みんなのシネマレビュー |
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801. ロスト・イン・ラ・マンチャ 映画という一つのものにとらわれずに、何かを作り出すときのその困難さを垣間見た気がする。別にこの「ドン・キホーテを殺した男」にかかわらず、すべての映画やその他芸術作品が、このような不慮の事故、運命の悪戯と隣り合わせであるという事、そして、その中で完成されたものは、出来栄え以前にやはり一つの作品として賞賛されるべきものなんだという考えがよぎった。これを見てしまっては、ただその作品をつまらない、駄作と切り捨てるのが、非常に惜しまれる事になるだろう。7点(2004-06-16 21:39:08) 802. ナイトウォッチ(1997) 《ネタバレ》 オリジナルの方(モルグ/死体消失)も、ホラー慣れした人にはそれほど衝撃を受けるようなものでもなかったんで、それのリメイクであるこの作品が普通の作品になってしまっているのも半ば仕方の無い事。まあ、オリジナルに物凄く忠実ってのは評価できるが、あまりにも忠実すぎってか全く同じ展開(細部まで殆ど同じ…)なのは、既にオリジナルを見てるものにとっては物凄くかったるい。同じ監督のセルフ・リメイクなんだから仕方ないといえば仕方ないのかも知れないが、せめてリメイクなりの味付けを加えるとか、そう云うことをして欲しかった。そして、オリジナルにあった“イカしてるラスト”、あれをすっぱ切ったのが一番の痛手…5点(2004-06-15 03:30:41) 803. フライトナイト 《ネタバレ》 あのなんともイイ味を出してるビデオジャケットに魅了されて見たクチです。あのジャケットからもう少し大人しめの、それでもきっちり怖い吸血鬼映画だと思っていたのが、いざ蓋を開けてみるとこれが随分とノリのいい事。あの「狼→吸血鬼→人間」の変身を筆頭に後半は結構グロいシーンの連続、それでもB級特有の味がある映像が映画をいっそう面白くしてる。やっぱりホラーは金をかけちゃいかん、そしてB級のこの味がある“いかがわしさ”があってこそホラーである。7点(2004-06-14 04:35:11) 804. 赤ずきんの森(2000) この映画、本当に惜しい。森の奥にひっそりと佇む古城、薄暗い城内、陰りのある主人と使用人、不気味な森とそこに潜む連続レイプ犯の存在など、これだけで充分に恐怖を煽る映像であるし、近年のホラーのようにうるさい効果音やBGMを廃し、誰かに覗き見られているようなカメラアングルなど、本当によく出来ている。しかし、これがオカルトホラーだとしたら良いのだが、そうではなくてこれはサスペンス・ホラー。これだけではどうにもスリルが感じられないし、何よりも、この手のサスペンスに重要な“狂気”が全く感じられない。映像、音響は合格点だが、脚本が弱いので、非常に惜しい映画になってしまっている。個人的には、赤ずきんちゃんではなく、魔女狩りの伝説や悪魔伝説など、オカルト的な要素を加えてくれた方が面白くなると思うのだが…5点(2004-06-14 04:24:16) 805. アクシデンタル・スパイ 《ネタバレ》 ジャッキー映画に共通する事は、ストーリーだけ見ると正に“有って無いようなもの”という事、そしてアクションシーンは怒涛の体当たり演技連発という感じである。で、今回だけど、冒頭の強盗退治、銃撃戦(ジャッキーは銃を使わないが…)、そして「スピード」のようなタンクローリー暴走など、確かに凄いシーンの連続で、なかなか面白い。しかし、しかしだ、ここで忘れてはならない事は、彼はただのアクションスターではなく“カンフー”アクションスターという事である。その点から考えるに、「酔拳」のような、武闘家との一対一の対決が一切でてこないという事が非常に痛いというかある意味致命的。ストーリーについてはそれほど期待してない(と、言うとある種の偏見に聞こえてしまいそうだが、要はストーリーでなくファイトシーンで見せてくれという事)が、アクションシーンがこれでは本当につらい。最近のジャッキーは本当にこういう感じになってしまってるので、やはり以前の熱き闘いをまた見せてもらいたいものである。5点(2004-06-14 04:16:26) 806. ファンド・アンド・リス(ファンドとリス) 知ってる人は知っている、知らない人は全く知らないカルトの鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の幻の長編映画デビュー作。最初は普通の作品を撮っていたのかと思いきや、冒頭からいきなり花を食う女が出てくるなど、相変わらずのシュールすぎる映像が、後の作品の片鱗を見せている。とにかく、基本設定は男女のカップルが幻の楽園を探しにいくというものだが、それ以上にシュール過ぎて、ボンクラの僕には全く映像の意図が読めてきません。いや、そもそもホドロフスキー監督の映像をすべて理解できる人って居るんだろうか…?5点(2004-06-13 15:11:41) 807. 交渉人(1998) ただの切れ者の犯人ならそうでなかったかもしれないけど、腕利きの交渉人が篭城犯になるっていう設定が凄く面白く、交渉人対交渉人の手に汗握る心理戦、自分をはめた犯人を見つけるというサスペンス要素が上手く絡み合って2時間以上全く退屈しないものだった。7点(2004-06-13 15:04:10)(良:1票) 808. 男はつらいよ 寅次郎紅の花 日本人にとって、もう寅さんってのはただの映画の主人公じゃないですよね。ここまでシリーズが進んで、それでも最初から付いてきてくれる人が居て…ヤクザな兄貴でも、普通の道を歩もうとしない人間でも、それだからこそ人の心というものを理解し、また捕らえる…監督も渥美さんも、これが最後になるかもしれないという覚悟からか、一つ一つの演技が凄く印象深いし、また、ストーリー展開も、いつもとは少し違うけど、それが功を奏したのか、引っかかるものがなくすっきりとしていて、やはりこれが最後なんだな、ということを思い起こさせる。30年以上我々を笑わせてくれた寅さんに、心から冥福をお祈りします。7点(2004-06-13 14:59:12) 809. 暗殺者 なんだろう、この脈略のないアクションは…スタローン、バンデラス、ムーア…なんか中途半端だなぁ。やっぱり印象に残るものがない…いや、ある!ムーアが飼ってた猫の「パール」だ!!あの猫は可愛い!しかし…もしかしたら「スペシャリスト」と同じ猫?可愛いから別に良いけど…。5点(2004-06-12 18:03:38)(笑:1票) 810. G.I.ジェーン 今までの軍隊モノと違って女性がしごかれるってところが新しいですけど、それだけって感じですね。差別や偏見にも屈せずに男と同等の訓練を受けるデミは凄いんですけど、激しい野次が飛ぶ訓練シーンは先に「フルメタル・ジャケット」を見ているせいかどこかピンと来ないし、後半の展開も少しありきたりな気がする。まあ、それなりには面白かったけど、間違いなく筋肉質でスキン・ヘッドが似合う女性はデミ・ムーアではなくシガニー・ウィーバーだって言うことをつくづく思ってしまった(笑)5点(2004-06-10 23:40:49) 811. ローラーボール(1975) 犯罪も戦争もなくなった時代。そこで人々の闘争本能をかき立ててくれるものは、ローラーボールという殺人ゲーム。そのゲームのチャンピオンであり、世界を動かすほどの地位を得た一人の男に恐れおののいた上層部は、彼を消そうと暗殺チームを送り込む…近未来SFの王道を行く展開ですが、文字通り体と体のぶつかり合いなローラーボールの試合などはなかなか見ごたえがありましたし、個人的には最新式の機械などよりも、この映画のようなレトロな機械の方がSFって感じがしました。しかしいつも思うんですが、この頃のSFって今と違って結構暗い世界の話が心なしか多いですね。6点(2004-06-10 19:17:33) 812. ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 これは今までに類を見ないミュージカル。あえてカメラを固定せず、手持ちでしかもセピア色で描き出される映像はまるでドキュメンタリー映像を見せられているような気分になる。ミュージカル部分はそれとは対象に色が付き、導入部分が楽器ではなくプレス機の音や列車の通る音が徐々にリズムを刻み、それから様々な人々が歌い踊るというこれまた幻想的な映像である。あの裁判で、セルマは秘密を打ち明けて、真実を語っていれば、刑は減刑されたかもしれない。しかし、例えそうだとしても、“移民”である彼女には不利な立場であった事に変わりはない。信じた隣人に裏切られ、全てを失い、そして犯罪者の汚名を着せられる…なんと過酷な事だろうか。そかし、そこまでして彼女は息子の目を治すため、自らを犠牲にした。これは確かに後味が悪い。いや、それどころか冒頭からして暗い。しかし、それだけで切り捨てるには、あまりにも勿体無い映画だ。8点(2004-06-10 19:03:29) 813. ユー・ガット・メール メールで恋愛、まあ悪くないんじゃないでしょうか。完全に恋するのは危ないですけど、それを土台に積み上げていくのも一つの方法としてはアリだと思います。で、話を映画に戻しますが、メールでは友人同士で現実にはライバル同士、この設定はなかなか良いと思うのですが、それにしても後半の拗れ云々の盛り上がりが少し物足りないと思います。それにあのラストも少しあっさりしすぎ。出来ればもう少し盛り上げるか、一騒動起こして終りにして欲しかったです。6点(2004-06-10 18:52:02) 814. ピースメーカー 《ネタバレ》 大体この手の映画の王道をいくストーリーですが、そこそこは面白かったです。冒頭から結構臨場感があり、中盤の犯人との攻防戦などもなかなか見ごたえがあります。ただ、終盤があまりにもありきたりすぎるのが少しネック。それにテロリストもいつもいつも「俺の祖国は…」とか「俺の家族は…」とかって云う理由ばっかりなので、少し捻りが欲しいモンです。でもまあ、「アトミック・トレイン」のようなありえない終り方よりはまだマシな方ですね。5点(2004-06-10 18:38:55) 815. ビートルジュース そうだよなぁ、幽霊退治の人間(ゴースト・バスター)がいるなら人間退治の幽霊(ヒューマン・バスター)がいてもおかしくないよなぁ。第一、生きてる俺らからしてみれば、せっかく買った新居に幽霊がいるって判ったら、確かに追っ払いたくなるけど、長年そこに住み着いてる幽霊からしてみれば「貴様ら!人ん家で何しとんじゃボケィ!!」っていうふうにもなるよなぁ。これみた後、「悪魔の棲む家」とか「ヘルハウス」が、またちょっと違う風に見えてくるなぁ…そんなの俺だけ!?6点(2004-06-07 18:56:27) 816. ボイス なんか展開は昼メロやよくあるサスペンスみたいにちょっとドロッドロなんですが、それにリングや呪怨とかの要素をそこはかとなく挿入したような作品ですね。これはもう怖い怖くない以前の問題です。第一、近年のホラー(と銘打ってるもの)はその殆どが音響とかで驚かしてたりするものだし、この手の映画を何本も見てると大体「お!この辺でそろそろ来るな?…ほら来た。もうばれてんだよ」て言う風に判るんですよ。いい加減そう云う作品はやめて欲しいです。4点(2004-06-07 18:50:06) 817. コン・エアー 一見冴えない普通のオッサンに見えて実は結構(かなり)やってくれるニコラス・ケイジ、やけに悪役がしっくり来るジョン・マルコヴィッチ、本当に病気なんじゃねぇかと思うほど(ある意味)イっちゃってるスティーヴ・ブシェーミ。とにかくこの3人の存在感が凄い。囚人護送飛行機版ダイハードな展開は、それぞれのアクションは今となっては今更ながらそれでもなかなか見ごたえがあり、最後まで飽きない。しかし、ここで気付いた事が一つ。俺…前にもこれ、見たことある…。6点(2004-06-07 18:41:10)(良:1票) 818. スペース・カウボーイ 《ネタバレ》 宇宙に行く夢は、40年前に消えちまった~。今じゃ体はガタガタ、目は霞んで、おまけに顔は皺だらけ…いつ死んでもおかしかねぇ、いっそこのまま隠居して、可愛い孫の顔でもみてぇなぁ…戯けぃ!それがどーした?男だったら最後まであきらめるんじゃあねぇ!男なんてぇモンはなぁ、幾つになっても、夢を追い求めるバカな生き物なんだよぉ!!このまま宇宙で野たれ死んだって、夢をかなえて死ねるんなら本望じゃねぇか!!どうせこの先みじけぇんだ、いっそのこと、でかい事やってやろうじゃぁねぇか!!See you space cowboys!!7点(2004-06-05 00:07:08) 819. ミュージック・オブ・ハート 《ネタバレ》 臨時講師が音楽の授業を通して学校(クラス)を救うって、物凄く『天使にラヴ・ソングを2』な展開ですがこれはあくまで実話。天使~よりもノリ的には少し上品になっているため、面白くないという意見も当然出るとは思いますが、あちらは笑いと様々なジャンルの音楽でで音楽の楽しさを教えてくれたのに対し、こちらはヴァイオリンで、しかもバッハなどのクラシック・ミュージックで音楽の素晴らしさを教えてくれる正統派ではないかと思います。まあ、その前に正統派も何もない気がするんですが…。しかし主人公の先生は決して善意でやってるのではなく、ただ自分と子供を養うために音楽を教えるという、必要以上に美化されていない設定が決め手だと思います。ラストのカーネギー・ホールでのコンサートは本当に素晴らしいですし、かつての教え子たちや有名な演奏家たちがクラスの危機を救うために参加してくれるといった、まるで『陽のあたる教室』のような展開や人間ドラマも見逃せません。改めて、音楽はここまで人の心を動かせるものなんだなと認識させられました。8点(2004-06-03 19:03:03)(良:1票) 820. 羊たちの沈没 …そのまま沈んでって下さい…。3点(2004-06-01 02:51:37)(笑:2票)
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