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1021. 拾った女 冒頭に於ける地下鉄内シーンに早くも手に汗握り「大当たり」を確信。期待は裏切られず、テンポ良く進む切れ味鋭い展開に目が離せず、リチャード・ウィドマーク、ジーン・ピータース、セルマ・リッターが辿る結末にドキドキし通し。「No.11」を積み替えるシーンに激熱に。当時として余りに激し過ぎると思えたラストでのファイトシーンで「負けるな!」握り拳で応援していたウィドマーク。通常運転での憎ったらしさとそれを上回った男気にまさかの惚れ惚れ。彼をも上回ったMIPがセルマ・リッターで、オスカー受賞ならずに激しく異議ありの忘れ難い姿でした。反共と過度な反共への視線も感じる傑作ノワールに酔いました。[DVD(字幕)] 9点(2021-05-14 16:32:43)(良:1票) 1022. 危険な場所で どこが危険な場所だったのか。呆れる脚本ではロバート・ライアンをもってしても感情の高ぶり皆無な驚きの凡作。[DVD(字幕)] 3点(2021-05-13 23:56:16) 1023. 倒れるまで 《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソン、ベティ・デイヴィス、ハンフリー・ボガート、ハリー・ケリーが織りなすボクシング+ギャング+ロマンスな物語。いかにもなメンツにベティ・デイヴィスがどう絡むのかが一番興味深いところで、持ち味の毒気は無いものの男前な人物を好演して劣らぬ存在感だったのは流石。阿漕なターキーにニックが堪忍袋の緒が切れて殴り込み共に果てるとの予感は。本作では「ニック、約束を守らんと裏切ったアンタが悪い。ターキーが殺意を抱くのも無理ないわ」という意外な展開。共に安定の好演ですが、最期の描かれ方に格の違いが表れていました。滲み出る悔しさを全力で表現するボギーがこの後数年で大スターになったのは納得するところです。[DVD(字幕)] 7点(2021-05-12 01:53:56) 1024. 恋ひとすじに 本作も小学生時分に観ていたなら卒倒していたでしょう。兎にも角にも美しい。唯々美しい。いやぁ、美しい。 おまけにロミー・シュナイダーも同様と来た日にはウットリするほかありません。 キザな台詞も素直に聞けます。 ストーリーなんてどうでもいいのですが、これが、意外に練られていて、同僚将校ジャン=クロード・ブリアリを始めとして父親、男爵夫妻、皆キャラが立っていて見応えも中々のもの。 特筆すべきは晴天の霹靂そのままの結末。(+1点)言葉がありません。いやホントに・・・・・・・・ 初めて彼女宅を訪れたアラン・ドロンを思い返すと顔に比例した男前な姿にジーンときます。[DVD(字幕)] 9点(2021-05-11 16:43:34)《改行有》 1025. シーザーとクレオパトラ 戦闘模様で血湧き肉躍るクロード・レインズの雄姿を拝む事は叶わず。規模の小さい戦闘シーンは戦時中に於いて精一杯の撮影だったのでしょう。しかし、衣装・セット装飾の豪華さは目を奪われるものがありました。どちらかと言うとコミカルな味わいがする舞台劇と言える本作で、初の100万㌦(当時で!)actor となったクロード・レインズはバーナード・ショーが彼をイメージして書き上げた脚本の一言一句を風格漂う演技で魅せてくれます。 「貴方を裏切ってません」クレオパトラに「お前を信頼した事は一度も無い」百万の罵詈雑言に上回る刺し殺すかのような一言。 何時もながらの瞬間芸に「クロード!!!」かけ声かけたお姿でした。 ヴィヴィアン・リーは幼さ漂う姿はまずまずといったところですが、シーザーに見守られて女王に成長するなかでその風格が皆無で、ひたすら「無礼者が」「首を刎ねるぞ」を連呼するのに白けてしまうのが残念。撮影中ローレンス・オリヴィエの子を宿し医師の助言を聞かず流産し精神不安定で5ヶ月間撮影中断したという、空襲下と併せて作品以上にドラマチックな舞台裏に驚きます。 制作費1,278,000ポンドに見合う秀作を堪能しました。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-10 15:52:06)《改行有》 1026. あの胸にもういちど お目当てアラン・ドロンは「顔だけ」の存在でガックリ。冒頭から30分間程ずっとバイク疾走シーンで What is this movie ? 何となくストーリーらしきものが見えてきても相変わらずレベッカが疾走しています。多分そうなるのだろうという予感通りでのお開きにやはり What is this movie ? feel disappointed 宮崎あおい似のマリアンヌ・フェイスフル全裸レザーライダースーツが峰不~二子ちゃんのモデルだったという「へぇ」に1点。 劇中ドロンの what is love ? 学生相手の講釈に1点。このシーン以降 Haddaway の what is love が駆け巡ったところに1点。[DVD(字幕)] 3点(2021-05-09 23:55:17)《改行有》 1027. 不倫する肉体 《ネタバレ》 精神的な結びつきでは無く肉体だけを求め合う男女。男は妻を(コピー機で小銭稼ぎする健気さがいじらしい良妻)、女は小学生の息子を、邪魔だとする胸中のあからさまでない見せ方が生々しい。焦らしに焦らせておいての交わりシーンは洋モノAVであり獣の交尾である情緒皆無な姿でした。♪誰かの血が流れても一途な思いを振りかざそう♪な結末は、心に傷を負った息子と命絶たれた妻を思うと後味の悪さを噛みしめるところです。[DVD(字幕)] 5点(2021-05-09 18:57:52) 1028. デッドゾーン 《ネタバレ》 オープニングのシベリウス交響曲第2番2楽章モチーフそのままの旋律に早くも惹き込まれます。 「夜は千の眼を持つ」が浮かぶ特殊能力を授かった者の苦悩と悲劇。本作では更に孤独感と諦念が際立つジョニーの姿がクリストファー・ウォーケンの絶品名演も相まってやるせなく、彼の心を抉るサラの残酷なおためごかしに腸が煮える。名優を配しながらぶつ切りのエピソードが勿体ないのですが、鮮やかすぎる着地が余韻を残します。坂上忍、もとい、マーティン・シーンのトランプ氏を思わせる怪演にも拍手。超苦手な監督作品とは思えない傑作。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-09 00:57:15)《改行有》 1029. 黒いチューリップ 初見。ゾッコンだった小学生時分に観たら感激のあまり卒倒していたでしょう。この歳になっても匂い立つような美しさでの立ち居振る舞いにクラクラするばかり。それが一人二役で二人が向き合っていて(見事な撮影技術)喜びが二倍二倍! 更に双子の兄弟の性格の違いを演じ分ける演技力が特筆もので「顔だけと違うのね」心底驚きました。(+1点)愛馬ヴォルテールまでカッコ良い。起承転結も見応えある華やかな活劇に唯々感動の傑作。[DVD(字幕)] 9点(2021-05-08 00:56:22) 1030. ハンナ・アーレント ナチスもの作品に見る、ごく普通の人間が戦争時にはどんな残虐な事でも淡々とやってのける恐ろしさ。実際のアイヒマンの証言模様はそこらへんの無責任社員の物言いでやはり恐ろしい。物事を自分なりに考える自分の目で確かめる感情気分だけで判断しない、小はそこらへんのオバハンの寄ってたかっての1人への悪口ヒソヒソ話、大は本作のハンナ・アーレント。彼女の知性はもとより揺るぎない態度は真似の出来ない凄みがありました。[DVD(字幕)] 7点(2021-05-07 13:20:44) 1031. 誘拐 狙われたハイネケン 《ネタバレ》 アンソニー・ホプキンス版はサッパリでしたが、ルトガー・ハウアー版の本作は見応え満点の秀作です。ハイネケン生還まで1時間。後1時間もあるのかと意外に思っていたら、そこからのハイネケン逆襲と言える展開に釘付け。事件後実際に警備会社を立ち上げた富と権力を持つ者が見せる執念は監禁中に便器に頭突っ込まれるを始めとした数々の屈辱を晴らす為だったのか。また愛人と手を切りトラウマの恐怖を妻に支えて貰う人間臭い姿も見られます。更に自身は承知していなかった営業部員5人に1人が不文律による営業活動でアルコール依存症になっていたという犯行動機の一つも描かれています。その依存症の父を持つトニー・モンタナを気取る犯人の1人も印象深い。outlaw & madness が持ち味のルトガー・ハウアーは地味なキャラクターに於いても強烈な印象を刻みつける名演でした。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-07 12:48:02) 1032. 土曜は貴方に 原題Three Little Wordsをはじめとしたヒット・ソングを生み出した作詞バート・カルマー、作曲ハリイ・ルビイの実話もの。初っ端のアステア&ベラ=エレンのダンスが本作MIPシーンでした。特にベラ=エレンがアステアの相手役としてのプレッシャーを喜びに代えたかのような満面の笑みを一瞬も絶やさない姿に惚れ惚れ。アステアはゴールデングローブ賞受賞程には突き抜けたものを感じなく、脚本共々通常運転・安全運転な良作です。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-07 11:53:31) 1033. 愛情物語(1956) 実在人物エディ・デューチンの物語。脚色が加えられているにしてもドラマとして見応えがありました。希望と絶望に遊ばれるような人生でもその魂は永遠に生きる事を思わされるラストショットはまさに愛情物語。本作の2年後の早逝が惜しまれるタイロン・パワーの名演が沁み入る名作です。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 00:23:05) 1034. カサンドラ・クロス 《ネタバレ》 作品名は聞いた事ありエヴァ・ガードナー目当てでの初見。無情観漂う音楽でのオープニングクレジットに期待が高まり、冒頭からテロリストが列車に乗り込むまでの一気呵成の展開に、世界中の歳時記・日常を滅茶苦茶にしたコロナ禍にある現在にあって恐ろしさに息を呑みました。自国の細菌兵器戦略の過ちを列車もろとも葬り去ろうとする米国の姿並びに酷く無情な結末はカルロ・ポンティ率いる欧州作品ならではでしょう。エヴァ・ガードナー54歳のお姿は「顔パンパン、ケバッ、怖っ」(ごめんなさい)なド迫力にドン引き。彼女の若いツバメ役マーティン・シーンは坂上忍を思わせる姿。リチャード・ハリス&ソフィア・ローレンはステレオタイプなカップル役。車掌役が観たことあると思ったら5日前に観たライオネル・スタンダー。再見でやっと見つけたけれど彼女とは分からなかったアリダ・ヴァリ。刑事役が意味深なO・J・シンプソン。そして演技上、脚本上で特筆もののMIPと言える御大リー・ストラスバーグ。彼等をまとめて相手するバート・ランカスター。手に汗握る対決でした。鉄道・医化学・政治上でのツッコミどころは数限りなく。どれだけ指摘出来るか数えるのも、そこに目をつぶるのも、人それぞれの価値観考え方でしょう。私は後者で且つ大いに楽しめた傑作です。[DVD(字幕)] 9点(2021-05-06 00:05:05) 1035. ナイル殺人事件(1978) 初見。人が死なないと成り立たない点と謎解きに強引な点がままある推理小説モノ。後々浮かんでくるツッコミどころが鑑賞中には押さえ込まれる力業があった本作。「ザ・ジェントルマン」デヴィッド・ニーヴンを筆頭に華のあるキャストの格調高い演技のお陰でしょう。お目当てベティ・デイヴィスと渡り合い一歩も退かないマギー・スミスに+1点。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-05 01:22:01) 1036. アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス いやぁ、これは珍品にして掘出物であるシュワちゃん23歳でのデビュー作。胸を始めとした「筋」と名の付くところ全てが人間離れしたパンパン具合。全編に亘っての「棒」な台詞回し&キレ無くぎこちないアクションが何故か微笑ましい。ストーリーが意外と小じっかりしており、ネズミ男のようなプリッツィもなかなかの味わい深さ。大勢の悪漢達が素手で立ち回っているのに「誰か撃てよ」と突っ込むのは野暮なのでしょう。この後、大スターとなり富と名声を得て、挙げ句に知事としての名誉も得るというのを当時のキャスト・スタッフは誰も想像しなかったのではと思うシュワちゃんの超人振りが感慨深い作品です。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 19:09:50) 1037. アウトランダー 《ネタバレ》 お目当てはジョン・ハートであり、ハリウッド最多死亡回数を誇る名優の死に顔を拝む事。バイキングの王として違和感ないお姿で、登場して間もなく娘と剣を交えているのに「ま~た女と闘ってるわ、ホンマにもう・・」(苦笑)その後出番も多くて久々の拝見でも端正な語り口に相変わらず惚れ惚れ。死亡フラグはしっかり立っており「そろそろかなぁ、まだか、まだか」と待ち焦がれていたら流れ星のようなシーンでのご退場に「何やこれ、何でやねん、・・・・略」監督・脚本家・プロデューサーを叱り飛ばしてやりたい(憤) 目新しさを狙ったかのSF要素は空回り、光る怪物の設定上としても戦闘場面の暗さに肩がこる、禍をもたらした本人が王に治まるというご都合主義な脚本、一切合切が目的外で目くじらも立ちません。返す返すも・・・・自粛。[DVD(字幕)] 6点(2021-05-04 18:51:58)《改行有》 1038. エアポート’77/バミューダからの脱出 《ネタバレ》 手際良すぎる乗っ取り、海面不時着しての損傷具合、海底の浅さ、バルーンで機体が持ち上がるなんて、一切合切スルーして観るぶんには見応えあった救出劇でした。たまたま29歳、50歳、69歳のジェームズ・スチュアートを続けての鑑賞でその息の長い活躍に感じ入ります。オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン、クリストファー・リー、リー・グラントの顔ぶれで生死は予感通りで後者2人に大泣きさせられるとは思いもよりませんでした。ジャック・レモンも併せて大スター華のある存在感が楽しめた良作です。余談ながら「水難の名女優」シェリー・ウィンタースもキャスティングして欲しかったところです。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 01:55:09) 1039. 媚薬(1958) ジェームズ・スチュアート&キム・ノヴァクの共に一本調子な台詞回しでのメリハリない演技も相まって、魔法のしょうもない使い方に白けっぱなしでした。エルザ・ランチェスター&ジャック・レモンも今一つ。MIPが猫だというのが何ともはやな凡作です。[インターネット(字幕)] 4点(2021-05-03 02:40:50) 1040. イタリアは呼んでいる 絶景&美食にウットリ妄想の世界へ導かれ、任務であるグルメレポートそっちのけのスティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドンのアドリブ(らしいです)物真似トークはほぼほぼ内容が分かったせいもあってかニヤニヤ笑いが止まりません。多数のラインナップ中でよく物真似されるアル様、デ・ニーロもさることながら、ヒュー・グラントとマイケル・ケインネタには大笑い。主人公と同世代の身にとって劇中台詞の「40代以上は全力で笑わないとダメ」に同意させられる良作です。[DVD(字幕)] 7点(2021-05-02 15:14:44)
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