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1221.   《ネタバレ》 「愛の不毛」とか言われても私にはいまひとつぴんとこない。しかし、この映画の男と女の孤独感のようなものは解る気がする。夫に愛されたいと願う女ジャンヌ・モローの眼から見たあの何とも乾いた空気、殺伐とした都会の風景、人間の持っている孤独な世界をモノクロの映像によって浮かび上がらせることへのこの監督の拘りのようなものが感じられる。夫からの愛を感じなくなった女ジャンヌ・モローと同じように何かに怯えているようなもう一人の女、モニカ・ヴィッティ、二人の女の孤独、見ていてどこか同じ監督の「太陽がひとりぼっち」に通じるものを感じる作品になっている。人は常に愛するよりも愛されたいと願う生き物なんだと監督が言っているようなこの感じこそこの監督の作品全体に感じる共通点ではないだろうか!それにしてもここでも出番は少ないもののモニカ・ヴィッティのあの美しさ、悩ましい姿は眼に焼き付いて離れなくなりそうです。そんな美しいモニカ・ヴィッティに「刺激的な夜だったわ」だなんて言われたマルチェル・マルストロンヤニが羨ましい。私も言われてみたい。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-03 21:59:23)(笑:1票)

1222.  我が家は楽し(1951) 《ネタバレ》 笠智衆と山田五十鈴が夫婦でその娘に高峰秀子と岸恵子ってどんな家庭や?何だかそれだけで凄いドラマが待っていると期待せずにはいられない。期待通りの出来栄えです。勤続二十五年の祝いをしてもらうこととなった笠智衆が山田五十鈴の前で表彰状を受け取る時の練習風景が何とも笑える。まるでチャップリンのようなコミカルな動きと表情、そんな楽しい前半が電車の中でスリの被害に会ってお金を全て盗まれてしまってから不幸の連続へと進んで行く中で、妹二人と弟がそんなこととは知らずにいる中で、偶然にもそのことを聞いてしまった高峰秀子が自分の書いた絵を売ろうとする姿に何だか泣けてきて仕方ない。毎度ながら高峰秀子という女優さんは見る者に対し感情移入させるのが本当に上手い。ただ上手いだけでなくつい、応援したくなるそんな魅力を持った数少ない女優、それが高峰秀子だと思う。山田五十鈴の果せなかった夢を二人で語るシーンの母と娘の会話、やれとりもこれまた良い。このまま不幸で終わるかと思ったら最後は再び幸せが待っている。一度は家族全員、家を追い出されなくなったものの山田五十鈴の母の一言で再び絵を書くことにし、その絵が認められ、更にその一枚の絵が原因で家を出なくてすむようになった家族達、そこで元気いっぱいに歌う岸恵子、それに釣られるようにして歌う笠智衆と山田五十鈴の二人の表情の素晴らしさ、お金よりも大切な何かを得ることの出来た人達、見ている私にもお金よりも家族の愛、絆の方が大切であることを改めて教えてくれたこの家族達の名演技ぶり、言葉に出さなくても背中で演技する笠智衆と家族を支える山田五十鈴の名演技ぶりに高峰秀子という女優の凄さ、美しさに見入ってしまうこと間違いなしのこれまた見応え十分のホームドラマを見せてもらった思いでいっぱいになりました。[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-29 13:11:54)(良:1票)

1223.  鞄を持った女 《ネタバレ》 クラウディア・カルディナーレ、何だかとても美味しそうなお名前だな!のこのイタリアを代表する美人女優、勿論、名前は聞いたこともあるし、そういう女優がいたことも知ってはいたけど、今回、この作品で初めて彼女を見ることになる。もう、一発で惚れてしまいました。最愛の夫を失い、別の男には振られるわで散々な目に合いながらもそんな中で出会った自分よりも年下の男とのドラマの中で見せる苦しみ、苦しみに苦しみ抜いた上に出した決断、自分が年上であることの苦しみ、好意を抱いてくれた年下の男のことを思えばこそ自ら別れを告げることの苦しさがあの何ともやりきれない音楽と共に迫ってくる。途中、少しダレル感じがしたり、あの少年以外に出てくる男がどいつもこいつも本当に嫌な奴きりであったりと、色々不満もなくはないが、それでもなかなか見応えのある作品になってはいる。あんな良い女だったら、風呂の水をいっぱいにして零そうが許してしまいたくなる。クラウディア・カルディナーレ、また一人、好みの女優が増えてしまった。これを機に彼女が出ている他の映画も見てみたいと思いました。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-29 11:57:58)

1224.  赤い砂漠 モニカ・ヴィッティ、良い女だなあ!惚れた。惚れた。あの何とも気だるい雰囲気の中にある魔性の女のような何とも言えない色気に見ていてクラクラしそうです。そんなモニカ・ヴィッティが見せる何かに怯え、何かから逃げ出そうとしているその仕草、表情、それにまるで合わせるように後ろの気だるさを十分に醸し出している映像美が作品全体の雰囲気にマッチしている。話そのものは特に面白いとも感じないし、解りづらい部分のが私には多いが、ハリウッド映画にはないいかにもヨーロッパ的な空気がこの映画から感じることが出来た。それにしてもモニカ・ヴィティ、本当に良い女だなあ!彼女の出ている映画を観たのはこれでまだ二つ目だが、あたしゃすっかりあなたの虜です。他の彼女の出演作もまだ観たい。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-26 21:00:08)

1225.  ベニスに死す 《ネタバレ》 まず最初に言っておきたいことがある。今までアメリカ映画しか見たことのない人、これからヨーロッパ映画を見ようと思っている方、そういう方にこの映画を一番最初に観る。選ぶのだけは絶対に止めた方が良い。間違いなく退屈だと思うし、二度とヨーロッパ映画なんか見るものかと思うに違いないからである。そんな映画なのに何故7点も付けているの?と思われるだろうけど、映画はただ面白いだけが映画じゃない。この映画は人間とは如何に惨酷な生きものかという問いに応えて見せている。年老いた主人公がイタリアの美しいベニスという場所で出逢った一人の美しい若者、それも同姓に対し惹かれていく。同姓が同姓に対し描くあこがれ、それは人間の本質のようなものであるという監督からの強いメッセージと取れる映画がこの映画ではないかと私は思う。美しいものに対するあこがれというものは人間なら誰しも持っているはずです。あまりにも美しいベニスの街並みと美しい若者、そして、美しい音楽、この映画は何もかも美しい。その美しさが故にけして、自分は美しくとも感じない一人の老人が美しさの中にある惨酷な少年の心というものに心を奪われたまま最後は病気で死んで行く。誰にでもある老いたくない気持ち、人を愛するということと愛されたいと思えば思うほど浮かび上がってくる惨酷さ、この映画は単なる人間の妄想だけでない人間の惨酷な部分を美しくも哀しく描いた作品で、楽しい映画でもないし、笑えるとかスカットする映画でも勿論、ない。しかし、ただ面白いだけが映画ではないということを私に教えてくれているという意味で外せない作品である。何度も繰り返し見て楽しみたい映画でもない。そして、やはりこれから初めてヨーロッパ映画を見ようと思っている方には薦めることは出来ない。色んな国の映画を観て、色んなタイプの映画を体験した上でこの映画を観る方が良いと思うし、そうでないと間違いなく二度とヨーロッパ映画は見るものかとなることでしょう![DVD(字幕)] 7点(2008-06-22 21:40:13)(良:2票)

1226.  有りがたうさん 《ネタバレ》 「有りがたうさん」良い響きだ!観終わって一言、心から「有りがとう」てこの映画の人達みたいに大きな声で叫びたくなった。そのぐらい本当に観ていて気持ちの良い映画だ!話そのものは、物凄いアクションがあったり、何か特別に凄いことが起きるわけではないのに、それが返って物凄く新鮮で本当に観ていて心地が良い。伊豆から東京へと向うバスの運転手とそこにそれぞれ色んな悩みを抱えている人達が乗り込んできて、その道中、様々な人間模様が繰り広げられるのたが、それがまた面白い。全員がこれまた善人かと言うと、そうでないところもこの映画の面白さの一つである。バスの動きにまるで合わせるかのようなのんびりとした台詞、これがまた何とも観ていて不思議なぐらいの心地の良さを感じる。車の中での桑野道子と髭をはやかした老人との会話、やりとりがこれまた凄く面白い。甘いのは苦手だからとウイスキーを勧めておきながら、やっぱり車の中でのアルコールは駄目だとか、髭をいじくっているとそれを見て、あんまり伸ばすと取れてしまうだのと皮肉いっぱいのこの面白さ、上原謙のバスの運転手と他のお客さん達、そして、地元の人達との「有りがとう」「有りがとう」の連呼!これもちっとも嫌味というものを感じない。それどころかむしろ、本当に「有りがとう」ていう気持ちに見ていてなるぐらいの心地の良さ、全編オールロケてのもこれも素晴らしい。のどかな大自然を生かした素晴らしい風景の中に輝く人間の優しさと人生に対する厳しさみたいなものが1時間半にも満たない僅かな時間の間で、しっかりと描かれているのも素晴らしく、何だかまるで小津監督の映画を見終わった後のような本当に心地の良いそんな映画を見た気がして、この監督さん、一気に好きになってしまった。この清水宏という監督の他の作品も見たいなあ![DVD(邦画)] 9点(2008-06-22 11:41:47)(良:1票)

1227.   《ネタバレ》 三隅研次監督で市川雷蔵でタイトルに「剣」とあれば、昔の邦画が好きな方なら誰しも時代劇だと想像することであろう!ところがこれは完全な現代劇、それも今に通じる男と女の愛というものが描かれている。市川雷蔵演じる主人公の真っ直ぐな性格、タイトル通り「剣」の道、一筋に生きる男、そして、そんな男を僻む男と慕う男がそれぞれいて、更に女が絡んでくる。出演者の顔ぶれといい、まるで増村保造監督の映画でも見ているような感覚に陥る。市川雷蔵は勿論のこと、市川雷蔵に対して僻む男の見苦しさ、女から見たらこういう僻みぽい男はどうしようもない男にしか映らないはずですの川津祐介(増村監督の「赤い天使」に出演)とは正反対な男の長谷川明男にしても増村作品「刺青」に出演など、どう観ても増村作品としか思えない顔ぶれと内容である。男のだらしなさと女の強さ、男の不器用さと女の起用さ、女は男以上に愛する者の為なら自分を犠牲にしてまで嘘を付く。正しくこの男と女の画き方などどう考えても増村映画としてか思えない。市川雷蔵、川津祐介、長谷川明男の共通点はいずれも増村映画の中で若尾文子と競演している。また、ここのキャストの所には名前がないけど高見国一(あの坊主頭の少年、川島雄三監督の「雁の寺」「女は二度生まれる」で若尾文子と競演!観てる人なら解ると思うが「雁の寺」の慈念です。といい、出ている人達がいずれも若尾文子と競演しているという点についても興味深い。とにかく作品の雰囲気から何まで三隅研次作品てよりは明らかに増村保造作品でして、あのモノクロによるシャープな映像、腕立てのシーンの本人のカメラ視線で地面に落ちる汗、何とも大胆なこの構図に眼を奪われた。市川雷蔵の学生服姿が全くもって違和感のないのにはびっくりさせられたし、現代劇を演じてもその役に徹しきり、観ていても何一つ違和感の与えないところは本当に凄い。最後に市川雷蔵演じた国分という男はどうやら原作者三島由紀夫そのものらしいけど市川雷蔵のあの死に様は何だか三島由紀夫という人の男にしか理解出来ない何とも哀しい人間の切なさが現れているようでもある。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-21 16:35:37)(良:1票)

1228.  姉妹(1955) 《ネタバレ》 野添ひとみと中原ひとみの二人のひとみコンビによる姉妹の物語で、これがまた何とも素朴な感じが二人の演技とその周りの人達の温かさから感じる良い映画です。この話の中では姉が野添ひとみで妹が中原ひとみですが、実際のところ、二人の年齢を見ると野添ひとみより中原ひとみの方が姉ではある。そんな二人がとにかく本当に良い。しっかり者の姉と天真爛漫で思ってることは何でもぽんぽん口にする活発な妹、性格の違うこの二人が色んな悩みな苦しみを超えて、最後は結婚する姉とそんな姉を見送る妹、姉と妹の喧嘩もするけど本当に心の通っている姉妹である様子が観ていても解る。妹が姉に対して言う台詞「私も私なりに幸せになるから、お姉ちゃんはお姉ちゃんらしく幸せにね」「お姉ちゃん、本当の主婦みたいだったもの、あはははは」て笑いながら泣くあの顔は忘れられなくなりそうなぐらい本当に良い妹ぶりを発揮している。そして、花嫁姿でバスに乗り去っていく姉を一人、丘の上から「お姉ちゃん~~~」と叫ぶ妹の姿に姉と妹、妹が姉を心から応援しているという妹から姉に対する励まし、応援とも取れるラストシーン、これは間違いなく妹から姉への応援メッセージと共に姉の妹への私は結婚して嫁いで行くけど、けして、妹のことは忘れないという正しく「姉」と「妹」タイトル通りの「姉妹」の絆を美しく描いた作品だ![ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-20 22:01:23)

1229.  日本列島 《ネタバレ》 宇野重吉と芦川いづみ、目当てに借りてきた。これは何とも重苦しい映画だ!観ていて何ともやりきれない気持ちにしかならない。モノクロの画面から伝わるその怒りと悲しみ、主演の宇野重吉演じる米軍基地犯罪捜査官(秋山)が日本の黒い霧を告発するのだが、敗戦後の米軍占領下で起こった殺人事件の裏に潜む影の正体を追求しようとした挙句に沖縄で殺されてしまう。その模様が描かれている。政治色の強さがありすぎる為にサスペンス映画として観ると面白くはないし、むしろ、そういう見方をするよりはこれは完全な社会派映画として観る方が正しいと思う。この作品では事件当時の映像が何度も出てくるが、そのモノクロ映像による恐ろしさと米軍のジェット機による爆撃で硝子の割れるラストは米軍によって圧殺される者の絶望の象徴を感じせずにはいられない。とにかく何ともやりきれないほどの怒りというものがひしひしと重く圧し掛かってきて本当に嫌になるが、こういうことが本当にあったんだ。けして、人事のようには思えない。他人事としてほっといてはいけない。社会派の熊井啓監督らしいメッセージというものが描かれた作品だと思いました。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-17 20:49:23)

1230.  浮草日記 《ネタバレ》 おっ!オープニングからいきなり軽快な音楽、これはひょっとして?とかなりの期待!何とも快調なスタートに出演者の顔ぶれ、演技、中でも東野英治郎と津島恵子が素晴らしく良い。旅芸人の一座の物語として良い感じで進んでいたのに、途中から急にお金の問題がどうだの、組合がどうだの、ストライキがどうだのと、この監督らしい社会派の顔が覗いてしまい、折角の人情話も何だか説教臭さく感じて残念でならない。人情ものなら下手に社会派のようなものなど入れないで描いてくれる方が私は好きです。5点にしようか6点にしようかで迷うけど、津島恵子をはじめとする役者達の演技には好感が持てたのと、それなりに楽しむことも出来たので6点にしたいと思う。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-06-15 14:15:55)

1231.  はるか、ノスタルジィ 大林宣彦監督の作り出す世界は舞台がどこであろうと、この監督の描く少女への想い、大人が大人に成り切れないもどかしさ、人の心の中には必ず少年だったり、少女だったりと、いつまでも子供の気持ちというものが観てとれる。自分の過去と現在、人が人として生まれてきた以上、絶対に切って捨てることの出来ない過去と現実、それを大林宣彦監督らしい美しい映像で見せてくれる。この映画もそんな大林映画らしい美しさを感じる。映像の美しさ、久石譲の美しいメロディ、尾道がセピア色ならばこの映画の舞台となっている小樽は透明感のある色合い、空気というものを感じる。大林宣彦監督に小樽てだけで少なくとも半分以上の点数を与えたくなる。この映画を単なる中年親父の妄想と言い捨てるのは簡単かもしれない。大林映画に出てくる少女は少女のまま歳を取らないのが大林映画の基本である。「転校生」の小林聡美、「時をかける少女」他の原田知世、「さびしんぼう」の富田靖子、そして「ふたり」にこの作品の石田ひかり、大林宣彦監督の映画に出てくる少女はどこか一貫性というものを感じるし、また大林映画独自のミステリアスな感じも悪くない。これはけして、笑いや涙、感動を誘うような映画ではないと思う。文学的な香りを味わう映画だと思う。こんな大林映画も私はあっても良いと思うし、好きです。[DVD(邦画)] 8点(2008-06-13 21:47:46)(良:1票)

1232.  ねえ!キスしてよ これはビリー・ワイルダー監督作品としてはあまり知られてないのかな?三人しかコメントがないけど、これはこれでなかなかの出来栄え!まずは何と言っても出ている俳優達の演技合戦が面白い。特にキム・ノヴァクのあの色気は何なんだ?ここまで大馬鹿ぶりを醸し出しつつも、けして、単なる大馬鹿女じゃない優しさを見せる。それに対する男達のマヌケぶりが何とも微笑ましい。全体的に話の展開があっち行ったり、こっち行ったりと目まぐるしいのが気にはなるものの、ビリー・ワイルダー監督らしいテンポの良さで最後まで飽きずに観ることは出来る。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-08 15:11:06)

1233.  喜劇 男は愛嬌 森崎東監督による「女は度胸」に続いて観たこの作品「男は愛嬌」これもまた同じく面白い!渥美清という俳優の演技、話術、これまた「男はつらいよ」の世界に通じる笑いと涙のバランスが良く面白い喜劇です。画面に渥美清さんが出てくるだけでどうしてこんなにも笑えてしまうのか本当に不思議である。寅さんファンなら一度は観て欲しい作品としてまず登録させてもらいました。何しろこの作品、寅さんそのままです。寅さんシリーズの常連であるタコ社長こと太宰久雄、同じく源公役の佐藤蛾次郎といったメンバーも出てます。「女は度胸」同様、これもまたとても面白いし、寅さんファンなら楽しめる筈だと自身を持って言えるそんな作品です。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-07 19:22:29)(良:2票)

1234.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 シモーヌ・シニョレていうと「悪魔のような女」でのあの本当にぞっとするような正しく悪魔のような女があまりにも強烈すぎて、最初のうちは何だか違和感を感じてしまったものの、そこは流石はフランスを代表する名女優!観ているうちに彼女のあの苦悩する演技にどんどん惹き付けられていく。夫がいながらも別の男に愛されると同時に愛してしまったというその苦しみ、愛人と共謀して夫を殺す。いや、彼女の場合は相手の男がやっただけで、本当は殺してはいないのだが、罪の意識の深さに苦しむ姿が何とも哀しい。恋愛映画ではあるけど、男と女の特に女の心理状態の不安さがテーマとも言えるような内容で、本当は8点にしようかで迷うものの、私にはシモーネ・シニョレという女優の持っている本来の悪魔的女の恐さというものにおいて考えるとどうしてもこういう役より「悪魔のような女」で見せた彼女の方が持ち味があるような気がしてならないので1点マイナスの7点てことにしたいと思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-07 11:03:03)

1235.  私は告白する 久しぶりのヒッチコック作品の鑑賞!でもって、やはり上手い。冒頭から正にヒッチコックらしい、モノクロの映像のセンスが漂っていて自然と作品に釘付けとなる。あの斜めからの角度による教会の映し方、下から斜めからとそのアングルによる撮影により緊張感というものが効果を得ているところなど流石はヒッチコック!映像の魔術師と言われるだけのことはあります。あの不安定な建物がモノクロの映像と共に忍び寄る恐さ、教会の中での会話の場面と外の風景とを交互に素早いカット割りで映すことで生まれる心理的恐さ、教会の上に流れるあの雲などただそれでけで恐い。そして、この映画では主人公、殺人の罪をかぶせられる男を演じているモンゴメリー・クリフトの表情から感じられる苦しみ、怯える姿などは正しくこの俳優ならではのものを感じることが出来る。「陽のあたる場所」で見せた何かに怯えているような表情こそこの俳優の持ち味ではないかとここでもまたそんな素晴らしい演技が見られる。サスペンス映画として見たら確かに少し弱い部分がなくもないが、人間の心理というものを捉えた一つの作品として観ると凄く面白い。やはりヒッチコックの作り出す世界は私は好きだ。これも私にとっては満足のいく仕上がりになってます。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-01 13:38:29)

1236.  菊豆/チュイトウ 《ネタバレ》 チャン・イーモウ監督の作り出す映像美は本当に凄い。いつもながら色使いの上手さ、赤、青、黄色と巧みに使いこなすその映像センス、これだけ赤、青、黄色の三色を上手く使いこなせるのは他には信号機ぐらいです。おっと、信号機のことよりもこの映画について触れないとまずい。コン・リー演じる菊豆がいたぶられる場面のあの美しさ、女性が男に暴力を受ける場面など本来は醜くて汚い、グロテスクなものなのに、この場面なんて何と言う美しいシーンだ!さほど多くは見たことがないので、よく解らないけど、下手なアダルトビデオのレイプシーン、SMシーンよりもずっとずっと美しく感じるから大したもんです。それも偏にコン・リーという女優の持っている美しさ、外見的なものだけでない内面的な美しさと両方とを持った女性としての美しさと感情的表現における演技力あればこそ見られる美しさ、女性が虐められる場面でこんなにも美しいのを私は今まで見たことがあったか?自分がやがて夫となる男に覗かれていることを知った時のあの表情の素晴らしさ、コン・リーあっての映画であることは少なくとも間違いないと私はこの映画を見て感じました。最後に二人の間に生まれてきたあの何とも憎たらしいガキといったらまるで何だか亀○兄弟でも見ているようでして、いや、本当に何だかあの息子の面構えといい、暴力的ふるまいといい、坊主頭な所までそっくりだ!それにしても本当にどの場面においても映像美が美しいのには流石、チャン・イーモウ監督だと思いました。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-31 11:16:45)

1237.  リスボン特急 アラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーブとフランスを代表する大スターの競演てことで借りてきたものの、期待が大きすぎたかもしれない?いかにもフランス映画らしい雰囲気が感じられて嬉しい反面、何か物足りなさも残る。サスペンス映画として観るよりは犯罪映画として観る方が正しいのかもしれない。全体な空気、俳優陣の演技も悪くはないし、むしろ、アラン・ドロンもかっこ良い。ただ、アラン・ドロンて俳優に関しては刑事よりも悪役の方が向いてると思うし、私は断然、好きです。それとリスボン特急とタイトルにあるにも関わらず特急内でのやりとり、緊張感もいまひとつな感じがしてやはりちょっと物足りない。カトリーヌ・ドヌーブの悪女ぶりに関しては良かったと思う。[ビデオ(字幕)] 6点(2008-05-25 17:50:28)

1238.  ジャズ大名 何ともハチャメチャで陽気で相変わらず岡本喜八監督の描く人間たちはおかしな奴が多い。時代劇とジャズとは普通では考えられないようなその発想の面白さ、デタラメなこの面白さこそこの映画の一番の見所ではないかと思うぐらい本当に作品としてはデタラメではあるが、作品全体に見られるエネルギー、あの外国人達の何とも下手くそなジャズの演奏が何だか可笑しい。殿山泰司の変てこな坊さんも笑える。何も考えずに肩の力を抜いて楽しんでもらいたいという岡本喜八監督の思いが伝わる作品になってます。欲を言えば時代劇にしては殺気というものが少し足りなく思えるものの、それでも今の時代劇よりはずっと良い。少なくとも最近のNHKの大河ドラマよりはマシだと思います。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-05-25 12:06:18)

1239.  東京の合唱 《ネタバレ》 小津監督のサイレントを観るのは何本目になるのかな?話としてはそれほど特に面白いわけでもないが、あのカレー店の前が何とも笑える。「カロリー店」ていうネーミングが凄い。今ではとてもじゃないが、絶対に流行らないだろう!こういう何とも笑える名前を付けるそのセンスこそ小津監督らしい面白さを感じることが出来る。観ていたらカレーライスがやたら食べたくなってしまった。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-23 21:55:46)

1240.  日本の悲劇(1953) 《ネタバレ》 木下恵介監督と言えば日本人の優しさ、情感豊な作品が多いが、これはそんな木下恵介監督作品らしさの全く感じない何とも非情な作品です。ここまで徹底して非情に成り切っているのには深い訳がなくてはなれないであろうと観ていて感じるほどの冷たさ、とにかく出てくる人物がどこまでも冷たい。大事に育ててきた二人の子供に見捨てられる母、望月優子の演技の凄さ、子供達の為にしてきたことが子供達から反感の眼で見られ、挙句の果てに子供達に見捨てられる。こういう事は実際に、世の中にはあるであろう事実として、まずは考えさせられる。子供達に裏切られる母の苦しみを本当に理解していた者は果たしていたのか?佐田啓二だけが理解していたのか?人間なんて生きものは所詮は自分のことで頭の中はいっぱいなんだ。例え親だろうが、子だろうが親と子の関係など単なる親と子でしかないのだろうか?と我々に対して、訴えている。問いかけを行なっているような何とも観ていても人間の惨酷な一面が見えてやれきれない思いになる。時折、流れるニュース映像がまるでドキュメンタリー映画でも観ているようなリアリティーを生んでいることだけは間違いなだろうし、そういう映像を流すことで人間の人生なんて、ドキュメンタリーのようなものである。あの母親の人生、列車の中に飛び込み、自殺をはかり死んで行く母の人生の厳しさ、木下恵介監督が本当に言いたかったことは、人生は楽なことばかりではない。むしろ、苦しいことの方が圧倒的に多いのだ。望月優子演じる母親の自殺は我々、全ての人間に苦しくても自殺などしたらそれで終わりである。自殺したからって、何も報われはしないとこの映画を通して伝えたかったのではないでしょうか![ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-22 21:23:56)

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