みんなのシネマレビュー
光りやまねこさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
21
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21
変更日付順1234567891011121314151617181920
21

81.  橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督) 少年達は愛国心と責任感から生まれ育った愛する家族のいる町のため、米軍の攻撃から懸命に橋を守り抜こうとする。子供扱いされるのを嫌い、早く祖国のため役立つ人間になりたいと願う。ましてや男子たるもの腰抜けの卑怯者だけにはなりたくない。愛国心を煽るプロパガンダ教育も行われたと思うが、当時少年達がこのような考え方を持つのはごく自然であったと思われる。しかし戦場では壮絶な殺し合いが繰り広げられ、敵味方のそのほとんどが即死か苦しみ悶えて死んでいく。周りの大人達は誰もこんな事は教えてくれないのだ。ところで、この作品での戦闘シーンは独特の色彩を放つ。とくに、重い金属音を響かせ米軍戦車が現われるまでの緊張感は特筆もので、後の「プライベート・ライアン」でも利用されるほど。また、敵である米兵が少年達に「戦争は遊びじゃない」と叱りとばすシーンも印象的だ。戦場を実際に体験した時にはもはや手後れで、死ぬか生き残るかの二つにひとつ。地獄を体験するには余りにも幼すぎた。ただ泣きじゃくりながら母のいる町へと歩いてゆく少年の姿が、戦争の悲劇性を切々と訴えている。名作です。9点(2004-07-29 10:25:10)(良:1票)

82.  生きてこそ “生きてこそ”というより、オレたちはただただ死にたくなかった。動物の本能として。死体を喰って生き延びるか、それとも喰わずに生き絶えるか。しかしオレが死んだなら、誰かがオレの死体を喰って生き延びるだろう。そりゃあ、極限状態で引き起こされる凄まじい葛藤はあったよ。だけど、死体を喰って生き延びるしかなかった。絶望の中から何とか希望を見い出したかった。神に許しを請い、自己正当化するのに精一杯だった。一体誰がオレたちを責められよう。…これが死なずにすんだ人々の、偽ざる本心ではないだろうか。実話ということもあり描き方が難しいのはわかるわけですが、極限状態で選択を迫られる人間としての苦悩や葛藤をしっかり描いて欲しかった。しかし、亡くなられ食べられた人々や生き残った人々の配慮ということもあり、この映画のような作風にせざるを得なかったのかもしれませんね。5点(2004-07-29 10:22:31)(良:1票)

83.  霧の中の風景 主人公の姉弟は、まだ見ぬ父を探し求めドイツに向け旅に出る。まるで幸福の“青い鳥”を見つけに旅に出る幼い子供たちのようだ。押し寄せる資本主義に飲み込まれる若者達、旅芸人一座の時代の終焉、大人のモラルの崩壊などなど…寒々とした映像も手伝い、まるでギリシャという国そのものが暗黒の時代に差しかかっているかのような印象をも受ける。主人公の姉弟も私生児だ。ラスト近く、海底から一本指の欠けた巨大な手の彫像が現われるシーンがある。現実と非現実が入り混ざり、不思議だが怖い。これは何らかのメッセージがあるのだろうか。それともアンゲロプロスのシュールな心象風景なのか。どちらにしても鮮烈な印象を放ち、脳裡に焼き付くシーンだ。《ネタバレ》ラストでは、暗闇の中、一発の銃声が響きわたる。そして絵本のようなシーンで幕が下りる。やはりこの映画、現代の寓話なのかもしれない。(かなり辛口だが) ギリシャといえばギリシャ神話やオリンピアに代表されるよう、数々の芸術や文化を生み出した歴史のある国。遠い他国ということもあり、当時の政治的、経済的背景が今ひとつ分かりかね作り手の意図するものが掴みづらい。しかしこのアンゲロプロスの独特な映像とリズムを通じ、繰り返し観たくなる傑作であることは間違いない。10点(2004-07-24 11:02:54)

84.  ペーパー・ムーン お互い悪態をつきながらも次第に心を通わせていく展開と、二人の名コンビぶりが最高にイイ。しかも、ハラハラドキドキするシーンもしっかりと用意されており、最後まで間延びすることなく見せてくれた。たしかにカラッとしたモノクロ映像にしたのが正解で、1930年代のノスタルジックな気分をも十分味わえる。ラジオから流れ出る懐かしいメロディに、店内のシンプルだがレトロなセット美術も雰囲気充分。また、画面の隅々まで細心の注意を払っており、このように丁寧な仕上げ方は大変好感が持てます。そして言うまでもなく、様々な表情を見せるテイタム・オニールのカワイさに尽きるでしょう。とくに車内での、正面から捉えたアディの満足げな表情が抜群にイイ。それもこれも、相手役が本当の父親であるライアン・オニールの名コーチぶりがあればこそ。忘れた頃また見たくなる、そんな愛に溢れた名作。9点(2004-07-16 10:46:29)(良:1票)

85.  この森で、天使はバスを降りた 神秘的な森の雰囲気と、生活感漂う人間ドラマを上手く融合させており、まるで大人向きの絵本を見るような作品。そうそう胸に染み入る音楽も印象的で、ミステリアスな味付けも充分。しかし脚本と人物描写に、粗っぽさが目立ちましたね。作文コンテストのところで?マークが点滅。100ドルという決して安くはない応募金で、山ほど回収出来るというのは夢物語の世界。しかも後々、法的にモメるのでは? またラスト、ネイハムの壇上での告白にはズッコケてしまった。その一方、レストランでの親子対面のシーンにはヤラれてしまいホロリときましたけどね。この玉石混交のプロットは何なんだ? まるで寓話のような印象を受ける作品でしたが、脚本をもっと丁寧に仕上げて欲しかったネ(-1)。7点(2004-07-16 10:42:47)

86.  原子怪獣現わる モデルアニメーションの巨匠、レイ・ハリーハウゼンの特撮映画デビュー作。しかも↓の【鱗歌】さんのおっしゃるとおり、「ゴジラ」の元ネタと思われる記念すべき作品。ちなみに、ハリウッド版「GODZILLA」はこの作品のまんまリメイクですね。初見はずいぶん前なんですが、灯台守がマド越しに怪獣(もっとも巨大化した恐竜なんだが)と目と目が合うシーンがインパクト大で、あれはホントにコワかった。そうそう、怪獣が発散する放射能の影響で人々がバタバタと死んでいくシーンも印象的で、あれもホントにオソロシかった。アイデア、メッセージ性とも素晴らしく、本作は特撮怪獣映画の古典的名作と言い切って良いと思いますよ。8点(2004-07-08 11:07:08)

87.  空の大怪獣ラドン 「ゴジラ」の有無を言わさぬ激烈なキャラクター、「モスラ」のファンタジー色豊かで平和の象徴とも言える異色性。確かなメッセージ性に裏打ちされた前2作に挟まれ本作は、これといった特徴もなく印象度は高いとは言えない。精巧なミニチュアワークを取り入れた特撮という技術がウリなだけに、改めて見直すと悲しいかな時代を感じさせてしまう。しかも、ただ怪獣が出ましたやっつけましたでは如何ともしがたく、度重なる核実験による放射能汚染が出現の要因というのも今回は取って付けたみたいだし…。しかしそんな中にあっても、伊福部昭の荘厳で哀感溢れる音楽は時代を超え素晴らしいものがあります。作品全体を格調高く押し上げており、とくにラスト、人間社会の前に姿を現した巨大生物の悲劇を描き切ることに多大に貢献していた。まぁなんだかんだ言いましたが、邦画史上記録されるべき特撮怪獣映画の名作には違いありませんね。8点(2004-07-08 11:05:22)

88.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする 精神を病んだ男の遠い記憶のことであり、どこからどこまでが本当の出来事なのか分かりづらい。少年の母親は本当に殺されたのか? それでは誰に? 少なくとも母親は、この世にいないことだけは確かみたいだ。この辺り、受け手より推測するしかないのだろう。今作では、本来クローネンバーグ作品の売りとも言えるグチョグチョ感をビジュアルで見せようとしておらず、しかも共感しづらく感情移入しにくい主人公ときている。そういった意味ではエンターテイメント性は薄く、やや退屈に感じるかもしれません。しかし、陰気な主人公を演じたレイフ・ファインズを初め、二役を演じたミランダ・リチャードソン、ガブリエル・バーン、三人三様の確かな演技力に支えられ、作品自体の完成度は極めて高いと思いましたね。ジワジワとオゾマシさを増していく展開も秀逸で、鬼才クローネンバーグらしい独特の世界観が味わえるサイコ・スリラーの秀作です。8点(2004-06-29 10:07:32)

89.  アメリカン・サイコ これはハズした。このテのミステリー/サスペンス系はヘタに前情報を仕入れ、ネタやオチを知ってしまうとマズイ。てなことでカンを働かせのるかそるかで劇場に足を運んだら、これが見事裏目に出てしまったヤツ。何やらパロディ調で物語が進んだことだけは覚えているが、内容は思い出すのもおっくうになる程クソつまらん映画だった。オチも馬鹿にしている。予備知識なしで見るのも考えものですね。スンマセン、まともなレビューになってなくて。2点(2004-06-29 10:03:01)

90.  世界大戦争 タイトルから分かるように第三次世界大戦という大作だが救いようのないテーマを、平均的な市民である運転手一家の視線を通じて描いています。監督は松林宗恵で、特撮はもちろん円谷英二。人間ドラマと特撮との役割分担をはっきりさせた割りには違和感のない仕上がりになっており、核ミサイルを制御する軍人達のスリリングなシーンを取り入れたりで、最後まで緊張感を持続して見れる。やはり最大の見どころは、特技監督円谷英二の集大成ともいえる精巧なミニチュアセットと特撮。今現在の視点で見るならば、時代を感じさせなくはないが(もちろん当時としては衝撃的だった)、それよりもいかに描写すべきかという発想そのものに舌を巻く。(これだけはセンスの問題であろう) 富士山の背後で閃光と共に立ち昇る巨大なキノコ雲、溶岩状の地上に僅かな原形を残す国会議事堂などなど、そら恐ろしい光景が画面に映し出される。それこそ核戦争が勃発しようものなら人類はこの様に崩壊するのだ、ということを見事描写しており、いつまでも脳裡に焼き付く。特撮という素晴らしい技術は、確かなテーマと強烈なメッセージに裏打ちされてこそ最大限に活かされるということをも、この作品では教えてくれた。「ゴジラ(54)」と双璧をなす特撮映画の傑作として、この作品を高く評価したく思います。10点(2004-06-17 11:11:39)

91.  妖星ゴラス 「地球最後の日」より、巨大彗星などが地球に激突するというSF映画は今までに何作かあります。この映画の良いところは、安易に核の威力で恒星そのものを爆破しようというのではなく、地球そのものを移動して激突を避けるというところです。これはムチャというより逆転の発想と受け取りたい。しかも米ソの緊張が高まる時代背景の中、国連を通じ世界がその持てる科学力を結集し、人類の危機を回避するという斬新かつ希望に満ちたテーマ性。このように強く訴えるものがあるならば、時代を感じさせなくはない演出も特撮もおおめに見てしまいます。しかし残念なのは、突如現われ基地を破壊する怪獣マグマの登場シーン。これはイタダケナイ(-2)。怪獣ブームということもあり、きっと会社のトップから出せの命令が下ったのでしょう。円谷英二氏にしてみれば心底悔しかったに違いなく、大人向けSF映画の名作となりえただけに残念な作品です。7点(2004-06-17 11:10:03)(良:2票)

92.  ハンバーガー・ヒル 誤認による機銃掃射で味方を一掃するというショッキングなシーンもあり、壮絶な戦闘シーンの連続で見る者を圧倒させる。さらに、映像を通して伝わってくる強烈な異臭が鼻をつんざくわで臨場感も充分過ぎるほど。ただ、このドキュメンタリータッチの戦闘シーンが終盤まで延々と続くわけだが、やや起伏に欠ける。しかも同じベトナムを舞台としたアカデミー賞受賞作品「プラトーン」の後発ということもあり、扱うテーマは違うものの陰に隠れてしまい何とも分が悪い。無名の新人俳優たちを起用し、群像劇風に仕上げたのは悪くはないと思う。しかし記憶に残る戦争映画を目指すのなら、誰か主人公を軸に添え、その人の視線を通じドラマチックに展開させるという手法の方が良かったのかもしれない。と言うものの、若き無名兵士たちの悲惨さを描いた戦争映画としては充分秀作レベルには達しており、監督アーヴィンにしてみれば大健闘なんですよね本作は。8点(2004-06-14 11:22:04)

93.  ザ・デイ・アフター 東西緊張の悪化により核戦争が勃発するわけだが、それまでの経緯がいまひとつ分かりかねる。さらにドラマ主体の映画であるにしても、米本土にソ連から300発?もの核ミサイルが撃ち込まれたというわりには、核爆発のシーンや被爆後の描写は凄惨さに欠ける。(人体がレントゲン写真のようになるシーンもあったゾ) そうか、これはもともとTVムービーだったわけか。限られた予算のせいもあり、これが限界だったのかもしれない。核戦争や核爆発の恐怖はもちろんのこと、放射能汚染のオソロシサとその後の世界を取り上げた姿勢だけは評価したく思います。7点(2004-06-14 11:20:13)

94.  東京裁判 満州事変から支那事変、真珠湾奇襲攻撃で口火を切ることになる太平洋戦争突入とその集結。そして総決算ともいえる東京裁判こと極東国際軍事裁判。佐藤慶の明解なナレーションと共に、激動の昭和史がリアルに力強く明らかにされていきます。この作品では戦争という殺し合いを戦勝国が敗戦国を裁く、という大いなる疑問を見る者に提示します。日本と米英のイデオロギーと価値観の違い、コミュニケーションの壁までが浮き彫りにされる。そんな中、インドの判事パルによる裁判そのものの違法性と全員無罪の主張が説得力を持つ。(それでは誰が何を裁けば良いのか? それとも裁くという発想そのものが意味を成さないのか?) 近代日本の歴史的事実を極めて客観的に捉えており、ドキュメンタリー作品としては完成度も高く見応えも十分。監督小林正樹の集大成ともいえる本作の存在意義は余りにも大きい。9点(2004-06-05 22:00:36)(良:1票)

95.  黒い雨 広島、長崎の原爆投下から60年近くも経とうというのに、今もなお被爆の後遺症に苦しんだり、いつ原爆症が出るか不安を抱えながら生活している人々が全国に29万人(被爆者健康手帳保持者の数)もいるという。多量の放射能を浴びるということは本当にオソロシイことで、ちょっとした体調不良でも恐れおののかねばならないと言います。このような苦しみはとうてい被爆者にしか分からないことであろう。俳優達の淡々とした好演も手伝い、平凡な市民の日常というフィルターを通し原爆症の恐ろしさが見る者へ静かに伝わってくる。川又昂の乾いたカメラワーク、武満徹の不安を煽る音楽ともに印象的だが、何よりモノクロ映像というのが良かった。全世界の人々(とくに米国)へ原爆の恐ろしさを訴え続けるためにも、永遠に残すべき映画作品です。9点(2004-05-30 21:59:50)

96.  ゆきゆきて、神軍 ここはひとつ冷静に。奥崎謙三氏の人生哲学と行動については肯定も否定もしません。あの凄惨極まりないニューギニア戦で想像を絶する地獄を体験し、奇跡的に生き残った数少ない日本兵の一人であるわけですから。我々戦争体験のない平和な時代に生まれ育った人間には、とうてい理解出来ようはずがない。それではドキュメンタリー作品としてはどうか?…というと本作は紛うことなき傑作です。奥崎氏の激烈な人物描写も手伝い、“衝撃的”とか“ショッキング”という言葉はまさにこの作品の為にあるようなもの。終戦後23日もたってから、ニューギニアで2人の兵卒が銃殺刑に処せられるわけですが、その真相が次第に明らかにされていきます。テーマがテーマだけに、まさに固唾を飲み込むという言葉がふさわしくグイグイと引き込まれてゆく。凄惨を極めたニューギニア戦で、戦死者の肉を喰って生きながらえた日本兵が少なからずいたということは、東京裁判や帰還兵の証言でも有名な話です。《ネタバレ》しかしこの作品では、さらに一歩も二歩も突っ込んでおり、極限状態で行われた戦慄すべく真相が明らかにされようとする。当時この処刑に係った元下士官達の証言により、上層部の命令下、同胞の日本兵をも殺しその新鮮な肉を分け合ったというそら恐ろしい事実が…。もちろんまだまだグレーゾーンのままなわけですが。まぁとにかく欧米で起きた歴史的猟奇事件でさえ、かすんでしまうほどショッキングなドキュメンタリー作品でした。10点(2004-05-30 21:57:26)

97.  H.G.ウェルズのS.F.月世界探険 科学者が鍛冶屋や庭師と共に自前のロケットを作ったりと、ファンタジー色豊かなファミリー向けSF映画。モンスター造形と特撮はレイ・ハリーハウゼン。ニョキニョキ伸びた不思議なモノリスや、永久運動を繰り返すソーラーシステム?などユニークなオブジェがけっこう楽しい。その一方、人間側も月人に対し攻撃型と友好型に分かれるなど、ここかしこに風刺を利かせたシーンもありなかなか侮れません。ここはひとつ、想像力を逞しくして見るべしウェルズ作品。7点(2004-05-27 11:22:31)

98.  ディープ・インパクト(1998) 巨大彗星が激突するというのに世界の天文学者やマスコミが大騒ぎしないなど、SFとしての設定自体に若干無理を感じなくはない。しかも巨大シェルターに退避出来るのが政府関係者や軍人、そして各界のエリートなどが中心で、一般庶民は切り捨てという作り手のコンセプトには感心しない。しかし、終末を迎える人間ドラマとして見るならば良く出来ていると思いますよ。女性レポーター、彗星発見者の少年、往年の宇宙飛行士など3つのドラマを同時進行させ、あれこれ詰め込んだわりには上手くまとめあげている。幅広い層に支持されるよう作り込まれた脚本に従って、丁寧に演出したのが良かったのかもしれない。個人的には女性レポーターのラスト、ヘリコプターのシーンから父親の基に帰りヒシと抱き合うシークエンスが、少々定番ともいえるハートウォーミングなんですがジーンときましたね。7点(2004-05-22 11:12:23)

99.  父の祈りを 爆弾テロの犯人と間違われた父子二人が、15年の歳月をかけついに無罪を勝ち取るという実話をもとにした作品。主人公を演じたダニエル=デイ・ルイス、そして父親役を演じたピート・ポスルスウェイト。演技派2人の好演も手伝い、印象度の高い社会派ドラマに仕上がっています。それにしても洋の東西を問わず、刑事による密室での取り調べと警察という組織は本当にオソロシイ。いかなる取り調べが行われようとも表に出ようはずはなく、容疑をかけられた人間はただただ泣き寝入り。日本では、松本サリン事件の犯人扱いにされた男性の、警察によるヒドい仕打ちが記憶に新しいところ。これは決して他人事ではありませんよ。凶悪な事件に限らず日常起こる犯罪で、いつどこで容疑をかけられ自白を強要させられるかもしれない。日本でも、本作のような冤罪をテーマとした力強く見応えのある作品をどんどん作ってほしいと思いますね。8点(2004-05-22 11:09:56)

100.  かくも長き不在 まず浮浪者風の男のシーン、次に大音響と共に軍隊のパレード(パリ祭だろうか)が映し出される。そしてアコーディオンが流れる陽気なタイトルロールへとつながる。この映画は戦争が背景にあるということを暗示させており、切り口早々から監督アンリ・コルピのセンスの良さにヤラれてしまう。本作では、アリダ・ヴァリが主人公の中年女性を魅力たっぷりに演じており、これが抜群に素晴らしい。記憶を失った夫(実は夫ではないかもしれない)に向ける情感を込めた優しい眼差し、何とか夫の記憶を呼び戻そうとあれこれ試みる姿などなど…まさに大人向けの愛のドラマ。後頭部にある深い傷の跡、名前を呼ばれ一瞬記憶を取り戻したもののそのまま悲劇につながるラストシークエンス…たったこのふたつのシーンで、この男が戦争の狂気に巻き込まれ記憶を失ったことが分かる。切々と描いた夫婦愛の名作にして、見事な反戦映画。9点(2004-05-13 10:43:35)(良:1票)

000.00%
100.00%
240.96%
361.44%
4153.59%
5307.18%
64410.53%
79823.44%
89121.77%
97517.94%
105513.16%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS