みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194

1121.  傷だらけの栄光 若き日の「ロバーツさん」と「オハラハン隊長」がチンピラ仲間として登場するのが見ものと言えば見もの。18年後にはダブル主演ということで、冒頭のクレジットも「左下」「右上」に配置されて同格扱い。その二人が本作では、片や主演、片や端役。 そのポール・ニューマンですが、本作ではどうも演技過剰で浮いている感じ。ロッキー・グラジアノ本人に取材した部分もあるのかも知れないけれど、とりあえず「しっかり演技しなきゃ」と、ハリキリ過ぎなんですかねえ。この人やっぱり、横にレッドフォードみたいなイモっぽい人を付けてあげると、ちょうどバランスが取れるのかも知れない。 ま、しかし、本作の主人公自体が相当に破天荒な人物ですから、浮いた演技が多少鼻につくところがあっても、一方でそれが、作品のユーモアにうまく結びつく瞬間もあったりする訳で。 で、そういうユーモアを、はたまた迫真のボクシングシーンを、時に意表を突く形で、カメラが巧みに切り取って見せてくれます。クライマックスの試合における、たまらない臨場感。 主人公の地元では皆ラジオにかじりついて応援している、ってな場面、さらにクライマックスを盛り上げていて、『ロッキー』でもこれを参考にしたんでしょうなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-26 02:56:42)《改行有》

1122.  ジュリアス・シーザー (1953) ええとすみません、戯曲の方はあまりおぼえてない上に先日、本を実家に持ってっちゃったので今は確認できないのですが、これ、結構、原作に忠実に作られてるんじゃないですか、きっと。真ん中あたりでシーザー死んじゃうし(ブルータスお前もか、ならば死ね、シーザー、とか何とか、ね)、後でちゃんとオバケになって出てくるし。 しかしこれ、もしかして、ほとんどのシーンがスタジオ撮影なんですかねえ(98%くらい?わかんないけど)。その利点も生かされてるんでしょうけれど、正直、映像が地味なんです。セットが地味。 後半の演説シーンなんか、ローマ市民この程度の人数でいいんかい、こういうシーンではひたすらエキストラかき集めて、非常識なくらいの大群衆が見たいのよ、なんて思ってしまうのですが、それでも、暴動が開始され群衆がカオスとなる場面はさすがに迫力があり、見応えあります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-16 23:10:51)《改行有》

1123.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 つい、本人の将来のためとばかり、勉強しろ勉強しろと子供に言ってしまう日頃の自分に気づかされてドキリとし、本当にこんなことで良いんだろうか、なんて思ってしまうのですが、もちろん本作がそういう現代の風潮を寓話的に描いただけの作品ということはないでしょう。ただこれも一種の普遍性、と言えるのではないか、と。 なにせ、赤ちゃんから少女に成長する「かぐや姫」の、一挙手一投足までが、すべて愛おしい。 高貴の女性はめったなことで立ち上がったりはしない、などと言われるけれど、そして捨丸と再会した姫は籠の中の鳥のように身動きがとれないのだけど、二度目の再会では、振り返りながらスックと立ち上がって見せる、その姿の美しさ。 そしてラストで、記憶がない筈の姫が振り返る、まさに何を想うか、というその姿の美しさ。[DVD(邦画)] 10点(2018-05-16 22:53:02)(良:1票) 《改行有》

1124.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー X-メンの「私、こんな特技あります、映画の中で活躍してみせます」といういささか鼻につくアピールに比べると(そこが魅力なんだろうけど)、こちらは、どうしてこんなポンコツメンバーが集められて一つの作品になっているのやら、正直、企画の意図がよくわからない。 そこが魅力ですね(← 要するに何でもいいのか)。 それぞれが何やら屈託を抱えているらしいのだけど、そういうのも物語のちょっとしたスパイス程度に抑えて、あくまでお祭り映画のノリで。 ただし、本作を見た後は、「動物映画」を見ても素朴に「キャーかわいい!」とは言えなくなる副作用は、あるかもしれません。[DVD(吹替)] 7点(2018-05-12 02:47:09)《改行有》

1125.  クレイマー、クレイマー 《ネタバレ》 公園のベンチで、ダスティン・ホフマンがあの短い足を苦しそうに精一杯組んで座ってる一方、法廷のシーンではメリル・ストリープがカッコよく足を組んでいるのを見ると、もうこの時点で、そりゃ勝てんわな、と思うワケです(大きなお世話ってか)。 エレベーターの中と外で二人が会話するシーンが印象的に用いられ、「ドアが閉まれば会話も終わってしまう」というサスペンスがここにはあるのですが、それよりも、確かにこのシチュエーションなら、二人が並んでカメラに映らないので、低い背も短い足も気にならないワケですね(大きなお世話)。いいシーンです。 ところで使用されている曲、例のヴィヴァルディのマンドリン協奏曲ハ長調RV.425、をマンドリンとギターで演奏している、らしいのですが、もしかして和声が原曲と違う?[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-12 02:32:07)《改行有》

1126.  網走番外地 北海篇 冒頭、刑務所内のやたらと濃い人間関係が描かれる中、千葉チャンからおつかいをたのまれて仮出所する健さん。なんやかんやでトラック野郎をあいつとめることになり、なんやかんやでこのトラックに様々な人物たちが乗り込んでくる。脈絡なく登場人物たちが集まってきて、脈絡なくさまざまな事件が発生し、でも最後には何となく収まるべきところに収まった気がしてくる、摩訶不思議。自分がコレにどう納得できているのか、まだ自分でも説明できませんが(笑)。 とにかく、雑多な登場人物をトラックに乗り込ませ、雑多な事件が起こりつつ(トラックの暴走シーン!とか)なんとなくそれぞれにドラマがあって、何となく皆、この旅を通じて何らかの感情を動かされ、成長したような感じがあるのですが(そんな結構なもんでもないか)、主人公の健さんと敵役の安部徹は別。この二人は何にも変わりゃしない。なので、こういう二人は最後は対決するしかないですね。雪の中の対決! ここで登場する、意外な人物。意外というより、ほとんど意味不明なんですが、しかしこれもどういう訳だか、ここで登場するならこの人しかいないでしょ、これが正解でしょ、という気になってしまう。意味合いは全然違うけれど、注文の多い料理店の最後に思わぬ助っ人が現れる、あの意表をつかれつつも感じる納得感に通じるものが。 それにしても、娑婆は娑婆で、こうやってさまざまな人間模様がある訳で、刑務所内はいわばその縮図なんだろう、そうそう、オカマだって一生懸命生きてるんだ、と、しみじみ・・・。[DVD(邦画)] 8点(2018-05-06 13:51:30)《改行有》

1127.  若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷 殺人現場に残される紅の折り鶴。紅鶴屋敷にまつわる怪事件を、いつもヘラヘラしていていかにも頼りない橋蔵若さまが、快刀乱麻を断つかのごとき名推理で解決してみせる。ホント、こんな真剣みのカケラもないニヤけた若造に、涼しい顔でやすやすと解決されたんでは、悪人どももたまったもんじゃないと思いますが、推理して良し、戦って良し、ニヤついて良し、大川橋蔵の大スターぶりを大いに堪能できます。 それにしてもコレ、オモシロい。暗がりで顔を上げればそこにはきっと(妙にオドロオドロしい顔で)人が立ってて「ギャーッ」と驚く、というカマシがムダに何度も繰り返され、極めてアホらしいのですが、アホらしくても面白いものは面白い。とりあえず、それぞれに思惑があったり無かったりする雑多な人物が登場し、思わぬ事件が発生して思わぬ展開、何だこりゃ何がどうなってるんだと思っていると、ちゃんと若さまが名推理で解決し、しかも殺陣もしっかり楽しちゃうという寸法(二刀流!)。 映画ってメディア、ミステリに向いているんじゃないか、と改めて思います。事件の断片を断片のまま提示しても、小説の場合ほど作為を感じさせない、っていうか、むしろ映画って、そういうものなのでは。 すべての映画は、ミステリである、と言っては、言い過ぎですかね。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-05-04 15:35:28)《改行有》

1128.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 この映画でもっとも衝撃的だったのは・・・ え、あの野菜の「オクラ」って、英語だったのか!! ・・・それはともかく。 嵐の描写、捕鯨の描写、そして「白鯨」との死闘まで、まさに畳みかけるような映画前半。映画に盛り込まれた細かい描写が、作品の迫真性を強めています。その反面、CGの多用には複雑な気持ちにもなり、もはやあの『ジョーズ』で味わったような生々しさには我々は出会えないんだろうか、とも思えてきたり。70年代に『ジョーズ』を作ってもらえたのは、一種の幸運だったんでしょう(1956年の『白鯨』、あれは早すぎだったのかもね)。とは言え、実写部との融合がうまく、違和感は最小限にとどめられていると言っていいでしょう。 で、映画後半は漂流物語となって、ここからが真の地獄。ですが、この地獄を事細かに描写できないのが、作品の限界というか、あるいは節度というか。もう一押し、苦しみを表現する描写があってもいいか、とも(例えば吉村昭の『漂流』などでは、克明な描写を読むにつれ、登場人物たちの苦しみ、切なさが、否応なく感じられてきます)。 一方、この後半では、「融和」が描かれます。主人公は「白鯨」と対峙するも闘いは回避され、事あるごとに衝突していた船長とも心を通じ合わせ、物語の語り手と聞き手もまた、気持ちを通い合わせる。 映画の途中で何度か、物語を語る「現在」のシーンが挿入されますが、このシーンはカメラを手持ちではなく固定した方がよかったのでは? 揺れる船上シーンとのメリハリが無く(映画の流れを損なわないためかも知れないけれど)、印象が弱まっているように思えました。[DVD(字幕)] 7点(2018-05-02 14:30:53)《改行有》

1129.  ジャック・リーチャー NEVER GO BACK トム・クルーズ、頑張ってます。いくつになってもアクション・スター。 アクション・スターたるもの、動けなければダメ、走れなければダメ、という訳で、今回も張り切って走ってますね。うれしくなってきます。 しかし、せっかく逃亡劇から物語を始めた割に、陰謀劇のゴチャゴチャしたところに入って行ってしまって、もう少しスッキリさせてもよかったんじゃないのー、とも思えてきます。 それに、せっかく「娘かも知れない」少女が登場してくるのだし、主人公がもっと手玉に取られてもよかったんじゃないのー、とか。 どうせ謎というほどの謎じゃないのに(とまで言うのは言い過ぎかも知れませんが)、いささか回りくどく、もたついた感じがします。 それでも何でも、映画を最後まで引っ張りきってしまう、トム・クルーズのスター性、さすがです。 それにしても、作品に再三登場する「スリ」の手口が、最後で「絆」というものに結び付けられる、という、あまりの強引さ(笑)、いやはや驚きました。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-05-01 16:35:33)(良:1票) 《改行有》

1130.  太陽にかける橋/ペーパー・タイガー 《ネタバレ》 これもまあ、珍品の一種でしょう。 冒頭が、ジャンボ機がカッチョよく飛んでいるシーンで、それは胸が躍ろうってもんですが、残念ながらカッチョいいシーンはここだけなのよ。 この飛行機に乗っていたイギリス人のおっちゃんが主人公で、日本の大使に、息子の家庭教師として雇われるのですが、この大使を演じているのが世界のミフネこと三船敏郎ですから、それはそれは胸が躍ろうってもんですが、残念ながら、この役だったら別に他の役者さんでもよさそう。というよりむしろ、映画の妙な部分が妙な形で重厚になってしまって、何だかアンバランス。しかしこれもサービスの一環ですから、ありがたく受け取っておきましょう。 で、物語はというと、どうやらこういうことらしい。主人公のおっちゃんはデマカセばかり言ってるテキトーな人で、元軍人だという彼のウソを真に受けた大使の息子は、彼に尊敬のまなざしを注いでいる。で、ある日、おっちゃんと大使の息子とが、反政府組織の一味に拉致されてしまう。二人は脱出を図るが・・・、ってなコトのようです。少年はおっちゃんの事を尊敬し頼りにしつつ、ソコはソレ、なにせサムライの国の大使の息子ですから、超優秀で(英語を一生懸命習っている場面がある割に、最初っからペラペラだったりする)、勇気もあり、結果的には、少年がおっちゃんを守るような形になっていく。健気なんですね。ほんといい子です。まあ、一種の「間違ったニッポン」ですね。それはともかく、そんな感じで物語は「テキトーだったおっちゃんが、身につまされるオハナシ」、らしい。さっきから「らしい」とか「ようです」とか、奥歯に物が挟まったような言い方をしているのは何故かというと、どうも、デヴィッド・ニーヴン演じる主人公のおっちゃんの「イイ加減さ」描写が中途半端で、この人のテキトーさ具合が、まるで伝わってこないんですね。いくら彼がウソをついたって、我々にだってそれがウソなのかホントなのかわからないし、どうだっていい訳で、それよりは彼のテキトーなところをちゃんと描きこんで欲しい。それがないと、我々も彼の言動にツッコミようがなく、コミカルな筈のシーンさえ、笑うべきシーンなのやら、そうではないのやら。 そもそも、誘拐なんていうのが本来、深刻な犯罪だし、誘拐を企む一味だって必死。それなりに笑えるように作ってくれないと、深刻になる一方で、しかしそこに「実はコメディなのか?」と思わせる部分が同居して、チグハグなことこの上なし。 父の内に秘めたる怒りとか(ここはさすがミフネ)、革命家の無念とか、そういう部分もちゃんと描くのかと思いきや、最後は全部投げ出すように終わってしまう。あー実に中途半端。 この中途半端さ、ハンパじゃないです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-01 15:26:36)《改行有》

1131.  ガトリング砲 あんまり映画がダメダメでポンコツだとかえってカルト的な人気映画になっちゃったりしますけど、そういうのはポンコツ映画界のエリート中のエリート。たぶんその多くは地味でダメな、地味ダメ映画。ポンコツ映画の裾野は広くって、西部劇にだってダメダメなものは、あるもんです。 例えば本作。気持ちいいくらい、ポンコツですねえ。うれしくなってきます。 マカロニかと思いきや、アメリカ製。 ガトリング砲を運ぶ一行と、それをつけ狙う先住民との戦いが、一応は描かれてるんですが、この演出力の無さたるや、なかなかのレベルに達しております。適当に登場人物を立たせて適当に撮った感じ。セリフの無いヒトは演技もしないでいいんだよね、という感じ。この、すべてにおいて気の抜けた感じ。これに比べりゃ、普段目にしている映画たちが、どれだけ「ちゃんと」作られてることか。 ガトリング砲の争奪戦という明確なテーマがあるにも関わらず、作品がグダグダで、内容がボケボケ、登場人物も誰が誰やら一向に興味がわきません。『バファロー大隊』なんかでお馴染みのウディ・ストロードは一応、何となくは目立ってますけど、でもまあ、あくまで、ほどほどの活躍。 なにせ、戦闘シーンがヒドイんです。最初の方で、撃たれたヤツが唐突に爆死したのには笑いました。オマエはショッカーの怪人か、と。先住民が襲ってくる場面なんかの撮影は、それなりに物量作戦で盛り上げようとしてるんですけどね。ただ、撃たれた連中の倒れ方が、ただ寝そべってるだけ、やる気ないことこの上なし。何となく撃ちまくって、何となく倒れる(いや、寝そべる)。大勢撃たれて死屍累々、ともなると、後から撃たれて倒れるヤツは、先に倒れているヤツをよけて、空きスペースを探してヨッコラショと倒れ込む始末。 馬に蹴られたからといって、死体役は動いてはいけないのです。 きっと出演者には「適当に撃ち合って適当に倒れてよ、あとはカメラがうまいことやるからさ」とか言って、カメラマンには「迫真の撃ち合いやるからさ、適当に撮っといてよ、あとは編集で何とかするからさ」とか言って、で、何ともならなかった、ってことじゃなかろうか。 昨今、わざとカメラを手ブレさせる映画は珍しくないけれど、「カメラマンが何かにぶつかったか、つまずいたかして、大きくブレてしまった」みたいな、家庭用のビデオでよくある失敗を、そのまま編集で落とさずに映画に採用するってのは、どういうことなんだろうか(何か所か、あったよね)。 先住民が撃たれて落馬するスタントシーンを、まるで急に思いついたようなスロー映像で見せるのも、カッコよくない、というか、もはやビンボー臭い。 一番問題だと思うのは、物語のキモともいうべきガトリング砲がついに火をふいても、絶望的なくらい、迫力がないんですね。これが。 という訳で、ちょっとした珍品と思って観れば、楽しめますヨ。[CS・衛星(字幕)] 2点(2018-04-29 17:04:08)《改行有》

1132.  大砂塵 これは「リンチ」の映画ですねー。リンチはコワい、コワいから映画になる。 思えばロメロのゾンビ映画だって突き詰めりゃ、そういう作品の一種なんでしょう、自分とは相いれない連中なんてのはもはや、人間ソックリだけど人間ではない「何か」だという・・・。 映画の中でどえらく貫録を示し、どういう訳だかコスプレを披露しまくるジョーン・クロフォードの存在感、スゴいんです。ジョニー・ギターの正体がスゴ腕ガンマンだろうが何だろうが、彼女の方がよほど強そうで、リンチの矛先を一身に受け止めてみせる。魔女狩りみたいなオハナシですが(酒場の火災など、まさにそんな雰囲気)、何だか、魔女狩りの犠牲者が、実は魔女より強かった、みたいな感じで。 チンピラ役として、ボーグナインと大仁田を足して2で割ったような男(要するにボーグナイン本人なんだけど)が登場し、なかなかいい「ヤラレっぷり」を見せてくれます。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-27 03:18:27)《改行有》

1133.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 昨今ではメリエス作品も動画サイトでお手軽に観られるようになって、ありがたい世の中というか、ありがたみの乏しい世の中というか。まあ、感謝すべきではあるのでしょう。 さて本作、タイトル前が一番の見どころというか(笑)、縦横無尽のカメラ、いきなりのハイテンションで、これがこのまま続いたら大変だ、とか思うのですが、本編に入るとひとまず落ち着きます。 いやむしろ、黎明期の映画への愛を語るファンタジーにしては、ちょっと遠慮しすぎでは?という気もしてきます。もうちょっとマニアックなところに踏み込んでもいいのにねー。もっとも、スコセッシがマニア道を全開にしたら、大変なことになるのかも知れないけれど。 「映画への愛」の部分が、ファンタジーを描くための仮の意匠とでもいうか、何だか「テーマは何でもいいんだけど、たまたま映画を選んでみただけなのよ」みたいなよそよそしさがあって、何だろう、この遠慮は。結果的に物語が向かって行く先が、弱くなっていないか。映画が空回りしていないか。 だけど、やっぱり、この児童文学っぽい雰囲気、子供の視線、ってのは、いいですね。お巡りさんは無条件にコワイとか。 汽車が迫ってくるシーン(夢の方)、後のシーンと関連するとは言え、わざわざここまで派手なシーンにしなくてもいいんだろうけど(どうせ夢オチだし)、「Le Voyage à travers l'impossible」あたりのイメージなんですかね。本当はもっと、色々やりたかったんじゃないのかなー。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-21 03:14:53)(良:1票) 《改行有》

1134.  トレイン・ミッション ジャウマ・コレット=セラ&リーアム・ニーソンのコンビが、今回もやってくれました、ますます理不尽なシチュエーション、辻褄という観点ではもう崩壊寸前なんですが、その際どさに踏み込んでこそ、サスペンス・ミステリの真骨頂。彼らの挑戦は続きます。 という訳で、今回も辻褄より謎を優先することで、不安感をあおり、先を予想させないウマさが確かにあるのですが・・・やや不満も。謎は謎で結構なんですが、その謎解きの過程がいまひとつの印象で、各座席にクリップされたチケットが手がかりの一つなんですが、コレをチェックして回るってのは、ミステリ映画としては正直、あまり見栄えがせず、さほど面白くないんですね。 途中、意外な事件もあるし、アクションもあるし、誰を信用していいのかわからないサスペンスもあるんですが、主人公を追い詰める決め手が、妻子が誘拐された「かもしれない」ってのがちょいと弱い。主人公が追い詰められ切れてない感があって、緊張感を持続させ切れない。 殴り合いのシーンなど、アクションに関してはなるべく迫力を出すような演出がなされているのですが、少し荒いかな、とも。もう少し丁寧に見せる部分があってもよろしいかと。 すみません、事前に期待しすぎた分、辛口になってるかも知れません(バルカン超特急やら大陸横断超特急やらを思い出させてしまうのも、不利な点かも)。でも、ぜひ今後も、こういう理不尽気味の作品を作り続けてください。 それにしても、通勤列車の路線らしからぬ、なかなか素敵な景色でありました。[映画館(字幕)] 6点(2018-04-19 03:47:46)《改行有》

1135.  遥かなる山の呼び声 嵐の夜、母子二人で暮らす倍賞千恵子と満男(じゃないけど)の元に、ずぶ濡れの健さんが現れ、一晩泊めて欲しいという。いかにもアヤシゲな男なもんで、母は承諾しつつも警戒感全開。というのは至極もっともなんですけれど、しかし満男に(じゃないけど)「包丁隠しとけ」みたいなこと言ったりするのが何だか妙な気がして。自分達に危機が訪れているかもしれない、と思うならむしろ、息子にはそれを気取られぬよう、心配させないよう、あえて平気な態度をとって見せ、その気丈さがかえって本人の不安感を高める・・・っていう場面なんじゃないのかなあ、ここは。 この場面における「未知の男」に対する不安感ってのが、妙に機械的なんです。 しかしまあ、機械的というよりは「素朴」というべきか、こういう素朴さが、よいのかも知れませぬ。 素朴で、肝っ玉の強いところも見せ、一方では初恋の少女みたいにキャピキャピしたりもするオバチャン、こんな厚かましいにも程がある役を、厚かましさを感じさせることなく演じられるのが、倍賞千恵子というヒトのスゴさ、魅力ですね。 作品における酪農業の仕事の丹念な描写も、彼女の魅力を、そしてもちろん健さんの魅力を、際立たせています。 ただ、そりゃ健さんみたいな人がいたら、皆、好感持たざるを得ないだろ、母もホレりゃ息子もなつくだろ、というあまりにも当然すぎる展開、これでいいんだろうか。ま、観てて安心感はありますけどね。満男には(じゃないけど)物語を通じてもう少し成長してほしかった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-14 09:25:10)《改行有》

1136.  暗闇にベルが鳴る 冒頭の夜、謎の人物が屋敷に入ってくることが一人称の視点で描かれ、これから長々と恐怖の一夜が描かれるのかと思いきや、あっさり夜が明けてしまう。そのままズルズルダラダラとお話が進んでいって、何となくまどろっこしいんですが、こういう取り留めのない感じが、それなりに不気味な「恐怖映画らしさ」だったりもします。 今となっては、「懐かしさ」とも不可分になっちゃってるところはあるのですが、いずれにしてもこういう雰囲気、好きですね。 殺人シーンも、実際にはそんなに残酷描写そのものがある訳じゃないんですけど、それでも精一杯、ショックシーンに仕上げてる(なので、そういうシーンだけを拾って作られた予告編を見ると、かなりコワそうなんですね)。 あと、電話が本作の重要なアイテムになってますが、逆探知の様子が(正直、何やってるのかはよくわからないながらも)描かれてるのが面白くって、ある種の説得力があります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-08 12:02:49)《改行有》

1137.  この首一万石 本作のテーマはいわゆる「名ばかり管理職」ってヤツですかね。 ぬくぬくと保身に走る上司のために、詰め腹を切らされるサラリーマンの悲哀と怒りが、前半コミカルであった本作の色調を、クライマックスではスプラッター作品へと豹変させます。 この豹変ぶり、ちょっと「文学部只野教授」などを思い出してしまいました。 もちろん単に残酷描写で煽るだけの作品ではなく、切れ味鋭いカメラが、さらに煽ってるっちゃあ煽ってるんですが、映画を大いに盛り上げます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-08 10:58:57)《改行有》

1138.  ドクトル・ジバゴ(1965) 《ネタバレ》 この映画、完成度ということについてはよくわかんなくって、何だか繋がりが悪い感じがあるんですけどね。主人公の弟の独白が(冒頭シーンを無理やり思い出させるように)入るのも奇妙だし、映画後半になると波乱万丈の物語がさらにバラバラな感じになってきて、パルチザンに誘拐されるあたりなどちょっと唐突な印象。 この広いロシアで、妙に易々と「再会」が繰り返されるのも、変と言えば変。 それでもやっぱり、タマラないんだなあ、この作品。 ロシアの広大で厳しい大地の圧倒的な映像と、人間の個性を圧殺する共産主義体制の台頭を前にして、人間の存在がいかにちっぽけなものか。主人公はヒーローでも何でもない、やや寡黙ですらあるフツーの男、妻子を愛しつつ、浮気なんかもして、しまいにゃあっけなく、実にあっけなく頓死してしまう。 ホントに容赦なく「ちっぽけ」なんですけどね、それでもどっこい、生きている。 無表情なアレック・ギネスが示す、微かな笑み。 本作のラスト、これほど静かで、これほど力強いも、なかなかありません。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-08 10:34:42)《改行有》

1139.  復讐無頼・狼たちの荒野 邦題からも雰囲気が想像できるように、マカロニウェスタン風の作品ですが、題材はメキシコ革命。革命の闘士たる奔放な男テペパの姿を、イギリス人医師の目を通して描いて、二人の間の友情とか憎しみとかが、そこに絡んでくる。物語はまったく違うんですが、この二人の相貌を見ていると何となく、『アラビアのロレンス』みたいなのをイメージしてたんじゃないかな、と思えてくる。 それだけに、ものすごーく後味が悪いんですけどね、コレ。後味悪いだけじゃなく、二人の関係への踏み込みが浅くてもうひとつ盛り上げられてない感じ。。。 敵役として登場する大佐、これがまた途轍もなく悪そうな顔をしたオッサンで、はい、そうなんです、オーソン・ウェルズなんです。ここまで悪そうな顔だっけか、というくらい、見事なハマリ役です。とはいえ、他の人でも務まりそうな役ですが、ま、一応、本作の見どころということで。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-08 09:18:12)《改行有》

1140.  追撃者(2014) 映画の尺も短く、登場人物も少なく、オハナシのスケールも小さく、小品の部類に入ると言っていい作品ですが、これ、意外にオモシロかったんです。なかなか器用にまとまってます。それなりに変なオハナシなので、ケチつける方もいらっしゃるとは思いますが。 変なオハナシには、変なオヤジであるマイケル・ダグラスがピッタリ。このオヤジなら確かに、こう云うコトやりかねない。 それはどう云う͡コトかというと。 変態マイケルが演じる金満オヤジの砂漠でのハンティングに、ガイドとして同行することになった主人公。オヤジが猟の最中、誤って主人公の知り合いを射殺してしまったことから、オヤジに命を狙われる、というオハナシ。灼熱砂漠の真ん中でパンツ一丁にされ、いずれ野垂れ死にするべく追いやられた主人公の、死の彷徨。という訳で、「こんな悠長な口封じ、おかしい」という皆さんの声は、ごもっとも(え、そんなこと誰も言ってないって?)。しかしだからこそ、この作品ならではの物語が動き出し、この作品ならではの光景が展開し、独特のサスペンスが生まれる(それに、オヤジが「普通じゃない」からこそ、先が予想できないワケで)。 でもって、砂漠の真ん中を歩き回るだけではストーリーがもたないんじゃ、と思いきや、主人公が意外な行動を繰り広げて、新たな展開を生み出していくのですが、登場する様々な小道具が、うまくエピソードとエピソードの間をつないでいて。大袈裟かつ卑近な言い方をすれば、「伏線を回収する」というヤツですね。だもんで、意外な展開と、意外なまとまりが、うまく同居している。 意外な、拾い物です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-08 08:40:17)《改行有》

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.88%
41614.15%
53619.31%
663316.32%
7122431.56%
888822.90%
93749.64%
101012.60%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS