みんなのシネマレビュー |
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921. アデル、ブルーは熱い色 《ネタバレ》 愛の芽生え、歓び、憂い、嫉妬、苦しみ、悲しみ、慟哭、そして愛の終焉……あらゆる感情を、ある女性の瞬間をスクリーンに焼き付けた、まさに"愛のむきだし"。初心な女子高生から大人になっていくアデルの変貌が印象的で、一人称でアップばかりの映像は彼女の見た世界の狭さを表しているようだ。すれ違いによる浮気で破局していく様は、本当にその場にいるような迫真さで熱気にあふれている。思えばエマが青い髪染めをやめてから、もう違う世界にいたのだろう。同性愛に気があるが世間体を気にするアデルとありのままの自分自身を受け入れ本能的に生きるエマ。再会して和解するもエマに新しい関係が生まれてもう元に戻ることが出来ない。アデルへの想いを絵画で表現したエマとの思い出を胸に、ロングショットで立ち去るアデル。そして彼女の人生は続く。……と、思えば良い映画かもしれない。しかし、3時間でなければならない濃度は感じられなかった。演技と演出にパワーがあった分、残念に思える。ちなみに劇場公開版がレンタルショップになかったため、R15+編集版で観賞。なるほど、濃厚な10分間の性行為がカットされており、これを見るか見ないかで評価が変わるかもしれない。[DVD(字幕)] 6点(2015-01-07 23:07:15)(良:1票) 922. ブルージャスミン 《ネタバレ》 ウディ・アレン初体験。コメディと銘打つ割にはシリアスドラマに見えるが、軽快なジャズ音楽とシニカルな展開により、高慢ちきなケイト・ブランシェットの振る舞いが滑稽に見えるのだから不思議。底辺だがエネルギッシュで強かで、最後まで見捨てなかった義妹をも振り払い、独りでぶつぶつと呟く主人公はこれからどうなるんだろう? 努力もせずに絶頂を体験したセレブが没落して、身の丈に合った惨めな生活だなんて耐えられないでしょうし、堕ちるところまで堕ちていくしか想像できない。山月記を思い出しました。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-07 23:02:00)《改行有》 923. パッチギ! 別に良いんじゃないでしょうか? 偏った政治的要素を前面に押し出そうが、大衆が自分の価値観を信じて、彼らに歩み寄りたいのなら肯定も否定もしない。 今やヘイトスピーチが問題になっているが、グローバル化が避けられない以上、 大衆が多文化共生を望むのであれば、この結末のように個人レベルから仲良くなれば良い。 それはともかくとして、娯楽として見るなら、自分には政治的云々以前に合わない。 役者のパワーがあっても、暴力シーンを無意味に強調させるのは如何なものかと。 つまるところ、偶然脚本がまぐれで良かっただけで監督のセンスがついていっていない。 俳優陣の熱演に+1点で5点が限界。[DVD(邦画)] 5点(2015-01-02 18:06:54)《改行有》 924. LIFE!(2013) 《ネタバレ》 スケールは大きく美しい画はあるものの普通の映画だったって印象。前半の妄想シーンはしつこすぎてイライラする。だからこそ後半の冒険が際立つけれど、「自信持てば道は開ける」というありきたりの着地点でそれ以上の大きな広がりを感じない。ひたすら自己啓発の匂いが漂い、違和感しかなかった。 最後の表紙は見せなかった方が良かった気がする。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-01-02 11:51:11)(良:1票) 925. 自殺サークル 冒頭の集団飛び込み自殺シーンで一気に引き込まれる。この掴みからどう展開させるか見どころだけど、中盤のライブから雲行きが怪しくなって、ラストで「ハアッ!?」と叫んでしまった。謎を残したまま終わった映画は数あれど、これはただ意味不明なだけで、それすら投げ出して崇高な芸術と自画自賛しているあたり、かなりタチが悪い。[DVD(邦画)] 1点(2015-01-02 11:34:42) 926. シリアル・ママ 《ネタバレ》 欧米のコメディは自分には合わないと思った。主人公の主婦が無礼な人間を殺しまくるが、何も殺さなくてもと思ってしまう(分からなくもないが)。では、主婦が殺人鬼になった背景を知りたくなるけど、これもあまり触れられず。何故か擁護する家族といい、メディアが騒ぎ出す風刺な展開までどこで笑えば良いのか分からない。裁判の結果、「おいおいこれで良いのか?」と終了。そういう映画なんだから、細かい部分や倫理的なところはナンセンスだけどね。観賞後、実話だと思って検索したら、作り話だったの? まあ実話だったら、アメリカの民度を疑うし内心背筋が凍る。いずれにしても、人間の潜在意識と良心を問う意味では、"ブラックコメディ"なのかもしれません。[DVD(字幕)] 4点(2015-01-02 11:25:35)(良:1票) 927. エスケイプ・フロム・トゥモロー あの某有名テーマパークの無許可撮影を通して、炙り出される夢の国の本質。幻想的なモノクロ映像と音楽がさらに非現実さを際立たせている。発想の勝利と言えなくもないが、ただそれだけ。設定を上手く活かせないまま、魅力のないダメ親父の妄想を延々と見続けられるのは退屈です。ジャンルが不明瞭で不条理ホラーとして振り切れていなかったのも大きい。言わば企画倒れ、勿体ない。[DVD(字幕)] 4点(2015-01-02 11:16:48)(良:1票) 928. 舟を編む 辞書作りという、長い年月の掛かる非常に地味な作業を、綿密なプロセスと堅実な演出で上手く見せる。下手にギャグに走るようなユーモアがないことも好印象。しかしながら無味無臭。淡々としているが故に際立つような余韻を感じることはできなかった。[地上波(邦画)] 6点(2014-12-29 23:08:57) 929. HK/変態仮面 リアルタイムで読んだクチで、そのフォルムと立ち回りが強烈な印象を残す怪作漫画だった。まさかの実写版の再現度は文句なしで、良い意味で下らなさ全開だけど、これほどワンパターンだと正直退屈さが勝る。この手の内容なら80分弱に縮めた方が気楽に見れそう。[DVD(邦画)] 4点(2014-12-28 13:52:51) 930. サウスパーク/無修正映画版 表現の自由と反戦で80分弱を引っ張るのは流石に厳しかったのではないか? テレビで見るようなキレとブラックな笑いがあまり感じられず。ミュージカルシーンのセンスが最高だっただけに余計残念。[DVD(字幕)] 5点(2014-12-28 13:44:59) 931. ユージュアル・サスペクツ ラストが全てな映画。それゆえ、退屈な過程に時間を費やさなければならないわけで。しかも、そのラストが今までの過程を蔑ろにするような形だったので、悪い意味で騙された。二度目見たら、評価が変わるかもしれないが。[DVD(字幕)] 3点(2014-12-28 13:36:08) 932. ノルウェイの森 原作既読。日本のようでそうでなさそうな、原作特有のふわりとした空気感が上手く再現されているが、原作自体が印象に残らないので映画も御察しの通り。原作を読まないと唐突すぎるシーンもあり一見さんお断り。主演三人はまずまずの好演であれど、いざ映像になると"僕"として同化できないから他人事に見えてしまう。あの世界観は活字でしか表現できないと実感させられた。[DVD(邦画)] 5点(2014-12-28 13:28:35) 933. レ・ミゼラブル(2012) ミュージカルが原作だから仕方ないけど、まともな台詞がなく、9割以上歌ってばかりの2時間半には流石にウンザリしてくる。無音で落ち着いたシーンが冒頭以外ないので、延々と爆撃シーンばかり見せられているようで余計疲れます。如何に俳優陣の歌唱力と崇高なメッセージが素晴らしくても、ミュージカルをそのまま映画にしたような工夫のない構成の前には敵わない。[映画館(字幕)] 4点(2014-12-28 13:15:30) 934. シン・シティ 凄まじく暴力的で倫理的にダメな人は本当にダメな映画。自分は分かっているから、それでも構わないけど、原作に引っ張られたせいもあるのか、ユーモアはあっても陰惨さから抜け出ていない。それにロドリゲスも人の親になったのか、『フロム・ダスク~』のような勢いやパンチがなくなり物足りない。3つの物語のリンクも甘い。ただ、デジタル合成に新しい可能性を提示したことと見ている間は楽しかったので甘めな点数。続編は多分、見ない。[映画館(字幕)] 7点(2014-12-21 12:12:09) 935. フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 ロドリゲス監督の悪ふざけと勢いが最高潮に達したのはこの作品ではないか。奇才の仲間入りを果たしたタランティーノと共に、向かうところ敵なしのやりたい放題のオンパレード。前半の緊張感溢れるクライムサスペンスの形を成しながらも、後半のバンパイアホラーは反則としか言いようがない。でも、この馬鹿さ加減、嫌いではない。見る前に某ハンドブックでネタばれされていたのが惜しい(でなければ興味持たなかったかも)。記憶を消して、後半のぶっ飛び加減を共有してみたい。[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 12:00:21) 936. プラネット・テラー in グラインドハウス 退屈な分、その爆発力が凄い『デス・プルーフ』と比べて、 本作はテンポ良く一定のテンションで進んでいくため退屈はしない。 あえて言うなら、見せ場だらけで突出したものがないことが欠点。 内容が内容なので、不道徳、不謹慎、グロのオンパレード。 ただ、如何にグロいシーンでも最初は想像のみに留めて、 観客に耐性を付けさせる辺り、良心は感じる。 本当に下らないけど本当に楽しい映画。 『グラインドハウス』として見たかった。[映画館(字幕)] 7点(2014-12-21 11:46:22)(良:1票) 《改行有》 937. デス・プルーフ in グラインドハウス 《ネタバレ》 前半のトークがとにかく退屈。初期のような会話の面白さがもう出せないのか、意図的につまらないものにしたのか。見ている間、ナチョスを汚さそうに食べるシーンで食欲が沸いたり、ラップダンスが印象的だったリ、実際に正面衝突したらああなっちゃうのか…とゾッとしたり、そういうどうでも良いところがこの作品のキモかもしれない。だからこそ、終盤のカーチェイスの爆発力は相当なもの。テンションが最高潮になったところで"THE END"に笑う。本国同様、『プラネット・テラー』と併せて一本の映画として見たかった。[映画館(字幕)] 7点(2014-12-21 11:31:09) 938. アナと雪の女王 王道を地で行きながらも"真実の愛"の正体が意外な形で浮上する。ミュージカルシーンも素晴らしく、大ヒットする理由は分かる。しかし、「お粗末な脚本が足を引っ張っている」。これだ。上記の二つのお陰で、御都合主義が際立ってしまっているというか。幾度かピクサーと共同で製作しているディズニーだが、どうやらストーリーのノウハウだけは学べなかった。[映画館(吹替)] 6点(2014-12-21 11:16:02) 939. ゾディアック(2007) フィンチャー監督はこの作品から作風が変わった。早いうちからデジタル撮影を導入し、ダークでソリッドな画作りを追求する傍ら、冷徹な人間観察も以前にも増して磨きが掛かる。しかし、2時間半は長すぎる。未解決事件によって人生を狂わされていく捜査陣は理解できても、自分が見たいのは"映画"であって、"映画風ドキュメンタリー"ではない。同じ未解決ものなら『殺人の追憶』の方が遥かに上。[映画館(字幕)] 5点(2014-12-21 11:08:06) 940. カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 他の方が仰ったように冒頭10分は完璧。実写映画一本分の濃厚さでここだけを長編にしても良かったくらい。つまり、本編に入ってから段々尻すぼみになってしまったということ。確かに風船で家が飛ぶファンタジックなワクワク感があったが、いざ目的地に到着してみるとあとは迷走でそのまま挽回せずに終了。登場人物も女キャラがいないのでむさ苦しい。ボーイスカウトでなければならない理由もないし、冒険家が悪役になる理由もまずないかな(『地獄の黙示録』のカーツ大佐みたいなものか)。音楽は素晴らしかった。[地上波(吹替)] 6点(2014-12-21 10:58:51)
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