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プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1021.  雪国(1957) 川端康成の原作を忠実かつ最高に美しく描いた作品。 豊田四郎は原作の雰囲気を映像で再現してしまう反面、原作で問題視された個所(たとえば医術の間違った知識など)もそのまま再現してしまうためしばしば批判の対象にされてきた。 この「雪国」もラストの衝撃的な結末をありのままに再現してしまった。 しかし、川端康成が描いた幻想的な雪原の美しさをここまで映像化した監督は豊田四郎だけだろう。 白黒の映像だからこそ映える白と黒の濃淡。 原作から引き継がれた難解さは何度見てもよく解らない。 原作でも言明されなかった「それ」は未だに謎だ。 だからこそ様々な解釈が出来るワケだし、それを映像で堪能できるのなら映画にする意味があると思う。 感じ方は人それぞれだ。 恋心に悶える岸恵子の演技が素晴らしかった。[DVD(邦画)] 9点(2014-02-24 17:28:30)《改行有》

1022.  雨月物語 《ネタバレ》 溝口健二は好きな監督ですし、この作品も退屈せずに最後まで見れました。けれども「瀧の白糸」や「残菊物語」ほど惹かれるものは無かったです。少し説明的すぎる会話も多いですし、怪奇演出も「折鶴お千」などに比べると二番煎じ・・・なんて感じてしまいます。 時代は戦国時代ですが、おどるおどろしい雰囲気は平安時代の匂いが漂ってきます。真面目に焼き物作りに精を出していた筈の男女四人。でも肝心の男どもは妖艶な美女、成り上がりと殺し合いが魅力的に映る戦場へと行ってしまう。女たちは待ち続ける。ある者は娼婦に身を堕とし、ある者は夫の再会を待ちわびて死んで行く・・・この作品の男はみんな情けない。そんな中で本当に大切な物を思い出していく。そんな様子が人の心を打つのでしょうね。 妖艶な京マチ子よりも、常に献身的な田中絹代の方が美しく見える・・・溝口演出は恐ろしです。田中絹代の死傷率も恐ろしい。溝口健二は鬼です。悪魔です。でも大好きです。[DVD(邦画)] 8点(2014-02-24 16:56:07)《改行有》

1023.  昼下りの決斗 「ワイルドバンチ」より断然コッチでしょう。 確かに暗い西部劇だけど、西部開拓時代の終わりをひしひしと感じられる。 「地獄への道」や「七人の無頼漢」を始めとする西部劇に多く出演したランドルフ・スコット、 「死の谷」などで活躍したジョエル・マクリー。 年老いた彼らの、日陰者になっていた自分たちの境遇が重なったかのようなシンクロ。 自転車と共にやってくる「一つの時代」の終わり・・・二人の男たちは何を成し、何を成せなかったのか・・・そんな映画だと思う。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:26:32)《改行有》

1024.  最前線物語 《ネタバレ》 アンソニー・マンの傑作「最前線」のパワーアップ版とも言える作品。 「最前線」も素晴らしい映画だが、サミュエル・フラーのリアルタッチの戦場空間はより凄味がある。 地雷に「去勢用」なんてあるのか・・・初めて知ったわ。 特に海岸での銃撃戦から一転して“抱き合う”場面・・・コイツらさっきまで殺し合いしてたんだぜ?スゲエよ。 ギラ付く太陽、泥と砂にまみれた肌、黒い“勲章”の中からギラギラ輝く眼光・・・。 「ノルマンディー」における内蔵が丸見えになった遺体のリアルさは強烈だ。 第一次大戦の戦場から始まるストーリー、二つの大戦を股にかけた男の生き様。 リー・マーヴィンの激戦をくぐり抜けて来たという面構えがカッコイイ。 こんなにカッコイイリー・マーヴィンを見たのは初めてかも。 マシンガンでも必ず生きて帰って来る不屈の精神。 その下で戦う四人の部下たちも個性のある良い面構えだ。 どんな戦場でも必ず生き残る5人の戦士たち。生き残ると予言されていても、いつ死ぬか解らないというスリルを感じられる。 鬼軍曹が率いる「第1師団」は様々な戦場を駆け抜ける。 海、砂漠、市街、平原、森・・・幾多の戦場と散っていく仲間たち・・・それでも奴らは生き残る。 戦闘の中で垣間見える人間の狂気、潜伏者と犠牲者・・・取り敢えず熟女とババアに目覚めそうになるシーンもあった。 ババア結婚してくれ。 「停戦」に始まり「停戦」で終わるストーリー・・・狂気として片付けるには引っかかるシーンも幾つかあったけど、それでもこの映画の面白さは揺るがない。 傑作。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:52:29)《改行有》

1025.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 アーサー・C・クラークとタッグを組んで作り上げた超迷作。 「迷える名作」を撮らせたらアメリカ無双のキューブリック渾身の作品。 これは子供にこそ見せたい映画だね。 子供は何の抵抗もなく、取り敢えずありのままを受け入れようとする。 感受性の豊かな子供は何を思うのか。 そして大人になって再び見る・・・この映画はそれだけ難解でもあり、至極単純な映画でもある。 何者かが知識を得て何かに目覚め、それを繰り返して心理に迫る。ただそれだけ。 その過程が問題だ。 類人猿が「モノリス」に触れて知識に目覚めるファーストシーン。 動きだけで伝えるその世界観は流石。 アフリカの荒涼とした大地と類人猿を「創造」したその美術。 これ役者が演じてんだぜ? メイクと俳優たちは人間国宝になっていいよ。 猿が放った「武器」は、近未来では宇宙を駆ける「武器」となった。 現代の宇宙時代の描写も中々。 宇宙船が音もなく飛び交う宇宙。 この頃は既に「宇宙は暗黒」って認識があっただろうけど、やっぱり絵的に見栄えが悪いよな。 実際こんなに光ってたら怖いわ。 超巨大恒星がどんだけ密集してんだってくらい。 宇宙空間における描写も、今見ると科学的交渉が食い違った部分も多いが、上下の無い宇宙空間、何処までも見渡せる広大な空間、無音の世界観の表現は今観ても凄い。 月の裏側の描写がほぼ完璧ってのが凄い。 だって公開当時は誰も月の裏側に行ってなかったんだぜ?やっぱキューブリックは宇宙人だわ。 月面のモノリスでの騒動、ちょっと長く感じた。 どうせなら「HAL」と木星星団の掘り下げに時間を割いて欲しかったなー。あるいわ上記の部分を削るか。 本作は何といっても「HAL」の反乱。 虚空の宇宙は言わば「密室」。 鬱憤が溜まるのは人間だけじゃない。 機械もいずれは「オーバーヒート」がやって来る。 まして人工知能の発達したコンピューターだ。 自分を排除する=船全体の危機と結びつけちゃうんだろうな。 プログラムに忠実だったのか、それとも本当に心が宿ったのか。 あの真っ赤なランプで、無言で語りかけるような感じが怖かった。 キューブリックは本当こういう「怖さ」を描かせたら天才。 ラストは多種多様な解釈が出来るだろう。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:48:51)《改行有》

1026.  キル・ビル Vol.1(日本版) 《ネタバレ》 残虐? 無茶苦茶? 主人公補正が酷え? 頭のネジが足らんティーノ? 細けぇこたぁいいんだよぉ!! それがスーパーヴァイオレンスギャグ映画「キル・ビル」である。 復讐に生きる女ターミネーターことブラック・マンバの「ピー(自主規制)」。 女として散々に「殺され」、身一つで組織に乗り込み復讐と壊滅を誓う。 殴る、蹴る、叩っ斬る! もう馬鹿みてぇにチャンチャンバラバラ死体の海だ。 何ぃ?脚が動かねえ? そんな時は沖縄で武者修行よぉ! そんなわけで、座頭市も用心棒も文太の兄貴もビックリな「出血多量大サービスのお姉チャンバラ」を見たい奴にはオススメの映画。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:40:22)《改行有》

1027.  ワイルド・アパッチ 《ネタバレ》 「ワイルドバンチ」と「アパッチ」をクソ味噌にして混ぜたような紛らわしい邦題。 どうして素直に「ウルザナス・レイド」というタイトルを付けられなかったのか疑問である。 タイトルはともかく、内容はアパッチと騎兵隊の死闘を描いたアルドリッチらしい作品。 女っ気の無い、かといってマカロニ・ウェスタンほど凄惨でも無い(血だるまが出てくるくらいだ)、アルドリッチが描く男のドラマ。 実際に起きたウルザナの襲撃をリアルなタッチで描いた骨太な作風。 暴力に直面した時の人間の恐怖と憎悪が生々しい。 一見すると典型的なインディアン掃討物に映るかも知れないが、西部開拓時代の終わり、インディアンたちの反撃の終焉、騎兵隊の戦いの終結・・・様々な終わりの足音が聞こえてくる。 インディアンと白人の問題に深々と迫った内容でもあり、異なった立場の駆け引き、同じ人間として向き合おうとしたマッキントッシュの生き様が特徴的だ。 冒頭15分間の「嵐の前の静けさ」、 そこを過ぎてからの残虐さと残酷な殺し合い。 周囲が見えない小屋の中で聞くラッパの音が怖かった。 中盤の馬上での追撃、 終盤の谷間での銃撃戦など充実した内容。 特に危険と解っていて、あえて谷間に突き進んだ「賭け」の場面。 長年インディアンと戦ってきたマッキントッシュは引退した後の実りのない老後、壮絶に散るインディアンたちへの憧れに似た気持ち、とにかく死に場所を求めていたのかもな。 「ヴェラクルス」で初々しかったバート・ランカスターも今では老骨に鞭くれる老将として登場する。 ラストのランカスターが何とも言えない。 [DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:12:20)《改行有》

1028.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 アメリカ建国200年記念の名にふさわしい堂々とした西部劇。 フォレスト・カーターの原作に、イーストウッドの西部劇に対する愛情と野心を詰め込んだ傑作。 「許されざる者」や「ペイルライダー」も良いが、やはり俺は二挺拳銃の唸りが熱い本作を推す。 強烈なファーストシーン、カスタマイズ銃やガトリングの唸りなどガンファイトに富んだ血のたぎる作り込み。 時代のうねりによって復讐者と化す「ジョージー・ウェールズ」の波乱の旅を描く。 アメリカの豊かな自然、 西部の厳しき大地、 大地に生きる人間の生活感溢れる力強さ、 染み渡る日本的情緒、 カッコいいオッサン・・・! 主人公は最初普通の開拓民で、家族を殺された事で復讐の旅を続ける無敵の唾吐きガンマンになっていく過程が面白い。おまえは何回ツバを吐くんだ(笑)また主人公も仲間に助けられながら窮地を脱する場面もかなりあった。仲間あって無敵が本作の魅力でしょう。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 10:38:26)(良:1票) 《改行有》

1029.  死の谷 《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュが描く西部劇の傑作の一つ。 ウォルシュ監督の「ハイ・シェラ」を西部劇としてより洗練させてリメイクした。 現代的な様相、何処か虚無的な雰囲気、ファムファタール(悪女)の誕生・・・フィルム・ノワールとしても面白い西部劇だ。 ガンファイトは物足りないと感じる時もあるが、冒頭から脱獄、駅馬車の襲撃など要所要所でアクションが程よく入り人間ドラマもかなり面白いのでダレが無い。 ラストの警備隊の追撃や二人の最期はガンファイトとしても素晴らしい&壮絶なシーンを見せてくれた。 本編は白人とインディの哀しき運命を描くストーリーだが、この映画は「生」と「死」が強調されている。 白黒の画面だからこそそれを色濃く感じられる。 主人公は犯罪を犯した“罪人”であったが、一度牢獄から出て「カタギの人間」としてやり直そうとした。 旅を続ける傍ら様々な事件に巻き込まれ、インディアンの混血の娘に惹かれる。 二人は次第に強い絆で結ばれていく。 祝福する者は誰もいない教会での結婚式・・・社会からはみ出した者同士にしか解らない痛みと温もり。 しかし運命は主人公を元の犯罪者という逃れられない「死」へと追い込んでいく。 一度犯罪を犯せばその烙印を一生背負う。 一度人を殺せばもっと重い烙印を背負い続ける。 そんな事を言われているような胸に響く映画だった。 この映画は90分だが、「たった90分」と思うほど時間が早く感じられる。 もう30分この二人のやり取りが見たいくらい切なくなってしまう幕切れだった。 握った手・・・二人は一緒にあの場所へ行けたのだろうか・・・。 「暗黒街の弾痕」といい、「ボニー&クライド/俺たちに明日はない」といい、どうしてこんなにも切ない映画が多いのか。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 10:10:01)(良:2票) 《改行有》

1030.  壮烈第七騎兵隊 《ネタバレ》 ラオール・ウォルシュ節爆発の傑作西部劇だった。 やっぱり「死の谷」とか「追跡」が好きな俺にとって、娯楽に全力疾走したウォルシュ映画はあんまり好きじゃない。 でもそんな事いったらジョン・フォードの「荒野の決闘」なんか、史実無視でよくもあれだけゆったりとした恋愛?ドラマにしちゃったもんだし(後の「タイタニック」はもっと酷い)、 あのグリフィスの「国民の創生」だって、ドラマの掘り下げとアクションは最高だったけど黒人差別の描写が一方的すぎて大いにマイナスだった。 リンカンを描くならリンカンが戦う理由となった黒人への多面的な描写も必要なのにな。 まあ歴史的考証は黒人描写以外100点に近いけどな。 それは「タイタニック」にも言える(かも)。 本作「壮烈第七騎兵隊」はタイトル通りのアクション重視の娯楽大作。 アクションは流石に目を見張るシーンが多い。 馬の躍動感が異常。 南北戦争の雄「カスター将軍」と第七騎兵隊の壮絶な散り様をダイナミックに描く。 カスター将軍の文字通り壮烈な人間模様、軍人としての調練と恋、組織汚職との孤独な戦い。 待ち受けるインディアンの大群、死を前にして覚悟を決めた男の雄姿・・・前半あれだけフザケきった悪ガキのエロール・フリンが一角の大将として成長した姿には心打たれる。 後の「独眼竜正宗」である。 甘い青春に富んだ単純なストーリーが、軍人となった男の孤独なドラマに変わっていく様・・・やっぱウォルシュ映画は良いなあ。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:52:02)《改行有》

1031.  つばさ 《ネタバレ》 ウィリアム・A・ウェルマンの傑作。 第一次世界大戦を舞台にしたストーリー。 物語は二人の男の友情と青春から始まる。 幼なじみと楽しく過ごすジャック、家族と過ごすデイヴィッド、ジャックに想いを募らせるメアリー、デイヴィッドに惹かれるシルヴィア。 メアリの想いもそっちのけでシルヴィアにのぼせるジャック。同じくシルヴィアに惹かれるデイヴィッド。 登場人物の掘り下げが実に丁寧で良い。 訓練、基地での一時の平穏、コメディタッチのやりとり、そこに突然訪れる仲間の死。 酒場で酒に酔うジャックだが、酒に溺れるよりも戦闘機に乗っている時の方がよっぽど戦争に酔っている。 それでも敵の大型機をコンビプレーで撃墜するジャックとデイヴィッドの友情が頼もしい。その友情の強さが後の悲劇へと繋がる・・・。 「ジャックはもう軍人なのね・・・」死にかけてまでジャックを追ってきたメアリーだが、戦いで疲れた彼の顔と「ペンダントの女性」を見て一時は身を引いていく。 一人の“弾丸”が死ねば次の“弾丸”が送られる。戦闘機乗りは「戦闘機そのもの」となって空を引き裂く弾丸と化す。 偵察任務、ドッグファイト、爆撃・・・兵士は英雄となる。多くの人間を殺傷して・・・。 ついさっきまで会話して人間が、次の瞬間には死んでいる。それが戦場だ。 メアリー(クララ・ボウ)のシーンだけどう見てもギャグです本当に。ウェイブ姿のクララ可愛いよクララ。 一瞬だけ登場するゲーリー・クーパーが忘れられない。1カットだけなのに。この頃から哀愁が尋常じゃないんだけど。 何この美味しすぎるエキストラ(チョコレートだけに)。 リアルな戦闘描写、ド迫力の空中戦、偶然が重なっておきる悲劇・・・空中戦の空間描写の凄さは「スターウォーズ」でも及ばない。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:38:47)《改行有》

1032.  泥棒成金 ヒッチコックファンには不評な本作ですが、「ヒッチコックの作品」として見なければ普通に面白い作品だと思うのですけど。「シャレード」が好きな私にはヒッチコックのコメディタッチや「めまい」を思い出す凄いカーチェイス等かなり楽しめました。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 12:57:46)

1033.  疑惑の影(1943) 《ネタバレ》 ファーストシーンが面白い。 ホテルで眠っていたある男。 起き上り、しばらくしてコップを投げ割る。 何かに苛立っているようだ。 そこから逃げるように外に出る男。後ろから男を追う二人の影・・・最初にこの男が「訳有り」という事を印象付ける見事な出だしだった。 そこから別の画面は家に移る。 その家こそ男が叔父として関係を持っていた家なのだ。 ヒロインは叔父に憧れを持った少女。 叔父も彼女に少し気があるようだが、叔父は何かを隠している様子だ。何処か影があるような・・・。 そして叔父を追う謎の男二人。 日常に潜む奇妙な光景や人間の狂気を描くヒッチコックだが、今回は登場人物の心理描写が徹底している。 羨望の眼差しが疑惑に変わる瞬間、叔父の狂気の影の一面を覗かせる瞬間、追手二人の真相を知る瞬間・・・階段が印象的だった。 シンプルでよく出来たストーリーだが、やはり何かもうひと押し欲しくなる。 ヒッチコックは既に「レベッカ」「海外特派員」「知りすぎていた男」を観てきたが、ラストの列車での“対決”に前者ほどのインパクトは感じられなかった。 それでもよくまとまった締めくくり。 普通によく出来た秀作。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-22 00:21:50)《改行有》

1034.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 ジョン・ スタインベックの原作を映画化。 原作は聖書の英語訳版である「欽定訳」と「アメリカ標準訳」の異なった訳を比較し、登場人物たちに新しい解釈をさせようという狙いを含み親子3代に渡る葛藤と苦悩を通して家族愛を描いていく。 本作は一人の少年の青春を軸に描かれる。 大戦の暗い影が差す1917年のアメリカの片田舎を舞台とするエリア・カザンの「エデンの東」は聖書の一節を元に、 一人の女性をめぐって対立してすれ違っていく兄弟、 母親の真実、 父親との確執、 「許されざる恋」が「許される恋」へと変わる瞬間、そして親子の絆。 聖書のアダムの如く東の街へと逃れてきた父親。 今度はその息子も兄と対立し逃げようとしている。 そこに訪れる救い。 現実と向き合い、真っ向から取り組む道を進むことを決める主人公。 相手の誠意が自分を傷つけ、自分の行いが相手を苦しめる・・・そんなすれ違いを丹念に描き、決裂し、修復していく・・・。 父と和解し救うことが出来たキャル。 まるで天から見守られるように穏やかな締めくくりを迎える。 が、唯一決別したままとなってしまった兄のアロン。 劇中では彼の行く末は語られない。 原作のラストにしても、誤解が生じ互いに心に傷を負わせ、それが修復しない内に悲劇が訪れる。 傷心しきった兄の心同様、キャルの心にも傷が残るもう一つの結末が暗示されている。 [DVD(字幕)] 9点(2014-01-22 00:17:08)《改行有》

1035.  晩春 《ネタバレ》 小津映画は苦手だ。 それでもサイレント期の傑作群を見て小津がどうして巨匠と言われるのか納得した今の自分には、それほどハードルを感じる監督では無くなっていた。 戦後の作品にしても「長屋紳士録」や「浮草」は楽しく見れたりした。 でも「東京物語」の頃は不安・・・と思っていたが、今回は予想に反して退屈せず最後まで見る事が出来た。 時折流れる音楽もそうだが、冒頭の電車のシーンや小気味良い会話などテンポも悪くないし、「こっち」のやり取りやおばさんのコミカルな役どころなど面白い。 あの原節子の作り笑いにしても、計算済みの演出だったので好印象だ。 「父は私がいないと駄目なのよ」 愛想笑いの仮面、でも本当はお父さんと別れるのが寂しいパパッ子である。 確かに最初こそ例の不気味な笑みで背中に悪寒が奔るほどゾッとしたものだが、自分の本心を突かれた時に見せた真顔。 「どうしてそんな事を言うのよ?」とでも言いたげな苦々しげな表情。 父親と結婚するという女性に対して見せた表情もそう。 拶代わりの愛想笑いから「あんな女・・・」と睨むような表情に変わる。うーむ、こういう表情の節子を小津映画でずっと見たかった。40分我慢した甲斐があった。 喜怒哀楽豊かな綾子との対比も印象的。綾ちゃんマジいい女。 オマケに目に光が入っているかいないかも注目だ。 作り笑いの時は光がほとんどさしていなかった節子。 ところが旅行先で父に見せた時の笑顔、結婚式を迎える場面の笑みには目に光があった。 「お父さんと離れたくないの」。ノーブラの無謀なたゆんたゆんおっぱいが余計に子供っぽさを物語る(スイマセンね下品な話になってしまって)。恐るべし小津演出。 「麦秋」でもノーブラ乳くb(ry 結婚相手のゲイリー・クーパー(クーちゃん)は拝めなかったが、きっと良い男に違いない。 お父さんの問いかけは少し説教臭くも感じたが、二人きりで娘を諭すならああでも言わんといけんか。 最初と最後で佇む「波」は何を語り、リンゴを剥く父は眠ったのか息を引き取ったのか。気になるラストだった。[DVD(邦画)] 8点(2014-01-22 00:08:25)《改行有》

1036.  御誂治郎吉格子 伊藤大輔の演出の冴えは既に「忠治旅日記」で幾らか堪能したが、まとまったフィルムを通して改めてその凄さに驚く。 オリジナルは100分あったそうだが現存するのは79分のみ。 躍動感にあふれた描写はモチロンの事、主人公のアクションや子供が遊ぶ姿など常に画面に動きを感じさせる工夫に溢れている。 閉所での格闘シーンはかなりの見応え。 ストーリーも単潤かつテンポが良くサクサク楽しめる。 役人から逃げて来た先での恋や義理人情、三角関係、ラストの提灯の津波や太鼓の演出など最後まで楽しめた。 しかし欠損したフィルムには与力との戦闘もあり、いきなり劇中から与力が消えた理由がそこにあるようだ。其の辺は資料などで補う他ないが、それ意外は上場の娯楽として楽しめる傑作。 ちなみに断片的ではあるが、サイレント時代の大河内傅次郎の殺陣は「忠次旅日記」の一部や「長恨」「血煙高田の馬場」などで拝む事ができる。やはり凄い迫力だった。[DVD(邦画)] 9点(2014-01-21 22:23:51)《改行有》

1037.  用心棒 《ネタバレ》 二大ヤクザを引っ掻き回す三十郎のキャラクター、一瞬の抜刀劇が面白い。 冒頭の「水の恩」をさらりと返す三十郎は本当カッコイイ。 殺伐とした世界をコミカルに闊歩するキャラが良いんだよなあ・・・。 終盤の一瞬で決着する破壊力。三船敏郎の太刀は早すぎて最初良くわからない。二回目見るとそのべらぼうな速さに度肝を抜かれてしまうワケです。 レオーネの「荒野の用心棒」も好きだ。 でも一瞬の破壊力はやっぱり「用心棒」が上だぜ。 見た目は冷徹な殺し屋、本当は飯を美味そうに食ったり捕まったりと人間臭い三船敏郎、ニヒルな悪党仲代達矢(後3回三船さんに斬られます)。 特に戦前から山中貞雄を始めとする時代劇で活躍していた加藤大介! 「市川莚司」時代劇から活躍し続けた時代劇には欠かせない名優。「人情紙芝居」「西鶴一代女」「元禄忠臣蔵」「血槍富士」などシリアスな役柄が多かったですが、今回は本間先生に匹敵する憎めないキャラクターに(笑)。黄門様とのやり取りも楽しくてしょうがない。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-20 17:04:54)《改行有》

1038.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 《ネタバレ》 溝口健二、そしてその全てのファンに捧げられたともいうべきドキュメンタリー。 まあ溝口健二を余り知らない人が見ても楽しめるかどうかは解らないですが、多くが語られてこなかった溝口健二について知る事が出来る貴重なフィルムです。 溝口健二が何者なのか、溝口健二がどんな映画を撮ったのか。それを探るために溝口健二と関係が深かった人々に片っ端からインタビューしていきます。宮川一夫、川口松太郎、依田義賢、増村保造、それに伊藤大輔まで!そして溝口映画を彩ってきた女優たち。彼女たちの老いた姿は最初ショックかも知れませんが、当時を活き活きと回想する姿はじんわりしてしまいます。特に「祇園囃子」についてのシーンが印象的。「祇園囃子」は溝口健二に言わせると間に合せの作品だったそうです(えー!?間に合せであんな面白い映画を撮ったの)。「力を抜いて」なんて聞く兼人さんはちょっとデリカシーに欠けている気がします。モチロン悪気は無いと思います・・・ただ、命懸けで役を演じてきた人に対して「力を抜いて」は無いでしょう。聞かれる方は目が笑っていないんですもの。「おめえさんに何が解りますんや?」とでも言われているような冷たい目が怒りに似た心情を感じさせます。ただ良くも悪くも「祇園囃子」を始めとする溝口映画がまた見たくなるほど刺激のある内容です。[DVD(邦画)] 8点(2014-01-18 15:57:28)《改行有》

1039.  嵐ケ丘(1939) ワイラーの作品では「黒蘭の女」「孔雀夫人」に次いで好きな作品です。 この映画の何が凄いかと言いますと、原作の復讐劇を完全な恋愛映画にしてしまったベン・ヘクトの恐ろしさです。 原作好きには物足りなく感じる人もいるかと思いますが、私はこういう「嵐が丘」も有りだと思っています。 ローレンス・オリヴィエとマール・オベロンのピリピリした空気、一瞬ながら異常な躍動感に溢れた乗馬シーン(ワイラーは馬で本気出す人)と細かい演出も見所です。[DVD(字幕)] 9点(2014-01-10 19:41:48)(良:1票) 《改行有》

1040.  十三人の刺客(1963) 再評価です。 前見たときは戦闘まで淡々としすぎていて退屈でしたが、今回は「太秦ライムライト」を気に色々と見直す事にしました。 そしたら退屈どころかその丁寧なドラマ作りに見入ってしまいます。 それに戦前の時代劇を幾つか見たおかげで俳優陣の豪華さに今更ながら驚いています。「鴛鴦歌合戦」や「赤西蠣太」の名演を見た後だと、片岡千恵蔵の重きを置いた演技の良さがようやく解りますし、その補佐役として「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎や月形龍之介など時代劇を支えてきた骨太の名優たち。どうしてこんな面々の凄さに今まで気付けなかったのか。戦前日本映画の凄さを知った今の自分には、老いて尚も重厚で重い時代劇を作ろうとした野心が伝わってきます。「十三人の刺客」は今でいう「太秦ライムライト」。 黒澤映画や小林正樹の「切腹」などは、今だと最新鋭の技術の粋とも言える「驚異的な存在」だったのでしょう。時代劇の人気が続く嬉しさの反面、サイレント時代から培われた「剣劇」というカタの衰退・・・それを残すべく千恵蔵を始めとする古参の強者、里見浩太朗や丹波哲郎をといった新進気鋭、西村晃など名バイプレイヤーたち・・・今考えると恐ろしい顔ぶれです。 終盤まで戦闘が無いのも往年の時代劇のようなドラマに重きを置いた作風であるし、数十分にわたる戦闘も阪東妻三郎の「雄呂血」や伊藤大輔の「忠次旅日記」えのオマージュにも似たこだわりが感じられます。 この映画の神髄はサイレント時代の「呼吸」を理解しないと中々味わえないものなのかも知れません。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-10 09:54:30)《改行有》

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