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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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101.  ローラーガールズ・ダイアリー もう何というかエレン・ペイジがかわいいかどうかにかかっている映画なのだが、これがかわいいのだからこの映画は勝ち組なのだ(と思う)。彼女の不思議な魅力は「JUNO」でも遺憾なく発揮されているが、それを超える圧倒的なキュートさで完全にノックアウトされた。同性にも異性にも好まれるタイプであるところがまたすごい。決して絶世の美女でもないし、ナイスバディでもないのだが、一家に一台欲しいような小動物的なかわいさだ。「絶対に勝ってやる!」と気合を入れるところとか彼氏をプールに誘うところとか、特にかわいすぎる!観てしばらく経った現在のほうが、観る前よりも、さらに観たくなっているという状況だから、これは最早恋に近いのかもしれない。 と、ひとしきりエレン・ペイジを絶賛した後で言うのもなんだが、映画の脚本や演出ももちろん悪くない。若干ストーリーが陳腐で、シーンごとの繋がりに唐突感がある部分もあるなど編集の粗さも残るが、それ以上に心に一服の清涼感を残す快作。印象的なシーンを積み重ねて、確かな選曲でまとめたドリュー・バリモアの才能に拍手!自分も楽しそうに脇役を演じているのがまた良いね![映画館(字幕)] 8点(2010-08-26 00:39:38)(良:4票) 《改行有》

102.  おくりびと 《ネタバレ》 全編を通じて、人間のいのちに対する真摯な思いが感じ取れる佳作。抑制されたユーモアを交えながら、死を旅立ちと捉える前向きな死生観にも好感が持てる。主演の二人はもちろんだが、周囲を固める脇役陣の演技も光る。一癖ありげな山崎努と余貴美子が特に良い。やり過ぎる少し手前で止まっているバランスが見ていて心地よい。ともすれば、日本の映画は低俗な漫画のようなキャラクター描写になりがちだが、この映画の登場人物はどれもちょうどいいバランスを保っている。 広末涼子の演技や「けがらわしい」という台詞回しには一部で批判もあるようだが、それほど悪くは感じられなかった。ただし、笑顔がどれも画一的で、やはりアイドル出身だけに笑顔慣れしているなあという印象は受けたが。 この映画がアカデミー賞外国語映画賞を受賞したことは喜ばしい。「Shall we ダンス?」とも通じる日本的なユーモアが国境を越えて受け入れられたということだろう。個人的にはドタバタの才能は日本人には薄いと思う。日本のコメディは、この映画のように、シチュエーションが生み出すそこはかとないおかしみを大切にしていって欲しいものだ。[DVD(邦画)] 8点(2010-08-25 00:10:13)《改行有》

103.  デッドマン・ウォーキング 《ネタバレ》 魂の救済という重いテーマを正面から受け止めて、しかも死刑賛成派も反対派も公平に描いている非常によくできた作品。ラストも含めて無理のない素晴らしい脚本である上に、主演二人の熱演も奏功し、観客に深く考えさせる映画になっている。特に、嘘発見器を使った再調査を要望するマシューの精神状態は極めて興味深いし、ありそうな話である。凶悪な犯罪者であるマシューもただ一人の弱い人間に過ぎず、嘘でもいいから家族から良い人間と思われて死にたかったのだろう。 ただし、この映画を観ても自分の死刑に対する考え方は変わらなかった。マシューが結果的に悔い改めたのは喜ぶべきことだし、本人にとっても幸せだったろうと思うが、死刑宣告を受けないと結局彼は悔い改めることもなかったろう。とすると、死刑はやはり必要なのだと考えられる。むしろこの作品を観て、さらに死刑賛成の思いを強くした僕は製作者側からすると誤算かもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2010-06-05 23:35:48)(良:2票) 《改行有》

104.  パルプ・フィクション 最初に観たのはいつだか忘れてしまったが、そのときよりも更に楽しめた気がする。等身大のワルい奴らの物語。それを軽く笑いのエッセンスで料理してしまうタランティーノの手腕はすごい。やっぱりタランティーノはこの頃がサイコーだったと思う。 しょうもないんだけど、なぜか笑ってしまう会話。妙なこだわりを持つギャングたち。愛すべき人間たちが殺伐とした殺し合いを行うこのシュール感。タランティーノの映画は最高に心地よい非日常だ。ただし、いつか巻き込まれそうな、すぐ隣にある非日常だ。 ただし、個人的にミアのエピソードは浮いていると感じた。もうちょっとミアが本筋に絡めばもっと面白くなったかもしれない。[DVD(字幕)] 8点(2010-06-05 17:59:17)《改行有》

105.  マイレージ、マイライフ 「ジュノ」で期待していた監督さんで、観る前から私のハードルも上がっていましたが、無難に越えられた印象です。この監督さんは重くなりがちな話題を軽く、そしてアイロニカルに撮られるのが持ち味で、本作もその範疇を出るものではありませんが、期待通りの味わいでした。ジョージ・クルーニーの演技も良かったですが、アカデミー助演女優賞にノミネートされた二人もよい。特にアナ・ケンドリックの小生意気な新入社員振りには、自分の会社の新入社員と比較して笑えました。なかなか難しい役を軽妙に演じられていたと思います。大傑作と言うわけではないですが、ピリッとした皮肉の辛さと人生のほろ苦さを笑いで薄くコーティングした佳作だと思います。ハードルを下げずに監督の次回作にも期待します。[映画館(字幕)] 8点(2010-05-31 21:50:10)

106.  七人の侍 《ネタバレ》 長い映画だ。百姓達が七人の侍を雇い、村を略奪に来た野武士と一戦交える。ただそれだけの話なのだが、侍一人ひとりの個性、百姓達の意識、そして異なる身分同志の交流と反発、様々なテーマを取り扱い、しかもそれらをきちんと、しかも適度なユーモアを以って描き出すにはこれくらいの時間はやはり必要なのだろう。確かに削るべき場所がほとんど見当たらない。 この作品を観て一番思ったのは、最後に勝つのは百姓なんだろうけど、自分は武士でありたいなあということだ。まさにラストの勘兵衛の台詞は「武士は食わねど高楊枝」の考え方がストレートに表現されており、苦笑を浮かべながらも彼は満足(仲間を失った悲しみはあるが)だったのではないか。他人を守り、そして黙って立ち去る。そこに武士の本懐が垣間見えて、僕もそんな人間でありたいと思った。偉ぶらず、人のために役立つことができる人間でありたいと思った。 そして、今だったら、それぞれ誰が演じるだろうと考えた。勘兵衛は寺尾聰、勝四郎は妻夫木、久蔵は寺島進、菊千代は…。いない。彼の演技はアクが強くて普段はあまり好きじゃないけど、三船敏郎って凄いなと改めて感じた。彼の最期のシーンはアクションなのに涙が出そうになった。百姓を捨てきれない男の怖ろしいほどの執念が見えた。 長かったけど、観て良かった。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 23:10:39)《改行有》

107.  ぐるりのこと。 《ネタバレ》 正直に申し上げると、あまりリリー・フランキーが好きではなくて、何故かと言うとあの自然体に不自然な印象を持っていたからだ。飄々としているぜ、超然としているぜ、と言っていないのに言ってる気がして、そこから引きずりおろしたかったのである。でも、この作品のリリー・フランキーは、すごく良かった。まさに自然体だった。こういうタイプ以外の役ができるのかは分からないけれど、少なくともこの作品にはぴったりだった。 法廷画家のカナオと小さな出版社で働く翔子の結婚生活が、その時代の大事件と被せて編年体で語られるという地味な作品だが、人の心の動きを丁寧に追うという意味では、とても優れた作品になっている。いい加減なカナオと几帳面な翔子の生活は、最初はコミカルに描かれるのだが、娘の死を境に翔子はうつ状態に陥る。そこの部分の描写がちょっと弱い(実際のうつ病はもっと本人も周りも大変)かな?と言う印象は受けたが、許容範囲には収まっていると思う。その後、翔子が回復していく過程の描き方も温かくて気分が良かった。 あとは、翔子の兄夫婦を演じている寺島進と安藤玉恵の演技は特に良かった。倍賞美津子とか他の脇役も味のある演技でストーリーを盛り上げていた。[DVD(邦画)] 8点(2010-01-24 21:43:07)《改行有》

108.  日の名残り 《ネタバレ》 英国人作家カズオ・イシグロの1989年のブッカー賞受賞作品を映画化した作品。 カズオ・イシグロの小説は独特のノスタルジーや丁寧で抑制された文体が魅力的(邦訳されたものしか読んだことはないですが)ですが、この映画はその魅力をとても忠実に写し出している作品だと思います。 英国貴族の執事を主人公に据えるという原作の着想が素晴らしい上に、その登場人物たちの言葉にならない様々な思いが音もなくぶつかり合う様を主演のアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンをはじめとした俳優陣が見事に演じています。主人のためには自分の思いを殺すことが最も大事だと信じて疑わない主人公ですが、その考え方を否定しつつもそのストイックなダンディズムに一定の理解を示し、敬意を表するかのようなカメラの視点が心地よいです。この映画は何度も観ていますが、去り行く時代への懐旧の情や仕事に生きたがゆえに実ることのなかった昔の恋を思い、果たして自分が過去にとった行動は正しかったのかと自問自答しながら旅に出る主人公の姿を観る度に、いつもなんとも言えない気持ちになります。 また、いくつもの屋敷で撮影を行ったと言うだけあって、当時の屋敷の雰囲気もリアリティがあります。風景の美しさも見所の一つでしょう。 お涙頂戴に堕しない、心で泣く映画です。[DVD(字幕)] 8点(2010-01-10 00:19:51)(良:2票) 《改行有》

109.  バリー・リンドン 史劇もキューブリックも苦手と言う全くこの映画に適性の無い僕だが、観てみると意外とおもしろかった。3時間と言う長い尺にもかかわらず、過不足なくバリーの人生を描いており、特に長さを感じることも無かった。原作がサッカレーだそうだが、いかにも彼らしい皮肉たっぷりなナレーションも良い。 また、何と言ってもこの映画の見所は、衣装や音楽、背景に一分の隙もない点だ。完璧主義者の異名をとるキューブリックだが、今までは何でそう呼ばれるのか良く分かっていなかった。でもこの作品においては、何から何までビシッとはまっていて凄い人だったんだと実感した。 一癖ある映画監督の中でもひときわ異彩を放つキューブリックだが、ある意味で、これが一番一般に分かりやすい作品だと思った。でもやっぱり話の筋にあまりにも救いが無くて愛せないんだよなあ。キューブリックファンじゃないけど、この作品は好きです。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-18 23:42:23)《改行有》

110.  お早よう 《ネタバレ》 小津作品の中でもコメディー色の強い作品。何となくジャック・タチの映画を思い出した。どうでもいいおしゃべりこそが大切なのだと言う説教臭いテーマを見事に軽妙なコメディに昇華した傑作だ。 同じシーンの繰り返しのような展開が笑いを誘う。近所づきあいというものの難しさを軽妙に描く実力は流石だ。ただの口さがない女たちのおしゃべりを芸術作品にしてしまうのだから凄い。ここでは、杉村春子の圧倒的な演技力が光る。 また、本作の主役は子供たちなのだが、彼らの使い方もうまい。いつも親が子供たちに甘いのは小津作品に共通なのだが、この子供たちもやりたい放題で観ていて微笑ましい。くだらないことに一生懸命になっていたあの頃を思い出した。 最後に、ラストのオチが素晴らしい。明日から知らない人にも挨拶したくなる。そんな映画。[DVD(邦画)] 8点(2009-11-03 17:31:21)《改行有》

111.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 久しぶりに初期のタランティーノ作品を観たが、公開から15年を経た現在もその輝きは失われていないことを再確認した。本作の監督はトニー・スコットであり、タランティーノは脚本に徹しているが、激しいバイオレンスシーンや本筋と関係の無い会話シーンなどタランティーノ臭がぷんぷんしている。主役二人のキッチュなファッションやそこはかとなく女性崇拝的な雰囲気が漂っているのも彼らしい。 ストーリーは、はっきり言って映画・マンガオタクの夢物語的な展開の映画なのだが、超豪華な脇役陣の魅力が素晴らしく、全く観ていて飽きない。序盤から名場面の連続で、スレーターとオールドマンの格闘シーンとかウォーケンとホッパーが対峙するシーンとか劇画的な演出がたまらない。「レザボア・ドッグズ」もそうだが、本当にタランティーノはマフィア映画のツボを心得ているなと思う。 最後に、主役の2人はいわゆるバカップルなのだが、それを全くいやらしく感じさせないのは見事。強烈な愛情に裏打ちされたバカップルなら、何か許せちゃう。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-27 21:53:12)(良:1票) 《改行有》

112.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 十年前よりもトラヴィスが身近に感じられた。純粋で繊細で自意識過剰。しかも突然キレる。僕が一番苦手なタイプだ。彼の近くにいたとしたら、僕は真っ先に殺されそうだ。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-05 23:50:08)

113.  それでも恋するバルセロナ 大好きなウディ・アレンの作品でありながら、女性層を狙ったやけに大々的なプロモーション活動に一抹の不安を感じていたが、杞憂に終わった。やっぱり、ウディ・アレンの映画は最高だ。ラブストーリーを作らせたら、当代随一だ。 バルセロナにひと夏の休暇に訪れたヴィッキーとクリスティーナが、女っ蕩しの芸術家と出会って一騒動巻き起こるという話なのだが、キャラ設定が絶妙。恋愛にカタい女とユルい女、それぞれの持つ魅力や危うさには納得しっぱなしだった。話に無理が無い。 ここのところアレンのお気に入りであるスカーレット・ヨハンソンはクリスティーナという適役を得て、まさに「水を得た魚」状態だった。自分がしゃべってるときもうまいし、周りがしゃべってるときの表情もうまい。今一番好きな女優だ。この作品でアカデミー賞助演女優賞を取ったペネロペ・クルスもいいし、ヴィッキー役のレベッカ・ホールもいいけど、一番輝いていたのは彼女だったと思う。[映画館(字幕)] 8点(2009-07-21 23:55:43)(良:1票) 《改行有》

114.  イースタン・プロミス 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続く、クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンのコンビによる佳作。 イメージカラーを選ぶとすれば深紅。陰翳の濃い構図と重厚な雰囲気の中、ロシア・マフィアの物語がねっとりと語られる。アカデミー賞にノミネートされたヴィゴ・モーテンセンの演技はいつまでも観ていたいほど素晴らしく、スローテンポな進行や独特の「間」も苦にならなかった。マフィア映画には適度なエロティシズムがないと面白くないのだが、同性愛の微妙な香りをうまく活用した本作はそのポイントも外していない。 現代版「ゴッドファーザー」というと褒めすぎだが、100分の作品とは思えない深い味わいが印象的だった。映画館で観るべきだった。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-12 21:49:40)《改行有》

115.  ゴーン・ベイビー・ゴーン ネタバレしないためには多くを語ることはできないのですが、扱っている問題が非常に微妙であり、賛否両論あるという意味ではとても面白い映画でした。テーマは全く異なりますが、考えさせられる映画という意味で、ちょっと「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」を思い出しました。あれほど強烈ではないのが、僕としては逆に良かったです。 子供にとっての「幸せ」とは?最後のパトリックの選択はとても興味深く、権利を尊重するという意味でアメリカ的だと感じました。「敢えてそこを映すか?」とも言いたくなる甘さの無いラストシーンも良い。エイミー・ライアンはうまいですね。 それにしても日本未公開(!)のこの映画に出会えたのもこのサイトとレビュワーの方のおかげ。本当に感謝しています。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-05 18:13:59)(良:1票) 《改行有》

116.  悲しみが乾くまで この作品でビア監督の映画を観るのは3作目になるが、どんどん次の作品が観たくなる監督だ。アップやブレを多用した独特の撮影方法が、登場人物の心の揺れを遺憾なく表現しているし、脚本に無駄が無く、どの作品も2時間程度にうまく纏めているのが良い。 この映画もベニチオ・デル・トロとハル・ベリーという2人のオスカー俳優の演技力を活用し、地味ではあるが、心を打つ作品に仕上がっている。洗面所やリビングでの家族間のプライベートな会話の使い方がうまいのは女性ならではだと思うが、男性の心の動きにも不自然さが無いのは優れた監督である証拠だと思う。ビア監督の映画はどれも大切な人を失った喪失感とその癒しの過程がテーマになっているが、「癒し」ばかりに焦点を当てた甘い作り方にならないところも、私が共感できるポイントだ。「癒し」と「甘え」の間のギリギリの狭間を衝く手腕はたいしたものだ。 この視点を大切にしながら、次はサスペンスやスリラーにも挑戦してくれないだろうか。素晴らしい映画ができそうな気がする。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-05 15:17:29)《改行有》

117.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 色々な「愛」が詰まった作品。男女の愛、親子の愛、友達の愛、そして映画への愛。 多すぎる愛に食傷気味になるが、映画好きにとっては堪えられない魅力を持った映画だと思う。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-31 22:50:55)《改行有》

118.  アニー・ホール 《ネタバレ》 実験的な手法を取り入れたアレンの初期の代表作であり、半自伝的な映画。登場人物の思いが活字になったり、突然観客にしゃべりかけたり、挙句は劇がアニメになったりとハチャメチャで斬新な演出だが、それが全くスベっていないという驚異的な映画。「アリーmyラブ」を最初に見た時、この映画を思い出した。 アレン演じるアルビー・シンガーとダイアン・キートン演じるアニー・ホールの恋愛模様が話の焦点なのだが、この頃からアレンの「独善的なインテリ」という自虐ネタは冴え渡っており、アニーを大学に行かせるエピソードや自分好みの本を執拗に押し付けるところなどからもそれが窺える。それが馬鹿馬鹿しいと薄々気づいていながらもやめられないところが身につまされる。世の中全てを笑いのめすコメディアンでありながら、自らのエゴに苦しめられる彼の気持ちは痛いほどよく分かる。精神分析を15年受け続けているという彼の台詞からも彼自身が一個の悩める人間に過ぎないことが分かろうというものだ。 ラストの卵の小話は、恋愛って本当にそのとおりだと共感し、感心した。同じ夢を共に見るのが恋愛なら、それは儚いし、傍から見れば馬鹿げているかもしれないが、本人たちは至って本気。夢だからこそ余計に美しくなるのであればそれはそれでよいではないか?アレンの気持ちの良い恋愛肯定には、毎度微笑ましくなる。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-07 23:09:21)《改行有》

119.  欲望という名の電車(1951) 《ネタバレ》 この映画を初めて観たのは、まだ小学生か中学生の頃で、当然ながら隠喩的な表現などはよく理解できなかった。しかし、うまく説明できないが、当時から大きな魅力をこの作品に対して感じていた。登場人物たちの性格描写がとても鮮やかで、そこに惹きつけられたのだろう。時を経て、このたび改めて鑑賞したが、自分が成長して、ストーリーの背後にある欲望や醜い感情の蠢きが良く見えるようになっているだけに、鑑賞後は重い気持ちになった。 本来のラストは、ステラがスタンリーの下に戻るものだったとか。倫理的な圧力によって、ステラが「二度と戻らない」と独言するラストに変えられているが、そのつぶやきにリアリティを感じないのは私だけではないだろう。むしろ彼女にそうつぶやかせることで、更に彼女の複雑な心情が表されている。彼女は結局スタンリーの下に戻るはずだ。それを言外に表した表現の素晴らしさは賞賛に値する。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-08 02:16:14)《改行有》

120.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 2時間以上に渡る大作だが、この映画が言いたい事は「母の愛は絶対」。これだけだ。殺人犯がどうなろうが、警察の腐敗がどこまで進行していようが、アンジェリーナ・ジョリー演じるクリスティンには興味が無い。彼女の眼中には我が子しかない。"I want my son back!"。何度も繰り返されるこの台詞がこれほど強烈に胸に響くとは思わなかった。彼女は我が子を見つける助けになる者には協力し、それを妨げる者とは激しく争う。我が子のためなら、母親は鬼神にもなると言うが、それをリアルに演じきったアンジェリーナ・ジョリーの演技は見事だ。僅かな望みを追いかけ、只管に目的へと邁進する彼女の姿を「女」と警部は嗤うが、愛に生きる者とはそうあって当然ではないのか?最近観た「ナイロビの蜂」は恋愛の極致を描いているが、この映画には「母の愛」の真髄を見せられた。 映画のつくりだが、視点が定まっている映画だけに、安定感があり、まさに良い映画のお手本のような仕上がりとなっている。ある意味で、面白みに欠けるという評があるのは納得だが、映画館に観に行くコストを考えるとこの安定感は有り難いのも事実だ。もう少し、愛の利己性とそれが周囲に与える影響みたいな部分に焦点を当てても面白かったかもしれないが、監督がこの映画で伝えたいのはそこではないのだろうから仕方が無い。 ラストで「希望」と答えて笑うクリスティンの表情にはやられた。決して諦めない。何と尊いことか。[映画館(字幕)] 8点(2009-03-02 00:00:50)《改行有》

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