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1181.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 特に序盤に顕著なのですが、各シーンがいずれもつなぎ、つなぎ、つなぎ。なので、深みがありません。唯一の例外はお姫様の「この数日は本当に楽しかった」であり、ああそれなら、逆にお姫様視点ベースで(とはいわぬまでも、もう少し軸として絡ませた上で)構築していけばよかったんじゃないかと。その関係でも、途中で救出する百姓娘なんかは、物語に濁流を生じさせるほどのパワーを秘めていたはずなのに、そのあたりも計算を外れることを許されず封じられているのが、何とも惜しい。[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-10-14 01:56:51)

1182.  オースティン・パワーズ:デラックス 何がしたいのかさっぱり分からないし、どこが面白いのかもまったく分からない。[CS・衛星(字幕)] 1点(2018-10-13 01:18:36)

1183.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 ああもう嫌いなんですよ、こういう話。主人公側は主人公側でとにかくノーガードというか、先々のことを考えていない上に危機察知意識も薄いし、逆に突っ込みどころ満載の捜査手続や裁判手続のいい加減さも言わずもがな。大体、ラストがそうなるのは冒頭で堂々と宣言されてるし。その上で、映像とか役者の演技には妙に力があったり、台詞も最低限にきちんと刈り込まれていたりして、つい見入ってしまう質があるのにも腹が立つ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-10-12 01:16:22)

1184.  極悪レミー 《ネタバレ》 モーターヘッドのリーダーにしてヘヴィ・メタルの化身、レミー・キルミスターを追ったドキュメンタリー。●とにかく有名ミュージシャンの数々(しかも世代を問わない)が、随所でレミーを絶賛というか崇拝しており、その豪華ラインナップぶりだけで見ていて楽しくなります。中でも、メタリカに至っては、メンバー4人(と、元メンバーのニューステッド)が個々にインタビューで登場し、どんだけ好きなんだと思っていたら、おもむろにセッションのシーンになって、さらにメタリカのライブステージで一緒に"Damage Case"を演奏。そういえば、この人たちはモーターヘッドのカバー4連発の"Motorheadache"という趣向もやってたもんな。●一方で、ホークウィンドのメンバーは、この時点で35年前のレミーのホークウィンド脱退(解雇?)の件を、まるで先日のことのように憎々しげに語っていて、しかもこだわりポイントが使用ドラッグの種類とかだったりして、笑えます。ただそんな中でも、レミーは、アルコールやドラッグのことについては、ほかに悪影響が生じるとして、インタビューでも回答を拒否しています。この辺を面白おかしく語ろうと思ったらいくらでもできるのに、そういった一線をきちんと引いているところが、1つの人格の表れでもあり、後続ミュージシャンから敬意を集めるポイントでもあるのでしょう。●あとそれと、こういったドキュメンタリーでは、お約束のように「実は自分は家族が一番なんだ」が出てくるのですが、レミーはこの時点で63歳にして独身であり、そんな甘い感傷を排除するストイックさも見せつけています(子供が登場はしますが)。●というわけで、強力な素材に立ち向かい、的確に調理してみせた、音楽ドキュメンタリーの1つの模範的な形をまとめているといえます。モーターヘッドを聴いたことがない人でも、レミーという人物のファンになれる作品です。●あと、邦題が最高です。[DVD(字幕)] 7点(2018-10-11 01:26:42)

1185.  テス 冒頭、演奏と踊りの一団を延々と定点で捉える長回しのど迫力で、掴みはOK。その後も、じわじわと進んでいきながら、そして主たる登場人物は3人しかいないのに、決してダレないし、単調に陥らない。様々な風景のインパクトとか、ナスターシャ・キンスキーの凜とした美貌とかのアドバンテージはあるにしても、やはり、行き着くところは、一つ一つのステップの描写が丁寧だということでしょう(一方で、省略できるところはどんどん省略しています)。3時間クラスにふさわしい重量感ある内容を持った作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-11 01:19:42)

1186.  デイジー・ミラー ボグダノヴィッチ/シェパード/リーチマンの顔合わせとなると、どうやっても「ラスト・ショー」のイメージが頭をよぎってしまいますが、やはりそれには遠く及びませんでした。いや、登場人物のどことなく荒涼とした諦念ある空気感はあの作品に近いといえなくもないのですが、それとこの壮麗な衣装や大仰な設定は合ってないのですよ。それぞれの内面を隠してしまうかのように衣装と美術がすべてを覆ってしまい、結局は似たような単調なやりとりに陥っています。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-10-10 00:05:52)

1187.  メタリカ:真実の瞬間 《ネタバレ》 80年代から90年代まで世界を制したメタリカも、2001年にはバンドが空中分解寸前にまで行っていて、ジェイソン・ニューステッドを失う事態にもなっていた、そこからのドキュメントです。●何よりも、前半、あのウルリッヒやヘットフィールドが、スターのオーラのかけらもなく、憔悴し行き詰まった表情そのままなのに驚きます。そこで再生のためにいろいろすることになるのですが、前半の白眉は、ウルリッヒとデイヴ・ムステインの対面シーン(!)。そして、ニューステッドの新バンドの公演を見に行き、自分たちよりもよほど生き生きしているのが分かって(ついでに、ニューステッドには挨拶もできず)さらに落ち込むウルリッヒ。この2つだけでも見る価値があります。●で、どこかでがらっと前向きになるわけでもなく、じわじわと、何となく、ともかく次作の制作までたどり着きます。ロベルト・トゥルヒーヨの採用が決まったあたりで、やっと明るい光が差してきます(こうして見ると、ロベルトはまさに救いの神だったのだな)。何かドラマチックに盛り上げようとは考えず、ひたすら地道にカメラを回し続けた、ドキュメンタリーとはかくあるべきという作品です。まあ、そういう閉塞した内容がほとんどなので、見ていて楽しくなるわけではないですが。[DVD(字幕)] 7点(2018-10-09 00:39:11)(良:1票)

1188.  オー!マイ・ゴースト 《ネタバレ》 こういうゴーストもの系ラブロマンス/人情ロマンスって、大抵出来がいいんですよね。この作品も、出だしはなかなか好調な滑り出しで、その後も、ヒロインは(いろいろな意味で)こっちに気づくのか的な興味を続けさせるのですが、何か最後の方で失速しています。せっかくの設定を追いかけきれなかったというか・・・。その典型が敵役の弁護士で、最初はこいつをどうにかしたいというのが物語の発端だったはずだし、善か悪かはっきりしないのが展開の綾になっていたと思うのですが、結局、処理しきれないまま終わっています。[DVD(字幕)] 6点(2018-10-07 23:34:28)

1189.  太陽はひとりぼっち どこまでもめんどくさい主人公のウダウダを延々と見せられるだけの作品。むしろ、冒頭の婚約者との未練たらしい別れのところで、ドラマとしては終わっていました。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-10-07 00:43:35)

1190.  スワンの恋 《ネタバレ》 導入部は観念的で平坦な描写が続き、あまり面白くないかと思っていたのですが、中盤以降、スワンがオデットに加速してのめり込むのに伴い、ぐいぐいドラマが動き出します。いえ、最初はおとなしかったオデットががんがん色気を発散させてくるのが理由かもしれませんが(笑)。がっちりとした衣装に身を包みながらも官能性をにじませるオルネラ・ムーティの存在感はなかなかで、それによってアイアンズの芝居も向上しています。その上で、予想外の皮肉を感じさせる話の落とし方も、何とも言えない味わい深さがあります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-02 00:29:36)

1191.  マイ・インターン 《ネタバレ》 若者ばかりのスタートアップ企業に、インターンとして老人を放り込んだらどうなるか、しかもその老人とはデニーロ、となれば、どんな波乱やギャップや衝突が起こるのかつい期待してしまいますが、結局大したことは起こっていない。まわりの人の話を聞いてあげるとか、ちょっと手伝ってあげるとか、いやその程度で評価が急上昇なんて、どれだけ元の社員レベルは低かったの?とむしろ思ってしまいます。あとそれと、会社は君と一体だ的な台詞でハサウェイがうるっときてまた頑張ってしまうわけですが、トップへの業務の集中という問題は何も解決されておらず、むしろ「後続者を育成していない」というトップとしての致命的な欠点は課題として意識すらされてないわけで、この辺はナンシー・マイヤーズの限界ですね。結局は、デニーロとハサウェイの個人技に多くを頼っていますが、その辺の役者だったら、目も当てられなくなっていたでしょう。もっとも、デニーロは、ひたすら渋く地道に決めまくるという役柄が久々で面白かったのか、とりあえず楽しそうに演技はしています。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-29 01:13:00)

1192.  手紙は憶えている 《ネタバレ》 前提の設定が実に巧妙なんですね。「主人公は依頼を達成できるのか?」「それ以前に、認知症の主人公が無事に目標に到達できるのか?」「いやそもそも、手紙には一体何が書かれていたのか?」という三重の謎を冒頭であっという間に提示し、そのハラハラを最後まで維持させる。そして途中の見せ方も巧妙で、次々に想定外のターゲットを登場させてスリルをつなぎ、一方で認知症の表れ方も、進行を阻害しないぎりぎりのラインに抑えられている。最後は、それまでと打って変わった明るく健康的な家にたどり着き、着地寸前まで「まだここに裏があるのでは?」と思わせておいて、いったんストンと落とした上で、さらにあの二段オチ。その上で、ある登場人物の「執念」が作品の底流だったことが分かる仕掛けです。後で見返すと、いろいろなシーンが別の意味に見えてきます。[DVD(字幕)] 7点(2018-09-28 01:47:20)(良:1票)

1193.  チェンナイ・エクスプレス 愛と勇気のヒーロー参上 《ネタバレ》 まさにタイトル通りのチェンナイ・エクスプレスの中で、主人公がヒロインに出会う。回りには、敵役まる出しの変な男たちがゴロゴロと。ということはこのエクスプレスの中で、シチュエーション・コメディ的にいろんな危機と活躍が?と思っていたら、早々に列車からはさようなら。このタイトルは何だったんでしょう。で、中身なしのいい加減な主人公のシャー・ルクが、いつ覚醒して愛と勇気のヒーローになるのかと思っていたら、何とそれは最後の15分くらいだけです。それまではほぼ延々とヒロインとの間で半口喧嘩っぽいやりとりをしているだけです。まあそれはそれで面白いのですが、インド映画なんだから、ヒーローはやっぱり格好良くないと。[DVD(字幕)] 6点(2018-09-23 00:56:45)

1194.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 これぞまさにイーストウッド。ついこの間に起こった、しかも誰もが内容をよく知っている実話について、映画を作ると決めたら、フットワーク軽くあっという間に形を実現してしまう。しかも、いろんなプロフェッショナルがごく短時間に技能と叡智を結集して事態を解決した実際の内容に即し、映画自体も、コンパクトな中に職人芸が凝縮している。登場人物の個々を逐一取り立ててドラマチック仕立てにしたりはしていない。この直近のイーストウッド作は、焦点が絞られずにだらだら続く作品もいくつかあったのですが、やはり本気を出すと違います。●俳優陣のMVPは、もちろんアーロン・エッカートです。役で演じる副操縦士同様、堅実な存在感とサポートぶりで、映画をどんどん後押ししています。ローラ・リニーの出番がそこそこ多いのも嬉しかったけど、よく見ると電話のシーンばかりなので(あえて脚本をそうしたんでしょうけど)、もっといろいろ見たかった。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-09-22 01:11:28)

1195.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 全体の構成に関する着想は面白いんだけど、この制作陣は、脚本ができあがった時点ですでに目的を達した気になっていたのか?と思うくらい、登場人物が、ただ喋っているだけ、というか喋らされているだけなのです。理屈だけでぐいぐい押してくる感じで、頭が痛くなります。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-20 01:58:00)

1196.  闇の帝王DON ベルリン強奪作戦 《ネタバレ》 一言で言うと、シャー・ルクにミッション・インポッシブル+オーシャンズ11をやらせたかった作品。つまり、それだったらハリウッドを見るよ、となってしまうわけですが。前作に続き登場のもロマも、いつの間にか、スタートのDONへの復讐心はどこへ行ったんだ?という感じ。ハラハラドキドキは十分ありますが、感銘は残らないです。[DVD(字幕)] 4点(2018-09-19 21:58:16)

1197.  緑の光線 ただひたすら自立性のない主人公のうじうじああだこうだを延々と聞かされる作品。会話の長回しを見ていると、これだけの台詞を覚えた役者の記憶力は凄いと思うが、ただそれだけです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-09-19 00:29:02)

1198.  きっと、星のせいじゃない。 《ネタバレ》 導入部は、ありがちボーイ・ミーツ・ガール系で凡庸な雰囲気が漂っているのだが、作家との対面シーンで一気にドラマが動き出す(やはり、デフォー先生の引き締め力は凄い。1人で場の芝居も全部コントロールしている)。それを受けた後半では、変な感傷や情緒を排して、迫り来る「死」を語り、向き合い、受け容れようとしているのが良い。だから、母親も「娘亡き後の自分」を、当の娘に堂々と語れるようになっている。難点は、男優の彼の方がどう頑張っても存在感弱すぎなところかな・・・。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-09-18 00:24:42)(良:1票)

1199.  悪の花園 《ネタバレ》 前半はほとんど「ただ移動しているだけ」で、峠道の迫力を除けば、さして見所はありません。旅程を重ねるうちに、訳ありそうな各登場人物(ヒロイン含む)の思惑の重なりが・・・なんて要素も考慮されてないし。で、中盤で夫が救出され、こいつがいきなり予想外に嫌な奴なのが生きて(笑)、そこから心理の綾が生まれてきます。と思ったら、順当に下の方から退場していって、せっかくの物語も膨らみませんでした。あと、音楽がとにかくどのシーンでもしつこいなあと思っていたら、バーナード・ハーマンですか。こんな気品のないこともやっていたのね。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-09-11 01:14:23)

1200.  家族の四季 -愛すれど遠く離れて- 《ネタバレ》 親が反対する相手と結婚しようとした息子が、親から勘当され、そして和解する。いや、本当にたったそれだけです。よくもこのベタでシンプルな内容で3時間半も引っ張れるものです。話がさっぱり前に進まないのはインド映画の美徳ですが、さすがにこれは水増し感が漂っています。しかも後半はそれぞれの弟妹の方に完全に焦点が移っていて、本来のカップルは添え物状態だし・・・。●それにしても、あの大スター、シャー・ルクも、バッチャンの前に立てばまるで子供なのが凄い(いや、もちろん子という設定なのですが)。「この人とサシで芝居ができて嬉しい」というミーハー的雰囲気すら漂っています。[DVD(字幕)] 6点(2018-09-08 01:56:10)

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