みんなのシネマレビュー |
|
81. ボギー!俺も男だ 実はこれがウディの最高傑作なのかもしれない。少なくとも個人的にはそう思う。ダイアン・キートンが最も可愛らしい映画であることも間違いないし、ある意味監督を外注したのが功を奏していると思う。ゲージツ的にならずに、程よくハリウッドした、実にセンチメンタルなラブコメの名品。10点(2004-08-27 01:00:48) 82. 泥棒野郎 角川から出た廉価版のDVDを購入したので、久々に再見。細かいカット割りにナレーションがかぶさり、既存のフィルムを使ってギャグにしたり、インタビューでウディ演じるヴァージルの生涯を浮き彫りにするドキュメンタリータッチという手法。初監督作ながら、実に素晴らしいではないか。ただ、ギャグはあまりにありきたりであるのが難点。ドキュメンタリータッチはウディ本人の発案ではないようだが、これ、ただギャグつないでるだけの映画だったらお寒いかぎりだったかもしれない。それにしてもDVDの字幕がひどい。有名な、「gun」と「gub」の珍騒動が日本語字幕では「銃」と「銭」になってる。無理から日本語に直すなっての。ギャグを殺してるも同然。字幕作った奴吊るし上げ。大体、ウディが自分のことを「俺」って言うかしら。6点(2004-08-27 00:57:31) 83. ブラウン・バニー 誰が何と言おうと擁護する。極端な退屈がラスト20分の急速な物語の展開を際立たせる。映画とはつまり時間だ。そしてクロエ・セヴィニーよ。俺のも舐めてくれ。10点(2004-07-27 01:00:20) 84. バンド・ワゴン(1953) 1回ビデオで見て、2回目たまたまマンハッタンの劇場で見た。おっもしれえのな。これ。外人の観客たち、むっちゃくちゃノリよくってさ、よく笑うし、終わったらスタンディングオベーションよ、拍手の嵐。50年前の映画だって言うのに。勢いサントラも買った。やっぱりミュージカルの傑作って言ったらこれか「雨に唄えば」だと思うけど、どうもジーン・ケリーは見た目ごつくて好きになれず、アステアの細くて軽やかな身のこなしのほうが好み。ガール・ハント・バレエはやや冗長かもしれないが、何も考えず、陽気に人々が踊って唄って恋をして恋が叶ってハッピーエンド、文句なし。10点(2004-07-27 00:56:01) 85. ロスト・イン・ラ・マンチャ ギリアムって何ら変わってないのな、「バンデットQ」の頃から。徹底して頭ん中ファンタジーな男なんだね。しっかし、ドンキホーテ、出来上がったらあまりおもしろくなさそうなんですけど。永遠に未完であってほしい。そしたらこの作られなかった映画のメイキングという不条理な映画が、歴史上、永遠に異端児として屹立するわけだ。7点(2004-07-27 00:49:54) 86. 69 sixty nine おもしろいですよ。そりゃおもしろいんだけれども、なんか今ひとつ釈然としないものが残ったりもするんよね。それは何かと申したら、やっぱり時代設定の必然性のなさね、無理から60年代の話にしようとしてるような違和感さね。それと音楽。いやあ正直、オープニングに「ホワイトルーム」はないっしょ。やりすぎでしょ。センス悪いよ。いやさ、村上龍がクリーム好きなんかも知りませんよ、ぼくは原作読んでないから。村上龍も何だかんだでロックの趣味悪そうだし。でもさ、他にもっとあるでしょ。69年よ、ウッドストックの年よ。もっとさ、クールでドライヴィンな、ニューロックとかゆわれてたような感じの、あるでしょ。「ハイ・フィデリティ」のオープニングみたいに、13thフロアエレヴェーターズかけちゃう、とかそんなのマニアックすぎるけどさ、別にドアーズの「ブレイク・オン・スルー」とかでいいんよ。大体さ、曲中でかかるロックの曲がさ、クリームとジャニスだけじゃ物足りんよ。ビートルズもストーンズもフーもかかってないじゃん。版権の問題とかいろいろあるんかも知れんけどさ、もうちょっとがんばれや。そんでエンドクレジットにケミストリーが流れる、とかさ、音楽一つとってもノンポリだよ、全く。6点(2004-07-26 00:01:07) 87. レディ・キラーズ 虫も殺せないような、か細くて何だか可愛らしい英国の老婦人と、悪党たちのすったもんだったから『マダムと泥棒』というオリジナル版は魅力的だった。そのマダムが太っちょの黒人女性になってしまったら、それだけでオリジナルの品のよさが損なわれてしまう。(別に偏見ではなく。)それにマダムが敬虔なクリスチャンであるという設定に疑問符がつく。それはぼくが無宗教の日本人であるからか、それともラストの偽善的なオチにやっぱりとってつけたような嫌らしさを感じてしまうからか。大体トム・ハンクスの狙いすぎの過剰なコメディ演技も鼻につくのだ。そういった不満もあるが、往々にしてよくできてはいる。勿論リメイクはオリジナルに忠実にあるべきだとも思わないかし、オリジナルをうまく現代風に換骨奪胎していると思う。後半のオフビートな笑いの連続も功を奏している。ただ、今世紀に入ってからのコーエン兄弟ってどれを見てもいまいちぱっとしない。結構どうでもいい。結局は前世紀の映画作家なんだな。音楽は相変わらずいいけれど。6点(2004-07-23 00:57:44) 88. フル・フロンタル こんなちっともおもしろくない、自堕落でお粗末な実験映画を見に行ってしまった自分が悲しい。少しばかりソダーバーグとか何とか言うけったいな監督に期待をしてしまった己の鑑識眼を疑ったりもしてしまう。これほどひどい映画なのにスターが出てるからという理由だけで一般料金1800円という恐ろしく高額なレートで商品として世に流通している、ああもうそのことだけでも腹立たしい。1円の価値もない。ソダーバーグを吊るし上げろ。0点(2004-07-13 00:34:55) 89. スリーパー なんてかわいいんだダイアンキートンは。ウディの初期コメディの中で、最もバランスがよくそれなりにストーリー性もあってくだらない小傑作。9点(2004-07-13 00:27:26) 90. アイデン&ティティ 泣きじゃくった。ストレートな青臭さに胸が締め付けられそうになった。でも、後悔した。この映画、何かが足りない。『スクール・オブ・ロック』を見て気がついた。ユーモアが、感じられない。日本のロックが駄目なのは、ユーモアに欠けているからだと思う。7点(2004-07-13 00:16:49)(良:1票) 91. スパイダーマン2 本当にスパイダーマンはいいですね。ストーリー的にはバックグラウンドをきちんと書き込んでいた前作のほうが面白かったけど、今回のアクションシーンの気持ちよさは圧倒的に前作に勝っています。あの浮遊感のためだけでも、映画館に行く価値があります。キャラクター造型、ストーリー展開、敵キャラの弱さ、欠点はいくつもありますが、トビー・マグワイアは適役かと思いますし、何よりも素晴らしく甘酸っぱい青春映画になっていることも捨てがたい魅力です。キルスティン・ダンストは確かにかわいくないけれど、ぶすかわいいというか、マニア心をくすぐる何かを持っている。常に悪役にさらわれ、縛られたり濡れてたりパンツ見えそうになったり、もっともっと痛めつけてあげましょう。美人女優じゃないからそういうことができると考えれば、そんなに彼女をこき下ろさなくてもいいかと思われます。9点(2004-07-12 01:24:55)(笑:2票) (良:1票) 92. アメリカン・スプレンダー ホープ・デイヴィスのダルな名演。アメコミのコマ割を意識したオープニングクレジットが、ジャズと相まってベリー・クール。本人を登場させるとか、急にコミック仕立てになったりだとか、意識的な映画解体作業は素直に評価すべきだと思う。アメリカの秋葉系オタクのキャラの濃さに驚愕。忘れようにも忘れられない一品となった。8点(2004-07-12 01:09:43) 93. あなたにも書ける恋愛小説 ケイト・ハドソンの芸達者振りに救われた感のある当たり障りのないコメディ。ロブ・ライナーは『恋人たちの予感』のときもそうだったが、やけにウディ・アレンを意識している。現実と虚構が交じわう実にアレン的世界もさることながら、小説内世界の暖色を効果的に使用した画面設計は『カイロの紫のバラ』のようじゃないか。6点(2004-07-07 22:15:48) 94. スイミング・プール オゾンの映画は今まで一つも楽しめなかったが、これは面白い。現実と虚構の交錯のさりげない描き方は、自信と気品に満ちている。やはりシャーロット・ランプリングの存在感が大きいのだろう。嫉妬心に燃える、孤独で短気な英国人作家という役柄が実によく合っている。死体がプールに浮かんでいるのではないかと気を揉み、プールのカバーを恐る恐る取っていくシーンのサスペンスは、平凡ながら『悪魔のような女』を想起させる。そういった、オゾンの古典的映画への敬意には、純粋に嬉しくなる。7点(2004-06-28 01:02:21) 95. セクレタリー マギー・ギレンホールのツンと上に向いた鼻(の穴)と大きな口が、途中からものすごくセクシーに感じられ、いやはや臀部を叩かれるシーンでは少々元気になってしまいました。でもお話としては穴だらけ。ジェームズ・スペイダーの胡散臭い演技には失笑し、加速するエンディングに至っては噴飯もの。そもそもこれはコメディなのか? ラブストーリーなのか? スポ根的なサクセスストーリーなのか? もう少し狙いを定めてくれたほうがよかったかな。5点(2004-06-28 00:52:19) 96. 白いカラス 実話を映画化するのは本当に難しい。力点一つ間違えただけで致命的になる。この映画の場合、果たしてアンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンの恋愛沙汰をメインテーマにすえる必要があっただろうか。ないだろう。そのためにホプキンスが実は黒人で云々という人種問題がどうも霞んでしまった嫌いがある。映画の構成が破綻している気がする。3点(2004-06-20 23:42:37)(良:1票) 97. スコルピオンの恋まじない 基本的にウディの映画だったら何だって許せてしまう根っからのウディ狂なのですが、なかなかファンに受けのいいこの作品だけは、どうもピンとこないのです。その原因としてまず考えられるのは、ヒロイン役のヘレン・ハントがウディ映画の質感とそぐわないこと。それに加え、お手本となったと思われるルビッチやスタージェスの映画、はたまたフィルム・ノワールの諸作品が、ここでは単なるイコンとしてしか現れてこないこと。つまり、これだったらお手本となった映画を見たほうが楽しいし、わくわくする。オマージュの底が浅いような気がします。それに極めつけは、ウディの言語能力が落ちたのではないかということ。この映画でのウディは今まで以上にどもっています。ウディ主演の映画の魅力の、ウディのノンストップの饒舌を聞こうと思っていたのに、逆に見ているうちに不安になってしまいました。ウディ・アレンには、もう主演しなくてもよいから質の高い映画を毎年作ってほしい。5点(2004-06-10 00:54:02)(良:1票) 98. ドッグヴィル 《ネタバレ》 ニコール・キッドマンを虐めぬいて虐めぬいて、とにかく虐めぬく。ただそれだけの映画だと思えば、これほどぐっとくるSM映画もない。だからラストシーンは半端な印象。8点(2004-06-10 00:33:39) 99. はなればなれに ゴダールを知識人の手から解放しよう! なんて言葉は古臭いけど、他のレビュワーの方のおっしゃるとおり、こんなに「みずみずしく」「ポップ」な映画はなかなか見つからない。ゴダールはいつだってポップだけど。10点(2004-06-08 00:47:48) 100. すべてをあなたに ビートルズファンのぼくは一撃ノックト・アウト。リヴ・タイラーは昔付き合った女に似ているし、何だか甘酸っぱいなあ。9点(2004-06-08 00:27:15)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS