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プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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81.  HELLO WORLD 《ネタバレ》 少し先に他の方のレビューを拝見してしまいました。そっか、そんなに評価高くないんだな。京都ということと、あの青臭い感じが自分はそれほど嫌いではない。何故ならいまだに自分がかなり青臭いから。青臭い恋愛を信じ、青臭い展開をずっと期待しているから。だから、他人のそんな願望を鼻で笑うことはできない、ただそれだけ。 二人の「堅書直実」、どちらの感情も理解できる。高校生として今を生きる堅書直実も、過去に最愛の人を失い彼女を取り戻すために奔走する大人の堅書直実も。どっちの、どの行動にも共感できた。高校生の直実が、大人の直実をぶん殴るシーンでさえ、両方の直美の気持ちがわかるというのは少しおかしいかもしれないが。 ただ一点、分からないというかそんな伝え方ではダメだろうと思ったのは、「こうすれば彼女は好意を抱く予定だから必ずそうしろ」というシーン。当の高校生の直実も違和感を覚えたようだが、純粋にその人のためにと思った行動に、こうすれば彼女が好意を抱くから、という打算が生まれた時点でそれは彼女の気持ちに対して不純物となる。そうなった時点でそれは同時に利己的な面を持ち、自己のためにそんな行動をしたいわけじゃないという葛藤が生まれ、彼女が純粋に好きであればあるほどその行動に躊躇いが生じる。大人直実はそんなこともわからなかったのかな。誰かが誰かを愛する気持ちを最強だかなんだか知らんが「マニュアル」なんかに支配されたくはない。そんな気持ちは強く感じた。 でも一方で、 マニュアルだろうがなんだろうが何にでも従うから、彼女と一緒にいたい。 そんな気持ちも自分にないかと言えば嘘になる。そのためなら、マニュアルくらい受け入れてしまうかもしれない。矛盾、ですね。 個人的に、単純に京都が好きです。特に京都市内。ラストで頻出する堀川五条、七条堀川、京都駅などは垂涎もの。学生時代いつも通っていた道で、すぐわかった。 通った道、というわけではないが伏見稲荷大社も、駅ビルの上層も出町柳も、懐かしい場所だ。 無限容量の記録媒体「アルタラ」。今聞くと何を馬鹿らしいって思うのですが、また何十年もしたら何をそんな当たり前のこと、みたいな感覚になるのかな。今の世界ですら、20年前には想像できている人はほぼいなかっただろう。電波は空を飛び回り、フロッピーの何千倍何万倍の容量のUSBが安価で手に入るこの時代だ。 そんな備忘録としても、このレビューがいつ書かれて、自分が何歳の時の話だったのかということが残っていて欲しいと思う。 映画のテーマとは違うかもしれないが、 『こんにちは、世界』 そう思える時はまだまだあるんだろうか。[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-02 03:00:58)《改行有》

82.  テラフォーマーズ 《ネタバレ》 アニメの実写って、何をどうしても日曜の朝からやっている特撮ヒーローものの長編版、の域を出ない。特にこの『テラフォーマーズ』では、バグズ手術の昆虫の説明がまるっきしそんな感じだった。いきなりどこの誰とも知らない人のナレーションで、「クロカタゾウムシは〜」とか「サバクトビバッタは〜」とかされてもどこか白ける印象を持ってしまいました。マンガの解説は大変興味深く読めたのですが、あれがナレーションとなるとまた悪い意味で印象が変わりますね。弱った。 やはり私はアニメやマンガの実写映画は受け付けないようです。あと、やはりマンガなら配役の国籍や容姿は自由自在なのですが、それを実写でやろうと思うといろいろ無理が出るんですね。マンガなら大体は日本人じゃないのに映画では逆に大体が日本人。。。いや別に日本人だからダメというわけではなくて、原作ベースで見ようとするからダメなんですけどね。他にもマンガやアニメベースの実写版のレビューでも同じこと書いてますが、原作があればそれを元に視聴者が期待するのは当然で、そこに寄せる努力が感じられない映画はやっぱり視聴者軽視だと思う。すごくうがった見方をすれば、作品の名前を借りた興行収入目当てかな、と思ってしまう。なんか三池監督とかキャストもやたらと豪華なメンバーでしたが、変な特撮メイクで誰が誰とかあんまりわからなかったし。最後のクレジットで、あー山Pとかいたんだとかゴッドリーってケインコスギだったんだと分かったくらい。非常に無駄遣いがすぎる映画だなと思いました。 別にこの『テラフォーマーズ』が特にダメというわけではなく、実写映画全般が同じツッコミどころだということがダメなんだと思う。今のところ実写で素晴らしい!と思えた作品には一回も出会えたことはありません。。。私見ですので、悪しからず。[インターネット(邦画)] 3点(2022-08-01 23:06:12)《改行有》

83.  見えない目撃者(2019) 《ネタバレ》 印象的なセリフが、「自分のこともろくにできないのに、人を助けるなんてできるわけないよね」というなつめのセリフ。よくある似たようなセリフに、「自分のことも愛せないのに他人を愛せるわけがない」というものもありますが、昔からこのセリフには違和感を覚えます。対自分=対他人という条件がそこまであてはまるものかな、と。私ははっきり言って自分のことがそれほど好きではありませんが、それでも他の誰かのことを心の底から愛せるし大事にできる、少なくとも自分より。同様に冒頭のセリフについて、自分を助けられなくても誰か他の人を助けることは十分できると思う。自分が整ってないと他の誰かのことを同じようにできないなんて、傲慢な考え方だと思う。だから、「そんなことねえよ!なつめさんすげえって!!」と彼女を励ます春馬くんには好感を覚えました。 内容はまあタイトル通りですよね。視覚障害者の女性が事件を目撃?したことによってこれまで明らかにされなかった凄惨な事件が暴かれていく。厳密には見えてないのに「目撃者」というのもなんだか面白いタイトルだな、と今記述しながら思いました。 はじめはなつめの視覚障害は心因性のものか何かで、ストーリーのどこかではっと見えるようになるんでは、という予想をしてたのですがそんな都合のいいことが起こるはずもなく。ご都合主義的な展開にはならずに話は進みました。まあ強いて言えば気になったのは、なつめを追うあの犯人がなぜか人目につく可能性もあるあのような場所で、すぐになつめを追わずにゆっくり歩いて追いかけていたこと。バタバタと動いてるところを見られたら誰かに不審がられる、と思ったのかな。でもすでになつめがバタバタと動きながら「助けて!」と大声を出している時点で犯人にとって落ち着いて歩ける状況ではないのですが。あとはラストの使われていない建物のシーン。いかに住人が不在で不動産で売りに出されてる状態だとしても、人を二人も監禁して部屋には祭壇のようなものまで作り電気まで通してしまうのはやりすぎか。作中ではあの建物は8000万以上で売りに出されてましたが、山奥のロケーションとはいえそこそこ瀟洒できれいな建物。あんなのを不動産屋がずーっと放置したりするでしょうか??まあたまにチェックしに来たとして年に1・2回と言ったところでしょうが、それでも犯人にはリスキーだと思うんだけどなあ。 ・・・と、別に作品のあら捜しをするつもりはなかったのですが、そんな文章になってしまいました。強いて言えば、みたいな重箱の隅をつつくようなことばかり書き立てましたが、作品は純粋に面白かったです。母親が防犯スプレーを入れるくだりでなつめにこのあとなんか起こるんだろうなーとか伝わったり、駅の黄色タイルを見つけてなつめが爆走したり、ちょこちょこ小技が効いてる映画だなと思いました。定年間近の木村さんが殺されてしまったのはショックだったなー。合掌。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-31 09:41:57)《改行有》

84.  紙の月 《ネタバレ》 銀行員として働く主婦が、ある日出会った若い男の大学生と不倫の恋に落ち、彼に貢ぐために銀行のお金を横領する、というお話。 なかなか興味深く鑑賞できました。銀行に勤めたことはありませんが、目の前ですごい額のお金が行ったり来たりするっていうのはどういう感覚なのでしょうね。やはり心動いてしまうものなのでしょうか。ニュースとかでも横領など似たようなことはよく聞きますが、なかなか人間、みんながみんなそう言う誘惑に勝てるわけではないですよね。きっかけ次第で人間なんてどう転ぶかわからないってことかな。 結局お金というのは身の丈にあった使い方をすべきなんだなと感じる。いたって当たり前のことだが。短期間に何千万も使って…というのももちろん贅沢なんだろうが、世の中にはもっと長期間にもっと大金を使う人もいるわけで。不倫相手とホテルで豪遊、アパートを借り上げてPCも買ってあげて、学費も出してあげる。そんなふうに過ごした期間は確かに幸せだったろうし、充実したものだっただろう。ただやはり、そうやってお金で示した愛情は愛情として伝わらないもので。案の定彼はただただ堕落した人間になっただけという。しかも身の丈にあってない暮らしぶりのツケは、文字通りツケとして巡ってくることになる。何でも値札を見てから判断する自分のような貧乏性にはよくわからない感覚ではある。自分も何かに、誰かに溺れてしまったらああなるんだろうか。今も溺れてはいるが、あんなふうに身を持ち崩すような溺れ方は想像出来ないな。 突然恋に溺れ不倫と横領に走る主婦と、個人的には銀行員として高いプライドと規律を持って仕事をする隅さんに強い印象を残した作品でした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-28 19:57:08)《改行有》

85.  ラプラスの魔女 《ネタバレ》 あれだな、これを観た動機は『フォルトゥナの瞳』と同じで、ざっくり言えばまあジャケ買い。あらすじと出てるキャストを見てまあハズレではないかなという感じで見始めました。ほぼ予備知識なしで鑑賞しましたが、東野圭吾さん原作なんですね。最近そちらもほぼほぼ読んでおらず、寡聞にして存じ上げませんでした。レインマン、とは少し違うが、脳の働きが(死ぬほど)著しく活発でそこに数学や物理的な知識が(ヤバいほど)豊富にあれば、過去を見るように未来も観れるというそんな人たちをラプラスの悪魔もしくはラプラスの魔女と呼ぶこの映画。 冒頭くらいから気になっていたのは、なぜそこまで硫化水素殺人にこだわるのだろうということ。あれほどの予測能力があれば別に硫化水素でなくてもやりようはいくらでもあったはずだ。それにこだわる理由のようなものものちに提示はされますが、少し弱いかな。私なら、殺したいほど憎む相手にそんなに手段は選ばないかと。誰かのための殺人ならその誰かが、もしくは自分の憂さ晴らしなら自分がスッキリできるかどうかが焦点な気がします。この場合、犯人にとっては硫化水素で殺すことが自分なりのスッキリポイントだったんでしょうけどね。 殺されて二人の共通点を探す中で甘粕なる人物とその家庭環境がクローズアップされてきますが、別にそんなポッと出てきた自称映画人の一人芝居を見ててもそんなに面白くはない。「映画」は音で言うと大体の人は「えーが」って言うと思うんですが、この甘粕なる人は頑ななまでに「えいが」と発音。そこにこだわりを持つ、という設定なのでしょうが観てる方としては別にどうでもいい。むしろその言い方がしつこくて耳障りだった。 総じて言えば本の設定を無理やり映像にしたんだなーと言う印象です。現実的に見せようとしてるけどリアルじゃない、みたいな。ギクシャクした違和感が離れない映画でした。[インターネット(邦画)] 5点(2022-07-21 15:23:51)《改行有》

86.  海底47m 古代マヤの死の迷宮 《ネタバレ》 「サメが人を殺すのは年間でも10人程度だが、調査によれば人がサメを殺すのは年間一億匹に及ぶ」 個人的には映画そのものはよくあるモンスターパニック映画の域を出ないものだと感じたし、内容にそれほど驚きがあったわけでもない。それでもこの最後の一言はなんだか、効いたなぁ。 私たちは『ジョーズ』以来、サメ独特のあの攻撃的な顔立ちも手伝ってサメといえばやれ怖い、危ないものと捉えてサメたちをそういうものと描いた映画で楽しむことがもはや当たり前になってきていますが、最後のあの一言で途端にハッとさせられました。まぁ、よく考えれば当たり前だ。ホオジロザメとかではないかもしれないが、どれだけの中華料理屋にフカヒレが出回っているか考えれば。あるいはどれだけのフランス料理屋でキャビアが提供されるか。考えれば当たり前だった。この際チョウザメとかそんなのは関係ない。サメはサメ。 で、結局この映画って『47m』あったんですかね?そういう描写が作中に見当たらず、いや、私が見落としていたのかもしれませんが、無いなぁ、と。そうなると余計にこれはただのモンスターパニック映画ということに。海中に閉じ込められて、というシチュエーションをより上手く利用して見せていたのは今作より前作の方が優れてると感じた。やはりuncagedではそのあたりがぼやけてしまう。[インターネット(字幕)] 5点(2022-07-14 20:00:37)《改行有》

87.  海底47m 《ネタバレ》 これを見て思い浮かべるのは、『オープンウォーター』、『ディープブルー』『ジョーズ』ですよね。やはり先人たちのインパクトのある作品たちは強い。 あらすじは、リゾートに遊びに来た姉妹がアトラクション好きな妹に引っ張られ、サメ鑑賞体験なるものに参加してそこでトラブルに巻き込まれるという話。うさんくさい体験であることは容易に想像でき、また旅行先ではそういうのに引き込まれやすいことも想像に難くない。華やかなリゾート地から一転、少し人目を離れてみれば怪しい施設に連れて行かれて…なんて珍しいことではない。我々も気をつけよう。 船から吊るされた鉄のケージに入って潜水し、直接フィッシュウォッチングするというアトラクション。いやあ、自分なら絶対拒否だね。普段から海ほど怖いところないと思ってるし、泳げんし。ケージを吊るすウィンチが根本から折れ、ケージごと海の底へ落ちるというアクシデント。ケージに閉じ込められた恐怖。エアが無くなって息ができなくなる恐怖。サメに襲われる恐怖が味わえます。個人的にはやはりサメ、というか海の生き物全般が怖いですね。海というあれだけ広大な空間にいろんな生物がウヨウヨしていて、人なんて異物がそこに入り込んでどうなるかなんて恐ろしくて想像もしたくない。しかも人なんて水中ではほぼ無力。息も続かないし動きも遅い。何か敵意のあるものに襲われたらイチコロですよね。 あと大陸棚のような海の崖も恐ろしい。あの底も見えないところから何か巨大なものが飛び出てこないかとか、映画だから少しワクワクして見てましたが現実なら怖すぎる。大陸棚の崖から飛び出すシーンはもっと広い視点から見せて欲しかった。そのほうがあの場所の広大さが際立つのに。 まあ予想の範疇というか、思っていた形のものを思っていたように楽しめたという印象です。これではない次作の宣伝を見て興味を持って鑑賞したのですが、次作も見ておこうと思います。[インターネット(字幕)] 6点(2022-07-10 21:12:00)《改行有》

88.  まともじゃないのは君も一緒 《ネタバレ》 好きなシーンがふたつあります。秋本さん、君島さん、柳くんで突然恋愛話を繰り広げるシーン。もうひとつは宮本にひどい扱いを受けたのに無理矢理自分を納得させようとする秋元を本気で叱る大野さんのシーン。見てるこっちがなんだかあったかい気持ちになったり、なんだか泣きそうになったりしました。 「あんた誰?」と君島さんに言われ続けながらも人が人を好きになるメカニズムについて探り続ける秋本さんと、2人で思い出話にふける君島さんと柳くん。あんなに堂々と赤裸々に自分がその相手をどう好きになったのか語ることなんてこれからあるだろうか。語りたいなぁ。なんだか爽やかだし羨ましいとも感じた。 大野さんが秋本さんを叱るシーンも凄かった。それまではいかにも数学の人って感じの無機質な回答しかしてこなかった大野さんが「普通」というTHE・文系の概念に対して疑問を呈す。 「君の言ってる普通は何かを諦めるための口実なのか?」 「『普通はこうだから』とか『普通はそうじゃないから』とか、なんで自分で考えないんだよ!?」 効いたなぁ、、、このセリフ。 数学でも他の何かでもいいんですけど、何か一つにのめり込んだ人ってとにかくピュアで、その対象が何か他のことに及んでもそうやって育ってきた性質は変わらなくて、だからやっぱりピュアで。そういう人が何かについて意見を述べるときのパワーはすごいものがある。 だが、現実にはそんな人、、、いないんだよな。 昔大学時代に一人だけそんな人がいたけど、彼はどうしてるんだろう。なんかそんなことを思い出した映画でした。めっちゃ良い映画です。おすすめです。[インターネット(邦画)] 9点(2022-07-10 18:12:28)《改行有》

89.  わたしは光をにぎっている 《ネタバレ》 ゆったり、ゆっっっ、、、たりと流れるストーリー。100分にも満たない、映画としては短めの時間ながらも、良い意味で時間の流れがゆっくりと感じられる映画。 小さな町の小さな銭湯、小さな映画館、小さなラーメン屋、小さなエチオピア料理店、それらのお店に少しずつ関わる澪という女の子を中心に話は回ります。とても内気でお世辞にも社交性があるとは言えない澪ちゃんですが、作中でコミュ障が治ってめっちゃ元気に!なんてことは起きません。基本的には初めのキャラクターから変わらず、しかし段々と「芯」が通ってきたような印象を与える、とても繊細な様子を描いていました。 できること、小さなことから始めた銭湯の仕事。思ったより自分に合っていて最終的には自分で別の銭湯を開くまでに。何が自分にとって「ハマる」のかなんて誰にも分かりません。だって自分でもわからないのに。だからこそ、立ち止まるのではなく、失敗してもいい、不器用でもいい、少しずつでも前進しようとする様の必要性・重要性をしっかりと教えられた気がしました。 そしてそういった全てをひっくるめて一つのドキュメンタリーとした上映会。私もあの観客の一人だったんだなと実感しました。実際に住んだこともない知らない町のドキュメンタリーであれなので、もし直接深く関わった町のそれであれば、もっと気持ちが入って何も言えなくなるだろうな。感動できました。心にスッと、しかししみじみと沁みる、良い映画でした。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-08 00:45:54)《改行有》

90.  記憶屋 あなたを忘れない 《ネタバレ》 都市伝説としてまことしやかに流れる噂の中の人物、記憶屋。記憶屋はどこからともなく現れ人々の記憶を消すと言う。そんな記憶屋を巡って話が流れるのですが、この映画は記憶屋を探す探偵的要素が大半を占めます。記憶屋とは誰で、どこにいったら会えるのか、手がかりを求めあっちこっちへ。記憶屋そのものがどうと言うことより足取りを追うほうにウェイトを置きすぎていた印象です。ただの人探しなら別に「記憶屋」なんて特殊なものをテーマに扱う必要はない。 記憶屋についてもっと掘り下げて欲しかった。記憶屋とは本当に記憶を消すだけなのか、取った記憶は戻せないのか、記憶屋は取った記憶を自分のものにするのか、見たくない記憶も強制的に見てしまうのか、他にも記憶屋と呼ばれる人たちはいるのか、など、見ていて気になるところはたくさんあったがほとんどそれが解消されることはなかった。 「記憶には忘れたほうがいいものもある」「いやどんな記憶でも消してしまうなんておかしい。ずっと抱えて生きていくべきだ。」 という、なんだか他の映画でも聞いたことがありそうな話をずっとしています。そもそも別に記憶屋という話でなくてもこういうことがテーマになることはよくあって、そういう意味では別段珍しい話ではない。 個人的には、別に私は理想主義というわけではないですが、どんな記憶でも持って生きていけば良いと思います。それがたとえひどい事件の被害者としての記憶だったとしても、それをどう受け止め吸収するかはその人次第。その経験をもとにその人の人生がどう変わるかは誰にも分からない。そんな可能性を第三者の誰かの判断で変えることにはやはり違和感がありました。あくまで自分なら、という話で別にそれを誰か他人に押し付けようとは思いません。結局、その当事者がそれで良いなら記憶屋でもなんでも利用すれば良いと思う。つまり、どっちでもいい。 主役の彼も、消さなくても良い記憶まで消した幼馴染に対してどういうメンタルで許すことができたんだろう。その辺りの描写が全く不十分で、結局この映画のほとんどに人に感情移入できなかったことがそのままこの映画の評価になっていると感じた。製作の人たちがやりたいようにやっただけ、という印象です。それがうまく転ぶパターンもあるんでしょうが。。。[インターネット(邦画)] 3点(2022-07-07 22:44:38)《改行有》

91.  あの頃、君を追いかけた(2018) 《ネタバレ》 不器用な恋愛映画。ひと言で言うならこれかな。まあ恋愛映画って大抵そうですが。しかしこの不器用っぷりはなかなか。。。天然で奔放に振る舞ってる姿を好きになってもらって、自分もその気になったものの意識すると逆に不自然になって結果彼女との距離が開いてしまう。挙句彼女に当たり散らして決定打となってしまう。 自分にも似たような経験があり、後になって悔やんでも悔やみきれないそんな思いはとても共感することができた。パラレルワールド、、、そんな世界について考えないでもないが、結局自分ではない別の誰かのいる世界まで気にしている余裕は私にはありません。 映画の半分以上は高校時代のエピソード。幼稚と馬鹿にされ軽蔑の対象だった異性と距離が縮まっていく様子は見ていてとても楽しめました。忘れた教科書をさりげなく貸してくれた時、朝や放課後にいつも前後の席で一緒に勉強していた時、背中に刺されたボールペンの跡、校内の盗難について先生に歯向かったクラスのみんな、すべてすべて良い思い出だった。この高校時代の描写が一番楽しめました。 ここからは失恋の流れになっていき、展開もトーンダウン。映画としてはそれはどうなんでしょう。どうやら違う映画のリメイクだとさっき検索して知りましたが元ネタは知りません。その影響もあるのかな。 浩介はあのままなら真愛と幸せになる道も確かにあったのかもしれない。でも真愛に知識を与えられ、変に賢くなってしまったが故にうまくいかなくなってしまったのかなと感じました。りんごはその象徴なのかなとか、考えすぎですかね。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-06 01:21:22)《改行有》

92.  君と100回目の恋 《ネタバレ》 恋愛映画としては正直よくあるものだなーという印象を受けました。が、ラストの歌と「このレコード、食べちゃっていいからね」が最後の最後でこの作品を深く、彩りのあるものにしてくれたと感じました。 まずは歌。個人的な好みですが、歌詞で聴かせる歌というのが大好きです。時かけの実写版みたいだなぁとなんとなく二番煎じ感で見ていたのですが、陸のノートで葵海を何度も死なせてしまっているのがわかった時、時間を戻せるレコードがあるのに陸の母は早くに亡くなっていることに気づいた時、そして葵海はやはり助からないという結末を迎えた時、とっくに二番煎じ感は無くなっていました。そういったストーリーを全て含んだ上でのラストのあの歌の歌詞は反則です。少し若者向けにラブコメ感やご都合主義がありましたがあえて深くは突っ込みますまい。ひとつのヒューマンドラマとして楽しめました。 そして「このレコード、食べちゃっていいからね」。最初このレコードもチョコレートで出来ていると分からなかったのですが、そのセリフでそうなんだと。かつて陸がやったチョコレートレコードのオマージュなのですが、亡くなった最愛の人からのメッセージなんて針で擦り切れるまで何度も何度も聞きたい、まして食べてしまうなんて出来るわけがない。そんなものをチョコレートで作るなんて、すごく残酷で、でもはっきり毅然とした「前を向け」というメッセージなんだなと思いました。 思えば今の世の中ってこれと全く真逆だと感じます。昔からある卒業アルバムや現像された写真などはいざ知らず、今は身の回りには途方もない容量の記録媒体やクラウドサービス、SNSなどが溢れ返り、人々は少しでも気になるものはすぐ写真や動画に撮りそれを保存し、誰かと共有する。きっと探せばかなり古いメールや写真のデータなどみなさん結構あるんではないでしょうか。 私たちはそういうものを保存して、所有して、なんだか財産が増えたような気になって安心する傾向があるように感じます。別にそれ自体が悪いことだとは思いません。そういう私もすぐ何かを写真で撮ったりするタイプなので。ですがこの映画はそうではなく、次々現れる出来事や人との出会いを、何十年も保管できるハードディスクに保存しておしまいにするのではなく、すぐ消えるチョコレートだと思って今すぐ全力で楽しみなさいと言っているように感じました。 本当にそんな意図で作られた映画かはわかりませんが、私はそんな意味で捉えて楽しむことができました。もし製作された監督さんなどの意図と違っていましたらすみません。あしからずご了承のほど。[インターネット(邦画)] 9点(2022-07-04 21:58:39)《改行有》

93.  葛城事件 《ネタバレ》 はじめは状況がよく飲み込めなかった。死刑判決を受けた獄中の通り魔殺人犯と結婚する女。「何が狙いだ」ほぼほぼ感情移入できなかった父親の、このセリフだけは同感だった。この順子という女、何? ある一家の引きこもりニートの次男が突如通り魔殺人を犯した、事後と事前の家族の模様を描いた作品。時に漢のあるべき姿を論じ、時に日本の行く末を案じ、しかし実体は父親として中身の伴わない威圧と暴力のみの男。人として彼の威厳を裏打ちするものが見事なくらい何もなく、ここまで空虚というものを描いていることは見事としか言えない。本当に空虚だった。 ただ、そんな話を俯瞰して他人として見ていながらも、ふと、自分にもそんな面は少なからずあるんじゃないかとも思いました。虚勢をはったり変な理論振りかざして悦に浸ったり。 人は誰しも他人から尊敬されたり持て囃されれば嬉しいものです。結局この家族、とりたて父親と次男の稔は人恋しかったんだなと思いました。俺を尊敬しろ、俺に期待しろ、俺のそばにいろ、そういう内面がひしひしと伝わってきました。人からどう見えてるかわかっていないのにやたらと体面を気にする姿はとても滑稽で見ていて痛々しい。だが厄介なことは、当の本人たちはそれに気づいていないということで、それはそのまま私にも当てはまるんじゃないかと怖くなった。自分決してあの中華料理店のようなことはしませんが、何かの時にふとそういう態度を取ったりしていないか、少し自戒の意を持ちました。 結局順子とは何だったのか。何が目的で近づいてきたのかわからない。本人は死刑制度への反抗のためと言っていますがそれと稔との結婚は何も結びつかない。父親とカラオケバーに行くことも結びつかない。そんなことに自分の時間と身を捧げる人が果たしているのか?全く現実味のない人物だった。 兄の保だけは何とかなったのではないかと悔やまれる。しっかりした奥さんを持ち、可愛い子供が二人もいて、どこかでそっちに立ち返られなかったのか。選んだ仕事が良くなかったり合わなかったということもあったかもしれないが、なぜ毒親と毒弟に引きずられたのか、悔やまれます。 たまたま今日読んだ本に、「リベラル化が進むと個人の自己責任化が進む」と書いてあったのを思い出しました。現代は、やりたいことを見つけてそのために邁進せよ、でなければ社会に置いていかれる、というような風潮です。この父親の時代であればまるで家督を継ぐように親の代からのものをそのまま引き継げばよかった。仮にそれで失敗しても「時代が悪かった」と言える。しかし今の時代においてはどんな仕事を選んでも自由であるが故に、うまくいかなかった場合に個人の責任とされる領域が多分に占めている。そうなってしまった場合の無力感はいかばかりか。稔もそうだったのかなと、ふと思いました。実際生きにくい世の中になったな、と感じるのは私だけでしょうか。。。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-02 00:32:49)(良:1票) 《改行有》

94.  君は月夜に光り輝く 《ネタバレ》 発光病、なんとまあロマンチックな病気だろうか。体が光り輝く病気で、それを発症すると100%死ぬって。ドラマを作るためにあるような病気だな。てか実際そうか。体内にあるバイオフォトンというのが異常に活動してそうなる、というのはなんだかそれっぽい理由で面白かったです。 しかし、なんというか変な言い方ですが、病気の綺麗さに頼った映画だなとは思いました。これが例えば、身体がぐずぐずに腐ってくる病気とかだったら話はこんなふうに進んだのかとか思ってしまう。しかもまだ解明できていない病気なのに、感染の可能性を患者も病院も一切意に介していないことがまた不思議。いまのコロナ禍だから余計にそう思うのかな。 動けない女の子のために自分が願い事を代行する、というのは面白かったです。海行ったりバンジーとかならまだわかるが、一人遊園地とか一人カップルパフェはやりすぎだと思うが。そういえば、バイトの女の子はなんのために登場させたんだろうか。意味深に登場してなにかあるのかと思えばすっ・・・、とフェードアウトしてしまった。岡田、まみず、バイトの子の三角関係を期待してしまったのは私がゲスいんでしょうか(笑) タイトル通り、きれいな恋愛ドラマです。良くも悪くもライトノベルのよう。原作があるのかな?ディープな人間ドラマや恋愛物が見たい人には物足りないかな。[インターネット(邦画)] 5点(2022-06-24 08:22:58)《改行有》

95.  累 -かさね- 《ネタバレ》 まず傷モノの顔は醜い、という観念で終始物語は進みますが、なんだろう、私は彼女が醜いとは一ミリも思わなかったしむしろ魅力を感じた。別に傷が好きというわけではないし、そういうものを持つ人に哀れみを持ってそんなことを言うわけでもなく、純粋に魅力を感じる。なぜだろう。たぶん、私自身は傷とかどうでもよくてむしろそれが故に厭世観を持つような人が好きで、かつ単純に累は可愛いと思ったからかな。まあやはり傷入りの顔で舞台女優として成功するのは難しいんだろうか。伝説の女優として名を馳せたいならむしろその傷をもってして成功すれば、より実力が認められることだろうに。 個人的にはもう少しシリアスな展開を期待していました。本物の丹沢ニナが自分の顔を持つ累が成功していくのを見て嫉妬するシーンが来るたびにグダグダ感を感じます。積もり積もってラストで、というのならわかりますが、たびたびそんなシーン入るので。入れ替わりの覚悟が見えない丹沢ニナにもどかしさを覚えます。 あと、累の中身に魅力を見出せる演出家の烏合さんはそこそこ重要人物だと思うのですが、使い捨てなんですね。それに急に丹沢ニナの持病が(しかもそこそこ重いやつ)明らかになったり、設定が重いのに全体的に作りが軽い気がしました。 現代版、本当は怖いグリム童話ってところでしょうか。シンデレラ的な話にしたくて口紅の有効時間という期限を設けたのかな。てかあの口紅って使っても使っても無くならないのかな。デスノートみたいだ。 実際累が自分の周りにいたとしてどう思うかという想像に駆られました。冒頭に書いたように、興味があって近づこうとしたり話しかけたりはするかもしれませんが、からかったり避けたりする気はさらさら起こりません。私だけの感覚でしょうか。他の人の意見も聞いてみたい。とりあえず今から他の方のレビューを拝見させていただきます。[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-23 01:05:11)《改行有》

96.  友罪 《ネタバレ》 作中のほとんど誰にも感情移入出来なかったので、理解できないことによる不快感が長かった映画だった。 鈴木(青柳)が何を考えてるかも、職場の先輩たちのくだらなさも、益田くんの葛藤も行動の安易さも。結局青柳を理解できる話でもなかったし、増田の秘密も最後にようやく明かされ、でもそれも話の流れで大体予想がついた内容で、「で?」とその後を聴きたくなるのだが。 タイトルが『友罪』なのにタクシードライバーの山内さんはどこらへんが『友罪』なの?友を題材にしているわりに、そこですら薄っぺらい印象だった。 結局、過去に人を死なせた、または死なせるようなことをしてそれでも今を生きている人たちがどうするかをメインとして描きたかったんですよね。なら『友罪』ではないだろう。藤沢さんも然り、なぜこの人たちを出したのか、狙いがよくわからなかった。 殺人者の友、殺人者の息子。流石に実際に殺人者の知人がいたわけではありません。ただの想像に過ぎませんがもし自分の周りにそういう人がいたら、、、意外と自分は気にしないかもしれません。その人がどんな人か次第ですが、どちらにせよ騒ぎ立てて周りを煽りまくるようなことは絶対しないかな。作中、雑誌の編集長らしき人が偉そうに語ってましたが、あれはぶん殴っていいやつですね。見せてもらった動画を盗撮して記事にしたあの女も。 よく知りもしない他人のことを暴き立てて面白おかしく記事にする、なんであんな商売が成り立つんだろう。ほんと、不快感でした。[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-16 01:35:08)《改行有》

97.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》 色んな意味で見ていて辛い話でした。まずは安藤さん。ひとりよがりで相手の気持ちなんてほとんど考えていないその性格にイライラするし、いちいち岡田くんを巻き込むことにもイライラ。これは映画ですが、実際あのくらいの年であんなに人に依存してそのくせ自分の方が上みたいに思って生活してる人いるのかな。森田くんにやられてちょっといい人みたいになったけどあれがなければ安藤さんも道を踏み外していただろう。 次に岡田くん。彼もはっきりしない。安藤さんの手伝いをするのか、阿部さんと付き合うのか、森田くんに電話するのか、優柔不断ではっきりしない。ウジウジモゾモゾしていて見ていてじれったいったらない。演出上そういうキャラにしてるのもわかるが、濱田岳さんがハマりすぎていた笑 ぶっ飛んでいたのが役名も本名も森田君。彼のイカれっぷりはすごい。初めはナイフ(包丁)で犯行を進めていたのが、警官も殺し銃を手に入れてそれをどう使うのかと思いきや、無計画に撃ちまくって肝心の相手を狙う時にはもう残弾ゼロに。あの無計画性がまた本人の突発的狂気性にもつながっているようで、かえって怖かったです。 映画が半分も過ぎようかという時にタイトルが出てきたのにはびっくりした。でもそれは面白い演出でした。おおって思って少し引き込まれました。 ただ映画自体はどうかなあ。インパクトはあったんだけどやりたい放題やって終了みたいな、見ている側はなんだか疲れてしまった。 ややコメディタッチの三角関係や四角関係を観客に見せたいのか、森田くんの凶暴性を見せたいのか、彼の内面を掘り下げて何かメッセージを伝えたいのか、何が目的なのかさっぱり分かりませんでした。足ちぎれて「おかあさーん、麦茶持ってきてー」って言われてもね。。。わぐっちゃんも結局何だったのか、ただの森田くん暴走のトリガーになっただけなのか。それだけのために彼と彼の彼女にあそこまで時間を割いたのか。 あまり、自分は楽しめない映画でした。[インターネット(邦画)] 5点(2022-06-14 01:32:54)《改行有》

98.  グラスホッパー 《ネタバレ》 なんとなく、本当になんとなくですが、『世にも奇妙な物語』を観てるような目線でずっと鑑賞していました。 冒頭からラストまでずっと裏社会描写だったからでしょうか。どこか現実味の薄い展開が続きそのように感じたのかもしれません。 結局何が言いたかったって、ストレートにハロウィンなどで馬鹿騒ぎする群衆をイナゴやバッタに例えて物言いたかったのかな。私自身は、ハロウィンはもちろん、アーティストのライブなどでも、「みんなやってるからお前もやれ」的な場がとても苦手で、だからあのようなイベントで盛り上がる人たちの気持ちはほとんど理解できないのですが、原作の伊坂幸太郎さんもそうなのかな。群集相のバッタを人と同じと捉え、その有り様に警鐘を鳴らす。人と合わせる余裕もない私には、ピンと来ない感覚ですが。 殺した相手の霊が見える鯨も、シジミが好きな蝉もどうでもいい。ただ、このどんづまった世の中に何か風穴が開くように、そんなことを願った映画でした。[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-12 23:21:42)《改行有》

99.  mellow メロウ 《ネタバレ》 爽やかな恋愛、を映画にするとこんな感じでしょうか。中には少し泥臭いものもありましたが、「どんな結果になっても告白はしろ」というメッセージは強烈に持っていた。作中の告白は見事に全て×でしたけどね。 女性が女性に憧れる、というのも身近で似たようなことがあったのであーあれねと、私は結構簡単に受け入れてしまいます。特に作中のように女子の体育系クラブでは割とあるある。バスケとかハンドとか。でもやはり相手もOKという割合はだいぶ低くて、「ありがとう、でもごめんなさい」が大半の結果なのではと思う。 そう思うとなかなか難しい関係の告白が多かった。既婚者の女性が旦那を同席させての告白、女子中学生が同じ学校の女子の先輩に向けての告白、女子中学生の成人男性への告白、などなど、はなからわざと「それは無理だろ」という告白を作中に出していたのかな。 文字で書くとなんだか暗い雰囲気と思うかもしれませんが、私がこれを観た日は驚くような雲ひとつない晴天の日で、冒頭に書いたようにこの爽やかな恋愛映画にすごく爽やかな日和がこの映画の雰囲気ととても合っていたことを覚えている。今日この映画を観れて良かったとも思えた。恋愛、告白、とはまた違うかもしれませんが、この映画と良い出会いができた、そう思えました。[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-12 21:29:41)《改行有》

100.  罪の声 《ネタバレ》 なんて言えばいいんだろう。。。どこから書いていけばいいのかわかりませんが、とにかく見応えがあって、面白かった。まずはそこです。 原作は既読です。随分前に読んだきりですが。ですが個人的には映像化されたこちらのほうがより引き込まれました。物語自体もとても面白かったのですが、私が惹かれたのは小栗旬さん演じる記者=阿久津さんの記者としての姿勢でした。興味本位で人の人生を暴き立て書き立てる記者とは違い、彼は曽根俊也と接する中で記者としてのあり方に疑問を呈します。「あんたらは面白おかしく記事にして、でもこっちはどうなる?妻と子供もいるんです。子供の未来はどうなる?」 彼は元社会部の記者であり、事件の被害者の生の声を聞きながらも、それが他社を出し抜けるネタであるかどうか計算してしまう自分が嫌になり、社会部を辞め文化部へ。しかしこのギン萬事件をきっかけに再度記者としての自分を問い直す彼の姿を見ることが、この作品のもう一つの魅力でした。報道とは公正中立であるべきですが、かつ、取材対象に寄り添うことも両立できる記者なんていたらどれだけ良いだろう。阿久津さんはそんなことを思わせてくれました。曽根俊也が言うように、取材対象の娘を怖がらせてしまって、咄嗟に娘のことを慮り、嘘をついてその場を取りなす、そんな男ならとても好感が持てる。そんな人間ドラマが見れるという、それだけでも価値のある一作です。 利用して子供のその後の人生など顧みもせず、自分たちの所業を「正義」と言う曽根達雄に語りかける阿久津さんの言葉は重くもしかし痛快でした。本当に、こんな記者がいてくれれば良いなぁ、と思わずにはいられない映画でした。 そして、エンディング曲も素晴らしかったです。良い作品は、曲も作品に合っていて聴いていたくなりますね。[インターネット(邦画)] 9点(2022-06-10 01:02:04)《改行有》

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