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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1181.  モリノキオク 《ネタバレ》 これが「小野真弓 初主演作品」とのこと。 東京のOLという設定はCMのイメージの延長だろうが、そのほか見ていて連想させられる映画としては「もののけ姫」「あしたはきっと…」「時をかける少女」(1983)と「風の谷のナウシカ」が挙げられる。何にせよ自分が思いつきそうなものしか思いつかないわけだが、魂の故郷は山(森)にある?というような考えはこの映画固有のものかも知れず、そうすると山中の子どもらは「もののけ姫」のコダマと同じではないらしい。それから途中でこれはホラーかと思わせる展開があったのはかなり驚かされた。 内容に関しては、宣伝文に「大自然の…ヒーリング・ムービー」とある通りで、まともなドラマではあるがそれほど深刻な話でもない。主人公はまだ入社2年目の設定だろうから多少うまくいかないのも仕方ないことで、おそらく祖母が元気でいさえすればわざわざ屋久島に行って怪奇現象にまであわなくても済んだだろうと思われる(現に劇中の祖母は大したことは言ってない)。しかし個人的には泣かれてしまうと弱いところがあるので、終わってみればまあよかったねと言ってやりたい気分にはなるのだった。 そのほか主演女優は魅力的に映されているが水着場面は控え目で、劇中では何となく手~腕の色っぽさが強調される場面があったように感じられる。また顔の表情については、ドラマであるからお疲れだったり泣いたり寝ていたりと様々だが、終盤で東京に戻ってから元気に仕事をしている場面を見ていると、やはり主人公というか小野真弓はこういう笑顔が一番かわいいと思わされる。おちこんだりもしたけれど、屋久島のおかげでCMの笑顔が戻りました、というのがアイドルムービーとしてのオチだったかも知れない。 なお屋久島の風景では海の見える坂道が印象的だった。実際行けばただの漁村だろうが。[DVD(邦画)] 5点(2013-10-03 19:58:00)《改行有》

1182.  ねらわれた学園(1981) 《ネタバレ》 当時はこの主演女優が好きだと思っていなかったが、改めて見ると冒頭からPV風の映像になごまされる。以降も全編にわたり清純で邪気がなく愛くるしい様子に心を奪われてしまい、この人がいるなら劇中に出る全てのことをそのまま大らかに受け入れたいという気にさせられる。初見時から30年を経て、やっとこの映画の本来の見方が感得できた気がした(要はアイドル映画だということだが)。 内容に関しては、まず少なくとも前半はまぎれもない青春コメディであり、ギャグとおちゃらけの連続のように感じられて真剣な顔で見るべきところはほとんどない。また後半は表面的には深刻になるものの、さりげなく“頭痛が痛い”というような台詞が挟まっていたり、クラシックまがいの大仰な背景音楽も苦笑を誘うので、とりあえず今だけ真顔を装っていると思わせるものがある。それでこそクライマックスでの羽目を外した展開にも、待ってましたとばかりに違和感なく同調できるのだった。 一方で全編を通じて特に印象的だったのがヒロインの母性的な愛で、ちょっと情けない幼馴染みの彼に向けた思いやりは見る者の心をくすぐる。これも父母が彼女に寄せていたあふれるほどの愛情を分け与えていたということだろう。終盤の展開も、彼女の超能力というよりは愛の力が全てを解決に導いたのであり、結果として高見沢みちるが八王子の自宅へ無事に戻れたのは泣かせるものがあった。 ラストでは星の王子が新宿の空から笑顔でヒロインを見守っていたが、どうやら彼もまた彼女の「広い大きな心」に打たれたらしい。そうすると冒頭に出ていた映画の趣旨説明も、実はこの王子が語った言葉そのままだったのかと思わせるものがある。結果的には劇中世界も見た人も、全てを暖かく大きな愛で包み込もうとする映画と感じられたのだった。 そういうわけで感動的だったので、記念に「時をかける少女」(1983)と同点をつけておく。 それにしても原作者(校長役で出演)は、真面目な作品をこんな映画にされて何とも思わなかったのか。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-30 18:59:57)(良:1票) 《改行有》

1183.  歌謡曲だよ、人生は 《ネタバレ》 【 】内は話数、[ ]内は評点。   【一】曲の世界の発展型、真面目な佳作。伴杏里を探してしまう。[5]  【二】おバカな感じで標準的な面白さ。いまいち乗れずに戸惑う彼女の表情が可愛い。[5]  【三】オチがあまりにも安易。女優が可愛い(見事に停止している)ことは認める。脚もきれいだ。[2]  【四】激しく可笑しい。最優秀主演男優賞+ベストヒロイン賞。2001年で始まり猿の惑星で終わる印象。ステレオタイプな原始時代のイメージを実写映像で再現、クラシックの使い方がベタなのも評価のうち。後半では曲と映像のシンクロに爆笑。千崎若菜がどこに出るかと思ったが、ちゃんとそれなりの役で出ていて安心した。[8]  【五】関西ムービー。この人は本物ではないか(合掌)。やりとりが結構可笑しい。どうしようもなくくだらない。しかしみんながハッピーになり、曲の魅力も最高度に発揮。終盤に一瞬の板谷由夏、これは青春映画というものか。最後の最後まで余韻を引っ張る。京都ですねえ。[7]  【六】前話から一転して真面目な話、しかし素直に頭に入って来ない。意味を考えるのが面倒くさい。[4]  【七】別に不条理でもなく予定調和的に悪人を成敗。白昼の惨劇だが遠方の通行人は普通に歩いている。真っ赤なドレスの彼女の表情が好きだ(+1)。[7]  【八】話の中身はありきたりだが高橋真唯は可愛い。最後も羽目を外し過ぎずしみじみまとめた感じで結果的に好印象。[6]  【九】伊藤歩が足の裏をチラ見せ。ポストに出したら戻って来るだろうが(笑)。バカばっかりで呆れるが最後はやはり伊藤歩が一番いい役。自分が伊藤歩フェチに思える(+1)。[7]  【十】名優ぞろいの顔の表情。子どものままの同級生が不幸といえるほど今が幸せかはそれぞれの問題。こういうのには感動したくない。[5]  【ED】ほのぼの。こんな風に花の東京を回ってみたい。[6]   以上、全体としてはなかなか面白い。エンディングの選曲のせいもあって心地よく終わる。使われる曲は古いが(歌謡曲という言葉自体が昭和の昔)、制作に当たっては曲の世界観をそのまま映像化しないという条件だったらしいので、あくまで現代の映像作家それぞれの創意の発揮と捉えればいいのだと思われる。ただし時間が短いためオチのついた小噺的なものが多くなり、笑いを取ったもの勝ちという感じになった面はあるかも知れない。評点は全11話の単純平均を四捨五入。[DVD(邦画)] 6点(2013-09-30 18:59:54)《改行有》

1184.  屋根裏の散歩者(2006) 《ネタバレ》 主人公はやることなすこと全てが馬鹿に見えて苛立たしく怒鳴りつけたくなる(焦げたドラム缶などいちいち覗くなボケ)。他の登場人物が全て共犯関係にあることは容易に予見できる上に、主人公がこれほど馬鹿では共感を寄せる相手がおらず、見ていて気分が荒むばかりである。また終盤ではとにかく物理的にやかましいのを何とかしてもらいたい。そういう感情を鑑賞者に催させるのがこの映画の狙いなのだろうから、不快感をそのまま点数に反映させることにする。女優が裸になっていることでの加点はしない。 さらに加えて、少女の場面で使われているピアノ曲も気に障る。当然ながら曲が問題なのではなく、それを使うこの映画の方が腹立たしい。すでにさまざまな人々がそれぞれの思いを寄せているはずの著名な曲を、エログロ映画のストーリーにあわせて恣意的に使おうとするのでは反感を買って当然である(子役を悪くいうつもりはない)。 なお、冒頭の病室の場面では主人公に深刻な外傷があるようには見えず、そうすると終盤の猟奇的場面の結末もたかが知れているということになるわけだが、その辺は問題ないのか。個人的には別にどうでもいいのだが。[DVD(邦画)] 1点(2013-09-17 19:58:25)《改行有》

1185.  SLAP HAPPY 《ネタバレ》 こういう奴を応援したいというのが映画の趣旨のようだが、それにしては何とも救いがない。昔であれば、これも一生のうちのこの時期だけの苦悩であり、いずれは“あんな時代もあったね”と振り返る時が来るだろうと思えたかも知れない。しかし今になってみれば、もう30代後半になっているはずの主人公がまだこういう状態を引きずっている恐れもあるように思われて、まことに洒落にならない映画と感じられる。 当然ながら自分としても覚えがないわけではないが、今さらこの主人公に共感しようという気にはならず、見てよかったとも思えない。だからといって無用な映画と切り捨てることもできず、どう扱えばいいか困るというのが実感である。ラストの音楽が変に耳に残るのも困る。[DVD(邦画)] 4点(2013-09-09 19:57:54)《改行有》

1186.  信さん 炭坑町のセレナーデ 《ネタバレ》 劇中で信さんと主人公の母親の間に何が起こっていたのかは、見ればある程度はわかるが個人的に共感はしない。特に成人後の信さんが自分の母親に性愛感情を持っていたことに関して、主人公が何とも思わなかったのかどうかは疑問を感じる。また信さんの妹が不快感を示していたことについても、その背景事情や主人公への思いとの関係が不明瞭に感じられ、どうもこの辺の人間関係が納得できていない。 一方で個別の場面に関していえば、個人的に最大の見所だったのは(米とぎの場面ではなく)主人公と信さんの妹が岸壁にいる場面で、ここは何度見ても息を詰めて少女の表情に見入ってしまう。役者の年齢では4つも違うのに女の子の方がちゃんと大人びて見えるのが可笑しく、また最終的には少女の側から打ち切りをくらってしまったことで、見ている側としてもこのバカな少年に同化して一緒に悶える気分になる。そのほか親友との別れの場面では、まっすぐな気性だが素直になれない主人公に対し、親友の方がしたたか、かつ大らかなのが印象的だった。 こういうちょっといい場面はあるのだが、やはり自分としてはこれをストーリー全体の中でどのように位置づければいいのかがわからないのが残念だった。 なお原作を読むと、信さんの妹はちゃんと高校を卒業して就職したことになっているので安心するのだが、この映画では切ない感じにしようとしてわざと状況を苛酷にしているのが嫌いだ。そうしないと映画にならないということなのか。[DVD(邦画)] 4点(2013-09-09 19:26:19)《改行有》

1187.  恋するナポリタン 〜世界で一番おいしい愛され方〜 《ネタバレ》 よくある話とはいえ、こういう荒唐無稽な設定を普通に受け入れる現代人は思考が柔軟なものだと感心する。そもそも題名からしてチープで安易だが(「恋する…」「世界で一番…」の両方)、中身の恋愛ドラマの方も納得がいくものではなく、ヒロインを幸せにするために男2人を使い捨てにしておいて、“だって死んじゃったんだからしょうがないじゃん”的に決着をつけたようなのは男の立場として悲しい。一方ではヒロインが乗り換えた先の男が、口は達者だがどことなく胡散臭い顔で素直に祝福してやる気にならないのも問題である。 ところで、自分にとっては食い物など①嫌いなもの、②まずいもの、③その他の3種類しかないので、劇中の料理がどれだけ美味そうなのかも実のところわからない。しかしこの映画では、劇中の武と瑠璃に“作る人”と“食べる人”の立場をきっちり代表させることで、人間にとっての料理(食料ではなく)の意義を端的に表現しようとしていることくらいはわかる。瑠璃が料理を食べるときのデレっとした嬉しそうな表情は中学生時代も現在も共通であり、またこの顔を見ることが武にとっても何よりの喜びだったわけで、そこには料理が仲立ちになって“作る人”と“食べる人”の両方が幸せになる関係が成り立っていたが、これは現実に料理に携わる人々の理想とするところではないかと思われる。それで成人後の武はシェフになり、また瑠璃もグルメ情報誌の編集者になったということなら、この関係が互いの資質を高め合って自己実現にもつながっていたということだろう。 味オンチの自分はそういう幸せな関係から疎外されていて不幸だとは思うものの、世の中に幸せな人が多いのはいいことだし、この映画を見て触発される人が多ければわが国の食文化の向上にもつながるのでは、と他人事ながら思わなくもない。武(佑樹)が南紀白浜の海岸で即興的に作った料理をその辺の皆さんにふるまうのを見ていると、料理人というのはみんなに幸せをふりまく人、というように感じられて、自分には利害関係がないながらも変に感動的だった。 まあ世間的にはあまり評判がよくない映画のようだが、それも料理に関わる上記の関係と恋愛感情をあえて混同させないようにしたことで、恋愛ドラマとしては捉えにくくなった面もあってのことと考えられる。そのため自分としては、まずは料理映画という面から一定の評価をしておきたい。[DVD(邦画)] 5点(2013-09-08 23:35:00)《改行有》

1188.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 原作も読んだが、映画では省略された箇所や付加された場面があることで印象が微妙に違っている。 まず、映画では終盤に至っても花岡母子の側に破綻の兆しがなく、そのため湯川が花岡に真実を告げさえしなければ全てが問題なく収まった可能性も高いと思える。今さら何をしても死人が生き返るわけではなく、「誰のしあわせにもならない」のだから、湯川がしたのは結局余計なことだったとの感が強い。 また映画では、石神に対する花岡母子の態度がより好意的に見えており、例えば花岡の娘が外で彼に声をかける場面などは印象的だった。そのように何の必然性もない行動は彼にとっては心外なことだろうが、しかし感情問題として嬉しくないはずがない。それまで彼は、自分の存在など他人にとっては“ない”に等しいはずと思っていただろうから、この母子が自分を“ある”ものとして扱ってくれること自体が、いわば無償の愛のように感じられたのではないか。また手紙の中で母子それぞれの名前を挙げて礼を言っていたことからしても、花岡(母)への単純な恋愛感情の問題として捉えるのでは不足と思われる。こういった方向性自体は原作でも同じらしいが、映画の方がより強調されていると感じられる。 恐らく石神の考えでは、もともと自分の存在など他人にとっては“ない”に等しいはずだから、本来のあり方に戻すのも簡単であり、単に“自分のことなど全て忘れろ”と言えばいい。母子の幸せを最優先するなら、それが合理的判断として正しいことは花岡にも理解できるはずである。にもかかわらず彼女は、捨てろといったはずの茶封筒をいつまでも保存しており、また湯川の追及をぎりぎりでかわした最後の目論見までもひっくり返してしまった。誰の目にも明らかな合理的判断に従わないのがなぜなのか彼には理解できず、それで自分の完璧なプランが崩れてしまったことへの失望感もあったろう。しかしこの重大時においてもなお、彼女が”無償の愛”を自分などに向けてくれたこと、いいかえれば、自らを大事に思うのと同じように石神をも大事に思ってくれたことは、感情問題として嬉しくないはずがなかったと思われる。 以上のように考えれば、映画では石神への感情移入を強める方向での誘導が働いているように感じられ、感動もより大きい。しかし、それがかえって第二の殺人に関する倫理性との間で齟齬を生む結果になっているらしいのは残念である。[DVD(邦画)] 8点(2013-09-08 23:34:53)(良:1票) 《改行有》

1189.  On Your Mark CHAGE & ASKA 《ネタバレ》 最初と最後の巨大な構築物は石棺というものだろうか。道路標識がロシア語(「危険」「路肩」)なのはチェルノブイリのイメージかも知れないが、今となってはちょっと洒落にならない。警察の徽章は日本のものであり、制服の胸にも「NEO KOENJI」と書かれているので日本の都市(NEO TOKYOとか?)なのだろうが、やたらに近隣外国人が流入しているのはこの時代らしい近未来表現にも思われる。”GOD IS WATCHING YOU”の中文訳は「上帝凝視」であるらしい。 それでストーリーとしては何が言いたいのかよくわからないが、破滅願望とも取れる一方「やり直しはきく」「最後は何とかなる」という破れかぶれの確信のようなものも感じられ、閉塞感を破ろうとする“若さ”が表現された短編とはいえるかも知れない。また別れ際、少女が聖女のように穏やかな笑顔を見せるのは印象的で、もしかすると彼女がこの世界にとっての希望なのかと思わせるものがあった。 以上、これで映画一本見た扱いにしていいのだろうか。[DVD(邦画)] 6点(2013-08-26 21:36:50)(良:1票) 《改行有》

1190.  耳をすませば(1995) 《ネタバレ》 もうほとんど語り尽くされたような感じで、特に付け足すことはない。このアニメは嫌いでない、と書いて終わりにすればそれまでである(大好きだ、とは恥ずかしくて言えない)。 それでもとりあえず何か書いておくことにすると、自分が最初に見たのは30代の頃だろうが、その後に若い連中(男)がこれを見て死にたくなるという話が出て来たときには笑った。気持ちは大変よくわかるが、対象年齢を大きく外れてしまえば初めから自分とは関係ないものとして距離も置ける。ご老人が目を細めて“若い人はいいねえ”と言っている感覚で見れば微笑ましく見られるだろう。 ただそのようにいってはみても、実際こんなことは年齢にかかわらず自分などにはありえない/ありえなかったのであって、まともに考えてしまえば悲しくもなる。もう人生の半分を過ぎてしまうと、いっそ今回の人生は終わりということにして、また新しいところから始めればと思ったりもするが、それだと結局は死にたくなる連中と同じになっている。いい歳してまったく情けない。 ところで、ここまであえて誰も書いてないだろうことをわざわざ書くと、今後この二人がそれぞれの夢を実現すればするほど、二人の進むコースは離れていく気がする。この話は、主人公の人生の極めて初期に、たまたま出会った人間に背中を押されて未来を方向付けられた瞬間を描いたものであり、従って将来を含めたハッピーエンドを期待するようなものではない。中学生の「結婚してくれ」など、その程度の結果にしかならないだろう。 しかし、そんな一瞬の出来事であっても主人公にとっては人生の輝くような宝物になるのだろうから、はたから見ていて羨ましいのは間違いない。…そうしていちいち自分のことと引き比べて考えたりしなければ、大好きな映画だと素直に言いやすいわけだが。[DVD(邦画)] 8点(2013-08-26 21:01:25)(良:1票) 《改行有》

1191.  禁断の惑星 《ネタバレ》 宇宙船が行った先の星は「アルテア」と言っていたが、これは実在の恒星アルタイルAltairのことらしい。23世紀にもなってやっと16光年先までかと思うが、そもそも人類が月に行ったのが21世紀末だったという話なので、科学技術の発達が遅れた世界のようだ。征服と植民地化(”conquest and colonization”)とか言われると、今なら何か皮肉で言っているような感じだが、劇中では大航海時代以来の感覚が普通に続いていたと思うしかない。 ところで、映像的には背景画が昔風だとか怪物がいかにもアニメーションだとか四連装機銃が第二次大戦仕様のように見えるとかはあるが、まあ充分に許容範囲である。それよりこの時代に、本物のSFっぽい設定をしっかり作っているのは評価できる。アメリカ人は神様を持ち出すのかも知れないが、もっと普通にいえば“どれだけ文明が発達しても、それを担うのが人間(宇宙人含む)である以上、過ちは免れ得ない”という感じか。不安感をかきたてる変な音響もよく、当時としてはかなりの良作である。やはりアメリカは侮れない。 なお気になる点として、博士の娘は外人にしては可愛らしくていいのだが、顔を見るなり手を出そうとする男がいて、またその上司が権力を笠に奪って自分のものにするのはアメリカの風習なのか。邪魔な部下と博士が排除されたのはいいとしても、1年以上かかる帰路の間、狭い船内で「警備員にも警備が要る」相手を独占するのでは波乱が避けられない。指揮官失格だ。周囲が迷惑だ。[DVD(字幕)] 6点(2013-08-13 23:18:06)《改行有》

1192.  60歳のラブレター 《ネタバレ》 大変ハートウォーミングな映画で、医者と魚屋に関してはまあ素直に共感できる。 ただし中村雅俊氏の役は感情移入が難しいキャラクターだけに、最後の締め方もアクロバティックというか突然ファンタジー調になった感じで、これが映画的な盛り上げというものかも知れないが少々無理がある。この男だけは、これまでの積み重ねを怠ったために因果応報ということでもよかったのではないかと思うが、だからといって元妻と人気作家がこのままうまく行くというのも変であり、見ている側としては困ってしまった。団塊世代の大量退職を背景にした企画というのはわかるにしても、それまでの行状にかかわりなく60歳というだけで免罪してしまい、とにかく全員にエールを送らなければ済まないというのでは、“年齢関係なく”という脚本家の言葉も説得力が薄れる気がする。 なお個人的な見どころとしては、医者をめぐって対決する中学生女子と50代女子が、それぞれ本気で一生懸命で愛らしく見えることだった。それから綾戸智恵という人は映画の外でも相当に可笑しい人物であるらしい。[DVD(邦画)] 5点(2013-08-11 19:47:35)(良:2票) 《改行有》

1193.  生きていた信長 完全版 《ネタバレ》 「四月物語」の前座として見たが、これはひどい。どう突っ込めばいいのかわからない。 この信長は先見性というより何かよほどのズルをしている。ひそかに山川の歴史教科書でも入手したのか。こんな歴史操作が許されるなら、一向宗が信長を滅ぼしても文句は言えないだろう。そうなれば次は一向宗の天下だ(うちの寺は真宗)とも思ったが、この信長はあくまで歴史の正統性を盾にしているため対抗しにくいところがある。どうも小狡さの感じられる男だ。 こんな信長は尊敬できないので、悪いがいい点はやれない。だいたいこれで映画一本見たことにしていいのか。[DVD(邦画)] 2点(2013-07-31 19:56:47)《改行有》

1194.  テケテケ2 《ネタバレ》 今回は死人が9人で残骸が17個、ほか1個は行方不明(自走して逃亡?)という結果である。出演者には申し訳ないが(特に主役)、今回は冒頭の1人を除いて個人的に死んでほしくない人物がおらず、かえって1人残してしまったのが心残りという感じだった(役名は小西佐季)。 また最初は少々勘違いして真面目な学級委員長が主役なのかと思ったが、それにしては怖い顔だし、そもそも後に“富江”役を務めるほどの人であるからただの優等生で済むはずがない。この人がメイキングで「みなさんもテケテケには気をつけましょう」と言っていたのでそのようにした方がいい。 ところで都市伝説というのは、多少なりとも“現実にあったこと”っぽい雰囲気で語られるからこそ「伝説」に分類されるわけだが、この映画ではこれをさらに一歩進めて、都市伝説→現実化→また都市伝説化→また現実化…というサイクルを想定している。さらに、その都市伝説が口承を経て様々に変化した場合は、変化した状態で現実化することになるらしい。 今回は赤い色が決定要因ではなくなる一方、歩道橋(跨線橋)より線路が重要となり、踏切はもちろん鉄道が近ければ屋内(便所)も活動範囲だという事実が明らかになったりして、何か基本条件がめまぐるしく変わる印象があるが、これは誰かが話を適当にアレンジして語っているのがいちいち現実化した結果なのだろう。また前回から出ている通り、そもそも都市伝説などかなりいい加減な話なわけだが、いい加減なままで現実化するのがこの映画の怖いところであり、漢字の構成要素で生死が分かれるなど合理性のかけらもない話でも無理に納得させられてしまう。これはもう最強の屁理屈といえる。 それから防御用の「呪文」に関して、劇中では幸い2つ目で効果があがっていたようだが、こういうものは噂が伝播する過程で何種類にも分化するのでどれが効くのかわからず、心配なら全部憶えておくしかないのが現実である。ウイルスの変異でワクチンが効かなくなるようなもので、これは非常に恐ろしい設定といえる。 そういうわけで、死人の数よりむしろ基本設定が面白いので、少しだけいい点を付けておく。 なお、これを見終わって部屋の窓を開けたところ隣家の窓も開いていて、子どもが廊下をトテトテトテと走って行く音が聞こえた、というのが自分にとってのオチだった。[DVD(邦画)] 6点(2013-07-31 19:23:42)(良:1票) 《改行有》

1195.  テケテケ 《ネタバレ》 それなりに面白いという印象である。特に深刻な破綻もなく、大きな減点もないというのが有利に働いて、少なくとも口裂け女(2007)よりはかなりマシになって見える。また主役は絵に描いたような美少女ではないがなかなか愛らしく、必要な場面ではそれなりの表情をして見せるので好感が持てる。しかし一方、準主役(従姉)は言動が粗野なことに加え、主役(152cm)と並ぶとでか過ぎる(169cm)ので全く可愛くないが、だからといって半分に切れば可愛いというわけではない。 ところでこの映画では、怪異の原点として兵庫県加古川市という非常に具体的な地名が出るのが若干唐突な印象を受ける。標題の都市伝説そのものは北海道が起源として語られるのが普通だろうと思うが、これと関連付けて語られている別の都市伝説では実際に加古川市(と高砂市)が出るようなので、これで誤りということでもないようである。 この加古川市の場面では、地元の親父の「こんな田舎に進駐軍なんか来るかいな」という元も子もない発言が可笑しい。また赤い色を嫌う理由を老婦人が説明していたが、これもかなり適当に理屈をこねた感じである。ここでは、冒頭で児童が安易に昔の処刑場を理由づけにしていたのと同じような、怪談や都市伝説というもののいい加減さが端的に表現されているようで興味深く思われた。 ただしこの件については、実は2の方でまた新たな説明が出るので、これはあくまで途中経過としての印象である。 またこの映画によれば、一般人でも可能な対策として、まずは歩道橋(跨線橋)に行かないこと、また振り向かないことが必要とされていたが、後半になると赤いものを身につけないことが重要視されるようになっていた。何にせよその程度なら結構簡単なので恐れるに足りないともいえるが、これも実は2の方でまた新たな展開が生じる。 どうも1と2は初めから連続で見ることが期待されているようだが、別に誘導するつもりはないので、1で終わりにしてもそれまでだ、と断言しておく。[DVD(邦画)] 5点(2013-07-31 19:23:39)《改行有》

1196.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 昔こういうTVアニメがあったことは当然のように知っているが、当家では下劣でエッチな番組は見ないことになっていたためほとんど憶えがなく、特別な思い入れなどもない。しかしそれにしても、この女優が適役なのかどうかは正直疑問である。素材としては決して悪くないわけだし、本人も結構その気になってやっているのだろうが、丸顔というか縦横比の関係でハニーのイメージに合致しないのは非常に残念である。 それから普段の性格が天然というのも実写のせいか苛立たしく感じられる。映画では最後にみんなが友達になってハッピーエンドだったが、自分だったらそうはならず、うるさいあっち行け、と言って終わりになりそうなキャラクターである。 一方、映像面では序盤が面白く、特に敵の戦闘員がふっ飛んでいく可笑しさは実写ならではだろうと思う。またオープニングのアニメではハニーのかわいさが絶品で、もう全編これでやればいいのではないか、という気もする…というか実際には、まずネット上の某所でアニメ版「Re:キューティーハニー」のOP部分を見て惚れ込んでしまい、その後にアニメ本編を見て(DVD)、それからこの実写版を見た、という順になっている。アニメ版の方はエッチ度が高いし、またいかにもこの監督風のアニメとして出来上がっている(少々ベタだが)と感じられるので、それに比べると実写版はやはり少々残念な結果だったといえるかも知れない。 ただし自分としては基本的にこういうのは嫌いでないので、原作との兼ね合いは度外視した上で、サトエリと市川実日子(と片桐はいりほか悪役女優の皆さん)に敬意を表する意味を含め、ここでの平均点を少し上げる程度の点は付けておく。[DVD(邦画)] 6点(2013-07-28 18:48:17)《改行有》

1197.  口裂け女 リターンズ 《ネタバレ》 自分の知る限り、口裂け女の起源を最も古い時代に置いた映画である。従来の常識からすれば発想にかなり飛躍があるが、それでも70年代の都市伝説との関連付けをちゃんとやっているのは真面目ともいえる。また公式HPでは主人公を“口裂けハンター”と称しているが、村祭に行ってトラブルが起きるというような展開にも「妖怪ハンター」シリーズのような雰囲気が感じられる。そのほか硫酸が出るのは「口裂け女2」(2008)へのオマージュかも知れない。 一方、民俗学専攻の主人公が終盤でまとめていた結論を聞くと、この映画はどうやら古代以来のわが国社会構造に根底から疑問を投げかけているらしいのだが、これがまた一体こんな話をどこから仕入れて来たかという感じでコメントする気にならない。またラストこそ泣ける映画風にまとめてあるものの、それに先立つ住民の描写を見ているとバカ映画のようにしか思えず、どこまで真面目に見ればいいのかわからないのは「制服サバイガールII」(2008)のようでもある。 ところで前置きが長くなったが本題に入ると、まず冒頭から若手女子4人が揃って出るだけで豪華キャストと思ってしまう自分はどれだけエロオヤジなのかと思うが、若ければ何でもいいというわけでは決してなく、よく見れば主人公以外もそれぞれ個性的な人物を揃えているので少しずつ見所はあると思える。公式HPにある“アイドルホラー”というジャンル設定は、何歳までがアイドルかという問題を別にすればまあ妥当だが、ちなみにホラーとしては全く怖くない。 また問題のレイコさまに関しては、口が大きいだけでなく歯並びまで悪いのは非常に不幸なことだが、支障があるのは顔だけで髪型や体型や服装はけっこう現代風なので、顔さえこうでなければ、というのは誰しも考えることと思われる。特に胸の谷間に関しては、主人公よりレイコさまが明らかに勝っていたことは指摘しておかなければならない。 そういった面から一定の評価をすべき映画だと感じられたので、必要以上に貶めることなく適正と思われる点を付けておく。[DVD(邦画)] 3点(2013-07-28 18:47:25)(良:1票) 《改行有》

1198.  口裂け女 《ネタバレ》 子どもの虐待をからめる発想自体は悪くないと思うが、ラストがああなるのであれば、憑依の相手は現に虐待している母親限定でなければならないのではないか。多くの人が潜在的に持つものが運悪く発現したばかりに、異形のものと化してしまった悲しみを表現しようというなら容易に理解可能であり、またそれでこそ口裂け女が現代に蘇る理由づけにもなるはずである(地震では理由になってない)。しかしこの映画では幼い姉妹の母親や夏樹の母親にも憑依しているため、虐待との関連が不明でわけがわからなくなっている。 また登場人物が人を殺して放置したまま路上で思い出話を始めるとか、警察に行った少年がやっと真実を語り出したのに何の役に立ったのかわからないとか、救出すべき女児のすぐ近くまで行きながら放っておいてまた長々と思い出話をするとか、キーワードのはずのオヤジギャグが結局生かされず、どうすれば解決につながったはずなのかも示されないなど、全般的に納得のいかない展開が多い。ほか登場人物の行動がいちいち面倒臭いので苛立たしく、単純なホラーとしてもそれほど怖くない。 以上、やたらに苦情が多い上に褒める点もないので困るが、さらに個人的に許容できないのは児童に対する直接の残酷描写(効果音を含む)である。子どもに危害を加えようとするのはこの都市伝説の基本とはいえるが、期待されているのは怖がらせることであって、実際にやって見せることではない。ほか幼い姉妹の母親を殺してしまったのも感情的に受け入れられない。 そのようなことから、評点については懲罰的な意味でシリーズ最低(当社比)まで落とすことにする。好きな女優が出ているとかいう事情があればもう少し寛容になっただろうが、別にそういうこともない(佐藤江梨子が嫌いなわけではない)。[DVD(邦画)] 1点(2013-07-28 18:47:18)(良:1票) 《改行有》

1199.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 もともと中山美穂という人に関心がなかったので、これほど魅力的に見える女優だったことにこの映画で初めて気づいた。とにかくきれいだし可愛い(若い!)が、同じ顔で二人の女性を演じ分けているのも素直に評価したい。ストーリーに関しても、手紙のやり取りを通じて男の思いが明らかになっていく(しかし書いている本人は気づかない)構成は巧みと思える。個人的には、学校を訪ねて写真を撮って、それから後輩と出会って…という一連の部分に特に愛着を覚える。 しかし一方、終始出る関西人の男はどうにもイラつくので、神戸のヒロインを素直に祝福してやっていいのかどうかが怪しく思える。ほか無駄にコミカルな場面が多いが笑えるわけでもなく単に不快であり、またロケ地と劇中の設定との関係がでたらめで(彼氏が死んだ山へ行くには余市駅で降りて歩くのか?)、最初から最後まで関係者全員が小樽にいたようにしか見えないのも変だ。周囲の風景がどうでも観客の方が頭を切り替えろというのでは無理がある。 それからストーリーも終わってみればいかにも作り物で、劇中の設定や出来事を全て製作上の思惑通り都合よく作り込んだようで鼻白むものがあり、その上に世間の常識や周辺社会や自然現象までをもねじ曲げるような強引さが感じられる。特に救急車の件については、そもそもが積雪寒冷地なのに窓にチラチラと雪がかかる程度の天候で、それも都市部で1時間かかるなどということは想像もできず、仮にそうだとすれば流しのタクシーなどいるはずもないだろう。その上、いつの間にか時間が40分以内とかいう問題にすり替えられてしまい、外気温が何度なのかといった考慮もなされないまま、吹雪の中で傘をさして走ったりする支離滅裂さはさすがに受忍の限度を超えている。一体どこまで観客に寛容さを求めようというのか。 そのようなことで、愛憎相半ばする映画、というのが正直な印象である。評判がいいのでベタ褒めしたかったのだがそうもいかない。難点を美点でカバーして不問に付すという状態にならなかったことからすれば、結果的にこの映画は性に合わなかったということになると思われる。 ただそれでも、ラストシーンに問答無用で泣かされてしまうのは悔しいが認めざるを得ない。これに免じて、評点は少しいい方にしておく。[DVD(邦画)] 7点(2013-07-15 18:48:54)(良:1票) 《改行有》

1200.  地球防衛軍 《ネタバレ》 「地球防衛軍」というものの古い事例として、自分としては「ウルトラセブン」に出る組織をまず思い出すが、日本で最初にこの言葉を使ったのはこの映画なのではなかろうか(根拠なし)。この後、特撮モノから近年のゲームソフトまで用語として一般化しており、Wikipedia日本語版では普通名詞のように扱われるに至っているが、その発端となったところにこの映画の揺るぎない価値が認められる(と思う)。 それでこの映画では、まず気恥かしいほどあか抜けないリズムを刻む(スタタタ スタタタと聞こえる)勇ましいマーチが非常に強く印象に残る。 また映像面でも古いなりに健闘しており、光線兵器で戦闘車両が白熱するのは怖いし、円盤の映像もなかなかよくできている。森永チョコレートの広告塔の背景に、高空を飛ぶ円盤が見える場面は印象的だった。ほか特に、富士山麓の宿場町のような場所に超近代的?ロボット怪獣が現れて、高度成長期前の伝統家屋を光線兵器で攻撃するというのは現代の目で見るとミスマッチだが、逆にいえばこういう時代にこういう映画を作ったのだということが改めて思い知らされる。このロボット怪獣は世間では笑われることが多いようだが、山道の途中で崖から出て来たのは実際に直面したら怖いだろう。またヒロインの入浴場面でも、素っ裸の状態で窓の外にこんなものが見えたら、もうどうすればいいかわからなくなるのではと思う。 一方でストーリー的には、最初の方こそ何かが起こりそうな期待感と不安感の入り混じった展開だが、後半では地球側が正面攻撃を延々と続ける印象があって(よく見ると山も谷もあるのだが)、正直退屈なのが残念である。 ところでこの映画の形式上のヒロインは白川由美さんの方だろうが、河内桃子さんもほとんど同格の存在感があって、ダブルヒロインの豪華状態である。二人ともきれいな人で、他の拉致女性と比べてもすらりと背が高い。また河内桃子さんは相変わらず可愛らしい人だが、敵の意図を知らされたことで泣き出してしまう場面はまことに痛々しい。こんな女性を人身御供に出してはならないと思えば、男が戦いに赴く動機の原点を描いた映画だと評することができなくもない。[DVD(邦画)] 7点(2013-07-01 22:23:25)《改行有》

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