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プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1061.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》  ラストに当事者本人が登場して長々と心情を語る、のであるならば、本編そんなにドラマを描く必要ないんじゃない?  姉妹作みたいな『バーニング・オーシャン』と同一言語で作られている映画、その欠点も一緒って感じ。八方美人的で描くべき事の取捨選択に疑問あり、と。  実話の映像化ですから、必ずしもエピソードに流れがある訳ではない、その流れの無い部分に思わせぶりなドラマを抱えた登場人物をいっぱい持ち込むために様々なエピソードの不発弾を抱えまくった映画といった印象でした。それぞれの行動、努力がちゃんとした結果として現れる訳ではなくて、全然別のところから解決がもたらされるような状態なので、宙ぶらりんな感情が行き場を失ってウロウロ、みたいな。  ただ事実、状況、現象を点描してゆく事に努めてゆけば、事件の姿と、そこに生まれたドラマはちゃんと浮かび上がってくるのではないのかなぁ、と思うのですが。少なくとも、その状況をリアルに生々しく描くテクニックはあるのですから。  自国内の企業の問題だけに微妙に内省的な面を持っていた『バーニング・オーシャン』と違うのは、テロに屈しないアメリカ凄い!って賛美に溢れているって点ですか。結局は個人からの通報がきっかけ、っていうその解決への道筋はともかくとして、ね。[映画館(字幕)] 6点(2017-06-27 19:27:35)《改行有》

1062.  夜明け告げるルーのうた 《ネタバレ》  『崖の上のポニョ』によく似た部分が多々あり、多分に意識しているのでしょう。『ポニョ』が様々なメタファーを通して生命の誕生を示す作品ならば、こちらは死の匂いを漂わせた作品。遠い昔に人魚に連れ去られた人々のエピソードが、まるであの世へと誘っているようです。『ポニョ』と同じように水没してゆく街のイメージも似て非なる世界で。  でも、今回どうした?って感じの吉田玲子脚本、まずその構成にひっかかりを感じました。  物語としてはよくあるフォーマット。少年が人魚と出会い、友情を育んでゆくものの、人魚は大人達の思惑によって囚われ、それを救おうと奮闘して、と。その、定番であるがゆえに当然あるハズの気持ち良さ、その不足が目立つ脚本で。  かなり状況が進んだ状態で遊歩がルーに嫉妬するあたりは「今この段階で今更その感情なの?」と思ってしまいましたし(物語の進行に伴う成長を考えると遊歩はなんだかトロい)、街で起きている騒動をカイが延々気付かない、そのサスペンスを作るのが「カイがヘッドホンをしながら勉強をしているため」という、いかにも取って付けたような理由で作劇上それでいいのか?と。  前半のルーを受け入れてゆく子供達の部分がサクサク進んでゆくだけに、後半の大人達の思惑(見世物にしようとする人々と、人魚を忌避する人々と)に翻弄される部分がゴチャゴチャともつれた感じで尾を引き続け(見世物にしようとする側が必ずしも悪でないあたりが混迷を生んで)、人魚達による救出劇の盛り上がりを阻害してしまっているように思いました。  そして湯浅作品としてもつい最近の『夜は短し歩けよ乙女』に比べるとちょっとシンドくて。『夜は~』の不条理話にはしっくりくる湯浅演出も、この一見マトモな物語な『ルー』に対してはズレ、すれ違いを感じさせて。その独特な作画の気持ち良さは相変わらずなのですが、それが既視感の波に飲み込まれてゆくのは勿体ないなぁ、と。『ポニョ』と並べてしまうとね、どうしても敵わない部分が目立ってしまう訳で。その上クライマックスの展開は『君の名は。』を思い出さずにはいられませんし、ルーのお父さんと沈んだ街は『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』のようで。  もう少し他の作品へと意識が飛んでゆくようなものではない、オリジナリティでバーン!と見せる映画であって欲しかったと思いました。[映画館(邦画)] 6点(2017-06-26 21:47:57)《改行有》

1063.  ちょっと今から仕事やめてくる 《ネタバレ》  妹にネタバレ食らい、中盤のミステリー展開が一切無効になるという惨事に遭いましたが、それでもまあ1つの物語としては楽しめました。  ただ「ブラック企業の闇に迫る社会派ドラマ!」みたいな側面は全く無いので、背景となる会社は単なるホラー装置としての機能を果たすばかり。  会社は鉛色のトーンで、不気味な音楽、あるいは音楽以前の不協和音が流れて、そこが命を奪おうとする空間として描かれます。この映画では部長の存在が全ての元凶であり(ああいう上司、実際に私のこれまでの人生の中で2人おりましたが)、部長さえいなければこの企業はもっとマトモに動いているんじゃないかと思わせます。その辺がこの映画の限界なのだなぁ、と。ブラック企業が生まれる背景が単純化されてしまっているようで、だから主人公の苦悩もその単純な土壌から生まれているように思えてしまって。ブラック企業が生まれる背景にはもっと複雑な事情があって、だからこそ容易には辞められないって側面もあって。  でもこの主人公は自殺直前まで追い詰められて、生きる意味も無い的な事を言いながら、一方では「正社員でないと結婚して家庭を持てない」なんて言う精神的な余裕を見せてもいて、矛盾しちゃってるんですよね。  で、タイトルになってる部分がクライマックスだと思ったのですが、その後のエピローグだと思った部分が長い長い。むしろそこが本題なのかと。あそこが大きくなる事で本題がボヤけてしまい、非現実的なファンタジーへと移行してしまった感じで。ファンタジーはファンタジーとして悪くないです。物語としてああいうオチも良いでしょう。でも、現実と戦ってる人にとって、あの海は実際にはほぼあり得ない、夢でしかない、それこそ天国みたいな世界。最後には我々から離れてアッチ側に行っちゃったんだねぇ、と思わせるばかりで、こちらでは現実世界が相変わらず広がっているばかり。映画を見に来た人に希望を抱かせるにはあまりに飛躍し過ぎちゃった感があります。  あと、セリフで色々と説明し過ぎて、映像のリピートも多くてクドい印象がありました。黒木華がちっとも魅力的に撮れてないのですが、彼女にあんな風に長々と告白のセリフを吐かせるのではなくて、もっとミステリアスな悪女にして、その中から真実が見えてくるようにしてくれたら良かったのになぁ。  でも男同士の友情物語としては楽しく見させて頂きました。『フォーゼ』から福士くんを見てきた自分からすると、彼はやっぱりこういう明るく、テンション高い、笑顔いっぱいの役がいいなぁ、と。最近よくあるカッコつけた役だとどうも薄い演技してるように見えちゃって。[映画館(邦画)] 6点(2017-06-15 22:49:55)(良:1票) 《改行有》

1064.  無限の住人 《ネタバレ》  ひたすら杉咲花の映画って感じで、彼女の表情を捉え続けるカメラが良かったです。彼女の真っ直ぐな瞳と周囲から異彩を放つ佇まいが目に焼き付きます。  キムタクは彼女と対比させるために、なんだか汚らしく血みどろで、損な役回りではありますが、それはそれで趣があって。  福士蒼汰はどうしても演技がつまらないのですが、アクションは頑張っていました。戸田恵梨香は設定ほどには弾んでなくて、いい時と悪い時で言うと残念ながら今回は悪い時の戸田恵梨香だったかなぁ。彼女はスタッフのウデに因るのか、作品によって印象が極端にころころ変わっちゃう。  そして今回は丁寧な方の三池崇史。なので良い画がいっぱいあって、特に光と影のコントラストを強調した画作りに、これはなかなか、って。でも、その丁寧さが仇になったのか、会話部分の尺が長くて、会話→アクション→会話→アクションのサイクルが延々と繰り返され、最初は情感を味わえたものの、段々と苦痛になっていって、もう少しテンポアップしてくんないかなぁ、と。  また、アクションシーンにしても、敵の圧倒的な数を相手にする、っていうのがやり過ぎ状態で、ただひたすら敵を倒すだけの状態に尺を取られ過ぎ。物語に結び付いてゆかないアクションのインフレ状態が映画の進行を停滞させちゃってます。  物語は後半になるに従って、単純な仇討ちだけではない複雑な構造になっていって、明快さを欠く感じになって。市原隼人など、映画の流れの中にはジャマな存在なんじゃないかとすら思いました。  もう少しキャラクターとエピソードが整理されて尺も15分くらい短くなっていたら、もっともっと楽しめたんじゃないかと思います。[映画館(邦画)] 6点(2017-05-04 21:39:44)(良:1票) 《改行有》

1065.  ワイルド・スピード/ICE BREAK 《ネタバレ》  これまでの作品を見ていないと判らない点が多々あり、でも見ていたところで疑問に感じてしまう点も多々あり、と。  かつてファミリーの一員を殺した人間でもファミリーになれますよ、ってそう簡単に納得できませんわなぁ。死んだ人間が浮かばれませんわなぁ。  っていうか、実はドムもファミリーをあまり大切に思ってないんじゃないか?っていう。子供を救うという最優先項目の前ではファミリー殺したって仕方ないとばかりにファミリー相手に暴れまくりますしね。ファミリーもファミリーで、そんなドムを「子供奪われちゃったんじゃ仕方ない」とばかりに無条件に許しちゃう世界なわけで、なんなんだか。子供が必要だけど前の恋人はジャマ、っていう脚本上の都合(あからさまにそうなるって展開が読めるっていう)で殺されてゆくエレナが不憫。  長い時間、ドムが敵側に存在するので、見ていてモヤモヤ、ヤキモキしてストーリー的にはあまり気持ち良くありません。いかにも更に続くなシャーリーズ・セロンのケリの付け方も、ここまで引っ張っておいてその程度で済ませちゃうか、と。  前作から続いて登場する、個人の居場所を世界中の監視システム使って特定しちゃうゴッドアイとか、遠隔操作を標準装備してるとしか思えない一般車とか、もはや何でもありでハチャメチャな映画。  でも、操られた大量のクルマが塊となって街中を疾走するとか、氷を突き破り車をすっ飛ばして浮上する潜水艦とか、ハデな映像が大スクリーンにバーンと展開する気持ち良さ、そして怒涛の展開に結構長い上映時間でも全く飽きさせる事がない状態は良かったと思います。前作はちっともクルマが「走って」なかったですけど(飛ぶか壊れるかばっかり)、今回はまだ走っていましたし。基本バカな映画を許容して楽しめてナンボといったところでしょうね。  何があったところで、ラストでみんなでパーティすれば問題無し、って。でも次回作のラストでシャーリーズ・セロンがパーティに参加してたらヤだなあ。[映画館(字幕)] 6点(2017-05-03 21:33:10)《改行有》

1066.  ハードコア(2015) 《ネタバレ》  見ている間はとても楽しめたのですが、終わると何も残らないというか、映画の印象まで薄ぼやけてしまって、それはそれで問題だなぁ、と。  映像的には『COD:MW』シリーズやら『HALO』シリーズやら、つまりFPSゲームでお馴染みの世界ですから何か斬新な事をしているという訳ではなく、でもそれが映画というカタチになったらそれはそれで面白いという感じ。ヘンに映像を連続させ過ぎずに適当に刈り込んでいますから、テンポ良くダレ場もありません。  でも、一人称映像であるというのは結局そこに自己を投影できてナンボという事になる訳で、自分でプレイして進行させるゲームとは違い、そこには印象的な画というのが必要になってくると思うのです。でもせっかく美しいヒロインが存在していても、それがさっさと流れていっちゃう、ちゃんと印象付けるところまで行かないのが残念。ラストにああいうカタチになるとはいえ、でもあくまで最後までヒロインを輝かせておく必要とかあったんじゃないかなぁ。あんな風に絶ち切っちゃったら、なんつーかマンガっぽい。ありがち過ぎな物語ですし。  それは手を変え品を変えのアクションシークエンスにしても同様。あくまでゲーム的なそれら(前に挙げたFPSタイトルはただ銃を撃つだけの単純な絵作りから脱却してます)の映像は見ている時は楽しいけれど、でもその時だけの画でしかなくて、革新的な、脳に強烈なイメージを残してくれるようなものではなくて。  主人公の像が(ほぼ)存在しないというのはつまり主人公はカメラマンの役割であって、そのカメラに映る世界の描写こそがキモになってゆくのは当然、そこが弱い映画だったなぁ、と。終わってみればシャールト・コプリーのコスプレばっかり記憶に残る映画っていう。  ちなみにHMDで3D対応のFPSをプレイしたら一発で酔いましたが、この映画は視界いっぱいに見てナンボと最前列で見たものの、別に酔いませんでした。[映画館(字幕)] 6点(2017-04-12 23:14:36)《改行有》

1067.  3月のライオン 前編 《ネタバレ》  棋士の静かな戦いが良かったです。始めから将棋のルール説明など諦めているのですが(だから戦局が動く部分もセリフや演技や解説で判らせないとなりません)、大きなアクションが無い分、表情や仕草でその戦いっぷりを表現する、それはやはりベテラン俳優陣の演技力の賜物で。  ただ、やっぱり前後編モノの前編、色々と勿体付けて描いたモノがまるでキチンと収まってゆかないもどかしさ。前半特に著しく意味あり気に勿体付けて描くので、その歯切れの悪さにイライラ。そのワリにエピソード自体は飛び飛びであっちゅー間に時間が飛ぶのですが(冒頭に梅雨前だと語っていたと思ったら、ちょっとの間にお盆の送り火焚いてたり、冬着になったり)、刈り込み過ぎてほったらかしになっちゃった部分が散見されました。  更に、今回の映画の中では川本三姉妹に殆ど存在意義が無かったりして、むしろもっと見たかったのはソコだったのになぁ、と。っていうか、美咲と三姉妹との関係(繋がりと仕事と)も映画だけじゃハッキリ判らないわ。  あと、マンガ原作の映画に顕著に見られる傾向、複数の人間のモノローグが入る、これ、よろしくないなぁ、と。ずっと零のモノローグだけで来てたので、ちゃんとしてると思ってたら、後半になって他キャラもいきなりペラペラとお喋りになっちゃって。ああ、マンガなんだなぁ、って。  ついでに音楽もお喋り。説明的音楽ワールド。  凄い事になっちゃってる染谷将太とか、性悪な有村架純とか、ガラの悪い伊藤英明とか、ジミな豊川悦司とか、薄い役な感じの佐々木蔵之介とかの面白味がありましたが、それは映画が進むと共に変化していって、そして後編に続く、って事で。  とにかくエピソードを追うのに精いっぱいで、そのクセ、タメる描写があり過ぎな感じが映画を間延びさせていて、1本の映画としてはまとまりを欠いた感の強い映画。続編に繋がる盛り上がりという点でも不満が残って「早く続編が見たい!」と思わせるような映画ではありませんでした。  ちなみに原作は数年前にその時に出ていた8巻まで大人買いしたのですが、1巻途中まで読んで積読状態で映画に臨む事になっちゃいました。今から読もうかなぁ、後編見てからかなぁ。[映画館(邦画)] 6点(2017-03-19 21:23:45)《改行有》

1068.  トリプルX 再起動 《ネタバレ》  『ワイルドスピード』シリーズと全く同次元の、中学生男子をウハウハ喜ばす単細胞アクション映画。一切頭使わずに楽しめます系。  でもヴィン・ディーゼルは相変わらず大根だし(アレでストーリー上、モテ男です、ってのが全く納得できないんですよね。映画俳優ヴィン・ディーゼルが知名度でモテてるってのならともかく)、アクションはカット割激しくて細切れだし。  エクストリームスポーツがメインのアクション映画だと思ってたら、後半はCGバリバリのアクションで、エクストリーム部分は主に前半なのですが、それも細かいカットで割られているので、凄いアクションには見えないんですね。もう全部別テイクのアクションを繋いでるんだよね?ってのが丸出しになってて。実際にカットが繋がってない箇所もありますし。  ドニー・イェンとトニー・ジャーのアクションもカット割り過ぎでガチャガチャしてるばかりですし、そもそも冒頭でこの映画はハリウッドと中国のハイブリッド映画ですよ!って高らかに宣言しちゃってるので(〇×電影公司とか出てくるので)、ドニーさんは実は悪役じゃありませんよ、っていうのも最初から読めちゃうっていう。  カッコいいのは女優陣。アクションキメまくる2人もいいし、本来現場には出ない、007で言うところのQポジションなメガネのコも美味しいところを持っていきます。  ここ一番でのアレはシリーズ見てないとキター!って感じしないワケですが、私、このシリーズはマトモに見た事なかったですしねぇ(BSCSで放映してるのをなんとなく見たり見てなかったり程度で)。  一切退屈はしないけれど、なんらかの意義とか意味とかそういうのは求めても仕方ない、そういう映画。  っていうか、ドニーさんは最後、アレ、どうやって生き延びたんだろう?[映画館(字幕)] 6点(2017-03-06 19:53:53)《改行有》

1069.  恋妻家宮本 《ネタバレ》  役者がとても良くて、登場人物ひとりひとりに気持ちを乗せる事ができて。特にドンが良かったなぁ。ドンの抱えた哀しみが響いて。  でも残念ながら、映画としてはあまり褒められない状態で。映像と脚本と音楽とが、全部説明口調というか解説風というか。面白味を狙っているつもりが全部説明になっちゃってる映像なんかは、あー、やっちゃったねぇ、ってモノがたっぷり。  完全な一人称映像で始まりながら、次のカットでその存在が消滅しちゃうという冒頭からして間違っちゃってるのですが(いや、あのファーストカットこそは映画の「入口」で観客を迎えてるって言いたいんでしょうけれど)、問題はたとえば映像とモノローグと文字と音楽とが全て同じ事を語るという、そのハイパーおせっかい表現法。本来、無言の演技だけで構成して表現できるであろう事柄に気持ちを表すモノローグを入れ、更にそのモノローグを具体的に表す文字を画面上に登場させ、音楽も気持ちを語るという。そこまでしなければ理解してくれない誰かを対象に映画を作らなければならないと思うのは、強迫観念みたいなものなのでしょうかねぇ。  状況によって変化するライティングとか特定のセリフにかかるエコーとか、お節介、やり過ぎ感がハンパないです。  対象として想定される観客のレベルを下げる事によって作品のレベルまで下がっちゃうと思うのですが。  阿部寛と天海祐希のコンビは眺めているだけで十分絵になっちゃうわけで、そんなに色々と盛ってあげなくちゃいけない存在ではありませんよね。「語らなきゃ想いは伝わらない」ってお話ではあるのだけど、それは映画そのものの物理的現象とイコールって訳ではない筈です。  でも、天海祐希が停電した駅の待合室でお弁当を食べるシーンを見て、かつて邦画に食事シーンが多い事に苦言を呈していた人がいた事を思い出しましたが、食事シーンこそは邦画の大きな魅力の一つなんじゃないかな、と思いました。このところ『エミアビのはじまりとはじまり』『この世界の片隅に』『サバイバルファミリー』そしてこれと、邦画の印象的な食事シーンに出会う事が多いな、って。[映画館(邦画)] 6点(2017-02-19 21:57:46)《改行有》

1070.  ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 《ネタバレ》  せっかく子供達のキャラが魅力いっぱいなのに、映画は物語を説明するのに忙しくて仕方ない、って感じで。元からそんなに大した物語ではないので、それよりもっとキャラの魅力を存分に見せてよ、ってそこがもどかしい映画でした。  確かに設定はややこしいです。私だってちゃんとは理解しちゃいません。そこはどこで何年で、そしてそこが壊れるとその外は一体何年で?みたいな。でも、そもそもそこが肝心なハナシではない、そこは単なる仕掛けなワケで、ミス・ペレグリンとその家族のような子供達の閉ざされた、でも魅力的な生活、そしてそこに侵入して来ようとする脅威に対する抵抗って部分がキモなんじゃないかと。  クライマックスで主人公の少年がボウガンの失敗を繰り返す描写など、それ必要?って感じですし、子供達各人の活躍をしっかり気持ち良く見せて溜飲を下げる、っていう描写も足りていませんし。大体、肝心のクライマックスはハリーハウゼンのオマージュじゃなくてこの映画オリジナルな個性を見せて欲しいですし(『フランケン・ウィニー』でもクライマックスをオマージュまみれにしちゃってましたが)。  これで白塗りジョニー・デップが出てきたら、あーあ、って感じでしたが、さすがにそこまではしなかったのでひと安心。あと、音楽がダニー・エルフマンから離れたのも良かったですね。  ミス・ペレグリンすらも途中退場状態になり、子供達にもあまり焦点が当たらないという状態で、ヘタレ続ける主人公の少年に映画を背負わせるのはちょっと酷な感じがするのでした。[映画館(字幕)] 6点(2017-02-13 22:49:36)《改行有》

1071.  僕らのごはんは明日で待ってる 《ネタバレ》  主役2人が魅力的なので最初から最後まで退屈せずに楽しませてくれました。特に高校時代に2人が重ねてゆくエピソードが微笑ましくて。  でも、どんな映画か知らないままに見に行ったのですが、どこかとんがった映画なのか(タイトルがヘンだし)と思ったらワリとフツー(凡庸)で。  食べ物を通して、個と個、意識と意識、自我と他者との関係について語る映画、なんですけれど、なんだかハンパなんですよね。  たとえば食べ物がモチーフになっているのですが、その食事風景や料理に対して映画として拘りが感じられません。ただ普通に漫然と過ぎてゆくだけ。単なる口を経てお腹に収まってゆく小道具としての食べ物が描かれるばかりで、美味しそうとか、食べ方に意味があるとか、そういうの無し。ポカリやケンチキといった実在するものがキーアイテムになりつつ、それらの持つ既存のイメージ以上のモノは何も描こうとしていません。  更に、セリフで表現されるものが総てといった感じで、延々秘匿されるものも、フタを開ければ(タネ明かしのセリフで説明されれば)よくある物語の姿が露出するだけ。  米袋ジャンプのシーンは明らかなメタファーだと思ったのですが、その後のフツーさから考えるとそれすら怪しく感じられて。  ヒロインの泣きにかつて彼女が発したセリフをリフレインさせるという説明過剰っぷりは失笑モノですし、病院のロビーでのおばあさんの言わずもがななセリフも頭の中で先行したモノをトレースしてくれて苦笑状態。  病室での「握手」から一気にエピローグまですっ飛ばすくらいの飛躍があっても良かったんじゃないですかねぇ。全体的に拘りが足らない映画という印象でした。  でも「ああいうコいるいる」って感じのヒロインが反応薄い主人公(と映画自体)を動かす、軽やかで爽やかな動力源として機能していました。あと片桐はいりがいい感じ。  主人公の心の変遷に、若い人が少し自分のこれからの生について何か考える事ができる、そんな映画なんじゃないかと思います。[映画館(邦画)] 6点(2017-01-10 20:46:21)《改行有》

1072.  ポッピンQ 《ネタバレ》  ワリと見られるというか、惜しいというか。  キャラクターデザインとか設定とか良いと思うんですよね。自分を見失った少女達が、突如誘われた異世界で悪と戦う事になる、って。  でも脚本と演出のせいで面白いモノになってゆかない感じ。説明セリフ多過ぎ、というかセリフによってねじ伏せて話を進めてゆくという日本のアニメの悪癖がここでも繰り返されます。  踊りで世界を平和にするっていう無理矢理な設定にクドクドと説明をする事で納得させようとする必要があるのでしょうか? 『スペースチャンネル5』みたいに「踊りで勝負よ!」で済ませちゃえばいいんじゃないかと。  そういう「設定を説明するための時間」が映画のテンポを悪くしますし、もっと見てみたい部分が削られてしまう結果になって。メインキャラ5人の個性はもっともっといっぱい描かれて良かったハズなのに、説明に引っ張られてとても物足らないものになってしまって。  彼女達が抱えた悩みや想い、悪の存在が意味するもの、同位体(マスコット)との関係性、それらの要素がどれもハンパになってしまって、ここまで色々と創造したのに扱い方がなんとも勿体なくて残念、って感じ。  ヒロインの色や役割は『どれみ』『プリキュア』を思わせて、しっかりと東映魔法少女モノの系譜を感じさせつつ、一方で『ガリバーの宇宙旅行』なんかも思い出させて、東映動画伝統の香りを漂わせていたあたり、古いアニメおたくとして楽しませて頂きました。  でも、当然予想されるラストシーン(エンドクレジット後ですが)を更に突き抜けてゆく部分はふざけ過ぎ。あれじゃ真面目に見てきた観客を馬鹿にしちゃってません?  観月ありさ、中井貴一主演のドラマ『じゃじゃ馬ならし』最終回ラストを思い出しました。[映画館(邦画)] 6点(2017-01-05 22:50:22)《改行有》

1073.  インフェルノ(2016) 《ネタバレ》  『ダ・ヴィンチ・コード』よりは幾分面白かった気がするのですが(『天使と悪魔』見てないや)、多分尺がだいぶ短かったからでしょう。  歴史上の有名な芸術・事象を盛り込んだちょっと知的(に見える)な娯楽サスペンス、って事で、毎度そこそこなロン・ハワードに相応しいシリーズかもしれません。  前半の、謎を追い求めながら歴史的名所を巡る旅は観光気分も味わえて良い感じです。記憶が曖昧で何が起こったかが判らないという設定が興味を持続させてくれますし。  ところが後半に事件の全容を映画がクドクドと説明し始めるとゲンナリ。映画への興味がそこでなくなっちゃう、そこから先が全部読めてはいはい、って状態になっちゃいます。  クライマックスはその通りに展開するだけ、ごく普通のよくある時限サスペンスをダラダラ見せられて、あーもうどうせオチは判ってるのだからさっさと終わらせてよ、って。  だけど首謀者の中二秒的思考は、実際にそういう事を考えちゃう人がいる訳で、相模原障害者施設殺傷事件とか「怠惰な透析患者は殺せ」と主張した元アナウンサーとか、一体どういう立場からそういう思考ができてしまうのか到底理解できないのが湧いて出てる現実を思わせ、笑い事ではないなぁ、と。  あと、ベネチアの風景とかヒロインのポジションとか、いちいち『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』を思い出す映画でした。結局このシリーズって『インディ・ジョーンズ』がやりたいんですよねぇ? アクション的にはいま1つ2つ、ってところですが。[映画館(字幕)] 6点(2016-11-01 22:24:48)《改行有》

1074.  GANTZ:O 《ネタバレ》 ・原作なり映画なりでGANTZの設定、システムを知っている。 ・国産CGアニメ特有の、表情の変化に乏しい、声優の演技に頼ったマネキン人形風キャラを、そういうもんだと割り切ってる。  この2つをクリアしていればかなり楽しめる作品だと思います。  タイトな上映時間にGANTZの世界が凝縮されています。時間が短いが故の難点もありますが。バトルが映画本体では1度だけ。その1度の戦いの中で様々な要素を描こうとしていますから、各キャラの成長や心の変化が唐突だったり、強さはセリフで語られるばかりで実力を発揮できないまま終わってしまうキャラだらけだったり、重要なポジションのように見えながらそんなには存在価値がないままなハンパなキャラがいたり。  ですが、無駄無く矢継早にアクションを重ねてゆくので、あまり細かい事に拘っているヒマもありません。  迫り来るバケモノに対して、自分か、誰かが落とした武器を拾おうと手を伸ばす、駆け出す、その危機一髪の瞬間をスローモーションで描く、ってパターンが多過ぎて、もう少し他にサスペンスを生むシチュエーションを考えつけないのかいな、とは思います。  武器のバリエーションが豊富なのはいいとして、明らかに『パシフィック・リム』なアレは明らかに浮きまくりで別作品になってるじゃん、みたいなのもあります。  突然の超展開でシーンやエピソードがちゃんと繋がってなかったり、まるで説明不足だったりもします。なんで東京チームは大阪に飛ばされて共闘って事になったのかなぁ?  でも、そういう点をツッコミながら見るような映画って感じです。  読めまくりのラストの展開も含めて、フルCGになってもあんまり変わらない国産アニメの様式美みたいなのを生暖かく見守って楽しむのが吉、ってところで。二人の女性キャラの気合い入りまくりなモデリングだけでも十分に楽しめますしね~。[映画館(邦画)] 6点(2016-10-14 23:14:04)《改行有》

1075.  高慢と偏見とゾンビ 《ネタバレ》  私はよく「もしも小津作品にゾンビが出たら」とか夢想したりするんですが、コレはそういうノリを本当に形にしちゃった小説を更に映画にしちゃったような作品で。  ジェーン・オースティン作品と言えば19世紀の貴族階級の人々が惚れたハレたする、キラキラした恋愛模様を描いたオトメな世界、そこにゾンビを置いたらどんな面白さになっちゃうんだろう、って感じですが、どうもハンパに妥協しちゃった映画という感じで、もうひと捻り足らない状態のように思いました。  ジェーン・オースティンの映画化作品としては『いつか晴れた日に』『Emma』『プライドと偏見』がありますが、それらにあったオトメな色合い、イギリスの陽光、緑、田園風景、空、人々の優美さ、そういう成分が足らないんですよね。代わりにB級映画の安いノリがジワジワと侵蝕しちゃっているような風味で、それはガッカリだなぁ、と。一方でゾンビものとしてはごくごく控えめな描写で。あの美しい風景の中に恐ろしくおぞましいゾンビが置かれたとしたら、そのコントラストはどれだけ異様でステキな事でしょう、と期待したんですけどねぇ。  ヒロイン姉妹が中国で修業した武術の達人であるという設定も、あまり面白い画にできていない感じ。そこはジェーン・オースティン風味とハッキリ区切った武侠映画ノリで見せて欲しかったのですが、作っている人々にあーんまりそういう部分での拘りが無いらしく、ジェーン・オースティン、ゾンビ、中国武術、ついでに日本の剣術がコントラストを描く事なく雑多に置かれている状態でした。ジェーン・オースティン好きでホラー好きでアクション好きな人材なんていうのを求めるっていうのは贅沢なハナシなんでしょうかねぇ。  役者は良かったと思います。リリー・ジェームズとサム・ライリーの整った顔立ちはジェーン・オースティンワールドに相応しく、でも、だからこそそれを活かしきれていない脚本や演出が残念でした。  それでもジェーン・オースティン世界がどういうモノなのかを知っていればこそ楽しめるノリは随所にありはしましたが。パロディ映画としての域から出ておらず、そのもう一段上を目指す視点が欠けていたんじゃないか、そんな気がしてなりませんでした。[映画館(字幕)] 6点(2016-09-30 20:24:26)《改行有》

1076.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》   笑いあり、スリルとサスペンスあり、感動ありで程よい感じの青春アニメではあります。  でも、脚本の構造のために歪みが生じているのも事実で。  まず時間を超えて入れ替わっていたという仕組みを隠すために二人が自分の身に起きた異常事態に対して日時の確認をしない、気付く事がない、っておバカになっちゃってるのが残念だなぁと(夢だと割り切ってたりして)。っていうか、スマホの日記アプリ使ってる時点で西暦は明確になりそうなものなのですが。つまりこれ、お利口さんでは成立しない物語なんですよね。  それから映画は三葉主体で始まりながら、クライマックス前は三葉の人格を脚本の構造のために出せない、っていうのも人称のブレを生んで「主役の心が消える長い時間」が生じるゆえの不満感が。  その他、おばあさんが仕掛けの説明のためだけに存在しているので、その説明が終了すると共に用なし扱いになってるとか、お父さんの意思決定が絶対的な〇か×かのみで成立しているけれど、その絶対性が生まれる根拠があまりに脆弱だとか、二人が入れ替わる理屈(システム的な)が結局曖昧だとか、始めに結論ありきで組み立てられているがゆえの強引さが目立つお話ではありました。  組み紐や流星の描く尾が繋がりを示し、開閉する扉が断絶を示すあたりの映像表現は良かったと思います。でも綺麗と言われる美術に関しては、んー、自分的にはラッセンの絵みたいなモンで。キレイですね、以上。みたいな。光と影の魔術師みたいな故・椋尾篁氏とか、深層に触れるノルシュテインとか、そういうトコ、そういう世界が見たいです。空気感、その匂いは希薄に思いましたしね。  モノローグが多用されるのって、「日本」の「マンガ起源」の「アニメ的表現」独特のもので、それをみんなが何の疑問もなく受け入れている状態は果たして良いのかどうか。人称ブレブレになるんですけど、それでいいのかなぁ? 私はそこで今一つ入りきれなかったんですよね。  意外に心よりも(余計な事に)アタマを使う時間が長い映画だったので、評価そこそこ。ひっかかりなく存分に心で見たいものですが。[映画館(邦画)] 6点(2016-09-13 22:33:52)《改行有》

1077.  クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃 《ネタバレ》  少女の心の傷を優しく癒してゆくラストシーンはとても良かったと思います。が、そこまでは必ずしも褒められるものでは・・・。  『パプリカ』と『インセプション』と『ロスト・チルドレン』が混じったようなその題材のオリジナリティの無さはともかく、まず、夢が「睡眠中に見る夢」と「胸に抱く夢」とでごっちゃ。夢をコントロール可能な領域とコントロール不可な悪夢領域とが意図的に与えられていた、として「いい夢=本人の願望」っていうほぼ覚醒状態な思考パターンで構築された世界なわけで、それを大人数で空間として共有していて相互に干渉可能となると、それってもはや「夢」じゃないんじゃね?っていう。異世界ファンタジーですね。少女の悪夢から組み立てていった世界設定であろう事は容易に想像できて、そのための無理があるかなぁ。  それにそのビジュアルはいかにもオトナのアタマで創った子供の夢の世界なんですよね。  カスカベ防衛隊の団結力や活躍、ひろしとみさえのコンビネーションは好調、この辺はいつもの『クレしん』の楽しさを存分に味わえます。  バクを探しに出てからは物語の進行が停滞して、みさえとひろしは延々父親と戦ってるし、カスカベ防衛隊は迷走してるし。大和田獏ネタとか大人が見てもクドくて笑えないんですが、子供はそもそも大和田獏が判るんか?っていう。  クライマックスのボスのビジュアルはヘタなホラーより恐ろしく、よく出来てるんですが、その正体が怖すぎ。トラウマものですね。展開の結果よりも過程のインパクトがデカくてヤバいっていう。アレ、感動よりも恐怖が先行しちゃうんじゃないかと。  みさえの母性が少女を救済する展開自体は感動的なんですけどねぇ。  子供には判らないとは言いませんが、やや大人向きなんじゃない?っていうのが今年の『クレしん』の印象でした。[映画館(邦画)] 6点(2016-05-05 20:57:57)《改行有》

1078.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》  1本でも多くの映画を真剣に真面目に見る、よりは好きになった映画をいっぱい愛する方がいいと最近思うのですね。そんな事を書くのはツイッターでこの映画を「教会ってモノにピンと来ないから楽しめなかった」って感想に対して「積極的に映画を理解しようとしないのは勿体ない」って批判する意見を見かけたので。  この映画、キリスト教圏の国に向けて作られてます。教会とかキリスト教の信仰の実態とかをキリスト教圏以外の人間に判りやすく解説するとかいう事は一切していません。描かれるのは教会で行われた複数の神父による複数の児童虐待事件に対する記者達の取材、その奮闘ぶりで、その外側は全く描かない、何が起きたのかを映像で説明したりしません。全ては事後の取材の姿のみで構成される映画。なので事件の当事者すら取材対象としてほんの少し登場するだけ。  そこからこの事件の恐ろしさを実感し、記者達の挑戦の困難さを理解できるのは実際にキリスト教圏に暮らし、日常の中に教会が存在している人だと思うんですよね。万物に神が宿る八百万の神の国、お寺や神社に年に何度かお世話になる程度の国、神様も仏様もごっちゃであちこちのお祭りにでかけたり参拝したりする国の人間がピンと来ないのは当たり前で。そこで何もアカデミー作品賞の映画だからって必死に理解する必要なんてあるのかいな?みたいな。それよりは好きな映画を愛した方がよっぽど映画と人にとって幸せなんじゃないかな?  さて、正直眠い映画でした。ピンと来ないってトコだけじゃなくて、テクニック面に面白さを感じられなくて。このテの社会派映画の持つパワーっていうのがこの映画は希薄なんじゃないかって。ワリと「劇映画」のセオリー通りの画で構成されていて、記者が取材で街を歩くシーンが重ねられる部分での振り付けっぽさ(背景のエキストラの動きまで含めて)とか、ああ、作られた画だねぇ、って。  編集部の縦の構図なんかは面白いのですが、ならばもっと徹底されてたりする方がいいのに、みたいな。  『大統領の陰謀』や『ザ・ペーパー』のようなパワーある作りではなくて、良い言い方をすれば実直な作りなのですが、悪い言い方をすれば平凡。  アカデミー賞はタブーに挑戦した映画としての評価なのかな、って感じですが、まあ、そこら辺を無理矢理理解しようとする時間があるのなら自分の好きな映画を探す作業に移った方が有意義かと。[映画館(字幕)] 6点(2016-05-04 22:01:09)(良:1票) 《改行有》

1079.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 ツイッターの映画クラスタの間で評価が高かったので期待し過ぎちゃった。  ベースは『ゾンビ』そのものなわけで、話の中心がショッピングモールでの籠城戦で生き残った人間同士のゴタゴタがドラマになってます、なんてところはなんのヒネリも無し。今から40年近く前に作られた映画にやっと近付きました(越えてはいません)ってそれって誉められる事なのかなぁ。このジャンルって低予算のしょーもないデキのものが大量にありますから、元々ハードルは低めだったりするのでしょうけれど。  それでも邦画としては頑張ってるその映像は、舞台を日本に見立てての大々的な韓国ロケで実現した映像なわけで、つまり国内だけじゃこのレベルに到達するのは無理です、っていうのが実情なんでしょうね。  この映画のオリジナリティは主人公が何者にもなれないヘタレで、極限状態でも変われず、それでも、ってところですが、んー、ダレ気味。森に入って以降クライマックスまでテンポが悪くて、そのワリに濃密なドラマが描かれている訳でもないので『晴天の霹靂』とちょっとキャラカブってる大泉洋の苦悩演技をご覧くださいって状態がシンドいなぁ、って。有村架純と長澤まさみって花を両手にしながらなおヘタレ続けるので温度低めな時間がずっと続いて。  避難民を支配している男とその手下って、お約束の展開に「あーこの流れかぁ」ってウンザリさせられつつ、ヘタレの覚醒を待たなくちゃならないのは結構苦痛。  で、やっと覚醒したと思ったら最早それドーピング脚本だろって状態で。ライフルの弾、一体何発持ってるのよ?ってくらいに全部ライフルで片付けちゃうのでライフルVSゾンビの映画になっちゃうんですよね。ライフル最強!で終わっちゃう。英雄は本当に英雄になれたのか? うーん。  グロっぷりハンパない、よくぞここまで、みたいに言われてますが、殆どヘッドショットでブシャブシャ頭が破裂するばかりなので、激しい人体破壊っぷりを期待すると、こんなモンかあ、くらいのモノです。そんなモノ一切期待しない、ホラーもスプラッタもゾンビものも苦手な私でも「なんだぁ」って思う程度。  そして、有村架純は良かったです。[映画館(邦画)] 6点(2016-04-29 22:44:37)《改行有》

1080.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》  アクションシーンがカメラ動かし過ぎで見辛くて仕方ないのですが(視界いっぱいのIMAX3Dじゃ頭クラクラ来ます)、ダレ場少な目で冒頭からラストまで突っ走ってて楽しめるのはとてもいいと思います。もはや『アベンジャーズ』を超えてるのではないか、ってくらいに豪華メンバーが次々と登場して楽しみどころいっぱいですし。  脚本的には、もう少し発展的なお話の方が良かったかな、と。ほぼ内輪モメというか内紛に終始して、それもスッキリと片付くような話にはならない状態で。  で、あとは見る側のメンバーの好みの問題かなぁ。これまで私はキャプテンの言動とか性格とかあんまり好きじゃなかったんですよね。スターク社長の方が好きで。今回の映画でキャプテンの事がハッキリと嫌いになっちゃいました。社長寄りで見てるとどうにもストレス溜まる話で。だからアントマンをそっち側にするなよ、とかブラック・ウィドウまで嫌いにさせる気か、とかイライラする要素満載で、社長派にとっては胃に悪い映画。  キャプテンは正義とか真実とかのためなら多少の犠牲も厭わないって状態を暴走させ過ぎだと思うんですよ。かつての仲間相手にもう命取りに来てるんじゃないかくらいの戦いっぷりですし、最後の刑務所だって罪のない刑務官達をみんな倒しちゃってたわけですし(まさか死んじゃいないんでしょうけれど)。結局は彼の言動もまたエゴなんですよね。そういうキャプテンのエゴイストっぷり、独善っぷりがどうにもこうにもイヤで、主役なのに自分の目には悪党にしか映らないっていう。  同調しちゃう仲間も含めて、そこら辺、上手く納得させるだけの脚本にはなってなかったと思います。人物関係のゴチャゴチャっぷりを整理しきれてませんでしたしね。  前作『ウィンターソルジャー』にもスッキリしない点はありましたが、今回は数々のわだかまりを残しちゃった感じで、コレで平然と『アベンジャーズ3』出してこられるんかいな?ってちょっと心配になっちゃいました。  ちなみにマーベル映画お得意のエンドクレジット中~後の映像は今回も2回なので1回目で席を立っちゃうと損しちゃいます。[映画館(字幕)] 6点(2016-04-29 22:24:53)《改行有》

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