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1221. ジャックと天空の巨人 《ネタバレ》 私が気になったのは、人間と巨人族の戦力バランスです。勿論一対一なら人間は圧倒的に不利でしょうが、本作の設定程度の戦力差であれば、巨人族に人間が駆逐されるとは思えません。絶望する必要が無いのです。多大な犠牲を払ったとしても、最期は数がモノを言い人間が勝利するのは目に見えています。にもかかわらず、巨人を無条件で平伏させる“絶対的な武器”が存在するのは、人間側にちょっと都合良すぎるかなあと。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-05-21 18:53:23) 1222. エレベーター(2011) 《ネタバレ》 『悪夢のエレベーター』4人、M・ナイト・シャマラン監督の『デビル』5人。本作と同じくエレベーターを舞台としたソリッドシチュエーションスリラーで、エレベーター室内に閉じ込められた人数です(もっと有名な映画もありそうですが)。これに対して本作は8人。エレベーター自体の規模が違うとはいえ、明らかに大人数でした。この設定が意味したのは“エレベーター室内だけでドラマを完結させる”ということ。ご都合主義が散見されたとはいえ、画的に代わり映えしないエレベーター室内だけで80分間持たせたのは、お見事だと思います。中でも因果応報のバランスがよく考慮されていたと感じました。浮気男は腕を捥がれましたし、会長の孫は一生モノのトラウマを植え付けられた模様。そんな中、最も重い罰を与えられたのが百貫デブ社員です。劇中の言動だけ見れば、明らかに不公平に重過ぎる罰ですが、あそこまで太ってしまった事が既に死をもって購う程の罪なのでしょう。きっと米国の大手保険会社が本作のスポンサーに名を連ねているに違いありません。ところで、助かった人たちは皆100万ドルを手にしたと思いますか?答えは勿論NO。詐欺紛いの金融商品を売りつけるような証券会社の会長が約束なんか守るものですか。大金持ち程ケチなのは常識。だからお金が貯まるのです。これがホントの“背骨折り損の血まみれ儲け”。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-18 19:56:03)(良:1票) 1223. オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 まさか、たったあれだけの時間で子種を仕込むとは。流石超一流のエージェントは違いますね。今回もお見事、ミッションコンプリート!ということで…え、これ『ミッション:インポッシブル』じゃないの?![ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-05-15 20:55:56) 1224. エコーズ 《ネタバレ》 催眠術の暗示にかけられている最中、主人公の心象風景について。催眠術師暗示の言葉「あなたは映画館にいます」で、画面に映し出されたのは、映画館お馴染み朱色の椅子。続く「真っ暗な映画館です」に呼応して、座席の端から黒く塗り替わっていく椅子たち。この映像表現の見事なこと。観客は手に取るように主人公の心の中を覗き見る事が出来ました。でも、これ、ホントは嘘なのです。想像してみてください。前述の順序で状況説明された場合、椅子の色は徐々に変わるのではなく、瞬時に変わるはずです。でも表現的には徐々に変わった方が美しいのです。これぞ文章に勝る映像媒体ならではの演出。映画の浪漫を感じさせるものでした。以上が(唯一)良かったと思う部分です。全体の印象は、だいたい皆さんと同じ。ベタなオカルトホラー。それ以上でも以下でもありません。[DVD(吹替)] 6点(2014-05-12 19:56:51) 1225. 真夏の方程式 《ネタバレ》 私の要望する改善ポイントは以下のとおり。①物語の始点となる殺人事件について。包丁を持って追いかけてブッ刺すなんて絶対にダメです。殺す気満々ですもの。部屋でもみ合い、テーブルの角に頭をぶつけての過失致死あたりが王道ですがお勧めです。またキャスティングも西田尚美さんでは親しみが持ててしまいNG。沢尻エリカ、泉ピン子など“性根の悪そうな”雰囲気を醸し出せる女優さんの方が好ましいでしょう。②緑岩荘での殺人について。被害者は退職した刑事ではなく、強請タカリが目的の下衆な週刊誌記者なんて如何でしょう。塩見省三さんでは、人柄の良さが滲み出ちゃってます。前述の被害者同様、憎たらしい相手でなくては。例えば坂上忍、武田鉄矢、岸部四郎。パブリックイメージも悪くてお似合いだと思います。あとは共犯者。彼を騙して殺人の片棒を担がせたのは、極めて悪質でした。どうしても彼の手を借りなければならない必然性が欲しいところです(前田吟の足が不自由程度の理由では全っ然足りません!)以上2つの殺人事件について修正いただければ、相当良い映画になったのではないかと感じます。とくに若き日の杏役の女優さんを探してきたところは、非常に好感がもてました(お手軽に済ませるなら杏にカツラを被せても成立するのですから)。本作のメインは奇抜な殺人トリックでもなければ、犯人捜しでもありません。一見幸せそうに見える家族の裏に隠された悲しい秘密。人間ドラマで魅せる映画ですから、登場人物にきちんと感情移入させて欲しかったです。観客の心情に配慮した脚本を希望します。[地上波(邦画)] 6点(2014-05-09 22:57:42)(笑:1票) (良:5票) 1226. デッド寿司 《ネタバレ》 本来ならタイトルは『スシ・オブ・ザ・デッド』でしょう。でもそうしてしまうと完全に“ゾンビもの”と認識されてしまいます。本作をゾンビ映画の範疇と捉えて良いのか非常に悩ましいところ。例えるなら某駄菓子の『○ッグカツ』をトンカツと言い張るような後ろめたさ。だから謙虚に『デッド寿司』なのかなと。なお、設定、ストーリー共に語るべき部分はありません。予想と寸分違わぬ、なんじゃこりゃ映画。いつもの如く、お好きな方のみどうぞ、な代物です。ただ、武田梨奈と亜紗美の女優としての着実な成長ぶりを確認する意味では、十分に価値がありました。とりわけ亜紗美嬢のパフォーマンスは極上でした。私は『爆発!スケ番☆ハンターズ』でその強烈な個性に釘づけとなりましたが、本作のロボットダンスには魂を持って行かれました。存在感だけならワールドクラスでしょう。目隠シストはワイルドキャット・亜紗美を猛烈断然支持します。武田梨奈に+1点、亜紗美に+2点のおひねり込みの採点です。[DVD(邦画)] 6点(2014-05-06 21:59:55) 1227. 大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇] 《ネタバレ》 柴崎コウ版は未見です。というのも、男女逆転という設定に惹かれるものが無かったから。好事家向けの悪ふざけとの先入観がありました。今回鑑賞したのも、たまたまTV地上波放送だったためです。いきなり椿鬼奴が出てきたところで、ああやっぱり悪ふざけだなと。ところが観進めていくうちに、考えが変わりました。この設定、悪くないです。コミカルでありつつも、様々な者の思惑渦巻く大奥の本質は変わりなく、そこに女性君主ならではの憂いが加味されます。見事な化学変化でした。子供を望むも授からぬまま、老いていく綱吉。本当に彼女が痛ましくて。菅野美穂がキャスティングされた意味もよく分かりました。西田敏行や要潤はオイシイ役で存在感を存分に発揮。今ノリにノってる堺雅人が意外と目立っていなくてビックリしました。[地上波(邦画)] 6点(2014-04-30 21:20:03) 1228. コリドー 《ネタバレ》 SFホラーサスペンスにカテゴライズされる作品ですが、テーマは近代文明への警鐘と読み取れます。その対象は「インターネット」。空間を歪める謎の箱?通路?はワールドワイドウェブのイメージを可視化したもの。知識・記憶の共有化、人間関係の悪化、一度開いたらもう閉じる事は出来ない等…全てネットの特徴に当てはまっています。その脅威のテクノロジーは、既存の機械文明全てを駆逐してしまうほど(だから機械が壊れる)。死者の歩行は、投稿者や管理人が死亡した後でも存続し続けるウェブ上の痕跡を意味している気がしました。私自身、ツイッターやフェイスブックに興味はありませんし今後も利用しないでしょうが、情報取得ツールとしてのインターネットは手放せません。それに本サイトの利用はもはや日課となっています。その常習性は恐るべきもの。そういえば異空間に汚染された者たちの姿は、まるで麻薬患者のようでした。インターネットに触れた者は皆、その魔力の虜。正気を失った彼らが、明日の自分の姿ではないと言い切れない事に恐怖しました。最期は…大海に飲み込まれて…自我を失ってしまう……。ホラー映画としては全体的に地味な印象ですが、強烈なメッセージ性を孕んだ意欲作だと感じます。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-21 19:58:42) 1229. トロピック・サンダー/史上最低の作戦 アクション映画としてなかなかの出来。大量の火薬が使用されているだけで、もうちょっと嬉しいです。制作費を存分につぎ込んだ悪ふざけ。いいじゃないですか。役者もご贔屓の芸達者ばかり。当然文句はありません。でも残念ながら笑えませんでした。「ここは笑うところ」というポイントは理解できます。でも冷静にそう思っている時点で楽しめてない証拠。これは完全に自分に非がありました。パロディの元ネタとなるオリジナル戦争映画をほとんど観ていないのです。気づいたのは『プラトーン』くらい。本作は見た目以上に間口の狭い映画と考えます。戦争映画をもう少し鑑賞してから再度挑戦してみたいと思います。[映画館(字幕)] 6点(2014-04-12 22:25:19) 1230. LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 一般的なタイムトラベル系SFとの差異は、サイキック要素を取り入れた部分でしょうか。ただし、この脚本ではあまり意味が無い気がしました。せめてレインメーカーは“幼少期から超能力を発揮していた”という設定を活用して、3人の候補者からレインメーカーを特定する課程が必要だったと考えます。いくら愛する妻を救うためとはいえ、無関係の子供を殺せるブルースに同情できるはずもなく、現在のジョーと未来のジョーの性格の違いに戸惑うばかりでした。結末も唐突。そして安直で感動に繋がり難いと感じます。それにしてもブルースにマシンガンを使わせてしまうと、『ダイ・ハード』と見分けがつきません。もしかしたら観客へのサービスのつもりかもしれませんが、そのサービス要らなかったです。[DVD(吹替)] 6点(2014-03-30 21:29:27)(良:1票) 1231. 映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち 《ネタバレ》 プリキュア10周年。記念イヤーの恒例オールスターズの舞台は、息子を溺愛する過保護な母親バクが作り出した夢の世界でした。厳しい現実に揉まれて辛い思いをするよりも、甘い夢の中で幸せな時を過ごして欲しいという母の願いが作り出した甘美な檻。夢に閉じ籠るだけなら、親子だけの問題と言えなくもないですが、他人様の、しかも人間のお子さんまで巻き込んではプリキュアも黙っていられないでしょう。現実を生きる事の意味を優しく説教。子を母の呪縛から解き放ちます。まあ、いいんではないでしょうか。ただし、先輩プリキュアが誰ひとり社会人になっていない事に、そこはかとない違和感が。テーマがテーマだけに、不老のプリキュア戦士たちのファンタジー度合が際立ってしまいました。サザエさんのタラちゃんが将来の夢を語るような、やるせなさ。彼女たちも、ちゃんと成長させてあげなくては不憫な気がしました。『シフトが抜けられないんで、今回はパスで』『その日は子供の運動会ですわ』そんな理由で参戦できない仲間が出てきたりして…うわあ、なんかスゴイですね。オールスターズの最終回があるなら、是非こんなお話をお願いします(涙)。[映画館(邦画)] 6点(2014-03-24 17:59:27) 1232. ビジター(2012) 《ネタバレ》 DVDパッケージに踊る煽り文句は『すべてが覆る衝撃のラスト3分』。よくある“意外な結末”が売りのホラーサスペンスです。期待を裏切られる事の方が多い危険なジャンルですが、本作の出来はそう悪くありません。プロット自体は正直ですし、描写もフェア。真相を探るためのヒントも数多く出ています。種明かし直後の“そんなもの分かるわけねえよ”的な不快感はありません。勘のいい方、同じオチの映画を観た事がある人なら、早々に真相に気付けるのではないでしょうか。ちなみに私は素直に騙されました。根が素直なんですね(おたんちんとも言う笑)。特にガスマスクが単なる虚仮威しアイテムではなかった点に感心しました。ただし、観賞後の満足度は高くありません。その最大の要因は緊迫感に欠けた事。ガスマスク集団は確かに不気味でしたが、武器は持っていません。自宅を放棄して逃げるだけなら楽勝でした。しかも物語冒頭で主人公夫婦が死んでしまっています。最終的に主人公が命を落とすと判明しているのは、サスペンスとしては足枷でしょう。ちょっと真面目につくり過ぎたかな?という気がします。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-12 18:57:15) 1233. 見知らぬ乗客 《ネタバレ》 足下のみを映すカメラワーク、人影を使った不穏な空気の醸成、そしてクライマックスの高速回転木馬。随所にヒッチコック“らしさ”が感じられるサスペンスです。しかしながら、総合的な評価は「平凡~やや良」程度の印象。最大の要因は脚本上・設定上の粗が多さ。ツッコミどころが多すぎました。またロバート・ウォーカー演ずるブルーノ・アントニーが憎めないキャラクターだったため(見た目はまるで湯原昌幸!)、サスペンスの緊張感が薄かったような。アンソニー・ホプキンスとかロバート・デ・ニーロみたいな(すみません。この当時の役者さんを知らないので)“狂気”を感じさせる役者さんにアントニーを演じて欲しかった気がします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-09 18:59:52) 1234. クソすばらしいこの世界 《ネタバレ》 保冷庫で吊るされている肉牛や、天日干しされている鯵の開きを見ても、別段可哀想だとは思いません。しかし、牛や鯵に我が身を置き換えてみたらどうでしょう。こんな残酷な光景もないはずです。“共感スイッチ”が切れている状態なら、どんな惨い事が起きていようとも、耐えられる(気にしない)のが人間。本作で展開された阿鼻叫喚の地獄絵図も、感情移入していないキャラクターの災難だから、受け流せるのだと考えます。日本人留学生たちが“嫌な奴”として描かれていた点には、こんな効果があったかと。自分とは関係ない、知らない誰かの悲惨な体験。ところが強制的に当事者にさせられた人物が一人いました。それが盗賊弟。イエローと見下し、女だからと蔑んでいた偏見の対象に、まさに自分が成り替わった悲劇。いかに自分が本人だと主張しても、実兄からは取り合ってもらえず、オヤジからは襲われる始末。自我の崩壊+屈辱のダブルパンチです。偏見という名のしっぺ返しが自分自身に戻ってくる、悪夢のお伽噺でありました。そしてふと気づくのです。盗賊弟の立場は、興味本位で他人の不幸を覗き見ていた私たち観客と何ら変わらないことに。お前たちも他人の不幸を喜んでみていただろうと。そのうちしっぺ返しを食らうぞと。これが監督のメッセージ。こちらの方が、残虐描写よりも余程悪趣味な気がします。ところで、人格入れ替わりのギミックについて。日本人にとっては大林宣彦監督の某偉大な前例がありますから、“男女2人が抱き合って坂を転がれば人格が入れ替わることがある”と素直に納得できますが(笑)、欧米の観客はどうなのでしょうか。結構クレイジーな設定だと思いますが。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-06 18:59:20) 1235. ハングオーバー!!! 最後の反省会 《ネタバレ》 酔っぱらって記憶喪失。どんな馬鹿をやったかを解き明かすお楽しみがあってこその『ハング・オーバー』でしょ!と言いたいところですが、実はそんなに違和感はありません。問題解決のために右往左往する物語の本質は変わりません。2作目にして様式のマンネリ感は否めなかったので、本作でのシフトチェンジは正解だったと考えます。動物愛護団体なら卒倒しそうな首チョンパから、驚天動地の天使の歌声あたり、冒頭の笑いの爆発力はシリーズ最高レベル。そのあとの展開は尻すぼみでしたが、ラストではきっちり泥酔乱痴気騒ぎ跡を見せてくれましたし、1作目の赤ちゃんの成長した姿も見られて嬉しかったですし、独身男アランも片付いたということで、シリーズの締め括りとして相応しい内容でありました。ただ、個人的な好みを言わせてもらえば、チャウというキャラクターが好きになれません。悪意のあるトラブルメーカーとしか思えず、イマイチ楽しめませんでした。同じ問題児でも『ポリス・アカデミー』の暴走族みたいに可愛げがあると許せるのですが。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-02-27 19:27:07)(良:2票) 1236. ディヴァイド 《ネタバレ》 戦争勃発。地下シェルターに避難した人々。既視感のあるシチュエーションですが、なかなか上手い状況設定だと思いました。とりあえず、水と食料はそれなりにある模様。数週間、いや数か月は、持ち堪えられます。でもそれも救出の望みがあってこそ。助けが来なかったら。生き残ったのが、自分たちだけだったら。そんな不安を押し殺していたところ、まさかの襲撃。子供が拉致され、しかも出入り口直結で(ココ重要!)調査設備を設営。何やら実験までしている様子。もう謎だらけです。微かな希望は一転白紙状態となりました。外は地獄、さりとて内も地獄。さて、あなたならどうしますか?という問いかけです。“恐怖と謎が渦巻く外界”よりも“シェルター内で生き延びる事”を選択する人々。いや正確には決断したワケではありません。単に外界へのチャレンジを先延ばしにしていただけです。水も食糧も底をついたら、流石にシェルターからの脱出を試みるのでしょう。でも、それでは遅いのです。人間は家畜でもペットでもありません。希望ゼロの人間の精神は腐っていくのみ。壊れ方が実にリアルでした。おそらく現代日本にも、極めて近い状態に置かれている人が沢山いるはずです。時間の浪費は万死に値する愚行。戦慄しました。内なる地獄からの脱出チケットは防護服分限定1名様のみ。いち早く、それに気づいた者のみが脱出できた結末は納得です。サスペンスとしての出来は悪くありません。ただし、武装兵や少女を拉致して実験など、ミステリーの真相解明は完全放棄。これには参りました。ラストシーンに唖然としたのは、脱出者より、むしろ観客の方だったのではないかと。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-09 18:59:48) 1237. 映画 怪物くん 《ネタバレ》 4歳の娘にせがまれ地上波TV放送版を2日間で3回(!)観ました。実は今4回目(!!)を観ています。本当につまらなければ却下するところですが、なかなかどうして、そんなに悪くないのです。コメディとして結構笑えました。上川隆也の話を聞かずにモメ出す一行。北村一輝のノリツッコミ。教科書通りの笑いは和みます。必要以上にBGMを使用しない演出も上品でした。イチイチブーメランになっている大野や川島の会話劇は楽しく、キーワード“わがまま”も上手く脚本に取り込めていたと思います。意味不明な設定も散見されますが、粗は概ね子供向け映画の範疇内。『アンパンマン』に付き合わされて、ナンセンス設定の耐性はだいぶ付いたみたいです(笑)。ドラゴンもCGを使わず現物を作成したところが、イイ味になっていたと思います。さて、キャスティングについての注文。TVドラマのときから気になっていたのですが、チェ・ホンマンの違和感が半端無いです。確かにアニメ(マンガ)版のキャラを忠実に再現していますが、台詞が無いだけにむしろ役者の技量が試される役かと。素人では厳しいです。宇梶剛士、高島兄弟、阿部寛、照英、阿藤快、佐藤二郎、宅間伸、ピエール瀧。ハマリそうな俳優さんは沢山います。何ならジャン・レノでもいいです。ドラえもんをやるくらいですから、フランケンだって引き受けるでしょう。其処にいるだけで雰囲気を作れる役者さんにフランケンをお願いして欲しいと思いました。[地上波(邦画)] 6点(2014-01-28 18:58:38) 1238. 脳男 《ネタバレ》 生田斗真の相手役に、松雪泰子をキャスティングしたのがお見事でした。カウンセリングで対峙する2人。特徴的に鼻の高い両俳優の横顔は、実に画になります。まるで合わせ鏡のよう。感情が無い男と、感情を理性で封じ込めえる女。2人は外見だけでなく、内面にも共通点がありました。そんな2人が出会った事の効用。女医の涙はロボットの中に眠っていた感情の欠片を掘り起こしましたし、鈴木は女医の過ちを正しました。「善悪の基準を勝手につくって審判を下す権利なんか誰にも無いわ」女医の台詞は、彼女の理性が言わせている模範解答。でも感情は、また別モノです。それが女医自身を苦しめている事に、彼女自身気づいていません。理性と感情、果たしてどちらに従うのが正しいのでしょう。いやこの2つを切り離す事に無理があるのだと感じます。どちらも等しく大切なもの。女医最後のつぶやき「(あなたは)何処へ行くの」は鈴木だけでなく、彼女自身にも向けられていると感じました。一次救護に当る訳でもないのに、ただ「救急車を早く呼んで」と泣き叫ぶ医療関係者や、「死んでも償い切れない」と涙を浮かべる加害者は“うそ臭くって信用できない”が私の持論。案の定、化けの皮が剥がれ落ちる結末は腑に落ちましたが、後味はかなり悪いです。でも因果応報の原則は守られているので不快感は低め。暑いけど湿度は低い、寒いけど乾燥していない、そんな余韻を味わえました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-12-30 18:55:00)(良:2票) 1239. スピーシーズ/種の起源 《ネタバレ》 人間の遺伝子を乗っ取り、さらにその繁殖方法を利用して勢力拡大を図る侵略者。ホモサピエンスの嗜好を取り入れた外見に擬態する抜かりなさ。科学者たちが危惧したように、シルの子供は男の子でした。野放しにしたら、一体どれほどの女性を孕またことか。きっと人類は駆逐されたでしょう。宇宙人が侵略してくる物語は数々あれど、本作のような侵略の形態は斬新だと思いました。そして見た目以上に怖いお話だと思います。ただの『B級映画』で終わる素材ではありません。であるにも関わらず“エロB級SF”のレッテルを貼られてしまうのは、エロ描写が勝ちすぎているからかと。シルの美しいこと美しいこと。あの美貌の前では、男の理性は簡単に吹っ飛んでしまいます。本当にB級なのは、バカな男の性欲なのかもしれません。[地上波(吹替)] 6点(2013-12-27 19:28:07)(良:1票) 1240. 北のカナリアたち 《ネタバレ》 『白雪姫と7人のこびと』ならぬ『小百合姫と6人の若手俳優』。微塵もエロスを感じさせないキスシーン、罪悪感ゼロの不貞行為。泥臭く熱演する若手俳優陣に対し、吉永小百合だけ纏う空気が違いました。吉永が持つ“透明感”や“処女性”は、女優としての武器と考えますが、シリアスドラマでは足枷になる場合があるようです。例えるならモデルルームで繰り広げられる貧乏家族物語のような違和感。ハイライトで流れるBGMの旋律が殊更煩わしいと感じたのも、主人公が人間力で対抗出来ていなかったからかもしれません。原作は未読ですが、ストーリー自体は自分の好み。出来れば寺島しのぶ主演でリメイクしていただけると在り難いです。サユリストの皆様、ごめんなさい。[地上波(邦画)] 6点(2013-12-18 18:57:13)(良:1票)
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