みんなのシネマレビュー |
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101. ミリオンダラー・ベイビー 尊厳とは、生を戦うのではなく、生に対して戦うもの。 それは時に人の尊厳を傷つけ、人の尊厳をやわらげ、 癒やし壊す。 自他の尊厳の創生破壊を繰り返すうちに自分の尊厳が達せられ、 生に打ち勝ち、死に臨む。 ミリオンダラー・ベイビーをあえて35歳の誕生日に見て、 思うところは多くなくシンプルだった。 尊厳の貫き方、ほんの一瞬訪れるその時の生のために戦いつづけることだと。[ビデオ(字幕)] 9点(2018-06-07 23:40:43)《改行有》 102. ソウ ザ・ファイナル 3D 1 を慈しむ作品。 ジグソウの生還者だ、という嘘をつくやつを 本当に嵌める、 ジグソウの協働者を殺す、 途中、本物のジグソウが出てきて、 意味深な台詞をまわすも、 特に起きる惨劇には関係なし。 悲惨のパレードがただ繰り返されて終わる、 テキサス・チェーンソーの方がまだスプラッターしてる感じ。[インターネット(字幕)] 3点(2018-06-04 17:44:18)《改行有》 103. 手紙は憶えている じいちゃんが銃口をじいちゃんに向ける、 と書いてしまえば荒唐無稽な感があるが、 そこにナチと収容所の思い出に関する復讐が絡み、 緊張感を終始程よく保っている。 誰に復讐すべきなのか、 じいちゃんの家族を失わせたのは誰なのか。 一人一人、可能性をつぶしていき、 最後に辿り着いた相手への詰問、 そして自己逆襲。 保たれた緊張感が、最後の悲哀で爆発する、 楽しく、そしてワクワクしながら観ることができました。[インターネット(字幕)] 8点(2018-06-04 17:41:01)《改行有》 104. ガール・オン・ザ・トレイン 酩酊状態の記憶なんてあやふやな物。 という訳でも実はなく、 しまいこんでいる記憶がただ取り出せない、ものである。 (お酒大好き人間より) 記憶が取り出せないために、 元夫と、その隣人と、何があったのか思い出せない。 自分が何か罪を犯したのではないか、と不安に駆られ、 ただただ元関係者を案じ、自分を正当化する。 罪に関しては、主人公がくさすぎるために、 ミステリーとしての緊迫感はないが、 「電車という日常に揺られながら見る」 そんな始まりが、魅力的に映った。[インターネット(字幕)] 6点(2018-06-04 17:35:08)(良:1票) 《改行有》 105. オブリビオン(2013) 開始早々、なんとなーく、これは人間がテキだな。 なんて思わせるのが凄いのか凄くないのか。 ドローンはもはやSFではないけれど、 ちょっぱやで移動するシーンには未来を感じさせられつつ、 俺は攻撃するな、というルンバに言い聞かせるような台詞がやすい。 結局、大量のトム・クルーズが攻め込んでくる訳だけども、 「映画」に期待するのはやはり、その前、その後の展開な訳で。[インターネット(字幕)] 5点(2018-06-04 17:27:15)《改行有》 106. 特捜部Q 檻の中の女 好きです。 犯人の動機が、個人的には釈然とはしないものの、 すでに片付けられた事件を、 左遷された過去記事整理部署のメンバーが 必死になって追う姿が良い。 映画をみていると、よく「大局的な」視野で見てしまいたくなるが、 たった1人の命の行方を真剣に考えるのって、 当たり前のことなんだよなぁと。[インターネット(字幕)] 7点(2018-05-23 21:33:35)《改行有》 107. リンカーン弁護士 面白い。 主人公のちゃらけた感じが、 事件の複雑さを良い意味で間延びさせている。 いわゆる「できる」弁護士が、 しかし、無罪の被疑者を有罪としてしまう怖さを抱えながら、 極悪な嘘をつける被疑者の弁護を担当する。 2度、登場する荒くれ者との絡みも良い味を出しており、 自分が信じきれるところまで、調査をし、 その結果ですよ、という見せ方がとても楽しめた。[インターネット(字幕)] 7点(2018-05-23 21:28:42)(良:1票) 《改行有》 108. 黄金のアデーレ 名画の帰還 細やかな出来事を大きく捉えた物語。 ノンフィクションの醍醐味。 細やかとはいうものの、 国を相手取って争いにいたるまでの葛藤は なかなかの迫力がある。 この事件を担当するランドル・シェーンベルクが、 なぜ入れ込んだのか、そこの描写が足りないかな。 金でも名誉でもない、 奪われた、大切な思い出、 ただ家族との思い出を取り戻したい、 それを協業できるように描かれていれば、 もっと感情移入できたかもしれない。[インターネット(字幕)] 7点(2018-05-23 21:24:11)《改行有》 109. エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE エンドが良い。 良いというのが不謹慎なら、 エンドがリアルである。 腐っていると大多数が思うも、 それを覆すことは、たった一人のエリート、偉大なる一人でも 不可能である。 しかし、風穴のような小さな違和感を腐ったシステムにあけ、 システムにより傷つけられた息子の復活に立ち会う。 どうしても直らない、しかし長い歴史を鑑みるのと同じ感覚で、 遠い未来に少し触れることが出来たような、 絶望と失望と、それでも捨てられないsaga。[インターネット(字幕)] 9点(2018-04-27 23:42:03)《改行有》 110. エスター 《ネタバレ》 何に驚いてもよいし、 何に悲しんでもよい。 そのまま自分の歳として生きるのを捨てて 子どもとして、養子として 生きていく道を選んだこと。 その道を選び、 いつしか自分も「普通の」幸せを得られると 夢見て、残虐な行為もいとわないこと。 誰が悪いか、を考えようとするとパッと思いつくかもしれないが、 誰が不幸せか、を考えようとすると、感慨深い映画。[インターネット(字幕)] 8点(2018-04-27 23:33:37)《改行有》 111. デイ・オブ・ザ・デッド いつからかゾンビは高速で走り回るようになり、知恵も得た。 (この映画はそもそもゾンビ、じゃないのかもしれないけど) 母親、仲間のバド、なんとなく思い出を残しそうで、 残しきれない。 ゾンビは先述通り、走ってくるから所謂おそろしさはなく、 ジェットコースター。 C級ホラー映画って感じ?[インターネット(字幕)] 4点(2018-04-22 21:45:41)《改行有》 112. マンチェスター・バイ・ザ・シー 過去への負い目、ともなう現在の無関心。 なぜ彼が不器用といえるほどに人との関わりに消極的なのかが、 過去のシーンとして、一コマ、一コマ、描かれていく、まるで現在と直結しているかのように。 言うなれば泣きっ面に蜂で、自身の辛い過去に、 身内の死が追い打ちをかけてしまうことで、 義務的な甥の保護という立場にたたされ、 徐々に使命感をもって行動するような変化がみてとれる。 それを見た元妻が「あなたの責任ではない」「あなたを愛している」というが、 伝えるタイミングがあまりにも違った。 大切なものを、些細なミス(犯罪ではない、と警察はいっている)で失った後、 自身、そして周囲(自身にとっての周囲)に一番の選択肢を選ぼうとする。 そして、そんな振り回される主人公の甥は、 振り回されるにはまだあまりにも若い。 静かなる映画だが、シーンすべてにくっきりとした色がついている。 そんな作品。[インターネット(字幕)] 7点(2018-04-22 21:43:03)《改行有》 113. 愛を読むひと 序盤のエロなシーンと、 中盤以降の正義を確かめるシーン。 ギャップは凄いが、序盤から中盤以降への繋がりは胸をうつ。 読めない。 だから読んでもらう、 徹底してそのシーンを喜怒哀楽交えながら描かれた後に、 急に時が飛び、初めての女がアウシュビッツの悲劇に関わっており、 それを傍聴するという機会に遭遇する主人公。 罪と恥と、それらは尊厳として 映画のラストへと見事に結びつけられていると思う。[インターネット(字幕)] 8点(2018-04-21 20:34:12)《改行有》 114. ケープタウン(2013) 血で血を洗う。 表現としてはいささか綺麗なイタリアンマフィアのその法則を、 えげつない描写でこの映画は説いた。 特筆すべきは映画内の大抵の犠牲者が「事件に直接的な関与をしていない」ことだ。 事件の操作にすこし、関わっただけで死に至らしめられる、ころされる。 非情な街なかに、むしろオーランド・ブルームのような 直情的な人間が魅力的に写る。 母親をころされた瞬間から修羅となってしまった、アリ。 それは周囲からとめることは出来ず、 街の混迷は当面のあいだ収まらないことを示唆している。[インターネット(字幕)] 7点(2018-04-21 20:30:48)(良:1票) 《改行有》 115. ルーム 狭い狭い、1部屋から始まる物語。 リングは無限大だ(キン肉マン) 自分探しの旅(を渇望する人々) 引きこもり(部屋にいきる人) 脱出し、初めてセカイを見たジャックは戸惑い、 いつもの部屋に帰りたいという。 徐々に、世界と触れ合う機会を増やし、 母親と一緒に「なんでも挑戦するように」していった。 そこには当たり前とされるような幸せがある。 目を向ければ、きっとそこには当たり前の幸せがある。 スマートフォンという狭い文字列から世界をみるか、 歩く中で自分が全心身で触れ合う世界をかんじるか。 親の「子どもを大切にしたい」「当たり前の子どもの楽しみを与えたい」 そのためにとった行動に対する苦悩と、容赦ないインタビュー。 今後の幸せを少しにおわせながらも、 実は本当の(幸せな?)苦悩はこれからだ、と諭すような終わり方。 自分なら、部屋の中で生活し日々当たり前のことから 新しいことを発見することを選んでしまうかもしれない。[インターネット(字幕)] 7点(2018-04-19 14:19:07)《改行有》 116. 遊星からの物体X これが1982年の作品か、というほどに、 グロテスクさは目を背けたくなり、 緊迫感には鼓動が速くなる。 北極という、生命の感覚をあまり感じない場所だけに、 異常な生命が出現し、 しかも侵食してくるとなると、 不信感による緊張はひとしお。 血が逃げる、という描写はちょっぴりクスっとしてしまった。[インターネット(字幕)] 8点(2018-04-13 21:32:53)《改行有》 117. アルゴ 切迫した状況が常に、それもメリハリの効いた描かれ方がなされ、 緊張感が物凄い。 映画のロケハンです、だなんて大使館人質立て籠りの状況でそんなのあり得るか? と思いつつ、ありえない状況を映画にしてきた歴史があっての大演出ですね。 救出に回った側、される側、ともに極限状況で 「演じなければいけない」ことを強要され、 とにもかくにも成功させた。 空港での絵コンテのシーンで心が解かれたのが、 疑う側も、「疑わしきは罰せよ」を超えて こんな映画をつくるのか楽しみだな、という表情になったこと。 バカバカしさや有り得なさを常々追求していたことが吉と出た、 逆羊飼い物語といっても良いかもしれない。[インターネット(字幕)] 8点(2018-04-11 23:01:08)《改行有》 118. フレディVSジェイソン こういう"夢の対決/共演" みたいなの、好きなんですよね。 古くからいえばパーマンとハットリくん、 最近ではルパンとコナン(アニメばっかりですが)。 では実写の"夢の対決"である今作はどうか、 フレディが自分の力を取り戻すためにジェイソンで恐怖を煽り復活していく、 フレディにより、ジェイソンにより殺されていく人々の混乱、 制御不可能となったジェイソンとフレディの対決、 と、よくまとまっていて楽しめました。 最後はご都合主義な感もありますが、ご愛嬌。 夢の対決、それが大切なんです。[インターネット(字幕)] 6点(2018-04-11 10:34:33)《改行有》 119. サベージ・キラー - 攫われ侵された耳の不自由な女の子の憎悪と無念 - 長い年月迫害を受けてきた小さな民族の恨み 2つの復讐が1つのかなしい身体に宿って、 緊張感ある殺人がおこなわれる。 バーので振り返った際に女の子が立っているホラー感はしっかりしているし、 壊れゆく身体をグロテスクに操作するシーンも見応えがある。 彼氏の女の子を守りたい、という一心でひた走るシーンは心をうつも、 やはり最後はあまりにもかなしい一幕。[インターネット(字幕)] 7点(2018-04-09 18:16:38)(良:1票) 《改行有》 120. セルラー 携帯電話一本というか細い手段が効果的に使われている。 壊れる、電波が途切れる、音が聞こえないなどなど さまざまな携帯電話ならでは、の窮地をハラハラさせる描写。 「誰かにつながれ」 というポケベルな時代の"楽しみ"がそのまま"悲壮・切迫感"に 変換されたような、 デジタル過渡期ならではのサスペンスと思います。[インターネット(字幕)] 6点(2018-04-09 18:11:21)《改行有》
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