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741.  十八歳、海へ 《ネタバレ》 森下愛子って“もっとしなやに~”の、凄くスタイルの良い綺麗な人だったよなぁってだけで鑑賞。 予備校の優等生と落ちこぼれが、たまたまデートして、たまたま死と隣合わせの遊びをして、それが癖になって…みたいな内容かなぁ。 デートに来たは良いけど、特にやることも思いつかず、ブラブラするところは、私もそんな事あったなぁって思い出せて良かった。 知らないお節介爺さんに助けられて、お風呂ご馳走になって小切手までと、本当にあったら中々ファンタジー。 予備校での自殺シーン。死ぬ青年が最後まで傘刺してるのとか、英介と一緒に黙ってみてるところとか妙にリアル。 だけど英介のホテルでまた自殺未遂とか、お節介爺さんの名前をここで持ち出したりとか、この2人の目的がどうにも良く解らなかった。 佳は生と死のギリギリのラインに魅了されて、敦天は心中未遂ごっこが佳との接点なのと、金儲けに繋がると考えたのか。夏(夏期講習)の終わりを2人の終わりとしたのもよくわからないというか… 学生の飛び降り辺りまではその先が気になったんだけど、佳の姉と英介のロタ島旅行とか、どうも着地点が見えなくなってしまって、集中力が続きませんでした。最後も、あれが最後かぁって感じで。あれが最後なら、何のために今まで観てたんだろう?なんて、思ったりです。[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-10 13:34:02)《改行有》

742.  動乱 《ネタバレ》 上映48分ほどで『第二部に続きます』と来たモンだから、三部構成だと思ったわ。だって150分の映画でしょ?不思議な… 国の未来を思う青年将校たちが二・二六事件に至る経緯が丁寧に書かれている。娘を売らないと生活できない貧しい農民。横行する武器や物資の横流し。日本製の弾に撃たれる同胞の無念。 だから二・二六事件は起こるべくして起きたんだ…って第二部に繋がるんだけど、宮城と薫の恋模様が6割以上な感じで、事件自体は短時間であっさりしている。宮城の存在含め創作部分が含まれるので、より史実に近い形で、事件の状況を解りやすく描いた“226”と両方を合わせて観ればバランスよく理解できるかも知れない。※226のレビューで、銃殺なのにどうして銃声は一発なんだ?って書いたけど、コレ観てなるほどって思った。 健さんは相変わらず。男らしさと優しさを併せ持つ不器用な男のイメージまんま。この頃の健さん映画はどの役を見ても安定の健さん役だ。吉永小百合は、この頃はもう中年女性なイメージだったけど、最初の村娘役なんて、充分に'60~'70年代のままの面影があったから驚いた。まぁでも当時35歳位だから、今の基準で考えると、若く見えても不思議はないか。う~ん…日本映画界が彼女をずっとヒロインで使いたがる理由が解った気がした。宮城を追う島憲兵。子供に握り飯あげたり、毒を盛られた宮城を助けたり、なんかとっても好人物。たった一人、宮城たちに対峙する彼の最後は悲しいものがあったな。 史実モノだけど創作部分が多い割に、今ひとつ淡々とした創り。高倉健&吉永小百合の人気俳優の初共演に頼った作品ぽいなって印象だったけど、当初企画していた原作を使えず、止む無く削るところを削った結果がこの作品なんだろう。それにしちゃ上映時間の長さは削れなかったのかな。 そうそう二・二六事件の時の音楽が、結構Zガンダムだった。三枝成章さんが参加しているからだろうけど、正規軍VS反乱軍なイメージの曲なんだろうか?[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-01 22:39:56)《改行有》

743.  燃えよデブゴン 《ネタバレ》 -Enter The Fat Doragon- “太ったドラゴン現る” ~肥龍過江~コッチはドラゴンへの道(猛龍過江)をモジッてて、“太ったドラゴン海を渡る”。英語題と中国語題で意味がチグハグなんで、興味があればwikiを。 “燃えよ~”要素は小舟で海を渡るところと、ボディガード3人が似た人持ってきてるくらい。骨格は“~への道”要素のが大きいっぽい。 燃えよドラゴンのオープニングでリーと戦う太った格闘家。細いリーと比べ重たそうな男が、まさか映画の主役になるなんてね。 でもデブゴンって言うほど、太ってるかな?まぁ痩せちゃいないけど。顔なんてちょっとむくんだ塚本高史みたいで、よく見ればカッコいいかもしれない。しかし身体に似合わず上段蹴りとか素早くてキレッキレで、そのギャップに驚く。 偽ブルース・リーとの闘いはかなり見応えあり。「リーに近づきたかったら、もっと頭を使え!」・・・え?「考えるな、感じろ」じゃないの? コメディ要素はイマイチだったけど、教授のエビ子(字幕より)に対する歪んだ欲望を産んだ回想シーンはちょっと面白かった。 この映画、字幕より吹き替えで見たほうが面白かったんだろうな。 デブゴン・シリーズってたくさん創られてたと思ったけど、沈黙・シリーズと一緒で邦題だけ統一した別作品なんだ。へえぇ~~。 今回始めて観たんだけど、小学生のころ「チャイニーズ!カンフー!ナンバーーワーン!!」ってネタが流行ってたの。 私はその映画観てなかったけど、フレーズが面白いんで、一緒になって真似してたっけ。そうか~、アレの元ネタはデブゴンだったんだ~。 ユウシくん、元気だろうか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-09-06 21:35:49)《改行有》

744.  さすらいかもめ 釧路の女 《ネタバレ》 単純にタイトルに惹かれて登録申請してしまいました、すみません。 期待以上に'73年当時の釧路の風景を堪能できます。幣舞橋にはまだ乙女の四季像は置かれていなくって、当然フィッシャーマンズ・ワーフMOOも無い。そして何より人がいる。今は廃墟と言われている釧路市内を、ワラワラ人が歩いているのが凄い。後半チラッと阿寒湖温泉の商店街が映るのも嬉しい。 映画の性質上、恐らくゲリラ撮影だと思うし、観光名所をじっくり観せてくれるわけじゃないんだけど、ホンのちょっぴり当時のナマの生活感が感じられて、今としては貴重なフィルムになっていると思う。 由美が掛ける赤電話の先に、釧路しんくみの旧ビルと現存する電電公社の鉄塔。位置的に佐藤紙店辺りかなぁ?・・・なんて、釧路に思い入れのある方なら、多少観る価値があるかもしれません。そうでない方には・・・ 内容はねぇ、何だこりゃ?って話。大作は許嫁の由美が居ながら純子を抱くくせに、由美が大作の夢の為に造船所の社長と寝ると大激怒。それも半分社長に騙されて抱かれたのに、由美が幸薄すぎてあんまりだ。でも愛想の悪い彼女にパブ勤めは不向き。上客の社長を放っぽって大作の来店にキャッキャしてる素人丸出し感。そりゃ社長もあんな仕返しするわな。 結局、大作も純子も由美も、最初より条件悪化して振り出しに戻る。そんな、北国東方最果ての街らしい、ジメッとした寂しい終わり方でした。 日活ロマンポルノってことで、お色気がメイン。当時はモザイクでなくボカシ(そういや映画の場合モザイクって使わないっけ??)。そのボカシの入り方が大きくて雑なのが面白い。今の基準だと“そこボカシ無くても何も観えなくない?”ってシーンでも入っているボカシ芸に関心。場面に合わせてボカシの色も変えてくる丁寧さ。枯れ草も徐々に見え始める大草原で絡み合う大作と純子。そこに色鮮やかなグリーンのボカシ。カメラが引くとボカシも薄れて消えていく。なんか“私はいま、ロマンポルノを観てるんだなぁ”って気持ちになる。それでいて蘭子(二條朱美)の豪快な脇毛。当時はそれで良かったのか??[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-20 10:54:22)《改行有》

745.  ビー・バップ・ハイスクール(1985) 《ネタバレ》 -BE-BOP-ビバップは、モダンジャズの始まりのような形態で、即興・アドリブを入れた、従来の型にはまらない演奏方法…みたいに解釈しています。 さぁ始まった!と思ったらスタッフロールが流れて、まるでエンディングみたい。当時ヤンキー&ヤンキー予備軍に大人気だったこの作品、彼らが大人しくエンド・クレジットなんて観てるワケないんだから、初めにババっと流してしまうのは正解。 私の周りでも凄く流行ってました。原作は原作として、それとは別に映画は映画として、共に人気があったように記憶しています。 高校生の頃、友達の家でビデオ鑑賞会みたいになって、何作か観たと思う。腹に剣山仕込んだ悪者のシーン(他作品)と、絵の馬が暴れるの(これも他作品)を観た記憶はあるんですが、それ以外あんまり覚えていませんねぇ。 ケンカに明け暮れる2人とマドンナが、内容に似合わずハートフルな関係を築いていくのかと思っていたし、制服並べは可愛くも思える。だからこそあの誕生会のブチ壊し感は必要だったのか疑問(原作未読)。 前半こそ細かいエピソードの連続で、どこに注目して良いのか戸惑ったけど、戸塚水産高校との抗争に焦点が合わさると、このやり過ぎ感のあるケンカの連続に、不思議な安心感を覚えてしまった。 有名な電車からダイブ(テレビの特集で観た)。今日子の髪をナイフで切る(ハサミやカミソリでなくて良かった。けど、痛々しい…)。最後の乱戦(風雲たけし城みたい)。そもそも何で彼らは、ここまでの激しい抗争を始めたんだか(ほとんどケンカばかりで、そもそもの抗争のキッカケを忘れてる)…あれだけ派手にケンカして、両校に死者が出てないのも凄い。いや怪我人は凄まじいんだろうけど。 カンフー映画やハリウッドアクション、チャンバラとも違うケンカ映画。達人でも何でもない普通の不良がケンカしてる映像集。面白い映画かと言われると難しいんだけど、wikiの撮影裏話なんかと併せて観ると、色々考えさせられて、観て後悔は無いかも。[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-02 20:53:34)《改行有》

746.  ミックス。 《ネタバレ》 新垣結衣はとても可愛いけど、彼女の演じる富田多満子には全然魅力を感じない。まず萩原が過去の話をしている時の茶化し方が意地悪い。工事現場の昼休みに、自分の内面、妻と子への思い、他人に語らなくていい過去を話している相手に、あの態度はないだろう。アレでは江島の歓迎会を転倒でブチ壊したあと、庶務課の誰も片付けを手伝ってくれないのも解る。多満子が“良い子だけど幸薄い子”ではなく“腹黒い自己中な女”に観えてしまった。 ミックス解散の理由も自己中。他の2組を励まして大会に導くのが、フラワー卓球部部長(かな?経営者?)の努めだろうに。しかもわざわざ、大会当日に缶詰工場のシフト入れること無いじゃない。せめて次の仕事は月曜からにしようよ。 いくら強敵が少ないミックスという競技とは言え、そもそもあんな素人の付け焼き刃チームが、卓球雑誌の表紙になるような選手と同じ土俵で大会出場って出来るの?ある程度のレギュレーションってありそうだけど?復帰直後は凄い才能を見せた多満子も、なんか試合中はヘロヘロだったし。 萩原。あのポジションでいきなりキスは気持ち悪かった。観てる側は元妻と復縁した既婚男だと思っていたから、えぇ~~!?って。多満子も元妻と復縁するモンだと思って大会に付いていったと思うと、なんかなぁ、どうだろうなぁ。 それに面接の日に、あの髪型と髭のままはないだろう。大会に心が揺れていたというより、最初から面接行く気がなかったのか? 江島と愛莉のコンビって、結局本当に不仲だったのか、江島の作戦だったのか解らなかった。いや作戦ったって、格下のフラワー卓球部に、ねぇ。それだと性格悪すぎだよね。 最後卓球部が大人気になるのも、あの試合そこまで注目されてたの?って思ったし、かなり強引なハッピーエンドに思えたわ。 こういう最近の邦画を観ると、つい私も『出演陣が豪華です。』…って書いてしまうけど、本作のような軽いノリで楽しめる邦画って、だいたい出演陣は豪華なのに最近気がつきました。 日本映画界の厳しい台所事情を想像すると、『映画』だけで食べていくのは厳しい。メディアミックスと言えば聞こえは良いけど、特に若い俳優は“職業=映画俳優”だけでは難しく、まだ体力のあるテレビ局が制作する映画、テレビドラマの延長のような映画に、名の通った俳優たちが出てくるのは当然の結果なのかな。 コマーシャルで成り立つテレビ業界。出演俳優をコマーシャルの側面で考えると、“気さくな元ヤン院長夫人”を演じた広末涼子。“ガサツな中華料理屋の嫁”を演じた蒼井優が際立っていた。「彼女たち、こんな演技もできるんだぁ」という意味で。永野芽郁の“外面だけの嫌な女役”もだけど、彼女のイヤな女役は『半分、青い。』でもやってたっけ。 こういう映画の脇役で、自分の演技の幅広さを観せる。映画を俳優のコマーシャル目的に使うのも、一つの方法なんだろう。[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-31 21:26:15)《改行有》

747.  ポンペイ 《ネタバレ》 -Pompeii-ナポリ近郊の2.5万人規模の都市。ベスビオ山の噴火で消滅し、2千人程が亡くなった。…市民全滅ではなかったのね。 火山の噴火という自然災害に身分の異なる男女の恋愛を取り入れ、贅沢にも剣闘士のアクションまで取り入れた欲張りな作品。タイタニックとグラディエーターをいっぺんに観てるような、そんな気分になれるかもしれない。 しかしあそこまで恋愛路線に傾いてるとは思わなかった。何故か一目惚れして、何故か相思相愛になってて、何故か逃走して。あの短時間に恋敵であり親の仇が登場し、ヒロインが連れ去られたり取り返したりと忙しい。闘技場から屋敷に走って、また闘技場に戻ってと、本当に忙しい。ポンペイってディズニーランドくらいの広さなんだろうか?人口から考えて本当にそれくらいかも? 2人の恋にベスビオ山の噴火がどう関わってくるか。火山の噴火と火砕流に呑まれる街の描写は中々気合が入っている。だけど、突然噴火するだけで、火山の前フリとか登場人物との絡みが殆どないのね。劇中、溶岩が溜まっていく様子とか、頻発する地震とか、建物のひび割れとか、馬に落とされて亀裂に呑まれる人とかの“噴火の予兆”はあったけど、それを俯瞰で観察して、ポンペイの未来に危機感を感じてる登場人物が出てこない。当時の学者なんかを主要人物に入れて、予兆を体験させて「このままでは噴火するぞ、市民を逃さないと」みたいな盛り上げ方は必要だったかと。 あ、剣闘シーンはなかなか。歌いながら場面説明をする、黄金のマスクマンたちは雰囲気出てた。 オープニングの石膏で再現された遺体。あの石膏遺体がどうやって再現されたか?とか、他の映画でよく描かれる古代ローマ都市とポンペイがどう違うのか?とか、観ていて歴史の勉強になる要素は殆ど見つけられなかったのは残念。 2人の最後は、ちょっとロマンチック過ぎないかい?カッシアを守ろうとマイロがキツく抱きしめたカタチで…くらいの表現で良かったかと。[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-29 22:53:41)《改行有》

748.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 -THERMAE ROMAE- “ローマの公衆浴場” 顔の濃い日本人でローマ人を表現するセンスは素晴らしい。中途半端に西洋人を出すよりもずっとインパクトあるし楽しそう。 あとは肩肘張らずに、原作の面白さと阿部ちゃんのスットボケキャラの相乗効果を味わうだけ。・・・だと思ったんだけどなぁ。 漫画原作の邦画って、どうしてかダイジェスト的に話を詰め込み過ぎになりがち。 ①銭湯→②家風呂→③ショールーム。この、それぞれでドラマの30分枠を充分に埋められる面白い話を、たった35分で消化してしまう駆け足具合。シャワーの便利さ、富士山の壁絵の雄大さ。フルーツ牛乳の甘さと冷たさ。シャンプーハットの懐かしさ。果てはウォシュレットの気持ちよさ。…私たちの生活に当たり前に浸透している、日本のお風呂文化(いや水回り文化か)を見て、ルシウスが驚いて感動するところがこの作品一番の目玉だと思う。私たちには当たり前の光景が、どうして素晴らしいのかをルシウスに語らせる。そしてそれをローマに帰ったルシウスが、当時の技術で上手に再現するところも含めて“日本のお風呂文化って凄いんだな”って。 日本ローカルの愛すべきお風呂文化が、同じくお風呂が好きな古代ローマ人に喜んでもらえる嬉しさ。最近流行った『世界に誇る日本の文化』みたいな風潮のモトって、このテルマエ・ロマエかもしれない。 お爺さんたちが古代ローマに行ってしまうと、いままでの日本のお風呂文化の素晴らしさが伝わる喜びが無くなって、途端に退屈になる。 ・・・というかネタを詰め込みすぎてお腹いっぱい。上戸彩が実家に帰るあたりにはもう飽きて長さを感じてる。 原作は途中までしか知らないけど、ローマに行ったお爺さんたちが後方支援とは言え、戦争の一方に自主的に加担するのも安直だし、クライマックスにオンドルなんて、あまり馴染みのない、朝鮮半島の文化を入れてくるのも不自然。この当時のフジテレビの韓流ゴリ押しは異常。 こんな無理やりな展開入れるなら、もう銭湯からショールームまでで90分くらいの映画で良かったんじゃないか?って。 ケロリン桶の美しさを解説する全裸の阿部ちゃん(股間は上手く隠れてる)なんて、想像するだけで笑えるのに、サラッと。 ワンダーウェーブ洗浄とかBILINGUALとか、映画独自の笑い要素もあって、全部が悪いわけじゃない。 しかしエンディングのお風呂でくつろぐ登場人物たちは、私に“お風呂入りたい欲”を沸き立たせる。[地上波(邦画)] 4点(2022-06-28 22:07:49)《改行有》

749.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 前作を観て暫くしてからだったし、ストーリーや設定なんて殆ど忘れてるなか劇場で観た。2Dで映される現実世界と、3Dで映されるコンピュータ内部の世界。視覚のメリハリがハッキリしていて、ダフト・パンクの音楽も格好良くて、アトラクション映画として中々良かったと思う。あと若々しいジェフ・ブリッジスには驚いた。 今回新旧トロンのDVDを買って、続けて観た。まぁま同じような展開だったわ。前作のオマージュも多く散りばめられてるけど、大まかな流れが 現実世界→グリッド→ゲーム→逃走→決戦 と一緒。 盛り上がるのが中盤のディスク投げ合いとライトサイクルなのも一緒。前作の終盤が盛り上がりに欠ける決戦だったからか、今回飛行機のバトルも加わったけど、3Dで観た時はともかく、家のテレビで観るぶんには、ライトサイクルほどではなかったかな。 前作の“コンピューター世界のそれっぽさ”に対し、映像技術が格段に進化してるんだけど、どうも“仮想現実の世界”にしか思えないのは残念。ライトサイクルがジャンプの後バウンドしたり、曲がる時に蛇行したり、遠心力が掛かったりするの、まさにバーチャルゲーム映像。もっとコンピューターの中の世界らしく、不自然な直角軌道を観せてほしかったわ。 結果として近年の美麗なCG映像作品と、明確な差別化が出来ていなくて、あのトロンの続編としては失敗したんじゃないかな。 当時は驚いた若いジェフ・ブリッジスだけど、今の目で観ると目元と眉があまり動かない。当時のCG映像の限界だったのか。 トロンも正義に目覚めてからの活躍が無いし、ケヴィンとクルーの魔法っぽい最後の戦いも、なんか前作の最後同様、印象に残らない。[3D(字幕)] 4点(2022-06-18 16:11:51)《改行有》

750.  影武者 《ネタバレ》 学生時代に借りて観て、事前に聞いていた評価の割に面白くなく思えた。乱は怖くて重くて楽しめたのに、この影武者は軽くて退屈だった。自分には合わないのかなぁ、と思って、以降黒澤作品を借りることはなくなった。 今回久しぶりの鑑賞。昭和55年当時、一般的に考えられていた史実と、諸説・異説。そこに創作の融合。信玄に重症を負わせた狙撃手の解説なんかとても面白く、実際どうかはともかく、暗闇で狙撃を遣り遂げた工夫に説得力があった。 間者を騙し、孫を騙し、女を騙し、刺客を騙しと、次々と降りかかる無理難題。そこに輪をかけて勝頼の嫌がらせ。影武者と重臣たちがどう乗り越えるかは、影武者の醍醐味として堪能できた。特に側室たちに対する暴露は緊張感と笑いの見事な演出。 ただどうにも、全体的に盛り上がりに欠けていたように思う。例えば重臣たちの会話などが所々台詞・台詞していて、活き活きとした会話とは言いにくい場面があちこちに観られた。また乱同様、あまり役者の顔に寄らない撮影方法から、まるで舞台演劇を観ているようで、映画としての役者の躍動感が感じられなかった。名だたる俳優が揃っている(山崎、室田、根津、倍賞、観ているあいだ気が付かなかったわ)のに、大滝秀治と隆大介くらいしか、印象に残らない撮り方というのは如何なものだろう。 信玄討たれるの報を聞き、馬を走らせる信長の場面。馬の疾走→信長の顔→城。を二回半も繰り返すクドさ。誰かが入れたいもの、誰かの要求されたものを全部突っ込んだら、結果こうなった感が半端ない。 高天神城の戦いの夜襲は本当に真っ暗で、せっかく騎馬武者を走らせているのも関わらず、何が起きているのかよく見えない。 佳境の長篠の戦いも、まるで策もなく特攻し、一方的に撃たれるを三度も繰り返す冗長さ。また撃たれた人馬の死屍累々、三重臣の死体を、ほぼ均等な長さで延々と映す長さ。削るべきを削り、活かすものを活かす潔さが必要と思われるのに、それを削ること無く全部入れてしまうから、結果こんなに長く、盛り上がりにかける作品になったんじゃないだろうか。 また全滅した武田軍の死体、うごめく重症者、倒れた馬。当時の定説はどうだったのか、射程の短い火縄銃の被害にしては、戦線が伸びすぎではないだろうか。ガトリング砲やライフル銃が出てきた時代の戦場に見える。そう西部劇の時代、南北戦争の戦場のようだ。 同様に高天神城の攻城戦の、家康軍の銃の撃ち方も、まるで南北戦争。当時はまだ、射手が自分の判断で動く敵を撃つのではなく、指揮官の指示で決まった方向に銃を向けて撃つだけの時代だと思う。また火縄銃の構造上、下向きには撃てないんじゃないかな。どうだろう?(※撃てるみたい) 音楽も違和感を感じさせる。お館様のご帰還に合わせて鳴るファンファーレの場違いなこと。言われるがまま創ったものを組み合わせたら、こうなった感が…。「ちょっと合わないよなぁ」と言う人が居なかったのか、言えなかったのか。 信玄の死を聞いて自然に敦盛を舞う信長。入れたかったんだろうけど、実際入れると不自然さ、違和感を感じる。 『風と共に去りぬ』のような戦争大作を、日本の戦国時代を舞台に創る。という目論見だったのか。 芸術性はともかく、娯楽作品としては盛り上がらないこの映画。世界進出を狙って制作され、見事パルムドールを受賞したものだから、後年の黒澤映画の代表作、傑作の一つとして鎮座してしまい、結果として(当時の)若い人が、本当に面白い過去の黒澤映画に触れる機会を逸してしまったのかと思うと、少々勿体ないように思う。[ビデオ(邦画)] 4点(2022-05-29 17:11:21)(良:2票) 《改行有》

751.  北斗の拳(1995) 《ネタバレ》 -Fist of the North Star- “北極星の拳(こぶし)” こちらでワースト四天王(?)に挙がるくらいなので、余程酷いものを期待していたけど、案外観られる作品だったと思う。 東映Vシネマのアメリカ版とのことで、安かろう事は想像できたけど、制作費2億円は、Vシネマにしては凄い金額なのかな? 制作された'94年当時、1$=100円として2億円≒200万$。同年代の大作ダイ・ハード3が9000万$、デスペラードで700万$、あのストリートファイターで3500万$だそうだから、どのような規模の映画か想像できる。 その少ない予算で片手間にフザケて創ったのかといえば、案外真面目に制作されたんじゃないだろうか。 ベースはシンのサザンクロス編。ランデル監督らは限られた構想期間で、原作コミックではなく、TVアニメと'86年の劇場版アニメをベースに選んだんだと思われる。当時は英語版のコミックが手に入らなかったのかも。TVアニメではサザンクロス編は結構長く、カーネルもジャッカルもシンの部下で登場。そしてシン配下の怪しい南斗聖拳の使い手がいっぱい出てくる。南斗列車砲とか。 劇中処刑される南斗のマスターは、どことなくTV版のジョーカーっぽい(髪型なんかが)。 で、制作までの時間も無いから、ビデオの早送りを駆使して長いアニメを視聴して、作品に詳しい人に解説してもらって「あ、ここアニメオリジナルね、原作だとこの子(バットの弟分タキ)死んじゃうのね、そんでね…(早口)」所々勘違い(バット死んじゃうのかぁ。とか)しつつも、巨人デビルリバースは予算の関係で無理だなぁとか考えながら、更に短くまとめられた'86年劇場版も観て、コッチをベースにしたほうが良いのになぁ、このジャギってキャラ、カッコいいなぁ…なんて思いつつ、劇場版でもジャギはシンとの絡みがあるからコッソリ出して、中堅どころのクリス・ペン使っちゃって。って具合に。 シンがリュウケンを銃殺(!!)するのはショッキング。映画の序盤だったし、さすがにココは吹き出した。うん、さすがワースト映画って思ったわ。 だけどジャギだって銃は使うから、原作をよく知らない人が創ったと思えば、そんなに無理設定ではないかもしれない。 ゲイリー・ダニエルズは元キックボクサーだそうで、本当にケンシロウのように素晴らしい肉体。後半のザコ相手のケンシロウ無双は素直にカッコいい。 少ない予算でVFXも限られたシーンにしか使えなかったんだろう。やはりインパクトのある顔面破裂は使いたいし、ライバルのシンの強さを強調したいから、南斗聖拳の切れ具合も入れたいと。 あのペチペチ百裂拳は、制作陣も悩みに悩んだ末の決断だろう。実際に拳の連打を出せるゲイリーの技術を取るか、低予算の特撮でそれっぽく見せるか。結果は多くの失笑を買ってしまったけど、今のCG技術でもない限り、百裂拳を格好良く撮るのは難しいと思う。 不遇なB級肉体派俳優ゲイリー。エクスペンダブルズではジェット・リー相手に華麗なマーシャルアーツを観せる。 ゲイリーが自分の子供に“ケンシロウ”と名付けたって知り、不覚にもジーンと来てしまった。 あの素晴らしい原作と比べたら、こちらでの低評価も納得だけど、モトがTVアニメだと思うと、案外頑張った低予算映画かなって。 1点付けるつもりで観たけど、出来の悪さに怒りを覚える2点でもないし、3点でも良いんだけど、ゲイリーに愛着湧いてしまって… 平均点上げてしまってすみません。[インターネット(吹替)] 4点(2022-05-15 17:51:14)《改行有》

752.  カクテル 《ネタバレ》 当時はトップガン→ハスラー2と、飛ぶ鳥を落とす勢いのトム・クルーズ人気。その勢いで、このカクテルも結構流行っていた。少なくとも知名度はあって、堺正章が新春かくし芸でフレアバーテンディングをやると知ると“あぁ、トム・クルーズのアレね”ってみんな解ってたくらい。トムがあの甘いマスクでアルコールのボトルをクルクル回す姿は、本当に格好良かった。 でも映画自体を見る機会がなく、今回ようやく初視聴。アイドル映画だとは理解していたけど、あまりに中身が薄っぺらい。 金持ちになるのが目的で、日中は学業、夜はバイトの2足のわらじ。眠い目を擦って成功に向かって頑張るかと思いきや、早々に学業をリタイア。一方バイトは活き活きと楽しんでて、ロクに練習シーンもなくボトルをクルクル回してる。単にブライアンに才能があったってことだろうか?自分の店を持ちたいのは解るけど、リゾート地ジャマイカで楽しくバーテンダーやってるなら、それはもう、その時点で成功者なんじゃないか? ジャマイカで金を稼ぐブライアン(NYでバーテンのバイト辞めた)。ジャマイカに新婚旅行に来るダグ(NYの金持ち女のヒモ)。ジャマイカに遊びに来てるジョーダン(NYのレストランのウェイトレス)。NYにとってジャマイカって何なんだろう? ブライアンにとってのダグの存在がよく解らず、ブライアンの彼女を寝取り、数年ぶりの再開でブライアンをからかいながら、金持ちの女を落とせとけしかける。このダグとブライアンが、フレアバーテンディングの大会とかに出て成功を収める映画だと思っていた。放り投げたオリーブを口に咥えた楊枝でキャッチするシーンが出てくると勝手に思ってたから、後半ほとんど“カクテル”関係なくなってくるこの映画の着地点、ゴールはいったいどこなんだ? 失敗はしても挫折することも教訓を得ることもなく、ただただブライアンが欲しい物を手に入れていく映画。トム・クルーズの格好良さ、エリザベス・シューの可愛さを観るぶんには文句なし。前の方も書いているけど、トム自身の歴代ワースト4に挙がる作品らしい。じゃ他の3本は何だろう?ちょっと調べたけど出てこないところを見ると、トムはこの作品だけ突出してワーストの評価をしていたのかもしれない。[インターネット(字幕)] 4点(2022-04-17 22:54:48)《改行有》

753.  悪霊島 《ネタバレ》 '80年、ジョンレノンの死から始まる。三津木五郎の青春時代、ビートルズとヒッピームーブメントに溢れた'60年代後半の回顧録…として始まる。今までのシリーズとはちょっと変わった出だしだけど、金田一さん、磯川警部とお馴染みの顔が揃ってからは、どんどん五郎の出番が減っていき、普通に金田一モノになってしまう。あれれ… 金田一モノといえば、昭和20年代、戦後のいざこざで浮き彫りになる田舎の風習、ドロドロした一族の内情なんかを暴き出す印象が強いけど、本作は昭和44年が舞台。過去作との関連性を考えると鹿賀金田一は若く思える。渥美金田一のように現代劇バージョンもあるから、独立した作品と考えたほうが良さそう。 ブライアン・メイみたいな髪型の鹿賀金田一も、60年代後半という時代を考えるとオシャレで面白い。刑部島の風景とか良い雰囲気だし、根岸季衣のグイグイ来る女中さんもいい味出している。グロ場面にはかなり力が入っていて、損壊した死体は生々しいし、腕を咥えて走る犬の演技は素晴らしい。そして何より岩下志麻。キツい表情の多い印象の彼女が、この映画では優しい表情をしている。守衛を殺した直後、振り返って五郎に微笑む顔は、イタズラをした後の上品な猫のように可愛い。 岸本加世子が「片帆」って言うの、名前だったのね。双子だからてっきり「片方」って呼んでるのかと… この映画、観どころは結構あると思うんだけど、どうにもお話に集中できず。本物の金田一モノなのに“金田一っぽい作品”感、いわゆる既視感がつきまとうのは、映画も原作もマンネリ化してきたためだろうか?先に書いた五郎と事件の関わりの薄さ。ビートルズと事件の関係なさ。最後金田一が歩き去るシーンはどう観ても'80年代。どうしてもっと、頑張らなかったの? 横溝正史の死。金田一シリーズ最後の原作小説。金田一映画ブーム最後の作品。色々なものが終わる区切りの作品。最後の曲がレット・イット・ビーっぽい曲(あ、カバーでしたか)なのも、ホンモノでなく“…ぽさ”を増す要素になっていると思う。 ニコニコ動画で当時のCM観たら、ホンモノのレット・イット・ビーが流れてやんの。 '60年代の青春映画な味付けの金田一って感じで、メッッッッッチャ面白そうなのな~このCM。[インターネット(邦画)] 4点(2022-04-03 16:20:07)《改行有》

754.  戦国自衛隊 《ネタバレ》 とっととタイムスリップするスピーディさ。止まる時計、奇妙な星の位置。最新兵器にはしゃぐ戦国武将。騎馬武者と戦闘車両の混成部隊の妙は素晴らしい。ヘリのカットインのしかた、飛び去りかた、低空ホバリング。とにかくヘリの動かし方が格好良いのだ。パイロットの技量だろうか、あんな鈍臭そうな輸送ヘリが格好良く観える。ただ今回久しぶりに観たけど、こんな幼稚な内容だったっけ? タイムスリップという題材は、沢山の“-if-もしも?”を書ける優れた題材であり、観るものの期待する(or期待を裏切る)妙を楽しめる好材料。戦国時代に自衛隊が行くなんて、ワクワクする美味しいネタだ。未来に与える影響、活かされる歴史の知識、思ってたのと違う新事実。そんなのを一切排除して“現代兵器で襲い来る戦国武士と戦う”だけだったなんて、やってる内容はアクション・ゲームと変わらない。 『他の時代だから何をしても良い』と、暴走した仲間を殺し、村人を殺害し女を誘拐・強姦する矢野一派。当時の自衛隊ってこんなにも脆い組織に思われていたんだろうか?厳しい訓練をして、肉体も精神も鍛えられているだろうに。 『戦って天下を取れば昭和に戻れる』なんて、思いつきにしても適当過ぎる理論に命を賭ける自衛隊員達。まさか何の作戦も立てずに、長尾軍と共闘もせず、突撃・乱戦するなんて、まるで武器を持ったアルバイト自衛官だ。 武田信玄との一騎打ちも、まさかの拳銃を使うなんて拍子抜け。あんなに大損害を受けても、大将首を獲ったら戦闘に勝利できるなら、ヘリから敵本陣に飛んで掃射するとか、三村に狙撃させるとか、一般人の私でも思いつく。 天下を取りたい伊庭三尉に対し「あの平和な時代が大好きです」と本音を言う部下たち。ここに自衛隊に対する製作者の考えが見える気がする。何だかんだ戦争をしたい伊庭みたいなのが上官に居て、矢野のような乱暴な思考の者がリーダーシップを取る組織・自衛隊。そんな組織でマトモな意見が通りますか?「補給基地に戻りましょう」なんてマトモな意見も、上官の力で握りつぶされます。タガが外れたら人殺しの集まり。結局は軍隊なんですよアイツ等。…って言いたいのかな?と。 フンドシと海。三点倒立して戯れるオッサン二人。ヘリに吊るされてクルクル回ってる伊庭三尉(もっと格好良い画になると思ったんだろうけど、あんなんなって。お金掛けて撮っちゃったし、仕方なく使ったんだろうな)。小野みゆきの眼力。やたらと横文字の多い挿入歌(アメグラ?どこがどう??)。 タイムスリップ考証、自衛隊の理念をしっかり描いたって、こんなパワフルな映画は出来なかっただろう。きっとつまらなくなるのは想像できる。色々詰め込んだ結果が評価の低い戦国自衛隊1549(未見)かもしれない。 目くじら立てず、深く考えず。…何だこの映画?って、笑って観るのが丁度いいのかもしれない。[地上波(邦画)] 4点(2022-03-20 13:36:53)《改行有》

755.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 -Fury- “怒り”主人公の戦車に付けられた名前。 戦闘シーンは迫力があり生々しい。戦場で戦車がどう使われたか、どんな戦い方があるのかがよく分かる。大砲を撃つ、機関銃を撃つ、踏む(痛い!)。 戦車の弾も①厚い装甲を貫く弾②炸裂して鉄片を撒き散らす弾③人体にこびりついて燃える弾(怖い!)。 本物のティーガーⅠ戦車が出るのも凄いことのようで、シャーマン戦車をバッタバッタと倒していく。 前半部分で戦場の悲惨さ、不条理さをキツめに描写しているため、多少の変な描写にも目を瞑って観られたけど、後半から素人目にも嘘くささが目立ってしまったのが残念。 合唱行進するほど士気の高い武装SS大隊300人を発見してから、戦闘に入るまでの長~~~い準備時間。ノーマンが走れる距離のちょい先に大隊が居たんだよな?戦車を包囲されてから反撃するフューリーの面々と、一箇所の敵に単純な反撃を繰り返すゾンビ並みの知能のSSの方々。 コレ、戦闘が終わってみたら敵は訓練上がりの少年兵ばかりってオチか?って思ったけど、そうでもなく。そもそも序盤に少年兵が、パンツァーファウスト1発で味方戦車を丸焼きにしてるし。少年兵のより威力の弱いパンツァーファウストしか持ってないSS大隊の謎。 戦闘が終わり、若い兵士に見逃されるノーマン。私コレ、ドイツ兵から見えなかったんだと思ったんだけど、見逃したんだとしたら意味不明。さっきまで歌を歌ってた仲間がコイツ等にたくさん殺されたのに、見逃す意味って何?そりゃ序盤に捕虜の射殺シーンがあるけど、ノーマンもそうなるとは限らないし…こんな後半から逆算すると、いろいろ変な映画だなぁって思える。 ドイツもアメリカもどっちも悪いことをしてるけど、射殺された捕虜はアメリカ兵の上着を着ていた事を強調していたから、どこかでアメリカ兵を殺した悪い奴って印象付けしているし、下品な戦車兵たちもドイツ人女性をレイプまではしないで、同意の上で抱く。そんな所がアメリカが酷いことをした理由の言い訳に思える。だけどどうにも、兵士というより海賊や山賊みたいな登場人物たちに、魅力を感じにくかったな。[インターネット(字幕)] 4点(2022-03-13 15:15:44)《改行有》

756.  蘇える金狼(1979) 《ネタバレ》 恐らく、松田優作が亡くなった時に、追悼番組で観たのが最初だと思う。 で、今回改めてこの映画を観て解ったこと。『私は“ハードボイルド”というジャンルを、純粋に楽しめないんだな』ってこと。 生活感のない、死と隣り合わせの生き方。金、女、暴力。銃の手入れ、ウイスキーのロック、煙草の紫煙、男のロマン。ハードボイルドの雰囲気は大好きだ。だけど、観ていると“??”っとツッコミを入れたくなってしまう。 過去にこちらでレビューした“ハードボイルド”作品も同様。作品を好きな人には失礼にも思えるツッコミレビューを書いてると思う。もうこの時点で“ハードボイルド”の楽しみ方が違う、明らかに私の方が間違っているのだ。 当時も気になって仕方なかった「弾が貫通してあんたに当たる」って話。その絵面の、どうにも説得力の無さ。銃の知識なんてどうでも良くて、せっかく教えてくれたんだから、磯川が座り位置をズレるか、狙撃手が3方に分かれれば良いだけの話。どうして朝倉はあんな自信たっぷりにハッタリ咬ませてるのか?磯川たちも誰も突っ込まないのが不思議で不思議で。 取引の島(?)も、そもそもまっ昼間に手こぎボートで上陸からの不意打ちなんて無理。遮蔽物がないから確実に見つかる。ナイフで敵を仕留めた時に発砲されてるのに集まってこない磯川軍団。5人以上が銃で武装してて、機関銃まであるのに、余裕で勝つ朝倉。伏兵が全滅してるのに無線連絡とかもしないで上陸してくる迂闊な磯川。朝倉に都合よく物事が進みすぎ。映画なんだから嘘があって当然だけど、もっと上手に騙してほしかったよ。 松田優作のスタイルは格好良い。上司を恫喝するところとか迫力もある。当時リアルタイムに観ていたら印象も違ったのかな。 だけど人生の大半を過ごす“表の顔”サラリーマンの方でカツラを被るのはいかがだろう? 週5日8時間+残業もあったろう。当時だったら土曜半ドンもあったろうに、そっちでカツラ被るか?普通。[地上波(邦画)] 4点(2022-03-10 22:38:22)《改行有》

757.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 -Dancer in the Dark- “暗闇で踊る人”。 また-in the Dark- には“見当がつかない”“何も知らずに”“秘密に”って意味があるようで、単純にセルマの視力のことだけでなく、アメリカ社会、息子のジーン、ビルとの関係とも関連してるような感じにも思えます。 劇場予告を見て、汽車のミュージカルシーンに圧倒されて“おぉ!コレは観なくてはっ!”って思って、速攻サントラ買って聞きまくってたんだけど、当時よっぽど忙しかったのかな?結局レンタルビデオで金曜深夜に観たんだよ。思ってたのと違う方向に向かう映画で、叩くことも、称賛することも出来ず、ただ口をへの字にして寝込んだっけ。ちなみに兄は、日曜の朝に茶の間のテレビで観ていたわ… ハンディカメラで撮ったような色褪せたセピア調の映像は、ドキュメンタリーのようにリアル。ビルを殺すシーン。死刑執行のシーンは「もうやめて…」って思うくらい長く感じられて、目を背けたくなるくらい生々しい。 一方でセルマの妄想、ミュージカルシーンは色鮮やか。面白いのは妄想のセルマがどんどん美しく、女らしくなっていく。工場のミュージカルシーンでは、ほぼ普段どおりの地味なセルマのまま、メガネも掛けたまま。それがジェフとの仲が良い感じに進み、メガネを取り、髪を振り解いて踊る。憧れのノヴィとのダンスでは彼の膝に乗り、107歩では囚人を魅了して回る。 “子供の目の治療に人生のすべてを捧げる母”という彼女が自分で敷いた人生のレール。それがビルの手で狂わされ、リアルに死が迫るにつれ、彼女の中の生きたい気持ち、やりたかったこと、女としての願望が強く出てきたように思えて、こちらもまた生々しく感じた。 トリアー監督。子を思う母親の気持ちを描いた映画なんだけど、監督の意図がイマイチわからない。ビルを殺した場面のミュージカルを最後に登場しなくなるジーン。後半ジーンの気持ちには一切触れず、セルマの描写のみで進むのも意図的。 セルマの一人称表現で撮られてるからか?と思えば、セルマが知らないジェフが診療所を探し当てるシーンは入れる。 ジーンの目は治ったのか?母親の犯罪をどう飲み込んだのか?私たちは事件後のジーンについて、キャシーの行動や言動をもとに想像するしか出来ない。 時代設定がハッキリわからないけど、マッカーシズム・冷戦真っ盛りの時代。共産圏のチェコ移民で白人警官を殺したセルマに、アメリカ社会は冷たい。劇中の設定はわからないけど、キャシーはフランス系、ジェフはスウェーデン系、医師はドイツ系、看守女性はアイルランド系(?)と、セルマに味方するのはアメリカでは力の弱い移民たち。…と、デンマーク人の監督は考えたのかもしれない。 ビョーク。一般人の理解を超えた行動、独特な作風、政治的な言動が目立つアーティスト。でもメジャーで売り出した当時は“可愛らしいビジュアルの実力派シンガー”という印象で、この映画の頃が一番脂が乗っていたかもしれない。真偽はともかく監督からセクハラを受けたというのも理解できる。 プレス機、機関車、足音。聞き慣れた日常の音をキッカケにセルマの妄想世界・鮮やかなミュージカルシーンに繋がるのは素晴らしいけど、最後の音はセルマの首の骨が折れる音と、ジーンのメガネが落ちる音。 この映画の好きな部分はビョークの歌唱力や演技力で、監督の表現したかった映像や社会の生々しさは、私には合わないみたい。[ビデオ(字幕)] 4点(2022-03-06 13:31:02)《改行有》

758.  フラッシュ・ゴードン 《ネタバレ》 -Flash Gordon- スーパーヒーローの名前かと思ったら、普通に人名でした、ビックリ。フラッシュも超人的な力を手に入れるのかと思ったら、ずっと普通のアメリカ人だもんな。 当時としても懐かしさを感じるアメコミのコマと、印象的なQUEENの歌を融合したオープニングは、今の目で見ても格好良い。 1934年から続く歴史ある漫画だそうだから、それが如何にして現代に蘇るか、とても興味深かったことだろう。 まさかね、こんな映画になるなんてね… スターウォーズを意識して制作されたらしいから、オーラ姫のセクシーな衣装は、EPⅥのレイア姫の先を行っていたとも言える。 惑星モンゴ住民の、きらびやかな民族衣装も素晴らしい。タカ族とバリン以外の民族はほとんど出番が無いのに。あ、チャリ・チョコのウンパルンパの人発見。キラキラ衣装の中に“FLASH”Tシャツのフラッシュだけが浮いている。フォーマルなパーティにカジュアルな格好できた人みたいだ。 ミン皇帝への貢物の式典。アルデンティアのサン王子に自死を強要とか怖すぎる。シリアス路線でも行けただろうに、フラッシュが大暴れで、この映画の方向性がよく解らなくなる。「ゴー!フラッシュ!ゴー!!」ゆるーい大乱闘と、ゆるーい結末。真面目なスペースオペラにする気はないようだ。そもそも天変地異のボタンが英語表記な時点でアレだったけど。 サン王子とは対象的に仰々しいフラッシュの処刑。墓石も立派すぎる。棺の裏が鏡張り。なんだろう?このこだわり? ザーコフ博士の洗脳シーン。動物と人の顔の融合、ナチスドイツの攻撃のサブリミナル映像はハッキリ言って怖い。レベル6でも耐え切る謎の強靭さ。 やたらとチュッチュ、イチャイチャするシーンが多い。だけどデイルとオーラ姫のキャット・ファイトは、良かったよ。 でも父の“営み前”に精力剤を飲むのを知ってる娘ってのも、どうかなぁ… 死んだと思ったら生きていた。が2回も。あの建物にロケットサイクルがあるならさぁ、フラッシュが操縦できるならさぁ…って思ってしまう。 タカ族軍団と戦艦の闘いがメインなんだろうけど、迫力もなければ緊張感もない。 地球滅亡と戦艦の特攻。このスケール感のチグハグなクライマックス。カウントダウンに間に合うのか?ってハラハラ感も希薄なゆっくり具合。 でもまさか、ミン皇帝の最後がZガンダムの最後と被ってるとは思わなかった。 THE END ? いや、それは無理っしょ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-02-23 17:40:03)《改行有》

759.  TAXi3 《ネタバレ》 軽快な自転車アクションから、いきなりスタローン。あの軽快な身のこなしで、中の人がスタローンなのを連想する人はまず居ないだろう。ちょっと予想外で笑ってしまったけど。更に007風のオープニング。自転車、スタローン、007とチグハグで、何を目指したのか解らない。 高速警備隊のランエボ、TGV追い抜きなど派手なカーアクション映画に回帰したかな?って思ったけど、どうもノリは2のままらしく…妊娠検査薬の薬局コントは面白かった。 1は無難で硬派な感じに、ドイツ人の強盗団でメルセデス乗り。「ニンジャ~~!!」が連呼された2は、日本人ヤクザにランエボ乗り。こう続いたら、フランス+プジョーと対戦するライバル国と名車って流れを期待してしまうけど、今回は中国人で何故かサンタクロース強盗団。この辺もチグハグ。どうしてアメリカやイギリスにしなかったのか。 更に残念ながら中国には、国を代表するような世界的に有名な車がない。=プジョーとのカーチェイスも期待できない。 速さすら放棄して雪山を登る雪上車モードのタクシー。「そうそう、こう言うのをね、見たかったのよね。」って人はまず居ないと思うけど。 カーチェイスはおまけ程度に期待せず、コメディとして観るなら、そこそこ面白く、シリーズ物ならではのキャラへの愛着もあるから、最後まで観ることも問題ないけど、この方向性は好きか?続編として期待通りか?って言われると、う~ん… 1だけたまたま、私の好みに近い路線だったのかもしれない。[インターネット(字幕)] 4点(2022-02-21 00:08:52)《改行有》

760.  TAXi2 《ネタバレ》 2ってどんなだっけな?って観てみたら「ニンジャ~~!!」のやつでした。私の中で「ニンジャ~~!!」のやつは、3作目か4作目の印象だったので、2作目で「ニンジャ~~!!」だったのは、ちょっと残念な気持ちになった。 というのも、「ニンジャ~~!!」以外、内容を殆ど覚えてない=印象に残らない映画。ってポジションだったから。まだ2なのに。 序盤のラリーカーぶち抜き、妊婦さんのコテコテのコント、ネズミ捕りネタ2連チャンなんて、シリーズの良い所、私が好きな空気が出てて良かったと思う。あと後半シラク大統領が出てくるなんて、この続編は相当期待されて作られたんだと思う。 けどねぇ、この映画の魅力、迫力のカースタントが前菜となり(黒いランエボ3台はトリプル・ドムみたいで格好良かったよ)、車に翼が生えて飛ぶCGがメインディッシュとなると、どうも期待していた方向と違うなって、思った。 コメディ面は前作以上に強化されていて、ペトラやジベール署長の見どころ・笑いどころが増えたし、前作の急いでる客とか自動車学校の教官とか出てきて楽しい。ベルティノー将軍や、「う~チクショウ!最悪だっ!」のユリも面白いキャラ。だけど笑いの相性が悪いと、ひたすらダダ滑りの連続に。 “迫力のカースタントの合間にコメディが入る映画”だったのが“面白キャラクターのコメディを前面に出して、合間にカースタントが入る映画”になってた。シリーズ2作目で早くも。3観るの、どうしようかな…[地上波(吹替)] 4点(2022-02-12 11:32:39)《改行有》

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