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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
81. バーレスク スタンリー・トゥッチが素晴らしかった。プラダを着た悪魔とほとんど同じような設定と役回りだが、彼がこの映画にアクセントをもたらしている。シェールとアギレラについては観れば分かるが、まぁすごい。特にアギレラが最初に注目を浴びる生歌のシーンは(実際に生歌かどうかは別として)鳥肌が立つ。ただ最後の方になると完全に「クリスティーナ・アギレラ」になってしまうので、なんだかPVみたいにみえてしまったのが残念。展開が読めたっていい。しっかり作り込めば王道に勝てる物は無い。アギレラを起用した慧眼を誉めよう。[映画館(字幕)] 6点(2011-01-05 18:29:37)(良:1票) 82. ノルウェイの森 原作をほぼ忘れかけている状態で鑑賞したのが良かったのかもしれない。緑の演技の下手さに最初は辟易としたが、段々馴染んできて気にならなくなった。トランアンユンの技巧(意図的に斜めにするシーンなどなど)や映像の透明度、瑞々しさは素晴らしいと思った。大衆向け娯楽純愛映画ではなく、その点にまずほっとし、監督がこの物語をどう解釈したかが理解できた気がした。あの時代を切り取って、そして生きていくこと、成長していくことを主眼にしているのではないだろうか。直子の誕生日の時の台詞と、最後の台詞を考えれば分かりやすい。18と19の間を行き来すればいいのに、という直子と、死者はずっと17、21のままで遠くへ行ってしまう、というワタナベは明らかに異なっている。誰もが自らの「ノルウェイの森」観を基準にするが、監督の解釈を受け入れる余地は十分にあるだろう。原作を読んで5年後に観ることをおすすめしたい映画だ。まぁそれにしてもセックスシーンは中途半端過ぎて話にならない。村上春樹の生々しさが表現されておらず、口だけで濡れるだの勃起だの言ったところで下品なだけで生々しくない。そこは大いに不満だった。[映画館(邦画)] 6点(2010-12-19 17:52:45)(良:1票) 83. マザーウォーター 《ネタバレ》 この映画は旅、というよりも「移動」に近いようなテーマを持っている。そして自然に自分の行き着くところに行き着く、といったイメージ。それがオープニングからエンディングで、伽奈によって端的に表現されている。 気に入ったのは小林演じるセツコがウィスキーの水割りを作るシーン。ウィスキーをカウンターに出し、コップを出し、氷(しかも一個でコップを埋める大きなやつ)を水に濡らし、コップに入れ、ウィスキーを入れ、かきまぜ、水を入れてかきまぜる。これが大体5,6回に渡って繰り返される。こうして映画の身体性というものを非常に意識させる。この自覚的な身体性こそ映画の醍醐味だと思う。プロジェクト全体としての雰囲気は保っていて、シリーズが好きなら例外なく楽しめる。[映画館(邦画)] 6点(2010-11-06 21:28:13)《改行有》 84. ワールド・ウォー Z 3Dとしては3点でいいというくらいひどい映画だった。3Dでなくても、アクションがやや雑だろう。ゾンビが全速力で走る設定のため、市街地でのパンデミックの際、ゾンビから逃げている人間とおいかけているゾンビとの区別がつきづらく、最初の市街地の迫力が失われている。エルサレムのシーンはその分圧巻だった。ラストはなんかホラーゲームみたいになって興ざめである。[DVD(字幕)] 5点(2013-08-18 01:02:10) 85. ローマ法王の休日 似たような現実を先取りしているのは面白いが、あまり面白いと思える部分がなかったですね。[映画館(字幕)] 5点(2013-07-20 00:42:12) 86. 私の奴隷になりなさい 何を期待するかによって違うかもしれませんが、私にとっては何の変哲もない映画でした。[DVD(邦画)] 5点(2013-04-14 23:29:33) 87. 東京家族 《ネタバレ》 俳優の演技は非常に良かったが、しかし、1953年に小津が「家族の崩壊を描きたかった」と言って撮られたこの映画を、その60年後にほとんど同じ形で再び撮る意図は何だろうか? それは結局山田洋次が、昭和の、いやそれどころかそれ以前の旧体質な家族像への郷愁を見出しているからに他ならない。山田のほかの作品を観ても歴然としているが、彼は現代においても(ほぼ無自覚であろうが)家父長制的、前近代的家族に郷愁を覚え、最早崩壊しかけているその形を復活させようとしている。しかし、そのような家族像は小津が「東京物語」で描こうとしたものとは真逆のものだろう。小津は決して家族を無理に復活させるような、そんなあざとく分かりやすい映画は撮らなかった。紀子の役柄を比較すれば一目瞭然だろう。また、構図なども小津の技法を取り入れているが、それも中途半端すぎて安定感を失っているように思う。「東京物語」と同じ構図は安心して観ていられたが、それ以外はどうもまずい。小津と比較して(小津の方がゆっくりなのにも関わらず)テンポもよくない。結果として小津の偉大さを思い知らされる映画であった。[映画館(邦画)] 5点(2013-01-29 09:40:22)(良:1票) 88. TIME/タイム 時間=通貨という設定による歪んだ資本主義批判みたいなものはチープだがまだいいとして、その対決方法が革命かぁ。義賊的解決には何のカタルシスも覚えなかった。むしろ時間=通貨にも関わらず単なる通貨に収斂されない時間性のようなものが重要なのではないだろうか。[DVD(字幕)] 5点(2013-01-15 11:22:04) 89. アベンジャーズ(2012) 《ネタバレ》 予想通りの展開でよかった。ただ逆に予想通り過ぎて一ヶ月もすれば忘れてしまう映画。戦闘は完全にトランスフォーマーで、敵役も戦隊モノに出てくるようなちゃちいものだが、まぁハルクの爽快さとアイアンマンの機敏さで溜飲を下げることができるだろう。[映画館(字幕)] 5点(2012-08-25 20:45:16) 90. 白夜行 原作既読。というか偶然同じ日に「容疑者Xの献身」を観て(こちらも原作既読)、東野圭吾の才能に感服するのみだが、どちらも同じような感想を覚えた。詳しくは「容疑者Xの献身」のレビューに書いたが、簡単に言うとテレビドラマと映画の違いとは何か、ということである。比較するとこちらの白夜行の方が断然「映画」らしい。それがなぜかはよくわからないが、単純にキャストや脚本のようなものではないことは確かだ。しかしこの映画も途中から(特にラスト近く)急激に「テレビドラマ」化していく。一気に陳腐になってしまう。テレビドラマを批判するわけではなくて、私は「映画」が観たいから、テレビドラマになられてしまうと困るのだ。テレビドラマはテレビで観る。[DVD(邦画)] 5点(2011-05-04 09:42:51) 91. 英国王のスピーチ 《ネタバレ》 特にけなすところは見当たらない。しかし特に誉めるところも見当たらない。要は凡作であった。全てが及第点。そういう意味においては良作と呼べるかもしれないが、タイトルと予告編、そして史実から想像可能な範囲で物語が終始したのは本当に残念。脚本はそういうレベルで、思い出せるような気の利いた演出もほとんどない。挙げるなら二人の娘が国王になった父にお辞儀をするところくらいか。カメラワークも凡庸。全編通して決して退屈ではないが、決して面白くもない。内容について何かを語りたいという衝動を起こさせるわけでもなく、今日寝れば明日にでも忘れられるような作品だった。アカデミー賞の歴史にとってはむしろ忘れられるべき作品ではないか。[映画館(字幕)] 5点(2011-02-28 21:51:42) 92. シャッター アイランド 《ネタバレ》 精神病院モノというジャンルがあるのかどうかはさておき、こういった題材は大好きなので期待して観ました。多少映画やミステリ小説を読む人なら(あるいは疑り深い人)オチは気付かない人の方が少ないだろうし、自分は「前に来たことがある」みたいな最初の台詞でもう勘づいてしまった。だからそこは主眼ではないのだろう。やはりラスト‥‥なんだけど、言いたいことは何となく分かるんだけど、すごくいいアイディアなんだけど、あの一言にそれほどの重みが感じられないのが致命的でした。あの一言は、物語の筋的に逆転した結末がもう一度逆転する(あるいはする可能性がある)ほどの破壊力があるはずなんだけど、それが足りなかったです。[DVD(字幕)] 5点(2010-10-23 12:07:38) 93. 借りぐらしのアリエッティ 借りぐらしという世界観はとても興味深い。しかしそれが広がることなくひたすら平板な描写に終始し、起伏の無いまま話が終わってしまう。借りぐらしという世界をもっと描かなければ、その魅力も伝わらないし、ストーリーに説得力も無くなってしまう。そこがゲド戦記やハウルの失敗だったのではないか。逆にそこが千と千尋やもののけ姫(おまけをしてポニョ)の成功だったのではないか。映像の美しさは折り紙付きなのだから、「世界を描く」という、根幹に立ち戻ってほしいと思った。全体としては素直な出来で、特にひかからずにさらっと観ることができた。 蛇足だが、「67億人が~」とか時事的な台詞を入れたのって初めてな気がする。妙に説教くさいし、ものすごく違和感があった。[映画館(邦画)] 5点(2010-08-17 23:27:35)《改行有》 94. 許されざる者(2013) 《ネタバレ》 原作があまりにも有名すぎ、素晴らしい映画なのでこの映画の駄目なところばかりが目立ってしまう。根本的なことだが、銃と刀が混在する滑稽さはいかんともしがたい。設定に無理がありすぎる上、やはり原作の持っていた西部劇という文脈が台無しになっている。また、全員が饒舌すぎて、自らの心情や経歴などをぺらぺら話し、しらけてしまう。分かりやすくしようとしているのだろうが、安易である。また明らかに女郎がでしゃばりすぎている。原作から改変した点だろうが、最終的に焦点がボケてしまっている。似たような傷を渡辺謙に付けたのは上手いが、それだけでは説得力に欠ける。そして最大の問題は、かなり忠実に原作のストーリーをなぞっているため、一つ一つのシーンでどうしても比較してしまうということ。結果としてイーストウッドのどのショットにも勝るところがなく、ただただイーストウッドの作品の素晴らしさだけが残り、この映画の欠点が目に付いてしまう。このリメイクを選び、この題名を選んだ以上それは承知だったはずだが…。これを観て面白かったと言う人はイーストウッドの原作を何度も何度も観る必要がある。[映画館(邦画)] 4点(2013-09-14 19:15:31) 95. 乱暴と待機 くすくす笑えるところは有ったものの‥‥。愛ではなくて憎しみでつながる、というアイディアはすごく興味深いんだけど、オーバーな演出が目立ちすぎた。演劇の映画化ということで、それを持ってきたのかもしれないけど映画的な味わいは皆無だった。もっと画として魅力が欲しかった。ただこんだけぶっ飛んだ映画は久々に観ました。この映画を観た後の話題に困ることはないでしょうね。[映画館(邦画)] 4点(2010-11-02 17:02:48) 96. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 うん。と一度頷いて終わる映画。[DVD(字幕)] 3点(2012-05-21 23:47:28) 97. ソラニン 原作を読んだせいもあるのか、最初から最後まで駄作だった。普通の青春映画だが、この映画では、普通であることが最もやってはいけないことだったのかもしれない。そして普通の映画と手垢のついた映画も区別されるべきだ。この映画には、単なる映像が映画たるべき決定的な何かが欠けている。映画をとる意欲、必要性とでもいおうか。駄作としか呼べない。[DVD(邦画)] 3点(2011-04-11 00:18:35) 98. ツリー・オブ・ライフ 《ネタバレ》 あまりのつまらなさに驚愕した。元々テレンスマリックは説教くさい映画ばかり撮っていて評論家ウケはするけど自分とは相性が悪いとは認識していたが、ここまで好き勝手にやるとは思わなかった。これは単なるキリスト教のプロパガンダ映画。スピリチュアルな方向は全て神に向かい、自らの内面や人間関係の実相は結局何かよくわからない光の中に集約されてしまう。それなら何を描いても同じではないか。一体何を描きたかったのか、何をあの家族から引き出そうとしたのか。私はそれが「生きること」とか「生命の枝葉としての方向性」なんて漠然としたものでは納得できない。最初の30分は何だったのか。宇宙の誕生、地球の形成、生命の誕生。その悠久のときを幻想的に描くという意図であるなら(自分はそう解釈したが)あれだけの時間をかけてそれだけしか表現できないのは無能であるとしか言いようが無い。高評価には正直驚くが、無内容であるからこそ高く評価できる余地も生まれるのだと思う。勿論この無内容は比喩的な意味で、テレンスマリックのキリスト教的祈り、思想の吐露であるに過ぎないという意味である。観る側に自由を与える、とか解釈の余地を与える、とよく言われるが、これは自由に解釈させているわけではなく、無内容なだけである。これを観てどうしろというのか。極度に宗教的な世界観、歴史観を延々と見せ付けられるのは苦痛でしかない。やはりテレンスマリックの自己満足的な思想表明に共感できるかどうか、受け入れるかどうかがこの映画の評価の分かれ目になると思う。それにしてもタイトルのわりに「水」のモチーフが圧倒的に多いこととか、予告編はもう詐欺のレベルであることとか、いろいろ不満はあるけれど、きつかった。[映画館(字幕)] 1点(2011-08-18 01:51:31)(良:1票)
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