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81. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺 夭折の天才監督、山中貞雄の現存する数少ない作品の一つ。 昭和10年の作品にもかかわらず、中盤のテンポの良さ、笑いのお約束と珠玉の出来。 新橋の売れっ子芸者で歌手の喜代三扮する櫛巻きお藤は、本物が醸し出す粋でいなせな感じが流石。強面の傳次郎左膳の人の良さとお藤との掛け合いも絶妙。 戦地での病死により、監督生活がたった5年だったことが悔やまれる。[DVD(邦画)] 10点(2013-05-06 12:30:33)《改行有》 82. アイアンマン3 《ネタバレ》 今作は、ユーモアありペーソスありの完成度の高い作品。 (ユーモアというよりギャグ?) 前作までの監督から交代したことが吉と出たようです。 主人公トニー・スタークは、おちゃらけキャラながらもパニック障害もちで、「困った困った。あれが無いとどうしようもない。」と全くだらしない。 でも、キリアンからの仲間にならないかという悪の誘いにはキッパリと拒絶。 そう、アイアンマンスーツがあるからではなく、彼こそがアイアンマン。 「I AM IRON MAN!」 かっこ良さ過ぎます。[映画館(字幕)] 8点(2013-05-05 05:56:00)《改行有》 83. クラウド アトラス 《ネタバレ》 過去、現在、未来の、それだけなら明快な話が表現効果を狙ってバラバラにされています。そのバラバラにされた夫々に同じキャストが出ていたりします。 トム・ハンクスは6役。それでもトム・ハンクスは分かりやすい方です。 ペ・ドゥナのメキシコ人違法工場の女なんて全く分かりませんでした。ペ・ドゥナは本作で印象的でした。クローンソンミが着ていた服は紙だったそうです。服も使い捨てということでしょう。是枝監督の「空気人形」をみたウォシャウスキー監督から連絡があったようで、今回は複製人間でした。[映画館(字幕)] 8点(2013-03-20 20:43:23)《改行有》 84. ダイ・ハード/ラスト・デイ 《ネタバレ》 いけません。これはジョン・マクレーンではありません。 ダイ・ハードっていうのは、超人ではなく普通の人がガンバってガンバって悪を倒すというものであったはずです。今作では、車を一般人から略奪して超人的に暴れまわっています。これは映画名だけを貰った、他のシリーズの映画とみた方が良い映画です。 1作目の出来に驚き、2作目以降を見てきた者としては、1点もあげられないような作品ですが、IMAX環境で見たアクションシーンは迫力があったので、4点にしておきます。[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 08:55:28)《改行有》 85. レ・ミゼラブル(2012) まず最初に、本作品はミュージカル映画です。 有名な作品なので、そういうことは少ないと思いますが、それと知らずにミュージカル嫌いの人が見に行くと悲惨な目にあいます。 通常、ミュージカル映画はアフレコですが、本作ではライブ録音で、ミュージカルとしての臨場感を高めています。時にイヤホンが外れたのかキーがおかしくなっていても、「舞台」と考えればそれもまた良しです。 映画では舞台と違って顔の表情をよく見られるという利点もありますし。 ジャンバルジャン演じるヒュージャックマンは、強制労働がいかに過酷であったかをその後の姿とで見事に表現しています。 レ・ミゼラブルというと、ミール・バヤールの木版画の少女コゼットのが絵が有名ですが、本作の少女・コゼットが生き写しでした。作品へのこだわり、愛情を感じました。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-06 15:56:21)(良:1票) 《改行有》 86. ドラゴン・タトゥーの女 本作は、スウェーデンのスティーグ・ラーソンのベストセラーであるミレニアム三部作の第一作。スウェーデンでは既に三部作の映画化を終わっているが、これを「セブン」「ソーシャルネットワーク」のデヴィッド・フィンチャーがリメイクした。 経済ジャーナリストのミカエルが凄腕調査員のリスベットと大富豪から依頼された失踪事件の解明に挑む。リスベット役の女優が、「ソーシャルネットワーク」の主人公の恋人と同一人物とは…。[映画館(字幕)] 8点(2012-02-12 22:54:37)(良:1票) 《改行有》 87. ツリー・オブ・ライフ 芸術作品でした。芸術作品すぎました。父と子の葛藤という普遍のテーマを扱った作品という触れ込みで、もっと「世俗的」な映画を期待していました。映像の綺麗さや壮大さは認めますが、退屈でした。[映画館(字幕)] 2点(2011-08-22 20:37:32) 88. コクリコ坂から 今作のジブリは、冒険やファンタジーではなく、少女マンガ雑誌「なかよし」に掲載された作品を原作とした、高校生の淡い恋を描いた作品。下宿屋コクリク荘を切り盛りしている女子高生・松崎海が、学校新聞を発行している風間俊に惹かれ、ガリ切りを手伝うようになる、というのが話の発端。「ガリ切り」って分かる人は少なくなってしまったのではないでしょうか。うちにも鉄筆が何本か有りました。 東京オリンピック開催をひかえながらも戦争がまだ遠い昔のできごとになっていない昭和38年。横浜に路面電車が走り、オート三輪が街中を行きます。 監督は宮崎吾朗。近藤喜文が生きていれば本作の監督は彼だったでしょう。[映画館(邦画)] 7点(2011-07-18 00:38:59)(良:1票) 《改行有》 89. アンノウン(2011) どっかで見たようなストーリーで、突っ込みどころ満載の内容です。でも、意外と楽しめました。他の方の評価を読んでみると、皆揃って酷評ですね。メタメタな評判ですが、演出なり編集なりに一工夫されれば評価が上がりそうな映画でもあります。これから見に行く人は、強引で都合の良い展開でも素直に流されながら見るのをおすすめします[映画館(邦画)] 6点(2011-05-15 23:00:46) 90. ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 良くできた映画です。 リドリー・スコット監督が、手堅い俳優陣を使って、中世から切り出してきたような映像をつくっています。 一つひっかかったのが、ロビンフッドの父が民衆の指導者たる石工という点。なんで石工? 東北大学の有光准教授によると、当時は石造建築の革新期で天井の重さを巧みに分散させて支える数学的知識をはじめ、高度な知的能力が必要とされる職業で、高度で複雑な最先端の知の世界に触れる存在として石工という設定が選ばれたのでは、とのこと。[映画館(字幕)] 8点(2010-12-19 22:24:28)《改行有》 91. THE LAST MESSAGE 海猿 シリーズの今までの作品は未見です。今作の予告を見て、見に行ってしまいました。同じように、今作で初めて海猿シリーズを見ようという人がいるかもしれませんが、今までの作品を見ていなくても大丈夫です。ストーリーは、予告編のとおり、世界最大級の天然ガスプラント「レガリア」に船が衝突し不安定となっている時に、さらに超大型台風が直撃するため、プラントに残っている人を海猿が救出するために出動し…という話です。超大型台風が直撃してヘリも巡視艇も近づけない状況といいつつ、凪いだ海面や揺れないレガリアには多少説得力を欠きますが、そのかわり、流石にシリーズというだけあって、皆役柄に入り込んでいて、訴えかけてくるものが伝わってきます。[映画館(邦画)] 6点(2010-09-20 08:23:28) 92. 悪人 《ネタバレ》 ヒロインを演じた深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞したというタイミングばっちりの宣伝に乗せられ、早速見てきました。流石に出演者の皆さんは賞をとるに相応しい熱演でした。でも、ストーリーとしては、殺人犯も根っからの悪人ではないといったステレオタイプの話で、重苦しい映画でしたが、後になにも残らない感じです。登場人物それぞれのサブストーリーを織り込むものだから焦点がぼけてしまっている印象でした。原作は未読なのですけど、原作に忠実なつくりなのでしょうか。原作は、大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞したということです。場面つなぎの編集が、特に前半、雑なところがちょっと気になりました。 [映画館(邦画)] 5点(2010-09-11 14:34:45)《改行有》 93. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! これまで踊るシリーズを見てきた中で、今作は同窓会以外のなにものでもありません。TVシリーズや映画の前作などを見てきた人ならば懐かしいと思うところもあるかもしれませんが、今作品だけでみれば、残念ながら、印象に残るところが何もありません。[映画館(邦画)] 3点(2010-07-19 23:36:23) 94. アデル/ファラオと復活の秘薬 「リュック・ベッソンが放つヒロインアドベンチャー超大作」というのが、この映画の宣伝文句ですが、これでアドベンチャー超大作なんていうのを期待してしまうと大いに肩透かしを食ってしまいます。主演のルイーズ・ブルゴワンは、エンターテイメント性豊かな天気予想コーナーを担当していたお天気お姉さん出身の女優さんです。つまり、ドタバタ喜劇系なのです。ストーリーは、おきゃんな女主人公が病床に臥せる妹を救うべく奮闘するというものです。刑務所に変装して忍び込むあたりは完全にコメディーになってます。コメディーですから、エジプトあたりも色々ちゃっちい所もありますが、それもご愛嬌でしょう。[映画館(字幕)] 7点(2010-07-19 23:25:14) 95. 必死剣 鳥刺し 本作品は、「隠し剣 鬼の爪」や「武士の一分」などの、藤沢周平の隠し剣シリーズの一編。 物語の冒頭で、主人公は藩政を牛耳る殿の妾を斬る。 これは、愛する妻を失い、死に場所を求めての行動であった。 しかし、意外にも死を賜ることなく、生き恥をかくことになる。その中で、一旦は死地を求めた主人公が、次第に生きる場所を見つけていく。 だが、皮肉にも、生きんとした時に、使命により、強敵と対峙することになる。そして、壮絶な斬り合いの果て、最後に必死剣 鳥刺しを出す…。 時代劇ではあるけれども、描かれている世界は現代に通じるものであり、会社組織の中で翻弄されていると感じている人に是非見てもらいたい。[映画館(邦画)] 6点(2010-07-19 22:55:12)(良:1票) 《改行有》
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