みんなのシネマレビュー
feroさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 204
性別 男性
年齢 46歳
自己紹介 専門は邦画とヨーロッパ映画(特にフランス)。気に入った監督や俳優がいればひたすら観つづけるので、どうしても同じジャンル・国に集中してしまうようです。(だからあまりハリウッドを観ない。)

最近引っ越してしまい、なかなか映画を気軽に観ることができなくなりました。撮りためたビデオとDVDばかりになりますが、観たものは書き込んでいこうと思っています。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011
投稿日付順1234567891011
変更日付順1234567891011

81.  リリイ・シュシュのすべて イジメにしても、レイプにしても、もう10年以上前から(実は三島由紀夫は30年以上前に作品にしているが、)社会問題化していて、十分に語り尽くされているストーリーなわけだが、それを臆面もなく大々的に取り上げて、観るものに投げつける岩井俊二の力技的な技量には、なんとも言えなくなる。観る者としては、これだけリアルな世界が発達し続けて、犯罪のニュースが氾濫している中では、イジメの問題も、レイプも、中学生の犯罪もお腹いっぱいで見たくないという思いが強い。だから、ニュースもその深部はあえて伝えようとしないし、知識人がテレビであえて語るようなこともない。あれだけ活発だった「朝まで生テレビ」でも、最近青少年問題を取り上げることはない。そんな中で観たこの映画は、そのストーリーの力強さに、完全に押されてしまった。正直に言って、ストーリーは過剰ではないのか?という思いも強かった。しかしこの映画を観る中で、自分の尺度では"過剰"だと思えるようなことでも、世の中にはリアルに存在して、それは稀であってもリアルなことだろうな、なんてことを考えた。それにしても、岩井俊二はいいスタッフを使う。小林武史の音楽は最近のヒットチャートでは流行らなくなったが、フィルムに載せてあげると活き活きとした音楽になる。篠田昇は光線の使い方が日本一上手い。この人は、本当に日光を知り尽くしたカメラマンだと思う。そして、監督である岩井俊二は、「本人も理由のわからない苛立ち」を描かせると本当に光った演出をする。そういうことを考えて、とにかくいい映画に仕上がっていると思う。7点(2003-12-27 21:50:11)

82.  ブルーベルベット 「耳」という衝撃は大きかったのですが、その衝撃から先にもっと大きな胸ぐらを掴まれるような衝撃を期待してしまったために、ちょっと物足りない気がしました。最初の方は良かったんですが、恋愛の部分があまり好きじゃないから・・・好みの問題だとは思いますが、あまり映像も好きではないと思いました。 作中に流れる歌は素敵だなと思います。6点(2003-12-27 21:32:51)

83.  老人Z 風刺としてもあまりにありふれていて、もう一捻り欲しい作品ですね。単純には面白いとは思うのですが、これでそう評価できるほどのものでもない気がします。色あせてしまうテーマだから・・・と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが。4点(2003-12-27 21:27:41)

84.  ファストフード・ファストウーマン うーん、なんか点数を付ける大きな要因が無いですね。ストーリーだとか、キャストだとかにそう魅力があるわけでもないし、うーん。エンディングはきちんと収まっているんですが、特に誉めるべきところもなく。こんなもんでしょうかね、なんか気の効いた意見も出なくて、どうかと思いますが、感想も「普通」です。5点(2003-12-27 21:22:30)

85.  宋家の三姉妹 面白いかと言えばそうでもなく、かといってつまらないわけでもなく、史実に正しいかと言われればそうでもなく、かといって間違っているわけでもない。なんというか、中途半端ですね。ドロドロとした愛憎劇を期待していたわけなんですが、とことん美化して伝えたいんでしょうか?現代の、全体を俯瞰できる時代で作っているんですから、また時代考証のされているストーリーなんですから、もっと深く描いて欲しかったなと思います。宗美鈴は公開時にはまだ生きていたはずだから、それに遠慮でもしたんでしょうか?とにかく、綺麗に小さくまとまっちゃったな、という映画。6点(2003-12-26 23:26:18)

86.  棒 Bastoni 《ネタバレ》 松岡俊介主演で、脇にトモロヲというわけで、楽しみに観たんですが、まったく気合の入っていない映画でした。この映画の中で良かったと思えるのは夏生役の小島由佳の健闘と、トモロヲの涙を流しながらディナーをかきこむシーンです。あとは、「うーん」と消化不良のままでした。ひどかったのが美由紀役の女性ですね。なんだか、8年前のシーンからやけに老けてるし、魅力はないし、もう少し若くてそれらしい女性は起用できなかったんでしょうか?色気も、悪女の魅力もぜんぜん感じられません。松岡俊介は、なんだかとことん貧粗に見えますね。そういう男を描きたかったのか、ただ単にそう見えてしまうのか、とにかくダメでした。ま、いいかで3点です。3点(2003-12-26 23:19:43)

87.  裸足のトンカ ジャン・ユーグの初監督で、自身が主演も努めるこの作品。監督として光るものがあったかなかったのか、それは僕にはわかりませんが、やっぱりラブストーリーが好きなんだなと思いました。やっぱりユーグは恋する男じゃなきゃな、と一人で納得してみたりしています。相手のトンカ役の女の子が、ストリートで暮らす女性をすごく魅力的に演じていたのも印象的ですね。コカコーラの看板に住むというアイデアもなかなかです。それと、人種の違う男女が、難なく恋に落ちていくところは、フランスの自由さを感じました。あとは、主役のスプリンターとしてのユーグがちょっと頼りなかったのが残念です。200は肉体的に厳しそうだったので、400あたりにしておけば良かったのに。6点(2003-12-26 23:09:59)

88.  JSA いつも感じるのですが、政治的意図のある作品って、どうしてもリアリティが感じられませんね。話が大きすぎて、俳優さん達の演じている演技と、その先につながっている表現したいものの間に断層があるようです。こういう作品は「もしかしてノンフィクション?」と思わせるくらいの迫力がないと、どうしても絵空事に思えてしまうわけです。実際にこんなことあるのかな・・・と考えると、ないな、と結論付けてしまいます。韓国・北朝鮮の、戦場から一歩離れた人々の生きている所を描写に織り込んで、息遣いのようなものを感じさせて欲しかったです。それと、韓国の俳優さんはなんでみんなオーバーアクションなんだろう? 5点(2003-12-25 16:29:30)

89.  クロエ(2001) ともさかりえさんって、非常にいい演技をする女優さんなんですね。一言で言えば、自然体。映画らしくなく、まるでほんの横にいる彼女と会話しているような、どこにでもある、普通の会話を上手く表現しています。それが一番良くあらわれていたのは、「え?」とか「なになに?」とかいう瞬間の演技。眉間の皺、ちょっととがった口許、困ったような眼、どれも媚びるわけでなく、甘えるわけでなく、突き放すわけでなく、お互いの距離を表情だけで演出してしまうのは、その上手さに感服したという気持です。それを、少しずつ、少しずつ病気の進行とともに変化させていったのは、監督の力でしょうか、女優の力でしょうか、本当にこの演技には驚かされました。それにあざといと感じる方もいるかもしれませんが、篠田昇の映像力。(岩井監督作品の撮影もほとんど彼。)彼は光線の使い方が秀逸です。現在、日本で日光を映したら一番のカメラマンなんじゃないかと思います。ストーリーのファンタジックさに少々無理があったのが惜しい気がしますが、"キタノ"という設定やそれにつながる英助とヒデミのストーリーの流れに、心を締め付けられたので良しです。神の存在や、何のために生きてんだ!ってことにもう少し突っ込んでくれたら・・・と、期待の8点です。 あ、そういえばキタノ役は青山真治でしたね。青山監督映画「EUREKA」に出演した利重剛と、利重監督映画「クロエ」に出演した青山真治。「ベルリン」助監が青山真治だったことも考えれば、なんだか深いつながりを見て取れますね。しかし、俳優としては圧倒的に利重剛が上手い!8点(2003-12-25 12:36:48)

90.  我が胸に兇器あり 青山監督のVシネ、Helplessとチンピラの間にある作品。この作品は、ジャンルとしてはB級アクションですが、そこから一歩踏み込んで見応えのある作品に仕上がっています。ストーリーは主役の刑事(清水宏次朗)とブツを隠した風俗嬢(青葉みか)が、ヤクザ(諏訪太朗)と殺し屋(菅田俊)に追われるという単純なものです。ここで、青山監督は悪役の描き方で力を発揮しています。最近のVシネでも多くみられる、殺し屋の背景を描いて「何故殺しあうのか?」を映すという方法もとっているのですが、注目すべき所は、もう一方の悪役であるヤクザにこの映画の中で一番人間臭い演技を与えていて、憎めないキャラに仕立て上げている所です。これはこの映画を「ちょっと違うな」と思わせる所でしょう。しかしながら、このような"映画臭い演出"のおかげで、肝心のVシネの魅力が半減されたように思えてなりません。例えばアクションシーン。途中とラストで闘いのシーンがあるのですが、おまけで付け加えたような感がぬぐえません。そして、ヒロインとの濡れ場。これには是非があると思いますが、主役とヒロインに修羅場をくぐり抜けることによって愛が芽生えるという"おやくそく"がないと肩透かしを食ったような気がします。それに、途中で中途半端なレイプシーンを挟むなど、どうしてもVシネの制約を最低限クリアするための演出が目立ちます。青山監督は、「冷たい血」などを観ているとどうしてもベッドシーンを描かない方針があるような気がしてなりませんが、ちょっと訝しく感じてしまいます。ともあれ、ストーリーが上手く練り上げられており、制約の多い中かなり上手く出来た映画には変わりません。名作とは言いませんが、初期作品として重要な一本。 6点(2003-12-25 12:04:36)《改行有》

91.  フレンチドレッシング(1998) 《ネタバレ》 変なテーマでいきなりレイプシーンで始まるし、青春モノなのか学園モノなのか、同性愛モノなのか変態モノなのか、よくわかんない映画なんですが、意外に楽しめました。ホント、自分が監督が何を言わんとしているかを理解しているかは怪しいものですが、爽快感と緊張感を持って映画を一本観れたので良かったんじゃないかと思います。結局、謎ばっかり残りましたが、別に謎解きじゃないしいいんじゃないかと思える変な作品です。6点(2003-12-25 11:19:26)

92.  ハモンハモン スペイン映画!ってこんな感じなのかなと強烈に印象付けられた作品です。なんと言っても、各俳優の個性、そして力強い欲望。こんな風に、欲望を強烈にアピールしている映画はなかなかないですね。だいたい、出て来る小道具だとか看板だとか、そういったもの全てが男性器だとか女性器だとかを連想させると思っているのは僕だけでしょうか?とにかく熱烈・刺激的!ペネロペが熱い!ハモンハモンって豚の後ろ足のハムらしいですね。ペネロペの足はまさにハモンハモン!7点(2003-12-24 20:30:34)(良:2票)

93.  ベルエポック(1992) スペイン映画なんだけど、この映画監督は何が言いたかったんだろう?アカデミー賞外国語映画賞という大層な賞をもらったんだから、何かしら意図なり見せ場なりあるとは思うんですが、僕はポカーンと観てしまって、あれ?終わり?という感じです。何だったんだろう・・・。冒頭あたりと、途中でいくつか、主役の青年の逃げ出してきたクーデターにからめて王制と共和制についての議論をしているんだけど、その顛末を詳しく知らない僕にはポカーンです。というか、その議論も議論になってなくて、まったく上っ面を撫でているだけなので、そう重要な部分とは考えられません。かといって、青年と四姉妹の恋愛が主軸かと言えば、特に心の揺れだとか感情の機微だとかを描いているわけでもなく、ただ誘われてセックスして、はい次みたいな。ヨーロッパの映画に多い、例えばオープンユアアイズみたいにペネロ・ペクルスをはじめとする女性陣を美しく撮っているわけでもなく、田舎の自然を美しく撮っているわけでもなく、宗教や政治を主題に置いているわけでもなく、正直よくわかりません。誰か観た人、この映画の良さを教えてくれませんか?4点(2003-12-24 20:21:52)

94.  道頓堀川 原作っていうのは所詮"原作"でしかなくて、映画の中では全然違うものになってしまうんだな、ということを知った作品。というか、それはないっすよ、深作監督。原作のいいところが全然ないじゃないですか!というか、全く違うストーリーになってますよ!なんだか、期待してみたぶん落胆が大きくて、観ていて辛くなってしまいました。この映画だと鉄男も政夫もダメ人間になっちゃって、邦彦一人がいい人みたいですね。しかも、鉄男の玉突きの腕も落ちてるし。何よりスリークッションじゃなくなってるし。ハスラー映画としての魅力はこの映画には全くないです。僕も、映画だからどうしても削ってしまったり、変えてしまわねばならない設定があることはわかります。しかし、せっかく「ビリヤード」というスポーツのようで決してスポーツではないバクチを軸にした親子の対立、そしてそれを見つめる天涯孤独な青年という、すごく魅力的なテーマが原作にあるにもかかわらず、松坂慶子と真田広之の濡れ場がメインであるかのような陳腐で低俗としか言えない恋愛映画にしてしまったのには、原作を楽しく読んだものにとっては苦痛に近い。ということで、自分の中では最低ランクにさせていただきます。2点(2003-12-24 19:52:53)

95.  雨上がりの駅で 最後の、コラの笑顔がとても素敵です。本当に、この最後のシーンまでコラは憎たらしいはすっぱな女なんですが、最後の最後に最高の笑顔を見せてくれました。それには、その前のコジモの絶妙とも言える演技が効果的に効いています。ちょっと気になるのは、少しテーマが陳腐かな?いろいろとエッセンスは散りばめてあるのですが、匂わすだけで終わっていました。それは、作品の現実味という点ではいいのですが、コラの喧嘩だとか、コジモの巻き起こす騒動なんかがあっても良かったんじゃないかと思います。登場している兄も、どういう位置付けなのかわかりませんね。それにしても、コラ役のアーシア・アルジェントのビッチな女役は上手いなと思います。険のある美人で、スタイルが良くて、ズバズバものを言う性格で、とにかく憎たらしい。そう悪い映画ではないな、という印象。6点(2003-12-24 11:48:17)

96.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 入江コーチの言葉、「あの時は私もボートしかなかった。その時は・・・」が、この映画の全てを物語っているでしょう。ボートで負けないために頑張る女子高性の青春、淡い恋愛。とても単純なストーリーですが、下手にイベントを入れなかったぶん、爽快感のある作品に仕上がりました。悦子の故障も腰と貧血というありふれたものにしたことが、作品を身近なものにしました。音楽も素晴らしかったですし、満足感のある青春映画だと言えます。負けなかったことを告げる悦子の電話のあと、白竜演じる父の一瞬の演技が良かったと思います。8点(2003-12-21 22:24:59)

97.  野性の夜に 《ネタバレ》 ここで3人目の満点をつけることに、躊躇はありません。この映画は素晴らしい、多くの人に観て頂きたい名作だと確信しています。この映画には、AIDS、同性愛、右翼といった幾つかの問題を孕んでいますが、最終的に観るものに突き付けているのは「いかに生くるか」に尽きます。このテーマを真正面からぶつけているこの作品に、僕は最高の点数をつけざるを得ない。フランス映画で、僕はいくつかの同性愛映画を観てきました。そこではホモ(同性間)とヘテロ(異性間)の違いや関係を通して、セックスや恋愛、差別や社会との隔絶を描いているのですが、この作品ではさらに一歩踏み込んだ描き方をしています。鬱屈した毎日につきまとう死への恐怖、そして逃れられない不幸。醜いホモのうたう歌が、「そのようにしか生きられない不幸」宿命ともいうべき、人間の根源に付き纏う悲しみを浮かび上がらせます。また、17歳という少女ローラが、真実の愛を求めて苦悩し、またAIDSという問題を抱えて壊れていく過程は、ベネックス監督の「ベティ・ブルー」を連想させます。自らの全てを投げ出しても得られない愛。独占、恨み、躊躇、苦しみ、その先で自傷に行き着くまでは同じような展開なのですが、さらに17歳という年齢からくる弱さによる、相手まで呪わざる得ない心の脆弱さを加えている事に、シリル・コラール独自の変化を感じます。そしてこの映画のキーパーソンであるサミーの鬱積した感情。若さという一言では片付けられない苦悩や情欲、愛。ジャンの持つ生への固執、才能への不安、怠惰、虚無、家族の愛、そして死への恐怖。最後のエンディングで、それらの全てが昇華し、一つの答えとしてジャンの口から語られた事で、この物語は完成しました。10点(2003-12-21 22:02:59)

98.  少女 an adolescent 《ネタバレ》 奥田瑛二のフランス映画への思い入れが詰まった作品です。この作品を観て、ダメな中年男と美しい少女の関係というところから「フレンチロリータくさいな」と思っていたのですが、エンディングのシャンソンでやっぱり、と思いました。(考えてみればサブタイトルがフランス語!)内容は和製フレンチロリータと言ってもいい作品だと思います。街中で警官がセックスを持ちかけられ、そのまま抱いて忘れなくなる。しかもその相手は中学生、男は拘泥しながらも情事を重ね、愛は深まるものの、社会がそれを許さず二人は街を去る。この大まかなストーリーは、非常にシンプルかついい筋だと思います。そして、その二人の間には老練な彫り師を置く事により、和風のテイストと新たな関係性を持たせており、ここれで非常に優秀なプロットを持った作品となったと思います。印象に残ったのが、昌三が陽子に「彫らせてくれ!」と頼むシーンです。この時の昌三の心の動きは谷崎の「刺青」を彷彿とさせます。すべすべとして白い肌、肩にかかる黒い髪、適度に肉付いた体。彫り終えた時には一人前の女として男を惑わす妖艶なる魅力を、彼は美しい孫娘から感じ取ったのでしょう。そして、本当に彫り終えたあとの陽子の妖艶な姿は、作中の陽子の一人前の女としての完成を感じると共に、女優としての小沢まゆの大きさを感じます。それにしても映画初出演の小沢まゆ、初監督の奥田瑛二、二人が本当にいい仕事をしてくれました。小沢まゆは初出演ながら、アップの演技でもまったく遜色なく、これから期待できる女優さんだと思います。奥田瑛二には、これからジャパニーズロリータの可能性を感じました。これからも、精一杯ふしだらな男を演じて欲しいと思うとともに、監督業にもどんどん挑戦して頂きたいです。8点(2003-12-21 21:23:05)(良:1票)

99.  眠れる美女(1995) 《ネタバレ》 ダメ映画かなと思いましたが、意外に面白かったです。原作の「山の音」と「眠れる美女」を合体させるとは、なかなか面白いことをするなという印象です。しかし、ちょっと成り行きに無理があるでしょう。最後は近親相姦ばっかりという変な結末に落ちていますが、そんなことをせずに原作の「老いの悲しみ」を主題として貫ければ良かったのにと思います。原作を元にまったく違うストーリーにしているので、主題が変わっても仕方ないかもしれませんが、ちょっとな、と思いました。5点(2003-12-19 19:49:38)

100.  かぼちゃ大王 《ネタバレ》 この映画、変な印象を持つタイトルや、どう考えてもロリを表していて借りるのに躊躇するビデオタイトルのわりには、シリアスに話が進みます。登場人物は中年の精神科医とてんかんを持病に持つ少女。テーマは精神医療のあり方に深く切り込んでいて、社会的アピールを持った作品です。そういう流れで観ていけば、患者であるピッピがその他の患者のセラピストとしての役割を与えられ、それによって自分自身も成長してゆくという部分は評価できますし、家族のきしみが少女の心に傷をつくったという部分も考えられているなという印象です。主役のピッピ以外の患者や看護婦も、とてもリアルに描かれていていいと思います。また、もう一つのテーマとなる医師と少女の淡い恋愛ですが、あくまで”淡い恋”に留めていて観ていてドキドキしますし、それが清涼感としてもう一方のテーマを引き立て、気持のいいストーリーになっています。とてもいい映画!なのでタイトルが・・・どうでしょう? 7点(2003-12-19 19:46:07)

000.00%
100.00%
231.47%
352.45%
4167.84%
53014.71%
65325.98%
74019.61%
83115.20%
92311.27%
1031.47%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS