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101. スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 往年のファンには少々辛い内容かもしれない 前作のハン・ソロに比べても本作のルーク・スカイウォーカーの扱いは大胆な試みである ともすればキャラ改悪と騒がれかねない 時間経過に伴う自然な変化と受け取るのは、いかにこれが公式といえども製作陣が代わった関係もあって思い入れが強いほど難しいだろう 自分は、それほどにはルークの性格や立ち位置など理想が無いのでこのくらい時間経過を感じさせてくれる方が個人的には面白いし、 それをいうならむしろ帝国の逆襲時のポジション発覚のほうがよっぽど呆れるシロモノだった スターウォーズというのだから、スパイのような人探しなどは、あまり観たくはない 敵から攻撃を受けてる真っ最中に船を離れるなどというあり得ん展開をしてまで、そんなシーンを入れることは無いと思う 普通の神経なら、行って帰ってくるまでに味方艦隊は全滅してると考えるだろう レイの敵船への送り込み方も雑過ぎる。あんな場所にハイパースペースを出たり入ったりできたら世話はない あと、準光速ミサイルのような攻撃方法を体当たりで見せるのも、バランスが壊れるのでよしたほうがいい。タブーとすべき だが、ほかの部分は前作より、だいぶ良くなっている ルークのギャグや、落ちも嫌いじゃない アイロンはカメラが切り替わったときイマジナリーラインが変わったのが自分のような素人に易しくないなと思った[ブルーレイ(吹替)] 5点(2019-08-24 21:41:08)(良:1票) 《改行有》 102. スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 この内容がスターウォーズのテーマパークなら遊んで楽しい感じ。 あるいは、スターウォーズ温泉に浸かって、いい湯加減でしたって感想。 新作映画、あるいは続編としてはあまりポジティヴな感想がつけられない 今回はリブートするための橋渡しで、過去作のおさらいをした、正直既視感しかない退屈映画だった リメイク風にしてしまおうという気持ちになるのは3作毎の時間が空きすぎているせいもあるだろうが エピソード7がエピソード4・5のリメイク風とは。連作とナンバリングについての認識を改める必要を感じた 過去作の再現にこだわりがあり、映像技術の進歩を最低限にとどめている。32年前の流れを継承しようという試みらしい 32年前なら、こういう話にはなってないだろうけれど。 個別に見るとアクションがあんまうまくない。ブラスターを走って避けて、ブラスターを遮蔽物で避ける お約束だからやらないわけにもいかないが、剣劇もあんまうまくなくて長ったらしい。 スポーツのようなそれは時代劇とは全く違って相手を殺す結末が得られないのも悪い意味で予想通りの展開。 一度立ち合ったなら、どちらかは死なすものだ。シナリオ上殺せないなら、一対一のシチュエーションはおあずけにしてほしい 西部劇だって、1対1の決闘でお互いに怪我をして引き分けバイバイなんて誰も観たくないでしょう? 最初から決着をつける気がない決闘シーンは、演出も芝居も一段格が落ちる。地面が裂けるから決着つかずとか、ないですよ~ 山場のフリをするのはよしていただきたいのだ。 でも、ハリソンフォードもマークハミルもキャリーフィッシャーも出演してくれました レイ、フィン、ダメロン、カイロレンそれなりに立った新キャラが出てきました キャラクターを売りにします!スターウォーズですから! キャラの掛け合い漫才もいいが、舞台をもっと独創的にしてほしい[ブルーレイ(吹替)] 4点(2019-08-24 14:51:21)《改行有》 103. カポーティ 《ネタバレ》 面白いという言葉を使うのはふさわしくない種類の映画なので 同じ意味のつもりで別の言葉でいいかえよう。見応えのある映画だった 自分はこの映画を見る前にカポーティ原作映画作品「冷血」を2タイプ観ていたが、 それらよりも本作は、より見応えがあった フィリップ・シーモア・ホフマンってすごいし、ずるい カポーティが大事なところでことごとく嘘をつくのだが 最後の最後泣きながら嘘をつきとおす姿を見ていたらこちらも激しく心が揺さぶられた 嘘か本当かなんてどうでもよくなってしまった この感情は言語化できない[DVD(吹替)] 7点(2019-08-24 02:05:12)《改行有》 104. バニー・レークは行方不明 《ネタバレ》 話のあらすじをほぼ全て把握した状態で鑑賞した 当然驚きはなかったが、面白い映画だった 導入で子供の姿を一切見せないのはシナリオ上絶対に必要な隠蔽で、 こういう手順を守れてない映画が昨今多い気がする 犯人の幼児化。関根勤はこれを参考にしたんじゃないか?怪しい演技で最高だ こんなあぶない兄弟がいるのになぜわざわざイギリスにやってきたのか アンさえ来なければ、スティーブンも狂わずに生きて行けたかもしれないじゃん やっぱりアンも少しおかしい部分はあったのかもしれないね[DVD(字幕)] 7点(2019-08-23 02:16:08)《改行有》 105. ロープ 《ネタバレ》 中途半端な感が否めない。 開始10分でこれは舞台劇だなとわかった。会話が多いからわかる。つまり、このセットから飛び出すことは無いだろうと。 わかっちゃいるけどガッカリした ワンカットっぽく繋いでいる。舞台劇だから可能な平凡な長まわしであまり感心できないし後半は普通にカットが切りかわっていた箇所もあった 背中アップの黒味などで繋ぐならその手法で最後まで全うしてくれよといいたい それともそこだけ普通にカットが切り替わったのはなにか意味があるのかな? モデルとなった二人組の実際の事件は相当センセーショナルだったようですが この映画はハラハラもドキドキもできなかった[ブルーレイ(吹替)] 3点(2019-08-22 01:49:55)《改行有》 106. 疑惑の影(1943) 《ネタバレ》 中盤まで落ち着かない。視点が最初はチャーリー叔父側から始まり、善人ではなさそうな情報が画面に小出しにされ、 台詞さえもなにかをしでかして追われていることを示唆する。その一癖ありそうな男が何事かを思い立ち、かたぎの姉を訪問・・ん?どういう話だ? 実は罪を明かさないまま匿ってもらうために久しぶりに会いたくなったなどと理由を付けて姉を頼ったのだが、 姪に当たるチャーリー(美女)から特に大歓迎される。倦怠を吹き飛ばしてくれる、頼もしい人と思われているらしい。 チャー叔父がよろよろと客車を降りるのは汽車の中であまり顔を見られたくないので仮病で臥せっていた芝居の続きである。 怪しさ満点というか、完全に黒だ。だが姪チャーリーは疑惑などは感じていない このあたりは、視点が叔父と姪とで行ったり来たりする。落ち着かない理由はこの辺りにあるか。 途中まで姪は指輪のイニシャルと新聞の件で何か変だなと思ってもいいところも、叔父を慕い続けている。疑惑の影という感じはない それが突然、フィラデルフィアから叔父を追ってきた刑事2人によってこの話はインターセプトされ、姪は慕うどころではなくなる。 ここが凄く残念だった。心情的には信から疑へ、頭の良い姪チャーリーが少しづつ気が付き疑惑を深めていく構成であってほしかった。 それも普通過ぎるといえば普通過ぎるが、そうでなくても刑事が介入してくるカードはラストまで取っておいてほしかった なぜなら叔父が犯罪者であることは観客側には周知であったのだから、黒だということを突然告げられても姪が受けたようなショックは無いのだ ここで登場人物が少し遠くなった。気持ちのシンクロができないので、一歩引いて眺めるしかできない なにをやったか、の部分だけかな。ああ、銀行に来た未亡人にお世辞をつかっていたのもその伏線か、とは思ったけれどそこは肝ではないな サスペンスとしてはちょっと惜しい造り[ブルーレイ(吹替)] 4点(2019-08-21 04:04:34)《改行有》 107. めまい(1958) 《ネタバレ》 最後まで見てしまうと話が散らかってしまったかな・・・。 サスペンスはもういっぱい作って神格化されている監督。辻褄合わせはおざなりになりがち 既定路線のどんでん返しを喰らわせてからの意外な妄執展開で締めくくったか そう思わせての元刑事の真相究明行動であったか 個人的にはおかずが増えて味が濁ってしまったと感じたが・・ めまいというタイトルが如実な心情の感あり 撮影方法で当時の新技を開発したらしい あいかわらずいい画作りをする 批評家が選ぶ世界の名作一位の映画というのはまあ・・そういうところも含めていいんじゃないでしょうか[ブルーレイ(吹替)] 5点(2019-08-20 03:13:42)《改行有》 108. 逃走迷路 《ネタバレ》 まず、映画としてのルック。画がいい。スタントがいい。 逃亡者という主人公の立ち位置が自然と浮かび上がらせる監視社会への批判は 戦時中の統制社会を窮屈に感じてのメッセージと受けとれるが デマが拡散しやすくなったSNS社会の現代にも丁度当てはまっている 盲目の紳士のほうが目の見える大多数の人々よりも的確に見抜くという描写そのものは割とよくありますが そういうテーマ性のある本作の描き方はスマートでかっこいいです。泣ける。 外見にハンディキャップを持っている人が、美しい心も醜い心も両方持っているというのも公平でいいですね ヒッチコックは異常性愛が出るのばっかりで苦手と思っているなら、普通に楽しめる映画もあるということでオススメ。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-08-20 02:53:58)《改行有》 109. カメラを止めるな! 《ネタバレ》 観る前から、前半がゾンビ映画で後半がそのメイキングということを知っていました (ただし、実際はテレビ番組でしかも生放送でした。微妙に違う情報が入っていました) 普通に面白い映画ですし、単純に撮影は努力賞モノですが 極度にネタバレを厳禁とされるのにはまた別の理由がありそうです もし仮に自分がこの構造に気付かずにアッと言わされたとしましょう そうなったら絶対それについて人と話したくなるし、共感を得るためには薦める相手にも自分と同じくアッと言わせるしかない そういう心理的メカニズムがあってのことです 個人的にはネタバレされても十分面白い映画なので(ただし、マナーとしてどんな映画もネタバレしてはなりません) 構造だけに頼ったただのびっくり箱ではなくてよかったです。ちゃんと面白い映画でした けれど、ネタバレを気にされ過ぎて構えてしまった分、メイキングのその先にもう一段階、 今までにないような仕掛けがあるのではと思っていたのでいささか肩透かしでもありました アッと驚く映画ではありません。特殊構造が生み出す笑いを味わう映画です。 当然のことながら、そこで生まれるハプニングは結局作為的なものであるので そのわちゃわちゃの連続にうんざりされる方もいると思います 映画撮影あるあるを楽しめれば吉でしょう[ブルーレイ(邦画)] 6点(2019-08-19 02:02:51)(良:1票) 《改行有》 110. ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 《ネタバレ》 アクションものとして平均点、といったところでしょうか 不当に捕まった仲間(女)を救うべく実績の巨大な退役軍人が その洞察力と体技にものをいわせて敵を斃し、問題を解決に導くという、よくある内容でした 人物が突然なにか"事"をしていたり、ファインダーがなにを捉えてるかによって それが必ず後の展開に繋がる解り易さは反面どうしても予測せざるを得ず、いざ回収される段になると白けてしまいましたね 「尾行されるのは嫌いなんでね」というジャックのセリフですが、まさか言わせないよねやめてよね?という願いもむなしく サマンサから同様なセリフで返されますが(ここあからさまに、尾行バレてんじゃねーよジャック!相手はジャック・リーチャーじゃねーんだぞ!) 同じような言い回しを使うのは普段から一緒にいる人同士の伝染ってことならわかるけど、この子は母親とも一緒に暮らしていないので かつてのジャックから母親を介して伝染したセリフというミスリードにもならず、意味のよくわからない同調だと思います もし母親がマトモな女性で、本当にジャックの落とし胤であったのなら、この反復は伏線足り得たかもしれませんが もとよりこのサマンサって子がジャックの本当の娘じゃないっていうのはジャックにも観客にもわかっているのですから(最初の説明) イメージ親子関係がイマイチのれない、ただの足かせになっていてストレスにしか感じませんでした もう少し現実味のある関係性を設定してくれていたらと。 ぶっちゃけ24か96時間みたいで最後はカリオストロの城がよぎりました。どうでもいいですが[インターネット(吹替)] 5点(2019-08-18 02:31:19)《改行有》 111. わたしを離さないで 《ネタバレ》 ショート・ショートを青春ドラマで仕立てた感じか 生への執着は希薄というわけではないが、人権を知らずに育ち、ただ終了を待つばかりな従順かつ無力な登場人物ばかりなのが哀しい 逃亡するもかなわず帰ってくるとかいうことすらない。人生を勝ち取る戦いを始めたりはしないのだ 最後のあまりにも当たり前で今更それ言う?って感じの「普通の人たちと私たちとの違いがわからない・・・」というモノローグ。 本当に受け身で生きてきて、最後にやっとそういう考え方にたどり着いたんだとしたら、もしかしたらこれから闘争が始まるのかもしれないね 現在ここまで人類は非道ではないと思うので、そのあたり少し昔の年代のIFストーリーという設定を受け容れられるかどうか あり得そうもないこの世界設定だが、余計なことを考えずに単純に悲しい気分に浸れるかどうか そういう疑問をやわらげるような緻密さというか、世界観の描写は乏しいといわざるを得ない 出入口に認証装置があって管理されてる風ではあったが、それだけではあまりにチープすぎる 臓器提供による医療の進歩があるならそれで世界はどう変わるのかを作り込む発想もお金もないんだろうか 著名人がいつまでも生きているとか、権力者は死なないために力を奮うその影響とか歪が生まれてしかるべき 残念ながら話の流れで不自然に感じたところもあった おそらく、誰の目にも「画廊の件、どうしてそういう発想になるの?」と首をかしげること請け合いかと[ブルーレイ(吹替)] 5点(2019-08-13 01:36:58)《改行有》 112. 炎628 《ネタバレ》 ラスト付近にあるアーカイブ映像は痛ましく正視に耐えないものも含まれるがその時間は短い 制作された年代ならば日本のテレビにもかけられただろうがショックを受ける可能性がある 単に戦争の恐ろしさを伝えることが目的ならこういった実際の映像を延々と見せれば済む だがこの映画はただのメッセージ性にとどまらない 映像・音声共に演出技術点が高い佳作だろう 脚本家の実際の体験を基にしたときく 実際に家を家族を隣人を焼かれたものにしか表現できない臨場感がある 牛の死に様などやりすぎな感もある。バランスは難しい[ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-08-11 15:28:15)《改行有》 113. フライト・ゲーム 《ネタバレ》 都合がいい展開を楽しめないと厳しい 犯人は、いったいどうしてこんなにもリーアム・ニーソンを手玉にとれるんだろうという興味が大半だったと思うんです どう仕込めば一見偶然に思える事象をコントロールできるのかという部分の種明かしが残念ながら不明瞭です 被害者の殺害方法、大胆にも時刻まで限定して予告し、監視が厳しくなる中誰にも知られずにどうやってという部分がです 答えがあるとすれば、それは運が良かったから たまたま誰も見てなかったとかいい感じに他人が行動してくれたとかコクピットの壁にトイレからこっそり穴が開いてるとか いただけない手法の連続で、うまいこと理由をつけてごまかそうともしない (トイレってあんな所にあるもんなの?) 脱出時の「予定より2分も遅れてる」というセリフはその辺制作サイドが自認してギャグにしたんだろうと思います テロの警鐘のためテロ起こすという矛盾ありまくりな理由の一方の犯人と単なる金目当てのもう一方の犯人 医者がいってた疑問、いずれにせよ殺すつもりならなぜすぐに爆破させないのかの回答が、 制限時間内にきっと飛行機は降下するからパラシュートで外へ逃げられるという他力本願でこれもなんだかなですが いざとなった際の犯人二人のコンセンサスもとれてない。結局仲間割れの同士討ちて・・・犯人ショボすぎ あと降下すれば撃墜するっていってた要素はしれっとなかったことにされちゃいましたね テロリストが空港でフリーパス状態になぞらえた、この辺も作り手のジョークでしょうか ジャンル映画とはこんなものだよ、とちょっと諭されてるような気分がしました 犯人とのやりとりなどチャットがHUDのように空中に浮いてくるのは見易くてよかった 上昇するときだけはダメというリーアムのキャラ設定は墜落するときには強いんだぞというジョークですかね[インターネット(吹替)] 4点(2019-08-09 02:50:52)《改行有》 114. フューリー(2014) 本物のティーガーをやっとこさ映画で観られる、月並みながらそこから興味を抱いての鑑賞 戦闘シーンは最後の戦いをのぞけばあとはどれもよかった ティーガー以外にもパンツァーファウストや白リン弾など、武器の名称を台詞に出して紹介してくれるので 戦争映画初めての人にはいいかも 逆にそれまでに何本か観てるとアレやアレなどオマージュのモザイクということもあってストーリーは既視感まみれ 登場人物の設定もあまりにも既視感強すぎて印象に残らない 将来的にどの映画の登場人物かわからなくなる恐れ大 話の流れとしてオイオイとつっこみたくなる場面もいくつかあった[インターネット(吹替)] 5点(2019-08-08 12:00:46)《改行有》 115. シャッター アイランド 《ネタバレ》 名前は幾度か目にしたことはあったのに話題に上らないタイトルだったので あまり面白くないからなのかな?という、うまいことハードルを下げてネタバレ一切なしで鑑賞できた まずアイランドという語感からホラーか陰謀モノ映画かな?と見当をつけて観始めた 精神病院という赴任先が・・・ん?となった。連邦保安官ってそんなとこ行く仕事なの?一人の患者が脱走したからって? なんか変だなと思った。こりゃ、陰謀モノだと。銃を取り上げられちゃってるし 次に気になったのがやたら夢のシーンが長くてしかも陰鬱なこと 実は意味があるシーンなんだが鑑賞時はただの演出家のスタイリッシュビジュアルごり押しの道具に感じて 「あ~夢なら時間の無駄。いい加減にしてほしい」と憤った で、みなさんご存じのあのラストまで 幻覚的なシーンはなにひとつ共感できない。もともと幻想のような映画という表現方法で見せられる幻覚は虚しい 現実的なシーンは悪くないが、名前のパズルのようなオチの為のアリバイギミックが連なるのは 辻褄がめちゃくちゃそうな精神病患者を取り扱うのに適してると思えなかった 目にしたことあるオチだが、そこに至るアプローチを楽しむジャンル映画と考えればそれ自体は減点対象にならない ラストもうひと転がりするかと思っていたのでその分少し物足りなく感じてしまったが・・。[インターネット(吹替)] 5点(2019-08-07 12:14:00)《改行有》 116. ゲット・アウト シナリオがとてもよくできている作品。こういうの、いかにも受けそうと思ったらやっぱりアカデミー脚本賞とってるんですね 監督は人種偏見を扱ってネタにするのが得意ということらしいですね。概ねブラックジョークでしょうが ただこの映画の脚本の面白さはそのブラックジョークの部分ではありませんね。筋立てとして、面白い仕掛けができている、そう思います 普通の思考回路で考えれば当然・・・というところに仕掛けがあって、先入観をうまく隠れ蓑にして意外な真実を予見させません 観客としてはしてやられた感がありますね 仕掛けが露わになったあとは普通のバイオレンス展開でラストに向かってよくあるつまらないドタバタがありますが (だからコメディという扱いなのかな?) 娯楽映画として解り易く着地してくれたのには助かったような気もいたしますね メイドさんの顔がとても印象的。怖くもあるし、哀愁もある。綺麗だとさえも思う。[インターネット(吹替)] 7点(2019-08-06 02:54:22)《改行有》 117. ウィンターズ・ボーン 《ネタバレ》 ナレーションのついてないザ・ノンフィクションて感じ 是非もなく掟に従って父を処刑したことに対して 組織に属する娘がそれを知ってか知らずか父親は、あるいは死体はどこに隠してあるのかを探ろうとしてくる。それも警察官の要請を受けて それゆえ親戚たちはあんなにも冷たいし、いざとなったら口を封じようと暴力に訴える 色々と状況を把握したうえで、娘は父がとっくに始末されたことをわかっていたのかどうか、など慮りながら振り返れば面白味が増してくる だがそれは、初見鑑賞中には無理だろう。さらにネットでの補足もある程度要ることだろう 一番ストーリーの起伏の波をもろに受けるべき、ネタバレ一切なしの初見鑑賞時に状況把握ができないのは厳しい 自分がそう ちなみにヒルビリーをちょっと教えてもらって知っている、程度の知識ではこの映画の初見の状況判断の役には立たない[ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-08-05 12:51:43)《改行有》 118. 昭和枯れすすき 自分は野村芳太郎監督作品大好きな人間ですが、タイトルの「昭和枯れすすき」という同有名歌謡に対する音楽的抵抗感プラス こういうヒット曲の映画化作品というものは「刺さらない」ジンクスがあると認識しておりますので観るのは後回しにしてきました。 その部分では、「歌謡映画は刺さらない」とする、予断イメージは今回もやはり払拭はできなかったのですが 野村監督作品の映像はやっぱり好きだなあと思う、 観る前と後、自分の中でなにも評価の針が動かないという残念な結果になってしまいました (というかもう私の頭が凝り固まってしまっているだけなのかもしれません)。 お話は・・兄と妹のインモラルまでまだ少し距離アリという関係がバックグラウンドで効果を醸しながら刑事(業種)モノが展開されていきます。 刑事であるにもかかわらず作品を通して一つの大きな事件を追うことが無い、この構成は乏しいと言わざるを得ません。 兄から妹への愛情と過保護の境界線で揺れる感じはこれまではどちらかというとヤクザ映画で目にした設定ですが (勝新の[やくざ絶唱]やTVドラマ[とんぼ]など)私個人の感想ではいささかそれも描写が薄味で(長ったらしいけど)、今一つです。 刑事か兄妹愛か(できたら両方)もっと力強いドラマが欲しかったかなと思うのですが、ラストに複合技がありますのでそこの為の設定かしら。 別な見どころとしては、なつかしい動く青ガエル(電車)やネオンサインなどの映像で昭和を耽溺できる部分はあります。多分・・ お約束のお祭りシーンも回想で出ます(影の車とおんなじような映像でしたが・・・)。 全体を通して歌の雰囲気とはかなり印象が異なります。貧しいったっていっそ死のうかというレベルでは全然ないです。 途中で言い訳がましく入る「家賃値上げに反対の署名」とか、貧しさの描写が少なすぎて可笑しい。笑いました。 歌のヒットにあやかって放つ映画の、不本意(だと思う)な大人の事情の処理の仕方として嫌いではないです。 尺は余っちゃったのかなー。犯人さんの告白あんなに事細かいなら台詞ではなく再現Vでいいんじゃねーのと思いましたです。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2018-12-23 23:15:41)《改行有》 119. 戦争のはらわた ファミリー向けに作られていないこういう映画は、万人に到底楽しめるものでないのは明らかだが 趣味に合う合わないといった部分も含めて楽しむポイントを自分で見つけられるかどうかが肝になる ストーリーを前面に押し立てて楽しんでいただこうという作り方ではないので 映像に断片として描写される事柄や雰囲気から察するバックグラウンド程度のシナリオだと思ったほうが良いかもしれない 難解ではないが、ストーリーを追ってるだけでは楽しむ間もなく2時間以上、気が付けば終わってしまうという場合もある サム・ペキンパー作品はいつも暴力とエロスのショットが秀逸なのでそれだけで「なんかすごいの観た!」 って気にさせられてしまうし、この作品もそれはよかったし、そういうの嫌いな人は最初から手に取るべきではない 自分の場合、全体としてはまだペキンパー作品を絶賛できるほどにはのめりこめていないのが正直なところ 映画の見方がわかっていないといわれても仕方がないかな・・・ ジェームズ・コバーンの顔が好きなので眠ってしまうことだけはかろうじて防げました つまらないわけではないが、おもしろくもなかった[ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-11-26 05:16:09)《改行有》 120. シン・ゴジラ 《ネタバレ》 現代日本に本当に未知の大怪獣が現れたら政府はどうするのか まるでシミュレーションのような序盤の構成が無理なく映画に集中させてくれる 大怪獣であるゴジラの魅力を引き出すのにはソレが一番だ なにももう一体あり得ないような生物を登場させて戦わせる必要はそもそもない 政府対ゴジラ…ニッポン対ゴジラのコピーが指し示すその構図はありがちかとは思ったが 今までは意外と市井の人か、マスコミ、研究者などが主人公だったことを考えると 自然なカタチにようやく成ったともいえる (軍人が主役にならないのは自衛隊という組織の微妙な立場を慮ってだろう) ゴジラの設定をかなりアレンジしたことで ゴジラとはこういうものだと知っている我々の予想を逆手にとって 退屈させないつくりになっていた そういうアプローチもあるのかなるほど 意外にも設定アレンジにガッカリしない 庵野さんが監督だから、そういう目になった これはシン・ゴジラだからいいんだよとなった 一部コメディーリリーフのようなポイントに立つ人物がいて (構成上の、であってその人は設定上ギャグのつもりはないはずが) 失笑を買うタイプが本当にネタでいってるように見えたのが残念 その都度、まさに劇を見させられている感覚に陥り、ムードが台無しになることがあった 引っかかることを自然の内に見せる演技力が不足してますね 主要人物にもっと事態に対する緊迫感が欲しい 会議室/作戦室の中にいる面々にそれを望むのはフィクションに過ぎるかもしれないし、 努めて冷静にふるまってるのだろうということはわかる だが、語気を荒げて緊迫感を煽るベタなノリこそ、この映画には足りない やっているかもしれないが、あまり伝わってこなかった 発狂するかのように怒鳴って凍りつかせる”監督のいつもの”演出をして欲しいわけではない 普段は温度低めで、ハイテンションポイントを絞って効果を挙げるやりかたは怪獣映画とは合わないので。 怪獣映画はしょっちゅうドキドキしているほうが良い 画面で起こっている凄い出来事に比例する熱さをキャスト(とりわけ主要人物)に求めたい なぜ全員セリフ棒読みなのか?演技の向上を強く望む しかし今日日、劇映画で一部であろうがドキドキできただけでもたいしたものだと思ってる自分もある キャストは淡々として見えてても、こちらが緊張していることでできた結果の温度差ならいいじゃないかと 惰性のように続いたゴジラのシリーズとは一線を画しているし 特撮愛好者が作った超豪華なファンムービーという匂いが 鉄板の商用映画とは良くも悪くも異なる印象を放ってもの珍しかったといえる[ブルーレイ(邦画)] 5点(2017-04-22 05:41:43)(良:1票) 《改行有》
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