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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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101.  月光仮面(1958) どうせショボい作品なんだろうと思って観てみたらこれが結構楽しめました。ヒーローもののフォーマットが定まる前の作品なのでいろいろ新鮮です。お婆さんの悪役なんてそういえば最近の作品で見ることなんてあまりないですね、昔話では悪い年老いた魔女なんてよく出てくるもんですがその過渡期という意味で貴重かもしれません。テレビ版は見たことがないので月光仮面の正体が誰なのかよくわからないのもある意味お得だったかもしれません(笑)。月をバックに登場するシーンは素直にかっこいいですね。日本映画黄金時代の作品ですのでこんな子供向け作品でも機関車とのチェイスやらヘリコプター飛ばすやら結構大がかりな撮影もやっています。科学者が危険な兵器を生み出してしまったのでそれが悪人に利用され恐ろしいことに使われやしないかというお話はちょっと褒めすぎかもしれませんがテーマ的にはそれこそ初代ゴジラと変わらない。まあこういう連続活劇っていかに次回に引っ張るかがキモですのでまともにテーマが処理できるわけではないのですが、昭和の漫画や特撮が好きなら一見の価値ありかもです。[インターネット(邦画)] 6点(2023-03-14 23:32:17)

102.  フェイブルマンズ 映画愛などほとんど語られないのはいいことです、偉大な映画史などという大風呂敷を広げず、あくまで個人の実体験をベースに描いている慎ましさはこの映画の美点です。理想的な昔の家族や学校生活という描き方でもなく登場人物はみな弱さを持った人間として描き、安易なノスタルジーや一方的な断罪に陥らないバランス感覚も持ち合わせている。悪い映画ではないのですが、かといって斬新な視点もありません。結局は老人の昔話といえばそれまでです。自身を史上最高の映画監督の薫陶を受けた存在として描けるのはスティーヴン・スピルバーグの特権ではありますが、地平線がどうのこうのというアドバイスが現代において何らかの意味があるとも思えません。個人的な体験の域から出ていないのはこの映画の弱点でもあります。撮影はいつも通りのヤヌス・カミンスキーだなあとややうんざりしました。初心に戻るような内容ですのでキャストだけでなくスタッフも新鮮な顔触れを用意するぐらいでちょうどよかったのではないでしょうか。[映画館(字幕)] 6点(2023-03-12 22:49:02)

103.  キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、この三人の座組もいい加減見飽きてしまい新鮮味がないですね。演技も終始顰めっ面をしているだけでワンパターンです。レオナルド・ディカプリオについては中年太りもひどいですし、いい加減ハンサムで女を魅了できる人物を演じられる年齢じゃないって気づいてほしいです。史実ではアーネスト・バークハートはモリーと結婚した時にはまだ20代みたいです、どうりで違和感があります。一方モリー役の女優リリー・グラッドストーンは落ち着いてリラックスした演技をしており良かったと思いますので、惰性ではない新機軸のキャスティングがもう少し欲しかったところです。内容は歴史劇や犯罪ドラマというより夫婦の物語が中心になっていますね。インディアン側の主要人物が女性、白人側は男性という風に分かれていることもあり人種間の対立というより家庭内の不和のような狭い領域の問題に感じてしまいます。そのため上映時間が長い割にずいぶん地味でスケールが小さいと思ってしまいました。尺が長いのは単に情報が整理できていないだけではないでしょうか。この映画で描かれた史実の面白いところって白人が常にインディアンより優位な立場にあるわけではないという視点を与えてくれることにあると思います。モリーがアーネストと最初に夕食を共にするシーン、そしてラストの二人の会話は緊張感があって良いです。この二つのシーンでは白人よりインディアンの方が優位に立っているからです。しかしアーネストとモリーが結婚していざ事件が起きていくと完全に白人側が優位になってしまい、インディアンは脅えるだけで物語も白人側にイニシアチブが移ってしまうので退屈なのです。[映画館(字幕)] 5点(2023-11-05 22:36:20)

104.  天国にちがいない 現代のチャップリンと評されるパレスチナ人監督という触れ込みで興味を持ち見てみたのですが、そんな親しみやすいものでもなくメタファーを多用するだいぶ難解な映画です。チャップリンっぽいのは主人公を監督自身が演じていることとその主人公がほとんど台詞を喋らないところぐらいです。パリの街中で戦車が走るシーン等を見る限り特にリアリズムを基調しているわけでもなく、ロイ・アンダーソンのような風刺要素の強いオフビートコメディを目指しているのでしょうか。コメディ映画は国境を越えにくいものですが、これも文化が違うと痛感させられるタイプの映画です。特にイスラエルのナザレの場面では私が不勉強なのも悪いのですが、この間は笑わせるためのものなのか、今いる場所や登場人物はどういう立場や階級なのか、特に説明もされないのでピンとこない状態でただ眺めることしかできないです。例えば主人公は隣人よと周りの人間から呼びかけられるわけですが、これがどういう距離感の人物に向けた言い方なのかよくわからないわけです。ただ舞台がパリに移って以降はなんとなく理解できる場面が増えて楽しむことはできました。水をくれと言う路上生活者のシーンや映画にパレスチナ色が薄いとプロデューサーからケチをつけられる場面の皮肉は笑えましたし、小鳥が部屋に迷い込む場面もかわいらしくて良かったです。この小鳥もキリスト教関係のメタファーな気がしますが、真剣に読み解く気になるほど作品としての力を映画全体からは感じませんでした。結局内容は海外旅行に行ってやっぱり地元が良いと自己満足するだけの話のような気もします。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-04 17:57:26)

105.  セリ・ノワール 映画化の過程で劇中の舞台がアメリカからフランスへと移されているのですが、まあフランス映画だからそうなったというだけで何か特別な意味はありませんね。原作は主人公の異常な心理描写が肝となる小説なので、映画化の際にはそれを映像へと移し替える必要があるわけですがそういった工夫が感じられるのは冒頭の小雨が降る荒地の場面が主人公の陰鬱で荒涼とした内面を表現しているぐらいでしょうか。撮影や美術はよくできているのですが、原作だって主人公の異常な心理描写がなければ男性に都合のいい女性観の古臭い物語なのでそのまま映像化されるだけではちょっとつらいですね。公開当時なら評価されたのかもしれませんが今更見る程の作品ではありませんでした。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-03 22:27:51)

106.  野獣死すべし(1980/イタリア) あのホラー映画の巨匠ルチオ・フルチが手がけたギャング映画と聞くと何かすごいゲテモノ映画が見られるんじゃないかと期待してしまうんですが、これが割と普通のギャング映画でしかなく逆にがっかりしちゃいました(笑)。冒頭のナポリの海を走るボートチェイスのシーンはいい感じで掴みはバッチリなのですが、他の映画で見られない光景はここぐらいであとはお話も主人公の復讐とギャングの抗争を描いただけのありきたりで陳腐なものです。主人公はあまり活躍しないので爽快感もないです。ゴア描写も確かに凝ってはいるんですが、今時ギャング映画ならこの程度珍しくないんじゃないかと思います。予告編のためにいくつか印象的なシーンを作ってあとは飽きない程度にテンポよく展開すればいいぐらいの軽いノリで作られた作品でしょうかね。昔のB級映画の感覚を味わう分には悪くない作品ですが、まあ今まで未公開だったのには納得です。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-02 23:32:39)

107.  ガザの美容室 あらすじからパレスチナ版この世界の片隅にのような作品かと思っていたのですが、それともまた違うテイストですね。似たような内容の映画はあまり思いつきませんしシチュエーションが特異なので興味を惹かれるところはありますが、残念ながらそれが面白さに繋がっているかというと微妙なところですね。明確な筋書きもなく女性たちがダラダラと雑談を続けるだけの内容なので普通に面白くないです。こういう日常描写を丁寧にやるタイプの作品は同じような経験をしていないと共感することも難しいですし、監督は男性みたいですので本当にこれがパレスチナの女性のリアルを反映しているのかも疑わしいところがあります。イスラエル関係はろくにピックアップされませんので今の情勢を鑑みても見る価値があると言えるのはハマスとパレスチナはイコールではないという点がわかるというところぐらいでしょうか。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-31 23:54:48)

108.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら タイトルロゴを見た時点でホラー映画のパロディを志向していることはわかります。ホラーコメディというよりはコメディmeetsホラーのような内容で、主人公二人は現実に近い感性のコメディ映画の世界の住人でヒロイン以外の大学生側は完全にホラーのノリでその二つの世界が交わるような感じに面白さがあるわけですね。ただパロディにしては人が本当にグロく死んでいく容赦のなさは気になりますね。そういう部分でも笑わせようとするアメリカンな感性に乗れるか乗れないかが評価の分かれ目になりそうです。しかしこうしてジャンルを客観的に見る機会があるとナタに斧、丸鋸にチェンソー、釘打ち機といった木材加工用の器具って映画の中で殺人鬼の武器に採用されがちなことがよくわかりますね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-25 23:31:56)

109.  ザ・クリエイター/創造者 邦題について最初はザ・クリエイター/創世者というタイトルで途中で創造者に変更になったという経緯があり、なんでなのかなーと気になっていたんですが実際に見てその理由が納得できました。ちなみに香港や台湾ではA.I. 創世者のタイトルで公開されているみたいですが、確かに日本ではこっちに合わせなきゃギャレス・エドワーズ監督に合わせる顔が無いですね(笑)。そんな監督には悪いのですが正直映画自体の出来は微妙でしたね。お話としてはAIを安易に敵とはみなさず米軍の軍事介入を批判する等、一応現代的なテーマを扱おうとはしているもののビジュアルに関しては新しいものが全くないのです。そもそも監督自身が80~90年代のSF映画に憧れ、ブレードランナーが舞台の黒澤映画をイメージしたと語ってる通り既存の映画のビジュアルに似せようとしかせず後ろ向きな努力を感じてしまいます。せっかくのオリジナル脚本のSF映画なのにオリジナリティがまるでないのは皮肉な話です。肝心のストーリー構成も場面が飛び飛びになり今主人公がどういう状況に置かれ何を目的にしているのかがよくわからないまま進むので感情移入ができません。海外のレビューでまるでAIが書いたみたいな脚本という評価を見かけたのですが、言い得て妙だと思ってしまいました(笑)。作中のAIに関しても人種や民族問題の暗喩のようで現実のAIとはあまり関係ないような描き方です。アジア=AIのような描き方はリスペクトしているようで安易なオリエンタリズムに陥ってはいないでしょうか。作中世界の技術レベルもよくわかりません。パソコンはあるみたいですがインターネットとかは発展してるのでしょうか。近年のAIの発展は膨大なネット上のデータの蓄積のおかげなのですが、機械学習にはまるで触れられません。その点に関してはミーガンの方が現代的なAI像を描けていたと思います。結局この監督はゴジラやスターウォーズのような既存コンテンツを最高にカッコいいビジュアルで映像化する能力はあるのですが、オリジナル作品を独力で構築する才能はないと思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-23 22:08:26)

110.  ひまわり(1970) これぞ戦後の名作映画って感じですね。庶民は戦争で悲惨な目に合った、男と女は熱く愛し合う、ダメな男と逞しい女、三角関係やすれ違い、ほとんど音楽はなく重要なシーンを盛り上げるためにのみ流され、海外ロケの雄大なロングショットは絵はがきのようです。それらは確かに今の映画では失われたおおらかさや風格を感じさせる要素です。しかしこんな大恋愛なんて現代人とは縁遠いものでしかないですし、男の身勝手さについてもやっぱり古臭いメロドラマでしかないと感じざるを得ません。こういうタイプの作品が成立したギリギリの時期が1970年だったのでしょう。ウクライナ侵攻に関しても有名な映画にウクライナが絡んでいたというだけで歴史について何か理解が深まるわけでもありません。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの共演作ならば1977年の特別な一日の方が現代的なテーマを扱っていると思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-21 23:38:29)

111.  MUD -マッド- 現代版スタンド・バイ・ミーという触れ込みで変に先入観を持って見たのが悪かったのかもしれませんが、正直全然違う映画じゃないかと思いますね。あちらが過ぎ去った過去の記憶を描いているのに対しこちらは現代のアメリカの田舎の現実を描いておりむしろ対照的な作品と言えます。似てるのって子役の髪型と顔つきくらいですかね。あんまり子供目線の物語というわけでもなく色々な年齢層の人物にスポットが当てられています。それも子供が危ない大人の世界を垣間見るというよりは、子供の存在が大人が悪ぶってカッコつけるための小道具として利用されてるだけのような違和感があります。まあ年上のお姉さんへの恋心だけは本物かもしれませんが、それはそれで今度は女性を一人の人格として尊重して描く気がないということでもあります。表面的には男らしいアウトローへの憧れを否定していながら結局は否定しきれていないのです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-20 23:20:26)

112.  エッセンシャル・キリング うーん、確かにジャンルがよくわからない感じは面白いかもしれません。社会派映画なのか、サバイバルアクションを見せたいのか、宗教映画なのか、はたまた実はコメディなのか、ラストは西部劇風に締めたかったのか、それも常に各ジャンルから微妙にズレているようなところがあります。どこに連れて行かれるかわからない先の読めなさが魅力ではありますが、逆に言えばどのジャンルの要素も中途半端なまま満足に味わえずに終わってしまいます。83分という短さでなければ途中で投げ出したくなるかもしれません。母乳を飲むシーンとかはさすがにウケ狙いじゃないかという気がします(笑)。設定の割に政治的要素が希薄なのですが、まあこれを見て米軍に良い印象は抱かないと思いますので一応テーマは反米なんでしょうか。台詞がないのはいいんですが主人公が何を考えているのかよくわからないのは困りますね。あのフラッシュバックは一応主人公の記憶を表しているんでしょうか。全体として無意味な空虚さを描くのが目的にしては意味を読み取れる要素が多すぎますし、逆に意味を真面目に考えるにはドラマ性や構成が緩すぎます。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-16 23:46:42)

113.  怪物はささやく CGの出来自体は良くドラマ部分から逸脱することもなく自然で、この監督がこれ以降アメリカに拠点を移して活躍していくのも納得ですが、果たしてこの内容でCGを多用する必要があったのかは疑問です。いっそ全編アニメーション映画として作るか、あるいは下手に怪物を視覚化しない方がより含蓄のある内容になった気もします。その辺は悪い意味でハリウッド的なセンスの持ち主なのかもしれません。やはり児童文学原作のためか大人が見るにはちょっと食い足りない内容かなとも思います。おとぎ話と違って現実は単純でなく複雑だなんて言われなくてもわかってますので改めて説教されても鬱陶しいだけですし、明かされる真実も別に大したことはないです。では主人公と同じぐらいの年齢の子供にはおススメかというと、暗くて難解な作りのため好んで見ることも考えにくいのが困りものですね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-15 23:56:03)

114.  火の山のマリア 映画は少女が母親の手で着飾られる場面で始まり、豚の種付けのシーンがそれに続きます。近代文明から離れた土着的な文化が残る地域での性と死の物語、あとは米国へのコンプレックスといった内容です。日本で言えば今村昌平監督の作風に近い感じですね。動物を殺すシーンがあるのも70年代辺りの作家性の強い映画を思わせます。時代背景がよくわからないのですが、ネットで見た監督のインタビューによると一応現代の話ではあるみたいです。グアテマラにはろくな映画産業もなく人材も不足している中で監督は相当苦労して映画を作り上げたらしく低い評価するのにも心が痛まなくもないのですが、舞台となる国が目新しいだけで内容にはあまり新味がないというのが正直な感想です。はっきりと社会批判がされているわけでもなく農村の長閑なムードもあってか貧困や差別の問題も大して深刻さが感じられず印象に残りません。母なる大地と女性の出産を重ねる見方もありふれたものでしかなく、どこの国でもこういう価値観や社会問題はあるんだなあという感じです。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-13 23:33:41)

115.  アイアン・ジャイアント 50年代のアメリカの風俗へのノスタルジーの側面が強く、そこを楽しめなければ単純な子供向け以上の内容ではないと思います。似たような話を何度も見たことがあるような映画です。それは日本のロボットものに限らず、たとえばギレルモ・デル・トロ監督のシェイプ・オブ・ウォーターなんかは時代設定も被ってますし、ピーター・ジャクソン監督のキング・コングやティム・バートン監督のシザーハンズあたりも近い内容かもしれません。要するにオタク系監督は同じような話ばっかり好みすぎですね。なりたい自分になれというテーマの結末があれなのはちょっとひどいと思います。その後の展開も伏線があるとはいえ都合が良すぎて冷めてしまいますね。デザインの割にロボットがハイテクすぎるのも違和感があります。[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-09 23:52:45)

116.  ワース 命の値段 こういう社会派映画がモンスターバースの脚本家マックス・ボレンスタインの手によるものであるというのには驚くと同時に悪い意味で納得してしまうところがあります。結局この映画は補償する側から語られる話でしかなく、プロパガンダとまでは言いませんが美化して描いているのではないかという疑念が生じます。個々の被害者のエピソードには印象的なものがあります。特に同性愛パートナーの補償を受けられなかった男性のそれは今の時代に取り上げる価値のあるエピソードでしょう。しかしそれでもやはり視点は主人公マイケル・キートンから動かず個人の側から見える景色は描かれず群像劇のドラマとして構成できていません。これなら劇映画ではなくドキュメンタリーで十分な内容だと思います。[DVD(字幕)] 5点(2023-10-06 23:29:06)

117.  さがす 冒頭のハンマーの意味ってただのポン・ジュノ監督の母なる証明のダンスのパクリなんですかね。伊藤蒼が胸を見せるシーンで隠しているの、あれはダメでしょう。脱げば熱演だとかそういう古臭いことを言いたいのではなくて、ここで作り手が社会の常識におもねる感覚が見えてこの映画がそういう表現に踏み込む勇気のない規制された中途半端な映画というのがはっきりしちゃってがっかりしたんですよ。子供にそんな役をやらせてはいけないならそもそもこんなシーンを脚本に入れない方がいいですし、それならAVを流すシーンだって必要ないじゃないですか。実際このシーンって全体の構成の中で何の意味があるんですか?男子が鼻血を流すという反応もリアルではなくいかにも漫画的な表現でしかないです。殺人鬼のキャラといい本当に悪い意味で漫画みたいな映画だと思います。話が進むほどリアリティが消えていきます。事前に想像していたのよりライトな作風でドライな会話の噛み合わないずれた感じは確かに面白いのですが、設定が社会派っぽいだけで作中で何らかの社会に対する批判的メッセージも示されずこれではただのエンターテインメントでしかないですね。そのおかげで題材の割りに後味は悪くないのですが、これで本気で介護や安楽死の問題を追究する気があるとは思えません。[インターネット(邦画)] 5点(2023-09-30 23:54:31)

118.  フォレスト・ガンプ/一期一会 アメリカの自画像的作品でアメリカ以外の国にアメリカとはこういう国だと解説するというよりもアメリカ人自身がアメリカってこういう国だよねって自分で納得するような内容です。アメリカの歴史上の事件や人物が多く登場しますが、主人公のキャラクターもあってかそれらに対して何らかの見解を示すこともなく終始フラットに流れてゆきます。ベトナム戦争を描いた作品としてはこれ以前の作品群で描かれた以上の新しい視点はなく全体のコミカルな調子も合わせて薄味で物足りなく感じます。走るのに何らかの意味を求めることもまた病理であるのかもしれませんが、少なくともフィクションの作り手側は最低限何らかの理由を設定すべきではないでしょうか。歴史に関する知識がなければ構築できない脚本なのにさも何も知りませんという風に振舞うのは不誠実です。これではあの時代を経験した人間が昔を懐かしんだり小ネタにクスリと笑ったりぐらいの楽しみ方しかできないと思います。もう一つ不満点をあげるとこの映画の中で周囲の人間や環境は変化するのに主人公の人格は全く変化しないことです。劇中のダン中尉(ゲイリー・シニーズ)の人生は感動的です。それは名誉の戦死を願っていた彼が生きることに意味を見出すように考え方が変化するからです。それに対しフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)の人格は初めから理想的な人間として完成しているので成長することもありません。実はこの映画って人間の変化と成長が描かれた王道のドラマとは微妙にずれた変な作りだと思うのですが、それがこれほどの大衆性を得ているのも不思議な話ではあります。[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-25 23:30:05)(良:1票)

119.  ターミナル スティーヴン・スピルバーグ監督の作品の中では地味な方なのでずっとスルーしていたのですがやっぱり今更見るほどでもない微妙な映画ですね。とにかく脚本がいまいちで人情も恋愛も社会派要素も全部関連性が弱く散漫で何について語りたい映画なのかよくわかりません。トム・ハンクスはトム・ハンクスにしか見えないのでこれで東欧の人間と言われても全然ピンと来ませんね。今なら普通に無名の東欧出身のキャストを抜擢してもおかしくなさそうです。キャリーバッグを潰しちゃうところとか言葉が通じない以前の問題で妙に言動が子供っぽいのも不自然というか偏見のようなものが見えてしまいます。ヤギの薬のくだりもこんなので納得するのでしょうか。無国籍になってしまった人間の境遇を伝えることが目的ではなく軽いコメディ映画を作るためだけにこのシチュエーションを利用してるだけのようで薄っぺらく感じます。深く考えなければ楽しめなくもないのですが、後に残るものが何もありませんでした。[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-21 23:19:50)

120.  グランツーリスモ なんというか物語にしろ演出にしろめちゃくちゃベタでわかりやすい内容ですね。舐められてる人間が世間を見返す、親子や師弟の確執、冒頭のゲームに理解のない親の言葉からしてなんて陳腐でつまらない表現なんだと思いました(笑)。東京のシークエンスではとりあえずスカイツリーと東京タワーを映しときゃいいだろうという姿勢にも笑っちゃいました。今までのニール・ブロムカンプ監督作品と異なり社会派要素は全く見られず、シミュレーターが現実を凌駕する点などテーマとして掘り下げていけば現代的で深い内容になれた可能性のある要素にも全く着目する気がないようです。でもそのおかげか車やゲームに興味がなくともとっつきやすく登場人物に共感しやすい物語になっていますし、エンターテインメントとしてはこれぐらいベタで泣けるドラマになっているのでいいんじゃないかと思います。ただレースシーンはドライバーの顔アップと走行中の車の外観、エンジンの駆動を編集でツギハギして見せるだけでこれ以外の見せ方ってないんですかね。レースの最中では直接人物のドラマが動くわけでもないので陳腐でワンパターンな表現をされると退屈なだけなんですよね。CGも多用されてリアリティも欠けていますし、日本映画のアライブフーンがCGなしのレースシーンを売りにしていたのを見るとなんだかハリウッドと役割が逆転しているようです。大して車やゲームに思い入れがあるようにも見えませんしニール・ブロムカンプ監督がこの映画を撮った動機はよくわかりませんが、第9地区からして設定が特殊なだけで物語自体は割とベタな泣けるドラマでしたし、意外とこれがこの監督の本質なのかもしれませんね。[映画館(字幕)] 5点(2023-09-16 23:44:00)(良:1票)

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