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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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761.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》  形而上学を地で行くストーリーは表面的につまらなく、興味を保つことが困難ではあるがボーマンの感じた驚きを自分の中にも発見すると、二重三重に折りたたまれた錯視のような世界が持つ映像の説得力はもの凄い。色やデザインの良さもインテリアに取り入れたいと思えるほど良い。映像編集は斬新だし見所が満載。未だ褪せない個性を纏った人工知能の暴走のようなきっかけもスリルがある。  つまらなさと同居する刺激がある。ストーリーは驚くほどにつまらない。全く面白くない。  しかし、万博のパビリオンに誰もストーリーなんて求めていない。そこで展示してるしょうもない技術に将来があるとも思えない。純粋に眺める。そう言う多面的な要素が実は土台になって作られてるんだと思うととても大切な話に思えてる。  正直、ふと正気に戻れば最新の万博の展示物の方が張り子の虎でプラスチックの玩具にしか見えない。しかしこの作品は正気に戻させない何かがある。それほどこの映画は強烈に未来的でアトラクティブで、迷い込める思索の樹海である。未だに。  そして、何年ぶりかで見直すと、びっくりするほどつまらないストーリーと、年代を差し引いてもゆるすぎるプロットに心の底からもう一度、同じように驚くのである。[DVD(字幕)] 8点(2008-08-15 15:05:06)(良:1票) 《改行有》

762.  ミュンヘン 映像の綺麗さと、物語の醜さのコントラストが秀逸でした。今世紀になってからは、メリハリの有りすぎる主張や展開はアメコミのリメイクに一手に任されている感じがします。その分こういった映画は、まじめさとエンターテイメントのすれすれの所を真剣に狙って作られているのではないかと。 また結論を受け手に全部丸投げにしないというのも好印象です。映画を観ているだけでプロの脚本家が大金を掛けた映画の結論以上のモノを想像できるかというと多くの場合そうではないですから。ただ、ドキュメンタリー的な映画だと思って見始めると拍子抜けします。 政治的な要求を、政治家になるなり要職に就くなり、アメリカで文化的な活動をするなりきちんと手段が存在するにもかかわらず、殺人で手軽にすまそうとするテロリストは完全な悪であり一分の理も義も酌量も感じません。政治的な要求に対する一切のコストを払わず、情を挟めば殺して良いなどと言う論理が存在するのはテロリストのコミュニティの中だけです。 ですが、そんな完全悪とはいえ相手は人間。じゃぁ罰する手段は死でもって、となりますが、誰がどういう理由とモチベーションで立ち向かえばいいわけ?という矛盾を突く主題が ぴりりと小気味良い。[DVD(字幕)] 8点(2008-08-15 14:50:17)(良:1票) 《改行有》

763.  シンドラーのリスト 日本製テレビアニメのような、具体的で説明的すぎる作りにせずこういった題材で作る手腕があったというところが凄い。映像面ではスタッフの力量による部分が大きいと思うが、元々映画は監督個人のモノではないのでそれも含めて凄い。 賞狙い、と揶揄去れがちな本作ですが、多くの関係者が狙っているわけです。元々。なにも悪いことではないです。それに93年に映画に触れたすべての人をがっかりさせる発言ではないかと思うので賞狙いという言葉はいかがなものかと思います。これ以外の作品も狙ってとれなかったわけです。お金を掛けて狙ってとれる賞ではないことを誰もが知っている海外では非常に評価が高いですし、実際精巧に作り込まれています。 少年少女をターゲットにした映画が得意とされ、その評価が固定してしまった監督が、娯楽作品をストップしてやりたかったこと、長年暖めてきたものを撮って良い立場を得るまでに大変な困難があったことは想像に難くありません。どうか日本独特のフィルタを通さず本作品を見てください。[DVD(字幕)] 8点(2008-08-15 14:38:49)(良:4票) 《改行有》

764.  息子の部屋 ヨーロッパのこの体の映画は国営放送の60分番組でやれば良いんじゃないかといつも思う。言葉が全くわからないのでフランス映画だと思っていたが、そういえばイタリア映画だった。 テーマや設定は良いけれど、娯楽的な映画フォーマットに落とし込まれていないので、それをどうとらえるかということになると思う。ストーリーを放棄してしまっているような映画でドキュメンタリー的に見せることもうまくない。その代わり文芸的側面が高くて難しい映画を見たんだという気になれる。ヨーロッパのこういう雰囲気を理解すること自体が難しく感じる。こういう風に感じても製品として高度に練られている側面もあるから。本物の同人映画は半端ではない。そういう出来不出来で語るレベルではなくきちんと完成しているからスゲーと思う、全然面白くはないんだけれど。 アメリカで高評価。だけどその背景には日本に入ってこない優れたアメリカ映画も年中ガンガン観ている人たちが、一風変わった作品としてヨーロッパ映画を受け入れる余裕を持っているからではないかと思う。たくさんの人が微妙な部分を実にうまく受け取っている。 そもそも彼らは映画というものを芸術という概念で観ていないのではないか。我々が思っているよりもずっと、というか我々よりもずっとアメリカ人は懐が深く理解がある。どのような価値も受け容れて面白いと断ずる能力はたいしたものだと思う。 が、だからといってこの映画全然面白くないよね?そう思っているのは自分だけなのか。謎である。[DVD(字幕)] 4点(2008-08-15 12:40:38)(良:1票) 《改行有》

765.  スターシップ・トゥルーパーズ 最悪です。全く感情移入できませんし、最低の作り物の戦争がこれでもかといわんばかりに続きます。登場人物のひどさは現実のアホな人を見ているようですし、戦争シーンの悲惨さはこれをこの手の映画でやる必要があるの?っていうレベル。 敵の造形もきわめて気持ちが悪く、主人公たちに一切都合が良くなく爽快感も有りません。おまけにこの映画が発する主張たるや反社会どころか反世界的。バーホーベン監督の悪趣味ぶりが頂点に達しちゃいましたと誰もが感じるのではないでしょうか? だが、だがそれが良い!こんな無茶苦茶な世界にグイグイ引っ張り込まれて、気がつくとかじりついて観ている訳で、挙げ句の果てには置いてけぼりです。前世紀にこういう事をやってしまうと言うのが凄い。こんなことをやってのけるのはバーホーベン監督だけですね。 それにしても、全く対話もせずに世界や人間に無差別かつ無感情に殺戮をする相手には、事情を聞く余地が得られない。でも始めてしまった戦争はどうすればいいの?という至って現代的なテーマを前世紀にやっているのが本当に凄い。原作の映画化の体で完全な自己主張をしています。後方支援もなく不十分な装備の陸戦隊がバラバラと死んでいく、第二次大戦下のドイツや日本を想起させる危ない国を紛争で負担の増すアメリカの姿と対比させます。随所に挟まれた風刺が強烈。 映像とテーマのコントラストが強すぎてグニャグニャな世界。まさにバーホーベン印。[DVD(字幕)] 9点(2008-08-15 11:57:19)《改行有》

766.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》  20年前とは思えないヒーロー像。現実感のある世界に、荒唐無稽な主人公を引っ張り出して観客をその脇に立たせてその顛末を眺めてしまうというスタンスは実に現代的。  ロボコップの立ち位置が法的に死体で、それを再利用した企業の固定資産でしかない。という所に妙な説得力があり、倫理観がガタガタになった世の中を冒頭の荒れきった警察署内や殺害シーン以上に暗示させる。このあたりの世界観構築の巧さは同年他SFB級作品を圧倒しているし、未だに色褪せない。  架空の都市、それも完全に倫理観や治安意識が破綻しつつもインフラだけは無機質に機能している社会に対する虞れと、それに対するささやかな反抗というテーマは普遍的だがそれをこういう妙なヒーローと合体させたという所に痺れる。  バーホーベン監督の神懸かり的な手腕によるグチャッとした奇妙な雰囲気も手伝い、ファンだけではなく従来のヒーローモノがそれほど好きではない人にもかなりオススメできる。当時の特撮を堪能することも出来、内容だけではとどまらないいろいろな面から一気に楽める。[映画館(字幕)] 9点(2008-08-15 11:36:20)《改行有》

767.  ホテル・ルワンダ  日本は今も、紛争や戦争の遙か後方にいる。だから紛争や戦争のさなかではない。でもそれだけ。さなかではない、それだけだ。  この作品は日本が今後も戦時下でないという仮定しかしないひどく利己的な反戦映画に、納得してしまう自分を戒めるきっかけとなるのではないだろうか。何か起これば雪崩のように同種の事件が連発する社会で、平和を保とう、戦争は悲惨“だった”。などと上からの視線で主張するのは一体どういう事だろうかと。  紛争状態になればモラルなんて一発で消えるだろう。この社会を構成する僕たちは、僕たちが思っているよりずっと残忍で冷酷だ。そう言う国で、悲惨に死んでいく昔の人の映像だけを反戦の根拠とするのはいかがなものか。言葉に出来ない、人情ドラマにすることすら出来ないこの映画以上の惨劇が各地で今起こっているのに、判で押したかのような様式の国産の反戦映画で感動して、アメリカを軽蔑したらたちどころに馬鹿みたいに気が大きくなってしまう自分を戒めたい。  戦争や紛争が悪であるなんて当たり前だが、一方で殺人という行為が禁忌である理由を巧く説明できないことが一時話題になったことがある。その理由と要素はちょっとだけ複雑だけれど明白であるにもかかわらず、一言で説明することは困難だ。詳述されるその答えを用意するのも理解するのも私たちには、重荷だ。  殺人の罪は主観であるなどと言うのは、それを利用した文化人の言葉遊びだ。  そのテレビ的主張をまんべんなく否定できているわけではないこの社会では、反戦映画を観たくらいで今起きている悲惨な暴力は止められない。  世界平和といいつつ、世界の紛争やテロリストのやり口の悲惨さを、主張があるから一方的な悪ではないなどと拙く片付けてしまう。この社会で僕たちは、幼稚な主観主義で目をそらしすぎたおかげで争いと虐殺を、全く戦争として認識ができない。  自分好みの戦争と、そうではない戦争。思う様虐殺を楽しむ人たちを無関係なドラマだと楽しむ僕たちと、歴史の中のレアケースを選択的に憎む僕たち。身勝手さと頭の悪さに足元が揺れはしないか?[DVD(字幕)] 10点(2008-08-15 02:44:40)《改行有》

768.  エイリアン3 《ネタバレ》 どんでん返しモノをやりたかったんなら他の作品の続編でやれば良かったのに。どうもこの頃の軽めの作品は、とにかくどんでん返しをやりたがりすぎますね。当時としてもいきなり2の生き残りを何の伏線もなく殺してみたり、ラストもあんなだったりと核心部分の作りがどんでん返しをしたいんだという、ただそれだけの目的に縛られてしまっただけのような気がします。 そもそもどんでん返しモノって、ターゲット層が限定されている様な気がするんですが、こういう有名作品続編でやってしまうと、そう言うものに興味がない人が拒絶反応をしめします。客は老婆が実は長身の名探偵でしたみたいなどんでん返しではなく、何かを犠牲に打ち勝つカタルシスを求めている訳ですよ、エイリアン2の続編であれば。 それを、どんでん返しやミステリーホラーのような作風に変更するのなら、エイリアン2を他ジャンルで踏みつぶすくらいの完成度でやらなければ誰も納得しない。T2やアバター級の完成度を持つ他ジャンル作品でなければ、納得するのはたまたまエイリアンを見に来たミステリーファンと熱烈なアメリファンだけです。その辺をなんで押し切ってしまったんでしょうか。題材がエイリアンや恐怖である以上アクションが大半をしめる訳で、こうしちゃったのは残念きわまりないです。 たとえばブラッカイマー制作でバーホーベンがパリの妄想少女を撮ったら、観たいという客はどれだけ居るでしょうか?そんなもの観たいのはたまたまアメリみたいなのを観たくて券を買った(いろんな意味の)ハードSFフリークと熱烈なロボコップファンだけです。 そういうわけで、斜めに見たファンにしか庇ってもらいようのない映画になったと思うんです。 バーホーベンが作った妄想少女が存在すれば、私はそれがいかに凄いことなのか力説しまくりますからね。[映画館(字幕)] 3点(2008-08-15 01:56:40)《改行有》

769.  真夜中の弥次さん喜多さん 商品として成立してないような。映画を作るフォーマット、機材、人材は一応そろえたけどそこにいる全員が期日までに何をしたらいいのかよく分からないまま仕事が始まってしまった。そんな感じでは。 原作のチョイスも奇をてらってうまくいかなかったという感じだし、どうもファン心理を利用してやろう的な商売根性がイカン。宮藤官九郎のドラマは大好きでボックス買いとかしてしまうんですが、これはイカン。 宮藤官九郎だから面白いはず、笑いどころみたいだから笑わなきゃと、自分をごまかすのにすぐ疲れてしまいました。相当外してます。ゴリッと滑ってます。有るかどうか分かりませんが監督次回作がこんなだとかなりがっかりなので、正直に面白いとかそう言うレベル以前の仕上がりだったと言いたい感じです。[DVD(邦画)] 3点(2008-08-15 00:47:58)《改行有》

770.  バイオハザード(2001) ゲームキッズが気軽に楽しむっていう類の映画でしょうか。映画単体で面白いかどうかというと微妙。映画が観たいと思って見ると特につまらなくはないけど・・・っていう感じですね。 ゲームの方のファン向けかもしれません。既存映画からの拝借で手堅くまとまってます。 もう少し短くても良いくらいか。[地上波(字幕)] 5点(2008-08-15 00:38:17)《改行有》

771.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 完成度の高い通常版に対して、こちらは尺を気にせずにみてくれるファン向けの編集になっています。 原作の超豪華挿絵としての色合いが強く、エピソードになるべく漏れがないようにという配慮が伺えます。本来原作ものは、映画としての機能を失わないため映像化が無意味なシーンを削り、映画としての完成品が作られますが、そのために原作にあったシーンが無くなっていることが気になって仕方がないというファンがどうしても出てきます。本来こういった指摘は映画ファンからは的外れなんですが、原作ものは映画ファンだけが見るわけではなく原作に思い入れのある大勢の人が観ます。 長時間の鑑賞による集中力の低下や、多忙な中での拘束時間という部分で作品としての完成度を下げてでも、原作を大事にする人の要求をきっちりと満たす、という意味で大変な価値を持つ作品であると同時に原作の超豪華動画挿絵であるということが本当にありがたい作品です。 ストーリーや演出の面でも、全く出口のない状況でもう諦めてしまっても、心がおれてしまっても、とりあえず全力で留まってみる。そういう力があるかどうかが大事だ。というメッセージ性が良い。 諦めないことや心がおれないようにすることよりさらに一歩難しい状況でどうするか。 そういう心がグググッと感動に引き込んでくれます。[DVD(字幕)] 9点(2008-08-14 21:56:47)《改行有》

772.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 何なんでしょうか。私が今までヒーローモノに持っていたイメージ、●●をするから悪役。悪役をやっつけるからヒーロー。という対立構造に対するフラストレーションを完全に叩きつぶしてしまいました。 この映画は悪が本物の悪です。一頃流行した悪とは何なのかという価値観を揺さぶるテーマ以前に、話し合いも欲も全く通用しない、犯す犯罪とは全く関係のない自分の楽しみのために必要なイベントとして殺害や窃盗をするという、現実世界の凶悪犯そのままの、行動規範のない現実の悪が登場します。 キャラクタや場面の切り替えでリアリティと映画の狭間を行ったり来たりするわけです。その感覚がなぜか恐怖映画以上のスリルを与えてくれます。そのリアリティが自警団が犯罪者を探しだし殺害するという異常な状況を作ることやそれに対する快感を与えない。殺害による個人的な復讐がそれ自体事件となり自治体の浄化につながらないなど、テーマがいかにも今世紀になってからの作品です。 それでも、今の時代には存在できない空想の正義が崩壊しても、正義ではなく悪と相対する存在として有り続けようと諦めない気持ちというのがズンと突き抜ける隙間を与えてくれました。テーマだけでなく、脚本、色彩、映像技術、編集やアクションまで何もかもがそろっています。過去の傑作同作品が実現できなかった部分を、現代の最高の技術で作り上げ、議論し尽くして作り上げたであろうテーマで、作り直しとは全く別の意味の超傑作に仕上がっています。 単純な対立構造、善悪がはっきりしている作り、ロボットアニメ的なヒーロー像という日本的な趣向にはなじみませんから、当分こういう作りの話はまず日本で作られることはないですね。残念ではあります。 何回観てもエンドロールも興奮で立ちたくないほどの映画でした。すばらしいの一言です。[映画館(字幕)] 10点(2008-08-10 02:40:57)(良:2票) 《改行有》

773.  イノセンス 見事な本歌取りだろう。これは過去の優れた要素を積み上げて洗練させて行く技法では押井守以上に優れた監督はいないのではないかと感じさせる。また、攻殻機動隊の一キャラから全編に独自の雰囲気を作り出しているところにも良さがある。 本作の哲学的な台詞や、疑似科学技術などは現実世界では意味を持たず、鑑賞中はその世界にどっぷりと浸かり込むための良いアクセントとして使われている。ここに過剰な意味を読み解こうとするとついて行くのが困難になると思われる。本編の内容にリンクはする範囲でそういった文章的ギミックは機能するが、本当に哲学的な部分で哲学的かというと必ずしもそうではないととらえることも可能。 実はテーマも結末も消化していないが、謎要素をちりばめることで「製品としての完成」に成功している作品もある。本作の場合はそういった雰囲気の醸成にあるんだか無いんだかわからない哲学的な意味をそのように使っている。そこにもちょっとした技巧を感じる。 ストーリーは前作よりも筋があるため非常に観やすくなっているのも特徴。終盤のループは面白いと感じるかくどいと感じるか、あるいは作為を感じてしまうか。多様にとられるであろうことが容易に想像されるが全体としては非常に良く出来ている。 映像技術の高さもただごとではなく、素直に楽しめる作品。哲学的な部分や疑似科学が鼻につく人もいるかと思うが、この部分に意味はないし子供だましのたぐいか。それも鑑賞中は作中の人物になったつもりでそれらもひっくるめて受け入れてしまえれば凄い映画ではないかと思う。[DVD(邦画)] 8点(2008-08-07 21:36:54)《改行有》

774.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 世界観にのめり込むことが目的ならば最適の映画。終末的な世界観でもなく、閉塞的でダラダラと暗い未来が続いてしまうような世界が秀逸。作画も動きも高レベル。ひたすらあの電脳というグロテスクな外観と内容を備えたヒトが醜く鮮やかに争う様にしびれることができます。 ストーリーや敵対関係がくっきりしすぎた物や、相関図が無駄に複雑な物に飽きてしまった人は必見です。 原作漫画よりおもしろいです。[DVD(邦画)] 8点(2008-08-06 22:46:51)《改行有》

775.  ソウ 《ネタバレ》 オチが騙しになっていない。 こういう古典的な、死体が犯人の死んだふりでした的なオチっていうのはどうなんでしょうか?これじゃ犯人は主人公でしたとか、人工衛星にいましたとか、死んでいましたとか。考える意味が無く、考えても当たったか外れたかでしかないというところで等価。 おそらく昔多かったこの手の手法の映画のオチに飽きてしまった人は、本能的にこの映画見ないと思います。それでも紹介されてとりあえず・・・という形でこの映画に出会ってしまった人はイライラしっぱなしでしょう。[DVD(字幕)] 2点(2008-08-06 22:30:13)(良:1票) 《改行有》

776.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 アメリカ人のほとんどが宇宙戦争の最後を知っているわけで、オチははじめから重視されていないでしょう。それでもリメイクされるのは2000年以降の流行はオチや謎を重視しない作品で、単なるだましよりも日常にちかい意外性のない物を題材にする映画が増えているように思います。 表現力の向上で、リメイクや原作物にこういった部分の自然さを引き出すことができるようになったんでしょうか。どんでん返しやだましオチが無い分、深く追体験できて自分のためになりそうな話であることが非常に好印象でした。 そんなわけ無いでしょ、っていうどんでん返しや騙しではなく、普通の人が映画の中に巻き込まれるような作品であることの良さが際だっていました。お約束の農家のシーンは、恐怖に負けた普通の人なのか元々おかしな人だったのか、こんなことがなければこんなことにはならなかったであろう、一農夫が普通の親子に見せる恐怖はやはり一番の見せ所か。 とにかくあきらめない、ということを普通視点で描く。そこが凄い。[映画館(字幕)] 9点(2008-08-06 22:18:09)《改行有》

777.  迷宮物語 バブリー。とにかく金があるから前衛的なのを作ったっていう感じ。 当時の角川の悪い面が凝縮されたような時代を感じさせる作品になってしまっています。動きはなめらかなんですが、絵が雑。なめらかさが売りで、ストーリーや作画はおまけという感じ。 とてもラピュタの次の年の動画とは思えない。スゴく小さい頃テレビでやってたのを観て、全編に漂う不気味な雰囲気に惹かれもしたのだが、DVDを買って見直してみるとガックリ。文字通り子供だましであった。[DVD(邦画)] 3点(2008-08-03 23:49:15)《改行有》

778.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 頭空っぽでスカッとしたいときとりあえず見る。合戦シーンのもの凄いCG、金と時間を惜しみなく使うとああいうのが出来るんだろう。金の掛かっていないCGは、金の掛かっていない大道具と同じようなものだということがよく分かる作品。 そろそろこういう水準の映像になってくると、何でCG使わないでわざわざ大道具で実写でやるの?と言う気にもなってきますね。物理演算されてるので建物だけでなく、生き物や複雑な異形物もパースが正確で絵とは本質的に違うと言うことが表現できるようになってきたんだなぁと思います。 実写の張りぼてとダンス的なアクション、CGIの絵と演技の合成。どちらを選んでも気づいてしまう人には作り物以外の何物でもありません。だったらそろそろCGだからダメというのと、張りぼてだから、ダンスだからダメというのが同列になっても良い頃かと思います。 原作はマンガですが、歴史に詳しい人なら結末が分かると思います。結末が分かっても面白いです。出来れば大きめのテレビで観たい感じです、アトラクション的映画。 ドーンオブザデッドの監督ってさっき気がつきました。良い。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2008-08-03 23:35:22)《改行有》

779.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 《ネタバレ》 テーマがよかったですね。学生時代に多くの人が抱えるであろう、ずれたルーチンで毎日があっという間に終わってしまう感覚。いつか区切りが来ると分かっているのに、時間が無限にあるんじゃないかという錯覚みたいなもの。 それにポンと焦点が当たっているところが秀逸です。無為に過ごしている学生世代に、インスピレーションを与えたいという熱意のようなものが伝わってきました。他方で、時々何十年も働いているのに周りからみても異様な生き方をしている人がいます。人間社会にいるのに他人にまるで接触せず、東京オリンピックでそこだけ時間が止まっているかのようで、自分の話は相手が聞いていようと聞いていまいとお構いなしな人たち。 そういう人たちへのメッセージであるともとれ、いろいろな年齢がターゲットになっていると感じました。彼らの体が子供ならキルドレという商品にそっくりなのでしょうか。現実の彼らが一歩を踏み出すことはないでしょうが、55歳の押井監督の自分に近い世代や少し下の世代に対するメッセージも含まれていそうな感じです。 物語はキルドレの詳細やティーチャーのこと等謎要素も入っているけれど、そこにフォーカスしないのはテーマ重視なため謎解きとかオチで味わいを帳消しにしてしまわない方法論としてアリでしょう。画像の技術的な部分では他の追随を許さないですね。ゲームのOPムービーのレベルと比べたら失礼な、明らかに一線を画すクオリティ。絵の部分との境目もイノセンスの時よりずっと自然になってます。 ヨーロッパの評論家にはこの話を絵でやる意味があるのか、と言う疑問もあるようですが、絵でやるか実写でやるかはどちらでも良いことだと思います。自国産長編アニメ映画を当たり前に大切にする日本人やアメリカ人にはむしろその疑問、そういう発想あったか的な感覚ではないかと。 全世代向けでしょうけど社会的なテーマに加え高い技術性も有り、基本的には大人向けの作品です。でも、大人なのに無関心な子供のような生き方をしている人には結局意図不明で耐えられないかもしれません。ガサガサと貧乏揺すりを続け、何度もトイレに行っているオジサンが数人いらっしゃいました 自分がすでに知っている心地よさや快感ばかりを娯楽に求めると、意外性の楽しみを見つけられないんだななどと思ったりもします。[映画館(邦画)] 9点(2008-08-03 19:25:16)《改行有》

780.  ダイ・ハード3 《ネタバレ》 DVDボックス、画質が悪くてがっかり。リマスターしてほしいです。中身ですが、最初のテロの部分はちょっと恐ろしかったです。何となく生々しさがありました。 本作では閉じ込められる場所がニューヨーク全体という縛りが面白く、観光した気分にもなるし結構良くできている。謎解きも楽しく、後半部分の大風呂敷といいダイハードシリーズそのものです。2よりおもしろかったかも。この当時のアクション映画って、つじつまとか得られるものとかじゃないんですよね。爽快感が大事。そういう意味で割り切れる楽しさがありました。[DVD(字幕)] 7点(2008-08-02 14:28:52)《改行有》

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