恥ずかしい見せ場の連続となっています。俳優達はガンカタっぽい動き、スパイダーマンっぽい動きの後に決め顔をするのですが、カメラワークやカット割り、音楽等によるフォローがないため気の毒になるほどダサイです。気の毒といえば、半デーモン状態の明の特殊メイクもえらいことになっています。予算の都合かフルCGデビルマンの登場時間は少なく、代わって役者に簡単なメイクを施しただけの半デーモン状態が多く登場するのですが、このメイクが出来損ないの世紀魔Ⅱ状態。おまけに腕を前に構えるおかしな戦闘ポーズにも脱力で、センスのない監督にマンガ映画を任せると大変なことになることがよくわかりました。[DVD(邦画)] 0点(2012-02-12 19:12:16)(良:3票)

726.  あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 「山P主演で『あしたのジョー』実写化」の一報を聞いた時には「日本映画界による原作レイプは来るところまで来たか」と思ったのですが、完成した作品は意外にも誠実な仕上がりとなっています。時代やキャラクターの再現度は非常に高く、なかなか見応えがあるのです。同時期に製作されたヤマトが「アレンジ」という便利な言葉を振り回してマンガ映画特有の難しい点や面倒な点から逃げ回っていたのに対し、本作はそんな困難に真正面から挑み、ある一定の成果を挙げてみせたという点で、非常に評価できます。懸案事項だった山Pにしても、彼は体も演技もきちっと作り込んできており、「アイドルだから」という甘えが一切ありません。おいしいところはすべて伊勢谷友介に譲っている点でも好感度が高く、彼の起用は失敗ではなかったと思います。ただし「映画として面白かったか?」と聞かれると、答えは「NO」です。ボリュームのある原作を2時間強に納めたため展開が駆け足にならざるをえず、ひとつひとつのエピソードが消化しきれていません。その一方で力石が死んだ後のエピローグが無駄に長く、本作は時間配分の面で完全に失敗しています。また、試合の場面では劇画の再現にこだわりすぎてアクション映画としてのテンポ作りが放棄されており、ひとつひとつの画は素晴らしくても、これを繋げたところで手に汗握るファイト場面にはなりえていません。監督も役者も期待通りの仕事はしたが、それ以上の映画には出来なかったというところでしょうか。[DVD(邦画)] 5点(2012-02-12 01:44:07)

727.  スリザー 《ネタバレ》 50年代のモンスター映画を観て育った世代が80年代にそれらの作品のリメイクを続々と発表し、そして80年代のモンスター映画を愛するジェームズ・ガンが、21世紀のテクノロジーとねじれた笑いのセンスでモンスター映画を再度蘇生させたのが本作です。この映画は「懐かしさ」や「お約束」の塊なので、過去のモンスター映画を観ていない人にとっては苦しい作品です。元ネタを知らないモノマネを見ているようなものですから。ただしその手の映画が好きだった人にとっては、本作はなかなかイケると思います。隕石に乗って地球に飛来する冒頭にはじまり、田舎町という舞台設定、「うちの夫がヘン」という導入部、ブレインスナッチに、ニュルニュルの触手に、ゾンビ状態の感染者にと、B級モンスター映画としてはほぼフルスペック状態となっています。警官達が装備を整える場面で、一瞬「プレデター」の音楽が流れた時には感動いたしました。本作には二人のヒロインがいるのですが、片や入浴中に襲われ、片や下着姿でラストバトルを迎え、おっぱいへのこだわりも十分なのです。「胸の谷間を撮りたいだけじゃん」という場面がいくつかある点など、実によくわかってらっしゃる。そんなこんなで80年代モンスター映画の総決算をやる一方で、21世紀ならではの捻りもちゃんと加わっています。笑っちゃいけないところで笑う、さすがに殺しちゃマズイ対象(子供、犬、お年寄り)を殺す、街が全滅して終わりという残酷すぎるラスト(80年代であれば、ボスを倒したことで寄生体が死滅し、意識を乗っ取られていた住民たちは正気に戻るというオチにしたはず)などです。この手の映画に免疫のない方が見ると「ちょっとやりすぎではないか」と思うかもしれませんが、このくらいネジの飛んだ映画というものも、たまには良いものです。[DVD(吹替)] 7点(2012-02-04 14:47:32)(良:1票)

728.  ウォーロード/男たちの誓い 合戦シーンは見応えは十分で、大規模なモブと華麗な功夫の絶妙な組み合わせは香港映画ならでは。ハリウッドがどれだけの大金を投じても不可能なアクションを堪能できます。さらに硬派なドラマとしての魅力もあります。兵士の風紀や捕虜の処遇等を巡ってジェット・リーとアンディ・ラウが対立する場面ではどちらの言い分にも筋が通っていて、観客にも頭で考えることを要求してきます。盗賊団の頭をやっていたアンディ・ラウが人情や約束といった価値観で物事を判断するのに対して、官僚出身のジェット・リーは「天下をとるために、今はどう動くべきか?」と冷静な計算で意思決定を下します。そして、本心ではアンディ・ラウの意見を支持しながらも、ジェット・リーの論理的な説得に同調してしまう金城武が間に入るわけです。この3人の構図にはなかなか興味深いものがありました。アクションではなく男のドラマを中心に据えた構成には気合が入っており、なかなかの意欲作だと思います。ただ、残念なことに香港映画特有の作りの粗さが硬質なドラマに追いついていません。過剰演出・過剰演技が暑苦しすぎるし、そんな感情の押しつけが激しい一方で、物語における状況説明は不親切。「誰が」「何のために」という部分の説明が甘いために、時折話を見失いそうになりました。アクションもドラマも勢いで押し切ろうとするところが大陸ならではの欠点で、もう少し精密な仕事をしてくれていれば、見違えるような傑作になったと思います。[DVD(吹替)] 6点(2012-02-04 14:09:22)

729.  ゾンビランド 「ナポレオン・ダイナマイト(無惨な邦題では呼びません)」が大ヒットした辺りから「どうやらオタクを出せば映画はヒットするらしい」ということに映画会社の重役たちは気付いたようで、近年のハリウッド映画はオタクの成長物語ばかり。「イケメン出しても金にはならん。稼ぐならオタクだ」とでも言わんばかりに連発される作品群には若干食傷気味だったのですが、そんな中にあって本作はかなりイケました。勝因はナチュラル・ボーン・キラーことウッディ・ハレルソンをオタクと組ませたことで、この二人が見事な化学反応を起こしています。出会った当初は完全にイっちゃってる人だったハレルソンが徐々に人間らしくなっていく様は微笑ましいもので、本作が優れたドラマ作品であることを証明しています。オタク青年が男らしく成長していく様も定石通りに手堅く作られており、脚本も演技も抜群に安定しています。さらにはビル・マーレイという飛び道具までを投入。ゾンビと見せかけて実は生きていたマーレイに向かって「あら、生きてたのね(二重の意味で)」ですからね。ガーフィールドネタまでが飛び出すなど、身を呈して笑いをとるマーレイの雄姿にはコメディアン魂を見ました。そんなこんなで楽しんで見ていたものの、同時に「そういえばゾンビが全然出てこないな」と気になった中盤でしたが、クライマックスでは素晴らしいスペクタクルが待っていました。迫りくるゾンビを撃って撃って撃ちまくる、ゾンビ映画に求められる爽快感を存分に味わうことができます。ラストは綺麗にまとめすぎの感もありましたが、気軽に見る娯楽作としては十分な完成度だったと思います。不満をひとつ述べるならば、文明が壊滅しているアメリカ合衆国において、なぜか電気が通っていることへの言及がなかったこと。コメディ映画なのだから笑いで逃げてしまえばよかったのですが、これに一言も言及しなかったために思わぬ設定の穴となってしまいました。[DVD(吹替)] 7点(2012-02-02 01:29:24)(良:2票)

730.  CASSHERN 私が生まれる遥か以前のアニメなのでオリジナルは未見なのですが、どんな作品であったのかの予習はばっちりしました。オリジナルには「平和=戦争をしないこと」という誤った定義付けをした戦後民主主義の矛盾を突く姿勢が根底にあって、「平和を守るためには戦わねばならないことだってあるのではないのか?」という問いを子供たちに突きつける野心的な内容となっていました。例えば、絶対的平和主義を掲げる市民達が、何の抵抗もなしに自分達の街をブライキングボスに引き渡すというエピソードがありました。戦争をしないことこそが最善であり、自分達の善意は敵にも伝わるはずだという勝手な思い込みが彼らの中にはあって、さらには戦いで命を失うリスクを冒すくらいなら隷属の身に陥った方がマシという浅ましい根性があったのですが、そんな卑屈な人間を見たブライキングボスは「このようにして守るほど平和とはありがたいものなのか」と、その姿を鼻で笑うのでした。最終的に、全市民が虐殺されてそのエピソードは幕を閉じます。。。一方、実写版の本作。140分に渡って「戦争はいけないんだ!」と主張する内容はオリジナルの正反対です。軍国日本を悪役にするという世界観からも戦後民主主義的な価値観がベースにあることは明らかなのですが、これでは戦後民主主義への疑念を出発点とするオリジナルとは水と油。キャシャーンの設定にしても、オリジナルの主人公は父の反対を押し切って自らの意思で改造されるのですが、本作では父親のエゴの被害者として扱われています。父殺し・兄弟殺しの物語は石ノ森章太郎の世界だし、本作が「新造人間キャシャーン」のリメイクである必然性は限りなく薄いと思います。映画としても雑な部分が多くて、理念的な主張をしつこいくらいに繰り返す一方で、背景の説明ができていないのでセリフが完全に浮いています。「なぜこの人がここにいるのだろうか?」と、キャラクター達の基本的な動きすら見失うほど状況説明がヘタクソで、さほど難しくないはずの物語が非常に難解に感じられます。ただし、ビジュアルの素晴らしさは本物です。たったの6億円で作られた作品とは思えないほど見応えがあります。「腐ってもオリジナリティで勝負する」という監督のガッツも感じられるため、決して嫌いな映画ではありません(最近見たヤマトの盗作ぶりがあまりに酷かったので、本作がより際立って感じられます)。[DVD(邦画)] 6点(2012-02-01 00:53:49)(良:1票)

731.  グリーン・ホーネット メカはかっこよく、カンフーアクションにはキレがあるし、物語だってそれなりに練られているのに、なぜか気持ちが乗り切らなかったのですが、その理由を考えてみると主演のセス・ローゲンを好きになれなかったことが大きな原因であるように思います。正義に目覚めたアホボンという設定なのでコメディ畑のローゲンがグリーン・ホーネット役を演じることにはそれなりの正当性があるのですが、彼はあまりにコメディ顔すぎて、ヒーローとしてのかっこよさが致命的に欠けているのです。例えば「スパイダーマン」のトビー・マグワイアや「アイアンマン」「シャーロック・ホームズ」のロバート・ダウニーJrなどには、三枚目であっても真面目な顔をした瞬間にキュっと空気を引き締めてヒーローらしい表情を見せるというメリハリがあったのですが、ローゲンにはそれがありません。笑いと男らしさの間で絶妙なバランスをとらねばならないグリーン・ホーネット役において、コメディ”しか”できないローゲンは不向きであり、キャスティングの候補に挙がっていたジョージ・クルーニーやジェイク・ギレンホールといったコメディ”も”できる普通の俳優の方が、この役には相応しかったと思います。ジェイ・チョウのカンフー、キャメロン・ディアスのいい女ぶり、クリストフ・ヴァルツの悪役ぶりはどれも悪くなかったし、ミシェル・ゴンドリーのビジュアルセンスもきちんと映画に反映されていただけに(しつこいほどにエスカレートしまくるクライマックスのアクションは必見)、主演俳優の魅力不足を惜しく思います。[DVD(吹替)] 5点(2012-01-30 01:14:48)(良:1票)

732.  エッセンシャル・キリング 日米の予告を見る限りではソリッドなサバイバルアクションをイメージしたのですが、その内容はサスペンスアクションというよりも微妙なアート映画。”言いたいことは分かるんだけど、ねぇ…”という、「シン・レッド・ライン」を見た時と同じような印象を持ちました。主人公は名前も明かされず(エンドクレジットでようやく「ムハンマド」という名前が確認できる程度)、その人生も仄めかされる程度で、話の発端となる峡谷にいた理由も不明。会話をさせると観客にバックボーンを推測されてしまうという監督の判断からセリフは一切なく、それどころか性格すら持たされていません。ただ「生き延びる」という本能だけを持った真っ白な存在として描写されており、映画からはドラマ性が完全に排除されています。「ランボー」を彷彿とさせる前半部分にはそれなりの緊張感や視覚的な刺激があるのですが、追手の姿が見えなくなり、主人公の生存に的が絞られる後半部分にはとにかく退屈しました。この作品の言いたいことは”Essential Killing(必要不可欠な殺し)”というタイトルですべて片が付いています。「主人公は善人ではないし、惨い殺しもやるが、すべて生存のために必要な行為だった。君らは彼の行為を否定できないだろ?”生きる”ってのはそういうことなんだよ」、こういうことなのでしょうが、映画としてのサービスがあまりに欠けているため、ちっとも面白くありません。。。なお、本作はヴェネツィア映画祭で審査員特別賞を受賞しているのですが、「各部門につき受賞作品は一作のみ」というルールを曲げ、審査員長だったタランティーノの一存で与えられた受賞であることは明記しておくべきでしょう。「オールド・ボーイ」のカンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞もそうでしたが、自分の好きなジャンルに極端に肩入れして何か賞を与えようとするタランティーノは、映画祭の審査員には不向きな人であるように思います。[DVD(字幕)] 4点(2012-01-28 19:53:06)(良:1票)

733.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! これは絶対に吹替えで見るべき映画です。本作におけるウィル・フェレルはオーバーリアクションで笑いをとることはほとんどなく、微妙な言葉遣いの変化で笑わせてきます。日本で言えば、アンタッチャブル山崎や柳沢慎吾のようにテレビの音を消していても何か面白いことをやっているということが伝わってくるタイプの笑いではなく、真面目な顔をして小ボケを入れてくるところが面白い高田純二や板尾創路タイプの笑いなのです。そんな微妙なニュアンスを字幕で再現することは到底不可能であり、吹替えでは大笑いできた場面が、字幕での鑑賞では面白くも何ともないという状況になっています。例えば、マーク・ウォルバーグ扮するホイツ刑事が、ウィル・フェレル扮するギャンブル刑事をしつこく質問攻めにする場面。ギャンブル刑事は礼儀正しく小市民的であるため、マッチョに憧れるホイツ刑事は強気で質問するのですが、それまでおとなしかったギャンブル刑事が突如「うっせーんだよ、てめぇ!」とキレはじめる。そしてまた小市民に戻る。そこがこの場面の笑いどころなのですが、字幕版では単なる会話にしかなっていませんでした。。。そんなわけで吹替えでの鑑賞を前提にして本作を評価すると、物凄く笑える見事なコメディ映画であると言えます。要所要所でキレるフェレルがとにかく笑わせるし、そのパートナーであるウォルバーグはフェレルの笑いを引き出す役に徹しているため、このコンビは全編に渡って非常に安定しています。「ザ・ファイター」に続いてまたしても引き立て役に回ったウォルバーグですが、一応は主役であるにも関わらず変に目立とうとしないその姿勢には感動しました。ド派手なカーチェイスや銃撃戦は目を楽しませるし(と言っても製作費1億ドルはかかり過ぎですが)、強欲なアメリカ資本主義を悪役にするという鋭い考察も交えているし、見応えのある満足度の高い娯楽作に仕上がっています。[DVD(吹替)] 8点(2012-01-21 21:25:08)(良:4票)

734.  ドライブ・アングリー3D 10年前ならロバート・ロドリゲスが撮っていたような闇鍋アクション映画。個人的に好きなジャンルなのですが、本作にはイマイチ乗り切れませんでした。主人公の能力設定がとにかく曖昧なので、アクションに感情が乗らないのです。無敵の強さを見せたかと思えば、意外な場面でピンチに陥る、2時間弱見ていて手に汗握ることが一度もありませんでした。また、復讐劇ならもっとウェットであるべきだし、勧善懲悪ものならもっと爽快であるべきなのですが、本作はどっち付かずになっていることも不完全燃焼の原因です。きちんとしたお膳立てがあれば目を釘づけにするような素晴らしい見せ場が多く、役者も全員ハマっているにも関わらず、脚本や演出の手落ちのために残念な仕上がりとなっています。[DVD(吹替)] 5点(2012-01-21 20:16:04)(良:1票)

735.  PUSH 光と闇の能力者 《ネタバレ》 理詰めのX-MENといった趣で、超能力者の設定はよく考えられています。「我々が知らないだけで、こういう能力を持った人達は実在しているのかも」と錯覚させる絶妙なレベルに能力が設定されているし、超能力者にはそれぞれに人生があり家族もいるのだという当然の描写がなされていて、本当によく練られた話だと思います。劇中には9つのタイプの超能力が登場するのですが、それぞれの能力には特有の強みがあって、チェスや将棋のコマのように複数の能力を組み合わせることで敵勢力を出し抜くというゲーム感覚の戦いが繰り広げられます。「ウルヴァリンさえいれば済むじゃないか」というX-MENとは違い、集団戦の面白さを追求した絶妙な設定になっていると思います。問題は、脚本家と監督の力不足によりこの内容を2時間弱に納めきれていないこと。物語は唐突にはじまり、各々のキャラが何を考えているのかを把握する間もないまま話が終了するという残念な仕上がりとなっています。情報整理がヘタクソなので各能力の特徴すら説明しきれておらず(よくわからない能力の人が何人かいます)、Wikipediaの解説を読んで事前に知識を整理してから鑑賞する方が無難です。ラストの作戦などは複雑すぎて頭が痛くなったし、よくよく考えてみれば、あんなにもややこしくて偶然性に頼りまくった作戦なんてうまくいくわけがありません。その上、ドンデン系の映画に必要な「引き」の演出が出来ていないので、余計に映画がつまらなく感じます。見ているこっちは、途中でどうでもよくなってしまうのです。監督のポール・マクギガンはクライムサスペンスを得意とする人で、アメコミ風の世界を舞台にした大規模なミステリーをやろうとしていたようなのですが、SFの前提で鑑賞している観客がどれだけの情報量を吸収できるのかという計算が完全に狂っていました。あまりに詰め込み過ぎなのです。前作「ラッキーナンバー7」同様、企画倒れの映画だと思います。[DVD(吹替)] 4点(2012-01-19 01:05:46)(良:1票)

736.  レジェンド・オブ・ウォーリアー 反逆の勇者 監督のマーカス・ニスペルはMTV出身。新人監督らしからぬワガママぶりがシュワルツェネッガーの逆鱗に触れて監督デビュー作となる予定だった「エンド・オブ・デイズ」を降ろされ(この降板は正解だった?)、仕切り直しのデビュー作「テキサス・チェーンソー」で製作費の10倍を超える興行成績を叩き出した人物です。この経歴が示す通りホラーやバイオレンスを得意とする監督で、本作でも容赦のない残酷描写が炸裂しまくっています。手が飛び、首が飛び、目玉が転がる、もうやりたい放題です。そんな暴力三昧の一方で映像にはMTV出身らしい美学もあって、ひとつひとつの場面は美しくかっこよく撮れています。ちっちゃいリドリー・スコットといった具合でしょうか。そんな長所と同時にMTV出身ならではの限界も露呈していて、場面場面はかっこよくても活劇としての演出がなされておらず、見せ場が一本調子で手に汗握るものがありません。そもそもの構成の問題として、復讐劇と逃走劇という正反対のものを同時にやってはいけないでしょ。この倒錯した構成のために本作は観客の心を掴み損ねており、エモーショナルであるべき物語が空回りする結果となっています。さらにはドラマパートも弱く、己のアイデンティティに悩む主人公の葛藤がまったく描写できていなかったり、「ラスト・オブ・モヒカン」を思わせる劇中の三角関係が本筋にまったく絡んでいなかったりと、こちらでも消化不良を起こしています。[DVD(吹替)] 4点(2012-01-19 00:06:38)

737.  キック・アス 前半部分は「スパイダーマン」をなぞり、「現実はマンガほど簡単じゃないよ」とヒーローものの解体作業を行うのですが、クライマックスでは見事なまでのカタルシスを炸裂させてニューヒーロー誕生を高らかに宣言するというニクイ構成となっています。「ギャラクシー・クエスト」とまったく同じ構成ではありますが、ボンクラ男子の妄想を肯定するこの手の映画は、やはり嫌いになれません。マシュー・ヴォーンの演出は冴えまくっていて、キックアス処刑ライブにおけるヒットガール登場のタイミングや、「マトリックス」と「ウォンテッド」を合わせて「リベリオン」風味にしたようなラストの討ち入りなどは、アクション映画として完璧だったと思います。また、残酷描写から逃げていない点でも本作は評価できます。描写が極めて残酷であること、特に小学生が銃を握って大人と戦うという点において本作は厳しい批判を受けましたが、アメコミを解体する作業において、これらの点は決して外してはいけない部分でした。スパイダーマンが悪との戦いをはじめたのは高校生の頃だったし、ザ・フラッシュの相棒であるキッド・フラッシュは小学生、日本にも10代のヒーローは大勢います。そんなヒーローものの設定を煮詰めていくと、武装した子供が犯罪者を殺して回っているという異常な図式が自ずと浮かんできます。アメコミの解体作業をやるのであればその異常性を観客に認識させるという描写は絶対に必要だったわけですが、マシュー・ヴォーンは批判を覚悟でその描写をきっちりとやりきったのです。。。さらに、この手のオタク映画では音楽のセンスも重要となってきますが(オタク臭さ全開の「パルプ・フィクション」がカッコイイ映画となりえたのは、タランティーノの選曲センスによるところが大きい)、その点でも本作は効果的な選曲をしてきます。前述の「ギャラクシー・クエスト」がオタク系の人を喜ばせるだけの映画に留まったのに対して、本作はカッコイイ選曲を披露したことで、オタク以外の人をも取り込むセンスの良い映画になりました。知的でありながら優れたエンターテイメントであり、オタク臭いのにセンスが良い本作は、非常に完成度の高い作品であると言えます。文句の付けどころがないほど良く出来ています。[DVD(吹替)] 8点(2012-01-16 01:15:52)

738.  モンスターズ/地球外生命体 《ネタバレ》 面白いかどうかを度外視すれば、低予算をやりくりしてうまく作られた映画ではあります。「怪獣が日常化した世界」というものを論理的に作り上げており、テレビでは怪獣出没予報をやっていたり、危険地帯から脱出する場合には法外な料金を請求されたりと、なかなか面白いアイデアに溢れています。ビジュアルの作り方もユニークで、日常生活の思わぬところに怪獣戦争の痕跡をさりげなく配置することで独特の世界を作り上げています。SFを前面に出さないことで予算は節約されているし、怪獣映画にリアリティを持ち込むことにも成功するという二重の効果が得られているというわけです。ただし、こうした世界観はあくまで背景に徹していればよいものであって、本編の大部分が世界の紹介に当てられたのではさすがにダレてしまいます。観客が見たいのは怪獣であって、怪獣と同居する世界が主役になられても困るのです。「怪獣の出ない怪獣映画」というコンセプトの本作を怪獣が出ないことで責めるのはスジ違いかもしれませんが、さはされど映画として面白くないのだから仕方ありません。なお、インディーズ作品であるにも関わらず役者の質は悪くありません。特に、女優さんには若い頃のキャメロン・ディアスのような華があって、よくぞこんな素材を見つけてきたものだと感心しました。本編はループ状の構成となっていて、ラストの続きは冒頭に置かれる形となっています。せっかく結ばれた主人公二人が、その数分後には怪獣戦争の犠牲になるという切ない構成はさすがブリティッシュ。[DVD(吹替)] 4点(2012-01-15 11:35:23)(良:1票)

739.  スーパー! 《ネタバレ》 ダメ人間が現実世界でヒーローごっこをする物語といえば「キック・アス」が代表格となりますが、本作は基本コンセプトこそ共通していても、中身はまったく異なる内容に仕上がっています。「キック・アス」は既存のヒーローものをバラバラに分解した上で再構築した作品であり、クライマックスでは新たな形でのファンタジーを提示しましたが、本作は分解したものを組み立て直すことなく、身も蓋もない形で観客の前に晒しています。「正義に目覚めて他人に暴力を振るう人間とは、一体どんな人格なのか?」「凡人が悪党に勝つためには、どんな手段をとることとなるのか?」「武装した者が他人に暴力をふるうと、相手はどうなるのか?」こういった疑問を煮詰めに煮詰め、出てきた答えをぶちまけているのです。描写はスプラッタホラー並にドぎつく、主人公は完全にキ○ガイ。前半こそコメディ映画として成立していましたが、後半では一切笑えません。とにかく衝撃作で、「もっとも似ている作品は?」という問いには「タクシードライバー」と答えるのが適切でしょう。トラビス並か、それ以上の狂気がこの映画を支配しているのです。「タクシードライバー」がそうであったように、本作も表面上はハッピーエンドを迎えます。しかし、あれはバッドエンドと解釈すべきでしょう。主人公は暴力の惨たらしさは認識しましたが、多くの人命を失ってまで自分が守ったものが無意味だったことは受け入れられませんでした。そこで、妻は自分のおかげで更生して幸せな人生を送っているのだ、自分は価値あるものを守ったのだという妄想にとりつかれたと考えるのがもっとも自然だと思います。 あれだけの惨事を引き起こした主人公が警察の捜査やマフィアの復讐から逃れて平穏な生活を送っているとは考えづらいし、あの結末を額面通りに受け取ると、作品全体に込められた監督の意図(現実世界で正義に目覚める奴がいるとしたら、それは迷惑この上ないキ○ガイだろう)にも反してしまいます。[DVD(吹替)] 9点(2012-01-14 22:58:20)

740.  デビルクエスト 《ネタバレ》 借金返済のためここんとこ映画に出まくっているニコラス・ケイジですが、本作ではついに時代劇に進出。十字軍騎士役をケイジが演じるというキャスティングはさすがに厳しいだろうと思っていたのですが、意外なことによくハマっています。多くの人が忘れていますがこの人はオスカー俳優、トラウマを抱えた歴戦の勇者を見事に演じているのです。剣術も様になっていて、なかなか器用なところを見せてくれます。その相棒を演じるロン・パールマンは、ケイジがハマらなかった場合の保険としてキャスティングされたかのようなポジションですが(彼がいなくても物語は成立する)、ケイジとの相性はなかなか良くて二人の掛け合いは映画を面白くしています。監督のドミニク・セナも時代劇初挑戦ながら安定した演出を披露。老朽化した吊り橋を渡る場面ではハラハラさせられたし、作品のキーパーソンである女性の描き方はなかなか秀逸なものでした。「女性は魔女裁判の被害者なのか?それとも本物の魔女なのか?」というミステリーが前半部分のキーとなるのですが、この点、セナは適度に観客を混乱させる演出を施していて、なかなか引きのある物語としているのです。問題は、後半になると映画がボロボロになることで、脚本の弱さや予算の少なさといった本作の抱える弱点が一気に露呈してしまいます。女性の正体は月並みなものだったし(前半部分の引きがうまかっただけに、余計ガッカリさせられました)、ついに正体を現した悪魔のVFXは10年前のクォリティで、安っぽさが全開となっています。最終決戦の舞台が狭い書庫なので視覚的な面白みにも欠け、人類存亡を賭けた戦いであるというスケール感も表現できていません。ここでハッタリをかませなかったことが、MTV出身のドミニク・セナの限界とも言えますが。[DVD(吹替)] 6点(2012-01-14 14:53:09)(良:1票)

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