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プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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961.  パコダテ人 《ネタバレ》 主演女優のおかげもあって部分的には見るべき場面もある。一つだけ書くと、人間が涙する代わりに雨が窓ガラスを伝って落ちたのは非常に印象的だった(偶然ではないと思われる)。 しかし残念ながら映画全体をほめる気には全くならない。他人と違う⇒それは個性⇒すばらしい、とかいう短絡的な発想がそもそも気になるが、それでも「ハッピーが生えてきた」というのがキャッチコピーであれば、あくまで主人公の姉のノリのまま全編を通せばいいだろう。にもかかわらず、後半の波乱要素の中にはかなり不快で笑えないものが含まれており、ご当地映画にそんなものを持ち込んで一体何を表現したいのかと思う。どこか別の場所でやれと言いたい。 一方ストーリー的には2つのカップルの関係が並行的に進むわけだが、うち社会人カップルの方は終盤まで本筋と関係がなく、存在意義が不明なのは残念である。TV中継の前のプロポーズで初めて両者がつながるわけだが、その直後に製薬会社の重役連が真相を明らかにしなければ、この男は単なるバカに終わっていたところである。ついでに連行場面で「調査団長」がわざわざ悲痛な顔をして見せるのは苛立たしい。顔など出さなくていい。 そういうわけで、見ていて次第に腹が立って来る映画である。ただし高校生の2人はあくまで純粋で可愛らしく、またシングルファザーと女性保育士の関係も微笑ましいのは結構なことで、その点まで否定するつもりはない。[DVD(邦画)] 3点(2015-07-18 12:27:24)《改行有》

962.  月の砂漠 《ネタバレ》 自分としては最初の方に出た「中村さん」役の女優を見るために映画を見たのだが、そこ以外には出ないのだった。顔はあまり見えないがスレンダーな姿が印象に残る。 映画の内容については見てもよくわからない。家族がテーマだとすれば示唆するところは多いようだが、少し考えても通俗的な解釈しか出て来ず、特に感動するわけでもない。奥が深いのかも知れないが、あまり付き合ってもいられない気がする。 そういうことで、真価のわかる人にぜひ見ていただきたい。見る人が見れば価値のある映画なのだろうと想像している。[DVD(邦画)] 2点(2015-07-18 12:24:12)《改行有》

963.  純愛譜 《ネタバレ》 当初の予定としては、一応見てからせせら笑って2点とか1点とか付けてやるつもりだったが、実際見るとそれほどでもない。主役は当初さえない顔に見えたがなかなか味のある俳優だし、またストーリーはよくわからないながらも何かじっとりした説得力があると感じられる。それが俳優の演技なのか監督の力なのか国柄のせいなのか、映画通でない自分には分析的に説明できないのが残念である。 ただし、やはりどうしても困ったことだと思うのは、男の方がこれほど徹底的に気色悪い・汚らしい・変態なところを見せつけなければ映画にならないのか、ということである。少なくともわが国では、女子トイレで(それも職場の)常習的に覗きをするような男が恋愛モノの主人公になる資格はないわけだが、向こうは下世話で露悪的なのをリアルとみなす国民性なのかも知れず、まあこれが異文化というものだと思うしかないだろう。 ところで劇中では、“痛い”とか修学旅行の写真とかで何やら運命的なものが演出されてはいたようだが、それでも最後にアラスカで2人が出会うというのはかなり強引な展開に思われる。あえて引き合わせずにネット上の恋で終わらせることもできたはずだと思うが、そこはやはり物理的にモノにしなければ気が済まないということか。そもそも主人公も最初からそういうことしか頭になく、それで毎日悶々としていた感じに見える(心情はわかるが肯定はしない)。 またヒロインに関しても、友人が出産の決意をしたことなどで気分が生殖の方へ向いて来たらしい描写が見られ、一方ではその友人の彼氏がイラン人だかイラク人だったことで、外国人との心の壁が低くなったようにも思われる。もしかするとこの映画は、日本人(女性)の恋愛市場をアジア(の男)に開放せよという、今日の目で見れば非常に先駆的なメッセージを含んでいるのかも知れない。 しかし本当にそういう目的の映画だったとすると、この内容では明らかに失敗であり、また個人的には「地球防衛軍」(1957)という映画を思い出す(ほとんど誰も知らないだろうが)。主人公とヒロインの国を逆にした場合に、このような合作映画は成立するだろうか。[DVD(邦画)] 3点(2015-07-18 12:24:07)《改行有》

964.  sWinGmaN 《ネタバレ》 見た後に何の感慨もなかった。怖くもなく悲痛でもなく切なくもない。全体的によくわからない話なのだが疑問を解消したいという気にもならない。 まずは主人公が今回初めて変になったというより元から変だったようにしか思えないため、普通に恋人や友人がいるのが自然に感じられず、こんな男に少女が同情を寄せるのも気が知れない。またこの主人公のために、少女や恋人という癒しの要素があらかじめ用意されていること自体が安易で甘ったれた感じがする。自分としては北村一輝が画面に出ると閉塞感が破られて救いのように感じられたのだが、そんなことも主人公には気に入らなかったらしく、あくまで観客側の感情移入を拒む映画になっていた。 外部情報によれば主演俳優のために作られた映画とのことだが、個人的にはこの俳優に注目する理由はなく、また世間的な価値としては宮崎あおいの映画キャリアの初期段階が見られることだろうが、その面でも自分としては特に関心がない。ほか主人公の恋人役に関しては、キャラクターとしての魅力が感じられないので特に面白くはなかったが、「だから煙草だってやめてたじゃん!」という台詞にはどきりとした。[DVD(邦画)] 1点(2015-07-18 12:24:03)《改行有》

965.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 宇宙空間から見た過去の地球の映像というのは、自分の記憶ではNHK大河ドラマ「北条時宗」OPの例があるが、年代的にはこの映画が先かと思われるので、当時としては斬新な発想だったろうと想像する。子午線に沿ったグリッドパターンの都市設計が惑星表面に浮かび上がるのは、理性と意志をもった文明の存在を如実に示しているように思われる。 ただし、地面に降りて見ればあまりに草ぼうぼうで文明の実態が伴っていない。まあ大昔の京都などこんなものかも知れないと自ら納得するにしても、さすがに五条橋がこれほど辺鄙に見える場所かどうかは疑問である。またロケ地がどこかを知ったとたん、そこら中全部が岩手県にしか思えなくなるのはご愛嬌である。 内容としては義経と弁慶の話を大胆に組み替えた娯楽映画になっており、過度に期待せず気楽に見ていればそれなりに面白い。また事件後は普通に知られた歴史の流れになったのだろうから後腐れのないフィクションともいえる。しかし逆にこの事件があってもなくても平家の没落自体は変わらなかっただろうから架空の歴史モノとしては半端な気もするが、そこはまああえて突っ込むほどのことでもない。 また登場人物の背景は別にわからなくても見られるが、DVDのキャラクター解説では「平家の高官に手込めにされ…」といったことを監督本人が書いており、考証的にはどうかわからないが「白河飛礫(つぶて)」という設定は面白い。刀鍛冶の男は歴史上の有名人とは思われないが、最後は失明していた(鬼を見ると目がつぶれる、と自分で言っていた)のを見ると、その後は琵琶法師にでもなったのだろうと想像される。 なお個人的に不快な人物としては巫女(すぐ出なくなった)、水辺で自害しようとしていた男(すぐ死んだ)であり、また遮那王側の僧も途中で斬られるかと思ったのに最後まで生きていたのが残念だが、これは実在の人物だったらしいので仕方ない。ほか京劇風の剣術はどうも好ましいとは思えない。現代風の映像表現や背景音楽は別に構わないが、日本の伝統には敬意を払っていただきたい。[DVD(邦画)] 5点(2015-07-18 12:23:57)《改行有》

966.  危険な斜面<TVM>(2000) 《ネタバレ》 ストーリーは原作をほぼ踏襲しているが、犯人探しの情報提供者がたまたま人事課所属かつ鉄道愛好者という点は少々都合良すぎという感じである。 またこのドラマでは殺した男・殺された女とも、打算で動くだけでなくそれぞれの思いを抱えているという点で、無彩色の印象だった原作よりも少し色付けされているように見える。しかしそれが必ずしもストーリーに生かされているとは思われず、理屈はわかるが心を揺さぶられるまでに至らない。特に殺した男を変に情けなく安っぽい男にしたことで、“タフでしたたかな壮年の男 対 純粋で一途な若者”という対立軸が成り立たなくなり、結果として若い男は単に話を進めるための駒のようでしかなくなっている。この若い男が殺した男を前にして憤ってみせているのも白々しい。 一方で、殺された女が本来の夢だった文房具屋ではなくブティックにしたというのは、業界の実情に照らして新規の開業は無理と会長が判断したということだろうか。最初の方でグループ企業の独立採算の話が出ていたが、愛人に対しても経済的な自立性を付与することで一方的な扶養ではない関係を作ろうとしていたかに見える会長は、ここに出ていた男の中で最もオトナだったということかも知れない。 なおこの女に関しては、とにかく女優が適役でたまらなく魅力的な人物になっており、それで見ている側も少し肩入れしてしまうところがある。ドラマ版で加えられた設定(三角定規の件など)を見ていると、個人的にはこの人のために泣いてやりたくなったのだが、残念ながら最終的にはそうもならなかった。TVドラマならもっとベタに泣かせてもらいたい。[DVD(邦画)] 5点(2015-07-18 12:20:10)《改行有》

967.  ひまわり(2000) 《ネタバレ》 個人的好みの問題でヒロインの大人状態には全く魅力を感じないが、しかし小学校の記憶に出る少女はなるほど初恋の相手っぽい。現実には1980年代初めに伊豆半島で見えた金環食は存在しないようだし、また主人公はどうも妄想癖があるようなので全てが幻だったのではと疑われなくもないが、そうだとしてもファンタジーとしては割と素直に受け取れる。また終盤で同窓会のような雰囲気になってから、現実への回帰に至る過程も好意的に見ることができたので、これだけなら激賞するほどではないが佳作だとは思える。 ただしここのレビューにあるように、実は登場人物のほとんどが冒頭時点で死亡していたことになっていたというのは全く感心できない。そもそも虚実が不分明な展開の上にそういうことをやってしまっては、何を軸にして見ればいいのかわからなくなるだろう。あるいは何度も見返して、全体の意味を転換させる裏ストーリーをじっくり考えろとでもいうことかも知れないが、そんな子どもじみたことにつき合っているヒマはさすがにない。それとも誰も気づかない前提で悪ふざけをしただけ(都市伝説にあるTVの死亡予告のような)というなら、それこそ小学生並みで大人のやることではない。何にせよこれでは真面目に見ること自体が馬鹿らしくなるのであり、そのため好意的に見ているうちは抑えていた苦情までが表面化して、遺族まで巻き込むコメディが不快だとか、靴はともかく傘を持ってないのは自分のせいだろうとか、深夜の草地を照らす光源はどこに設置されていたのかなどといったことを改めて指摘したくなる。 そのようなことで、結果としては独りよがりで付き合ってられない映画、というのが確定評価となった。評点は主に湊弓子役の女優(個人的好み)と、ヒロインの少女役の子に献上しておく。 なお大したことではないが、転覆した船と砂から掘り出した船は船尾の形状が異なっており、別の船と思われる。[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:20:04)《改行有》

968.  シェイディー・グローヴ 《ネタバレ》 ヒロインの理花は、映像で見る限りは自己中でナルシストで執着心が強くストーカーでイタい女ではあるが、少し離れて眺めるだけならこれでも十分かわいく見える。観客は彼女の常軌を逸した行動を全部見ているので、相手の甲野は幻でも見ているのかという気になるわけだが、しかし理花も甲野の前では結構まともにふるまっていたようで、自分としては少し彼女を擁護したくなる。 また一方の甲野は自ら望んで孤立してしまう性格らしく、都合が悪いとすぐ接触を絶って自己完結してしまうらしい。それでは外部情報も限定的になり、自分のいる場所からしかものが見えなくなってしまう。最初の方で、理花がコーヒー豆を分けてくれるというのに自分で買うと断っていたが、そういう他人行儀な態度は最後まで敬語だったことにも表れており、この男には自分としても結構共感するところがある。 この2人は互いに向き合わないまま時間だけが経過するので最後はどうなるかと思うわけだが、終盤に至るとストーリーが急展開して、最後は落とし所にストンと収まったような印象がある。危うく行き違いそうになった2人が離れる間際にかろうじて結びついて一つになり、そこから新しいラブストーリーが始まった感じで爽快感の残る映画になっていた。 ただし物語の解釈としてはよくわからない点が多いので面倒くさい。相手の姿が自分を映す鏡だとか、いびつな2人の相補的関係という程度まではいいとして、心のダークマターとか他者の承認による自分の存在確認といった要素も出て来るが、こういうのはお話全体としてどう統合されているのかわからない。変に奥が深いようだが、深入りすれば感動が増すわけでもないだろうからこれ以上理屈で考えるのはやめておく。 なお個別の場面としては、甲野が高速道路を走行中に延々と歌っていたのは何かほのぼのして心癒されるものがあった。また車内の告白場面には見入ってしまったが、ここで理花が「こういうやり方ってすごく失礼なのがわからないの?」と怒っていたのに対し、すいませんでしたと謝りたくなる個人的経験があったのを思い出した。[DVD(邦画)] 7点(2015-07-18 12:19:56)《改行有》

969.  東京兄妹 《ネタバレ》 年代感の表現があまりに不自然で素直に見ていられない。冒頭のブラームスまでがカビ臭く感じられるのはとばっちりのイメージダウンである。 まずは映画の舞台に閉塞感を覚えるが、それは周囲に90年代の東京の都市空間が広がっているはずなのに、高度成長期以前のように見える場所だけ選んで暮らしているように見えるからである。東京にこのような生活空間があった(ある?)こと自体は否定しないがあまりに作為的で、時々映る超高層ビルもわざとらしく見えている。また家屋が古いのはまだしも、兄妹の行動様式があまりに古臭いのは正気が疑われる。もともと親世代からしてかなり古風な人物だったのだろうが、その生活態度を子がまた固守するのではタイムトラベルものになってしまう。買い物の途中で会った友人の台詞も言い訳のように聞こえていた。 一方でストーリーに関しては、兄妹に何やら心境の変化があったらしいことはわかるが、しかし極めて特殊な家庭の話であり、どうせ他人事であるから深入りしても仕方ないという気になって共感するどころでない。名前は似ていても、見る人それぞれが何らかの感慨を覚える「東京物語」とはやはり全く違うものと感じられる(そういう比較は求められてないかも知れないが)。そのほか人間を豆腐に例えるのは、そこはかとなく嫌悪を催すのでやめてもらいたい。  以上、妹役の女優(映画初出演)に敬意を表して最大限好意的に見ようとしたわけだが、結局好きになれない映画だった。これまでDVD化を待望していながら嫌いというのも何だが、まあ以前から内容はわかっていたので今回見て初めて落胆したというわけでもない。 なお個別の場面では、妹の「何もしてないよ」という台詞には微妙に感心した。ここで彼女は雑誌か何かを見ていたようだが、それは一家の主婦としては“何かしている”うちには入らないというわけである。そのほか昔の日本家庭の細かい描写は気が利いており、また全般的に説明に頼らない心理描写には見入ってしまうところがあった。[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:19:50)《改行有》

970.  トワイライト ささらさや 《ネタバレ》 何がどう面白くなかったか考えるのも面倒だが、とりあえず全てが表面的で笑えもせず泣けもしない。ご近所のご婦人連中は薄っぺらで宿屋の息子も秩父鉄道の駅員もバカのため、舞台になっている町の暖かみというようなところに全くつながらない。また子どもの祖父の人物像に納得がいかず(この人は本当はいい人だったんですかそうですかふーん)、主人公が言っていた“子を持って初めてわかる親心”というような共通テーマもわかってやろうという気にならない。個人的には非常に残念な映画だった。 なお見ていて気づいたが、病院で子どもを抱いていた看護師役の女優は、子どもの祖母に当たる人物と二役ではないか? これも心霊現象の一種ということなら、ここにたまたま三世代の全員が集まって、主人公の夫は父親に続いて母親にも抱いてもらい、また祖母も祖父に続いて孫を抱くことができたことになる。この孫を祖母から母親の手に返す形になっていたのは祖父の過ちを正す意味になるだろうが、そういう小細工だったとしても、誰も気づかなければ無意味に終わる。[DVD(邦画)] 3点(2015-07-15 22:07:28)《改行有》

971.  グレイトフルデッド 《ネタバレ》 姉の高校時代と現在にギャップがありすぎて一瞬唖然とする。また屋敷の場所が世田谷区豪徳寺と書いてあったのに現地が甲州恵林寺付近なのも飛びすぎている。 それはまあいいとして、内容的にはどこに共感すればいいのかわからない。前半は主人公の生い立ちを見ているので態度保留のままとしても、後半の惨劇以降はさすがに老人の復讐を期待することになるが、しかし肝心の対決の結末がすっきりせず、主人公が勝手に充足して最後は逃げを打ったようなのは気に入らない。また序盤で思い切り殴られた子役が迫真の演技で、途中で出た偽善者の救いの手も叩き潰したからには暴力路線で全編統一かと思っていたらそうでもなく、最終的には怪しげな宗教が最強だったというのは誠に心外である。ラストで意味不明な外国人が「可哀想な人」というのも上から目線で苛立たしいが、もしかして制作側としては観客にも同じように感じてもらいたかったのか??? それにしては全体に信用できない雰囲気が満ちており、最後まで疑心が解けないまま終わる胡散臭い映画だった。 なおどうでもいいことだが、盗人の手を砕く罰というのは現代ではちょっと考えられないが、近隣国(半島でなく大陸の方)で街の庶民が実際にやっている動画を見たことがあるので、そういう場所ではまだ生きている風習らしい。[DVD(邦画)] 2点(2015-07-15 22:07:19)《改行有》

972.  悪の教典 《ネタバレ》 何を面白がればいいのかわからない。同じく非情な教員の出る「告白」(2010)を同時期に見たので違いが際立って見える。 内容としては前半はひたすら地味で何かが起こるのを待つだけ、後半はひたすら大殺戮が続いて終わるのを待つだけの映画である。個人的感覚でいえば、自分が死んでもらいたいタイプの人間は別として、特に恨みのない連中が死ぬのを見るのが面白いとは思わない。また殺される者の心情を描写することで何らかのドラマが生じるなら共感の余地があるが、この映画は大殺戮を見せること自体が主目的のようで、これに共感できない限り無味乾燥な作り物の殺害映像を延々と見続けることになる。 これで商売になるというなら別に結構だが、個人的には面白くないので点数は2点としておく。 ちなみにこれを見てから原作まで読む気にはならない。これより少しは文学的なのだろうが。[DVD(邦画)] 2点(2015-06-30 23:49:07)《改行有》

973.  日本以外全部沈没 《ネタバレ》 原作の短編を大拡張した形だが、それにしてもあまりに間延びした印象がある。ギャグも全般的に面白くないが、一か所だけ爆笑したのは北の独裁者の「今ごろきじゅいたか」だった。諸国民の融和を説く映画だとすればここで笑うのは不謹慎だろうが、逆にいえばそんな高尚な意図はないだろうということである。 劇中では日本人の心が狭いという指摘もあったが、可住地面積が狭ければ起こることはどこの国も同じであって、国民国家が存続したままならこの映画のようになり、無政府状態なら殺し合いになるだろう。日本人夫妻が変に仲睦まじいのに比べ、主人公と外人妻の関係などは永遠に分かり合えないことの象徴のようだった。世界平和が到来したのが最後の一瞬だけというのも皮肉な話であり、結果としてなかなか心に残る物語ではあった。 なお劇中のTVに出ていた賽銭泥棒の「マーヴィン・ウェッブ」は、「ウルトラセブン」第14~15話の諜報員の役名「マービン・ウェッブ」から、もう一人の「ハロルド・コーウェイ」は戦後の東宝特撮映画によく出ていた外人俳優「ハロルド・コンウェイ」から採っており、神社のあった「北川町」も「ウルトラセブン」第8話の「狙われた街」の場所である。また主人公の自宅の壁にかかっていた絵は、「シルバー仮面」第9話のドミノ星人のデザイン画(池谷仙克氏による)である。一般の観客は無視して構わないような小細工だが、制作側としては観客に気づいてもらいたくて出したのだろうから一応付き合ってやることにした。 それから完全にどうでもいいことだが、劇中の首相は映画公開当時の首相よりも東日本大震災当時の首相に似ている。[DVD(邦画)] 4点(2015-06-29 23:28:38)《改行有》

974.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 原作はかなり昔に読んでいるが、現実問題として経済・社会の国際化が進んでいる21世紀に同じテーマを再現しようとするよりも、基本設定を借りながら中身を別物にしたのはかえって妥当と思われる。昭和版の映画でも、原作本来のテーマというより特撮技術を活用した災害描写が印象的だったわけで(少なくとも自分としては)、これを継承した上でその後の阪神淡路大震災も意識しながら、ここで改めて問題意識を提示しようとしたなら理解できる。 この映画で具体的に問われているのは、社会全体が危機に見舞われた際に個人はどう行動すべきかということだろう。結果としては軽薄な自己犠牲のように見えなくもないが、しかし劇中では“みんなを放っておいて自分だけが幸せにはなれない”とか、“愛する者(家族など)のためには必ずしも自分の生命が最優先にはならない”といった個々人の思いを語らせて、これで主人公が内面的な思いを募らせていき、結果として最後の行動に至ったらしいのは自然な展開に思われる。 また特に個人的に心に残ったのは、序盤で首相が危機管理担当大臣を選んだ動機が“あなたには心がある”だったことである。自分としてはこの場面を見て、現実にもそういう人物が為政者であってもらいたいと心から願う思いだった。こんな安易なリメイク映画の綺麗事にしか聞こえない軽薄な台詞に泣かされる自分が馬鹿のように思われるが、先の震災時に実際に起こったことを思えば、意外にこの場面が庶民の思いを素直に代弁したものだったという気がしなくもない。 なお正直に書くと劇中の少女には結構泣かされた。何としても守りたい人物の好例である。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-29 23:28:34)《改行有》

975.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 初見がいつかは忘れたがかなり昔である。原作のストーリーをけっこう克明に追っているようだが総集編のようでもあり、特にドラマ部分はブツ切れに見えた。密度の濃い長編を映画にするとこんな風にしかならないのか、というような失望を初めて感じた映画だったが、今回見返してみると140分もあり、これでも可能な限りの内容を詰め込もうとしたらしいことはわかる。 内容としては原作本来のテーマも表現しているようだが、原作既読の立場としては改めてそれを映画に教えてもらう必要はない。それよりこの映画で衝撃的だったのは、東宝特撮の大迫力で描写された都市破壊場面の方だった。制作側の意識としては東京大空襲あたりの記憶も入っていたのだろうが、古くは関東大震災の教訓も生かし、また高層ビルのガラスの雨といった現代的な危険も含めて、巨大都市を襲う巨大災害の恐怖を映像化して見せたインパクトは大きかった。 今は昔になるが90年代前半頃、東京東部の某区の職員が“今やわが区は23区で最も安全な区になりました”と防災対策の現状を語ったのを聞いた気がするが、そのような対策が現実に行われてきた背景にも、こういう災害パニック映画が一役買っていたのではなかったかという気がする。劇中でも“とんでもない大バカ者が騒いでおけば360万人は死なずに済んだ”といったような台詞があったが、その大バカ者の役をこの映画も現実に担ったのだと考えたい。 加えて個人的にはプレートテクトニクスの考え方を初めて習ったのがこれであり、映画ではコンニャクのようなのがプルンという映像が印象に残っている。そういうお勉強の面でもためになった原作/映画だった。[DVD(邦画)] 7点(2015-06-29 23:28:30)(良:1票) 《改行有》

976.  赤々煉恋 《ネタバレ》 原作由来のダークファンタジーを基本にして、若年者向けメッセージとエンタメ要素を加えた形になっている。主人公が死に至った経過も加えてあるが、当初の楽しかった学校生活や本人の愛すべきキャラクターと、その後の行動との間にギャップがあり過ぎて説得力がないのは残念である。 一方で映画の宣伝文句を見ると「自殺というテーマに挑んだ意欲作」とされているが、そういう前提でいえばストレート過ぎる内容である。現実の遺族が見れば心に刺さる場面もあるだろうが、しかし現に苦しんでいる人間にわざわざ“悲しいだろう?”と語りかけてさらに泣かせるような感覚であり、それ自体はあまり有益とは思われない。またこの映画では些細な動機で死んだ主人公と、その後も苦しみ続ける遺族とを直接対比させた結果として、死なれた側の立場だけが強調されて死んだ者は加害者扱いになっている。しかし現実の人間が死ぬ理由としては、本当は生きていたいのに、生きているのが死ぬほど苦痛だから死ぬ、ということもあるはずで、そういう観点が欠けたように見えるのは感心できない。 ただ、もしかするとそう感じるのは大人が見たからであって、初めから若年者向けに見せる前提なら案外この程度でいいのかも知れない。真剣に作っているはずの映画にマンガじみたCGアニメを出しているのも、子ども向けにやったことと思えば理解できなくはない。 そのほか、自殺者の霊は死後も苦しむといった検証しようもないことを材料にしては実社会に向けたメッセージになりえないと思うわけだが、ラストの締め方はよかったと思われる(少しほっとする)。こういう境遇の者が周囲にいなかった理由もこれである程度は説明できる。 なお主演女優は初めて見たが、カワイイかどうかは別としてなかなかいい感じの女優のようで、映画の内容にそれほど感心できなくてもあまり悪く言えないのはこの人のせいも大きい気がする。また主人公の友人のミドリについては、昔はあんなに可愛かったのにその後はこうなったかと残念に見えるところもあったが、ただしこの女優本人(吉田羊)は実年齢より10歳近く(正確には8歳?)若い役を演じる形になっており、何でも対応可能な女優さんというところか。[DVD(邦画)] 6点(2015-06-29 19:30:45)《改行有》

977.  都市霊伝説 幽子 《ネタバレ》 学園ホラーのような感じで特に凝ったところもないようだが、映像・音響面の印象が良好で雰囲気としては悪くない。 ストーリーとしては何がどうなっていたのかよくわからないところもあるが、最後に主人公が題名の人物(本名は夕子)を受け入れてやろうとした行動は少し意外だった。この決着のつけ方が当初の事件の背景を暗示していたようでもあり、また終盤からエンディングにかけての意味不明な映像は、主人公が夕子を抱いたまま火葬炉に入ったと取れなくもない。ほかに各種の疑問点が残るが(成人の役者と子役の人数が一致しない、一人だけ同意書に署名していないなど)、意図的なものかどうか不明のためあまり突っ込んで考えないことにする。 ところで自分がこの映画を見た動機は女優のキャスト順で1番目の人を見るためだったが、前年の別のホラー映画であまりにかわいすぎる演出だったのに比べると今回はそれほどでもなく、普通にすごくかわいいという程度である。この人を含めて、この映画では若手女子が6人も揃っている点が大きな見どころになりそうなものだったが、実際問題としてはやかましい連中という印象の方が強かった。 そのほかDVD特典によれば、夕子の中の人も当時17歳程度の若年女子だったようである。劇中の目だけ見てもこれはやはり女の子だなとは思うわけだが、実際に素顔を見ると、この相手なら主人公の最後の行動もありえなくはないと思ってしまう。 なおどうでもいいことだが、劇中の児童がプールで死んだのを見ると否応なしに「告白」(2010)とか「麒麟の翼」(2011)を思い出させられる。この映画は殺された本人が復讐する話であるからごく自然な展開であり、また隠蔽した教員が最初に死んだのも真っ当な因果応報ということになるだろうが、それが前記映画のようなメッセージ性につながっているわけでもなく、単に思い出させられて終わりのようだった。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-29 19:30:36)《改行有》

978.  がじまる食堂の恋 《ネタバレ》 どうやら性別で観客を選ぶ映画のようである。内容としては登場人物の繊細な心理描写がなされているということらしく、日頃こういうものに親しんでいる人ならこれでいいのだろうが、自分が見る限りは面倒くさくてたまらない。嘘と秘密と不意打ちのせいですれ違うばかりで、「わかるかよ」と怒鳴って終わりにしたくなる。 また四角関係の中で恋愛関係に発展した2人以外は切り捨てられた感じになっていたが、うち男1人は自分で身を引いたのでいいとしても、謎の美女の方は完全に捨て石のようになってしまったのが哀れである(帰りの飛行機では泣きどおしで客室乗務員に呆れられただろう)。そもそもこの人は企業経営者の婚約者というにはあまりに女の子じみており、もしかすると同性の観客からは排除されることが期待されるタイプであって、最初から脱落するのが目に見えていたということか。どうも登場人物の取扱いが非情である。 そういうことで基本的には共感できない映画のはずだが、しかしラストシーンはなぜかそれなりに感動的で、そこからエンドロールにつながる流れもいい。最終的には何となく見てよかったという感慨を残したのは意外だったが、監督はもともと恋愛映画を得意とする人物とのことで、この辺はやはり上手いということなのかも知れない。 なお主演女優は、近年では「潔く柔く」(2013)で個性的な美女役だったのを見たことがあるが(過去にもっといろいろ出ていたが)、この映画ではいかにも不器用で健気で側にいてやりたいが少し面倒くさい人物像を好演していたように思われる。外見的には目が印象的なわけだが、また序盤で敬語を使うのが「かもめ食堂」(2005)の小林聡美のように聞こえたのは意識していたのかどうか。 そのほか今まさに時の人のような感じの名護市長が映っていたのは少し驚いたが、この映画自体は基地建設の是非について特に見解を示していなかったようである。当然だが。[DVD(邦画)] 6点(2015-06-21 19:20:28)(良:1票) 《改行有》

979.  麒麟の翼~劇場版・新参者~ 《ネタバレ》 予想よりもかなり軽い映画だった。最後に誰も幸せにならないのは原作者の他の著作にもあることだが、全体がお手軽なTVドラマにしか見えないために、例えば死んだ男の娘が最後に少し救われたような場面がないことがかえって理不尽に感じられる(あれだけ泣かせておいて放置か)。また死んだ男が日本橋まで歩いて行く動機が全く納得できないため、「メッセージを受け止めるのは生きてる者の義務」という台詞との関係が形だけのものにしか感じられず、中学教員がやらかしたこととの対比も明瞭になっていない。ただし、中学教員に対して言うべきことをはっきり言ってやったのは大変結構なことだった。 以上が映画を見た際の感想だが、その後に原作を読むとかなり忠実に映像化していたことがわかり、どうも原作自体がTVドラマ向きの軽い話だったということらしい。ただし映画では原作にあった最後の場面を省略して映画独自の盛り上げを優先したために、残った少年らがその後にどこに何をしに行ったか不明瞭になっているのは非常に問題である。この少年らの覚悟の程度(と中学教員のその後)をちゃんと示してもらわなければ、死んだ男が浮かばれないだろう。[DVD(邦画)] 4点(2015-06-21 19:20:16)《改行有》

980.  100,000年後の安全 《ネタバレ》 淡々とした映画だが、映像的に美しいのでそれほど退屈しない。余計な人間が映っていないため世界の果てのような印象がある。背景音楽としてシベリウスのValse Triste(劇音楽"Kuolema"(死)の1曲)を流していたのはわざとらしくもあるが、使い方としては効果的だった。 現地は地質的に安定した場所とのことで、この映画でも技術的なことはあまり問題にされておらず、制作者も「地震や火山のない地域」であれば可と考えていたようである。代わりに後世に危険をどう伝えるかの方に重点が置かれた形になっており、この辺は日本人としてはずれを感じるところだが、ナレーションが未来の人間に語りかける形式のため、映像の印象と相まって10万年後の伝説を語るようなファンタジックな感覚がある。ナレーションに出る「君」は英雄志向の若者のようなイメージだが、最後は洞窟の怪物の返り討ちに遭って終わったらしい。 登場人物としては、一緒に出ていたスウェーデン人のオジサンとオバサンが微妙に慣れ合った感じで和む。一方でフィンランド政府の当局者?(肩書きがアドバイザー)は、映像的には黒で悪人イメージながら人物がいかにも頼りなく、これは本物かどうか疑わしいような気もする。 なお公式発表によれば、わが国でも先月下旬の閣議決定で最終処分の基本方針が改定され、これまでは外部の法人に任せていた候補地選定に「国が前面に立って」取り組むこととし、「国が科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れる」ことまでするらしい。同時に国民の理解を深めるためとして全国でシンポジウムなり説明会を始めているようで、そういう点で時宜にかなった映画とはいえる。[DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 00:58:44)《改行有》

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