みんなのシネマレビュー |
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61. 氷壁の女 《ネタバレ》 ガイドを含めた三人の男と女の関係の展開にしても、たっぷり導入している登山シーンにしても、たいした盛り上がりや派手さが無いのに、めちゃめちゃ見応えがあるんですよねー。ラストの一人が岩にあたって転落し、一人が戻ってくる。このシーンの見応え、女はどちらが戻ってくるのを本当に願ってたのか? でも確かに邦題は意味不明なんですけどね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-01 08:57:38)《改行有》 62. がんばれ!ベアーズ 《ネタバレ》 確か昔に観た筈なんやけど、所々懐かしいような感じもしたけど、おそらく今回初見です。やはり予想どおり大感動してしまった。とにかくアメリカ臭バシバシなんやけど、子供が人種差別とかシカトとかわがままとか全部子供らしくって、基本的に日本も同じやと思えました。そんでウォルター・マッソーもええし、テイタム・オニールなんか子供やけどセクシー、あのレオタードが一番いけてへんかったくらいで他全部サイコーやった。そやけどやっぱりMVPは悪ガキ、ケリー。あの髪型とグラサン、女の子を誘うコンサートがストーンズ(ここらの感覚と土壌は日本の子供は敵わん)チームワークとか描いてる映画やけど、集団の中で突出してる奴は絶対にこんなタイプだと見せ付けられる。補欠の子がフェンス際の大ファインプレーをした瞬間と同じくらい、ケリーが監督の指示に躊躇し始めたシーンが胸をうった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-27 00:42:19)《改行有》 63. 四十挺の拳銃 バーバラ・スタンウィック目当てで観た本作ですが、さすがに1930~40年代の眩いばかりの輝きが多少色褪せたとは言え、その凛とした姉御の魅力は健在で当時の年齢を考えると奇跡的な美しさですね。それにしても、このB級西部劇は冒頭シーンの迫力から、捻りを加えたガンファイトの緊張感、途中に挿入される歌もたっぷりと聴かせ、詩情豊かな味わいまで詰め込まれた作品で、ホント意外なめっけもんでした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-06-24 21:57:34)《改行有》 64. 悪魔のような女(1955) 終盤のスリリングな観せ方は、観る側に心臓の悪い嫁はんの身体を労わる心理をも巻き込んで容赦ないですね。マジで恐かったし、ラストもびっくりしました。これじゃ本当にお化け屋敷ですよ。シリアスでカビの生えそうなジメジメした要素がジンワリ染みてくる構成は素晴らしかったです。ただシモーヌ・シニョレの神取忍っぷりがちょっと強すぎて、"なんか、おっさんみたいな女やの~" って鑑賞中、何度も気になってしまいました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-06-24 21:56:22)《改行有》 65. テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 ヘンリー・フォンダが妻に託したその手とは?とにかく凄い緊張感の持続と駆け引き、鑑賞中に次の展開や結末が頭の中で次から次へと湧いては却下してみたり、退屈という言葉がひとかけらも無い面白さ。こんな女がいるのか・・・、僕もそりゃ、グッと来ましたよ。結婚式から逃げさせられた青年、ジェイソン・ロバーズが彼に語った言葉も良けりゃ、逃げ去った青年も正解。彼らに真実を知る必要も無い。世の中そうやって廻って、人は成長するのかなってことまで考えてしまいました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-23 19:43:42)《改行有》 66. 情婦 嘘の供述と騙し騙されることの同じようでいて微妙に違うニュアンスの綴れおり、私利私欲と愛情とお洒落な笑いのアンサンブル、チャールズ・ロー豚のデップリした名演とディートリッヒのオーラ、人生一度っきりのフルコース。 [DVD(字幕)] 9点(2007-06-23 19:42:02)《改行有》 67. 恋愛適齢期 《ネタバレ》 老眼鏡を始め主役二人の年齢を感じさせる小道具の使い方がうまいですね。終盤ダレルとか、もう30分削ったら傑作になったとか思うところもあるのですが、そんなことよりも、黒い石が一番上に置いてあるのを見て、ニコルソンの気持ちが昂るシーンを始め、繊細に丁寧に気持ちを確認していく過程が、すごく自然に描かれていて、年配の二人の恋愛を際立たせている中盤までの展開が凄く印象的ですね。 それにしても、どんなにだらしなかろうが、人間と言うより哺乳類に括られそうだろうが、このロマンチストのジャック・ニコルソンのカッコよさと言ったらどうでしょう! 僕はこんなオッサンになりたい。 [DVD(字幕)] 6点(2007-06-21 07:08:34)《改行有》 68. 黒いオルフェ 凄い熱気がムンムン。暑苦しい顔がギュウギュウ詰めで皆が汗かいてリズムとってサンバ!サンバ! この繰り返され続けるリズムと、小刻みにに揺れ続ける人々、これぞレッツ・グルーヴ! このムンムンギュウギュウの何という心地よさ。 古いドキュメンタリーのような画質もここでは効果的。そしてステップを踏む子供の カッコよさ、リズムを習ってんじゃない、リズムと同化しているようなホンマモンを感じる。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-16 22:11:25)《改行有》 69. 彼岸花 《ネタバレ》 冒頭から結婚披露宴での佐分利信の普通のスピーチと遠慮がちに起こる笑い声、もうこの時代のムードやテンポ、色彩と空気、そして人と会話、相槌、挨拶、空返事。どこをどう切り離して繋ぎ合わせても素晴らしすぎる、僕が追い求め、夢に描くシーンばかり。この極上のスープに詰まった味わいは、映画の出来さえも冷静に判断できないほど、自分にはたまらない妙味。娘が嫁いだ広島行きを、背中押されて決めたにも関わらず、"いや、まだはっきり決めた訳じゃないんだけどね" この台詞のおかしみ、"何笑ってんだ、何がおかしい?" はは、そりゃあ胸が熱くなるほどおかしいです。この台詞を言う側と聞く側が言葉の奥に互いが読み取る感情に、夫婦の年輪を感じる。 そういった味わいが随所に溢れでている、まさに気持ちさえ浄化されるほどの極上のスープです。 [DVD(字幕)] 10点(2007-06-11 06:35:59)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》 70. 麗しのサブリナ 《ネタバレ》 オードリー、綺麗すぎ!!サブリナパンツ+エプロンがキュート、しかも本作ではホンモノの歌声まで聴ける!そしてオードリーがいじらしい。これだけアイドルの素材を活かしながらもアイドル映画と感じさせないあたりは、さすがはワイルダー監督!(と言っても個人的には時にハナにつくワイルダーテイストですが、本作ではまさにゴキゲンな出来栄え) また素晴らしき名曲 "Isn't It Romantic" そして"La Vie En Rose" の使われ方もまさにロマンチック(この2曲のスタンダードは、まさにマイベスト中のベスト) 1950年代のハリウッド映画のええとこだけを凝縮したような映画で、ボガートもホールデンもええよな~!特にラストの船上のシーンは素晴らしく、こんなボギーを、もっと観たかったとつくづく思ってしまいました。[DVD(字幕)] 7点(2007-06-06 06:40:02)《改行有》 71. 居酒屋(1956) 《ネタバレ》 とことん阿呆な男どもと、とことん嫌な女どもに翻弄されて、とことん気持ちが滅入って来るほど救われない映画です。ただ、阿呆も、嫌な奴もそこらには居てるんでしょうけど、この屋根職人やったアル中の現夫クポーの行動がマジで最悪。行き場を無くした元夫、その胸に飛び込むしかなかった、あの日のジェルヴェーズ、ここは辛い、ここも確かに阿呆なんやけど、もうしゃーないやん、ここはもうしゃーないやん。おまけにそれで密かに心寄せる男が去っていくのもしゃーないやん(あー自分でもしつこ) 全て最悪のアル中現夫が引き金やん。さらにこの酒びたりのクポーの葛藤とか思いとか後悔とか全然描かれてへんからジェルヴェーズの不幸な運命に呆然と鑑賞を終えるしか手立てが無いねん。映画としては凄い迫力のある演出で、観応えあんねんけど、その分あまりに一方的すぎるところがある意味かなりもったいない。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-30 00:12:40)《改行有》 72. ウェールズの山 《ネタバレ》 なんかお相撲の新弟子検査で身長が足りない人が、頭にシリコン埋めて合格した話に似てるが、そこまで切実でも無いような、どうでもいい話のような気が・・・。英国人測量士の "山でも丘でもどちでもええやん、この素晴らしい景観は変わりまへんで" そうそうホンマにどっちでもええやん。 そやけど何なんやろ、この感動は?何で俺泣いてんねやろ?牧師さんは別に何回も山登らんでも充分カッコええよ、恐怖を克服したジョニーに、そないみんなで、そないみんなで拍手贈らんかてええよ。ホンマこの作品を観て、つくづく自分の涙腺というか感動のツボを改めて思い知りました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-27 10:23:38)《改行有》 73. ヘッドライト 《ネタバレ》 霧と暴風雨にさらされた果てし無きトラックの長距離輸送、度重なるエンジンの故障と睡魔との闘い、その哀愁を帯びた見事な映像。自分もトラックの運転席に座っているかのようあ錯覚に陥り、あの狭い空間での振動を感じて気持ちを共感せざるを得ない程に切なくなってくる。空しく切実なジャンの日々、そしてくたびれた妻と軽薄な娘と、傷ついた仔猫のような薄幸の女クロ、この三人の女の描き分け。安らぎを求めるジャン、しかし家畜を乗せた500kmの逃避行で、全く笑わず、傷つき憔悴しきったクロを乗せハンドルを握り、ただひたすらトラックを走らせるジャンの心情。容態が悪化したクロの為に停車した田舎道のあの映像、真っ暗で静かな景観にただ家畜の鳴き声だけが響く、このやるせなさ、このどうしようも無さが胸を打つ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-23 06:16:36)(良:2票) 《改行有》 74. 芝生は緑 豪華4大スター競演にも関わらず、あの執事くん(と何故かくん付けしてしまう)が一番印象に残ってしまった。確かに台詞はオシャレな感じでTVドラマ風なトコも嫌いじゃないんですが。何よりも折角のコメディ作品なのに、僕にとっての最高のキャラクター、ケイリー・グラントの魅力が全然活かされてなくて消化不良。あのカッコー時計の "ポッポー" に送る彼の視線を見よ!これですよ、これ!ニヤリとしたのは、そこだけですよ。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-05-20 09:12:11)《改行有》 75. アラビアのロレンス 《ネタバレ》 何人かの方が書かれていますが、蜃気楼のように浮かび上がり、徐々に姿を現すアリ登場シーンの素晴らしさに完璧に引き付けられた後、砂漠・戦場・人間の狂気、襲って来る何という無力感。史上最大級の娯楽を目の当たりにし、その厳しさに呆然となる。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-13 10:43:44)《改行有》 76. ベニスに死す 《ネタバレ》 ヤバイ映画やなー。ダーク・ボガード演じるアイシェンバッハが僕自身の中に投影されてしまった。もちろん僕は芸術家でも無いし、老いとか美とかの概念もピンと来ないのだけど、自分の感性の中で見つけ出した最上のものに心が動かされたとき、そしてそれが眩しすぎ、遠巻きに見つめるしか術が無いような状況のとき、客観的に見れば気持ち悪いほど滑稽に堕ちて行く自分に歯止めがきかない。そんな自分の中の伏せておきたい感情がムクムクと動き出すような完璧な映像と描写。息絶えたボガードが2人の男によって運ばれるラストシーンが、遠景で映される。それでも世界が回っていることを見せ付けられる。 [DVD(字幕)] 9点(2007-05-12 22:57:48)《改行有》 77. 旅情(1955) 《ネタバレ》 ベネチア綺麗やな~、行きたいな~、甘美な主題曲のメロディが酔わすな~、公開当時にこれを観た日本人はホンマに腰砕けになったやろうな~ってなコトまで考えてしまう程、美しい作品ですねー。キャサリン・ヘプバーンの名演はさすがに見事。微妙な女心の表現力、ぶっちゃけ暗がりのシーンに関しては真剣にカワイイです。それにしても、こんな愛の語らいを過酷と感じた自分は甘ちゃんなんだろうな。 "空腹なら食えるモンを食え" スコーンと突き抜けたこの台詞、明日会社で言ったら間違いなく訴えられるだろうな。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-23 00:12:24)《改行有》 78. 甘い生活 《ネタバレ》 馬鹿な大人のやるせなさ、何かストーリーあるの?って感じのよく分からない映画ではありますが、何故こんな長丁場をグイグイ引き付けるのか? とにかくオムニバスか?と思わせるほど、クールな映像(シーン)と音楽が完璧に並列だ。ある意味起伏の無い構成が現実的で余計に締めつけられるのだ。そして酒と女と婚約者、老いた父親と少女の瞳、爽やかな自然の光も時に眩しすぎて辛い。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-22 23:37:13)《改行有》 79. 道(1954) ・・・ただ、こんなにも、こんなにも、心に、沁みる、映画が、あるのか。[DVD(字幕)] 10点(2007-04-15 20:28:49) 80. 七年目の浮気 1950年代版アメリカのホームコメディっぽい雰囲気がいいですね。『逢びき』では切なく映画を濡らしたラフマニノフのピアノ協奏曲第二番が、この映画のお陰で台無しになっているのが楽しい。 そしてモンローが良いも悪いも、そのイメージを決定的にしたかのような印象があり、この映画の全てのシーンに、そこにモンローがいる!という輝きがあり眩いくらいです。しかし、どうしてもテンポの悪さが響いてダレてしまうのでワイルダー監督作の中でも傑作の部類には入らないでしょうけど。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-08 21:30:05)《改行有》
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