みんなのシネマレビュー |
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61. リクルート 《ネタバレ》 ネタバレ注意。 国家機密をスパイする二重スパイをスパイするスパイが実はスパイのボスにスパイされ二重スパイにさせられてたって舌を噛みそうな脚本は良く練られていて良かったと思います。でもウォルター(パチーノ)が、「アイス9」の情報を得るためにジェイムズに白羽の矢を立てたわけだけど、「彼とレイラが恋に落ちて尚且つ彼女ががその機密に携わる仕事に就くこと。」まで計算してせっせとジェイムズを手なずけていたってかなりタイトロープというか涙ぐましい努力というか、筋書きがかなり強引でしたね。とは言えパチーノの演説も聞けたしコリンも良かったし、真実が見えなくなる仕掛けもまあ最近ありがちだけどのめり込めました。細かな伏線も散りばめてあったし結構面白かった。7点(2005-03-12 02:15:47) 62. マッハ!!!!!!!! 馬乗りになって顔面を殴りあう格闘技がゴールデンタイムに頻繁に放映される今、どんなに映画の中でガチンコ風に殴り合ってみても所詮作り物は作り物、どうしても打撃のインパクトに粗が見えてしまう。 スローで何度も見せたらなおさらだ。 K-1やPRIDEのKOシーンのスローと比べたらその差は歴然としてしまう。 そういう意味ではこういった真っ向勝負の格闘アクション物にとっては不遇の時代と言えるかもしれない。 そんな中でジャッキー・チェンや、ブルース・リーにはいまだに根強いファンが多いのは、洗練された激しいアクションに加え、画面の中で光り輝くスター性こそが彼らの人気の源になっているからだと思う。 このトニー・ジャーはマスクもそこそこに良く、強靭な肉体やアクションの切れなどは申し分ないのだが、「俺が主役だ文句あるか。」という画面の中での他を凌ぐ存在感がやや弱いように感じた。 デビューでこれだけ出来れば立派というしかないんだけど・・。 ストーリーも、はっきり言って全然面白くなかった。 ・・でも、製作者サイドの「タイにはこんなにスゲエ奴がいるんだぜ、見てくれよ。」という意気込みと、ムエタイに対する「誇り」みたいなものはしっかりと伝わってきた。 タイの映画事情は知らないが、街中であれだけのアクションやカーチェイスを撮れるなんて映画に力を入れ始めた証拠。 このパワーが洗練されてくればきっと凄い映画が出来てくると思う。 一時期のインド映画の勢いを感じた。6点(2004-12-14 02:20:47)(良:1票) 63. 容疑者(2002) 《ネタバレ》 荒れ果てた街の風景や人物描写が丁寧なのでリアリティーがあり自然にドラマに引き込まれました。デニーロも良かったが、ジェームズ・フランコのすねた演技は最高。これからが期待できそうな大型新人です。立ち直りかけたジーナが、ビンセントに頼れるとふんだ途端堰を切ったように去ってしまうシーンでは、切なくて胸が熱くなりました。抑えた演出でドラマ性を重視した、やりきれない切なさの残る良作だと思いました。7点(2004-10-26 14:36:29) 64. デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 この作品、「たとえ今日を生き延びたとしても明後日は生きられるかどうか分からない。」という超絶望的なシチュエーションをリアルでダイナミックな映像で活写しているわりには、そこから漂ってくる印象が何故かのん気で楽しげなのが頂けない。 クレージーキャッツの「スーダラ節」が聞こえてきました。 迫りくる大津波をキャーキャー言いながらかわし、図書館で、見たことも無いような豪華本を燃やしながらバーベキューのひとつもやりたくなってしまう。 -100度の冷気が街を一瞬で凍らせるあたりは、不届きにも「一度は見てみたい。」などと思ってしまった。 それもひとえにエメリッヒの警鐘の鳴らし方に問題があると見た。 頭の中にあるイメージの全てを映像化できる喜びが鐘の音に乗ってしまい、事の深刻さや恐怖感を画面にしみこませるのを忘れてしまった感じ。結果、凍りついた摩天楼の美しさばかりが印象に残ってしまった。 この映画をエアコンのガンガン効いた劇場で上映する矛盾など色々考え始めたらきりが無いが、今も南極の氷がどんどん溶け出している現実を踏まえた上でこのパニック映画を楽しむぶんにはまあ健全な娯楽といっていいとは思います。 個人的には電気をこまめに消すとかごみの分別をするとか細かいことをちまちまとしながら、手遅れにならないことを祈るしか出来ないんだけど。 んー現実の方がはるかに怖い、そのうち何とかなりゃしない、考えるだけでゾッとします。6点(2004-10-23 23:26:16)(良:1票) 65. CURE キュア 作品を覆うじわじわと絡み付いてくるような嫌悪感のある表現は確かに口の中が苦くなったが、犯人に誘導されて犯行に及んでしまう善良な人たちの描写がやや紋切り型なので、誘導される側に立った恐怖感は少なかった。ラストの展開も唐突過ぎて、これで何かを考えろというのは無理があるような気がした。萩原聖人はかなり役にハマッていたが、そのルーツが不明瞭なためか、輪郭しか見えてこなかった。まあそこが不気味といえば不気味なところなんだろうけど。うじきつよしを教授としてキャスティングした事も含めて、全体的にもう少し説得力がほしかった。6点(2004-10-18 23:20:11) 66. ミッドナイト・ラン 俺にはこの作品の良さがよく分からなかった。普通のロードムービーにデニーロが軽いノリで出てみました、くらいにしかとれなかったけど。二人の友情の芽生え方もセオリー通りだし、カーチェイスもアクションシーンも平凡。デニーロの過去にしても、とり合えず貼っときました程度のものだし。あっちからもこっちからも追われているシチュエーションを良く生かしきれていなかった感じ。追われる側にもっと緊迫感を持たせていれば、相手側の裏をかいたときの痛快さが際立って大きな笑いに繋がっていたんじゃないかなと思う。全体的な力の抜け加減がまったり観るには丁度いいかもしれないけど、どっから見ても普通の映画でした。6点(2004-10-12 02:41:04) 67. 紅の豚 まあこれはこれで宜しいんじゃないでしょうか。主人公を取り巻くおめでたいキャラクターや緩い展開も、これが宮崎節と言ってしまえばそれまでだし。監督なりに深い含蓄もこめていることと思いますが、「とにかく飛行艇を描きたいんだ俺は。」という熱い情熱は見事に画面に乗っていました。面白いか面白くないかは観る側のその時々のコンディションで変わりもしますが、描きたいものを描きたい様に描いた爽快感は充分伝わりました。それにしても自分を主人公に作品を作れるなんて、とても幸せなことですね、宮崎監督。6点(2004-10-10 00:25:32) 68. レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード ダメダメダメーッ。これってデスペラードでしょ、ロバート・ロドリゲスでしょ、だったらもっと脳ミソ痛くなるくらいバリバリ撃ちまくってくれなくちゃ。何なんだこのまったりした展開は。90分がかなり長く感じたぞ。デップがバンデラスはおろか、デフォーやロークともほとんど絡まないってどーなのよ。バンデラスも然りだし。適当に作ったとしか思えないよこれじゃ。・・って言うかデフォーとロークは何で出たわけ? ダメな続編の典型的な例だねこりゃ。2点(2004-10-09 01:15:35) 69. ドリームキャッチャー これは完全にパロディーですね。いったい何本の映画の要素が入っているのか見つけるゲームとして観ると結構楽しめます。でもその要素が重なり合って結びつき、オリジナルのパッチワークとしてラストに「おお」といわせられなかったところがいちばんの問題ですが。とは言え迷走するストーリーは行き止まりの多い迷路のようで、何処に連れて行かれるのかハラハラして楽しかったです。5点(2004-10-08 13:42:52) 70. 座頭市と用心棒 勝新、三船、若尾文子、岸田森の豪華オールスター夢の競演は充分楽しめました。勝新と三船のツーショットは流石、かなり締まっていた。岸田の登場シーンもかっこよかった。ストーリーはその4本柱のお膳立てで、その上に微妙絶妙な事情で盛り付けられたフグ、サメ、タイ、カニミソ丼で腹いっぱいになりました。他所では孤高の食材「フカヒレ」として持てはやされてきたサメは盛り合わせには不向きのようで、タイとくっつき合って生臭さが出てしまっていたが、盲目のフグのしびれで中和されて微妙なうまみに変わっていた。カニミソは意外と量が少なくてあっさりと食べきったが、今となっては幻の味、ありがたみはあった。・・・分かりづらいか。6点(2004-09-21 02:06:14) 71. 隠し砦の三悪人 群集シーンの迫力、機知に富んだ展開、キャラクターの普遍性、ロケーションのスケール感、人間臭さのにじみ出す役者の存在感、どれをとってもやはり一級品と言うしかないですね。46年たった今も娯楽映画の殿堂としての輝きは失われていません。今を生きる役者の誰をどこに当てはめてもここまでエネルギッシュな作品にはなり得ない、荒削りで勇ましいその時代の持つ圧倒的な「力」には感服させられます。隠し砦の奥からはオビ・ワンが、森の泉の奥からはヨーダが出てきそうでニヤリとして観ました。三船が三十郎として完成する一歩手前の作品。落ち着きの出てきたギラギラ感もまた良いです。9点(2004-09-17 17:31:39) 72. カリートの道 フィルムの上で冥府魔導に身をおいた者のさだめとして、ハッピーエンドでマイアミビーチで女房子供と戯れることなんて出来っこ無いのに、それを成し遂げようと執拗に絡んでくるしがらみをほどきながら出口を目指すカリートの姿が切なかった。冒頭のシーンは無くても作品として成立してるんじゃないか、むしろ無いほうが良かったんじゃないかとさえ思った。斬った貼ったのマフィア映画の定型の域は超えていない印象。でもパチーノとペンの演技で満腹にはなった。7点(2004-09-16 00:22:39) 73. アイス・エイジ 《ネタバレ》 まあ無難な子供向けアニメ。ラストで3頭仲良く歩いて行ってしまうわけだが、あそこはサーベルタイガーが「目的は果たされた。おれは行くが、二度と会わないことを祈るぜ。」ぐらいのセリフをはいてクールに去って行ったほうが作品が締ったんじゃないかなと思った。5点(2004-09-11 17:40:58) 74. 誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 妊婦をめぐるそれぞれの人間の思惑がにょきにょきと出てきたあたりはどーなっちゃうんだろーとハラハラもしたが、その後がよく煮詰まってなかった感じ、というかボロボロ。ジュリエットとヘタレ医師がめでたく逃げおおせたとしてもストーリーの落しどころとしては弱いし、ボスに存在感も神通力もないわりには周りの人間が軽く命を懸けてしまうという不思議。そもそもラストの銃撃戦で命懸けで戦ってた初老のおっちゃんたちはダレ? 帝王切開のシーンはアクセントか?アクセサリーか? 妊婦や赤ちゃんをバイオレンスアクション映画のメインアイテムとして使うのはやめろと言いたい。ハラハラさせたいのは分かるが質が違うだろ。ラストも定番ひねりなし。ジェームズ・カーンのみ無意味にラッキー。期待せずに観るべし。5点(2004-09-02 02:52:17)(良:1票) 75. 東京ゴッドファーザーズ ストーリー的には出口が一つのあみだくじの様な、予定調和を絵に描いた様な作品だけど、その「おはなしくささ」を差し引いても余りある魅力を感じる作品でした。豊かな表情や切れが良くてかつ重さを感じるキャラクター達の躍動感ある動きはアニメファンならずとも楽しめると思う。それぞれの人間達のごく私的な行動原理に引きずられて寒空の東京の街を右往左往させられる赤ちゃんが、物語を進めるための一つのアイテムとしてしか扱われていないのがやや思慮に欠けるところだが、次から次へとテンポよく起こるありえない偶然の数々や3人の秘められた過去に視点が移っていくのでそのうちあまり気にならなくなった。日本のアニメの質の高さを垣間見られるシーンがそこここにちりばめてあるので飽きずに見られるコメディーファンタジー。思い出し笑い系。7点(2004-08-25 16:34:48) 76. 茄子 アンダルシアの夏 ドラマをむりやり膨らまして長尺にするよりは描きたいものに焦点を絞って一気に駆け抜けた感じが、自転車レースという素材によくマッチして、さながら暑い夏に吹いた束の間の疾風のような清々しさであとに残った。 ゴール前のデッドヒートは予想外の迫力。 もはや選手同士の姑息なかけ引きなどは通用しない、あくまで人間同士のギリギリの「魂の勝負」が、見事なタッチで描かれていて驚きとともにのめり込んだ。 兄との関係の微妙なところもさらりと描かれている割には心に届いた。 絵的に細かく見れば宮崎作品には遠く及ばないが、作品に対する愛情がそれをカバーしている。 茄子も美味そうで食べたくなった。 今年の夏の暑さにぴったりの作品。 軽く観られます。 おすすめ。7点(2004-08-11 01:48:49) 77. 北斗の拳(1995) あまりのつまらなさに2日に分けて観たたが、昨日観た分すかり忘れててしまままた。ヒトの警告はスナ尾に聞くくべべべきだたた。 ピー error not found2点(2004-07-30 01:10:14)(笑:2票) 78. スチームボーイ STEAM BOY 《ネタバレ》 ネタバレ注意。長い時間と巨費を投じてせっせと技術を開発しスチーム城を造り、切り札のスチームボールを中心核にはめ込み大衆の面前で発表する。 これってこの作品自体が9年間かけてたどって来た道筋そのものなんじゃないか。 ・・そして鑑賞後の印象としては、この作品の行く末までも、技術偏重の象徴であるスチーム城の末路と同じ方向に向かっているような気がしてならなかった。 あのまま天高く飛び立っていれば別の道筋が開けていたかもしれないと考えるのは筋違いだが、宮崎駿とは対極にあって光を放つべき大友克洋が、何を血迷ったか宮崎ワールドにふらふらと歩み寄ってしまったかの内容・・。 一方の城は天高く飛び上がり、もう一方の城は地に落ちて崩壊する。 そこら辺が宮崎「ラピュタ」と大友「スチームボーイ」の作品としての運命の分かれ道を意外と暗示してたりして、などと外野から無責任に思ったりした。 6点(2004-07-26 02:28:32)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 79. スパイダーマン2 《ネタバレ》 ネタバレ注意。 核融合を仕切りも何も無い部屋でいきなり見せられるギャラリー達、いきなりあんな物を身体につけてしまう、話せばごくまともな博士、あれだけひどい目にあっても何事も無かったように、しゃきしゃき生活するおば様、あんな大変なことがあった直後に他人の事を心配出来ちゃう電車の客たち、暴走した核融合炉の処理の仕方、全く非の打ち所の無いフィアンセに、「ごめんなさい」の一言も無くあんなことしちゃうキルスティン、それをあっさりと受け入れちゃうトビー、etc・・・。 ストーリー部分すべてビミョーですね、つっ込む事も流すことも出来ずストレス溜まりました。 しかし、そんなことはどうでも良くなってしまうほどアクションシーンは圧巻です。 皆さんの言う通りこれは大スクリーンで見るべきですね。 これだけ凄い映像が見られるのならCGでも何でも大歓迎です。 完全に「スーパーマン」は過去の作品になってしまいました。 この調子でこちらもじきにリメイクされるでしょう、きっと。 観終わって劇場から出てビルの谷間を見たとき、腕が自然に上がって「ピシュッ・・・飛びてぇー」と素直に思える高揚感を感じることが出来ました。 躍動感がたまらなく「カッコイイ」今作は近年のヒーロー物の中では稀な、大成功の部類に入るんじゃないかと思いました。 ただ、こうなってくると映像のインフレ化に益々拍車がかかってきて、「去年の作品はもう古い」という事になって来そうです。 技術消費型エンターテイメント作品の悲しいさだめです。7点(2004-07-13 04:17:23)(良:2票) 80. がんばっていきまっしょい(1998) 疾走感や躍動感、ほとばしる汗、そして人物そのものにもっとカメラはキッチリと寄るべきで、引きの長回しでいい画が撮れたなどと悦に入ってるようでは瞬きする間に終わってしまう青春の息吹などは撮れはしないんじゃないか。 高校時代の体育祭の対抗競技などを思い出しても、もっと激しかったし、痛かったし、悔しかったし、嬉しかったぞ。 後半、彼女達の顔つきが少し変わったように見えたがまだ物足りない。 ストーリーがシンプルなんだから一人一人をキッチリ描く余裕はあったろうに・・。 過去を引きずるコーチの登場もどちらかといえばマイナスに働いた。 コーチは鬼コーチでいい。 イヤというほどしごかれて、試合が終わって抱き合って泣く。 そこに彼女らの喜怒哀楽と成長をしっかり絡めて描けばもっと心に残る作品になっていたと勝手に思う。 一見どこにでもあるようなストーリーでも人が変われば熱の形も変わる、そしてそれがオリジナリティーになる。 この作品にはそういった青春の、「うなされる様な熱」が足りなかったように思う。6点(2004-07-06 02:18:11)(良:4票)
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