みんなのシネマレビュー |
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801. ナポレオンの愛人 イタリアで話題になったエルネスト・フェレーロの小説「N」の映画化、もちろんNとはナポレオンのことであろう。エルバ島に追放されてからのナポレオンだから英雄とはほど遠い。それでも皮肉っぽくコミカルに描かれるのはちとおもしろいのだが、ストーリーはいまいち理解しにくい。それよりも驚くのは映画音楽、テーマ曲も良いがベートーヴェンの第3・第7・第9の交響曲を挿入するなどクラシック感満載。モニカ・ベルッチは看板ほど出番は多くないが胸は相変わらず大きい。[DVD(字幕)] 6点(2013-02-24 22:59:27) 802. クライマーズ・ハイ(2008) ベストセラー小説の映画化だけあっておもしろく手に汗握るような展開だが、原作やTVドラマ版と比べてどうだろうか。原作未読の私にとっては、先に見たTV版はまるで原作を読んでいるかように手に取るようにわかったし、リアリズムがあり感情面も十分に表現していた。ところがこの映画版は、どうしてなぜという部分がいくつもあり、ストーリーとしてよくつながってこない。第一にタイトルの「クライマーズ・ハイ」の意味すら不明だ。そして最大の問題点は20年後の登山シーンと飛行機事故にまつわる新聞の格闘劇を平行的に進めたこと、これがどう意味するかなどだろう。このような疑問を持たれた方にはTV版DVDを是非ともお勧めする。しかし、登山シーンと雄大な眺めはすばらしく、地元新聞の意気込みも強く感じられので、これはこれで良い映画だと思う。ついでながら、大久保・連赤ということばが出てくるが、大久保とは連続殺人犯大久保清の事件、連赤はいうまでもなく連合赤軍リンチ事件いずれも群馬県で起きた。[DVD(邦画)] 7点(2013-02-24 10:03:28) 803. マルサの女2 大物が10億の金の1億を懐にして9人の子分に1億ずつ渡す。子分は1億の金の1000万を懐にして、そのまた9人の子分に1000万ずつ渡して、さらにまたその子分が・・・という悪の組織。宗教法人の隠れ蓑を着た地上げ屋、またその地上げ屋を操る悪徳政治家というように、マルサの活躍よりも悪の組織が前面に出た映画だ。だからスケール自体は大きいのだが、終盤がいまいち歯切れが悪い。[DVD(邦画)] 6点(2013-02-23 17:29:45) 804. ミスト すごく後味が悪い映画だ。人間が極限状態になると何をしでかすかわからないということはよくわかるのだが・・・。評価できる映画だとは思うが好きではない。[DVD(字幕)] 4点(2013-02-22 23:07:36) 805. 霧子のタンゴ 「霧子のタンゴ」は当時低音の魅力で名をはせたフランク永井の大ヒット曲。映画はもちろんこの曲を主題歌として作られたわけだが、原作は別にちゃんとあって主人公の名も霧子というわけではない。でも当時はそういうことは何も知らず見たのだが、何と何と主人公待井千代役の松原智恵子のきれいなことにびっくり。それまでは吉永小百合のファンだった私が一変に・・・、という思い出深い映画。三角関係のつらさを痛烈に味わう。ところでフランク永井は役者として名を連ねていたが、クラブで歌っただけ、なあんだとその方はがっかり。[映画館(邦画)] 7点(2013-02-21 20:35:16) 806. 有りがたうさん 「ありがとう」「ありがとう」「ありがとうさん」たくさんのありがとうが飛び交う心地よい映画だ。台詞もBGM音楽も、バスも乗っている人も歩いている人も、のんびりのどかですばらしい。感謝する心など現代の私たちが忘れてしまったものがそこにある。だがよくよく見てみると、売られていく娘や在日朝鮮人の人たちなど、時代を反映する悲しい面もある。「道路は造るがその造った道を歩いたことがない」ということばにどきっとした。[地上波(邦画)] 8点(2013-02-21 14:53:37) 807. 刑事コロンボ/死の方程式<TVM> 子どものような軽い性格と博士号をいくつも取った天才的頭脳のアンバランスがおもしろい。このロジャーを演じたロディ・マクドウォールの怪演が光る。だが、犯罪の方は天才的頭脳より子どもじみた性格の方が出てしまっていささかお粗末。原題の"Short Fuse"は短気とか,かんしゃくという意味だが、ラストのロープウェイシーンはまさに言えてる。[地上波(吹替)] 5点(2013-02-21 06:54:51) 808. なつかしい風来坊 「男純情の~♪」灰田勝彦が歌っていた「燦(きら)めく星座」なつかしい! その歌がぴったり?するような映画。ハナ肇をメインにした山田監督の映画はどれも好きだし、この映画は特に私のお気に入りだ。コメディとしては控えめだが、それでも愛ちゃんが笑ったときは私も笑ったし、ラストシーンは遥かなる山の呼び声とまではいかなくても感動的。そしてお役所つとめの切なさを漂わせる有島一郎のつつがむし演技はまさに絶品。[映画館(邦画)] 8点(2013-02-19 23:20:30) 809. 香港クレージー作戦 無責任男の異名を持つ植木等だが、この映画では結構真面目。小料理屋、とんかつ屋、ホルモン焼屋のクレージーのメンバーに一肌脱ぐ映画だ。香港の有力者を笑わせようとするコントはおもしろくないし品がないと思うが、中尾ミエの歌は良い。そういえば浜美枝も、漢字とカタカナの違いはあれど同じ名前か。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-18 23:43:14) 810. チャイコフスキー 《ネタバレ》 ピアノの詩人ショパンがジョルジュ・サンドなしで語ることできないように、チャイコフスキーはフォン・メック夫人なしで語ることはできない。彼が経済的困窮に見舞われなかったのはひとえにメック夫人の援助の賜であり、彼女は夫の有り余る遺産をチャイコフスキーの音楽に注ぎ込んだのであった。映画はやはりこの二人を軸として流れていくが、直接会ったことは一度もなくそのすべてが文通であったことに驚く。だが13年も続いた関係がなぜ打ち切られたかは定かではなく、映画でも二人の行き違いとして扱われている。それにしても交響曲第4番の堂々たるオープニングから、さまざまの彼の作品を綴りながら、終焉となった第6番の悲愴交響曲まで、音楽はすばらしい。[映画館(字幕)] 7点(2013-02-17 22:54:30) 811. ゴスフォード・パーク 殺人事件が起きて犯人捜しをしても、誰の得にもならないというところがいかにもアガサ・クリスティ風。製作陣は彼女の映画化されていない作品を探したのだそうだが・・・。登場人物が非常に多いので、整理してから見ないと誰が誰だかわからなくなるほど、最初私も随分面食らった。主人と従者、使用人など裏側から見るとかなりおもしろいし、当時の貴族社会がよく描かれていると思う。ドロシー役の女優はエマ・トンプソンの妹だとはびっくり。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-17 11:20:11)《改行有》 812. いいかげん馬鹿 「馬鹿まるだし」に続いて本作を見たが、こっちの方がずっと山田洋次らしい人情喜劇で断然好き。クレージーキャッツと言えば、当時は無責任男の植木等ばかりが目立っていたけれど、ハナ肇の人情味のある男っぷり(馬鹿さ加減)に感服。岩下志摩はほれぼれするような美しさだし、子役の弓子と安吉もほほえましかった。うさぎ追いしの「故郷」の歌も室生犀星の「ふるさとは遠きにありて」の詩も心に残った。[映画館(邦画)] 9点(2013-02-16 12:57:48)(良:1票) 813. 馬鹿まるだし 「無法松の一生」も好きだけどこっちの映画も好き。桑野みゆきのご新造さんが安五郎の身を案じて「本当は強くないのよ。運が良かっただけ」と言ってを止めようとするときほろっと来てしまった。無法松の松五郎よりも馬鹿さ加減が目につくけど、人間くさくて良い。[映画館(邦画)] 7点(2013-02-15 21:41:55) 814. 女咲かせます 《ネタバレ》 松坂慶子が何と泥棒で、足を洗う前の大勝負という映画なのだが、犯罪映画というよりはコメディ色が強い。出身が長崎の高島という昔の炭坑の島、これがどう絡んでくるのかと思ったら、トンネルを掘ってエレベーターを操作するのだ。昔取った杵柄というのがおもしろい。[映画館(邦画)] 6点(2013-02-15 17:26:11) 815. ストーリー・オブ・ラブ 途中の夫婦げんかは勝手にどうぞという感じだし、映画の終わりもえっこれがラストなのという感じ。結婚生活を振り返るならばもっと深いものがあるはずだし、うすっぺらで心に響くものがない。結論は時間を無駄にしたということか、見るのがくたびれた。[DVD(字幕)] 3点(2013-02-13 20:39:42) 816. ラブ・アクチュアリー 登場人物が多く場面が細切れに変わりすぎて着いていきにくい。英国首相も出てくるのでもっと格調高いものかと思っていたら、どうも品のない話が目立つ。もう少し整理すればと思うが、豪華キャストがもったいない。[DVD(字幕)] 4点(2013-02-13 07:21:07) 817. 恋人はゴースト こういうゴーストものって昔も似たようなのをいくつか見たけれど、それらよりもずっとロマンティックで良かった。ストーリーはオーソドックスで、愛する者の口づけで目を覚ます(生き返る)というのは、「眠り姫」とまったく同じで目新しくはないのだけど、ウィザースプーンとラファロの仲がとても良く、最後は結ばれると信じていた。ラブコメでファンタジックなもの大好き。[DVD(字幕)] 8点(2013-02-12 23:43:14) 818. 恋人よ帰れ!わが胸に 何とか金をふんだくろうとする側と、そうはさせじと盗聴マイクや監視カメラでしっぽを捕まえようとする側のやりとりが大変おもしろい。欲に目がくらんだ悪徳弁護士や元妻でさえ、ワイルダーの元では憎めない存在になっている。正直でやさしい偽患者と親切な黒人アメフト選手だから映画の結末は容易に予想できるものの、それでもおもしろいのがやはりワイルダー。タイトルがやや気障なものだから見るのが遅くなったが、大好きな監督の映画だと知っていたらいの一番で見てただろうに。[DVD(字幕)] 8点(2013-02-12 07:03:36) 819. 女医の診察室 医学ものか恋愛ものか迷うような映画だけど、ちょっとばかり古くささを感じる。上原謙と原節子の組み合わせでは、どうしてもこうなってしまうものなのか。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-02-11 20:05:01) 820. プーサン 当時の社会情勢を風刺したブラックユーモアの世界。方や中年ルンペンの首つり、此方若い女の服毒自殺、女性が下着姿で美人となると・・・ こうなると笑って良いのかどうかも迷ってしまうほどだ。こういう場面がしばしば現れる。暮らしはそれほどでもない官吏の帳簿で踊る数字、夜遅くまで働かされる女子銀行員の鮮やかな札裁きなどなど、数え上げたらきりがないほど、よくぞここまで作り上げたものと感心。フクちゃんの漫画は知っていたが、プーサンは知らなかった。兄弟でもこうも違うか。 ところで血のメーデー事件や紀元節復活論など若い人はご存じだろうか。奇しくも2月11日にレビュー。[地上波(邦画)] 7点(2013-02-11 13:38:23)
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