みんなのシネマレビュー |
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81. バンク・ジョブ 《ネタバレ》 強盗をはたらくシーンまでは、程よい緊張感あるものの、 ありきたりといえばありきたり。 このまま特に心躍ることなく、エンドを迎えるのだろうかと思いきや、 対立する組織が複数、 心情、身体的なアクションが琴線に触れ、 ギリギリの音を奏でるような緊張感の中で交渉が続く。 強奪した、王室のスキャンダル、というのはちょっと無理やり感否めないけれど、 ジェイソン・ステイサムの重厚感ある強さと、 一定の緊迫感を維持したままに物語が進んでいく様。 見終わったら、思わず小さなため息を漏らして、満足。[インターネット(字幕)] 7点(2019-12-17 00:02:34)《改行有》 82. この世界の片隅に(2016) 純朴な色使いがリアルな日常をよく表現している。 (原爆投下時でない)空爆の描写も、 悲惨な現実というよりは、淡々と現実を壊していく様子が心へズキンとうったえてくる。 平凡な幸せ、というのがこの令和の時代と比べると違う形なのかもしれないが、 どことなく、懸命に生きる姿がむしろ、現代の私にとって正に幸せを掴もうとしているように見える。 コトリンゴさんの曲は美しく、繊細で脆く響く。 誰が、どこが、一概に悪いと言っているのではなく、 人の感情が生まれて、合わさって、 そうして遠いところに生まれた形の無い悪が、 一瞬の閃光で生まれた場所を破壊する。 感情移入してポロポロと泣くでなく、 行き場のない感情が溢れて、泣いてしまった。[インターネット(邦画)] 10点(2019-12-16 23:48:20)《改行有》 83. ビッグ・フィッシュ 氷山の一角が嘘だと思うなら、 氷山のすべてを見ようとしてみよう。 嘘と思っていたものが、実はいかに澄んでいて、 通して遠くまで見えるか分かるから。 つくり話。 自分を過剰に良く見せるためではなく、 ただ人を幸せにしたいがためにする、話。 息子としては大人になるほどに、父の話は つくりものらしく、ホラに聞こえたのだろう。 だが実際に触れ合う人はどうだろう。 つくり話以上の思い出を父に、エドワード・ブルームに、 抱いているのではないか。 自分の経験してきたことを大きく話すことが出来ることは、 これから経験することを大きくすることの出来る人だ。 そんな彼が過ごして来た日々を 愛おしく思える、息子が気持ちになったときに、 感謝の水が降り注ぎ、自由に泳ぐ場所を父に与えた。[インターネット(字幕)] 10点(2019-05-03 23:24:26)《改行有》 84. レオン/完全版 殺し屋、孤独少女、二人とも純粋で、目一杯背伸びをしている。 ミルクしか飲まず、文字を読む学も無い殺し屋は 本当は殺し屋になどなりたくなかった。 孤独少女は、唯一の助けだった弟が殺されてしまい、 復讐をせざるを得なくなった。 二人がたまたま出会い、ともにミルクを飲み、 文字を教え、仕事を教え、 極めて日常的に距離が近づいていく。 また殺し屋として少女がパートナーとして成長していく様子、 この描き方が秀逸で感情移入させられる。 ラストシーンでは少し「グラン・トリノ」を彷彿とさせる。 純粋な気持ちから自己犠牲をはらうということに、 見返りを求めずに人のために生きて死ぬという生き様に、 私は心動かされてしまう。[インターネット(字幕)] 9点(2019-05-03 09:20:55)《改行有》 85. らせん 医学的な見地から呪いを紐解こう!という流れは好みではあるのだが、 貞子という「抽象的な怖さ」が「個人的な嗜好」のように感じてしまい、 いわゆる幻滅してしまう映画。 人類みな貞子、というのが最終的な目的であり、 それが人類の次なる進化の過程だというのは急にぶっ飛び過ぎ。 「なぁ、お前は生きてる。一体何をしたんだ!?教えてくれよ!」 の答えが出せない主人公にちょっと笑ってしまった。 恐怖映画の科学的なオチをつけようとして、 恐怖そのものが無かったことになってしまった、 続編ものとしては致命的な一作。[インターネット(邦画)] 3点(2019-05-02 23:29:46)《改行有》 86. パシフィック・リム ロボットと怪獣の戦いにあまり緊張感なく、 ただ殴ったり酸を吐かれたりといった様子をみていると 倒している。 人物がなぜロボットに乗ろうとするのかという描写も貧弱ではないのだが、 いまいち単なる回想を見ているだけで感情移入に至らない。 最後、学者の想定のもとにハリウッドらしい「最後の戦いだ」的なセリフで いよいよ白けてくる。 そこには結束も、正義も、笑いもない大作と名打たれた 演出や彩りの凄い作品があった。[インターネット(字幕)] 5点(2019-03-24 20:30:43)《改行有》 87. バトル・ロワイアル 《ネタバレ》 高校生同士がバシバシ殺し合うという映画。 スプラッターなシーンは少ないのだけど、 高校生という未成年の殺し合いが非常に物議を醸した、ような記憶がある。 大人をばかにするなよ、 という小馬鹿な理由がなんとも皮肉であるが、 さておき、生徒は様々な死に方をしていく。 ふっきれて殺しにかかるもの、 群れてなんとかならないかと呼びかけるもの、 知識・技術で脱出を目指すもの。 と、生徒が描かれる合間の キタノがさすがである。 最後に見せるキタノの絵に、 キタノは子どもの、将来のうちに、 ほんの微かな希望を身近に感じていたのだろう。 もし私がこれに参加してたらどうするだろうな。 自分を守るために攻めるタイプだと思ってるけど、 実際の場面になるとまた違う行動とるんだろうな。[インターネット(邦画)] 7点(2019-03-24 01:36:51)《改行有》 88. ブルース・ブラザース この二人、アホさと格好良さのバランスが丁度よい。 コメディとはこういうことである。 警官だのナチ党だの昔の女だのと、 とにかく追いかけられる様はコミカル。 だけど、ひとたび音楽流れノリ始めると なんて気持ち良く、格好いいんだろう。 辛いという感覚を解脱した二人による、 幸せとはこうやって味わうもんなのだよ、 とミュージカル実演してくれる、とても楽しい映画でした。[インターネット(字幕)] 8点(2019-03-24 01:27:54)《改行有》 89. ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 住めば都、だなんて易しい言葉ではなく、 まさに住んでしまうと出られなくなる、 監獄というのはそういう場所。 エリートから一転、「無実の罪」で投獄されたデュフレーン。 長年の監獄暮らしによって、監獄の外の社会が怖いと感じる周囲の人々を目の当たりにしながら、 それでもまっすぐ、自分を保って獄中生活を続ける。 なんといっても描かれる人間の多様性と、「ここにいる奴らはみんな無実さ」というセリフのどことない滑稽さ、 社会に復帰して自死を選ぶという悲しさがある中で、 20年間希望をもって穴を掘り続けたデュフレーンの生き様はグッとくる。 そして友人というたった一つのの希望を与え、ブルックスとは違うシャバになったレッドとの再会。 この映画を見た後、空の青さ、木々の緑が濃く見える。[インターネット(字幕)] 9点(2019-03-03 09:17:50)《改行有》 90. 生きてこそ 人間の尊厳を問う、あるいは正義や倫理とはなにかを問う、 といった内容というよりは 過酷な中を覚悟を決めて生きていく人々の物語に感じた。 人の肉を食うと決める際のシーンも淡々とした描かれ方で、 また人が次々と死んでいく様も重く感じない描き方。 極限状態にあると、逆にこんな風なのかもしれないな。[インターネット(字幕)] 6点(2019-02-16 21:09:02)《改行有》 91. プリデスティネーション 《ネタバレ》 もしかして、と想像しながら鑑賞しその通りの展開となっても、 それでも心が締め付けられる。 自分を愛し、自分を生み、自分を殺す。 終着点は分かっている。 しかし、自分を愛するのだ。 自分が自分を分かるだけに。 タイムパラドクスというのは、繊細だ。 ゆえに一つ一つの行動の意味が大きく、 その描き方がこの映画はとても素晴らしいと思った。[インターネット(字幕)] 9点(2019-01-04 23:36:46)《改行有》 92. グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 もし自分がホースメンショーの客の一人なら、 疑いの目を強く抱いてしまうだけに、そのぶん虜になってしまうだろう。 あたかも義賊、答えとしても義賊。 マジックの力を信じて疑わなかったメンバーの心情と マジックの演出は美しかった。 別に黒幕がどうだの、というよりも、 そんなエンターテイメントしてる映画として終わらせた方が、 義賊としても嬉しいのではないか。 復讐劇やちょっとした恋愛劇は陳腐であり、 それが演出のスパイスにはなれていない、かな。[インターネット(字幕)] 6点(2019-01-02 22:40:58)《改行有》 93. ザ・ブルード/怒りのメタファー 《ネタバレ》 誰一人まともな人がいないような感覚で映画を見進めると、 その思いが間違いだったのか?と自問する時間が訪れる。 精神科医というのがまず特異であるし、 娘と二人暮らしで心に疲れを持ち病む父親もまた辛そうで凡庸でない。 なんとなく奥さんは精神科医にマインドコントロールされているのでは、、、 が見事にひっくり返される様は見事な展開。 後味は決してよくないが、見なければよかったとも思わない、そんな映画。[インターネット(字幕)] 7点(2019-01-01 23:07:04)《改行有》 94. インターステラー 感動した。 感動した。 序盤はそこを描くかね。 描かないとこの感動はなかった。 思えば、次元を超越した概念はお化けなのかもしれない。 お化けはそこにいる、きっと帰ると信じてた。 そんなセリフは大人になったからだろ、ちょっとご都合主義かもしれないが、 破った約束を守りに帰ってくる、 そんな描写をした映画はあまりないのでは?[インターネット(字幕)] 10点(2019-01-01 22:53:15)《改行有》 95. ゾンビーワールドへようこそ 《ネタバレ》 よし、俺たちが世界を救うんだ! とばかりにホームセンターに突っ込むシーンがなんともダサい。 ダサいのが首尾一貫しているのが良いのか、悪いのか。 信頼している人がゾンビになってしまうなど、 抑えるところは抑えているが、 主人公たちが「ボーイスカウトであること」が最大限活かされた シナリオではないし、 突如あらわれる美女が助けてくれたり、 ゾンビに妙な(無駄な?)愛着を感じさせたりするあたり、 B級映画を狙ってつくったのか、という内容に逆に感服。[インターネット(字幕)] 6点(2018-08-06 21:30:50)《改行有》 96. 21グラム うーん、合わない。 移植前後の話が乱れに乱れた時系列で映されるから、 初回鑑賞では混乱させられるし、 結局、呵責なのか自白なのかよくわからん形で最後を迎えるし。 各家庭のそれぞれが、それぞれなりの幸せを築いているというシーンが 後半部分にある程度温かみと悲しみをもたらしているのが褒める点か。 命の大切さを語られている気持ちがせず、 急に命とタイトルを結び付けられても、ねぇ。[インターネット(字幕)] 4点(2018-07-31 21:11:04)《改行有》 97. スペース・カウボーイ タイトルに反して宇宙までが本編。 意地に近い想いを宇宙に抱きつづけるチーム・ダイダロス、 とりわけリーダーが素敵だと思うかどうか。 視力検査は笑いだし、マラソンはクリアしてなかろうし、 ラブロマンスも現実離れしている。 しかし、それでも輝かしくみてしまう自分がいた。 なにかを信じていた訳ではない、 なにかに脅されていたわけでもない。 しかし宇宙に行きたい。 別に夢でもないし、当たり前だと思っていた。 それを40年間思い続け、それが叶うまでに払った犠牲がよぎりながらも、 やはり笑えるシーンは笑えるし、泣けるシーンは泣けるのだ。 宇宙に行ってからは非常に蛇足な感じなので、この点数にて。[インターネット(字幕)] 6点(2018-07-31 21:06:47)《改行有》 98. THE ICEMAN 氷の処刑人 良心の呵責というものがなく、 ひたむきに、純粋なる良心がゆえの殺人。 頻繁ではない家族とのシーンだが、 たまに観る団欒だからこそ、 主人公の殺人への徹底ぶりが見え、 その迷いの無さに戦慄を憶えてしまう。 陰の中にあるかのような世界の描き方で、 見る側の気持ちも晴れることなく、 突如として逮捕されるシーンにはインパクトを感じた。[インターネット(字幕)] 7点(2018-07-28 19:20:12)《改行有》 99. 悪魔のいけにえ テキサス・チェーンソーを先に観て、 いよいよ原作ともいえる悪魔のいけにえを。 今ではお約束のような、 別荘地に行く若者が不気味な環境に迷い込む、という設定。 ガソリンスタンドのおっさんが良い味を出している。 このおっさん、最初から怪しさ満点だが、 逃げる際にはこのおっさんに頼るしかないという窮地の描き方がよい。 果たして、何がこの家族を狂気に駆り立てたのか、 を改めて思い返すめに、楽しみに続編も観てみようと思います。[インターネット(字幕)] 6点(2018-06-17 23:18:51)《改行有》 100. ゼロ・ダーク・サーティ 事実であれフィクションであれ、 えぐいな( ´ー`) そしてそこで心を壊し始めながらも、 人を招き入れたら、大切な人へ危害を加えられる。 そこで狂人のごとく、復讐を(国家的にではなく個人的に)誓うのが、 実にフィクションのようであるが、 恐ろしさが現実的である。 終始、真の笑顔がなく、 戦争のむごさを知るのに十分な作品。[インターネット(字幕)] 6点(2018-06-16 21:18:24)《改行有》
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