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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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1081.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 例によって冒頭は夢の場面。またも時代劇だが今回は舞台のお芝居。主人公の寅さん、大見得切ってカッコいい。さらに芝居が盛り上がってくると、何とBGMに流れるは、幻想交響曲の終楽章!なんちゅう思い切りの良過ぎる選曲。いやいやその前に、これって寅さんの夢なんだよ!?いくら私がクラシック音楽が好きでも、まだ夢の中でベルリオーズが流れたことはありません。寅さん、参りました、私はまだクラシックファンとしては半人前。しかし引き続く主題歌の場面になると、今度は「矢切の渡し」に「特別出演:細川たかし」が現れて小芝居をするという、ベタベタ演歌ネタが登場。すごい世界観の映画だ(笑)。この後も全編、クラシックと演歌で彩られた映画になってるわけですが、特にこの「矢切の渡し(連れて逃げてよ~)」が物語の重要なモチーフになってます。新潟で寅さんと「佐渡の渡し(?)」に乗り込むマドンナ、演じるはミソラ・・・・・・じゃなかった、都はるみ。役名は京はるみ。ははは、ナメとんか。有名歌手である彼女、別世界に生きる彼女の、逃避行が描かれます。彼女が行方不明になり大慌ての所属事務所(手持ちカメラがズンズン迫る場面など、寅さん映画らしからぬドキュメンタリタッチ)。一方、寅さんとはるみは佐渡でのんびり。民宿・呉作のノスタルジックな調度、宿の婆さんの「どこでも好きな部屋に泊まれ」というアバウトさ。うーん、いいねえ。和む二人。寅さんだけは、彼女をスターではなく、一人の女性として見ているんだね。しかし彼女は事務所に見つかり、帰ってしまう。後に彼女はとらやを訪問し、二人は再会するのだけど、彼女見たさにとらやに人々が殺到。寅さんは彼女との立場の違いを思い知ることになる。とらやの二階にポツリと取り残される階段に背を向ける寅さんを、畳スレスレのカメラが捉え、画面の端には湯呑みが転がっている。ナゼ転がっているのかは判らない。ただ、それはあまりにも寂しく切ない光景で、まるでその湯呑みは寅さんの分身のようにも思えたり。ラスト、静かに柴又を後にする寅さんには、さくらにもどうすることもできない孤独感が溢れており、胸に深く突き刺さるシーンです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-12 22:06:01)(良:3票)

1082.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 この頃にもなると、渥美清も、寅さん役がキツくなってきてたのか、派手なパフォーマンスが見られなくなってきてますが、その点、本作は、「寅さんが僧侶見習いになっちゃう」という設定が実に秀逸。あんまり動かずに笑いをとる、ということに成功してます。博の父・ウン一郎氏の墓参りに来た寅さん、墓石にシンミリ語りかけ、ホロリとさせる場面ですが、その後がイケナイ。ひょんなことからナマグサ坊主と意気投合、しかも坊主の娘が美人とくれば、もう寺にすっかり居座ってしまい、坊主の代理で大活躍。諏訪家の法事に、坊さんに付いてノコノコやってきちゃう。これが可笑しいのなんの。博が実兄を「兄さん」と呼んだのに寅さんがウッカリ返事しちゃうシーンには、大笑いしてしまいました。これと似た場面がもうひとつ。本物の坊さんと共に諏訪家にやってきた僧侶姿の寅さんに、「おじさんだ!」と満男だけが気付く場面があるが・・・これは本当に寅さんを見て「おじさんだ」とつぶやいたのか?もしかして、ホンモノ僧侶役の松村達雄の方を見て、「あ、2代目竜造おじちゃんだ」と指摘したのではなかろーか?(笑)。ってか、てめーだって2代目満男だろうが、と、つい、つっこんでしまう。←こんなことばっかし言ってると、それこそ竹下景子に「そこまで考えなくても」と突っ込まれそうですが(笑)。ところで、この映画の物語、実に何も解決していないお話であります。諏訪家の遺産騒動に始まり、松村坊さんも息子とギクシャク。息子・中井貴一は勘当されたまま、東京で冴えない暮らしを続け、杉田かおるとの長距離恋愛もこの先どうなることやら(いずれ結婚しても飛び蹴りくらうだけ?)。そんな中で比較的うまくいきそうなのが、寅さんと竹下景子の関係。いやいやそう上手くはいくまい、しかししかし・・・と宙ぶらりんのまま、別れの柴又駅。ここでの2人の関係の微妙な揺れ動きは、まさにサスペンス映画と言えそうな程のドキドキ感、しかしやがて電車が着き、彼女は乗り込み、ドアが閉まり、あっさり電車は去っていく! この無情さ! 哀しい別れに、おもわず「あー」とつぶやいてしまいました。一方、諏訪家の騒動も、亡父の生家を売り払うという現実的な選択に終結しますが、それを補うごとく、「なんと博が、遺産をタコ社長の工場に投資しちゃう」という、現実離れしたファンタジックなオチ。うーむ、博、次期社長の座を狙っているのか?[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-25 22:37:10)(笑:4票)

1083.  男はつらいよ 翔んでる寅次郎 《ネタバレ》 このシリーズ、ワカリヤスサが売り、という部分があり、状況説明のセリフが必要以上に入ってしまって、「今のセリフは無くてもよかった(無い方がよかった)のに」と思ってしまうことがあります。しかし一方、それを補うかのように「観る面白さ」を全面に押し出した場面、というのが盛り込まれていて、その代表がやはり冒頭主題歌の背景に流れる、寅さん帰郷のシーンですね。特にこの本作、サイレント時代の喜劇映画を思い起こさせる、久しぶりに活きのいいドタバタを展開してくれます。このドタバタを、“一歩引いて”撮る。という「一歩引いた感覚」、コレが、本作は、全編にわたってしばしば見られます。前半の、北海道の雄大な自然を捉える場面などのロングショットもそうですし。それに、何と言っても、一つの画面の中で複数の物語が同時進行する場面が頻繁に見られるのが、目を引きます。画面手前においてある会話を捉える一方で、画面奥では別の会話が始まっている。そのようなシーンが、意識的に多く取り入れられているようで、何だか実験的なニオイすら感じられます。そしてこのニオイが、クライマックスでしっかり活かされていたりする。クライマックス、最後は寅さんが失恋して旅に出る、というのがいつものパターンだけど、本作では寅さんは予想に反し、柴又に残り、マドンナの結婚披露宴に出席します。この披露宴の席で、宴が進む中、画面奥にマドンナの母親がひっそりと現れる、という、例の「同時進行」のパターンが登場。これにより、感動がさらに盛り上がります。失恋相手の仲人役というつらい立場の寅さんも、この素敵なラストには、まさに柴又に残った甲斐があったというもの。さらに最後は大サービスで、新郎・布施明が歌を披露するというオマケつき、「素人のくせにウマすぎるだろ~」なんて、言いっこなし。こういう楽しさもまた、いいじゃないですか。というわけで、伏線による統一感と、物語の爽快感が、心地いい映画でした。ところで、桃井かおりの花嫁姿、何だかコワかったですねえ。やっぱり、何か特殊メイクでもして、あのコワさを出したんでしょうねえ。まさか本当にあんなコワい顔なんじゃあ、ないでしょうねえ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-18 23:02:21)(良:2票)

1084.  レ・ミゼラブル(1998) ええと、スミマセン、原作未読、ああも長いと、読むのに躊躇してしまいます。で、ついつい、こういう「適当な長さにまとめた映画」ってのに頼ってしまうのです。ホンマにスミマセン。「読むのが面倒だから映画を観よう」ってのは、我ながら情けない。しかし、この映画、そういう不純な動機を差し引いてもなお、観た甲斐がありました。実に雰囲気がよく出ており、まるで当時にタイムスリップしたかのような気分。さらに劇的ストーリーをこうサクサクと纏めてくれるのでは、目の離しようもなく、しっかりトリップさせてくれました。いや、ちょっとサクサクし過ぎな気もしますが、それでも、印象的なラストがしっかり映画を締めてくれます。ところで。葬列の場面で楽隊が演奏している曲、これは、ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」ですね。舞台となっている年代、1832年でしたっけ(?)、にこの曲が演奏されるハズはないのですが(作曲1840年)、「それでもこの曲がこの場面で選ばれている」、といこと。歴史考証という客観的必然からではなく、それを超えてでも、あくまでこのシーンにはこの曲が相応しい、と製作者が選択したことは、意識の片隅に置いておいてもよいかもしれません(とは言え、革命追悼のために作られた「関連曲」ではあるので、ちょっとベタな選曲、かもしれませんが)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-10 22:21:03)

1085.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 今回もなかなか渋い作品、やはり寅さんはおとなしめ。マドンナはさらに渋い。いしだあゆみ。渋すぎ。舞台はまず京都。これがいい。実に京都らしい京都の雰囲気をよく表していて、これだけでも充分、観た甲斐があるというもの。で、それ以外の見所はというと、ううううむ、これがあんましはっきりしない(笑)。いや、この曖昧さ。物事を正面から描かずオブラートにくるみながら、そっと、寅さんとマドンナのすれ違いが描かれる、この微妙な味わいこそが、本作の魅力でありましょう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:52:08)

1086.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 設定の上手さで勝負アリの一本。いや、上手いのやら上手くないのやら、ようわからんが、何だかオモロイ。まず、(1)ナゼか寅さんと相部屋になってしまう岸本加世子 → 彼女も、寅さん&さくらのような、離れ離れの兄妹。だけど、兄貴は遠洋漁業で真面目に働いており、妹の方がぶっ飛んでいる(妹の方がやや寅さん型、かな)。寅さん兄妹と、オーバーラップしているような、正反対のような。 (2)寅さんの同窓会。寅さんツマハジキで可哀想でもあるけど、しょうがない面もある。寅さん以外は皆、大人になり、社会人になり、大きなモノを背負っているのだ。 (3)テキヤ仲間の寅さんへの頼み。オレが死んだら妻と結婚してくれ → 結婚という言わば「社会」そのものが、今度は自ら、寅さんへ接近してくる!しかも例によって美人だ(という設定)。こりゃ一大事 → で、寅さんの就職活動騒動へ・・・・・・ こうしてみると、なかなか盛りだくさん。そしてマトマリがあるような無いような。しかしその各エピソードの噛みあい、あるいは食い違い、これが妙にオモロイ映画でありました。ラストも予想通りの展開でありながら、予想を越える感動・余韻があり、心憎いばかり。 それにしても、今回の寅さん、渋いと言えば渋いが、ちょっと元気無いかなぁ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:28:13)(良:1票)

1087.  BLOOD THE LAST VAMPIRE 面白いねえ。このリアルなようでいてどこか異質な感覚。“丁寧に描き込んで実写と見紛うばかり”ってのとは違う。やはりアニメらしさが横溢しており、フムそうですね、いわば超豪華な影絵芝居を観ているような感じ、とでも言いますか。独特の質感は、生身の人間の演技とは違った、一種の硬質な肌触りであり、これが幻想的な雰囲気を醸し出してます。そして全体的に暗い色調の中で、ラストの明るい青空がとても目を引き、何だかホッとしてしまいます。[地上波(邦画)] 8点(2006-08-14 00:28:39)(良:1票)

1088.  ヒドゥン(1987) 『ロボコップ』を破ってアボリアッツのグランプリ獲っちゃったもんで、世間の顰蹙を買ったことでもお馴染みのこの映画。そりゃあ、この映画が悪いんじゃなくて、審査の方の問題でしょうが。いやそれはともかく。そう、これも大学の頃。友人2人と、何やら聞いた事も無いミニシアター系の映画を観に行く事になってしまい、3人で銀座に繰り出したが、幸か不幸か、到着した時にはすでに最終日の最終回上映が始まっちゃった後。いやあ残念だねニコニコ、と私。結局、友人の一人の下宿で鍋でもしようかという、お決まりの展開。その前にビデオでも借りていこうと、レンタルビデオ店に寄り、「何かオモシロイ映画を借りろ」との司令に、私は早速、お気に入りの一本である、この『ヒドゥン』に飛びつく。ふふふ。日頃、ゲージュツ映画ばかり観てるコイツラに、こんなオモロイ映画を見せたら、きっと目を回して大喜びするに違いない! で。材料の調達に失敗し、肉・魚介類が皆無の野菜鍋を「やっぱパンチ力が無えなあ」とつぶやきながら味わい、続いて、いささかいかがわしいビデオを鑑賞し、夜明けが近づいて来た頃にようやく、私にとっての真打、『ヒドゥン』のビデオが登場。ふふふ、エロビデオなんぞより遥かに盛り上がるはず! さあ映画開始。これでもか、これでもかと人に乗り移り続けるエイリアン! まさに手に汗握る展開! どーだ参ったか、と2人の方を見れば---完全にキョトンとしているではないですか。結局、先ほどのビデオを見ている時よりもはるかに口数が少ないまま、映画は終わり、2人はため息を漏らす。う~そんなバカな。いやいや、改めてこの映画を見直してみると、まあ確かに、そんなにオモシロくない気もしてきちゃったんだけど。ラストも「それでいいのかよ~」というオチだし。でも、この映画の、畳み掛けるシツコい展開、これにはもーちょっと反応して喜んでくれても良かろうが。少なくともエロビより面白くないなんてことは無かろう。きっと徹夜で眠かったんだろうねえ、と、自分と『ヒドゥン』を慰める。そんなワケで、私はエロビなんて大嫌いだ。←何の話やねん。まあ、今、冷静に振り返れば、あの時、銀座にもう少し早く向かうべきだった、これが結論であることは間違いないんですけども(えへへ)。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-04 22:35:28)(笑:1票)

1089.  アンタッチャブル 初めて観たのは、学生の頃、友人宅でのビデオ鑑賞だっけ。友人の方はすでに鑑賞済みで、私が観てる横でアレコレ要らぬコメントを連発し続ける・・・「この女の子、この後『ミスター!ミスター!』って言うデ」「この金鎖の音、よう聞いとけよ」「今、A teamを『エイ・ティーム』って発音してたやろ。『ひとつのチーム』を強調した言い方やねん」「ああ、人間って弱いなあ」「ホンマに人間って弱いなあ」「う~む、人間って弱いなあ」←終わりの方、このコメントばっかし(笑)。さて、皆さんは、彼のこれらのコメントだけ聞いて、これが『アンタッチャブル』の感想だと、お分かりになるだろうか。彼には何か、他の光景が見えていたのかもしれない。映画の摩訶不思議なところだ。ちなみに彼はその後、イギリスに留学し、以来、音信不通だ。もしこれを読んでたら、連絡下さい(←伝言板に使うなっての)。ええと、話が大きく逸れましたが、上記の彼の言うところの「人間の弱さ」、つまり後半のエリオット・ネスの心の葛藤、ですけれども、コレが実に、ケビン・コスナーのイモっぽさとマッチしており、私も、こりゃなかなか適役だわい、と思った次第。これに限らず、映画全体的に、マンガっぽいわかりやすい配役ではありました。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-02 23:02:48)

1090.  浮雲(1955) 場面と場面の間の、登場人物の移動を表すもの、そしてそれに伴う時間の経過を表すものが、省略されており、各場面が、断片として積み重ねられている、この落ち着かない感覚(その中で、ラスト近くの汽車&船のシーンが、明確に移動を表現していて、とても印象的で、かつヤな予感もするのだけど)。そう、この断片感覚はまるで、男女2人のショートコント集を観てるような----とか言っちゃうと身もフタもないので-----あるいは、主人公2人をメロディとした変奏曲が展開されているような。このナルセとか言う監督はどーも油断のならない監督で(映画観ながら油断するヤツが悪いってか?)、どーも観てて疲れる、挑戦しがいのある強敵だ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:36:11)(良:1票)

1091.  ハンター(2003) 社会に馴染めない不良少年が、ハンターに弟子入りして、大自然に揉まれながら成長していく。ってな感じの映画では「一応」あるんだけども、セリフが切り詰められていることで、ストーリー的にはかなり曖昧な印象。そりゃそうだ、こんなものすごい大自然の中では、個々の人間みたいな小さな存在は、量子論の影響を受けて不確定化しちゃうのだ。しかしその中にあって、やはり自然児たる“ハンター”の存在感は、圧倒的大自然に溶け込むが故に、我々の目を引く(その無表情な表情)。この“ハンター”、オネーチャンと馬上でチョメチョメしちゃう、なかなかのハンターぶりなんだけども、そんな姿がまた、彼の「自然」な姿として、ミョーに納得できてしまう。やがて少年は、以前に起こした事件のためにとっつかまり、ムショにぶちこまれる。映画で初めて現れる文明の姿。それまでの大自然の光景からの余りの違いに、我々文明側の人間の目にすら、異様に映る。少年はその刑務所の中で成長し、一方、“ハンター”はその間も大自然の中で生き続け、そして・・・・・・。我々も時々、山に登ったり、浮世から遠く離れた寺社に行ってみたりしては、「ああ、こんな静かなトコがあったんだなあ」なんぞと思い、また雑多な日常へと帰っていくんだけれども、また会社に行って仕事をしながら、「あそこは今でも静かなんだろうなあ」なんぞとため息をつく。僕らの存在にお構いなしに、この世には様々な世界が存在しており、存在し続けている。僕らはそれらの世界に対し、「選択」することだけはできるのだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:26:18)

1092.  殺人遊戯 サイレント映画に対してトーキー映画が有利な点ってなんだろう、なんぞと、浅はかながら考えまするに、ここはひとつ逆説的に、「トーキーの方が、‘静寂’や‘沈黙’をより効果的に表現できる」のではなかろうかと。サイレントは音が無いがゆえに、映像から‘音’を感じさせようとするわけですが、トーキーは音や声を直接出せるがゆえに、その対比として、音や声の無い‘静寂’‘沈黙’をサイレントよりも強いインパクトで表現できるのではないか・・・。で、ナゼか、本作について、です。なんでやねん、ははは。まあ要するにですね、普段のフニャフニャした饒舌な鳴海サンの姿があってこそ、あるいは周囲の登場人物のセリフの数々があってこそ、その対比として、鳴海さん戦闘モードの‘沈黙’が実に効果的なのであります。セガールよりよっぽど‘沈黙’だぜ。そしてその寡黙さあってこそ、クライマックスの超長回し銃撃戦の緊迫感も数層倍になるのでありますなあ。それにしても、戦闘モードの鳴海サンの姿、どー考えてもキャメロンはこれを見て『ターミネーター』の造形を考えたとしか思えないのであります(←妄想)。でもシュワにはこんな機敏な動きは出来まい、うふふふ。[地上波(邦画)] 8点(2006-07-18 21:47:03)

1093.  ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 小説2作目『ロスト・ワールド/~』とはあんまし関係無くって、むしろ一作目の小説『ジュラシック・パーク』と関係がある。って言っても一作目で映画化し損ねたシーンを適当に混ぜこぜしてるだけ→まさか、1作目で撮った未使用フィルムを再利用したんじゃなかろうな、と疑いつつ。それにしても散漫な内容、ハエ男に突然、黒人の娘が現れ、その親子関係が、ティラノサウルスの親子愛に見事にオーバーラップしないという、この軽薄さ。しかし恐竜CGのリアリティは内容に反比例して見事な出来栄えに!いやあ、素晴らしい(映画好きに、ではなく、恐竜好きには、もータマラン)。そして後半は一転(スピルバークがゴネてこんなデタラメなストーリーになった)、ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」を思わせる、無人の船の漂着。そして街中に恐竜参上! そーそー、こういうのが観たかったのよおおお。と、当時の私は大興奮。人間をムシャムシャ喰った恐竜を保護するという、ドアホな展開も、見なかったことにして許せちゃう。という、恐竜好きで特撮好きで下世話好きで節操の無い私には、なかなかにおもしろーい映画でしたとさ。そういや、ハンター役でコバヤシが活躍してたなあ、いいぞ~。そういや、ジダンも活躍してたなあ、いいぞ~。って、あ、ジダンじゃなくてパキセファロサウルスでした(←2006W杯決勝戦参照)[映画館(字幕)] 8点(2006-07-18 21:32:38)

1094.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 人は誰しも過去に囚われている、と言う主人公。成果を出さねばならぬという強迫観念から精神に異常をきたした過去、その過去に彼は生涯、折り合いをつけて生きていかねばならない。過去の影は現在へと投影され続け、今の我々を苦しめ続ける、それは程度の差こそあれ、誰しも経験することであろう。しかし、主人公の過去は影ばかりではない。「過去」において成し遂げた業績が、思わぬところで成熟し、思わぬ「ノーベル賞」という形になって返って来る。過去に囚われることは、人間の宿命であり、悪いこともわれば良いこともあるのだよ。ロン・ハワード監督にだって、かつてはロジャー・コーマン門下だったという暗~い過去(?)があり、だからこそ今の彼がある。過去をしっかり受け止め、前向きに生きていく人間は皆ビューティフルマインドの持ち主なのさ(このオレ様ロン・ハワードも含めてな、フフフ)、という想いが、実に美しい映像で綴られた本作。結局サイコサスペンス映画でした(ハハハ)。ところで、関係ないけど、ロクな数学的素養も持たず、ドンブリ勘定でいい加減なコメントばかりテレビで言ってる自称・経済評論家たちよ、ちったあ反省しろ! すみませんホントに関係ありませんでした。 (ついでにもひとつ。窓ガラスに計算式を書くシーン。水森亜土を思い出しました、ははは)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-02 11:38:55)(良:1票)

1095.  アザー・ファイナル 人生の教訓。上を見たらキリが無いけど、下を見たら、実は、もっとキリが無い。映画だってそうでしょ、所詮ラジー賞だなんだっつうても、話題になるのは大抵有名な作品、本当に無名で光の当たらないどうしようもない映画の数々からなる暗闇が、その下には広がっている。そこはまさに恐るべきクズ映画の底なしの深遠だ。恐るべし。とまあ、それはともかく、サッカーの世界にも、上には上がある(というのは今回の2006ワールドカップで、皆よ~くよく認識している今日この頃だと思いますが)のと同じく、下には下がある。だけど、こちらは映画の世界と違って、一応、ランキング付けが完全になされており、無限の底無しじゃない。しかも映画の世界と違って(!)、最下位にいたるまで皆、真剣にサッカーに取り組んでる。だもんで、202位のブータンと、203位(最下位)のモントセラトで、最下位決定戦をやっちゃおう、という企画。これがすごい。島国モントセラトは、火山噴火の影響で練習もままならない。が、持ち前の明るいカリビアンパワーでやる気満々、飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ、ブータンまでやってくる。サッカー以前にまず、つくづく世界は広いと思う。さまざまな困難を乗り越えつつ、いよいよ決戦へ、よくもまあ、こんな企画、実現したもんだ。映画はポップな演出を交え、テンポよく、その一部始終を見せてくれるが、その中で、スポーツの商業化への疑問もちゃっかり絡め、そのワカリヤスサが観てて何だか気持ちよくなっちゃう。映画的には多少安直な面があろうとも、試合の白熱ぶり、苦難にめげない選手の真摯さには、心打たれること間違いなし。できれば、試合のシーンまでポップに見せてくれなくてもよくって、も少しじっくり見せて欲しかったけど・・・。[地上波(字幕)] 8点(2006-06-25 22:05:43)

1096.  めぐりあう時間たち 映画始まってすぐ流れ始める音楽、「なんだこれ~まるで出来の悪いフィリップ・グラスみたいだぞ~」とか思って、オープニングのクレジット観てたら、ああ、すんません、本人でしたか(笑)。気を取り直して、と。時代の異なる複数の物語が重なる構成に、最初は「この映画、一体どこに落ち着くのだろう」と思いながら観てましたけど、いやはや、唸らされました。「物語」である小説、その小説そのものが、別の「物語」である映画の中で、まるで登場人物のひとりであるかのごとく重要な役割を果たしている、という、小説/映画の二重構造。映画というメディアを巧みに表現に生かしており実に効果的、かつ衝撃的。過去に書かれた物語と、未来の事象の関係が、「未来が過去をなぞった」ようでもあり「過去が未来を予言した」ようでもある、因果関係の錯綜、これが、怪しくも妖しい、本作の魅力になっているように思います。ところで、この邦題、「時間」を擬人化しちゃったタイトルになってますが、映画から受ける印象とは全く相容れず、非常に違和感を感じました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-17 23:11:26)

1097.  グレート・スタントマン まとまったストーリーみたいなものはあんまし無くて、ただ主人公のスタントマン、フーパーが、いやいや、それを演じているバート・レイノルズが、とっても楽しそうにしているだけで観ている側もなんだか嬉しくなっちゃう、そんな映画。当然、命がけのスタントには不安もある、怪我の悩みもある。でもスタントの世界記録をついつい追い求めちゃうノーテンキさ、コイツが結局は前に出てきてしまい、深刻ぶることなく、明るく楽しく映画は進んでいっちゃう。この映画の中では、バート・レイノルズは、演技ではなく、本当にナマの表情を見せているかのようであり、また同時に、スタント出身のハル・ニーダム監督の表情も間接的に映画の中にみなぎっている。そして、そんなこんなのウチに、クライマックスの、飛び抜けて危険で飛び抜けて無意味な、超絶スペクタクルへと。何でこんなアホな事に命をかけるのか、理解は不能だが、確かにどこか羨望を感じてしまう。そう、“映画の魔物”は、映画の底辺の隅々の「何でこんなアホなところにまで?」ってなトコにまで身を潜め、人々を誘惑するのですな、ああ、おそろしや。 ところで、主人公がヘリからダイブするスタントシーンで挿入されている音楽、おお、これはウルトラクイズの決勝前に流れる曲ではないですか、ワクワク。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-17 22:26:55)

1098.  マッチスティック・メン いや、楽しかったですよ。例えばデヴィッド・フィンチャーあたりが酔っ払って、バリバリ陽気になって撮ったらこんな映画できそうじゃないですか。そういう映画「も」作れる男、リドリー・スコット。この人、職人だなあ。意外さの中にもなーんとも言えない切なさのある作品でした、が・・・しかし、考えようによっては、映画の作り手というもの自体が、本作の主人公みたいな、一種の詐欺アーティストみたいなものなのかも。映画の中の世界は、あくまで虚構、人工のもの、と知りつつも、我々は自ら進んでそこに引き込まれ、時にのめりこみ、現実を忘れ、こうやって切ない気持ちになったりもする。本当の人生の難問が映画を観て解決するわけじゃない(映画で解決するのはそもそも難問じゃない。解決したあるいは救われたなどと錯覚するのは単なるセンチメンタリズムにすぎない)んだけども、「それでも」、確かに我々を惹きつけて止まないものが確かにある以上、我々は自らその世界に足を踏み入れ続ける。そういった映画の世界を作りつづける世界の映画人たちこそ、真のマッチスティック・メン、だったとさ。でも彼ら自身が足を掬われちゃったり(!)しないよう、注意すべし。なんちゃって。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-14 23:38:13)(良:1票)

1099.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 (←ネタバレ無しのつもりですが、未見の方には何がヒントになるかわからないので、一応。) 社会派サスペンスと思わせて実は、いわゆる「新本格派」風ミステリの要素が濃い作品。そもそも、「監督=アラン・パーカー」ってのがすでにミスディレクションになってますね、ますますこりゃ社会派映画だろう、と思って観ちゃいますから。冤罪を訴える元大学教授の死刑囚と、真相を追い求めるレポーター、残された日数はあと4日。まあ確かにこの設定自体、現実社会では考えにくいけど、映画の題材としては、結構盛り上がる。一日一日が刻まれていくこの映画の構成、うむ、こりゃまるで『インデペンデンス・デイ』のように実に安っぽい、じゃなかった、実に盛り上がるぜ~。正直、最後の最後のオチは、すでにその前のシーンでほぼ示唆されているので、余分な説明かとも思いましたが、これも最近のミステリのお約束、しっかり納得して見終わってスッキリいたしましょう・・・。で、結局、この映画はどういう映画かと言うと、「社会問題を土台にしつつ、また人生の悲哀なども絡めつつ、謎解きの魅力と驚きに満ちたミステリ映画です。死刑問題への賛成・反対の立場を声高に主張したイデオロギー映画ではなく、あくまで娯楽性を貫いていますが、その中において、死刑問題の実態の一端を垣間見せてくれる映画でもあり、観終わった後で、これをきっかけに一度、死刑というこの難しい問題について、話し合ってみるのもよいのではないでしょうか」 ←うひょ~ 血迷ったか、>ワタシ[DVD(字幕)] 8点(2006-05-14 23:02:18)(良:1票)

1100.  あずみ ワタシも人の子、「上戸彩主演のチャンバラ?そんなの無理無理」なんぞとつい思っちゃうワケですが、これが思うツボ、観てみたら意外なほどサマになってまして、こうやって先入観が覆されると何だか不必要かつ不用意にウレシくなっちゃうもんであります。いやはや映像マジック。女子プロレスラー役だってできるんじゃないか、この技術力なら。かつて無数の名作を生み、やることやりつくされてしまった感のあるチャンバラ映画の世界、たまにはこういう風が吹くのも、ええんでないの。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-06 23:02:17)

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