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101.  ピエロの赤い鼻 《ネタバレ》 このキャストは舞台ならいいけれど、映画だとキッツイかもですね。(一体何才の設定?) でも慣れると気にならず、ルイーズ(イザベル・カンディエは「プロヴァンスの贈りもの」のマダム・デュフロ、若くはないけど可愛い感じ)をめぐっての恋のさや当ても物語の要素。 彼女にいいとこ見せたいアンドレとジャック(「クリクリ」にもでているコンビ)の英雄気取りの行動のおかげで2人も命を落としてるにしてはちょっとふざけすぎのような気もするし、アンドレから昔話をきいたジャックの息子(美少年じゃないのがいい)がドップリ感涙してるのもベタなんですが、フランスに親しみをもつドイツ兵さんや自分に致命傷を負わせた当人たちを救おうとするフェリックスおじさんの言動は心にくるし、すべてお見通しだったマリーおばさんの凛とした態度もかっこいい。 「穴」の4人もコミカルに描かれながらも緊迫感ありました。 ちょっとクセがあるけれど、絶望的な状況の中での希望や人情、そしてそれを忘れない心を見せてくれる作品。 スピルバーグがリメイクする気のよう?[DVD(字幕)] 8点(2010-12-04 00:45:05)

102.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 タランティーノやガイ・リッチーの簡単に人殺すチンピラ映画より、こういうのが好き。  監督は英国のエドガー・ライトのようにアメリカ映画に心酔しているらしくそれっぽいところもあるけれど、同時にドイツらしい真面目さ、律儀さが感じられまする。 銃撃戦で誰もケガしないのはズルイけど安堵、銀行から盗った分は後でちゃんと返したりして。 ママへのプレゼントもじんとくる。 女性をだしてもお行儀わるくならず、何といっても野郎ふたりの友情! マーティンの発作の演技が迫真、ルディはダウニーJrに似てるな~(笑) シリアスとコメディの切り替えがスカッとしてて、1時間半とコンパクトなのもいい。 貫禄ルトガー・ハウアーもいいところでBRのように詩的な台詞をキメてくれるぅ。 ラスト、「ショーシャンク」のようにきれいな海ではなくて荒れた海なのが、また彼らに合ってた。 あの赤錆びた色合い。 思いを遂げて一足先に逝った友を見やる相棒の心も、もはや半分地上を離れているよう。 今時あまりないような「青くさい純粋さ」が愛され好まれる理由?[DVD(字幕)] 8点(2010-12-03 00:00:04)(良:2票)

103.  スノーマン<TVM> 《ネタバレ》 レイモンド・ブリッグスの絵本の雰囲気をこわさず繊細に作りあげたアニメーション。 絵と音楽だけで表現しているのがアーティスティック。 背景も丁寧に描きこまれたこの作品はパステルの匂いがして、手作りのあたたかさがいっぱい。 家人が寝静まった家での冒険も楽しく、おどけるスノーマンは道化のよう。 空に舞い上がってからは一気に魔法が広がり、とんでゆく風景。 雪の国のお祭りでは「あの人」も待っていて、白い世界の中で色たちがダンスを踊る。 少年とスノーマンの空の旅にかかる"Walkin in the air"は透き通るようなボーイソプラノが神秘的なほど美しく、旅の儚さをも予感させて。 一人っ子の少年には、きっと何ものにもかえがたい友だち。 一夜の夢だけど、でも夢じゃなかった…[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-01 00:00:00)

104.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 原作者のトラヴァースはこの映画を気に入らなかったそうですが、確かに(「魔女の宅急便」の本とアニメくらいの)大きな違いがある別物。 クセのあるメリーのキャラは和らげられ、本(1作目)のエピソードはごくわずかしか使われず、テリアのように形だけ出されているキャラもいますしね。 中盤にバート(ディック・ヴァン・ダイク)が登場してからは彼の比重が大きくなり(老頭取も兼任なのでなおさら)、終盤はバンクス氏と子供たちの和解に焦点があてられてメリーの存在感は薄まっていくのですが、それらを考慮に入れても魅力的な映画には違いありません。 20世紀前半のロンドンの情景には美しいマット・ペインティングが多用され、アニメとの合成や特殊効果も40年以上前の作品としてはよく出来ており、アンドリュースの歌や立体的な屋上セットでの煙突掃除夫ダンスと見どころ・聴きどころがつめこまれた贅沢で楽しいディズニー作品。 オードリーの「マイ・フェア・レディ」との逸話は今でも語り草、同じ年にこの2つの大作が作られたのは驚異的でもあります。 「完璧な人は感情におぼれないの」は映画オリジナルの台詞ですが、彼女の自信家でクールなキャラクターをうまく表現した言葉。 それと特筆すべきは本でも映画でも魔法使いなど特定のレッテルがないこと。 彼女がただ不思議な力をもっていて東風で飛んできて西風が吹くと飛んでいってしまうメリー・ポピンズであること、それがとてもいいと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-10 00:00:04)

105.  チキ・チキ・バン・バン 「メリー・ポピンズ」の4年後に作られた「チキチキ」♪ (アメリカのディズニー映画「メリポピ」はイギリス人のアンドリュース主演、イギリス映画「チキチキ」はアメリカ人のディック・ヴァン・ダイク主演とちょっと複雑) イアン・フレミング原作、アルバート・ブロッコリ製作でチキチキはスーパーカー仕様、デズモンド「Q」リューウェリンやゲルト「ゴールドフィンガー」フレーベが顔をだす007テイストもあります。 ミュージュカル映画にしては屋外撮影や空撮が多くて解放感があり、ノイシュバンシュタイン城でロケしたりとスケールが大きく、同じ年の「オリバー!」同様、アメリカのミュージカルとはちょっとちがったゆったりとした余裕のある作りがOKな人ならエンジョイできそう。 ダイク演じる発明家のパパが明るく魅力的で、バンブー・ダンスも踊ってくれる。 2人の子供たちも可愛く、トゥルーリーのオルゴール人形もコッペリアみたいで楽しい。 「メリポピ」のシャーマン兄弟によるテーマ曲は、あちらを上回るキャッチーなメロディ♪♪♪ 意志をもつチキチキのスーパーぶりを見せるため、途中から「パパのお話」のファンタジー形式にしているけれど、最後にまた…というのも夢があっていいネ。 ダイクは「ナイト ミュージアム」では80才をこえていながらも、まだまだお元気にステップを踏んでいました。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-09 00:00:02)(良:1票)

106.  今日から始まる 《ネタバレ》 実力派の舞台俳優フィリップ・トレトンが炭鉱閉鎖後の不況にあえぐフランス北部の幼稚園長に。 「田舎の日曜日」のタヴェルニエ監督はソフィー・マルソーを三銃士にしたり、「ラウンド・ミッドナイト」はジャズ、これはドキュメンタリー風と多様な作風。 炭鉱町ものはフランス映画ではそう見かけない。 市の予算が足りず常に逼迫する状況の中で奮闘する若き園長とスタッフの女性たち、彼らを頼りにする住民と無心に遊ぶ子供たち。 幼稚園という狭い場所を舞台にしながら様々な人間の思惑が交錯する中を、ダニエルは情熱をもって駆け回り、外部と折衝し、子供の瞳の奥を見つめ、語りかける。 が、問題はひきもきらない。 家庭人である彼の生活も平行して描かれ、同居する恋人の息子と和解するシーンが目をひく。 なかなか謝るきっかけをつかめずにいた少年が、母親と彼との不和にするりと滑りこんで「女ってむつかしいよな」みたいな目配せをしあって、ちゃっかり男の同盟を結ぶのがおもしろくもあり。 家族との触れ合いに癒されても余裕のないスケジュールに悲劇も起こるべくして起こってしまうが、ダニエルの去就が気になる。 本当に責任をとって辞めるのだろうか? みんなの冷えきった心をあたためた、心づくしの祭りのあとに。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-08 00:00:02)

107.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 「トイ」シリーズはピクサー作品の中でもキャラクターのスター性がズバ抜けています。(特に2人のフロントマン) 同時に友だちみたいに思えるほど親しみやすいのが魅力。 新監督アンクリッチ自身の体験が生かされ、「リトル・ミス・サンシャイン」の気鋭アーントの脚本は緻密、エンターテイメントとしても上々、画もスゴイ、そしてまたちゃんと「トイ・ストーリー」。 今回はアンディの一番の古なじみであるウッディが持ち主との絆の大切さを説くリーダー(マジメ!)に専念する分、ムードメーカーに徹したセニョール・バズの華麗なパフォーマンスにはケラケラ♪(最高!) おなじみキャラ・新キャラが活躍する一方で旧キャラの封印もあり(ボー・ピープは「2」でも影薄かったけど、「3」の女性キャラはよりアクティブなジェシー、バービー、Mrsポテトヘッドが適当と判断されて?)いい作品にするためにはキビしさも必要ってことで~。 大スキな黄緑エイリアンは因縁あるアレを使っていいトコ見せてくれ、俗物ケンはワードローブ命、悪役ロッツォへのおしおきもカワイイなぁ。 ボニーが女の子なのは男の子だとすぐワカッちゃうからですよね。(その分充足感が若干減ってもやむをえないというところでしょうか) 本当はウッディたちは「永遠の時間をとじこめる」映画の中ではずっとアンディの部屋の住人でいてほしい気もするんですが、あえてそれを踏み越え、最後は涙が一筋。 これがホントに最後?でサビシくもあるけど、もう一度みんなに会えてよかった! (3Dですが、2Dでも同じ点)[映画館(吹替)] 8点(2010-10-10 00:00:08)

108.  ピーター・パン(2003) 《ネタバレ》 生誕100周年記念作品は、ディズニーアニメよりもジェームズ・バリの原作が好きな人向き。 明るさと暗さが共存した作りは悪くないと思います。 「フック」より視覚効果が進歩した分自由な広がりがでて、スターにたよっているわけでもなく。 ネバーランドへの旅もひと工夫あってファンタスティック。 原作からの大きな変更点はミリセント叔母さんが登場、「島流しの岩」のシーンは暗黒城にスケールアップ、妖精たちのダンスに誘われてピーターとウェンディが空中ダンス、ウェンディが海賊船に招待される、クライマックスではフックも空を飛ぶ、など。 逆に撮影されながらカットされたのは犬小屋のダーリング氏、大人になったウェンディとの再会、娘ジェーンをつれていくピーターで、テンポやまとまりを大事にしたのかと。 サンプターははまり役ですが、フランス女優が演じたティンクはチークが濃くて道化みたいに見えるのがちょっとマイナス。 ウェンディは美少女すぎず、セクシーなフック(ダーリング氏と2役)は複雑な面を併せもつ一番面白いキャラクター。(イートン校中退です) 原作ではかすかだったピーターとウェンディの「小さな恋」を強調した分ラストは潔くスッキリさせて、ジェームズ・ニュートン・ハワードの軽やかな”Flyng”が耳に残ります。[映画館(字幕)] 8点(2010-10-04 01:15:11)

109.  グラディエーター 70年代から歴史書をもとに構想を持っていたフランゾーニの脚本を気に入ったリドリー・スコットが、映画界では久しかった古代ローマの世界をスクリーンに立ち上がらせる。 風格ある彼の映像美は現代物よりもSFや時代物でより威力を発揮するのをあらためて感じた。 ラッセル・クロウ演じるマキシマスが異常なまでにカッコよく見えるのも、人望厚いキャラクターと彼の手腕であろうし、皇帝コンモドゥスの父親殺しも嫉妬に歪んだ者の闇の淵を見せる。 それでも一度見れば十分な気がするのは、人物や物語が抑え気味で品はよくても今ひとつ面白味には欠けるせいか。 ルッシラの位置づけもそれほど珍しいものではない。 「ブレイブハート」のように少々やりすぎと思えるようなアピールをしないことが好ましきところでもあるのだが損をしているところでもあり、アカデミー作品賞を受けても監督賞にまでは手が届かなかったゆえんかもしれない。(スコットの無念そうな表情が忘れられない) 凝ったコロシアムの戦闘シーンより心に残るのは、スコットが夜ベッドに横になっている時に浮かんだというマキシマスが薄れゆく意識の中で故郷の麦畑にさざめく麦の穂に触れるシーンで、郷愁と詩情をたたえる。[映画館(字幕)] 8点(2010-09-10 00:00:01)

110.  スター・トレック(2009) 上出来のニュー・トレック。 本当いうと5つあるスタトレのうち自分が好きなのはTNG(新スター・トレック)だけなのですけど、(旧シリーズはスポックは好きでもカークは★)技術的にも内容的にもしっかり作ってあってファンは喜びそう。 カークもまだ若いせいか嫌味もなく、スポックと相性もよく。 ゾーイ・サルダナは「ターミナル」で女性トレッキー役やった時からこれに出ることは運命だったんでしょうね! サイモン・ペッグがスコッティ(チャーリー)とは~♪ ウィノナの出番は少ないけど、なんていうか名誉ある役。 それにアノ人も!(どうりでクレジットが最後) それといいのは、宇宙空間を巡航するエンタープライズ他に最新の技術を投入する一方で、宇宙人はCGでなくメイクアップにこだわるなどSTの伝統を守ってキッチュさを残してあること。 洗練されすぎてはSTでなくなってしまうのをおわかりでいらっしゃる。 でもど~してジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲使わなかったの? あれがないとスタトレの気分がでないのデス。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-07 00:10:02)

111.  ダウンタウン物語 「小さな恋のメロディ」の脚本を書いたアラン・パーカーが初めて監督に。 子供や若者の世界を描いた活気ある作品が一番の持ち味だと思いますが、この子供だけによるギャング映画も楽しい♪ アイディア一発勝負の映画でもちゃんと成功してるから。 歌姫タルーラは単純に一番きれいなジョディ・フォスターかもしれないし、タイトなドレス&メイクがセクシー。 歌は吹替えだけどポール・ウィリアムスのメロディが覚えやすく、男の子たちもポマードとスーツでいっぱしの大人を気どっているのがカワイイ。 クリームやパイが飛びかう銃撃戦も見ていて安心、ギャングをおちょくったカリカチュアでもありますよね。[地上波(吹替)] 8点(2010-09-06 00:00:03)

112.  テス 《ネタバレ》 トーマス・ハーディのもう一つの厭世的な作品「ジュード」(「日陰のふたり」)と同様に悲劇的内容ながら、ナスターシャ・キンスキーのあでやかな美しさとドーセット地方の緑ゆたかな田園風景が淀んだ水の中の白い石のごとく光を放つ。 天井より滴り落つ血は運命に翻弄され続けたテスが一矢報いたと言うべきか。 されど断罪さるべきは粗暴な支配者アレックよりも天使の名をもちながら身勝手な理想主義者であったエンジェルかもしれず、されば彼がテスとともに罪人として牽かれてゆく結尾には納得がいき、原著のテスの妹の存在を抹消したのは頷ける。(テスの望みとはいえ彼女の処刑後に彼がその妹と添うのは如何なものか) 朝霧流れるストーンヘンジの岩に身を横たえるテレザ・ダーヴィフィールドは、その呪わしき名と共に自分を苛んだこの世から消え去る時を静かに待っているかに見える。[映画館(字幕)] 8点(2010-07-09 23:59:59)(良:2票)

113.  道(1954) 《ネタバレ》 ウディ・アレンがこの映画をとても好きというのは「ギター弾きの恋」を見るとわかり、ジュネの「ロスト・チルドレン」の鎖切り芸人ワンもザンパノへのオマージュが感じられる。 イタリア的な表現は不得手な部分もあるけれど(ジェルソミーナが発症するシーンなどは、哀れっぽすぎて得意ではない)、個性的な2人の対照的なキャラクターやバイクに引かれる古びた小さな「家」は詩情あり、行く先々での大道芸の日々に祭りの光と影。 癒しの言葉を語るキ印が登場、ザンパノが彼を殺すことで均衡が破れ、ジェルソミーナの心にも綻びが生じ、ゆるやかに悲劇的な結末に向かうさまは残酷なまでに人の弱さを見せる。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-19 00:00:03)

114.  灯台守の恋 《ネタバレ》 海と陸の境に立ち闇に一条の光を投げかけるライトハウスには、自動化された現在でも独特の風情がある。 邦題には「恋」とあるが(「仕立て屋の恋」のサンドリーヌ・ボネール主演だからか?)、マベとアントワーヌのそれはこの映画の一部でしかない。 結果として彼らの情熱も無駄にはならないのだが、新旧の灯台守の交流や仕事ぶり、海上に屹立し荒波に洗われる灯台そのものに見応えがある。 土地柄から新入りのよそ者を冷遇する無骨なイヴォンの心を鷹揚なアントワーヌがほぐしていくのが心地よく、小柄なイヴォンのフィリップ・トレトンが演技を感じさせず、理由も意味もない疎外の愚かしさとそれより脱却する人間はいつ描かれてもいい。 出会ってすぐに惹かれあう男女の出会いは運命的といえるだろうがマベは夫との絆も忘れておらず、3人の思いがからんで生まれたカミーユの父は誰とはいえない。 イタリア人作曲家の音楽によりフランス映画にしては叙情性があり、「パリ空港の人々」の監督リオレの才気よりも誠意が感じられる作品。 ジュマン灯台に住みつく猫バンコが心をなごませ、祭りの日に灯台から放たれる花火が詩的な空間を生みだす。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-26 00:00:07)(良:1票)

115.  未来世紀ブラジル テリー・ギリアムの一番いい作品ですから。 ミッシュマッシュな未来社会と黒い翼を駆る哀しき夢想家サム。 コタコタ混沌してますが、ろまんちっくな要素が思い入れしやすく映像がすごい。 今でもジョナサン・プライスが贔屓なのはこの映画のせい。 ~戻るよ、ぼくは想い出のブラジルへ~[映画館(字幕)] 8点(2010-05-24 00:00:33)

116.  エクソシスト 《ネタバレ》 ロザリオで少女を陵辱してみせる不敬な悪魔に身を挺して立ち向かう二人の神父は、使命を帯びた賢者の如し。40代半ばのマックス・フォン・シドー扮する老境のファーザー・メリンの重厚さ、彼の絶命により自らの迷いを打ち砕くファーザー・カラスの気迫が圧巻。宗教色の強い映画は好まないがこれは例外といえ、現世では比喩的な意味しか持たぬであろう憑依という事物をかように具象化してみせた、これもまた芸術と呼ばねばなるまい。結尾のリーガンの接吻は彼らへ捧ぐ。[地上波(吹替)] 8点(2010-05-08 06:00:04)

117.  リバー・ランズ・スルー・イット 《ネタバレ》 この映画はよくブラピ演じるポールとフライ・フィッシングのことを語られて、そこがこの映画および原作の骨子だとは思うんですが、私は原作者であるポールの兄のノーマンの方に興味がありました。 両親が自分より出来のいい弟のことを気にかけているのを知っていて、それも仕方ないと思っているノーマンは、監督レッドフォードの処女作「普通の人々」の主人公にも似た人物です。 ポールは天才かもしれないけれど単純そうであまり興味がもてなかった、生まれつき恵まれている人にありがちなことですけど。 それとノーマンと恋人の兄ニールとの別れのシーンがハッとするほどよくて、そこが読みたくて本を買ったらその場面は丸々なかったのが意外でした。 レッドフォードはノーマン・マクリーンの小説にほれこんで映画化したのに、作者ほどシニカルな人ではないのでここは物足りなくて追加したんですね。 ニールは本でも映画でもノーマンを困らせるダメ兄として描かれるわけですが、「楽しかったよ」というように動き出した列車の最後部から好意を伝えるニールと、それに応えるノーマンを入れたことで血のかようエピソードになり、子供っぽいニールは可愛いがっていた妹ジェシーの彼氏であるノーマンに素直になれなかったのだ、との印象になったと思います。 原作にないシーンが一番好きな映画というのはあまりありません。[DVD(字幕)] 8点(2010-05-06 06:00:06)(良:2票)

118.  メトロポリス(1926) ドイツ映画は今と違って20世紀前半は独自の存在感。これも7年後のアメリカの「キング・コング」よりアーティスティックな雰囲気では上回っていると思います。二役のブリギッテ・ヘルムの演技はサイレントを反映して大仰ですが、マリアの姿形がアンドロイドと融合するシーンは幻想的で、ロボット・マリアは「禁断の惑星」のロビーやSWのC-3POなどと一緒に映画のロボット史には必ず顔をだす麗しき造形のフィメール・ロボット。女性色が強いのはフリッツ・ラング夫人のテア・フォン・ハルボウの原作だからでしょうか。BRにも影響を与えているといわれますが確かに俯瞰での高層ビルの形状は似ているようで、製作年代を感じさせるのは複葉機ぐらいのイマジネイティヴな2026年。(私はモロダー版ですが今は見られないんですよね)[映画館(字幕)] 8点(2010-04-18 06:00:14)(良:1票)

119.  フェーム アラン・パーカーが描く青春群像は独自の味がある。アメリカの芸能学校が舞台でもベタでなく、かといってドライまでいかず彼らの4年間をスナップショットのように切りとりコラージュ。彼らが曲にのってストリートに踊り出る場面はNYらしい躍動感あふれる。「コーラスライン」の厳しい現実以前の温室のような世界にいても悩みはあり、彼らを見守る教師たちも人間。モンゴメリー(「ロボコップ」エミール、「ER」ロマノになるとはね!)のネオンサインが窓のすぐ外にある部屋は、安宿の象徴でもポエジーな赤に満たされる不思議な空間。ダンサーの天分がありながら文盲コンプレックスを抱くリロイ、ママの翼の下から飛び出したいドリス(モーリン・ティーフィはこれと「スーパーガール」でしか見かけない)。巣立つ日の晴れやかなコーラス「いつかみんながスターになる♪」ありえないことなんだけどね。スターになれる人はほんの一握り。それでも卒業式の彼らは夜空に散らした星のようだった。この映画からスターと呼べる人はでていないことも、陰影深い撮影とあいまってみずみずしい青春を真空パックしている気がする。2009年リメイク。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-10 07:35:11)

120.  アイアン・ジャイアント アメリカン・アニメとは思えないほどシブくて落ち着いたムード。森と海のある小さな町の空気、3人のさびしさを抱えたキャラクターたちと「なりたい自分になる」気持ちにめざめる元兵器のロボ。王道のストーリーですが描き方がよければかまわないと思います。人物は手描き、ロボはCGですが微妙なライン処理を施した手描きテイストで古さと新しさが共存。脚本のマッキャンリーズは父のいない少年に思い入れがあるのでしょうか。最後は思わずうれしさがこみあげる、「ウォルター少年と、夏の休日」とセットで好きな作品。[映画館(字幕)] 8点(2010-03-01 06:53:06)

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