みんなのシネマレビュー |
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1101. 遥かなる山の呼び声 《ネタバレ》 「幸福の黄色いハンカチ」に続いて高倉健と倍賞千恵子を起用した山田洋次監督作品で、今回も北海道が舞台。ということでよもや「幸福の黄色いハンカチ」の2番煎じ的な映画なのかと思っていたが、見始めると全くそうは思わず、むしろ「幸福の黄色いハンカチ」よりも名作だと思う。とくにラストの列車の中でのハナ肇と倍賞千恵子のやりとりが泣ける。(みなさんすでに書かれてるけど、このシーンのハナ肇の演技が最高に良い。)その直後に健さんに倍賞千恵子が渡したハンカチの色を見て思わずまた「幸福の黄色いハンカチ」が見たくなってしまった。文句なし(というかほかに考えられない。)の10点。[CS・衛星(邦画)] 10点(2006-08-17 15:09:04)(良:1票) 1102. 下町の太陽 《ネタバレ》 山田洋次監督の2作目で、倍賞千恵子が山田監督の映画に初めて出演した意味で重要な映画でもある。先週「キューポラのある街」を久しぶりに見返したばかりだが、間をおかずに本作をあらためて(こちらも久しぶりに)見るとやっぱり雰囲気がよく似ていて、かなり意識して作られた映画(東野英治郎や菅井きんが出演しているのもそういったことからかもしれない。)であることが分かるし、あからさまな二番煎じを狙っているのは明白なのだが、倍賞千恵子は吉永小百合よりも庶民的な感じがして、それだけでなにか役に説得力があるし、山田監督の演出はまだ垢抜けないものの、ところどころに粗削りながららしさを感じる部分はあり、とくにラストのヒロインの選択はいかにも山田監督らしい真面目さが出ていると感じる。さっきも書いたように「キューポラのある街」を意識して作られた映画には間違いないと思うが、音楽も日活映画でよく見る作曲家が担当しており、そのためか、どことなく日活っぽさも感じられる中であくまで松竹らしい作風の映画になっているのが少しチグハグな印象も受けるものの、本作のタイトルにもなっている主題歌の「下町の太陽」の明るさがとても倍賞千恵子のイメージにピッタリと合っていて、この歌の存在が本作をアイドル映画だと感じさせてくれているし、またヒロインにとっても希望が込められた歌なのだろうとじゅうぶんに感じることができる。(2023年6月25日更新)[DVD(邦画)] 6点(2006-08-15 03:20:42) 1103. チャップリンの勇敢 警官募集の張り紙を見てさっそく志願した浮浪者チャップリンが治安が悪化しているイージー街という街で大活躍する短編作品。警棒で殴っても気絶しない男とのやりとりや、連行したエリック・キャンベルを警官たちが一斉に警棒で殴りかかるシーンがとくに笑えた。でも全体としてはちょっとドタバタしすぎかなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-14 01:27:17) 1104. ウォレスとグルミット、危機一髪! 前作ではグルミットがウォレスを助けるために活躍していたが、今回はウォレスとグルミットが同じくらい活躍していて面白かった。前作には及ばないものの終盤の追跡シーンはやはりよく出来ていると思う。007もどきのサイドカーや「ターミネーター」のパロディーが楽しい。羊やウォレスの恋人など登場人物も多くなっていて賑やかだ。[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-13 01:49:03) 1105. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ! シリーズ第2作。どちらかと言えばシュールなコメディーに徹していた前作「チーズ・ホリデー」とは違い、下宿人のペンギンの登場によってウォレスとグルミットの信頼関係が揺らいだり、サスペンスフルな展開もあってすごく楽しめた。博物館のシーンなども一体どうやって撮影したのかと思うほど技術も前作よりレベルアップしている。中でもラストの模型の列車での追跡シーンはクレイアニメとは思えぬほどのスペクタクルシーンとなっていて手作りでここまで迫力のある映像が作れていることに本当に驚かされる。文句なしの10点。「飛んでまーす。」「なんでそーなるの。」とコント55号のギャグを言ったりする欽ちゃんの吹き替えも面白かった。[CS・衛星(吹替)] 10点(2006-08-12 16:37:11)(良:1票) 1106. ウォレスとグルミットのおすすめ生活 「ウォレスとグルミット」シリーズの1話2~3分ほどのショートショートで構成されたオムニバス。このシリーズを見るのはまだ2作目でしかもかなり久しぶりだったのだが、全編にわたって繰り広げられるウォレスとグルミットのやりとりやウォレスのおかしな発明品の数々には爆笑。また、このような1話1話がすごく短い作品においてもかなり手間ひまをかけて作ってあり、完成度も高いのには驚いた。[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-11 01:36:37) 1107. チャップリンの霊泉 健康ランドのような施設を舞台にしたチャップリン初期の短編。いつものように笑いどころ満載の展開で、中でも「黄金狂時代」にも出ていたヘンリー・バーグマン扮するマッサージ師が客にプロレスの技をかけ、そばにいたチャップリンがレフリーのような行動をしてしまうシーンに思わず大爆笑してしまった。その後のマッサージ師とのやりとりも笑える。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-09 02:46:29) 1108. チャップリンの移民 いつものチャップリンの初期短編と少し違って全盛期の長編作品のような雰囲気もあり、このあたりからチャップリンが自分の作風を徐々に変え始めたのかなと思う。もちろんいつもの短編のように爆笑ギャグも満載で楽しい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-08 18:05:04) 1109. チャップリンの替玉 チャップリン演じる浮浪者と彼にそっくりなデパートの売り場主任が入れ替わることによって起こるドタバタを描いた短編作品。おそらく今回も「ゴルフ狂時代」や「独裁者」のときのように一人二役で演じているのだろうけど、デビュー間もない頃の作品とあって皮肉めいた演出などは見られず、ドタバタに終始していて何も考えずに楽しめる。とくにエスカレーターやエレベーターを使ったギャグは秀逸。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-07 01:08:18) 1110. チャップリンのスケート 前半のレストランのシーンで出てくるギャグは今やテレビのコント番組の定番で特に目新しさはないけどやっぱり笑える。そして後半のスケートをするチャップリンの動きが実によく、スケートも上手いのには驚く。見る前はアイススケートだと思ってたけど、ローラーというのが少し意外だった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-06 02:13:22) 1111. チャップリンの伯爵 《ネタバレ》 チャップリンとエリック・キャンベルのコンビが金持ちのパーティーに紛れ込んで伯爵とその秘書になりすます。今回もエリック・キャンベル演じる大男はチャップリンにひげをひっぱられたりしてひたすらいじめられ役に徹していて二人の絡みはとても楽しい。食事のシーンでこの大男がパスタを食べる仕草がなんとも笑える。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-05 15:59:39) 1112. チャップリンの舟乗り生活 だまされて沈没させられるとも知らずに貨物船の中で働かされることになったチャップリンがいつものように騒動を巻き起こす短編コメディー。彼のいい加減な指導のせいでほかの船員が海に落ちるシーンはまさにドリフのコントのようで楽しい。厨房で炊事を担当する船員とのからみも笑える。カメラが左右にゆれるクライマックスは圧巻。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-04 01:21:55) 1113. チャップリンの消防夫 消防署内での同僚たちとのやりとり(とくにそのうちの一人である大男との)や、火事の通報のあったそばからチェスをしているシーンで大笑いしてしまった。そしてなんといっても最後、火災現場に取り残されたエドナを助けるためにマンションの壁をよじ登るチャップリン。サイレントのコメディーでこういうスタントを演じるのはキートンというイメージが強いけど、チャップリンもキートンに負けないくらいのスタントを披露していてすごすぎる。全体的は8点かと思ったけど、このシーンがあまりにもすごかったので9点。[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-08-03 02:52:02) 1114. チャップリンの番頭 チャップリン初期の短編コメディー。チャップリン扮する質屋のダメ番頭が引き起こす騒動を描いて初期作ならではの笑いにひたすら徹した作品となっていて楽しめた。中盤の梯子を使ったギャグや後半の時計を勝手に分解するシーンには大爆笑。でも、何か物足りないような気もする。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-08-02 01:43:47) 1115. チャップリンのゴルフ狂時代 《ネタバレ》 チャップリンが上流階級の夫といつもの浮浪者という相反する二役を演じる風刺喜劇。仮装パーティーの衣装の甲冑が脱げなくなった夫が浮浪者に助けられるラストシーンが皮肉めいていてチャップリンらしい。チャップリンの二役というとつい「独裁者」を思い出してしまうけど、この頃の作品はあれほどの社会性はなく喜劇として単純に楽しめる。ゴルフ場のシーンは大爆笑。昼寝をしているおじさんの口の中にボールが入ってしまうシーンに笑った。さらにそのあとおじさんの口の中から次々とボールが出てくるのが最高だった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-01 14:29:03) 1116. 座頭市地獄旅 今回は伊藤大輔の脚本とあって、いつもよりもしっかりとした作品になっていてとても面白かった。これまで見たシリーズでは盲人であるはずの市が女湯を覗こうとしたりするちょっとあり得ないと思うシーンがある作品もあったが、今回はもちろんそういうシーンはなく、逆に盲人であることを生かした描写があるのがなかなか良かった。今回のヒロインの名前が1作目と同じ「お種」であり、市が1作目のヒロインであるおたね(万里昌代)の話をするところがあって思わず1作目をまた見たくなってしまった。(このキャラクターは2作目と4作目にも登場するらしいが未見。)成田三樹夫も凄みのある演技を見せていて良かった。ただ、本人同様将棋マニアという設定(加えて伊藤大輔も「王将」を何度も映画化してる。)のせいか将棋をしているシーンが多く、ラストの市との対決シーンも今まで友情で結ばれていたわりに葛藤もなくえらくあっさりと斬ってしまうのがちょっと残念だった。もう少しこのあたりにドラマが欲しかったなあ。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-07-31 03:26:21)(良:1票) 1117. チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 前半の山小屋での極限状態のシーンと後半の恋のシーンのつながりが若干悪いような気がするけど、全体的にはとても面白かった。前半のシーンで、あまりの空腹に自分の履いていた靴を煮て食べたり、ジムがチャップリンを鳥だと思ってしまうシーンは笑えると同時にもし自分がこのような状況に置かれたらこうなってしまうだろうなあと考えるるとちょっと恐ろしくなった。後半で食事に誘ったヒロインとの楽しいパーティが夢であったというシーンがちょっと切ない。クライマックスの傾いた山小屋シーンは「加トちゃんケンちゃん」のコントに通ずるものがあり、この映画の中でいちばん笑えた。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 20:49:26) 1118. ぼんち 「炎上」に続く市川崑監督と雷蔵のコンビ作で、大阪・船場を舞台にした代々続く足袋屋の一人息子の女性遍歴の物語。出来としては「炎上」のほうが上だと思うけど、本作は暗くシリアスだった「炎上」とは違った全体的にコミカルな作風でとても気楽に楽しめた。若尾文子、京マチ子、中村玉緒に加えて越路吹雪や後に市川監督の金田一耕助シリーズでおなじみとなる草笛光子といった女優陣がすごく豪華。出演者の中でいちばん印象に残ったのは雷蔵の母親を演じていた山田五十鈴。「用心棒」や「蜘蛛巣城」ですごみのある怖い役が得意な女優というイメージだったからちょっとなよっとしていていつも自分の母親(毛利菊枝)とベッタリくっついて登場するというある種マザコン気味の役を演じているのを見てすごくビックリした。本当にイメージ変わるかと思うほどのハマリぶりだった。うまい役者だなあ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-07-28 01:26:05)(良:1票) 1119. チャップリンの冒険 《ネタバレ》 冒頭の砂浜での追いかけっこシーンからすでに笑える。砂の中から現れて追っ手から逃げるチャップリンの動きがバスター・キートンみたいだった。チャップリンも初期の頃はこういうドタバタをやってたんだなあ。後半登場するヒゲのおじさんが読んでいる新聞に顔写真が載ったのが元で見つかりそうになったチャップリンが新聞の自分の顔写真にぼうぼうのヒゲを書いて誤魔化すシーンが最高。上でアイスクリームを食べていたチャップリンがアイスを落としてしまい、それが下にいる女性のドレスの中に入ってしまうシーンにも大爆笑。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-27 01:38:35) 1120. 必殺!Ⅲ 裏か表か 《ネタバレ》 深作欣二監督の「必殺4 恨みはらします」が面白かったのでこの作品も見てみた。監督は工藤栄一で、彼はテレビシリーズもてがけていたとあって最初はテレビ時代劇のような軽いものに仕上がっているのではと思ったが、全くそんなことはなくハードな展開で映画としてもとても満足のいくものになっている。クライマックスは「十三人の刺客」のような迫力があり、監督の衰えを感じさせない。ただ、テレビシリーズを知らないので主水の仲間たちが次々と殉職してもイマイチ感慨深いものは伝わってこないのが残念といえば残念。いつかテレビシリーズも見てみたい。[ビデオ(邦画)] 7点(2006-07-26 11:14:24)
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