みんなのシネマレビュー |
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1041. 少女は自転車にのって 《ネタバレ》 女性に厳しい社会。外へ出るときはスカーフを着用しなければならないし、男が見ている所で遊んではならない、歌も歌ってはならないし、自転車に乗るなんてもっての外。 そんな背景の中にあって、この映画の主人公ワジダはなんて強い少女なんだろうと思った。少年と自転車で競争するという約束をした為、なんとか自転車を手に入れようとミサンガを作って売ったりするが目的までは程遠い。しかし、少女は諦めない。例え、親に反対されようとその意思は曲げない。この国で女性が映画を撮るなんて容易では無いことだろう。きっとこの女性監督もワジダのように意思の固い人物なのではないか。だからこそ不可能を可能に出来たんだと思う。 ワジダは最後、自転車で駆けて行く。自転車をこいでいる間は彼女は何処までも自由だ。勿論男なんかにゃ負けない。当然だ。 なんとも清々しく、希望に溢れたラストだった。[DVD(字幕)] 8点(2014-10-23 18:24:17)《改行有》 1042. ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 う~ん、いかにもいい映画でございって感じの映画ですね。 アカデミー賞受賞作だし、イーストウッドだし、きっと傑作なんだろうけども、私にはちょっと受け入れ難い映画でした。 やはり、賛否両論のラストがその原因です。まず、こんなイーストウッド見たくなかったですよ。悩んで、悩んで、悩み抜いて、メソメソ泣いて、結局一人では決められないから教会へ行ったり、モーガン・フリーマンに相談したり……。 最初の頃の頑固で強気なじじいは何処へ行ったのか。 この映画の語りがモーガン・フリーマンなのはそういうわけだったのね。結局、イーストウッド扮するこの男は主人公然としながらも、結局主人公にはなれなかった男なのだろう。 尊厳死を肯定するわけじゃあないけど、これが彼の強い意思で一点の曇りもなく成された行為だったなら、私は納得したかもしれない。観客にその行為について解釈を委ねてしまっているあたり逃げたなと感じてしまった。無責任にもほどがある。もっと有無を言わせぬ説得力で描ききって欲しかった。おもむろにマグナムを取り出したイーストウッドは、ホットドックを頬張りながら、何の躊躇もなく、笑顔でヒラリーの眉間を撃ち抜くのだった。そして、無言で去って行くイーストウッド。こんなラストだったら大傑作と褒めちぎっていたかもしれない。アカデミー賞は無かったことになるでしょうけど。[映画館(字幕)] 1点(2014-10-21 17:12:10)《改行有》 1043. ミミズバーガー 『死霊の盆踊り』『ミミズバーガー』を2本立てで鑑賞するというアホな事をやってのけた私はもう無敵かもしれない。だって、これ以上最悪な映画はそうそうないでしょう。今後どんな駄作に出会っても、この2本よりはマシだと思えば我慢できるに違いない。 一応ストーリーがある分『死霊の盆踊り』よりはマシに見える。だが、ミミズを食べるシーンの強烈さは実害を伴う。見なきゃよかった感では『死霊の盆踊り』を遥かに凌ぐレベルだ。なのでやはり0点を付けざるを得ない。 ミミズの鳴き声なんて初めて聞きましたよ。ミミズ食べてミミズ人間になるというトンデモシーンがあるが、ただ茶色の毛布みたいのを体に巻いただけというね。アホ過ぎて笑えてきます。 このまま目指せワーストランキング1位!あと、21人も必要なのか。 ここのレビューを読んで興味の出たそこのあなた。ミミズ教に入会しませんか?今なら無料でミミズ1匹お付けしますよ?[DVD(字幕)] 0点(2014-10-20 03:54:58)《改行有》 1044. 死霊の盆踊り 「死霊の盆踊り」を探して3千里。長かった…。 思えばこのサイトに出会って9年、燦然とワーストランキング1位に輝く本作にある種の憧れを抱いていた私。なかなかレンタル屋で見つける事が出来ず、このたびネット宅配レンタルにてレンタルする事に成功!便利な世の中になったなあと喜びつつ、いざ鑑賞! ・・・・・。 最初は半信半疑。実はちょっと位は面白いんでしょ?的な私の甘い考えは一瞬で吹き飛ぶこととなる。 一人目の踊り子が出て来た瞬間、あ…これはマジのやつや…。そう思った。 もはや死霊でも何でもないただのBBAの踊りが延々と続いて行く。不毛な時間。 ドヤ顔で変な踊りを繰り広げる女を真顔で見続ける主人公の男女という絵図のなんとシュールなこと。 死んだらこんな世界が待ってるなんて嫌すぎる!絶対に死後の世界に行きたくないと思った。 自殺を考えている人にはこれを見せればいいと思った。絶対思い留まるはず。 これに比べれば「シベ超」なんて全然普通の映画だと思った。 しかも、私が借りたのはデラックス版だったらしく、監督のインタビューが40分も収録されていた。得意顔で製作秘話を語る監督を見て、慌てて3分位で止める私。洗脳されたらヤバいので。[DVD(字幕)] 0点(2014-10-20 03:01:21)《改行有》 1045. 男たちの挽歌II 《ネタバレ》 銃撃戦の派手さだけ見ると完全に前作を上回ってますが、 ストーリー的にはイマイチな感じ。 前作はホーとキットの確執のドラマに終始していて熱いドラマが展開されたが、本作では色々詰め込みすぎたのかやや散漫だ。ディーン・セキが主役になっちゃってます。帰ってきたユンファには大拍手! ホーが敵を欺く為にキットを撃つシーンがアツい。名場面だ。 キットの死亡フラグ立てすぎで途中でバレバレ。でも泣く。 なんと言ってもクライマックスの銃撃戦。楽しすぎる。 弾切れしたり、ピンチになるとゲームのアシストキャラのように現れるおっちゃん最高! 刀をホーに投げ渡すシーン好き。 ユンファは敵一人に対して無駄に撃ちすぎ(笑) キットは一発でご臨終だったのに、こいつら不死身すぎ!あれだけ撃たれても立ち上がるとは。微妙に急所は外れているのか?なんたる強運![ビデオ(字幕)] 8点(2014-10-19 14:21:29)《改行有》 1046. 男たちの挽歌 ジョン・ウーの描く銃撃戦はバレエのようだなんて誰かが言ってましたが、踊りながら植木鉢に銃を隠しながら殴り込みに行くユンファや、スローモーションでくるくると周りながら銃を撃つレスリーなど、確かにバレエみたいだ。 ユンファ主演と思われがちだが、実質の主人公はティ・ロンとレスリーの2人よね。この2人の確執がメインのストーリーなので。敵対しながらも最後に信頼を寄せ団結して戦うシーンは泣ける。帰ると見せかけてUターンしてきたユンファがボートからマシンガンを撃ちまくるシーンは味方に当たらないかといつも心配になる(笑)[ビデオ(字幕)] 8点(2014-10-19 14:19:32)《改行有》 1047. トゥルー・ロマンス 千葉真一のカンフー映画3本立に女の子を誘うクリスチャン・スレーター。あっさり断れ、玉砕!この時見せる寂しそうな表情が切なくて泣ける。 それでも一人で観に行って目を輝かせながら観るスレーター。その姿はタランティーノそのものなんだろう。家に帰ってからも「男たちの挽歌2」を観てるし(笑) ストーリーは映画オタクの青春暴走ラブストーリーという感じか。はっきり言ってリアリティはない。映画オタクのファンタジーとして楽しむのが筋だろう。だが、豪華な俳優陣の演技など見所は多い。まず、ゲイリー・オールドマンの不気味で狂った演技が凄い。インテリアの電球をブンブン振り回して威嚇してきます。この小道具は素晴らしいですね。しかし、ただの映画オタクが拳銃一つで全員葬り去るのは荒唐無稽も甚だしい。「タクシードライバー」みたいに入念に準備をしてから乗り込んだのならまだしもねえ。あと、普通麻薬まで盗むか?確かにその方が映画としては盛り上がるけどさぁ。 それからこの映画屈指の名場面。クリストファー・ウォーケン対デニス・ホッパーの対決は見逃せない。ためてためてドッカーンなタランティーノ節炸裂! あと、家でごろごろしてテレビ見てるだけのブラピがもったいなさ過ぎる![DVD(字幕)] 8点(2014-10-19 14:02:29)《改行有》 1048. グリーン・デスティニー よく、何故空を飛べるの?という意見を聞きますが、これは武キョウ小説を映画化したものですから、何でもありなんですね。ドラゴンボールを知らない人が実写版を観て、何で空飛べたりかめはめ波出したりできるの?と言うのと同じ事です。ちょっと例が極端ですが。 さてこの映画、私の地元では公開されなくて、わざわざ遠くの町まで観に行ったんです。今となってはDVDが中古で250円で叩き売りにされたりしてますけどね。映画館で観て本当に良かったと思いましたね。スケールが大きいのでね。 他の方のレビューを読むとラスボスが弱すぎるのがダメとか書かれていますが、この映画ラスボス居ましたっけ?もう4回位観てるのに全く覚えていない(汗) 覚えているのはツィイーが忍びに扮して戦う所や、ツィイーが酒場で大立ち回りを繰り広げる所(回転しながら上昇する所最高!)や、ツィイーが酔っ払って全身ずぶ濡れでおっぱいを透かしながらユンファ先生を誘惑する所や、ツィイーがヨーと女の修羅場バトルを繰り広げる所…ってチャンツイィーしか観てないんかいっ![映画館(字幕)] 8点(2014-10-16 20:43:16)《改行有》 1049. ピアノ・レッスン 《ネタバレ》 彼女の翼を奪っても彼女の心まで奪うことなど出来やしない。 男は暴力でしか自分を正当化できないのだった。 自分の翼を奪われた後のエイダの何とも言い難いあの表情が目に焼き付いて離れない。 彼女は何を思うのか、これでやっと自由になれるという希望と、もうピアノが弾けないのではないかという絶望の入り混じった、複雑な感情を旨く表現していたのではないか。見当違いだったらゴメンなさい…。 官能的でどろどろの愛憎劇が描かれるのだが、それと対比して自然の映像が詩的で美しい。ピアノの旋律もとても心地好い。この作品を初めて観た時はそのピアノの音色があまりに心地好かったのか、エイダが島に着いた所で熟睡し、気づいた時には島から去るシーンだったという…何が起きたのか全く分からない状態でした。あははは。 最後、ピアノを棺桶代わりに身を投げるエイダでしたが、そのまま死ぬか誰か助けに来る2択しかないだろうと思っていたら意外な結末で意表を突かれました。 ああハーベイ・カイテルが飛びこんできてエイダを助け、「ザ・ビーチ」ばりの水中ラブシーンが展開されたりしなくて良かった~。[DVD(字幕)] 10点(2014-10-16 18:12:32)《改行有》 1050. 大丈夫日記 いきなりですが、チョウ・ユンファと言えばどんな役柄を思い浮かべますか? 2丁拳銃にこだわる殺し屋? 王様? 海賊? ハゲ…じゃなかった弁髪の剣士? コートにグラサンの似合う劇団ひとり似のおっさん? なかなかコメディエンヌというのは想像できないんじゃないでしょうか。 もともと、チョウ・ユンファはコメディーも得意な役者で実際多くのコメディー映画に出てるんですね。むしろユンファ本来の魅力はそのコメディーにこそあると思います。 そこで特にオススメしたいのがこの「大丈夫日記」だ。 ストーリー的にはユンファ扮する主人公が2股をかけてそのまま2人の女性と結婚してしまうというもの。なんとかばれないように2重の生活を行うという…実に分かりやすい内容だ。 相当バカバカしい内容なんだけど、ユンファのテンションが異様に高く、見ていて全く飽きることがない。アラレちゃんの物真似も披露したり、素晴らしい位の馬鹿っぷり。 とにかく見て頂きたいのだが、このレビューが3年ぶりという事からも分かるように、なかなかレンタル屋には置いていないのが現状だ。ビデオからDVDへと切り替わった時に多くのB級作品や隠れた名作が消え去ったのと同様、この作品も幻となってしまったのか…。 でも、調べてみるとちゃんとDVD化されてるんですね!ベリーナイス! にしても平均点高すぎな気が…私もつい満点入れてしまいましたけど。 ↓やたら愛のあるレビューが多くてニンマリ。[ビデオ(字幕)] 10点(2014-10-15 17:27:19)《改行有》 1051. 美しき冒険旅行 《ネタバレ》 ふとツタヤにて手に取り、パッケージ裏の解説を読むと"熱狂的なファンの間で密かに語り継がれてきた幻の傑作"みたいな文が踊っていて、何気なくレンタルしてみた好奇心旺盛な私。 そういうのに限って地雷が多いから困る…。 冒頭から映し出される都会の様子に流れる不穏な音楽(これが実に怖い)、やがて何気ない一家の様子が映し出される。そして、旅行に出掛ける一家。 ここからどんな美しい冒険が始まるのかな~とワクワクしている私。だが、この時の私はまさかあんな事になるなんて知る由もないのだった…。 いきなりの超展開。なんじゃこりゃ~! 突如として始まった砂漠で子供2人のサバイバル。 どこが"美しき"旅行なの? たしかに広大な砂漠の映像と少女の美脚だけは美しいけど…。 時おり挿入される動物や虫の映像が怖すぎてヤバい。 そうか、これは少女の美脚だけを観る映画なんだ!と勝手に解釈し、なんとか美脚だけでやり過ごそうとする私。 だが、現実は厳しく、子供達を次々と災難が襲う。 なんとか現地の部族に助けられ生き延びる事が出来たが、今度はその部族の男に気に入られ求愛のダンス(?)を夜通し続けられるという悪夢が繰り広げられ・・・。ぃみゎかんなぃ。。。もぅマヂ無理。。。 何度も心が折れそうになりながらも最後まで鑑賞した自分を褒めたいと思います。[DVD(字幕)] 2点(2014-10-14 18:57:21)(良:1票) 《改行有》 1052. イップ・マン 葉問 1作目に比べると大味な展開が多くイマイチ乗れなかったのが正直な所。 ストーリー的にも完全に蛇足な感が否めない。「序章」ではイップ・マンの半生を追うことで彼の辿った軌跡を目の当たりにし、興味深く観る事が出来たが、今作ではボクシング対拳法というメインイベントがあって、そこに向かって映画全体が動いているので「序章」ような常に生きるか死ぬかというような緊張感があまり感じられない。 サモハン・キンポーとの絡みは確かにファンなら嬉しいだろうが、悪役かと思いきや実はいい人だったというキャラクターが、ファンに媚びているようでダメ。もっと圧倒的な悪役として描いてサモハンをラスボスにした方が個人的には燃える展開だったかなと。 結局、西洋人はバカで野蛮で卑怯で、中国人は誇り高いんだというステレオタイプな描き方にはうんざり。ラストで無理矢理ブルース・リーが出て来たけど、おお!というような驚きはない。[DVD(字幕)] 6点(2014-10-14 12:05:13)《改行有》 1053. イップ・マン 序章 王家衛の「グランド・マスター」を観てイップ・マンという人物に興味が沸いたので鑑賞。 「グランド・マスター」ではイップ・マンが主人公でありながら他の武術家の話がメインとなっていたりして、イップ・マンのファンにとっては消化不良な作品だったと言えるだろう。また、アクションよりもラブストーリーがメインで日本軍の描写等も無く、美しい所だけを切り取ったような内容だった。 それに対してこの作品はイップ・マンの半生をじっくり描いており、日本軍が攻めてきて極貧生活を余儀なくされ、生活の為に肉体労働をする所や、決して日本には屈しないという不屈の精神が描かれる。なので、この作品を観てイップ・マンについて深く知る事が出来たので大変満足だった。 アクションシーンも満載で、古き良き香港映画を思わせる内容だった。 平和な時代が終わり、自分の身は自分で守るしかないという時代になり、イップ・マンが自分の働く工場の工員全員に武術を教える場面がグッときた。中には子供やおばちゃんも多くいて、勿論ちょっと習った位じゃ実戦には通用しないが、皆真剣に武術を習っていて、イップ・マンの信頼の厚さが伺えるいいシーンだった。 タイトルに「序章」とあるが、なんかこれ一本で完結しちゃってる感じ。続編の「葉問」はどうなるんだ?これから観てみようと思う。[DVD(字幕)] 8点(2014-10-14 10:00:31)(良:1票) 《改行有》 1054. グランド・マスター 過去3回寝て、4回目にしてやっと最後まで鑑賞。 思えば王家衛の「楽園の暇」でも5回程寝てしまった私。 どうも王家衛×武侠映画は私にとって鬼門のようだ…。 前述の「楽園の暇」の例があるので、あまりカンフーには期待していなかった私。 その予感は的中し、やはりアクションよりもドラマに重きを置いた作品だった。 いい意味でいつもの王家衛映画。 一見さんお断り。というのは冗談だが、かなり敷居の高い作品である事は間違いない。 冒頭、雨の中の格好いいアクションが展開されるが、それはスピーディーなカット割とスローモーションを多様した何処まで本気かわからないアクションシーンだ。人によっては映像でごまかしただけのこけおどしカンフーだと揶揄されるかもしれないだろう。そういう本気のカンフーを求める方はこの後の展開で眠る事が予想されるので注意されたし。 格好いいアクションシーンが終わると、今度は淡々とイップマンの語りが始まり、ドラマが展開されていく。トニー・レオンのナレーションを聞いている内になんだかこれは「2046」なのか?という不思議な感覚にとらわれた。カンフーの達人というよりもいつもの王家衛映画に出てくるトニーと重なってしまった。なんだか音楽や屋上で佇む女などのカットが「2046」を思わせる所があった。 これまで散々1960年代にこだわって撮りつづけてきた王家衛だが、今回は1930年代から1950年代の激動の時代を描く。 いわばこの作品を原点として「欲望の翼」や「花様年華」へと繋がっていくのかもしれない。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-10-13 20:13:51)(良:1票) 《改行有》 1055. ウォーム・ボディーズ 切ないゾンビ映画。 そう、ゾンビ映画なのに切ないんです! ゾンビだって思考してるし、ゾンビ同士ちゃんとコミュニケーションもとっているという新解釈。傍から見ればただウウ~とか呻いているだけに見えるが、実はちょっと位なら言葉を発する事が出来るというね。 これまでのゾンビ映画ではただ人間を喰ってるだけでしたが、本作ではゾンビが人間の脳を食べるとその人間の人生を体験できるという設定になっており、ここが最大のキーポイントとなっている。 人間の脳を食べた事で、ひょんな事から人間の女の子を助けるという行動に出る主人公(ゾンビです)が、まさかの恋に落ちるというラブストーリー。 それまで誰かと繋がりたいと思ってもゾンビであるが故にその想いは叶う事はなかった。 しかし、運命の時は遂に訪れた。 ゾンビと人間が手を繋ぐという奇跡。その瞬間終末へと向かっていた世界は再生へと導かれる。 「ウォーム・ボディーズ」というタイトルの意味を知った時、なんて温かい物語なのだろうと思いました。 ただ、ゾンビと人間共通の敵として登場するガイコツが都合良すぎる存在だったのがちょっと残念。意外と弱いし。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-10-12 20:42:08)(良:2票) 《改行有》 1056. 紀子の食卓 《ネタバレ》 2時間半かけて壮大な家族ごっこを見せられる映画。 園子温が得意とするひとつの家族の崩壊を描いた映画であるが、後の「愛のむきだし」なんかと比べると粗が多く、何が言いたいのかよくわからない為イマイチ入り込めなかった作品。 まず、紀子の思想、行動、が不可解すぎてついて行けない。 彼女は、今の自分が嫌いで、生きていること自体がリアルに感じないとつぶやく。 自分の周りには自分を理解してくれる人間など居ないとネットにはまっていく。 やがて廃墟ドットコムというサイトに辿り着く。 その結果、新しい自分に生まれ変わる為、家族ごっこにはまっていく。 う~ん、なんという厨二病的思想。 救いようが無いです。 それから、映画全体を通してあまりにクドイ演出が続くので苦痛だった。 とにかくモノローグが多すぎ。あんな1から10まで説明されたらクドイだけ。まるで観客に何か想像させるという事を放棄するかのよう。 やたら繰り返し挿入される「自殺サークル」の集団自殺の映像や、オルゴールみたいな音楽が耳障りだ。 まだ「自殺サークル」の方が気軽に楽しめるバカ映画だったのでマシだった。[DVD(邦画)] 3点(2014-10-11 20:31:21)(良:1票) 《改行有》 1057. 運命じゃない人 普通に恋愛ドラマが展開されるが、この監督の映画なので、絶対、"もう始まっているぞ"と目を凝らして観てしまう。この時点で、何の知識も無く観た人とは観るスタンスが違う。なので、ネタばらしが始まってもああそういうことだったのかと驚き事すれ全ては予想の範囲内。しかも先に「アフタースクール」を観ていた為、ちょっと物足りなさを覚えたのも確か。 ストーリー自体は面白いのだが、登場人物にあまり感情移入できず、もう一度見直したくなるほどの魅力は感じられなかった。[DVD(邦画)] 6点(2014-10-09 22:07:56)(良:1票) 《改行有》 1058. ゼイリブ この映画をB級たらしめているのは基本的に主人公がおバカだからである。 サングラスをgetしてこの世界の秘密に気が付いた主人公だが、もっとじっくり攻めて行けばいいものをやたらと焦りすぎている為、すぐ敵にばれてしまう。 そして、とにかく何でも力で解決しようとする力馬鹿だ。 仲間を説得するにも話し合いより殴り合い。女性を助けるも説明下手な為怪しまれて2階から派手に突き落とされる。それでもこの主人公はめげない。なんというタフさか。そして、いよいよ敵の基地に乗り込むラストでは勿論何も考えずに銃乱射だ。とにかく撃って撃って撃ちまくる!脳筋最高![DVD(吹替)] 8点(2014-10-09 19:52:17)《改行有》 1059. ブエノスアイレス 同性愛の役は出来ないと断ったトニー・レオンを偽の台本で騙し、現地に連れて行ったらやっぱりゲイの役のままで、当然脚本は無し、即興の演技を要求されるという。おまけに相手役のレスリーチャンは本物のゲイだわ、ツアーを組んでたからしょっちゅう香港に帰っちゃうわで、撮影期間が延びる延びる。もはや収拾が付かなくなってチャン・チェンとシャーリー・クワンを呼んで新たなキャラクターとして登場させたが、シャーリークワンの出演シーンは全部カットされるわ、ストーリー的にも主役だったレスリー・チャンが途中でやむなくフェードアウトするわ、監督とトニーの関係は悪化するわ、レスリーは監督の作品には二度と出ないと言うわ、それでも撮影したフィルムだけはどんどん貯まっていって膨大な量になるわ、と非常に難産だった本作。役者泣かせにも程があるだろう。 ゲイのおっさん2人のブエノスアイレス逃避行なんて誰が観たいかと思うかもしれないが、やはりトニーとレスリーなので絵になるし、演技合戦も見応えあって面白い。 ゲイ同士のラブシーンはちょっと・・・と言う方でも、激しいのは冒頭のワンシーンくらいなのでそこさえ我慢すればあとは大丈夫。 とにかく注目して欲しいのはその映像と、音楽の心地良さ。 現地で発見してCDを買い込み、即起用したというフランク・ザッパの選曲チョイスが素晴らしい。 映像も「天使の涙」で香港の路地裏が迷宮と化した人工的な照明もさらに進化してるので注目。 また、ロードムービーとしても面白く、南米を旅してる気分になれるのでいい。 特にイグアスの滝の広大な空撮は迫力満点で、全てを飲み込んでしまう力がある。 [ビデオ(字幕)] 9点(2014-10-08 03:32:07)《改行有》 1060. 花様年華 "女は顔を伏せ近づく機会を男に与えるが 男には勇気がなく女は去る" この映画冒頭に登場する一節だが、まず、嘘つけ!と言いたい。 勇気がないどころかトニー・レオンてばマギー・チャンを口説きまくり、え?そんなにグイグイ行っちゃうの?と思わず笑っちゃうほどの押しの強さ。 互いの配偶者が浮気?ならこっちもしちゃうもんねと開き直り、一緒にタクシーに乗ればすかさず手を繋ごうとするし、小説を書くから手伝って欲しいと、事あるごとに部屋に呼ぶというね。「2046」でも同じキャラが出てくるがこちらは終始ニヤケ顔でさらに色男になってるので要注意! たびたび流れる夢二のテーマがとにかくこの映画の雰囲気にあってて良い。特に意味の無いシーンでも、取り敢えずこの曲を流してスローモーションにしとけば格好いい画が出来上がるので大変便利だ。この時代の雰囲気は良く再現されていたんじゃないかと思う。[映画館(字幕)] 9点(2014-10-08 00:45:30)《改行有》
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