みんなのシネマレビュー |
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781. 帰らざる夜明け ひげのドロンって似合わないし、黙々と働くドロンにもびっくり。だけどひげを剃ったあたりからやっぱり本来のドロンになる。ストーリーは極めてシンプル、ラストもほぼ予想通り。それなのに非常に印象深いのは、あの哀愁に満ちた美しいテーマ音楽のせいだろうか。冒頭の田舎の自然も大変美しいし・・・。原題は「未亡人クーデルク」だが、帰らざる夜明けとしたところにロマンを感じる。そうそう、あの孵卵器も火に包まれていたっけ。[映画館(字幕)] 6点(2013-03-10 06:37:28) 782. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 何度繰り返し見ても理解に苦しむ場面や、そこまでやるのかと思わせる場面もあるが、よくできた映画だと思う。死刑制度や冤罪を問う社会派ドラマでもあるし、綿密に仕組まれたサスペンスでもある。何と言っても脚本がすばらしいし、敬遠されがちな政治的イメージもうまく映画にしていると思う。緊迫感があって最後まで目が離せないし、繰り返し見れば、細かな伏線も感じることができる。さらに言えば、カウボーイ風の男が登場するたびに流れるオペラのアリアも、最初はかすかに流れ、それが繰り返されるたびに明確な旋律となり、最後は舞台の場面となって出てくる演出もすごい。オペラはプッチーニの遺作となった「トゥーランドット」歌われるアリアは自己犠牲の象徴とも言うべきだろう。興味ある方はオペラ「トゥーランドット」について調べてみられるのが良いだろう。この映画と重ねて見れば、感動も倍になるかもしれない。[DVD(字幕)] 9点(2013-03-09 09:54:16) 783. タイムマシン(2002) 前半は非常に良く、昔見た1960年の「タイムマシン」以上かと思ったのだけど、モーロックが出てきたあたりからつまらなった。その上、ストーリーもなんだかよくわからなくなってしまった。[DVD(字幕)] 3点(2013-03-08 11:41:31) 784. タイム・マシン/80万年後の世界へ ジュール・ヴェルヌとともにSF小説の先駆者として知られるH・G・ウェルズの原作小説に基づく映画。少年の頃はこれらの小説を良く読んだものだ。今となっては物足りない面も多々あるが、19世紀の原作に20世紀に起きた戦争や核の脅威を付け加え、私たちに警告を発している。そして戦争のない理想社会ユートピアとはなど、ウェルズの思想も伺える。ところでこのページにはフェイ・ダナウェイ出演とあるが、彼女の映画初出演は1967年だったと思うのだが・・・[映画館(字幕)] 6点(2013-03-08 08:03:02) 785. 痴人の愛(1967) 「氷点」のけなげな陽子がナオミという妖女に変身、その違いの大きさに戸惑う。しかしそれよりも大きかったのは、谷崎文学が増村映画になってしまったこと。大正の文学を昭和の映像にするとこうなるのかもしれないが、浪漫がエロティシズムになってしまった。これはこれでよいのだろうが、好き嫌いの問題なのかも・・・。譲治が磨いた女性像も浴室での肌の磨きになってしまった。[映画館(邦画)] 4点(2013-03-07 20:58:12) 786. 痴人の愛(1949) 「パパ、スクーター買ってよ」で始まったときは先が見えているようで、それだけの映画かと思ってたけど、最後はなかなか良かった。お互いが悪かったところを省みて幸せになってくれればと願う。それにしても終盤の佐藤春夫の詩「秋刀魚の歌」は意味深長だ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-03-06 21:29:46) 787. 四銃士 前半の竹馬や氷上での決闘シーンなどは笑えたのだが、途中から斬り合い、撃ち合い、殺し合いが多くなり、だんだん嫌になってくる。もっと小説に基づいた物語を期待したのだが・・・。[DVD(字幕)] 3点(2013-03-06 14:43:47) 788. 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 現代感覚の「三銃士」だ。ここまで作り替える必要があったかどうかは別問題として、物語が随分安直で軽薄になっている。派手なアクションと大がかりの装置があれば映画は楽しめるものというわけではない。原作の「みんなは一人のために。一人はみんなののために」を持ち出してみたところで、映画ではまったく違和感に覚える。[DVD(字幕)] 2点(2013-03-05 21:09:08) 789. 結婚案内ミステリー 原作本は結構おもしろかった記憶があるが、映画はいまいち。ストーリー的にはちょっと破綻しているような気が・・・。主演の渡辺典子は好きだし、若い渡辺謙も出演。得意のトランペットも披露。[映画館(邦画)] 5点(2013-03-04 22:11:10) 790. 夜叉ヶ池 泉鏡花の幻想的な世界と、女形坂東玉三郎の美しさで当時結構話題になった映画であり、大変印象深い。特に玉三郎は、鐘楼守の妻百合と夜叉ヶ池の主白雪姫の二役を使い分け、見事と言う他はなく、この人を得て「夜叉ヶ池」は撮影可能になったと言われたほどだ。ただこの映画は著作権の関係か、ビデオ・DVD化されておらず、若い人に見ていただけないのが非常に残念である。[映画館(邦画)] 7点(2013-03-04 19:36:47) 791. 三銃士(1948) 何とも身軽なダルタニアン、それもそのはず、演ずるはダンスの名手ジーン・ケリーときている。戦闘シーンはすごく派手で、見事な剣裁きだ。ところがどっこい、後年の映画の三銃士より物語は長く、四銃士の部分まで続いている。そのため細部が省かれ、ストーリーが幾分わかりにくくなっているのが残念。[DVD(字幕)] 6点(2013-03-04 18:08:56) 792. 恋はデジャ・ブ この映画で原題にもなっている「グラウンドホッグデー」を初めて知った。元々は街の小さなイベントだったが、マスコミ報道等によって年々さかんになっていったらしい。もちろんこの映画も大いにその役を買ったに違いにない。映画はその日2月2日が毎日繰り返される訳だが、その繰り返しをどう使うか、どう考えるかであろう。主人公フィルは初めは自分のためだけに好き勝手に使ってたのだが、徐々に変化していく。その過程が何ともおもしろい。ただピアノが上手に弾けるようになったり、見事な氷の彫刻のできばえはできすぎかも。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-03 11:00:03) 793. 男はつらいよ 寅次郎と殿様 そうか、あのオープニングの黒頭巾は鞍馬天狗だったのかと嵐寛寿郎が登場して気づく。寅さんの鞍馬天狗は、子どもの頃見た鞍馬天狗とは似てもにつかないがご愛敬。さて映画の方は真野さんがマドンナ、殿様の手紙がなければロマンスだったのかと気づかないほど今回は淡泊。それはそれで良しとしよう。[DVD(邦画)] 6点(2013-03-02 06:13:50) 794. 恋人までの距離(ディスタンス) 風景も音楽も雰囲気も良いが、途中のおしゃべりを聞くのはきつかった。こういう恋人同士のおしゃべりは当人たちが楽しむもので、端で聞いていて楽しいというものじゃないしと思って見ていた。そして最後まで見ることができたのは、どこでどういう別れ方をするのだろうという興味のみ。余韻のある終わり方は良かったけど、再会を約束してもきっと守られないと思う。お芝居も必ず行くからと言って行かなかったのだから・・・。 点数は私の年齢と性格的に合わなかったというだけで、映画が悪いというわけではない。(ここまで最初のレビュー) ビフォア・サンセットを見た後、もう一度見直してみる。会話劇に慣れたこともあり、作品の雰囲気ゆロマンティックな面がさらにプラスした。[DVD(字幕)] 7点(2013-03-01 20:47:21)(良:1票) 795. 三銃士(1973) 豪華キャストなのにドタバタしすぎて軽薄に思える。コメディなのだろうが、笑えない。[映画館(字幕)] 4点(2013-03-01 15:53:37) 796. 三銃士(1993) 少年頃読んだ原作や昔見た三銃士の映画とは随分趣が異なる。複雑な人物関係やストーリーを単純化(作り替え)し、善者(王と王妃側)と悪者(枢機卿側)をはっきり分けているので非常にわかりやすい。そしてまたコミカルな要素もふんだんでおもしろくさせている。貢献者はティム・カリーのリシュリュー枢機卿か。ただド・ウィンター夫人があっさり死んでしまうのがちょっと惜しいけど・・・。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-28 22:28:09) 797. 男はつらいよ 寅次郎純情詩集 前半は嫌な展開ですっきりしなかった。どうも今まで見た寅さんらしくない。京マチ子さん登場あたりから活力を取り戻したけど、これまでのドタバタ感がなくなってぐっと湿っぽい。このあたりの雰囲気が寅さんファンでも意見が分かれるところかもしれないが、私はこういう寅さんもあっていいと思った。終盤は結構感動的だと思う。話はそれるが、今までちょい役で出ていた谷よしのさんがはっきりと見て取れた。[DVD(邦画)] 7点(2013-02-28 06:35:50) 798. 喜劇 男は愛嬌 前作「喜劇 女は度胸」よりおもしろいが、ダンプが家に飛び込むなど乱暴なところが好きでない。割れ鍋に綴じ蓋ということだろうが、結末も・・・。「乙姫様のへその下」は僕らも歌ったけど、「もしもし亀よ」は毛が生えたではなく、いい気持ちと歌った。どうでもいいことなのだが。[DVD(邦画)] 6点(2013-02-27 05:43:47) 799. 喜劇 女は度胸 《ネタバレ》 女は度胸というから、その女性は倍賞美津子か沖山秀子かと思っていたら、何と何と一番度胸のある女性は清川虹子だった。花沢徳衛の泰三、渥美清の勉吉、河原崎建三の学の三人がいかに騒ごうが暴れようが、一言もしゃべらず平然と素知らぬ風。このまま終わるのかと思いきや・・・。ストーリーはあまり好きではなかったが、この清川さんがぐっと締めてくれた。[DVD(邦画)] 6点(2013-02-26 19:51:50) 800. 馬喰一代(1951) 馬喰とは馬の売買をする人という意味らしいが、ただ売り買いをするだけではない。馬とともに暮らし馬を育て、立派な馬として世に送り出すわけだ。三船俊郎はこの乱暴者の馬喰がとてもよく似合っているし、想いを寄せる京マチ子も子役の少年も良い。だがストーリーは・・・。相撲や競馬のシーンを見てるとどうも安っぽい。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-02-25 20:58:57)
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