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プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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761.  八つ墓村(1977) 《ネタバレ》 最初にこれを見た時点ではまだ若かったので、劇中で村の有力者が婦女を拉致監禁して凌辱するのを誰も咎められないのが当時としては非常に衝撃的だった。そのせいで、農村社会とはこういうもの、と当時は思い込んでしまっていたが、長じるにつれて農村社会の全部がこんなわけはないと思うようにはなっている。それでも最初と最後に出る近代的な空港と、舞台になっている山村の間にある断絶感が、かえって日本にまだこういう所があるかも知れないという気にさせるところがある。 またテーマ曲もこの映画の印象づくりに大きく貢献している。個人的にはこの曲から、表面的には平穏に見える風景も実は暗く抑圧された感情と深い悲しみを秘めており、それを無表情の奥に隠しながら黙々と生きる人々の姿がイメージされた。若い頃の自分が農村社会に偏見まで抱いたのは、半分はこのテーマ曲のせいである。 その他の点としては女性の登場人物が印象深い。まず姉の春代さんがきっちりした清楚な女性で、しっかり者のようだが不安を抱えて眠れない夜が続いていたのではないかと案じてしまう。この人の最後は大変可哀想で、主人公も姉として慕うようになっていたらしいのが切ない。また当然ながら鶴子の境遇にも胸が痛むものがあり、子を慈しむ母親の表情を見せながら同時に可愛らしくも見えるのが悲しい。加えて最初の方に出る和江という人(美也子の妹)も、端役ながら個人的に好きな女優(夏純子さん)なので見逃せない。顔はよく見えないが、はっきりしてよく通る声が心地いい。 一方で森美也子に関しては、まずは序盤でスカートが風でめくれるのが気にならなくもないわけだが、そういう色仕掛けに騙されてはならないという警戒感をこの段階で抱かせる怪しさがある。終盤の洞窟内でいきなり「あたしたち」扱いされるのは気色悪く、実際に言われたら思い切り引くだろうと見るたびに思う。 だいたい以上のような印象から(あまり説得力がないかも知れないが)個人的には永遠の名画の扱いになっている。ちなみに全般的に、口から液体を吐くのが汚らしい映画である。 なお余談として、最初の落武者の場面で遠方に見える高い山が何なのかずっと気になっていたが、DVD特典を見ると伯耆大山(鳥取県、1,729m)を南側から見た風景だったことがわかって感激した。こういうのも真面目に見ておくと勉強になる。[DVD(邦画)] 8点(2016-07-25 19:52:21)(良:1票) 《改行有》

762.  鬼談百景 《ネタバレ》 作家の小野不由美による同名の実話怪談集(全99話)から、10話を選んで映画化したオムニバスである。6人の監督が脚本を含めて担当している。 【追い越し】 原話の不思議さが不足、無駄話が多い。 【影男】 音そのものが神経に響く。異音が付随しているのも嫌な感じ。窓から見えた空も意味不明だが怖い。最初は睡眠時無呼吸症候群かとも思えるがそうともいえなくなって戦慄。 【尾けてくる】 作業着の男がいかにもそれらしい顔。女子高生~女子大生の見開いた目はいいが若干くどい。ラストの街角遠望は好きだ(渋谷二丁目、青山学院近く)。 【一緒に見ていた】 原話にない背景事情を大きく加えた形。一回やっただけというより人格低劣で因果応報。倒れた男子生徒、ぶつかった女子生徒のいた風景がいい。 【赤い女】 女子高生絶叫ホラー。怖いことは怖いが階段をドタバタ駆け上がるのはなぜなのか(笑)。登場人物が高校生にしては変に大人っぽく、加弥乃さんは可愛らしいがヒガリノ(比嘉梨乃)さんはひときわ色気がある。 【空きチャンネル】 普通。特殊効果はやりすぎだが一瞬怖い。 【どこの子】 小学生のくせに妙にエロい。取り残されるシチュエーションは怖いが方言の男には笑わされる。 【続きをしよう】 子役がいい感じ。出演は9人だが顔が見えるのは8人、声がするときに誰の口も動いていない。流血の連続で児童虐待のようだが、走り回る子どもらを見ていると、この監督は本当に子ども好きなのだろうと思った。 【どろぼう】 難解で意味深。果実の隠喩と時間の経過、スカートの下にジャージをはいていないなど。何にせよ流産監督らしいテーマと思われる。女子高生が美形なのはいいとして、子沢山の母親がこういう顔だとは原作からは想像していなかった。 【密閉】 原話の投稿者が隠していた真相はこれだ、という感じの話。主演女優の顔が好きだ。 第1話を除く各話が「こんな手紙が届いた」で始まるのは、夏目漱石「夢十夜」の趣向に倣ったものと思われる。基本的には全て原話の筋立てに沿っているが、映画的なイメージを膨らませたり独自の解釈を施したものもあり、必ずしも実話とはいえないものが多いと思われる。しかし本物の怖さを出したもののほか怖がりながら笑えるもの、ストーリーとして面白いなど多様であり、映像的にもいい出来のように見える。これまで見たオムニバスホラーの中では最も良質だった。[DVD(邦画)] 7点(2016-07-16 22:30:45)(良:1票) 《改行有》

763.  残穢 -住んではいけない部屋- 《ネタバレ》 原作付き映画は原作の劣化版でしかないことが多いので、映画から見てしまって損した気分になるのを防ぐため、今回は原作を先に読ませてもらった。 その後に映画を見ると意外にまともにできており、原作の基本構造を尊重しながら印象的なエピソードを残し(大家の伊藤さんなど)、原イメージを保ったままで短時間にまとめてある。導入部として短い怪談を入れたのは映画独自の構成だが、これもその後の展開からすれば効果的と思われる。老婆が一言「湧いて出る」とか、床下の顔など怖さで印象付けられる場面もあり、また緊張が高まった場面で、登場人物の何でもない発言にいちいち脅えさせるのは笑いを含んだ肝試しの臨場感があった。 ちなみに原作では実在の人物が実名で登場するため、ホラー映画でいえばフェイクドキュメンタリーのような印象があり、それが読者にとっても他人事でない雰囲気づくりにつながっていた。この映画はさすがにドキュメンタリー調にはしていないが、登場人物の平○○明とか○澤徹○とかいうネーミングには原作の名残が見られる。平○氏が羽田の大鳥居にいた意味はよくわからなかったが、これはファン向けの小ネタというつもりだったのかも知れない。 一方で肯定的になれない点として、最後は疑似ハッピーエンド風になったあたりで終わりにしておけばいいものを、その後さらに怖がらせエピソードを4つも加えていたのは呆れざるを得ない。それまでは、邦画ホラーの恒例である現場突撃を「お暇しましょう」であっさり終わらせるなど結構いい雰囲気で来ていたにもかかわらず、結局最後は見せるものを見せなければ気が済まないかのような作りには落胆させられる。 また原作では「穢れ」の残留と拡散に関して仮説のようなものを提示しており、それがいかにも自然現象的にありそうな感じで納得できるものだった。その一端は当然この映画にも出ているわけだが、しかし原作では、確定的影響でないため統計的に有意でないとかいうことで因果関係が特定できずに日常の中へ埋没していく空恐ろしさとやるせなさが感じられたのに対し、映画がこういうラストでは致死率100%の「呪怨」シリーズと同じように見えて、原作独自の趣向がぶち壊しになったように感じられる。そもそも徹底して登場人物を破滅させたがるという無駄な過酷さが大人気なく、邦画ホラーというもののどうしようもなさを感じさせる映画だった。 それでも邦画ホラーにしては悪くなかったので少しいい点をつけておく。[DVD(邦画)] 6点(2016-07-16 22:30:42)(良:1票) 《改行有》

764.  たまこちゃんとコックボー 《ネタバレ》 一応説明しておくと、「たまこちゃんとコックボー」とは1本1分で多数制作されたアニメコンテンツのシリーズで、主に広島県と秋田県のローカルTVで天気予報のバックなどに流れているものらしい。この映画はいわばその劇場版で、舞台もTV放送のエリアに合わせて広島県(広島市)と秋田県(男鹿市?)に設定されている。アニメと実写のパートが混在しているが、アニメのキャラクターが実写パートにも登場するのでアニメの実写化のようなところもある。 映画の主演はアイドルグループ「私立恵比寿中学」(エビ中)所属の「廣田あいか」(ぁぃぁぃ)という人である。もとのアニメシリーズでは「たまこちゃん」「コックボー」に次ぐ第3のキャラクター「モグP」の声を担当しており、鼻にかかった甲高い声は演技かと思ったら普段からのことらしい。映画では「広島市立海老巣中学校」の3年生であり、ほかに実写パートで出るたまこちゃんもこの人の二役だが、別人の子役がたまこちゃんを演じる場面もあって、この子役の方がキャラクター本来の想定年齢に近いものと思われる。 映画の内容は主人公が現実世界とアニメの世界を行き来するファンタジーになっており、アニメの世界はもちろん実写映像の方も色彩感豊かで楽しい。しかし主人公は幼児ではなく高校受験を控えた中学生であるから、テーマとしては“現実逃避の克服”ということにならざるを得ないわけで、序盤からしてすでに破綻の予兆が見えている。最後も結構シビアで切ない結末で、チョコレートがなぜ甘いかの答えは少し泣かせるものがあったが、しかしラストで主題歌が流れて題名が表示される箇所はけっこう感動的だった。この主題歌自体もなかなかいい曲だったかもしれない。 そういうことでおおむね好意的ではあるが、児童生徒はともかく社会人としては遵法精神というものが身についているので、登場人物がトラックの荷台に侵入して勝手放題やらかす展開はさすがに見過ごしにできない。いくらファンタジーでも現実世界が舞台であるからには、まともな大人が見て反発を感じる要素は入れないでもらいたかった。ここは残念なところである。 なお映像面で目を引いたのは秋田新幹線の高速走行の迫力だった。何でここに力が入っているのか不明だが。また細かいところでは、夕食時に主人公がニンジン?を全部父親に食わせていたのが微妙に可笑しい。[DVD(邦画)] 6点(2016-07-16 13:02:24)(良:1票) 《改行有》

765.  神様の言うとおり ~短篇.jpルーキーズ第1弾~ 《ネタバレ》 一応説明しておくと、「短篇.jp」という動画コンテンツの配信サイト(現在は停止中)が運営されていた時期に、新人監督育成の目的で製作されたのが「短篇.jpルーキーズ」である。この第1弾に続いて第2弾、第3弾が製作され、それぞれDVD化もされている。 内容としてはシナリオコンペで選ばれた6編のオムニバスになっており、それぞれに新人監督が脚本・監督・編集を担当している(第5話のみ美術も担当)。この第1弾では小阪由佳、国分佐智子の女優2人が全編共通の登場人物という設定で、第1話~第5話の各エピソードに各1人が端役で出演した上、最後の第6話で2人が揃って全体のつながりをつける趣向になっている。恐らくコンペの脚本に手を入れて、全体が一つにまとまるよう編集したものと思われる。 素人目に見ても新人監督らしい感じはしなくもないが、基本的にコミカルな展開で普通に楽しい。みな微妙に不幸で微妙に救いのある話だが、それを含めて人生それほど捨てたものでもなく、愚かしいようでも健気に生きる人々を祝福してやりたいという結末になるので少ししんみりさせられる。絶賛するというほどでもないが、地味にいいものができている気のする短編集だった。[DVD(邦画)] 5点(2016-07-16 13:02:21)《改行有》

766.  ゆるせない、逢いたい 《ネタバレ》 撮影場所は茨城県筑西市とのことで、馴染みのない地名と思ったら要は以前の下館市ほか3町が合併したところらしい。筑波山が大きく見えていたのが印象に残る。 物語としては「デートレイプ」の問題を扱っており、その中に主人公の精神的自立の過程を大きくからめた形になっている。自分としては年齢性別が違うため直接共感できるわけでもなかったが、主人公の表情や言動を通じて、劇中事件がもたらした複雑な感情の動きが表現されているようには見えた。ラストの決意表明は若干唐突な感じもあったが、それを含めて前を向いて生きようとする主人公を素直に応援したくなる。「対話」の場面で見せた賢明さを未来に生かしてもらいたい。 また主人公の母親に関しては、過干渉というのはその通りだろうが、母親としての思いを加害者に向けてまともにぶつけた場面はよかった(これは娘のいる所ではいえないだろう)。劇中で共感を寄せられそうな人物といえば実際問題としてこの母親だけだったが、父親が生きていれば父親の立場で見ていたかも知れない。 ところでこの話をラブストーリーとして見た場合、どう考えてもハッピーエンドなど望めない設定になっている。これから二人の進路が重なっていく見通しは基本的になく、そもそも生育環境が違い過ぎるため、最初から忌避すべき相手だというのが正しい判断である(つまりお父さんとしては賛成できない、という立場)。 後見人はご苦労と思わなくもないが、他人の立場からすれば本人の身の上など関係ないのであって、現に何をやらかしたか、これから何をやらかすか、ということだけが関心事である。この男の顔つき(目つき)など見ていると、以前に成功体験があったので今回も平気でやらかしたのだろうとしか思われず、こんな男に情けをかけるのはかえって危険という気さえする。ちなみに加害者側の弁護士というのも胡散臭い。 以上のようなことで、恐らく制作側が意図したことの半分程度しか受容できていないのではないかと思うが、全体的には極めて真摯な態度で誠実に、かつ美的に作られた映画に思われた。細かい点ではカエルに関する友人とのやりとりが和む。 なお主演の吉倉あおいという人は、他の映画で見たときはきついタイプの人かと思ったが、この映画では普通に弱さと強さを持った(可愛いところもある)高校生になっていて好印象だった。[DVD(邦画)] 7点(2016-07-09 09:30:32)《改行有》

767.  転校生(2012) 《ネタバレ》 20分の短編映画だが、各地の映画祭で受賞したりして好評らしい。題名があまりに単純で1982年の同名邦画との区別がつかないが、これは当初「○○○の転校生」(一部伏字)としていたところ、ネタバレなのでやめた方がいいとの助言があってこうなったとのことである。映像ソフトとしては同じ監督(金井純一)の長編映画「ゆるせない、逢いたい」(2013)のDVD特典として収録されている。 出演者のうち役者は森川葵(川野容子)、増田璃子(狭山リサ)、藤原倫己(笹島/クラスの担任)の3人だけで、あとは「筑西市立明野中学校のみなさん」のエキストラ協力である(台詞のある生徒もいる)。撮影場所は前記の「ゆるせない、逢いたい」と同じ茨城県筑西市で、筑波山も映っている。 内容に関しては、これから長く続いていく人生の中で、束の間ながら確実に人と心を通じあわせた一瞬のお話である。ほのぼの笑ってしみじみ泣かせる佳作であり、バックに流れる「パッヘルベルのカノン」も、選曲としてはありきたりだが心に染みるのは間違いない。 物語は「ついてくんなよ」の繰り返しで構成されているが、登場人物それぞれの「ついてくんなよ」は別の意味になっている。最後の「ついてくんなよ」だけは少し新しい意味とも取れるが、ここで人間関係を断ち切ろうとしている点で発言者の姿勢は一貫していたようでもある。それでも言外に込めた思いは見た通りなのだろうし、最後も実は何かがついてきて、この人の後ろ髪をひいていたのかも知れない。 なお主演の森川葵という人はこの時点で17歳くらいだろうが、とぼけた感じの馴れ馴れしさに何ともいえない可笑しみを感じる。森川さんのジュリエットが見たかった。[DVD(邦画)] 6点(2016-07-09 09:30:30)《改行有》

768.  ファンタズム(2014)<OV> 《ネタバレ》 自主映画ということだろうが、各地の映画祭に出して評判がよかったらしい。同名の洋画(1979年製作、以降シリーズ化)との関係があるかどうかはわからない。 これを単なるホラー映画として見た場合、通常の和風ホラーの特徴を備えたあまり独創性のない映画に見える(大して怖くもない)。家の中に何か出るとか、最後に現場へ突撃するといった展開は基本的に既存パターンに乗っかった感じがある。また子どもの絵で区切りを入れるのは悪くないが「呪怨」の章立て方法を真似たようでもあり、ビデオ映像の顔が歪むのもありきたりである。ただ危機が迫った場面でドラのような音が鳴り渡るといったところは独特な表現だったかも知れない。 また娘役の末永みゆという人は「日テレジェニック2013グランプリ」とのことで、それなりにアイドルホラーとしての性質も備えていたりする。その面からすれば「あみちゃん」の章が見どころだろうが、これもありがちな怖がらせに終わっていたようで、この部分が最も普通の低予算C級ホラーのように見えた。 一方この映画で特徴的だったのは、怖さというより家族の心の問題を根幹に据えたように感じられることである。個別の場面としては息子の死去後の、平穏に見えながらも爆発寸前のような夕食場面には緊張感を覚えた。そのあと最初の怖い場面でも、心霊現象の予兆というより精神面の危機が強調されており、こういうところにこの映画としての方向性が示されていたように思われる。 また特に印象的だったのは、妻(母)が降霊術を必要とした理由がわかったと降霊術師が告げて以降「理解できなくてもやれることはあります」までの場面である。ここは単純に夫(父)の知的能力の限界を示したようでもあるが(幅が狭く硬直的)、より一般化して考えると、理性的判断と心の問題は互いに排他的なものでなく別系統で併存すべきものであって、深刻な齟齬が生じた場合は理性の方が心の問題に寄り添う必要がある、というように受け取れた。 劇中では、最初は気丈そうに見えた妻(母)が表面では理性的な態度を崩さないながらも、内心とのギャップに耐えかねて日常世界から外れていくのが痛々しく見えた。ラストは「予言」(2004)のようでもあるが、自分としては全体的に「仄暗い水の底から」(2001)を想起する。似ているところがあるから悪いというわけではなく、同種の感慨を覚えるいい映画だった。[DVD(邦画)] 6点(2016-07-09 09:30:28)(良:1票) 《改行有》

769.  -×- (マイナス・カケル・マイナス) 《ネタバレ》 とりあえず密度の高いものをじっくり見せられた気はするが、娯楽気分で見るのは厳しい。 人の神経を逆撫でする要素を各所に多数入れてあり、また人物の会話も素直につながらず、何かと棘が刺さるようで苛立ちが募る。終盤に至ってもまだ緊張を強いられる気がする一方、登場人物が社会通念を無視した感情表現をするのが気に障って安心して見ていられない(公共交通機関内で大声で歌うなど)。個人的感覚としては劇中に和む場面が全くなかったが、そのように延々と精神的負荷をかけられた後で、最後に中学生がにっこり笑った(+金魚を入れた、襟を洗った、チョコレートが落ちた、アパート前にタクシーを止めた)くらいでは心の収支がプラスに転じない。登場人物に心底共感できる観客なら別かも知れないが、自分としては見るのがつらい感じの映画だった。 またこの映画で、相互に関係しない物語をあえて一緒にしてみせたことにはあまり積極的な意義が感じられない。自分としては最後にどうつながるのかを期待していたわけだが、その期待が満足させられなかったのも全体としてマイナス方向に作用している。自分の感覚でいえば、人はそれぞれ事情を抱えているので世界情勢とか他人の動向など視野に入らなくても仕方ないだろうと思うわけだが、まあできれば世界の広がりに関する想像力くらいはみな持っていた方がいいという気はしなくもない。 ところで女子中学生役の寿美菜子という人は、現時点では声優として有名のようだが(自分の知る範囲では「けいおん!」の琴吹紬役)、この映画を撮影したのは2007年とのことで、その時点ではまだ15~16歳だったようである。劇中ずっと不穏な表情だったこの人が終盤では普通に可愛らしく見えたのは悪くなかった。またその友人役の大島正華という人も、年齢(14歳くらい?)の割に面構えに迫力がある。そのほか、近年は怖い役ばかりやっている感じの長宗我部陽子さんが、この映画では普通に(というか非常に)色気と可愛気のある女性役なのは結構なことだった。それでも少し怖い感じだが。[DVD(邦画)] 5点(2016-07-09 09:30:25)《改行有》

770.  賃走談 2号車<OV> 《ネタバレ》 「賃走談 1号車」の続きであり、全8話のオムニバスを4話ずつ「1」「2」に分けたうちの「2」である。「1」と同じく古賀奏一郎と吉川久岳という人物が脚本・監督・編集をそれぞれ2話ずつ担当している。[ ]は点数。 【帰ってきた女】 視聴環境によるかも知れないが画面が暗すぎる(女優の顔がよく見えないではないか)。また男の口調が気に入らない(3人とも)。話の基本構造としては単純だが、しかし登場人物の立場によって出来事の性質が変わるのは面白い。[4] 【チイちゃん】 雨の日の不吉感がある。人物を暗く見せたり明るく見せたりして混乱させるのが面白い。印象が二転三転する。[4] 【くりかえす最後の記憶】 題名だけでどういう話かわかってしまい、また男の行動で何が起こったのか容易に想像できる。そもそも男の動機が不明なのは困ったことだが、最大の問題点はタクシーがほとんど関係ないことである。なお管理人のジョークはオヤジじみているが、年長者が若年者に気配りしている感じが出ており、彼我の年齢差を超えてかろうじて同調してもらえそうなあたりを狙っているのがいい。[4] 【怪談タクシー】 悪くない題名である。冷静な運転手と感情豊かな客の対比は面白い。愛すべき女性像に好感が持たれるが、最後は可哀想で切なくなる。2006年でさえなく2014年だったことの衝撃が印象的だった。ただ最後の駄目押しは聞かなくてもよかった。別の締め方がなかったものか。[7] 前作と同じくスターダストプロモーションの所属タレントが多く出演しているが、今回は女優の方に少し重心が移った感じで、タクシー運転手が主人公とも限らなくなっている。基本的に若手女優はスターダストの所属だが、「チイちゃん」だけは女優といっても子役(2005年生まれ)である。 前作と同じ企画の一部であるから水準としては変わりなく、怖いものではないが映像作品としての印象は悪くない。最底辺の安物ホラー群の中にも、結構見られるものがあるのだなとこれで少し見直した。特に「怪談タクシー」は個人的に好きな女優が出ていることもあって印象深いエピソードである。[DVD(邦画)] 5点(2016-07-03 18:52:49)《改行有》

771.  賃走談 1号車<OV> 《ネタバレ》 「タクシー怪談に焦点を絞った」ホラーとのことで、全8話のオムニバスを4話ずつ「1」「2」に分けたうちの「1」である。この世界では名の知られた?古賀奏一郎と吉川久岳という人物が脚本・監督・編集をそれぞれ2話ずつ担当している。[ ]は点数。 【手形】 夜勤明けの風景が爽やかだが音楽が沈痛。カーテンの色に溶け込んでいた脚は誰だったのか。心霊現象が中心ではなく「ほんとに怖いのは人間」的な話だったのは残念だが、逃げ出そうとした女性客と死にそうな女性客はなかなか真に迫っていた。[4] 【犬】 平凡な話かと思ったら最後に意表をつかれた。それを含めてありきたりな展開と評されるかも知れないが、あえて先読みしようとせずにボーッと見ている限りは少し驚かされる。[4] 【歪み】 運転手は学習能力がないのかと思ったが、どうやっても同じ結果になるということだったらしい。ラストはよくわからなかったが、抜本的解決を図ろうとしたらこうなったということか。女性客(演・相葉香凛)はほんわか系だが、最後の一言に裏があるのではと勘繰ってしまう。[4] 【11号車】 第1話の「手形」を別の監督が引き継いで後日談を作った形になっている。「手形」の方は「ほんとに怖いのは人間」的性格が強かったが、それは発端がそうだったというだけで、ここに至って本格的な心霊現象に移行したらしい。そうすると逆にこれが怪談の本体であって「手形」が前日談とも捉えられる。窓に映る顔の怖さが少し目を引いたが、終盤の視覚効果がいかにも安い感じで、またグロいのも不要に思われる。 なお見栄晴も年を取ったものだと思うが、同じように自分も年を取ったわけである。[3] 企画・製作が株式会社SDPであり、同社が関わった他のオムニバスホラーと同様、スターダストプロモーションの所属タレントを多く出演させている。他のものは女優の魅力で見せるものが多い気がするが、今回のこれは全てタクシー運転手が主人公になっており、男に重点が置かれた印象が強い。 題名は“珍走団”から来ていると思われるのでふざけた感じだが、映像作品としての印象は悪くなく、話としても少し気の利いた作りになっている。どうせ最底辺の安物ホラーだろうと思っていたら意外に悪くなかったというのが実感だった。[DVD(邦画)] 4点(2016-07-03 18:52:47)《改行有》

772.  怖譚 コワタン<OV> 《ネタバレ》 「最恐の女子校生ホラー」とのことで、全5話のオムニバスである。[ ]は点数。 【集金人】 冒頭のナレーションで回想譚とわかり、本人は無事だったと確認されるので安心してしまう。“あとで聞いたらこうだった”というオチまでついているのは、実話というより古風な読者投稿の雰囲気を出しているともいえる。暗闇の顔が不気味。[3] 【異界からの招待状】 怖いことは怖いが心霊写真の怖さである。主人公の行動が不自然で、ベランダに出た時点で右側が気にならないはずがない。[3] 【理想のトモダチ】 時間が最長。子役時代からキャリアの長い役者を出してエピソードとしての充実を図ったのかも知れないが、出来事自体に新味がなく、ただの女子高生?が超自然的能力を発揮して無理矢理な流血沙汰に至る話を素直に受け入れるわけにはいかない。主人公が錯乱した場面で、近くの仮設ゲートが風で揺れていたのは巧妙な表現かと思ったが、これは実際に風の強い日に撮影したようでどれだけ意図したものか不明。童顔の殺人者に+1点。[3] 【ユウタイリダツ】 時間が最短。美少女がパンツを下ろして便器に腰かけているのは大胆。怖いというよりほのぼの系。[4] 【覗き魔】 個人的好みとしてはこれの主役の人(青山奈桜)が一番かわいく見える。見た目は可愛いが近所のオバサンと比べると明らかに長身で(165.5cm)、最近の日本人は体格がよくなったものだという感慨がある。この人に+1点。[4] 【ベッドの下に…】 大変よろしくない特徴を備えた最低ホラーである。題名だけでわかる古いネタを使っているが、原話を改変した結果として何の捻りもないただの殺人になってしまっている。これで警察の追及を受けなくて済むと思っているのかどうか。意外性を優先して現実味を簡単に犠牲にしたように見えるが、超常現象に頼らないつもりならもう少しありそうな話にしてもらいたい。ただし「みんな言ってるよ」が2回出たのは少しよかった。[1] SDPが製作し、スターダストプロモーションの所属タレントが多く出演するオムニバスホラーで、今回は若手女優に重点を置いたらしい。 女子高生から取材した実話をもとにしたとのことだが、どこまで実話なのか怪しい話ばかりである。オーソドックスな怖さを重視した面もあるが、外と思ったら中にいた、とか、どこかと思ったらここだった、といったありがちなパターンで済ませたところもあり、全体的に納得できる水準ではない。[DVD(邦画)] 3点(2016-07-03 18:52:44)《改行有》

773.  天使の欲望(2013)<OV> 《ネタバレ》 宣伝写真の印象が強烈だったので見たが、ホラーではなく真面目な映画である。映画美学校フィクション・コース第13期高等科助成金作品とのことで、商業映画ではないだろうがDVD化はされており、ネット上では評価すべき点を挙げたレビューもあって納得させられる。1979年の同名の邦画との関係は不明だが、全く無関係ということでもないらしい。 全体として昭和のスケ番映画を意識して作られているとのことだったが、そのように聞くと題名の字体や最初にクレジットを出す構成、また現代にしては違和感のある台詞や棒読みのような口調までがそういう意図だったように思われて来る。棒読みは明らかに不自然だが、そのうち耳に馴染んで来て、「甘ったれるんじゃないよ」のあたりまで来ると心地よく聞こえるようになる。この場面は発声がいいからかも知れない。 物語の内容に関しては、まず女性の心情に関わることは自分にはわからない…ということは、この映画のほとんどの部分がわからない(監督の説明は理解できる)。ほか男に関していうと幼馴染の性格付けが非常に変で、制作側の意図に合わせて都合のいい行動をするキャラクターを作っただけに見える。だいたいこういう奴が純な心で思いを寄せたくなるような外見を主人公はしていない。また最初に主人公が帰って来た動機がどうも不明瞭に感じられ、これと実際に行われたこととの関係も明確でなく、そのため納得のいく全体構成ができていなかったように思われる。 結果として、この映画が好きになれる要素がなかったのは残念だが、監督の名前は憶えた(いそがい、という読み方をするのは別人の例で知っていた)ので次に期待したい。[DVD(邦画)] 3点(2016-06-28 22:14:02)《改行有》

774.  不良少女 魔子 《ネタバレ》 世代限定の映画のような気もするが、とりあえず思ったことを書かせていただく。 まず題名の「少女」が意味不明である。主人公をはじめとしてみな外見的にはオトナに見えるわけだが、あえて「少女」なのは精神的に未成熟だということか。主人公に関していえば、自由に生きたいのに邪魔ばかり多い、と当人は思っていたかも知れないが、現実にはどこまでも優しい兄の庇護があってこそのやりたい放題だったわけである。誰かに守られていながら反抗するという甘えの構造は、劇中では兄だが親に置き換えても同じだろう。これではただの駄々っ子である。 またこの映画では、主人公が盾突く相手が国家権力などではなく市井の暴力組織であり、国家が諸悪の根源だといった責任転嫁ができない設定になっている。劇中では社会の表も裏も関係なく、どんな世界にもその場その場の仁義がある、という極めて当たり前のことを若年者に突きつけていたように見えたが、それを主人公は全く認識できていなかったようで、そういう点でも人になり切れない少女ということだろう。 もしかすると当時の感覚としては、単純に若者の反抗や女性の暴力を小気味いいものとして捉えるとか、あるいは劇中人物の閉塞感と苛立ちを自分のこととして共感するような見方が普通だったのかも知れないが、世代も年代も違う自分としてはそれをそのまま肯定することはできない。普通に見る限り、どこまでも好き勝手に生きようとして周囲を巻き込んで破滅してしまい、結果的に“魔”の字にふさわしい役回りになった少女の悲しい愚かさを描いた映画に思われる。 主人公にしても、一途に妹を思う兄の苦しい立場がわからなかったはずはないのであって、劇中で自分が唯一共感できるのはこの兄だった。 なお主演の夏純子さんは当時日活の専属で、これ以前からスケ番映画の主役をこなしてきていたが、この映画の後に日活がロマンポルノ路線に転換したため松竹に移籍したとのことである。その後もしばらく各種映画に出演していたが(脇役か端役)、個人的にはこの映画の直後の特撮TV番組「シルバー仮面」(1971)でのレギュラー出演が印象深い。日活でスケ番をやっていた頃は野性的と見られていたようだが、自分としては唇を引き締めてきりっとした顔に見える方が好きだ(惚れている)。[DVD(邦画)] 5点(2016-06-28 22:13:59)《改行有》

775.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 公開初日の夜に見たが、特に待ちかねていたというわけでもなく、どうせそのうち見るなら余裕がある時に見ておくという程度のことである。 見た結果としては、やっていること自体は否定しないが全面的には乗れないという微妙な状態だった。展開が早いため咀嚼している暇がなく、直前に何があったかも忘れてしまう。ギャグ連発のため笑える観客は笑えるだろうが、自分として笑ったのは3箇所だけだった(チョーキング、フレームアウト、寒いので○○○と叫ぶ)。他の観客が声を出して笑ったのは犬の発情場面だったようで、ほかにも下劣なネタが多かったが、最近見た映画との比較では「みんな!エスパーだよ!」よりは穏健である。 ウラシマ効果のようなものが短時間で拡大していくのは本来切ない展開のはずだが、主人公がバカのため話が全く重くならない。ストーリー全体として何かを語るというよりも、個々の場面でちょっとした人生訓を軽く織り交ぜながら進める形になっている。正直少し長いと思ったが、終盤のキス(鳥と老婆)のしみじみ感からエンディングのライブに続く盛り上げなどはそれなりの感じだった。 登場人物としては、主人公はバカだがヒロインの人物像は好印象である。森川葵段階ではまだ人間性を量りかねる状態だったが、宮沢りえ段階に至ってこういう人だったのかと落ち着くところがある。赤鬼娘も強面ながらかわいいところがあって結構だった。 また出演者が豪華にもかかわらず誰がどこに出ているかわからないのは、神木隆之介も出ていた「妖怪大戦争」のようでもある。個人的にはほとんど誰にも気づかないで終わったが、「大木家のたのしい旅行」で地獄の執事だった荒川良々が天国にいたのは微妙なジョークにも見えた。 なおこの映画で改めて気づかされたのは、畜生道に落ちると次の生存期間が極めて短く終わる恐れがあるということだった(劇中ではほとんど瞬殺)。とりあえず人生を大事にしましょうということになるはずだが、地獄の方が居心地がいいというのでは教訓にも何もなっていない。[映画館(邦画)] 5点(2016-06-26 13:40:38)(良:1票) 《改行有》

776.  カルト 《ネタバレ》 この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作かも知れないが、今回は本人役の芸能人を主要人物として出したことで、初めから作り物と割り切って見られるものになっている。途中からフィクションの印象がさらに強くなり、後半になって登場する霊能者は明らかに役者が演じていた感じだが、今度は逆に最初からいた芸能人が現実との接点を残す形になってフェイクドキュメンタリー風味が持続する。序盤では見知った芸能人のユーモラスな会話が面白いが、後半はあからさまにマンガっぽい人格を役者が白々しく演じるのが可笑しいなど、笑いの種類でも前後半に違いがあったように見える。 またストーリーとしては、最初から最後まで一応筋が通っているようでいて、途中で微妙な齟齬が生じていた気がしなくもない。最後が唐突に打ち切りになるだけでなく、途中段階で基本設定を変えながら延長していく(話も次第に大きくなっていく)といった点でも他ジャンルのパロディになっていたかも知れない。 他の同種映画と比較すると、例えば「オカルト」が純正フェイクドキュメンタリーホラー、「シロメ」がフェイクドキュメンタリーホラー風アイドル映画だったとすれば、これはフェイクドキュメンタリー風のホラーコメディ(マンガの実写化風)というところか。複合的でなかなか整理が難しいが、さまざまなエンタメ趣向を盛り込んだサービス満載の映画と思えばいいかも知れない。 ただし最後はちょっと何とかしてくれという感じで、ここまでに一応ホラー映画の体裁ができているのだから、これはさすがに少しおふざけが過ぎる印象があった。そういうものにどこまで乗れるかという問題もあって、個人的充足感としては「シロメ」に負けているという結果だった。[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:59)《改行有》

777.  シロメ 《ネタバレ》 別にこのグループのファンではないが率直な感想として、今から6年前ともなるとさすがに皆さん若くて可愛らしいのが新鮮である。自分としては昔から連続的に見てきたわけではないので、今の目で見ると可愛すぎて一瞬誰だかわからない人もいる。佐々木彩夏がほっそりしているのは感動的だった。 映画としても、評判は悪いようだが自分的には結構面白く見られるものになっており、制作側のわざとらしい怖がらせも、ももクロ側の大げさな反応もかなり笑える。本気で怖がって泣いていた人には申し訳ないが、当時これを見ていたら一発でももクロちゃんが大好きになっていただろうと思われるので、そういう観点からすれば、フェイクドキュメンタリー監督としての手腕が発揮されたアイドル映画、というのが妥当な理解ではないかという気がした。 悪魔に魂を売ってまで願ったにもかかわらず、残念ながらこの年の紅白出場は叶わなかったことになるが(歴史的事実として)、その後に実力でのし上がったわけなので全く問題ない。今後のさらなる活躍を祈りたい。 なおネタばらしは学校の廊下で行われていたが、直前に「おなか減った」「やり切った感があるから…」という言葉が聞かれたので、二階で歌って踊って願いごとをしてからの帰り道だったかと思われる。その後の反応を見ていると、早見あかりが仕掛け人側だったほかに百田夏菜子も加担していた疑いがあり、その後にいた有安杏果は本気で怒っていたようである。怒った顔が超かわいいというと怒られるだろうが。また高城れにが浄霊師の先生に抱きついて頭ポンポンされていたのは笑った。この場面では玉井詩織も大泣きだったようで微笑ましい。[DVD(邦画)] 6点(2016-06-23 19:44:56)《改行有》

778.  オカルト 《ネタバレ》 この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作だろうが、今回すでにこの道を極めたようにも見える。同系統の「ノロイ」(2005)にあった微妙なおふざけ感は目立たなくなった印象があり(笑ったのは近藤という人物が公園で取材中止になった場面のみ)、また見ている人間のところにまでヤバいものがはみ出して来そうな感覚も特にない。そういったことを犠牲にしてこの形式としての純度を高めたようにも見えるので、一般的な娯楽映画としては「ノロイ」の方が勝っていると思われる。 そういうものでも当方としては一応付き合う気があって見ていたわけだが、それでも特に前半で、何が起きるか起きないかわからない状態で延々と派遣労働者の日常を見ているのは結構つらいものがあった。これが本物のドキュメンタリーだったとしても、ここまでどうでもいい映像は使わないだろうと思わせるものがあり、それでこの人物に愛着がわくならいいだろうが、自分としてはそこまで心に愛がない。またラストに関しては、21年間もビデオカメラを預かっておいてあれしか撮れなかったのかと呆れるわけだが、しかし21年間あれがずっと続いていたために、長く撮っても短くしても同じだったとすればまさに地獄である。 なお今回は、フェイクのエンドクレジットで劇中人物の名前を出した後に、本物のエンドクレジットで本物の出演者の名前を出していたのが正直な態度だった。劇中の白石晃士というディレクターはこの映画の監督本人だが、栗林忍というADもこの映画の助監督本人だったようで、本物のエンドクレジットでは出演者でなく助監督として名前が出ている。この人は一時期「いちごちゃん」と呼ばれて、その世界では親しまれていた人物らしいが詳細不明である。[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:54)《改行有》

779.  NINJA THE MONSTER 《ネタバレ》 どうせ主演俳優(よく知らない)のPVのようなものだろうと思っていたら意外に悪くない映画だった。 もともと海外向けに製作されたとのことで、国内向け時代劇として見ればかなり荒唐無稽である。天明三年の浅間山噴火とその後の大飢饉を背景にしていることはわかったが、冒頭からして関ケ原から183年後にやっと戦国時代が終わったかのような説明が出ていたのは呆れる。また劇中の「もののけ」は、今年春以降の国内状況からすると単純に「クマ」に置き換えればいいのではないかと思っていたら、どうも最後は星の世界に還ったらしく、時代劇にしては奔放な想像力の所産のようである。 そういうのはまあいいとしても、この映画の最大の問題点は恐らく派手な部分がないことである。アクションは一般的な時代劇の域を出るものではなく、ホラーっぽいところもあるが少し怖がらせただけで終わりになる。ストーリー的にも、延々と山中を歩くうちに人の心が見えて来た、といった感じのもので、終盤だけ少し盛り上がるが結局は何が何だかわからないまま危機が去り、それで最後にみんなが幸せになるわけでもない。 そのようなことで主演俳優のファン以外だと不全感が残るかも知れないが、しかし個人的な印象としては地味なのもそれほど気にはならず、かえって一定の感慨を残す映画になっていたというのが実感だった。 ところで舞台挨拶で、主演俳優が続編の可能性をやたらにアピールしていたのはかなり違和感が大きかった。自分にとってのこの映画は、気丈で健気な姫様の儚く切ない恋物語であって、劇中の忍者の行末などは正直どうでもいいわけである。仮に続編を作っても同じ姫様の物語として成り立たないのは明らかで、従って自分的には今回限りで終わりである。 劇中では変に難しげな台詞が多かったが、その中でも「覚悟とは…暗闇の中に、光を見出すこと」というのは結構いい感じで、また最後に犬笛が残ったのも物語的なポイントを押さえている。姫様役の女優に関しては、今回出演のこの人でなければならない理由は特にない気はするが、実際見れば可憐で愛すべき姫様の人物像がちゃんとできている。「江戸に着かなければいいのに」とボソっと言うところなどはこの人ならではの感じを出していた。[DVD(邦画)] 6点(2016-06-15 23:38:45)《改行有》

780.  ヒトコワ3 -ほんとに怖いのは人間- <OV> 《ネタバレ》 全5話のオムニバスである。  【落としもの】 埼玉県越谷市という地名が出るが実際に同市内で撮影したらしい。自分としては主演の森川葵という人に期待していたわけだが、非常にいいというほどでもなく普通だった。ただしこの時点ですでに演技派たることを求められていたように見えなくもない(序盤のコント部分)。ちなみにお話としては呆れるほど面白くない。  【見られてはいけない】 途中から登場人物の人格が一変したように見えるのは、よくあることだが反則である。ちなみに不気味なオバサン役は、舞台中心に活動している蒻崎今日子という女優だと思うが、この人は『「風の谷のナウシカ」全編一人芝居』を特技としているのだそうで興味深い。 【ずっと一緒に】 途中まではいいがラストが何でそうなるかと呆れる。それはそれとして、この回では主役の人(早瀬英里奈)の表情(顔)が見どころのようで、こういうのはこのシリーズのいいところかも知れない。  【赤い服を着た女の子】 なぜか静岡県御殿場市。古典的な都市伝説に便乗した話のため意外感が全くない。主役の人(しづか、以前は宮沢静香、現在は坂野志津佳?)が艶めかしいのでこの人だけ見ていた。  【ダイエット】 理屈で納得させるものがない。申し訳ないが主役(菊池友里恵)よりその友人役(星名美津紀、「映画 みんな!エスパーだよ!」の東三河新聞の人)の方に目を引かれてしまった。  「ヒトコワ」シリーズの3つ目である。本来見る予定はなかったが、森川葵という人が出ているので見ないわけにはいかなくなった。宣伝写真を見るとこの人が看板女優である。 基本的にはスターダストプロモーション所属タレントのPV集のようなもので、各話の主演女優と主要人物の一部がスターダストの所属である(なぜか第4話だけ違うらしい)。ホラーとしてはほとんど最低レベルであり、ストーリー的な面白さがほとんどないため褒める気にはならないが、見どころが全くないわけでもないので全否定もできない。[DVD(邦画)] 2点(2016-06-15 23:38:42)《改行有》

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