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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123456789
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81.  デッド・カーム/戦慄の航海 最新作の「ソルト」でもこの監督には詰めの甘さを感じた。中盤までは上手く緊迫を積み上げるけど、最後は崩れて終わるような…。目的はニコール・キッドマンのハリウッドデビュー作を観ることだったので、その意味では満足しました。演技はすでに体当たりでした。この頃はまだ、美しさと野暮ったさが同居していたような印象ですが、それも新鮮。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-22 11:29:36)

82.  ドラえもん のび太の魔界大冒険 ドラえもんムービーを初観賞。ここまで正統な子供向けとは知らなかった。クレしんは大丈夫だけど、これはしんどい。私はクレしんの「毒」を楽しんでいたことを本作で理解した。個人的な見どころは美夜子ちゃんの色気、かな。[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-08-19 23:23:35)

83.  機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 本作の製作年度は1989年だから、20年以上前。まだ携帯もインターネットも普及していなかった時代。当時は10年ほど先を描いた近未来ものとしてそれなり仕立ててあるという印象だったが、観直して驚いた。個別の事象を正確に予言している訳ではないが、その後に社会を賑わした事柄が散りばめられている。OSが脚光を浴びたウインドウズ95が1995年。コンピュータ・ウィルスで侵略者をやっつけた「インデペンデンス・ディ」が1996年。アクアラインの開通が1997年。そして、9/11が2001年。それらを意識していたかのようなストーリーだ。OSに忍ばせたウィルスによるサイバー・テロを、都市の高層化を利用した大規模破壊テロへ繋ぐ計画の現実味には疑問符が付くが、発想は白眉である。IT環境と変貌する都市とこのシリーズの要であるレイバーが有機的に組み合わせてある。物語の中でそれを企てた帆場の真意は語られないが、彼が住いにしていた木造の廃屋から望む東京は、50階建ての「住宅」が林立するまさに現代の東京。20年以上前の描写に既視感を覚え、なぜか背筋に冷たいものが走った。都市開発というより文明に対するアンチテーゼ的な視点を漠然と感じたが、そこは台詞などで深堀りせずにレイバーのアクションで締めたことが却って余韻を残す結果になったと思う。幼稚な感のするキャラにこそ時代の流れを感じるが、内容は現在でも見応えのある普遍性を携えている。[ビデオ(邦画)] 7点(2010-07-03 21:22:56)

84.  第5惑星 《ネタバレ》 不時着した星に水があり酸素があり食えるものがあるって確率はいかほどのものなのか。戦争している異星人に背骨があり2足歩行して首の上に頭が付いていて目と口があるって確率はどうなのか。こういう設定こそ、ご都合主義というものじゃなかろうか。自分はダメですね。もう少し、それらしく見せてもらわないと。原作があるらしいが、そちらはしっかり考証的に補足されているのでしょう。見所としては、ルイス・ゴセット・Jrかな。こってりメイクを施されたうえから視線と頬の動きだけで「人間的」な感情を表現していました。自分の中では名作の位置を確保している「Uボート」や「ネバーエンディング~」の直後にこんな作品を撮るんだから、この監督は良く分からない。この人独特のリアリズムへの拘りが間違った方向へ向いた作品という印象です。[ビデオ(吹替)] 4点(2010-07-01 02:55:54)

85.  ハンター(1980) この映画の撮影中に余命数ヶ月を宣告されていたマックィーン。遺作となった本作での彼はヒーローでもスーパーマンでもない。賞金稼ぎという、ちょっと風変わりな仕事はしているが、感覚的には普通の男を淡々と演じているように映る。現代の尺度ではテレビドラマ以下のアクションかもしれない。でも、スタントを使わずに自分で遣り遂げるという意思が感じられて、30年ほど前に初めて観たときも生き様を写し取っているような感慨があった。その感慨は今でも同じように感じられる。出世作となったテレビドラマは西部劇の賞金稼ぎ。本作は自分の役者人生を締めるべく意識して選らんだ役柄だったのではなかろうか。生業の危険を自覚して子供を持つことに懐疑的だった賞金稼ぎが赤ん坊を抱いて幸せ覚える様に、市井の男の虚飾ない姿が見える。映画俳優という、ちょっと風変わりな仕事を続けてきたマックィーンは、スターではなく一人の男の人生を見つめた作品を遺したかったのだと思う。[地上波(吹替)] 6点(2010-06-21 00:15:36)

86.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 ストーリーを俯瞰すると、けっこう都合よく物事が進む感もあるのだけど、映画の醍醐味のひとつを忠実に表現していてとても楽しめる。それは、仲間を集めて闘うこと。たとえば「七人の侍」や「大脱走」や「スティング」のように、各キャラクターが特技と知恵を集約して事を成したときの達成感。個人競技より団体競技で勝利する方が、仲間と分かち合える分だけ喜びが大きくなることと同じですね。主演のケビン・コスナーより、老獪な手腕を遺憾無く発揮したショーン・コネリーと、乳母車を足で支えながら照準を外さなかったアンディ・ガルシアの存在感が強く残りました。デ・ニーロも含めて助演が見せ場を主張しながらも上手くまとまった映画は完成度が跳ね上がる。個人的には、ショーン・コネリーがパトロール中にのそりと現れ「授業」を授けたシーンが大好きです。自分の中では名シーンのひとつ。 【2020/11/8追記】先日、ショーン・コネリーさんが亡くなられ、追悼放送で再見。初代ボンド役が有名だけど、私が代表作を挙げるなら本作で、某局の編成担当はその辺りをよく心得ていると思いました。ボンド役を退いた後に髪が薄くなっても、かえってカッコ良く見えるようになった方でした。本作で演じた定年前の初老巡査役では特にそれを強く感じたことを覚えています。本作の登場シーン、派手なことをやる訳では無いのに存在感が格別で記憶に残っていましたが、10年前に書いたレビューでも言及していましたね。(それにしても、法を犯した者を検挙するお話なのにやっていることは銃弾が飛び交う「戦争」で、今レビューを書くなら切り口が変わるだろうと思いました) 数えてみたら、現在の私が本作を演じたコネリー氏とほぼ同年齢。カッコ良い老いのお手本に感謝し合掌。[映画館(字幕)] 9点(2010-06-18 23:01:42)(良:1票) 《改行有》

87.  007/リビング・デイライツ 《ネタバレ》 ティモシー・ダルトンの初登場作。前作と続けて観ると、若返ったボンドにホッとする。マネーペニーもCIAのフェリックス・ライターも揃って若返り。ソ連の将軍を暗殺すべく、女性の衣服を剥ぎ取って囮に使う。これが新しいボンドを象徴するシーン。フェミニストとは言えないボンドは新鮮でした。007映画って、派手なアクションと能天気なボンドのアンバランスこそが真骨頂という意見もあるが、自分は硬派の方が好みです。今作は概ね期待通りに観られました。アフガンのレジスタンスが登場したときには、また荒唐無稽に逆戻りするのかとボルテージが下がりかけたが、ラストの輸送機アクションで持ち直した印象。007映画では確実に平均点以上の出来映えだと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-10 22:57:30)

88.  007/オクトパシー 前作「ユア・アイズ・オンリー」が渋めに仕立ててあったのに、たった1回で元の路線に戻りました。前回の変更が批判を浴びたのかな? その狙い自体は間違っていなかったと思うのでとても残念。観衆が007映画に期待しているものは、今作のようなぬるいコメディということか。これ、スタントマンが頑張っているのでそれなりに観られるけど、かなり偏差値の低いマヌケ映画だと思う。核爆発が数分後に迫った緊迫状況で、ピエロに変装するなよ。あれはロジャー・ムーアが可哀想に思えた。「二度死ぬ」を観た日本人が感じる違和感を、今作ではインドの方々が感じたのではなかろうか。ボンドがギャンブルで得た紙幣をばら撒き、それに群がる人々を盾にして敵から逃げるシーンがなんとも不快。ところどころにインドをバカにした視線が入っていると感じるのは私だけ?[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-02 20:01:27)

89.  007/ユア・アイズ・オンリー 《ネタバレ》 「ムーンレイカー」の馬鹿らしさを反省したのか、とても真っ当なスパイものでした。妻の墓参りで始めたのは反省の証だろう。冒頭の車椅子はブロフェルド? つまり「ダイヤモンドは永遠に」のラストを、怪我を負いながらも生き延びたってことか。さて今作。行く先々で協力者と接触し、情報を集め、目的に近づく地道な諜報活動。ベッドシーンも情報収集の為と解釈できる。スケーターの女の子をたしなめる言動は過去のボンドに無かった良識。アクションも特撮などは使わず、ロケで撮影できる範囲に限って行われている。特に一連のウインタースポーツアクションには生身の人がやれることの限界を見極めるような探求心が感じられ、CGに慣れた目を刮目させてくれる。スタントマンに拍手。水中を引きずられたボンドが怪我をして血を流すことも新鮮。ラストの敵アジトの襲撃も、酷似した状況で「女王陛下の007」ではヘリで強襲していたが、こちらは地味にロック・クライミングで死角から近づこうとする。デタント(緊張緩和)って死語がオチになっているのもこのシリーズにしては渋い。そうそう、ボンドガールもお色気優先ではなく知的美人でした。いや、彼女は美しいです。そんなこんなで大手術を施した作品だったけど、面白いかというと微妙。この姿勢は買うが、役者の演技と演出のタッチが軽めで変わり映えしない為に、重厚なスパイものには成り得ない。007映画として物足りない感想が多いのは、そんな理由だろう。ダニエル・クレイグ版を観た後だから思うことだけど、これ程に方向性を変えるのであれば、ボンド役も一緒に変えるべきだったってことかな。でも、私は好きですよ。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-02 06:32:23)

90.  愛と哀しみの果て 《ネタバレ》 公開時に劇場で観ましたが、当時は盛り上がりに欠ける大河ドラマって印象でした。先日久しぶりに観て評価が上がった。自分の歳が多少は人生を俯瞰できるようになったからだと思う。まず、主人公はアフリカの大地だと思いました。原住民、疫病、植生、野生動物、などなど。常にアフリカを意識させられ、最後は愛しい場所に思えてしまう。薄味のストーリーが、舞台のおかげで化学変化を起こしたような印象でした。そこで気丈に生きた女性の半生よりも、私はデニス(レッドフォード)に興味が行った。自由でいたい、と云うより孤独を愛していると言った方が適切。だけど、好きになった女性の側にも居たいという相克。ひとりで悩んでいるうちはまだ良いんだけど女性から責められると、俺は束縛しないんだからそっちも束縛するな、と言ってしまう。理屈は分かるけど、自分勝手ですな。彼は無理に家庭に納まるとすぐに噴火&崩壊するタイプなので、出張が多い仕事(笑)だったのが幸いしたと思います。いや、私は彼の生き方に共感してるのですが…。一人の女性以外には、何にも縛られずに生きていた。とてもアフリカの広さが似合うキャラクターで、その生き方に単純に憧れてしまう。彼の墓の周りにライオンが集まって来るというエピソードは、孤高の魂が魅かれ合っているように思えて感慨深かった。マサイ族は未来のことが考えられない、と言ってました。彼もたぶん同類でしょう。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-27 00:58:30)(良:2票)

91.  ヒポクラテスたち 《ネタバレ》 キャンディーズのランちゃんのファンでした。グループ解散後の最初の仕事がこれじゃなかったかと記憶している。それで、ずっと気になっていたのにこれまで縁が無かった映画です。観賞後の率直な印象は、ちょっと観るのが遅すぎた、ということ。この頃の大森一樹にはまだ自主制作映画の匂いが残っていて、本来は新鮮に映るはずなのに、それが違和感になってしまった。失敗しました。医学生たちの日常を切り取っているけれど、特別なことはほとんど何も起こらない。唯一、心情を行動に移したのは白衣を黒く塗って暴れた古尾谷雅人。どうやら医師の聖職性に疑問符を付けたかったようです。現代に照らすと問題の置きどころに違和感を覚えます。この映画が製作された頃は、医者は崇高は人格者であれと期待されていた記憶がある。大森監督は元医学生ということもあり、医者にも普通に悩みがあり、特に医学生はまだまだ青いってことが言いたかったのだと思います。そのテーマも基本的には内面の問題意識で、そこには強い社会性も無ければ、60年代の青春映画のような発散もない。妙に自己完結しているところに80年代初頭の空気を感じる映画でした。エピローグの伊藤蘭の自殺には驚いた。そんなことにするのなら本編でもっと突っ込んで欲しかった。というか、もっと出番を増やして欲しかったですね。古尾谷氏は惜しいことになりましたが、共演者のほとんどが現在も活躍中で、彼らの30年前を観るのは楽しかったです。余談ですが、相当に古い映画なら「時代劇」的に楽しめるけれど、自分の思春期に作られた青春映画を何十年も経てから観るのは難しいものですね。視点の置き所が定まらない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-07 23:05:06)

92.  7月4日に生まれて 《ネタバレ》 感情を露わにして何かを訴え続けているような体裁だけど、喧しいだけで私の中は素通りして行きました。自ら志願した海兵隊で、死ぬ覚悟もあると言っておきながら、延々と負傷したことに対する愚痴を聞かされる。そもそも、志願した動機は本人の「勝つ」ことへの憧れや母親の期待だったと思う。それが、いつの間にか国家の為にすり替っていた。パーソナルな動機の結果が下半身不随だと余りにアンバランスだから、自分に言い聞かせるように国家への忠誠を叫んだように感じた。その気持ちは分からなくもないが、信念が無いので周囲の状況に流されてコロコロ変わる。政府に騙されたという論法を経て、最後は反戦活動家に衣替えした。意地悪な言い方をすれば、事実を受け入れることに時間が掛かり、納得するために「変節」しただけじゃないだろうか。まぁ、それこそが人間って気もするが、映画としては過去の忌まわしい記憶を払拭するために、国ぐるみで反戦という自己満足に逃げたがっているように見えて仕方がない。私は日本人なので、あちらの国の自己満足に共感するほどお人好しじゃない。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-03-05 01:37:32)

93.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 現在、あの二人と同じ役をこなせる女優がいるだろうか? 特に桃井かおりの憎らしさは振り切れていて、鑑賞者の心をダークサイドへ突き落とす。誰かあの女を痛い目に会わせてくれないものかと願ってしまった。もう製作者の思う壺だ。自分にとっての一番の見どころは、無罪判決後の二人の会話。社会的立場という意味では天地の開きがある二人だが、桃井かおりのひと言はスタンスの優劣を逆転させる強烈な一撃だった。「私は私が好き。あんた自分が好きと言える? あんたみたいな女、みんな大ッキライよ」。娘との別れで凹んでいた岩下志麻の傷口へ、ピンポイントで塩を塗り込みました。とびきりクールな岩下志麻でもスルー出来ない捨て台詞。ワインを浴びせ返したが、あれは桃井かおりの完勝です。憎まれっ子、世にはばかる。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-02-18 11:34:56)

94.  機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 ガンダム・ファンの視点に立つと、劇場三部作はアニメーション・ディレクターの安彦良和氏のリライト原画鑑賞会みたいな色彩がありました。特にこの「Ⅲ」は安彦氏がTVシリーズの終盤で体調を崩して作画に参加できなかったこともあり、その意味合いが強かった。安彦氏の手によって描き直されたセイラさんは凛々しかったです。また、冒頭のムサイ艦隊との戦闘シーンも映像的には映画のオリジナルに近く、テンポの良さとガンダムの突出した強さに痺れましたね。「ニュータイプ能力を戦争の道具にされるだけだ」。これはシャアのアムロ評です。では、戦争の道具ではないニュータイプとはどのようなものなのか? 地球の重力圏を離れたところを住処にした人類が、その環境によって進化を促される。これがニュータイプ。その中味は知覚域の拡大。富野総監督曰く、分かり合う能力。ファーストがテレビで放送されていた頃は冷戦の真っ只中でした。米ソの軍縮協議のニュースなどを見ていて、自分は大国のトップがニュータイプだったら何が起こるかを夢想していました。それは、正確な嘘発見器を体内に標準装備したようなもので、他者の言動に対して中途半端な評価は存在しない。物事は、信用できるものと出来ないものに二極される。すると、少なくとも相手に害意が無いことが知覚できれば、疑心暗鬼の兵器製造などはしなくて済む。これが自分の「戦争の道具では無いニュータイプ」観でした。夢のある概念だと思ったものです。予知や透視や念動力などとは毛色が違うので、劇中では「超能力」という言葉を使わないように配慮していることが分かります。「ガンダム」以前のロボットアニメには超能力者は出てきても、人類進化が描かれたものは無かったでしょう。今作が「ファースト」という呼称でその地位を維持しているのは、やはりこのニュータイプ概念があったからだと思います。シリーズ全体の山場でもあるアムロとララァとの邂逅には、その戦闘シーンの迫力と心象描写の融合に鳥肌が立ち、アニメーション表現の新たな地平を観た気分でした。もう30年も昔の話です。惜しむらくは「Z」「ZZ」「逆襲のシャア」と連なる作品の中で、この概念を発展・展開できなかったことです。[映画館(邦画)] 9点(2010-01-31 04:04:40)(良:1票)

95.  機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 初回放送当時、黒い三連星とあだ名される三機のドムとガンダムの闘いは、過去のロボットアニメの戦闘シーンを全てひっくるめても、ダントツのトップにランクされる見応えがあった。今もなお、パロディとして使われているのを見るにつけ、当時の衝撃がうかがえる。いつも汚いジーンズを履いていた大学時代の友人のヤマグチは、テレビシリーズのこのシーンで「かあちゃん、来てみな。ジェットストリームアタックだよ!」と、母親をテレビの前に呼びつけて一緒に観たと言っていた。ずん胴で鈍重に見えるドムが素晴らしい機動力を持った機体で、黒くペイントされたシンプルなボディが、何色にも塗り分けられたガンダムなんぞより、よほど機能美に優れていた。しかも、先述のジェットストリームアタックなる必殺技まで持っている。「ガンダム」に登場したモビルスーツで、必殺技を使用したのはこの三連星だけだろう。だが、そのジェットストリームアタックを持ってしても、ニュータイプへの覚醒を始めたアムロ@ガンダムは倒せなかった。結局は主人公の引き立て役になってしまったけれど、私はドムと黒い三連星(ガイア・マッシュ・オルテガ)に敢闘賞&技能賞を贈ります。ちなみに三連星に亡き者にされたマチルダ中尉には助演女優賞を贈ります。今作では、テレビシリーズと比べてドムの凄みが少し薄れて見えたことがとても残念でした。こりゃ、ガンオタ丸出しのレビューだね。赤面。[映画館(邦画)] 6点(2010-01-31 04:03:39)(良:1票)

96.  機動戦士ガンダム 先日、お台場の実物大ガンダムが人気を博していました。架空のものを「実物」大に作るって発想自体が本来は変なはずなんだけど、ガンダム人気の根強さを象徴しています。この映画の元になったシリーズから30年。自分のようなファーストのリアル放送世代で、オタクのように入れ込んだ時期がある者としてはその魅力はいくらでも熱弁できるが、そんな輩だけで人気が30年も続くものなのか、という真っ当な疑問も浮かぶ。単純に考えると、新しい世代を取り込んでファン層が代謝しているということですね。ここにレビューするために久しぶりに劇場三部作を観ました。もはやストーリーに馴染みすぎて、大きな見せ場の少ない「Ⅰ」には特に感慨は無いんだけど、改めて良く出来ているとは思いました。いわゆる「突っ込みどころ」が極めて少ない。スペースコロニーとか、ミノフスキー粒子とか、SF作品としての設定をしっかりと作りこんでます。ロボットアニメで「戦争」を扱ったものも、それ以前には無かったんじゃないかな(たぶん)。少なくとも、現在に初めて観た人がいたとしても、極端に古くは感じないでしょう。冒頭のホワイトベース内のギスギスした空気などは、群像劇としてかえって新鮮に映ります。劇場三部作は基本的にシリーズの再編集ものだけど、三作観ればシリーズ43本のエッセンスを俯瞰できるようには作られているという意味で、考え方によっては良心的。この三部作の存在がファン層の代謝に寄与しているという側面もあるのでは、と思った次第です。[映画館(邦画)] 5点(2010-01-31 04:02:39)

97.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 今作はあの殺人の動機を映像からどれだけ感じられるかによって視点も評価も分かれる作品だと思います。以下、自分の解釈です。あの少年は自慰くらいはやっているけれど童貞。セックスは知識として知っているが理解はしていない。母親や親近感を覚える女性に清く美しい幻想を擁く年頃でもある。しかし彼にはセックスが穢れたものとして認識されていた。その原因は母と叔父の密通。だいたい、肉親のセックスシーンほど見たくないものは無い。それも、母の相手は父親ではなく叔父である。その言葉にならない憤懣を母親にぶつける勇気も無く、グレるほど擦れてもいない。彼の憤懣の矛先は、行為自体の見え方も含めて男側に向いていたのではないか…。峠で出会った女は優しかった。娼婦の何たるかを知らない少年はその女に「母性」と「姉性」と「女性」の全てを感じていたと思える。その女が行きずりの土工に体を売っている現場を見た少年の脳裏によぎったものは、間違いなく母と叔父の穢れた関係。少年の中では、清く美しいはずの女を陵辱する男の行為だけが肥大し、衝動的に噴出した。それは、性に芽生え始めた頃の葛藤のひとつの結果。少年があと2~3歳年長だったなら、あるいは2~3歳若年だったなら、おそらく起こっていない殺人だった。少年の動機は理屈にするとこのようなことだと思います。映像では明確に語られないことが自分には肌感として感じられたので、とても深い作品として味わえました。 今作で特筆すべきは田中裕子でしょう。柔らかさとヤサグレ感を併せ持ち、少年の思春を惑わせるに充分な色気と儚さを感じさせる。警察の拷問ばりの取調べに失禁するシーンに女優魂を見ました。彼女の演技が少年心理の動揺に説得力を与えており、それが今作の骨格でもありました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-24 05:00:37)(良:3票)

98.  薔薇の名前 《ネタバレ》 原作は未読ですが、前半は記号学者でもあるウンベルト・エーコらしい組み立ての推理劇で、名探偵さながらに理知的なショーン・コネリーの好演が光ります。でも後半は少しトーンダウンしました。事件の謎は解かれるが、その原因となった禁書が焼失するドタバタの中で濁流に流されるように終幕する。キリスト教の教義に関わる内容なので、証拠を残さないフィクションに収める必要があったのでしょう。願わくばショーン・コネリーの謎解きで、これぞ快刀乱麻って具合にまとめて欲しかった。まぁ、ジャン・ジャック・アノー監督はそんなタイプじゃないんですが。この監督の映像の多くは、その土地の土が匂っているような錯覚を覚えます。本作はそれが顕著でした。男しかいない修道院の不健全な空気や、薄汚れた衣類など、たぶん中世ってあの通りの見え方だったと思う。それが冷たく湿った土の匂いと一緒に世界観としてまとまっている。いかにもペストが流行して人が死にそうな印象です。その不潔感だけでも観る価値はありますね。「薔薇は神の名付けたる名。我々の薔薇は名も無き薔薇」という意味深なテロップで映画は終わります。この言葉は、原作的には中世の論争にまで遡る思索的意味合いが込められているらしいのですが、映画を観る限りは宗教教義の建前と現実世界との乖離を表現していると解釈しました。劇中の魔女裁判的な異端審問が良い例です。[ビデオ(字幕)] 6点(2010-01-24 02:47:20)

99.  わるいやつら 片岡孝夫が演じる病院の二代目院長がとにかくお坊ちゃんでした。その犯行のやり口の適当なことと言ったら…。何気なく観ていても、あちらこちらに証拠を残しまくっているのが分かる。「わるいやつら」って云うより「マヌケな奴」とか「バカな奴」って映画じゃないの、と終盤近くまでは思っていました。でも、一応どんでん返しがありましたね。わるいやつは院長だけじゃなかった。あの院長には「坊やだからさ…」という有名な台詞が似合いますね。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-01-21 16:55:49)

100.  炎628 《ネタバレ》 二次大戦を描いた映画の中でもソ連側が舞台になっているものは「スターリングラード」くらいしか観た記憶がなかったが、こちらはソ連の村、現在のベラルーシが舞台。詳しくは読み取れませんでしたが、その地域はドイツに占領されていて、民兵によるゲリラ戦が展開されている様相。その抵抗勢力に対してドイツ軍が行ったことが、ゲリラ戦に参加した少年の目を通して描かれます。DVDの映像特典では、スターリングラードの攻防を実際に体験した監督が、破壊された都市の悲惨な記憶を残すために製作したと言っていましたが、映画を観た印象はちょっと違います。この映画には戦闘という意味での戦争はありません。戦闘に参加していない市民を殺すドイツ軍が描かれています。ゲリラ掃討の作戦行動として、拠点となる村をチェックするのは当たり前だけど、非戦闘員までも無差別に殺すドイツ軍。その様が、娯楽を楽しんでいるかのように映ります。そこにはヒットラーの方針とか、ドイツ軍の軍規とか、戦略的な意義などは見えません。戦争という非日常でルールに規制されなくなった人間が何者になるのかが浮き上がります。残酷、残虐、非道、それとも非人間的。どの言葉も陳腐に聞こえる行為でした。場所が変われば、ソ連軍も似たようなことをやっていると思うし、当時の日本軍も同様だったのでしょう。今作は反戦映画とは思わないし、当時のドイツ軍の行いだけを糾弾しているとも思わない。種の存続以外の理由で他の生物や同属までも殺せる種族、人間。その特殊な存在を描いた映画だと思いました。本当に神の怒りがあるのなら、地上から人間がいなくなっても不思議じゃない。邦題の数字はドイツ軍に蹂躙された村の数とのことです。[DVD(字幕)] 6点(2010-01-12 03:35:23)

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