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1001.  大地の子守歌 《ネタバレ》 増村映画に常に付きまとう女の苦しみ、痛み、傷ついても傷ついても、直向きに生きる少女おりん、原田美枝子の演技力、この当時若干16歳にして、この迫力、昨今の女優気取りのタレントなどとは大違いである。これが女優の演技だ。おりんが発する「この馬鹿たれが~」は自分に対する思いと自分をこのような世界、女郎へと引きずり込んだ男、佐吉への恨み(叫び)、また、自分を置いて死んでしまったばばあに対する思い、自分の事を何も解ろうとしない周りの連中への叫び、素直な気持ちの現れだと見ていて感じる。おりんがもう女になどなりとうないという気持ちが何とも痛い。牧師に対し船に乗せてくれというあのおりんの姿に少女としての本当の意味での女としての悲しみが滲み出ていて泣けてくる。眼が見えなくなったおりんが船を漕ぐあの姿にもおりんの悲しさ、切なさが現れてる。それにしても女優に対しとことん演技というものを追及する増村保造監督の演出の凄さ、今、これだけ女優に対し凄まじい演出を追及する監督はいないのではないだろうか![ビデオ(邦画)] 8点(2008-09-14 14:04:39)(良:1票)

1002.  妻の心 成瀬映画の中で三船敏郎が見られる。滅多にない光景である。そんな三船敏郎の黒澤映画では見られない別の魅力がここでも観られるだけで嬉しかったりもする。しかも、三船敏郎だけでなく千秋実の姿まで観られて、それに成瀬映画の常連加東大介とまるで「七人の侍」でも観ているような感覚にもなり、そういう意味でも貴重であり、嬉しい。話としては相変わらず成瀬映画らしくて、男の駄目ぷりと女の強さが描かれている。主演の高峰秀子に関しては文句なしです。妻の気持ち、心の病、苦しみの中で女としての葛藤をけして、大げさに演じることなく見せる上手さ、高峰秀子あればこそ成瀬監督の持ち味が発揮され、その反対のことも言えるのである。女優陣に関してもう一人、暗くなりがちな中で笑顔が魅力的杉葉子もこれまた良い。成瀬映画としてはドロドロした凄みというもの、メロドラマとしての凄さもあまり感じられないし、物凄い傑作でもないものの、相変わらず映し出される風景の美しさには眼を奪われそうになるぐらいの良き日本の姿がこの作品にも見られる。そういう美しさを見るたげでも見る価値十分である。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-13 14:29:50)

1003.  悲しき口笛 《ネタバレ》 美空ひばりの初主演映画てことらしいけど、これは凄い。何が凄いって?映画としての完成度や面白さ以上にまずは何と言っても美空ひばりの歌唱力の凄さ、上手さに驚かされる。とても12歳とは思えない大人顔負けの既にもうこの時から後の大物歌手としての貫禄みたいなものが見られるのが凄い。しかも、ただ歌が上手いだけでなく子供らしく演技しているのもこれまた驚きである。見た目は明らかに子供、体型は完全な子供なのに中身は大人である。しかし、それでいながら子供らしさを全く失ってないところも凄い。初めて菅井一郎と津島恵子の二人と出会う場面でのあの子供らしさ、二人に拾われる形で共に生活をしていく中で見せる表情から何まで子供なのに大人のようである。それでいて、子供らしく二人に対して接する姿などはやはり子供そのものである。津島恵子が踊るシーン、ここで歌う美空ひばりの東京ブギブギも楽しい。話が進むに連れて何だか湿っぽくなったりと不満もあるものの、そんな中でもやはり美空ひばりのあの存在感はただ者ではない。麻薬密売グループに連れ去られた津島恵子を追う時の涙、ラストの酒場でのタキシード姿に帽子、そして、映画のタイトルにある「悲しき口笛」を歌う場面などは日本版マレーネ・デートリッヒのようである。美空ひばり演じるミツコを探し求めていた兄との再会シーンでの「お兄ちゃん~~~」の絶叫、涙などは正しく子供そのものであり、これは美空ひばりの存在無くして有りえない映画と言って過言ではない。ところで、徳大寺伸と津島恵子の二人を見ていたらまた川島雄三監督の「とんかつ大将」が見たくなってしまった。そういや、美空ひばりも川島雄三監督の「お嬢さん社長」に出ていたなあ![ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-13 10:19:12)

1004.  暗殺の森 この映画は人間の惨酷さと冷たさをあの青で表現しているような何とも全編に青、青、青が強調されている。ファシズムの暗い影に潜む官能的な映像の数々、タイトルにある森の中の暗殺シーンにおける映像の凄さの前には全てがかき消されてしまいそうなぐらいとにかく映像美の素晴らしさというものは心に残る。しかしながら登場人物の人間関係などを含めストーリーがいまひとつ理解しにくいという難点がある。明らかにストーリーよりも美しい映像を観て楽しむべき作品ではないかと思います。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-09-10 21:52:07)

1005.  友だちのうちはどこ? 《ネタバレ》 「友だちのうちはどこ?」って、おいおい!友だちなんやろ!友だちなのになんで家も知らないんだよ?だのノートに宿題やらなかったぐらいで退学だなんて、そんなアホな?とか色々、疑問もあるけど、そういう疑問以上に良い映画だと素直に感じることの出来る映画であると観終わった後の気持ちの良さ、爽快感、心地の良さを心から味わうことが出来た。この映画は友だちの大切さと子供の心の純粋な気持ちというものをきちんと描く事に成功している。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-09-09 22:03:55)

1006.  魚影の群れ 《ネタバレ》 この映画を一言で表すなら「壮絶」て言葉で表したい。緒形拳と佐藤浩市の二人の男のもたらす一騎打ち、漁師としてのプライドをかけた男とそんな男を慕う男の闘い、愛する女の為になら頭を下げ、どんなことにも耐え、少しぐらいのピンタも耐えて見せる男、そして、二人の男に関係する女、父親への愛と愛する青年への愛、待つ女を見事に演じて見せてる夏目雅子の存在があればこその作品になっていると言っても過言ではないぐらい夏目雅子という一人の本物の映画女優の存在が大きい。緒形拳と佐藤浩市が船に乗ってマグロを釣りに行く。あの釣り糸が間違って佐藤浩市の顔へと行く場面の凄まじいことといったらないぐらい漁師という職業の厳しさ、辛さが物凄くリアリティーを持って伝わってくる。半端じゃないぐらいの映像的な力強さ、それはオープニングのあの長回しからしてこの監督らしい力強いショットとして現れている。夏目雅子が自転車に乗って坂道を下ってくるシーンにおいても映画的な力を感じることが出来る。夏目雅子というこの女優の持っている魅力、男に対する態度、待つ姿、そして、やはりあの日傘、夏目雅子に日傘、森崎東監督の「時代屋の女房」の中でも日傘姿の彼女が映し出されるが日傘がこれほど似合う女優は果たして他にいるだろうか?ただ見た目が可愛いだけでない、きちんとした演技力を持っているこの女優の若くしての死は本当に不幸である。映画史において各年代事に必ずその時代を映し出す本物の女優がかつての日本映画にはいた。少なくともこの映画が撮られた1980年代において最も女優らしい、それでいて、誰でも親しみの沸くことの出来る女優は夏目雅子で決まりである。この映画は男と男の格闘であると共に女も女で男達と共に何かに向って戦いを求めているような感じがしてならない。いずれにせよ、夏目雅子がいる。彼女がいるといないではここまでの作品になったであろうか?僅か27年という短い人生においてまた短かった映画人生において夏目雅子の代表作であると共にこれもまた若くして亡くなった相米慎二監督の代表作の一つであると思います。[DVD(邦画)] 8点(2008-09-06 14:29:25)(良:2票)

1007.  セックス・チェック 第二の性 《ネタバレ》 おっと、放浪紳士チャーリーさん、これまた偶然ですなあ!私もこれ借りてきたばかりで今さっきまで観てました。ところで5点とはかなり厳しいですね。そういう私も増村映画の中の特に傑作だとは感じませんがそれでもなかなか面白かったのでこの点数ですが、それにしてもこのキャスティングの何たる濃い人達、これもまた増村映画らしく、しかもこんな変態映画を撮るなんてのもこの監督しかいないと思うぐらいここでもやはり変態映画になってます。安田道代のあの肉体はどう見ても女なのにそれをセックスチェックしてみたら男であったなんて、どう考えても有りえないし、やはり変態映画らしく、緒形拳の鬼コーチにお前は男なんだから男らしくやれとまあ、何から何まで増村タッチ全開、昼間は陸上の特訓、夜は夜でひたすらセックスしまくりと、こんな鬼コーチぶり、変態男ぶりの緒形拳にレイプされてしまう小川真由美もこれまた何とも怖い。緒形拳の変態コーチ、狂気こそ人間の狂気であると言ってるような何だか本当にこの監督の変態性を見せ付けられたような気がする。[DVD(邦画)] 7点(2008-08-31 14:51:33)

1008.  黒の試走車(テストカー) 相変わらず増村映画に出てくる男達はいつもギラギラしていて、常に冷静さを失っていて感情を表に出す姿が炎々と描かれる。しかも、決まってハイテンションである。中でも高松英夫のテンションの高さはここでも異常なぐらいである。会社の為とはいえ他人を犠牲にし這い上がろうとする連中きりの役員達、ライバル会社との駆け引きの中で男達に関わってくる女達とのドラマという意味で今作は増村監督にしては普通な感じでこの監督らしいしつこさがちょっと弱く思える。田宮二郎と船越英二の使い方も何だか勿体無く思えるのと終わり方も何だかいまひとつな気がしてならない。モノクロの画面から伝わってくる人間の身勝手さ、他人はどうなろうと自分さえ助かれば何もかも上手く収まるんだとまるで現代の社会に対する警告、皮肉のようなものは見ていても感じることは出来る。そういう意味においては見応えはあるものの、やはり増村作品らしい何かこう見終わった後にまた見たくなるようなもの、余韻のようなものがさほど感じられなかった。[DVD(邦画)] 6点(2008-08-31 14:36:11)

1009.  ドラゴン怒りの鉄拳 《ネタバレ》 ブルース・リーって本当に動きからして日本人離れしている。そして、それだけでなく人間離れしていて凄い。よくあれだけぬんちゃく振り回しても失敗しないで自分の身体に当って傷つけないのが凄い。話そのものは見ていても日本人の描かれ方がどうにもしっくりとこなかったり、矛盾ばかり感じるも、ブルース・リーの肉体と動きにただただ圧倒させられるしかないのである。ブルース・リーが人力車を引いたり、写真家に化けたりと違った楽しみも見られて嬉しかったりもする。そして、忘れられない存在がもう一人いる。ノラ・ミャオの可愛さ、美しさは忘れられなくなりそうなぐらいこの作品の中における彼女は男心をくすぐるのである。あんな子なら私もぶたれてみたいと本気でそう思えてしまうぐらいである。ところであの芸者、裸踊りは何とかならんのか?見ていて気持ち悪かった。私ならあんなブスな女の裸踊りなど見せられたら折角の美味しい料理や酒もまずくなりそうです。あれがこの映画の中において最も許せない。私にはこの映画に出てくる日本人男よりもあの女が最も許せません。よってあの女のせいで大きく減点!同じ女の裸を見るなら男ならやっぱりもっと品があって上品で美しく可愛い女の裸を見たいものだと声には出してとても言えない。て言ってるじゃないか!なんて突っ込みはこの際、勘弁を![DVD(字幕)] 6点(2008-08-30 21:38:53)

1010.  快盗ルビイ 《ネタバレ》 小泉今日子の大ファンである友達と観に行きました。小泉今日子の可愛さは永遠のものです。今でもあの時の可愛さ、忘れません。勿論、今でもとても41才(バカボンのパパと同じ歳とはとても思えない。)には見えない可愛さを意地しているところが凄い。そんな小泉今日子の前にただただ言いなりになって泥棒を手伝う三枚目を演じている真田広之だが、見た目は二枚目だが、三枚目を演じる時の方が魅力的であり、そういう役を演じる方が断然、良く見える俳優である。少なくとも「たそがれ清兵衛」のようや役よりも三枚目のどこにでもいそうなサラリーマン風な男を演じる方が私は良いと思う。この作品ははっきり言えば一昔前のアイドル映画であり、けして、傑作とは言えないが、作品全体のいかにも昭和60年代風な感じが同じ時代を生きてきた者としては見ていても楽しい気持ちにさられるのと明から雰囲気を楽しむそんな映画である。この映画を観て映画にも雰囲気というものはとても大切であるということを教えてもらった気がします。[映画館(邦画)] 8点(2008-08-27 21:55:44)(良:2票)

1011.  喧嘩太郎 《ネタバレ》 石原裕次郎と芦川いづみコンビの作品を観るのはこれで何本目だ?こう幾つも観てると二人が一つの作品の中に出ていると話の面白さよりも石原裕次郎がどれだけかっこ良いか?そして、芦川いづみがどれだけ可愛いか?いや、可愛いのはもう見るまでもなく、そんなことは見る前から解ってることだ!芦川いづみがどれだけ可愛いかなんてそんな当たり前のことよりもどれだけ出てくるか?で満足度が変わってくる。今作にしても石原裕次郎に対する芦川いづみの目線が何とも良いのである。毎回思うことだが芦川いづみが石原裕次郎の男らしさ、好青年ぶりをどれだけサポートしているか?その逆で石原裕次郎が芦川いづみを今度はどれだけサポートし、ただでさえ可愛い芦川いづみをより一層、可愛く見せるか?それは単なる見た目だけの可愛さではなく、女らしさ、つまりは女として一人の男をどれだけ自分の為に尽くす男へと見せることが出来て、その上で男を優しく見守ることが出来、それでいて、ここぞという時にはしっかりと怒ることが出来るか?この作品など石原裕次郎演じる男は会社には遅刻してばかりの上にやたら喧嘩ぱやくて、色んな女にも手をだそうとしたり、誘われたりと、男の立場から見ると単なるバカで女たらしに見えるはずなのに、それがどうして?やはり芦川いづみの存在がかなり大きいのだ!彼女のような女性を前にしたら例えその女性が警察官だろうが私は気にしません。そういう女性を演じれるのがこの芦川いづみという女優なのである。二人がはしゃいで終わるラストには二人の未来、これから先の希望のようなものも見えて終わり方としてはこれで良いのだ!いつまでも引っ張らずに終わらせてこそ余韻というものが心に残る。作品としてはとにかく滅茶苦茶な感じで石原裕次郎の暴れぷり、上司の東野英治郎の侘しい感じとこの二人の同じ職場の連中の腹の立つことなど欠点も多く、むしろ欠点の方が多く感じるし、本当にどうしようもなく思えてならないが何度も言うように石原裕次郎を見る芦川いづみ、とにかくイチにも二にも石原裕次郎映画には芦川いづみがいてこそ、石原裕次郎という俳優の魅力がより発揮される。それだけは絶対です。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-08-26 21:21:15)

1012.  マルサの女 《ネタバレ》 この作品、公開当時、学生だった私は学校サボってガラガラの映画館で観たのを覚えてます。しょっぱな看護婦さんのおっぱいを吸っているおじいちゃんが映し出されるのを見て、良いなあ!羨ましいなあ!なんてアホなことを思いつつ観てました。そんな中で脱税する者、それを捕まえる者、脱税の手口を徹底的に見せてくれていて楽しむことも出来た。この映画が公開された年、1987年ていうと確か世の中はバブル最盛期であったはず。正しくこの時代に撮られたことが作品全体に物凄いリアリティを感じる。その一方で映画的な興奮というと果たして如何なものかと?いう不満も残る。そうは言うものの、面白いことは面白いので低い点数は付けられない。伊丹十三というと俳優としてもなかなかのもので大変癖があってその癖が苦手な人はとことん苦手かもしれないが、私は結構好きである。監督としての伊丹十三よりも俳優としての伊丹十三の方が私個人としては好きであるが、監督としての才能、眼の付け所もその時代にきんと対応していてなかなかのものである。そんな伊丹十三というこの監督としても才能のある一人の死は大変な不幸であり、惜しまれる。今も生きていたら間違いなく今の時代にあった作品を次から次へと発表してくれることであろう![映画館(邦画)] 7点(2008-08-25 22:38:51)(良:1票)

1013.  マルクスの二挺拳銃 《ネタバレ》 世界の映画の歴史において又は喜劇の歴史において、チャップリンとキートンを観たならマルクス兄弟も当然、観なくてはならない。避けては通れまい。初めてのマルクス兄弟作品観賞!チャップリンを初めて観た時のような感動やキートンを初めて観た時のような衝撃はなかったが、それでも十分楽しめた。最近の下品な下ネタばかりのアメリカンコメディとは明らかに違う面白さ、アイデアで笑わせ、三人の兄弟の息の合った身体を張ったアクションによって笑わせる。インディアンを相手にしてもマイペースを崩さないマルコス兄弟の凄さ、そして、やはり圧巻は最後の方の汽車の中、上でのやりとり、ストーリーなんてこの場合、無視して構わないぐらいの何たるバカバカしさに思い切り笑えて気分爽快!マルコス兄弟も何だか癖になりそうです。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-24 17:44:32)

1014.  平原児 《ネタバレ》 ゲイリー・クーパー主演による西部劇の大作!ゲイリー・クーパーの西部劇というと真っ先に「真昼の決闘」を思い浮かべるけど、好みで言えば断然「真昼の決闘」のが上であるが、しかし、この作品もなかなかの出来栄えになってはいて、何と言ってもゲイリー・クーパーが文句なしにかっこ良い。ジーン・アーサー演じる気の強い女にキスをされるたびに唇を拭き取るシーンなど俺はお前には用はない。お前のことなど好きじゃないんだと言っているようであり、いちいち言葉になど出さなくても伝えたいことはきちんと伝えていると感じることが出来る。こんな男は女からしてみたら何て嫌な男でキザったらしい野郎だと感じるかもしれないが、ゲイリー・クーパーだからこそ良いのであり、これがどうだ?俺っていかにもナイスガイだぜ!みたいな奴とは大違い、男らしくてかっこ良い男の象徴、それがゲイリー・クーパーという俳優である。またそんな男に対してしつこく迫るジーン・アーサーがバーでお金を払おうとせずに立ち去ろうとする男を縄で引きずり込んで無理にでも金を払わせようとする場面、正しく強い女の象徴的な場面を表している。勿論、西部劇らしいアクションシーンにしてもきちんと用意されていて飽きずに楽しめる一方で妙に説教くさかったり、戦争の面影を引きずってたりと気になる部分も多いのがマイナスではあるが、役者の芝居、そうそう、若きアンソニー・クイーンも印象に残るこれまたなかなか見応えのある西部劇に出合えた気がする。この監督のもう一つの西部劇「大平原」も観たいなあ!何しろバーバーラ・スタンウィックが出ているらしいし、近所のレンタル屋にあったかなあ?[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-24 11:28:56)

1015.  女相続人 《ネタバレ》 いや~怖い女だなあ!父親からも愛されず、愛する男には金が目当てだと裏切られ、男にまるでモテない女の女としての恨みの凄さ、恐ろしさを主演のオリヴィア・デ・バヴィランドが凄まじいほどの怖さを見せる演技でとにかく怖い。自分が愛する男に裏切られたと知った後のドラマが特に凄まじい。女の恐ろしさ、これを観ると男は女には勝てないと思う。ここまで徹底した女の怖さ、執念、嫉妬、恨み、いやはや、本当に怖い。同じ一つの画面の中に前方と後方とに二人の人物を映すことでこれまた生まれる緊張感、この監督の演出の上手さにはいつもながら感心させられる。あのラストもこれまた女の怖さ、恐ろしさを表現している。モンゴメリー・クリフト演じるモーリスが縁りを戻したいと戻ってくるのを無視するかの如く、提灯を手に階段を登って行く時のオリヴィア・デ・ハヴィランドの顔つきがこれまた怖い。ドアの向こうで「キャサリン!キャサリン!」と呼ぶモンゴメリー・クリフトの叫びは自分が犯した過ちに対する女の仕返しを身をもって表しているようで、これはとにかく女の男に対する裏切りへの仕返しのドラマとして見応えたっぷりの本当に怖い映画です。それにしてもウィリアム・ワイラー監督の階段の使い方の巧みなことといったらない。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-23 18:11:15)

1016.  社長行状記 やっぱりこのシリーズは三木のり平がいるといないとでは大違いである。この作品を観て改めてそう思った。日本を代表する名喜劇役者勢揃いの「社長」シリーズにおける三木のり平、三木のり平がいるだけで話そのものなど大して面白くもなく、どれを観ても同じようなパターンであったりと、それはまるで「男はつらいよ」シリーズを観るのと同じである。内容はどれもこれも似たようなもので、マンネリも良いところである。しかし、そのマンネリこそが「男はつらいよ」シリーズと同じで安心感というものが作品全体に漂っている。森繁久彌にいつも叱られてばかりの三木のり平がとにかく良いのです。まるでチャップリンやキートンを思わせるような感じや太鼓持ちのような腰の軽さがあればこそのこのシリーズ、三木のり平あってこその「社長」シリーズ!社長の浮気現場に必ず邪魔しにやってくる三木のり平が私はとにかく好きで、好きでたまらない。脇を固める俳優陣の中にあって、一段と面白いのが三木のり平なのです。三木のり平の面白さの前には他の喜劇俳優や特にフランキー堺も霞んで見える。小林桂樹と奥さん役の司葉子も流石に三木のり平の前には歯が立たない。いずれにしても三木のり平いてこその「社長」シリーズの中の一つであることは間違いない。[DVD(邦画)] 6点(2008-08-19 21:32:06)

1017.  霧の波止場 《ネタバレ》 ジャン・ギャバンの登場シーンがいちいちかっこ良い。相変わらず男としてのかっこ良さ、それも大人の中年男にしか出せない渋さというものが滲み出ている。冒頭の夜の街道を走るトラック、主人公ジャン(ジャン・ギャバン)ともう一人、とても十八には見えない大人の色っぽさ十分の少女ネリー(ミッシェル・モーガン)の二人が歩く後ろの風景、どれもが詩にでも出てきそうな感じの美しさ、話そのものは特別面白いとも感じないし、犯罪映画にしてはそれほど緊張感も感じない。しかし、作品全体の雰囲気、舞台設定の美しさと登場人物が皆、人間臭くて良い。あの犬もどことなく愛嬌があって良い。最後、殺されてしまうジャン・ギャバンのもとへと駆け寄る犬の姿が何とも悲しい。あの波止場の景色、タイトルにもある霧の立ちこむ美しさ、ジャン・ギャバンは「望郷」という映画でも同じように波止場によく合うそんな俳優だと改めて思ったと同時にこういう役柄、脱走者の役がピタリとはまる。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-17 18:00:30)(良:1票)

1018.  燃えよドラゴン 《ネタバレ》 社会人となって三年目の時にこの映画を好きな友達に薦められて観たのが最初で、この映画を観た翌日、会社に行って課長のことを呼ぶ時、「課長」ではなく「アチョー」て言いそうになるぐらい興奮したのを覚えてる。口から発する言葉は「課長」ではあったけど心の中では「アチョー」て気分で、この映画を観てしまって以来、会社にいて他の人が課長のことを「課長」と呼ぶのが全て「アチョー」に聞えてしまうぐらい私は重症です。はっきり言ってストーリーなんかほとんど覚えてない。しかし、ブルース・リーのあの肉体から放たれるキックとパンチの凄さの前にはもう、ストーリーなんてどうでも良く、ただただ凄い!凄い!と興奮せずにはいられない。タイトルにもあるようにこれは男の心に火を付ける(燃える)映画!正しく「燃えよドラゴン」の名に相応しい熱い映画!最後に一言だけ言わせてください。「アチョー」[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-16 23:05:48)(笑:2票)

1019.  第七の封印 《ネタバレ》 人は常に「生」と「死」に向き合い、背負って生きている者だと監督が言っているような作品というのがこの映画を観ての私の感想でして、とにかく重い。そのあまりの重さの前には観ていてもけして、楽しいという感じはない。人は前向きに生きようとする人と常に何かに対して怯えながら生きている人がいるのと同じように映画においても人と同じで二種類に分けられると思う。誰が観ても理解し易い映画とそうでない映画との二つとに分けられる。ハリウッド映画が前者ならヨーロッパ映画の多くは後者であると思う。この映画は間違いなく後者である。「神」の存在だの「生」と「死」だのと宗教的なテーマが故に我々日本人には解りずらい作品である。それでも一つだけ解ることは人間はいつか必ず死ぬものである。この映画のあの死神と騎士とのチェスは死と向き合うというテーマそのものであり、人生とは何か?チェスにより一つ一つと駒を奪われるその姿は死神にとって命を奪う手段として、じわりじわりと追い詰めていき、最後に残ったキングこそ人の命そのものであると私は思う。それにしても同じ監督の「処女の泉」と同じぐらいの張り詰めた空気と美しい映像美、そして、あの死神の醸し出す不気味な雰囲気、そんな死神がチェスで負けそうになると突如として暴れだして、駒を滅茶苦茶にしようとする姿などは勝負事、特にゲームに負けるとすぐにかっぁとなって切れる今時の若者の姿とタブって見える。人間のエゴイズムと死にたくないという思いの両方を感じる何とも観終わった後にずしりとくるそんな作品でして、断っておくけど間違ってもハリウッド映画のような単純な娯楽性など求めてはならない。そういう考えでこの映画、いや、この映画に限ったことではないけど、この監督の映画はどれも観てはならないと思う。そういう考えで観ようと思ってる方は絶対に観ない方が良い。何故ならテーマがテーマだけに苦痛、退屈としか感じないからである。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-16 11:32:41)

1020.  夏の夜は三たび微笑む 《ネタバレ》 えっ?これ、本当にイングマール・ベルイマン監督の映画なの?何とも軽快、こんなコメディタッチのものまで撮ってるとはいやはや、知らなかった。四組のカップルの繰り広げる恋愛模様が交錯するようにして描かれながら進んで行く模様がこれまた微笑ましくて良い。あのメイドと運転手が結ばれるラストもまるで良きハリウッド映画でも見ているような感覚になり、良い気分のまま見終わることが出来るのもこの映画の良いところです。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-15 22:25:38)

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