みんなのシネマレビュー |
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801. フランケンシュタイン(1931) 「フランケンシュタイン」のモンスターと言えば、やはり本作のキャライメージが一番強い。 役者さんのメイクや動きなどが凝っていて観ているだけで面白いのだが、 モンスターの悲哀さはあまり表現されておらず、内容の方は今ひとつ。大変古い映画作品だが、 どちらかと言えば娯楽系の、普通のホラー映画に近い作りといった印象の作品だった。[DVD(字幕)] 5点(2011-08-27 16:35:33)《改行有》 802. 嘆きの天使(1930) 主人公のおじさんのキャラがとても立っている映画。 "50を過ぎてからの色狂いは直らない"は昔ながらの定説だけど、 そこだけ描いても映画にはならないということで、後半からの展開がとても面白い作品だった。 教授役の初老の俳優さんは、いかにも頑固そうな顔つきをしていながらも、愛嬌があって、 その姿を見ているだけでも愉快なのだが、後半は狂気に満ちた演技を見せ、まるで別人。 いい役者さんだった。ディートリッヒは、相変わらず妖艶な美しさを見せてくれる。 この頃の映画は「いいなぁ」と思うと、ドイツ製作のものが多くて、この作品にもパワーを感じた。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-27 13:50:02)《改行有》 803. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー ブルース・リー主演の第3作目。「死亡遊戯」が未完成のまま亡くなったため、 日本での公開は「最後のブルース・リー」という冠がついた。リーさん唯一の監督作品でもあり、 自身の見せ所はよくわかっていて、随所に彼のアクションを堪能できる。 ストーリーは主演作の中でも一番単純な勧善懲悪もの。 リーは他の作品では悲愴感たっぷりのキャラが多いのだが、 この映画ではちょっぴり間の抜けた青年の役を演じ、新しい一面を見せている。 ラストのチャック・ノリスとの死闘が一番の見せ場。 ストーリー的には今イチだが、リーさんの魅力を大いに楽しめる映画ではある。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-27 12:57:31)(良:1票) 《改行有》 804. ランボー アクション映画にしては、珍しくキャラの立った作品。 前半はハチャメチャなシーンの連続なのだが、ランボーのかつての上司が彼の人となりを 懇切丁寧に解説してくれる何とも親切な作り。しかもワル顔の警察署長が、 彼のキャラを引き立たせる格好の位置づけになっている。派手なアクションはないし、 個人的にスタローンはあまり好きな役者さんでないのだが、 テレビ放映のたびに観てしてしまうのは、主人公の描写がしっかり描かれているからだと思う。 逆に「2」の方はアクションの方に力を入れているので、「1」とセットで鑑賞するのがベスト。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-26 15:44:25)《改行有》 805. 私は貝になりたい(1959) 橋本忍らしいしっかりした脚本で見応えがあり、メッセージを伝えるラストも心に響く。 主演のフランキー堺は確かに善良という印象は受けるし、好演しているとは思うけど、 ふっくら健康的で悲壮感はあまり感じなかったかな。そのおかげか、 重たい内容がさらりと見れたけど・・・。力作ですな。[DVD(邦画)] 6点(2011-08-26 15:16:30)《改行有》 806. 怒りの葡萄 あくまで社会派ドラマとして鑑賞すべき映画。 原作自体がそうなんだけど、それだけじゃストーリーに厚みが出ない、地味だと思ったのか、 家族の描写も入れてきて、そちらは残念ながら中途半端だったなという感は否めない。 それにしても、アメリカにもこんな時代があったんだね。勉強になりました。[DVD(字幕)] 5点(2011-08-26 14:46:34)《改行有》 807. アンダー・サスピション 密室劇的な展開で、鑑賞者の緊張感を煽ってくれるサスペンス。 キャスティングはいいし、シナリオも出来もいいとは思うけど、今一つすっきりとしない。 演出が悪いのか、ラストが悪いのか、人間描写をしっかり描けなかったせいなのか、 理由はわからないけど、どうしても小粒で地味な印象を受けてしまう。 それでも、まあそこそこ楽しめる映画ではないかと。[地上波(吹替)] 4点(2011-08-26 14:14:38)《改行有》 808. ルパン三世 風魔一族の陰謀<OVA> 新ルパン以降では、キャラも絵もストーリーも初期ルパンに一番近いと思う。 ただカリオストロを相当意識していたのか、ちょっと中途半端な感は否めない。 そして本作の一番の問題点は、やはり声優が違うということ。確かに違和感は感じる。 でも個人的には、現TVシリーズの物まねや老いた声より、こちらの方が断然いいと思うけどね。 作品そのものは、カリオストロよりも好きかな。[ビデオ(邦画)] 6点(2011-08-26 13:40:34)《改行有》 809. ルパンの消息(TVM) これはテレビで放映されたものなのかな? 刑事ドラマと推理ドラマを足して、2で割ったような作品。 事件の内容が練りこまれていて、その分、どうしても強引さを感じてしまうけど、 まるでパズルを解いているような面白味がある。 演出は、やっぱりもろテレビドラマ。終盤人情劇っぽいシーンが入ってくるのは仕方ないかな。 でも変な映画を鑑賞するよりは、こちらを観たほうがよっぽど楽しめると思う。[DVD(邦画)] 4点(2011-08-26 13:05:53)《改行有》 810. ワーキング・ガール マイケル・J・フォックスの「摩天楼はバラ色に」とベースが似ているのだが、 あちらはコメディー色が強いのに比べ、本作はストーリーとキャラ設定の方に力を入れている。 その分どうしてもご都合主義が目立ってしまうのだが、このストーリー展開は理屈抜きで、 やはり爽快感を覚えてしまう。シガニー・ウィーヴァーの役柄はハマリ役。 ハリソン・フォードも地味ながら、脇役として中々いい味を出している。 ファッションや映像はさすがに時代を感じるが、主題歌はこのストーリーによく合っていた。 女性にお薦めの映画。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-26 12:38:52)《改行有》 811. つばさ 第一回アカデミー賞作品のサイレント映画。 アクション、ロマンス、友情とバラエティーに富んでいて、当時としては、 やっぱりものすごい大作だったんじゃないか・・・と思う。空中戦のシーンも結構迫力があって、 まるで昔のドキュメント映像を観ているみたいだった。ストーリーには多少難はあるけど、 まあ古い映画なんで仕方ないかも。ヒロインがとてもきれいだった。[DVD(字幕)] 5点(2011-08-26 12:09:52)《改行有》 812. 偽牧師 チャップリンの短編作品。今作ではキャラの設定が妙味。 小ギャグで笑わせ、ラストはやはりほんわかとシメてくれる相変わらずの安定感ぶり。 小粒な作品だけど、後味がさらっとしていて時間が短いのもいい。[ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-26 11:40:24)《改行有》 813. チート 日本人俳優早川雪洲が出演している古い映画で、彼の役どころはインドの貴族。 主な登場人物は夫と妻、妻に横恋慕する男の三人だけで、お話はどこにでもある男と女の事件簿。 早川雪洲は目つきが非常に鋭く、なんとも不気味な雰囲気で存在感は抜群。 手前みそということもあるんだろうけど、ほとんど主役のように見えた。 いつか本当の意味での、日本人が主役のハリウッド映画も観てみたいものだ。[ビデオ(字幕)] 4点(2011-08-26 11:04:54)《改行有》 814. 裏窓(1954) 箱庭セットが異様に面白いサスペンス。 主人公の室内から見える建物がパノラマのように丸見えで、いかにも作り物といった舞台が、 覗きという非道徳的な行為と、自分の部屋の中だって丸見えだろ、 というありえない状況を緩和してくれている。鑑賞者に心理的圧迫感を与えるという点では、 ストーリー展開、主人公の設定ともにうまい演出で、緊張感を最後まで持続させてくれる。 劇中のシーンは、ほとんどが主人公の室内と裏窓から見える風景だけ。重苦しい雰囲気に、 グレイス・ケリーの美しさが一服の清涼剤となっている。主人公は思い込みの激しい性格だが、 それも鑑賞者をミスリードするための、あえての設定なのかもしれない。 ストーリーよりも如何に鑑賞者を楽しませるか驚かせるか、ヒッチコックという人は、 改めて演出に力を入れる監督さんだと思った。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-26 10:47:00)《改行有》 815. ミスティック・リバー サスペンスタッチにミステリーの要素を含んだ、一応人間ドラマなのかな? 3人の男たちの数奇な運命、皮肉な巡り合わせと、主役たちの心象描写に重きを置いた作り。 鑑賞後は、だからどうしたの?という印象もなきにしもあらずだけど、 キャスティングと演出がいいので、最後まで引っ張るパワーはあるよね。 評価が別れるとしたら、やっぱりラストのシメ方かな? う~ん、どうなんだろう。[DVD(字幕)] 5点(2011-08-26 10:17:31)《改行有》 816. 自転車泥棒 戦後イタリアを背景にした、ネオレアリズモ(写実的)作品。 親子のエピソードを一本紹介という内容で、ストーリー性は薄く、上映時間も88分と短い。 同じイタリア映画でも「鉄道員」「道」「ひまわり」なども写実的作品に挙げられるが、 これらは一応しっかりと物語を構築しており、本作はやはり物足りなさを感じてしまう。 ただし出演者の演技、人物描写や心理描写が秀逸なので、感情移入がし易く、 心にはずっしりと響いてくる。変な映画を観るよりは全然いい。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-26 09:52:42)《改行有》 817. ブレインデッド ひと言でいえば、ブラックコメディー・スプラッターホラー。 前半は古いポルノ映画を見ているような雰囲気と映像で、くそつまらなかったが、 後半からははっちゃけて、結構笑えるシーンもあった。 ここまで徹底的にハチャメチャやられちゃうと、何も言うことはない。 それしてもひっでぇ映画を作るよな。逆に感心しちゃうね。インパクトだけなら10点。[ビデオ(字幕)] 3点(2011-08-26 09:15:47)《改行有》 818. ケース39 純粋なサスペンスものかと思ったら、ホラーサスペンスでした。 中盤までは結構面白かったんだけど、後半からラストにかけてはもう単なるホラー。 現実的なストーリー展開に、結局は非現実的な設定やシーンが見せ場だったということで、 ちゃんと説明ぐらいはしてくれないと。お化け屋敷的なモンスター映画じゃあるまいし、 投げっぱなしのままじゃ、消化不良の感だけが残ってしまう。[DVD(字幕)] 3点(2011-08-25 20:23:10)《改行有》 819. 太陽がいっぱい 主な登場人物は3人だけなのだが、 序盤は男二人の友人関係の説明がないのでちょっとわかりづらいかな。 映像と音楽はとてもきれい。一応サスペンス映画の展開ではあるんだけど、 完全犯罪を目論んだある青年の顛末記、一種の青春映画として観たほうがいいだろうね。 ストーリーそのものよりも、アラン・ドロンの魅力と情緒溢れるヨーロッパの雰囲気を楽しむ作品。[DVD(字幕)] 7点(2011-08-25 20:00:11)《改行有》 820. 砂の器 映画を作ることって大変なんだなと感じた作品。 原作は文庫の上下巻で800頁以上の大作で、それを限られた時間内に収めなければならない。 事件の経過をテロップで流す手法は、制作者側の苦労が窺えるのだが、 当然ながら描写不足の部分も多々あった。捜査の過程などはあまりにも無理があるし、 一番重要な人物の描写も、役者の演技を必要としないほど薄くなってしまった。 後半はジーンとくるシーンもあるんだけどね。それは自分が原作を知っていたから、 感情移入できたという部分もあるし、初見の人が同様に感動できるかというと疑問符。 この映画は単なる事件ものではなく、人間ドラマや強烈なメッセージも含まれているので、 それだけに重要人物の現在の人間描写は必要不可欠なはずなんだけど・・・。 ちょっと残念な作品だった。音楽が一番良かったかな。[DVD(邦画)] 6点(2011-08-25 12:24:55)《改行有》
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