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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2259
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1161.  CHECKERS in TANTAN たぬき これぞ80年代王道アイドル映画。とにかくチェッカーズを沢山映すこと、楽曲を数多く披露することに力点が置かれています。だからまんまバンドという設定にした。ファンのニーズ最優先の製作姿勢です。ある意味凄く潔い。潔いのですが、流石に『実録チェッカーズ誕生物語』にする訳にもいかず、タヌキというファンタジー要素を加味したのでしょう。おかげでトンデモ物語に仕上がっています。かつては、こういうトホホなアイドル映画が結構ありましたが、今ではほとんど見かけません。“映っていればいい”では、現在の観客(ファン)は満足させられないということなのでしょう。映画化へのハードルが上がったのは、良いこと?悪いこと?正直、自分には分かりません。でも本作が受け入れられた“時代の余裕”は、ちょっと羨ましかったりもします。[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-03-10 20:14:08)

1162.  ×ゲーム(バツゲーム)(2010) 《ネタバレ》 “設定は最高。中身は???なライトノベル”。失礼ながら、それが原作者山田悠介氏の小説のイメージです。本作もご多分に洩れずそのような物語との印象でしたが、もう少しどうにかならなかったものかと思います。復讐のおぞましさや虚しさを訴えかけるワケでもなければ、ゲームの奇抜さや残虐性に見るべき部分もない。観客に何を見せたいのか分かりません。設定だけ頂いて、内容は思い切って変えちゃえばいいのにと思いました(イジってコレなら申し訳ない)。このクオリティで2時間は正直キツいです。DVDパッケージのキャッチフレーズは「これを観るのもバツゲーム」。確かに。[DVD(邦画)] 2点(2012-03-10 20:09:27)

1163.  パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会 《ネタバレ》 ウォーウィックは何故あのような豪邸に暮らせるのでしょうか。部屋付きの役職(警部補)とはいえ、その給料だけでは到底無理な話。かといって彼が資産家とも思えません。資産家ならば銀行強盗の金を横取りする必要もない訳ですし。推測するに彼は、今まで招待してきた“友人”たちの財産を手に入れてきたのではないかと。招待して、殺して、奪う。その繰り返し。妄想パーティには、レギュラーゲストの4人だけでなく、数多くの来客がありました。その全てが彼の手にかかっていたとすると、途方も無い数の犠牲者がいることになります。恐ろしい。ウォーウィックが銀行強盗の金をせしめるために、あえてテイラーを泳がせたのだとすればかなり面白いのですが…コレは多分違います。テイラーを開放したのは、単純にチェス勝負の約束を守るため。死体を始末するのが面倒だったのかもしれませんが。“銀行強盗が押し入った家の家主はサイコキラーだった”というアイデアの先が重要だったと考えますが、今ひとつの出来でありました。[DVD(字幕)] 5点(2012-03-07 18:58:27)

1164.  お墓に泊まろう! 《ネタバレ》 はんにゃ金田、次長課長の河本ら吉本芸人たちが、実在するテレビ局の番組制作スタッフを演じています。彼らにしてみれば、普段慣れ親しんだ業界が舞台。役作りはちょっと格好付け過ぎかな?と思いましたが、その空気感の創出はお見事だったと思います。テーマは“テレ東バラエティ愛”。くだらない笑い上等、バカバカしい笑い最高!という主張。『ゴッドタン』や『おねだりマスカット』を評価する自分としては、全面的に支持させていただきたいところです(『クイズタレント名鑑』面白かったのになあ…)。でも肝心な主人公に共感出来なくて、もどかしい思いをしました。金田がバラエティに賭ける情熱は理解します。でもだからといって今の仕事を、演歌の仕事を、疎かにしたらいけない。まずは視聴者に楽しんでもらう番組作りを。それは番組ジャンルとは関係ないはずです。前半は金田の愚痴ばかりで辛気臭く、楽しくありません。うっとおしいカメラワークもストレスに。タイトルの『お墓に泊まろう!』制作会議あたりから、やっとテーマに沿った内容にシフトします。テレ東人気バラエティをモジッた中継コーナータイトルの羅列に大笑いしました。この面白さは、企画会議ならではのもの。飲み会での与太話とレベルは変わりませんが、架空のバカ話を本物に変えられるのがバラエティ製作の醍醐味。ですからトンデモ葬儀中継に大いに期待したのですが、どうもポイントがずれていたような。坊さん役に野生爆弾の川島を起用するのは構いません。でも野生爆弾のネタをやらせたらいけない。河本の司会にしてもそう。あれでは芸人個人の力量で笑わせているようなもの。ありきたりな葬式を、演出力と企画力で面白くしてしまうバラエティマジックを、自分は見たかったのです。それがTVバラエティの“ロマン”だと思います。なお社長のコメントビデオでテーマを全て語らせてしまうのも、“芸”が無い話ではないかと。最後に。一応ボケていると思われるので礼儀としてツッこんでおきます。「お墓になんか泊まってないじゃん!」。こういう仕事を引き受けてくれる松方の兄貴に敬意を表して、+1点のおまけ感を。[DVD(邦画)] 4点(2012-03-04 17:58:14)

1165.  デビル(2010) 《ネタバレ》 密室はミステリーの大定番。とりわけエレベーターは私たちの最も身近にある密室の一つです。数多くのミステリーやサスペンス映画に採用されてきた優秀な舞台設定。エレベーター自体が人を襲うなんていうブッ飛んだホラーもありましたが(邦題『悪魔の密室』又は『ダウン』)。密室形成が簡易であること、高所に吊るされている不安定な状況、形状から来る閉塞感といった長所を有する反面、その極狭のフィールドゆえ展開や可能性が限定されるという短所も併せ持っています。優秀な作品は洩れなく長所を活かしていますし、イマイチな映画は短所を克服できていない印象があります。本作の場合は、後者に該当すると感じました。本来は正統派のオカルトホラー。サプライズを狙った映画でない事は明白ですが、それでも人間犯行説が早々に潰されてしまうのは脚本上の欠点であると考えます。例えば、“ある女の殺害をカモフラージュするために仕組まれた連続殺人だ!”との推理が披露されますが、それを納得する観客はいません。わざわざ故障中のエレベーター内で殺人を敢行する必然性など皆無なのですから。そういう意味では、このウィークポイントを補えるアイデアがあれば、傑作に化けた可能性はあると思います。基本となる物語の骨格は骨太でした。結末はシャマラン監督らしく人間愛を感じさせるもの。あの男に対する赦しは、主人公自身に対する赦しでもありました。復讐大好き韓国映画では、あのような結末は望めないでしょう。[DVD(字幕)] 6点(2012-03-01 22:51:12)(笑:2票)

1166.  エイドリアン・ブロディ エスケイプ 邦題は『エイドリアン・ブロディ エスケイプ』。確かにエイドリアン・ブロディが出ずっぱりです。でもタイトルに俳優名が入る時には、ある意図があると思って間違いありません。それは役者のネームバリューがプロモーションに必要だということ。物語の真相は観客の想像と寸分違わぬものでしたし、脱出サバイバルとしても面白みはありません。つまり作品自体にセールスポイントが見当たらないのです。特別出来が悪いとは思いませんが、日本劇場未公開だった事も頷けます。[DVD(字幕)] 4点(2012-02-27 18:56:50)

1167.  市民ポリス69 《ネタバレ》 タイトルの『69』。この数字が意味するのは“相互サービス”。ギブアンドテイクと言い換えてもいいでしょう。市民ポリス制度における奉仕者のギブとは、治安維持のための労働力提供。対するテイクとは、“公権力を行使する快感”と解します。覆面を被る匿名性と公務執行には、“己が責任を問われない”という恩恵が付いてきます。ここがポイント。日々様々な形の責任というストレスに苛まれている大人にとっては、この上ないご褒美。ある種のやりたい放題。ちなみに女子高生たちがコンビニ強盗を平気でするのは、責任を取る気が無いからです。ですから責任を全うしている善良な市民ほど、公権力という最強の後ろ盾の魅力にハマるのは理解できました。69号や64号は、身の丈に合わぬ力に狂わされ暴走したのです。やっていい事と悪い事の区別が出来なくなる。それは彼らの膀胱のように、始末が悪いものです。ドイツ映画es[エス]でも描かれていますが、自分の価値基準を放棄するのは恐ろしいことです。自分が自分である事を辞めるという意味でもあるのだから。おバカコメディや純愛ストーリー要素にカモフラージュされているものの、物語の本筋は多分こういう事かと。意外とテーマはシリアスでした。テンションが低いというか、シュールというか、結構クセのある笑いは、一般ウケは厳しいと思われます。でも清水章吾にアイフル犬なんてギャグ、自分は一周してアリだと思いました。感性がオッサンですね。黒髪ロング+女子高制服というDVDパッケージで、栗山千明とばかり思い込んでいたため、早見あかりが出てきてビックリ。このへんもオッサンですね。『ウレロ☆未確認少女』で早見の美女ぶりが気になっていたところなので、嬉しい誤算ではありましたが。(以下完全な余談)何気なく動画サイトで『ももいろクローバー』を検索し、そのステージを拝見しましたが、パフォーマンス力に圧倒されました。『キック・アス』のヒットガールに勝るとも劣ら、いや勝る衝撃でした。遅ればせながら、早見あかりとももいろクローバーをこれから追います。早見の「狙い撃ち」…命中ですっ![DVD(邦画)] 5点(2012-02-25 01:56:13)

1168.  今度は愛妻家 《ネタバレ》 “今度は”という事は、“今までは”違うという事。確かに妻に対する夫の態度は、愛妻家のそれには見えません。ただし、愛のかたちは夫婦の数だけあります。あれは、あれで、成立していたのだと思います。少なくとも夫の中では。妻から最後通告にしても、夫にとってはいつもの喧嘩の延長。またしばらくすれば元通りさ。でも、その“しばらく”は“永遠”に変わってしまいました。この落差は大きい。頭では妻の死を理解出来たとしても、心が追いつかない。それがこの1年間だったのだと思います。ふと思い浮べれば、目の前には妻の姿。いつもの調子で。いつもの笑顔。決して幽霊ではありません。だから夫の「俺が想像もつかない事を一個でもいいから言ってくれよ」の問い掛けに答えるはずもありません。夫自身が作り出した幻。それは彼とて承知のこと。幻を消せるのは夫自身だけです。むしろ幽霊だったらよかったかもしれない。不幸中の幸いは、夫の傍にオッサン(義父)がいてくれたこと。アシスタント君がいたこと。一緒に駄菓子を食べてくれるオネエサンがいたこと。温かく、根気強く、見守り続けてくれた人たちがいたから、夫は立ち直れたのだと思います。不味いお茶を、ちゃんと不味く感じられたならもう大丈夫。オカマのサンタとその娘共同の、クリスマスプレゼントでありました。物語の構成はややトリッキーながらも、アンフェアな印象はありません。主軸となる主人公の喪失と再生のドラマがきちんと描かれており、好感が持てました。注文を付けるなら、結論部分がやや冗長であった事くらい。人参茶のエピソードが良かっただけに、お口からゴボゴボで十分な説得力があったと考えます。水川ベビーの件は、流れとしてはあの結末しか無いでしょう。失われた命と、生まれ来る命が対比されます。でも本当は慰謝料だの養育費だの、避けて通ってはいけない問題があるのですけれども。『必死剣・鳥刺し』を観てトヨエツは時代劇に専念したら、と思ったのですが考えを改めます。いい俳優です。そして石橋蓮司。滅法上手かった。『アウトレイジ』でも存在感を見せつけましたが、今、自分の中で蓮司ブーム到来中。ゾッコンです。いい役者が揃うと、脚本も喜ぶというものです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-02-21 19:55:39)(良:1票)

1169.  クライモリ デッド・リターン 《ネタバレ》 続編となる前作の出来が良かっただけに、シリーズ3作目が制作されたのは理解できます。しかし『ソウ』シリーズにも言えるように、バイオレンスホラーはシリーズ化するとロクな事が無いようです。冒頭の殺戮シーンで3枚に下ろされた被害者を見て、コレは良くない兆候だなと思ったら、案の定グロテスクな方向へ走ってしまいました。そうじゃない。観客が求めている面白さとは、そういう事じゃないのに。襲われる・逃げる・捕まる・脱出(又は救出)・反撃・生還。お約束の流れをきちんと描くこと。必要な条件はコレに尽きます。グロテスクな描写やスプラッタ-表現はあくまで物語を際立たせるスパイス。物語の展開で観客を震え上がらせてナンボです。出汁がいい加減では、どんなに七味をぶち込んだって、ただ辛いだけで旨くありません。また、囚人という第2の脅威を登場させたのも失敗だったと思います。殺人鬼ファミリーへの惹きが弱まり、期待された恐怖の相乗効果は得られていません。そもそもシリーズ化するほど魅力的な設定とも思えないので、もう続編はいいのでは。[DVD(字幕)] 4点(2012-02-18 21:40:46)

1170.  少林少女 《ネタバレ》 本広監督の前作『UDON』同様、実質2部構成となっている作品。前半はラクロス主体のスポーツ感動系。後半は格闘アクション映画でした。まず前半の感想から。テーマは“チームワークの大切さ”。ワンマンプレーで試合を壊し、チームメイトの信頼を失った柴咲。彼女が周囲に再度受け入れられていく過程が物語の肝です。ところがその処理がサッパリ。尺にして僅か10分ほどで、なんとなく収まってしまいます。淡々と前半戦終了。後半は格闘シーンが満載でした。『キル・ビル』とか『死亡遊戯』のパロディみたいなノリ。柴咲のアクションは満足出来るものではありませんが、我慢はできます。カワイイ娘は得です。でもその他の役者はいけません。全く動けない。江口と仲村はミスキャストでした。岡村が一番上手いってのは問題です。極めつけはラストバトル。この破綻ぶりは超ド級。ちょっとお目にかかれない程。結局バカ負けして笑ってしまったので、こういうオチもアリだとは思いますが、劇場で観ていたら多分呆れたと思います。どうせなら『少林サッカー』みたいに仲村と柴咲がカップルに納まれば良かったのに。なお劇場ポスター(先行版)の図柄がエンドロールバックってのは、流石に詐欺なんじゃないかと。[地上波(邦画)] 3点(2012-02-14 00:10:49)

1171.  皆殺しの天使 《ネタバレ》 何故ブルジョワだけが、神の仕掛けた罠に絡め取られたのでしょう。危機を察知して、屋敷から逃げ出した使用人たちとの違いは何か。ブルジョワたちは、いろんなモノを身につけ過ぎたのだと思いました。地位、名誉、金、プライド…。装飾が足枷となり、本来動物が持っている危機感知力を鈍らせた気がします。理性を失い罵りあう人々。足枷が外れたから、彼らは助かったのだと思いました。もっともそれは一時的なもの。一度服を着た人間はもう裸に戻れない。だからあの結末なのだと思います。不条理映画ではありますが、体裁はサバイバルサスペンス。『CUBE』や『SAW』と同じソリッドシチュエーションスリラーとも言えます。そういう意味でこの状況設定は秀逸です。物理的な拘束より心理的な抑圧の方がずっと強固な監禁状態だと思えました。お見事。謎の多い映画なので、鑑賞後にあれやこれやと自分なりの解釈をして楽しむのがお勧めです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-14 00:04:48)

1172.  HUNGER ハンガー(2009) 《ネタバレ》 犯人は、かつて生き延びるために母親の肉を口にした経験を持つ男。幼心を襲った衝撃は少年を狂わせるに十分なものでした。彼は自身の行動が正当であった事の裏づけを求めて、拉致監禁という名の“実験”を繰り返します。しかし何度共食いの現場を目の当たりにしても、彼の気は晴れません。それはそうでしょう。“反駁”を受けぬ理論に自信など持てようはずが無い。彼が欲していたのは、極限の飢餓状況においてもなお「人の肉は食べない」という選択をする者の反証です。そんな中、ついに現れました。犯人が捜し求めていた答えを持つ者が。女医がドラム缶の蓋に書いたメッセージは、明らかに犯人をおびき寄せるための餌。それは彼とて承知のこと。だからメッセージを確認するまで、実に3日間を要しました。でも、もう抗えない。長年捜し求めていた答えが其処にあるのです。蓋に書かれていたメッセージとは「太陽に会える」。それはまさしく一つの回答であったと考えます。太陽とは希望。生きること、そのものが希望。生きるために絶望を手にした犯人の胸に、この言葉はどう響いたか。彼がその思いを口にするのを遮るように「私の勝ち」と女医。そう、犯人には心情を語る事すら許されないのです。多くの人の命と尊厳を踏みにじってきた事への報い。極論を言うなら、彼は自動車事故で死ぬべきだったのだと思います。絶望するために生きるくらいなら、希望を抱きながら死ねばよかった。そうすれば無駄な血が流れずに済んだのに。井戸から這い出た女医が目にしたのは眩い陽の光。勝者の頭上に希望が降り注ぎます。倫理も観念も吹き飛ぶ極限状態の中、人が狂っていく様を見事に描いてみせた本作。肝となる人肉食の描写はグロテスク過ぎず、かといってヌル過ぎもせず、的確な表現方法であったと感じます。ワンシチュエーションで100分のドラマを成立させた監督の手腕はお見事。設定に若干の不具合はあるものの、この完成度なら文句はありません。ただ、犯人の動機説明については明らかに過多であったと思います。本来得られるはずの深みと余韻を目減りさせるほどに。其処だけが惜しかったです。[DVD(字幕)] 8点(2012-02-12 20:59:13)

1173.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 監督の処女作『その男、凶暴につき』への原点回帰とも言える超バイオレンス映画を想像していたのですが、予想は大きく外れました。ブラックユーモアなんて生易しいものではなく、完全なるコメディでした。THE・ヤクザコント。口を開けば「バカヤローこのヤロー」って、お前ら荒井注か!って、何度ツッコんだことやら。今どき居るはずもないステレオタイプな旧式ヤクザを、オールスターキャストがノリノリで演じています。よくもこれだけ味わい深い顔の役者を揃えたものだと感心します。(何故寺島進ちゃんがいない?きっと出たかったでしょうに。)殺したり殺されたり(椎名の殺され方のみちょっとエグいので×ですが)みんな本当に楽しそう。大いに笑わせてもらいました。『みんな~やってるか!』より遥かに完成度の高い“笑い”があったと考えます。キャッチコピー『全員悪人』は勿論ブラフ。本当は『全員馬鹿』が正しい(あるいは『全員荒井注』)。これほどまでに、ヤクザを格好悪く描いた映画を自分は知りません。何なら、教育映画として不良高校生たちに見せたらいいと思います。自分達がいかに滑稽か気付く事でしょう。こんな変化球を投げてくるとは、さすが北野監督。素晴らし過ぎます。続編を作る気になったのも頷ける快作でありました。この出来なら大御所から人気俳優まで続編のキャスティングに困る事は無さそうですが、個人的には死んだはずのキャストを再度起用して欲しいです。それがコントの流儀。石橋蓮司のヘンテコマスクと國村隼のベロチョンパは天丼でお願いしたい。以上、皮肉でも冗談でもない、マジ感想でした。[DVD(邦画)] 8点(2012-02-09 19:36:05)(良:5票)

1174.  失恋殺人 《ネタバレ》 映画で女優が脱ぐ必然性とは何でしょう。娼婦やストリッパー等、役柄に必然性が内包されている場合(例:MIE主演『コールガール』)、あるいは物語の展開上脱ぐ必然性が生じる場合(例:綾瀬はるか主演『おっぱいバレー』注:本当におっぱいを出しているかどうかは各自ご確認を)があると考えます。本作はどちらも当てはまりません。宮地が脱ぐ必然性などありませんでした。ただし、脱ぐことでリアリティが増すのであれば、裸になる価値はあります。女がシーツぐるぐる巻きの濡れ場なんて、ウソ臭くって興醒めしますから。でもリアリティのために脱ぐのであれば、それ以外のシーンにもリアリティが求められます。少なくとも、近くに人が居るのが分かっているのに鍵もかからぬ診察室でおっ始めてしまったり、カーテンも閉めずに人を殺したりするのは論外です。「NHKの朝ドラ主演まで務めたこのワシが、せっかくひと肌脱いどんのに、この本じゃ台無しじゃいかいボケ!ワシの乳首を返さんかいワレ!!」宮地の心の叫びが聞こえるような。かなりのガッカリサスペンスでありました。宮地が脱がなくても物語は成立しますが、宮地が脱がないと商業映画としては成立しない。そんな作品であったと思います。それにしても宮地真緒。決して上手い女優だとは思いませんが、癒し系のエロ可愛さにおっさんメロメロです。日本一美しいロバ顔女優の極上のお胸に敬意を込めて、常識はずれの高得点を進呈させていただきたい。[DVD(邦画)] 7点(2012-02-06 20:28:17)

1175.  アベックパンチ 《ネタバレ》 特殊なルールを持つ架空格闘技を通じて、人と人が繋がる意味を描きたかったものと推測しますが、肝心のドラマがドラマの体裁を成してしない気がしました。イサキとメバルは何時の間に心を通わせたの?ヒラマサはゴルビーナとエツをどう考えている?よく分かりません。彼らはアベックを通じて何を学んだのでしょう。もう一つのお楽しみ、格闘アクションの方も低調でした。原作漫画の表現がどんなものか存じませんが、正直面白みがありません。アベックならではの攻防やテクニックが見たかったし、せめて試合中に看板技の“アベックパンチ”だけは披露しないと。バスケットボールのユニフォームみたいな格好も頂けません。体のラインを見せられないのか、見せたくないのか。決してエロ目当てという訳ではなく(ホントですよ!)女性はプロ格闘家らしくセパレートタイプの水着を着用して観客を魅了して欲しかったと思います。このレベルのアクションでお茶を濁すならば、武田梨奈を起用した甲斐がありません。[DVD(邦画)] 3点(2012-02-03 18:59:37)

1176.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 (以下は私個人の勝手解釈です。未見の方はご注意ください。)“火蜥蜴島に越してきた心臓病の娘、イリオモテヤマコのひと夏の経験”は、“名も知らぬ少女が病院のベッドで今際の際にみた夢”でありました。虚実入り混じった物語でしたが、そのほとんどが空想だったと理解します。唯一の現実は、病床の少女に青年がキスする場面のみ。この事実は火祭りの夜、ヤマコが発した言葉により示唆されています。「ヤマコなんて名前の子がいますか?」観客が抱いていた疑問を劇中の人物が口にすることの意味とは何でしょう。火蜥蜴島なんて島があるか?武道・球技以外がマット運動部って?その他同級生の描写が一切無いのは何故?たこ焼き機が本格的過ぎないか?これらの疑問が正当であった事の裏付けです。全てが現実にあらず。天然記念物のような名前の女子高生は存在しなかったのです。ヒトカゲとは“人影”の意。ヤマネコは飼い猫とは違い、懐きません。病床の少女もまた病気を理由に、人との交流を避けてきたのではないでしょうか。そんな彼女を励まし、支え続けてきたのが“先輩”だったのでは。少女にとっては、疎ましい存在かもしれません。その情熱は、現実を見たくない少女には眩しすぎます。しかし先輩の思いは、最後の最後で少女に届きました。その言葉が胸を突きます。「人生、思い出をいっぱい作った奴の勝ちなんだよ!」それは面倒な事から逃げていては叶わぬこと。臭くて、ウザくて、暑苦しい思いをして、思い出は勝ち取るのです。「お前の感じた事全てが真実だ」もう戦う事すら叶わぬ彼女への、精一杯の肯定。少女のでんぐり返しは、空想を“本当”に変えることです。彼女がみた最後の夢を、先輩は優しい口づけで真実に変えてくれました…。ヤマコが存在しないと知ったとき、自分は物語に引き込まれた気がします。実在しないという事は、誰もがヤマコなのかもしれないのだから。本作は全ての観客に問いかけます。今、あなたは“感じていますか?”と。エンドクレジット。単なるオマケであれば、どんなに見事な技術を労しようとも、自分は心を奪われなかったと思います。高田延彦と小川菜摘が、最後までヤマコの父と母であり続けてくれたこと。これが何より嬉しかったです。美しく、そして優しい人生の最終回でした。[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-02-01 18:23:39)(良:2票)

1177.  ピラニア(2010) 《ネタバレ》 三角関係の1点が崩れて、残った2人が一緒になるというパターンは、フィクションでも現実でもよくある話。しかしながら第三者が客観的にみて2人を祝福できるかどうかは、意外とハードルが高いと考えます。本作はその点、よく配慮されていたと感じました。まず晴男について。ブラジャー事件、ピラニア復讐計画。確実に馬鹿ですが、不器用であるが故のこと。根が悪い奴でない事は伝わってきます。奈津にお金を貸す場面で、一度は見返りを求めてしまう情けなさも憎めない。彼は応援できます。一方奈津はどうでしょう。曽根にフラれた傷心から晴男を求めたのだとしたら、共感し難いところ。でも彼女は最初から晴男に心を開いていました。吃音の症状も少なかったし、彼に体を触られても嫌がったりしなかった。晴男に金の無心に行ったのも甘えがあったから。そもそも2人には最初から妙な信頼関係がありました。ハル(春)とナツ(夏)は惹かれあう存在。素直に2人を祝福できました。ピラニアとは凶暴な魚。それは晴男の持って行き場の無い感情。人は立ち直るために、無駄と思われる時間や不合理な行動が必要だったりもします。そんな情けなくて格好悪い人間が愛おしい。晴男よ、おめでとう。でも今度喧嘩をする時は、負ける覚悟で行ったりしないように。せめて水鉄砲にタバスコくらいは仕込んでいきなさい。本作はエロをコンセプトの一つにしているため、結構な絡みが用意されています。男性としては歓迎すべき部分ですが、最後の性交は蛇足でした。艶のあるシーンで艶消しとはこれ如何に。キス一つで2人の心の繋がりは、十分伝えられたと思います。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-31 19:17:41)

1178.  鍵(1997) 世間は、自称○○に結構甘いです。本人が言うなら、そうなんでしょと受け入れてしまうところがあります。お笑い芸人、美人姉妹、芸能界のご意見番、ハイパーメディアクリエイター。有栖川宮なんてのもありました。川島なおみの場合は自称“大物女優”。全身から女優様オーラを発しています。正直、何故あんなに堂々としていられるのか不思議で仕方ありませんでした。でも本作を観てその謎が解けた気がします。彼女の自信の拠り所は、本作に在るに違いありません。ただし、それは彼女の錯覚。過大評価もいいところです。脱いだら一流女優というわけではないのに。でも勘違いも気付かなければ本物と変わらない。少なくとも本人にとっては。思い込めば血液もワインに変わるのです。川島にとっては、それが一番幸せなのかもしれません。でも僕は忘れませんよ。あなたが一番輝いていたのは、車だん吉の横だということを…。[DVD(邦画)] 4点(2012-01-27 19:54:47)

1179.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 『自殺サークル』『エクステ』『気球クラブ、その後』で、自分は園監督から脱落しました。今回久々の鑑賞に至ったのは『愛のむき出し』(開始から1時間程度しか観ていませんが)を思いのほか楽しめたから。これなら、今の自分なら、園映画を理解できるかなと。信頼できるレビュワー様が軒並み高評価であった事も鑑賞を後押ししました。確かに傑作と呼ばれるのも頷ける出来ばえ。画作り、脚本、演出。全てにおいて躊躇なく振り切れていました。でんでんの顔は当分忘れられそうもないですし、「透明にしちゃおう」はホラー映画史に残る名台詞でしょう。観客を惹き付ける力は抜群です。映画監督としてのセンスが傑出している事は、映画オンチの自分でも理解できました。凄かった。凄過ぎました。そう、自分には“過ぎた”のです。過ぎたるは及ばざるが如し。極上の料理も食べ過ぎれば苦痛であるように、本作の毒を自分は処理仕切れませんでした。美味しいが故に、毒と知りつつも取り込み続けてしまうのが恐ろしい。ついに自分の心は、動きを止めてしまいました。茫然自失のエンドロール。それは、村田の毒に犯された主人公の姿に重なります。この影響力をもってして賞賛の評価を与えることは可能です。むしろその方が妥当でしょう。しかし、主人公が村田に感謝などしていないように、自分も監督を褒め称える気になれないのです。もしこの映画を受け入れてしまったら、自分が監督の奴隷になってしまうような気がするのです。『冷たい熱帯魚』は完璧なる観客調教映画であったと考えます。以下余談。某入浴剤のCMにでんでんが出演しているのですが、もう怖くて仕方が無いです。生田斗真、透明にされちゃわなきゃいいけど…。[DVD(邦画)] 7点(2012-01-22 19:26:46)(良:2票)

1180.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 BSⅰで放送していたのは知っていたものの、一度もTV版を鑑賞することなく本作に臨みました。正直面食らいました。作風は『トリック』『富豪刑事』あたりに近いものの、それを遥かに凌ぎます。何かが。明らかに狙っていることは分かりますし、ツッコミ御無用な作品であるのも理解出来ます。でも免疫の無い人間には刺激が強すぎました。同じ女子高生刑事もの(←どんなジャンルだ)なら、個人的には『スケバン刑事』のノリの方が分かり易くて好きです。愛→舞→泪→零→雷→海とシリーズを重ねているので、13代目あたりで”はとこ”の銭形鬱の登場を予想しておきます。キメ台詞は、「憂鬱、陰鬱、躁鬱と、鬱もいろいろあるけれど、今宵はあんたをお縄にかけて、鬱憤ばらしといきましょう。その名も人呼んでケータイ刑事銭形鬱!鬱って言う字、書けるものなら書いてごらん!」で如何でしょう。[DVD(邦画)] 4点(2012-01-22 00:24:16)

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