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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
81. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 《ネタバレ》 もうはっきり言ってストーリーは意味不明なところがありますが、私はついていけるので全然OK。妻は寝ちゃいました。 今回はトニー・スタークが元凶。彼が『無敵のアイアン軍団』なんか作ろうとするからこんなことに・・・。もちろんそのおかげで『ヴィジョン』って新しい仲間が加わるわけですが、クイックシルバーが死んじゃうのが何とも悲しい。彼にはぜひこれからのアベンジャーズで活躍してほしかったものです。 ヴィジョンもねえ。まあこれからどうゆう活躍をしていくかにもよりますが、できれば『ジャーヴィス』って名乗ってくれたほうが親近感が湧いたかなぁ。 さて、今作では今までのヒーローたちがメインからサブまでみんな活躍してくれる。ウォーマシーンのような『ザ・脇役』もしっかり闘ってくれる。それだけで嬉しくなる。終盤の空中戦ではファルコンも登場してくれるのかと思っていたので、ちょっと残念でしたね。パーティと最後の集まりには居たのに。 また、パーティバトルならではの協力プレイが盛り沢山。キャプテン・アメリカの盾は使い勝手が良いみたいで、みんなで仲良く使っていますね。私は『ハルク』と『キャプテン・アメリカ』が特に好きなので、二人のバトルシーンはテンションが上がりっぱなしです。 『オープニングのヒドラ襲撃』『お約束のカーチェイスバトル』『ハルクVS巨大アイアンマン』『ラストの全面対決』と見所がいっぱい。列車を止めるシーンは遂に双子と協力し始めるとてもアツいシーン。前作よりもあらゆる面でのパワーアップを感じられる本作。最初から最後まで理屈抜きに楽しませてもらいました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-03-30 03:13:16)(良:1票) 《改行有》 82. ウソはホントの恋のはじまり 《ネタバレ》 思っていたより大分良いお話でした。 ストーリーもキャラクターもストレート。凝った演出やひねった展開はなし。だからこそ、サムやバーディやその友人達と一緒に、素直な気持ちで喜怒哀楽を感じることができます。そう、これはいまどきめずらしい王道ラブコメ。 コメディは下品すぎずソフトタッチ。どちらかと言えば言葉や台詞のユーモアで笑わせてくれるセンスが好き。 サムやバーデイが、それぞれ欠点はあるものの、応援したくなる人物に描かれているのがまた良い。 サムは作家志望。オリジナルの小説を世に出したい。そーゆー背景も応援したくなる要素の一つ。 そしてサムは自分の恋愛体験を小説にしていきます。それが出版社のお偉いさんにウケはじめる。派手なサクセスではないですが、仕事を頑張っている人の手堅いサクセスはなんだか嬉しくなります。 こーゆージャンルのラブコメって、恋愛が熱を帯び始めると仕事がそっちのけになることがしばしば。そーゆー展開は好きじゃないんですが、サムは違います。しっかり小説を書き進めていきます。だからこそ、クライマックスの作品会議で腹抱えて笑えるというものです。そして彼女からのダメ押しにまた爆笑。 主人公ははっきり言ってピエロだったわけですが、こんな幸せなピエロなら良いじゃない。 見ているときは楽しませてくれて、見終わった後は幸せな余韻が残る、そんな優しい映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2020-03-28 01:30:57)《改行有》 83. 最強のふたり 《ネタバレ》 これが実話っていうのが凄い。障害者の大富豪と貧しい黒人青年。描き方によっては重く、暗くなりそうな題材を、明るくポップに仕上げた作品。不謹慎になるかならないか、かなり際どい絶妙なバランス。でもそれがこの映画の魅力になっていそうです。『心のバリアフリー』とでもいうのでしょうか。『富豪』『障害』という肩書きを完全にスルーしちゃうドリスに、フィリップだけでなく、見ている私達も爽快な気分を味わうのです。 こーゆー作品にしてはユーモアのセンスも抜群。『絵』のくだりは最高。『白いキャンバスに鼻血つけただけじゃん。俺が描いてやるよ。なんなら青いペンキも足してやるし。』に始まり、ドリスの絵が売れるまでのコント劇。11,000ユーロで売れたときは『売れたっっ!』って笑いが止まらんかったです。芸術って何なんでしょう。ついた金額がその絵の価値を決めるのか? フィリップのラブレターを小馬鹿にするシーンも面白い。そういった意味では、心温まるヒューマンドラマというだけでなく、ちゃんと『映画』というエンターテイメントに昇華されているのが素晴らしい。 サイドエピソードについてはやや詰め込みすぎ、説明不足、消化不良気味であることは否めません。フィリップの娘。ドリスの家族。抱える問題がどのように解決され、今どうゆう状況になったのか、肝心なところが明かされないままです。ですので、ちょっとすっきりしない部分は残ります。 とは言え、ハートフルでプチサクセスなコメディドラマとして、見る人を楽しませてくれる作品なのは間違いないでしょう。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2020-01-19 11:30:45)(良:2票) 《改行有》 84. アベンジャーズ(2012) 《ネタバレ》 念願のアベンジャーズ。やっと見れました。感動。スーパーヒーロー勢揃いで最高。個人的に好きなハルクやキャプテン・アメリカもしっかり活躍の場があって嬉しい。最初ばらばらだったメンバーが、次第に力を合わせて共闘していくのがたまらなく良い。ブラック・ウィドウやホークアイのような脇役の使い方も抜群にうまい。脇役ながらもただ者ではないことを感じさせる二人。脇役には脇役の華がある。この二人は脇役として最高です。 『アイアンマンVSソーVSキャプテンアメリカ』『ブラックウィドウVSハルクVSソー』『キャプテンアメリカ&アイアンマンVSロキ』どれも小競り合いだけど、本題に入るまでのつなぎとしてこーゆーミニバトルがいっぱいあるからとにかく楽しい。もちろん最後の総力戦が一番盛り上がります。 異世界からの侵略者。真昼間から何も知らない街の人々が襲われる。それをヒーローたちが撃退する。もう最高にべたな展開なんですが、やっぱこーゆーのが一番盛り上がりますよね。 ヒーローたちが守るべき一般人たちはオーディエンスにもなりえます。観客がいるから盛り上がる。これ大事。 スタークがいるんで、終始ちょっとおちゃらけた雰囲気なのに、フィル・コールソンが死んじゃうエピソードだけは毛色が違ってちょっと悲しすぎます。そのエピソードがないとヒーローたちは本当に一致団結できなかったのだろうか。だとしたら、せめてヒーローたちが見守る中で息を引き取るとか、もう少し説得力をもたせて欲しかった気がしますね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-21 03:33:50)《改行有》 85. REC/レック3 ジェネシス 《ネタバレ》 舞台は違う。アンヘラは出ない。でもこれを1本のゾンビ映画として見た場合、私はかなりよく出来た作品だと思いました。 無駄とも思える冒頭20分の結婚式のくだり。この20分と後半60分の惨劇の対比。日常が侵食される恐怖。これこそがゾンビ映画の醍醐味。 厨房。披露宴会場。中央管理室。中庭。教会。地下道。教会を除く全ての場所にゾンビが登場。すべての場所に惨劇とドラマを用意。短い尺の中、これだけの要素をテンポよく盛り込んでくれたことに拍手を送りたいです。 クララを助けに行ったコルドと、脱出するクララのニアミスは焦燥感を募らせます。再会を喜び合ってキスをするのは勘弁してって思います。どう考えたったそんな場合じゃないでしょ。 ラファやナタリー、スポンジ・ジョンや調査員、そしてアトゥンなど、モブキャラの存在感が良い。それぞれの壮絶な最期も良い。 監視カメラの映像で見るバス襲撃の惨劇、更にはその背後のTVに映る、『1』のアパートのニュース映像。これはシリーズの特性を活かした名シーン。ゾンビパニック映画としても屈指の名シーンだと思います。 ラストの切な過ぎるバッドエンドも申し分ない。 あえて意見を言うとしたら、叔父さんがゾンビになってからの展開が早すぎる気はします。1作目では、少しずつ感染者が増えていく恐怖というものが描かれていました。こちらでは、あっという間にサバイバルに突入し、あとは『戦う』『逃げる』の繰り返し。1作目にあった、マジョリティから徐々にマイノリティへと追い詰められていく恐怖は感じられなかったですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-11-06 11:58:15)《改行有》 86. ホームランが聞こえた夏 《ネタバレ》 正統派スポーツドラマ。凄く良かったです。 まず、主演のチョン・ジェヨンが良い。『選手を叱咤激励するシーン』『他校の選手を叱るシーン』『学校の経営陣に啖呵をきるシーン』どれも凄い迫力で、胸があつくなります。日本の俳優さんで、この人くらいアツい演技をする人が、今どれくらいいるでしょうか。 プロ野球の花形ピッチャー。でも素行不良で問題児。警察沙汰で謹慎処分。社会貢献の一環で聾学校の野球部のコーチに。最初は渋々。やる気なし。そこから徐々に子供たちといっしょになって、真剣に野球のコーチをやりはじめる。まあいたってシンプルでよくあるシチュエーション。ただその見せ方がとても自然ですごく上手い。トレーニングの様子を丁寧に、かつテンポよく見せてくれたことに監督さんや脚本家さんのセンスの良さを感じます。ラストの試合の決着も、ちょっと虚をつかれたけれど個人的にはアリ。これといって非の打ち所の無い作品で、よく出来ています。 ただ、こーゆー映画を見ると過去に見た野球マンガの数々とどうしても比較しちゃいがち。野球マンガに必ずある、『無名の高校が周りをあっといわせる展開』が、やはりこの映画にもありません。野球マンガってその辺の盛り上げ方が凄くうまくて、比較しちゃうと物足りなさを感じる部分はあります。ついでに言うと、女教師との恋エピソードもイマイチ。あの程度の味付けで済ますなら無いほうが良いでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2019-09-09 13:09:44)《改行有》 87. ジュリエットからの手紙 《ネタバレ》 この映画を見て『浮気は良くない』と言うのは野暮。『若さゆえの・・・』『一時の気の迷い』『よくあるラブコメ』『上手くいきすぎ』『予定調和』、全部野暮。 ソフィーがかわいい。3人の掛け合いが楽しい。50年前の手紙が見つかるなんてロマンチック。みんなハッピーエンドでめでたしめでたし。こうやって素直な気持ちで楽しむのが一番です。 ソフィーとヴィクターはダメになっちゃったけど、ヴィクターはダメな人ではありません。ちょっと自分の夢に一途になりすぎただけ。二人の破局のシーンは辛かったけど、ヴィクターは自分の夢をかなえようとしている。ヴィクターはヴィクターなりのハッピーエンドを迎えたのだと思うようにしたいです。そうすれば、この映画は全員が幸せな結末を迎えたことになります。幸せな気持ちに浸れます。 嫌な人間が一人も出てこないので、そのプロセスにおいて物足りなさを感じてしまう人もいるでしょう。 でも休日の昼下がり。のんびり観るのにこんなに良い映画はありません。 ラブコメ及びハッピーエンドの定番。万人向けの良作。 ヴィクターや『ジュリエットの秘書』であるお姉さま方。旅先で出会う『紳士ロレンツォ・バルトリーニ』のみなさまがた。そしてクレアとソフィーとチャーリーは、まるで3人の仲良し親子を見ているかのよう。この魅力的な人々と、イタリアの町並みとその夜景の美しさに、ちょっとだけ基礎点プラスです。[DVD(字幕)] 8点(2019-06-03 12:13:14)(良:1票) 《改行有》 88. カーズ クロスロード 《ネタバレ》 シリーズものならではの哀愁を感じられる作品。『カーズ』にしろ『トイ・ストーリー』にしろ、ピクサーがシリーズ化するのには、なにかしらの理由や目的がありそうです。 ライトニング・マックィーンの再生物語と思わせといて、クルーズ・ラミレスという才能ある若者の成長物語。このクルーズが、女性だし、名トレーナーみたいな位置づけで登場するものだから、すっかり騙されました。確かに、浜辺でのマックィーンとクルーズのやりとりは、トレーナーと選手が完全に入れ替わっていましたね。それは、『1』でいうところの、ドクとマックィーンの関係に近い。 それでも、『1』、『2』と見ていると、マックィーンは生涯現役と信じて疑わなくなってしまう。そんなファンの心理を逆手に取った今回の結末は、それぞれの門出を祝うハッピーエンドではありながらも、やはり一抹の寂しさを感じずにはいられません。マックィーンは、これからクルーズのトレーナーという第二の人生を歩んでいくのでしょう。 それにしても、ラストで、マックィーンのボディのデザインとカラーを変えちゃったのはちょっとばかし残念でしたね。ドクに対する尊敬の念はわかるのですが、ドクはドク、マックィーンはマックィーン。選手からトレーナーへ、辿る道は同じでも、それぞれのカラーが大事だと思うから。 この作品から感じる世代交代、第2の人生。寂しさと、新しい希望を同時に感じる物語。それが最高品質の映像で紡ぎだされる贅沢。 学校で『道徳』が正式な教科となり、成績がつくらしいですが、ピクサーの映画を見せておけば、みんな心がきれいになって、いじめなんてなくなるんじゃないかな。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-06-21 09:15:58)《改行有》 89. クライモリ デッド・ビギニング 《ネタバレ》 久しぶりにドキドキしながらホラーを見ました。『1』や『2』と比べても、この『3』はかなり面白いです。 病院に収容された人食い一族。言葉は話せないが、頭は良い。それを印象づける冒頭の惨劇。この導入だけで、心が釘付けになります。 そしてメインストーリー。吹雪の中道に迷った若者達が冒頭の廃病院へとたどり着く。恥ずかしくなるくらいお約束の王道パターン。でも、それがイイ! なかなか人食い一族が出てこない。でも、冒頭の病院が舞台になっているため、緊張感のある画作りに成功しています。音楽もいいですね。 人食い一族がでてきたら怒涛の展開。ホラー映画でよくある、『主人公は知っているけれど、まわりは誰も信じない。』なんて、しけた演出は一切なし。みんなが集まっているところに投げ込まれる人体の一部。あっという間にパニックに。みんなが見ている前で吊り上げられる女性。慌てて外に飛び出し逃げようとするが、点火プラグが抜かれている。このシークエンス、無駄がなくて好きですね。 外は極寒。中は殺人鬼。どちらを選ぶか、究極の選択。 途中で女性が一人外部との連絡係として助けを呼びに行くが、結局凍死。この女性の絶望的な状況も、限られた時間の中できちんと描いて見せたのは高評価。 マイナスポイントとしては、千載一遇のチャンスに、何を思ったか『殺人鬼たちを殺すのをやめさせる』という不自然すぎるモラルが水を差す。 まあそういった気になる部分があったとしても、適度な恐怖感、ぎりぎりラインのグロ描写、スピード感、サバイバル演出、そのどれもがバランスがとれていて、一級品のホラーとして仕上がっています。[DVD(字幕)] 8点(2017-09-29 02:15:11)《改行有》 90. ファインディング・ドリー 《ネタバレ》 前作で、そのうっとうしさに少々苦手なイメージがついてしまったドリー。 今作は主役。多少の不安を抱きながら、おそるおそる鑑賞。 結果、うっとうしさは相変わらずのドリーですが、健気に両親に会いに行こうとするその姿、凄く良かったです。 声優さんの力によるところも大きいのですが、小さい頃のドリーが本当にかわいくて、ますます感情移入しちゃいます。 ストーリーは単純明快ですが、二転三転する情報により、『結局ドリーの両親はどこにいるんだ?』っていうプチミステリーの要素があって面白い。 そして魅力的な新キャラも登場。 眼が悪いジンベエザメのディスティニー。エコロケーションが使えないシロイルカのベイリー。海が怖いタコのハンク。 うーん、さすがディズニー。誰も彼もが愛すべきキャラに仕上がっていますね。 そして言わずもがな映像のクオリティの高さ。ついにここまできたかというビジュアル。 特に水面、そして『水面から見る地上の景色』は実写と見紛うばかり。更にはオープンオーシャン(大水槽)を遠景で眺めたときの画は言葉にならないくらい美しい。 ラストがちょっとひっぱりすぎですが、ドリーが貝殻を見つけてたどっていくシーンは文句なしに感動のシークエンス。 こんなに完成度の高い名作なのに、タコのハンクがベビーカーを走らせたり、トラックを運転したり、行き過ぎた擬人化がとても残念。興が冷めちゃいます。 あくまで『魚達の世界』の限界を超えない範囲で、夢のあるアドベンチャーを見せて欲しかったですね。 『何でもアリ』ってゆうのは、少なくともこの作品には相応しくなかったと思います。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2017-05-16 01:17:39)《改行有》 91. ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 前作の『EUROMISSION』より良かったが、『MEGAMAX』には敵わないという印象。それでも『MEGAMAX』に匹敵する面白さということで8点。 今作では、より少年漫画のようなノリが強くなりました。 主人公メンバーにそれぞれ因縁の相手みたいなのができます。 『ドムVデッカード』。『ブライアン』VS『キエット』。レティやテジにも少しではありますが、見せ場があって嬉しい。 お気に入りのローマン・ピアースだけが、完全にお笑い担当に成り下がっちゃってますね。それはそれで良いのですが、彼にもお笑い以外での見せ場が欲しいところです。 今作は車だけでなく、格闘シーンも今までで一番スピード感を感じます。 カーレースも相変わらずの迫力。初期の頃が懐かしくなるくらい何でもありの世界へ。そろそろネタも尽きるのではないかと思っていたのですが、無人戦闘機と公道でバトルさせるとは恐れ入ります。 ストーリーはゴリ押しも良いところで、ここまでくると笑っちゃいますね。 デッカード・ショウを探すために危険を冒して『神の目』と『ラムジー』を奪還するドミニクチーム。 そしてその奪還ミッションの最中に襲い掛かるデッカード。 ん?何かおかしくないですか?デッカードいるやん。・・・とか考えたらダメなんでしょうね。これは考えたら負けですね。 まあ結果、奪還ミッションのせいでいたずらに敵を増やしただけっていうのが笑ってしまいますが。 このシリーズでストーリーにつっこみを入れるのはもはやご法度であり野暮ってもんでしょう。 細かいところも細かくないところも、海のように広い心でさらっと受け流し、数々のアクションを何も考えずに楽しんでいれば、こんなに面白いシリーズはないんですから。 それにしてもデッカード、まるでターミネーターみたいです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-11-17 15:04:49)(良:1票) 《改行有》 92. ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 映画館で見られなかったことをこんなに後悔するのは初めてかもしれません。 ああ、映画館で見たかった・・・。でもブルーレイでも、まじで恐竜がいっぱいだったので大満足です。 オープニングで、テーマパークへの入場を疑似体験。このわくわく感がたまらない。 『こんなテーマパークがあるのなら、自分も行ってみたい。』そう思わせるほどの感動です。 この感覚は、ハリー・ポッターの1作目にも通じるものがあります。 『これからなにが始まるんだろう』という期待感。それがこの作品にはあります。 草食恐竜と大自然に癒され、感動し、肉食恐竜に恐怖する。これこそが恐竜エンターテイメントでしょう。 パニックものとしても定石を踏んでおり、安定した完成度を見せています。 序盤はまだのんきに構えているんですよね。 『警戒レベルを1に』とかほざいちゃって。麻酔銃で何とかしようとしちゃって。スタッフはみーんな『まさか』と思っていて、そんなに危機感を感じていない、それが後半へのパニックへとつながっていく。この辺の演出は結構巧みだと思いますよ。 『麻酔部隊』全滅、ヘリ墜落、プテラノドン脱走。スタッフの顔色がどんどん変わっていくわけです。この辺りが好きですね~。お約束好きの私にはたまらんのです。 今作では、登場人物たちの感情の動きが、セリフや表情によく表れているようです。感情が見えると、こちらもより物語に入り込みやすく臨場感が出て面白さが増します。 確かにこーゆーパニックものでは、登場人物たちの馬鹿な行動は非難されがちです。ですが個人的には人間らしくて好きなんですよね。ここで完璧な対応ばかりされたら、ATMみたいで引いてしまうかもしれません。油断、慢心から生じるジャッジミス。人間らしくて嫌いじゃないです。 『檻から出てったと思い込む』『ラプトルをインドミナレックスと戦わせる』すべて人間の慢心から生じるもので、無いとは言い切れません。 個人的には、そんなことより突然昼から夜に変わったことのほうに違和感を覚えます。せめて夕焼けのシーンくらい欲しいですかね。 それに、恐竜に知性を与えすぎたり、殺すことそのものを楽しんだり、あまり擬人化させすぎちゃうのが好きではありません。 あくまで〝太古の生き物が現代に蘇る〟という夢のようなシチュエーションにロマンがあるのだと思います。 いろいろ文句も書いちゃいましたが、随所にユーモアをちりばめていて、恐竜エンターテイメントしての『怖さ』と『面白さ』の両方をしっかりと見せてくれました。 『あ、ボーイフレンドがいるんで』 唯一既成のパターンを崩す名場面です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-11-01 12:27:12)《改行有》 93. ワイルド・スピード/MEGA MAX 《ネタバレ》 今までと違い、まじめなサスペンスアクションへと進化を遂げちゃってます。 いつものお気楽な感じはナリを潜め、みんな真剣。 今回は『FBI』、『麻薬王』、二つの巨大権力から命を狙われているわけですから、当然と言えば当然。 ドミニク、オコナーの『仕事』だって、ここにきて『1億ドルを金庫ごと強奪』という離れ技に。とたんにスケールが大きくなりましたね。 今作では、今までのシリーズの主要人物たちが勢ぞろい。 『MAX』のジゼルに、『TOKYO DRIFT』のハン、『X2』のローマン・ピアースとテズ・パーカー。オールスターです。そして手を組み、最終ミッションへ。熱い。否が応にもテンションが上がります。 このノリは『オーシャンズ11』と同じですが、今までのシリーズに愛着がある分、仲間がつどった時の興奮はこちらのほうが上。みんなで焼肉パーティーをするシーンなんかもあっちゃったりして、嬉しくなりますね。 そしてなんと言っても、ラストの大一番。金庫振り回してのカーチェイスは痛快の一言。 銃やショットガンを撃ちまくってくる相手を、ドライビングのテクニックのみで撃破する。これも熱いですねー。 でかい金庫をふりまわし、汚職警官ふっとばす。壊す壊す。こんなに痛快なカーアクションが今まであったでしょうか。 ラストはお得意の、ドライビングのトリックで金庫のすり替えに成功。 報酬を手にした後の、それぞれの人生を見せてくれるのも、幸せな気分を共有できて爽快。 ヴィンスはちょっと可哀想でしたが、みんなハッピーになれて満足です。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-17 13:06:26)(良:1票) 《改行有》 94. ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 いよいよ最終章後編。長い長い壮大な物語もこれで終わり。そしてこの作品、さすがに面白いのは面白いのですが、やはり暗い物語でしたね。スネイプも、リーマス・ルーピン夫妻も死んじゃって・・。え?ウィーズリーの双子の一人も死ぬんでしたっけ? いやー、本当に後半は犠牲が多いです。ずっと昔に小説を読んで、もうすっかり細かい内容は忘れていたのですが、その記憶が呼び起こされて、小説を読んだときのように暗い気持ちになっちゃってます。 それにしてもスネイプ。泣けます。 ダンブルドアとスネイプの秘密が明らかになる記憶の旅。本当に切ない。そうでした。スネイプはハリーのお母さんのことがずっと好きだったんですよね。リリー・ポッターになってからも、ずっとその想いは失われず。かといって安易な略奪に走るわけではなく、健気に見守るスネイプ。確かにこの物語はスネイプの物語と言ってもいいのかもしれません。たった一人の人を想い続ける。その人のためなら、自分の命も名声も、すべてを犠牲にする。汚名すらかぶる。汚れ仕事を一手に引き受ける。それでいて泣き言ひとつ言わず、ドラコ、ハリー、みんなを守ろうとする。スネイプはこの作品で最も孤独で最も崇高な人物ですね。 それに対しドラコ、お前は本当に情けないやつだ。ラストくらい良いところ見せてくれるのかと期待したのですが、最後までドラコはドラコです。 最後にこのシリーズ、はっきり言ってすごく好きです。なのに、どの作品も、低評価レビューのご意見に深く共感している自分がいる不思議な作品です。 そもそも、分霊箱の破壊だったり、ハリーの中に宿ったヴォルデモートの魂だったり、ストーリーをごっちゃごちゃにしすぎたのがテンポを悪くしているよーな気がします。ですがこれはもう原作がそうなっているのだから仕方ありません。 ドラゴンボールじゃないんだから、分霊箱7つっていうのがどう考えても多すぎるんですよ。(探すのは6つですが、それでも多い) 3つくらいにしておけば、もっとメリハリのあるストーリーに出来たんじゃないですかね。 何にせよ、これで終了。 大人のハリーとジニーはなんかブサイクでしたけど、DNAの突然変異か、これこそ魔法の奇跡か、二人の子供は何故かイケメンでめでたしめでたしですね。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-04-05 00:29:07)(良:2票) 《改行有》 95. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 技術の進歩は素晴らしい。ただただその映像美と迫力に酔いしれます。最高です。 正直、ストーリー、脚本だけでいくと7点くらいなんですが、映像技術の素晴らしさに+1点です。 個人的には、今作もⅠには及ばない、というより、テイストが違うので個人的な好みからいくとⅠのほうがやや好きかも、というほうが正確かもしれません。 ただ『チームプレイ』という意味においては、今作はシリーズ中最高に面白いのではないでしょうか。 ラストプレイで、それぞれの戦いが同時に決着した瞬間、核ミサイルが起爆せずにぶつかっただけで海に沈んでいくときのカタルシスは鳥肌ものです。 ついでに言うと、シリーズ中もっとも笑いのレベルが高かったのも本作かもしれません。それもシリアスなストーリー展開の中に、ごく自然に、おちゃめで天然なやりとりが入ってくるのだからたまりません。 走る列車。ATMのように機械音声で冷静に『網膜スキャンします』。この時点でもう腹筋やばいです。 ドバイで。『コンピューター室に外から入るしかない。』『何階だ?』『130階』『130階?』『換気ダクト。』『センサーが』『ムリだ。』『エレベーターシャフト』『センサーが』『ムリだ。』このやりとりで腹筋が崩壊しました。更に手袋の説明で、『ブルー(青)はグルー(くっつく』『じゃ、レッド(赤)は?』『デッド(死)』でダメ押し。 シリアスなシーンとコメディパートの緩急のつけ方が良いんですよね。 1シーン1シーン、スパイグッズ1つ1つが新アイデア満載で面白い。ただあまりに見所がありすぎるがために、一本の映画としてのまとまりに欠けているような気もします。 悪役に華が無いのも辛いところか。ヴィジュアル的にも魅力満載で異彩を放っていたサビーヌ・モロー役のレア・セドゥーは、惜しくも途中退場。ただ彼女もオープニングでは悪のカリスマごとき立ち居振る舞いだったのに、ドバイでは普通の人でしたね。なんかキャラ設定が惜しい。できればラストまで天才暗殺者のような立ち回りでイーサン達の前に立ちはだかってほしかったです。 このシリーズはどれもテイストが違うのに、それぞれがそのテイストにふさわしい完成度をほこっているのが何気に凄いです。 特に撮影技術は素晴らしく、その中でも本作は最高峰。 ローグ・ネイションが今から楽しみです。どちらも映画館で見たかった~。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-12-21 03:27:18)(良:3票) 《改行有》 96. 舟を編む 《ネタバレ》 辞書を作る話に2時間。・・・どんなものかと思いましたが、静かながらも熱く真剣な気持ちが伝わり続ける、力強いドラマに感動。日本の映画の良さが全部出ているのではないかと思っちゃうくらいの味わい深さでした。 馬締君も香具矢ちゃんも、出演者の皆様それぞれが地味ながらもすごく良い味をだしてくれているわけですが、なかでもとりわけオダギリジョー演じる西岡さんが最高に好きですね。 「映画ってやっぱり楽しくなきゃね!」と思っている僕にとっては、西岡さんがからむたびに映画館でおこる笑いが心地よく、それでいて彼が泣くシーンにはこちらも胸を打たれてじーんとしちゃいました。 また、「まじめっておもしろい」の映画のキャッチフレーズ通り、確かに「まじめ」もつきつめれば良い意味で面白い。正真正銘の真面目さから生み出される面白さというものをしっかり堪能させてもらいました。 いや、この映画は本当に良かったです。 この映画を観て元気づけられる人って、世の中にいっぱいいるんじゃないですかね!日本人の良さって、何と言っても「まじめであること」だと思うんです。そしてやっぱり「ものづくり」にかける誠意や熱意だと思うのです。 もともと日本人が持っている良さってものを、辞書作りとそれに携わる人達のドラマを通して再認識させていただきました。[映画館(邦画)] 8点(2013-05-31 03:08:26)(良:3票) 《改行有》 97. 人狼ゲーム インフェルノ 《ネタバレ》 ドラマ版「ロストエデン」の後編。もうがっつり後編。タイトル変える意味なんてないくらい。 一番の見どころは主人公の闇堕ち。 ロストエデンで、紘美、ルナ、亜利沙の3人に結構感情移入してしまったので、この結末は何とも後味が悪いです。 デスゲームもので後味が悪いもクソもないのですが・・・。 この3人は、はっきり言って性格は悪い。 紘美は確かに偽善者だし、ルナや亜利沙にいたっては論外。 ただ、紘美とルナの友情だけは、本物だと思っていました。少なくともロストエデンではそうでした。 だから紘美がルナをだまし続け、そんな紘美をルナが信じ続けた結果、こんな結末になるなんてあまりに救いがありません。 もう一足早く刑事の2人が到着しただけで、水谷、ルナ、越智の3人は助かった可能性すらあります。なんとも趣味の悪い脚本ですね。 「ラヴァーズ」と「インフェルノ」以外は、あまり後味の悪さを感じさせませんでした。 それは、人間のサイコパスな側面を見せながらも、同時に人間の良心も見せてくれていたからかもしれません。 でもこのインフェルノでは、良心のある人間はまっさきに殺されてしまいます。 要は、一番良心に欠ける人間2人が勝ち残ってしまう後味の悪さがあるんです。 ただロストエデンで、いじめの当事者でありながら蚊帳の外であった性格の悪い宮下舞や、不良の馬渡なんかをゲームに参加させてくれたことは良かった。それに宮下舞の襲撃は、何気にこの作品で一番のお気に入りです。 とゆーことで、映画としては非常に面白かったのですが、後味の悪さでプリズンブレイクよりは1点下げておきます。 そしてやっぱり人狼が誰だかわからないほうが面白いことを再認識しました。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-20 02:47:08)《改行有》 98. チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像 《ネタバレ》 ドラマは見ていません。 だからすみれ先生(栗山千明)がなぜ白鳥を憎んでいるのかよくわかりません。 ドラマと関連性のある映画は、ドラマも見ておくべきですね。 2つのサスペンスが同時進行。 ただ別宮葉子(桐谷美玲)サイドのストーリーは追いやすく、推理も比較的簡単なので、すっきり見やすい。 別宮や滝沢(松坂桃李)は、要所要所で明らかに『何かある』てきな雰囲気を匂わします。でもこれはおそらく確信犯的な演出であり、あえてわかりやすく教えてくれているのだと思います。 そのため別宮が真犯人とわかるシーンが驚きにつながらないのは痛いところではありますが・・・。こーゆー見る側のことを第一に考えてくれる映画は悪くないです。 まあまあ長尺だし、前半がちょっと退屈。 生瀬のアメリカかぶれキャラは過剰すぎてちょっとウザい。し、やや映画の雰囲気から浮いている気がします。 終盤、田口先生が別宮の自殺を止めるシーンが、まるで学芸会で見てられません。これ、ちょっとチープすぎて台無しです。 とまあ、正直気になる点はちょこちょこあるんですけど、全体としてはまとまっていて良作かと。 実際はそんなこと無理なんでしょうけど、ラストの病院のサーバーハッキングしてからのひともりあがり、こーゆーパニック好きなので点数甘めです。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2024-06-10 22:28:15)《改行有》 99. 人狼ゲーム マッドランド 《ネタバレ》 『マッドランド』の副題。その名もズバリでしたか。 『狂人村』。次から次によく考えるなぁ。 これ人狼側が有利すぎて、ゲームにならなくない? ・・・と、しばらく頭が混乱。 でもよくよく考えると狂人は村人側としてカウントされるから、人狼側の勝利条件は『人狼1人、狂人1人』もしくは『人狼1人、預言者もしくは用心棒のどちらか1人』の組み合わせしかないわけです。人狼は人狼で1人しかいないというのは、なかなか厳しい勝利条件かもしれないですね。 また、狂人も人狼を勝たせないといけないわけですが、最後に生き残れる狂人は1人だけなので、狂人同士で潰しあう必要があります。そうなってくると、思っていたほど人狼側圧倒的有利ってわけでもないのかな・・・。 いつもとは全く違って、人狼をあぶりだすのではなく、自分が人狼であることを証明しなければならないってのは、結構面白い試みだと思います。その設定が映画の面白さにつながっているかどうかは微妙ですが、少なくともいつもとは違う心理戦や駆け引きを見ることができました。 正直最初は狂人村のシチュエーションとルールが意味不明すぎて、これはもうクソ回だと思ったものです。 ただ主役以外の役職を伏せたこと。庄司も彩乃も人狼ではないことがわかったあたりから、俄然面白くなってきます。 そして今作は主役が初の用心棒。 そしてなんと言っても、まさかの主役デッド。 主人公のドアが開いたときの衝撃はなかなかでしたよ。 結果として、今までとは違う路線の人狼ゲームを楽しむことができました。 『プリズンブレイク』が一番好きなのは変わらないけど、これはこれで良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2024-06-09 03:13:05)《改行有》 100. サスペクト 哀しき容疑者 《ネタバレ》 ボーン・アイデンティティーだ! 凄腕の元工作員VS暗殺者チームVSスーパー軍人VS警察のみなさまVS女記者。 惜しむらくは登場人物多すぎてごちゃごちゃしちゃったとこかな。 特にお偉いさんたちは、途中から誰が誰だかわからなくなります。 チ・ドンチョル(主人公)リ・グァンジョ(主人公の標的、妻の敵)ミン・セフン(スーパー軍人)キム・ソッコ室長(ラスボスでクズ)ガム噛んでる人(ミンの部下で名前忘れた)女記者(同じく名前忘れた)、この人たちさえ把握していればとりあえず他の細かいとこはいいかなって感じです。 アクションはアップが多く、早いカット割りでちょっと誤魔化されている印象。臨場感や迫力をお手軽に出しやすいのかもしれないけれど、安易な多用は反対。 最近のアクションはこーゆー編集が多くて、目が疲れるし、脳も疲れるし、そして状況がわかりづらい。 まあそれをふまえても、エリート工作員同士の戦いはしびれるものがありますが。 特にショッピングモールでの一騎打ちは見ものです。 それに対し、3人目の大学講師みたいな暗殺者。車クラッシュしてリタイアって。そんなつまんない退場のさせ方するんだったら、あんなもったいぶった登場シーンだっていらなかったでしょ。ただでさえ登場人物多いのに。 ストーリー複雑すぎ、スパイあっちゃこっちゃにいすぎ、よっておおまかにしか内容がわからず、そこも残念ポイント。 このわかりにくさは、自分の理解力の問題ではなく、制作サイドの問題だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-05-27 00:54:41)《改行有》
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