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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1221.  機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 本作の製作年度は1989年だから、20年以上前。まだ携帯もインターネットも普及していなかった時代。当時は10年ほど先を描いた近未来ものとしてそれなり仕立ててあるという印象だったが、観直して驚いた。個別の事象を正確に予言している訳ではないが、その後に社会を賑わした事柄が散りばめられている。OSが脚光を浴びたウインドウズ95が1995年。コンピュータ・ウィルスで侵略者をやっつけた「インデペンデンス・ディ」が1996年。アクアラインの開通が1997年。そして、9/11が2001年。それらを意識していたかのようなストーリーだ。OSに忍ばせたウィルスによるサイバー・テロを、都市の高層化を利用した大規模破壊テロへ繋ぐ計画の現実味には疑問符が付くが、発想は白眉である。IT環境と変貌する都市とこのシリーズの要であるレイバーが有機的に組み合わせてある。物語の中でそれを企てた帆場の真意は語られないが、彼が住いにしていた木造の廃屋から望む東京は、50階建ての「住宅」が林立するまさに現代の東京。20年以上前の描写に既視感を覚え、なぜか背筋に冷たいものが走った。都市開発というより文明に対するアンチテーゼ的な視点を漠然と感じたが、そこは台詞などで深堀りせずにレイバーのアクションで締めたことが却って余韻を残す結果になったと思う。幼稚な感のするキャラにこそ時代の流れを感じるが、内容は現在でも見応えのある普遍性を携えている。[ビデオ(邦画)] 7点(2010-07-03 21:25:54)

1222.  天使と悪魔 《ネタバレ》 現場に残された痕跡の記号解釈を手がかりにするのは捜査の王道だろうが、このシリーズはそれが実在する芸術品や宗教建造物などで構成されていて、よくこんな話を組み立てるものだと感心する。原作は文庫で読んだが、扉にある彫刻や礼拝堂の写真を何度も見返しながら読み進めた。で、本作は複雑な話をなんとか2時間強にまとめているが駆け足感は否めず、じっくり見たいところ(主に暗号が隠された彫刻など)の描写もおざなりで、5点くらいの評価です。やや偏差値が高めのサスペンスってところ。余談ですが、原作との比較の話をすると、とんでもなくレベルを落としたアレンジが為されていることに驚きます。本来のテーマは科学と宗教の対立で、反物質の生成過程自体がその二者を融和させる理論になるという、SF好きには堪らない設定を捨てている。中世のローマ・カトリックによる科学の弾圧の歴史にも触れないので、ヴァチカンを破壊するための仕掛けが反物質である必然も無いに等しい。自分は原作をかなり忠実に再現していた「ダ・ヴィンチ・コード」の方が出来が良いと思うのだが、世間の評判が芳しくなかった教訓を活かし、これくらい削る方が映画には相応しいと判断したようです。原作の面白さ自体を削るアレンジに疑問を覚えるが、結果的には正解だったようで複雑な気分。教皇が決まるまで礼拝堂から出られないコンクラーベはルールがまさに「根くらべ」なので、その言葉を聞く度に笑ってしまう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-03 21:19:21)(良:1票)

1223.  大巨獣ガッパ 《ネタバレ》 久しぶりに観たんだけど感心した。よく出来ていると思う。少なくとも、同年に松竹が作った「ギララ」よりは数段上だと感じた。プロットは過去の怪獣映画の寄せ集めだけど、子煩悩な夫婦怪獣という設定だけはオリジナルなので全て赦す。その上で、しっかり日活が作った味が出ている。プログラムピクチャーの延長上にある青春映画ノリの怪獣映画である。オープニングとエンディングを飾る主題歌は赤面する破壊力。2回聞かされるので嫌でも耳に残って笑ってしまう。また、ヒロイン山本陽子の可愛いこと。ガッパはいいからずっと山本陽子を映してよ、と思っておりました。ガッパがタコを咥えて(笑)熱海に上陸し、自衛隊の戦闘機を撃ち落とす。その血走った目ににじり寄る乱暴なカットバックに異様な迫力を感じて嬉しくなった。後期の昭和ゴジラやガメラより、見どころがたくさんあると思うので7点です。[地上波(邦画)] 7点(2010-07-03 12:49:42)(良:2票)

1224.  のだめカンタービレ最終楽章 後編 前編よりは良かったです。音楽観と恋愛観の狭間で自分を制御できないのだめの苦悩はじんわりとは伝わってきました。じんわり程度で、及第点ではない。原作を読んでいなければ、のだめの心情をトレースするのは難しかったと思います。峰と清良の方が、分かりやすくて良かったかな。原作の世界観が自分の中に確固としてあるものだから、キスシーンのエンディングも違和感がありました。あれはかなり安易なラブストーリーの締め方です。4年近く前に新聞の文芸欄で、クラシック音楽を扱ったマンガが好評でクラシックCDの売上を伸ばしているという記事を読みました。この映画の原作です。その時は久しぶりにマンガに没頭し、当時15・6巻まで進んでいたコミックスを一気読みしました。そして、お恥ずかしい話だけど、そのマンガに感化された私はいい歳してピアノを習い始めました。子供の頃「あしたのジョー」を読んでボクサーに憧れたことと大差ない動機だけど、それを行動に移してしまった訳です。何が言いたいかと云うと、原作には未経験者の自分でさえ音を奏でてみたいと思わせるパワーがありました。音楽と付き合うことに一喜一憂している登場人物たちがとても充実しているようで羨ましかった。原作を読まずにこの映画だけを観た私がそんなことをしたかと云うと、それは100%なかっただろう。ギャグの映像化とラブストーリーとしてのアレンジを骨格としたドラマと映画は親しみやすく、それは評価したい。でも、個人的に「音楽」との付き合い方を変えてくれたタイトルという意味では、物足りなさが残りました。今作というより、のだめ映像全般に対する感想です。[映画館(邦画)] 6点(2010-07-03 00:09:34)

1225.  第5惑星 《ネタバレ》 不時着した星に水があり酸素があり食えるものがあるって確率はいかほどのものなのか。戦争している異星人に背骨があり2足歩行して首の上に頭が付いていて目と口があるって確率はどうなのか。こういう設定こそ、ご都合主義というものじゃなかろうか。自分はダメですね。もう少し、それらしく見せてもらわないと。原作があるらしいが、そちらはしっかり考証的に補足されているのでしょう。見所としては、ルイス・ゴセット・Jrかな。こってりメイクを施されたうえから視線と頬の動きだけで「人間的」な感情を表現していました。自分の中では名作の位置を確保している「Uボート」や「ネバーエンディング~」の直後にこんな作品を撮るんだから、この監督は良く分からない。この人独特のリアリズムへの拘りが間違った方向へ向いた作品という印象です。[ビデオ(吹替)] 4点(2010-07-02 19:53:12)

1226.  天国の日々 《ネタバレ》 広大な土地と豊穣な麦畑。農場主と貧しい労働者。そこで展開するみみっちい策略。そして、呆気ない死。これ、そんなに評価される映画なのでしょうか? 確かに、ところどころにハッとするほど美しい風景が織り込まれるけれど、映画って風景を眺めるためのものじゃない。そんな風景に対照される人間たちの営みという視点で見ても、これと云ったメッセージが感じられない。本作より先に観ていた「シン・レッド・ライン」も同様の印象で、これがテレンス・マリックという人の映画ということは理解できたが、自分には合わないようです。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-07-01 13:27:24)

1227.  県庁の星 《ネタバレ》 「県庁さん」は必要とされる場所で能力を発揮して周囲に喜ばれて顔つきまで変わった。でも、それは彼が県庁から民間に出向して来ていたからというより、職場環境においては普遍的に起こる現象で、ドラマとテーマが噛み合っていないと思う。公務員と民間の際立った違いは収益を目指す必要があるかないか。自分は民間でしか働いたことがないが、これが万事に優先される死活問題。本作に関して云うと売上が伸びないことと消防の査察を混ぜ合わせて閉店とかリストラとか言ってたけど、シビアな視線を感じない。反対に県庁側の描写では、業者との癒着をステレオタイプに描く前に、収益を目指さなくても許される職員たちのゆるんだ体質を描いて欲しかった、という意見です。利権派閥から放逐された主人公が目覚めるって話も、もし平穏に進んでいたら何も変わらなかったってことで、彼が変化して行く動機としては結果論に過ぎない。テレビ局製作の映画らしく全体に浅い創りだけど、人間関係だけを観る分には楽しめたので5点。エスプレッソ・メーカーが県庁の特権意識の象徴なのか? 霞ヶ関ならいざ知らず、県庁でそんな意識を持ってる人っているのだろうか。自分が地方を知らないだけ?[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-06-30 09:17:00)(良:1票)

1228.  妖怪百物語 《ネタバレ》 この映画の妖怪たちの描写には独特の暗さがあって、それは闇に対する根源的な恐怖や、何かが出そうな場所のヒュ~ドロドロって雰囲気なんかと一緒に、映画全体を遊園地のお化け屋敷のようにまとめている。怖いがどこかユーモラスで、ハリウッド・ホラーなどとは根本的に違う。技術的に拙い部分はあるが、自分が幼少の頃に感じていた得体の知れないものに対する畏れともシンクロして、初めて観た頃の童心が少し蘇る。悪事を働いていた奉行と商人が妖怪たちから弄ばれることは、百物語の後に「憑き物を落とすまじない」を怠ったからで、彼らの悪事とは直接関係しないはず。でも本作では、妖怪を「お化け」と称して恨みを持った幽霊のように扱っている。「妖怪」とはもともと土地に居ついた神様の一種のはずだけど、そのあたりは曖昧。そう言えば遊園地のお化け屋敷も昔から妖怪と幽霊が入り混じってる。この映画に「お化け屋敷」を感じたのはそんな理由かも。ともあれ、近年の妖怪ものには感じられない味わいがよろしいかと。[地上波(邦画)] 5点(2010-06-29 19:43:05)

1229.  ターミネーター2 すでに20年も前の映画ということが意外。時間の経過が早いのではなく、いつ見ても面白いので、過去の作品に分類されない印象です。今回も、序盤からグッと引き込まれて最後まで一気でした。ストーリーを知っていることを考えると、同じように観られる作品っていくつあるだろう…。前作の財産と、ジョンが生まれてからの時間経過を設定に活かして、最小限の説明でストーリーがずんずん進んで行く。特に序盤のシナリオでT-800とT-1000が交錯するまでが秀逸なんだと思う。リンダ・ハミルトンの肉体改造も凄い説得力でした。アンドロイドが擬似的な感情を持つあたりには、主演を引き立てるご都合が意識されて感銘を受ける程ではないのだが、ジョンとの交流がアクションシーンと同じくらいに興味深く観られることが本作の白眉なところ。前作であんなに恐ろしかったT-800を味方にして、さらに不気味なT-1000と戦わせることは、作品のスケールを分かり易くエスカレートさせる。私は「1」をB級の体裁がA級に進化した珍しい作品と位置づけていますが、こちらは最初っから押しも押されもしないA級作品という評価です。[映画館(字幕)] 10点(2010-06-24 23:40:35)(良:3票)

1230.  プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 《ネタバレ》 ゲームは知らないので比較できませんが、悪くない映画だと思います。ジェイク・ギレンホールがあまりスタントを使わずに頑張って走り回っていることに感心。最初は頼りなげな王子さまに見えたけど、最後は顔立ちまでそれらしくなっていて、映画の中で成長したように映りました。アクションは疾走と走り幅跳びを中心に組み立てられていて、重力を感じる落下感が良い。ワイヤーアクションが大嫌いな自分には心地よかった。気性が激しく個性的なお姫様が中盤を引っ張ってくれます。描き方によっては突込みどころを増やす時間の砂も、それが使用された時の周囲の反応などをしっかり考えてあって好印象でした。砂漠の都市はそれらしく再現されていたけれど、砂漠自体をもう少し印象的に見せて欲しかったかな。それと、ダチョウの可愛さには目を瞠はりました。ラストの締め方がいかにもディズニーらしく、ちょっと口当たりが良すぎる印象。エンディングにもうひと工夫あれば、点数を加算したところ。もちろんCGは使ってますが、生身の冒険活劇っぽくて楽しめました。[映画館(字幕)] 6点(2010-06-23 02:23:33)

1231.  イベント・ホライゾン 《ネタバレ》 ブラックホールを利用した転移方法が、ブラックという言葉に相応しい邪悪と混沌の世界に繋がっていて、そこに行くと船が悪に支配された生き物に変化する。なんてアホらしいんだ。こういう中途半端なSFモドキを観るたびにすごく惜しいと思う。目玉をくり抜いて怖がらせようとする前に、その設定に考証的な面白さや説得力を与えることに注力すべきと思う。本作のようにSFに成りきれずに半端なオカルトアクションに堕ちる作品のなんと多いことか…。宇宙のどこかにある「地獄」なるものの間接表現が容易に想像できる範囲に納まっている安易さが、凝っているデザインやセットやCGを無駄にする。惜しい。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-22 18:41:26)(良:3票)

1232.  おさな妻 《ネタバレ》 関根恵子が高校在学中に結婚する映画です。相手は子持ちのおっさん。記録を見るとデビューして2作目がこれらしい。彼女は当時15歳。でもカワイイというのとは違って、これは色っぽいと言うのだろう。その年齢にしては落ち着きすぎというか、普通にしていても微妙な翳りを感じる。それが色気と映るようです。妻と母と女子高生を兼務する役柄だけど、婚前交渉がなくって初夜の緊張が描かれたり、旦那の浮気疑惑で家出したりと、まぁどうってことない話です。関根恵子を見るための映画としてはよろしいかと。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-06-22 18:35:55)

1233.  神田川 《ネタバレ》 中年世代は誰でも知っているあの歌がモチーフになっている映画です。「太陽にほえろ!」にレギュラー出演していた頃の関根恵子が主演。なんというか…、出来の悪い韓国ドラマのような映画でした。確かに「窓の外には神田川」が流れていました。「赤い手ぬぐい(タオルだけど…)」も使っていました。さすがに下宿は「三畳一間」ほど狭くはなかったけれど、風呂なしです。で、大学の人形劇サークルに所属する草刈正雄が書いたシナリオが「かぐや姫」(笑)。このおとぎ話にある別れが本作のストーリーにオーバーラップするような構成になっている。そう云えば、関根恵子は竹林で登場しましたな。突っ込みどころはあえて書きませんが、ケッサクと言えなくもないアホらしさです。イライラするくらい草刈正雄がお子ちゃまで「ただ、あなたの優しさが怖かった」って感じはありません。タイトルのフォークソングは、歌詞がすべて過去形。別れた後の回想ソングです。それが無計画でやみくもな同棲生活を表現していたと解釈するなら、そこは描けているような…。まだ10代だった関根恵子にプラス1点です。[CS・衛星(邦画)] 2点(2010-06-22 16:27:55)

1234.  イージー・ライダー 《ネタバレ》 タイトルだけは良く知っていたが、これまで縁の無かった作品。つい先日デニス・ホッパー氏が亡くなられ、追悼番組で初めて観賞。自分にはズシーンと響きました。南部のお祭りを見物に行くことを目的としたロードムービーで、その目的自体に大した意味はないけれど、道中で遭遇するエピソードの羅列の中に現代でも色褪せないメッセージが潜んでいる、気がする。「ドラッグ」「自由の意味」「排他的南部気質」が主なテーマのようだった。特にジャック・ニコルソンが語る「自由」に関する講義にはびっくりした。現代の誰かがそのまま口にしても通用する。60年代の邦画と比べるとずいぶん垢抜けて見える作品だけど、見映えよりも台詞内容の普遍性に驚きました。余所者を疎んじる体質とは米国南部の気風というより、土地に縛られている精神の不自由と解釈しました。で、彼らが自由だったかというと、ピーター・フォンダの「失敗だった」という台詞が短く結論付けています。当時でいうところのヒッピーに成りきれず定職も持たない彼らは、自由という気分の中を気ままに泳いでいたが、どこにも辿り着く岸辺は無かった。それは自由ではないらしい。本作は、主人公たちも含めて「自由の国」の不自由を描いたことに意味があったのだろう。当時の日本人の観念とは違う尺度で自由を計っていたように思えて、それなりに衝撃的だったと想像できる。自分も若い頃に観ていたら、ちょびっとだけ人生が変わっていたかも…。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-22 16:22:11)(良:1票)

1235.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 東宝の変身シリーズを製作順に観ると1作ごとにレベルアップしているのが良く分かる。今作は荒唐無稽さがなりを潜め、特撮の先にあるメッセージが感じられる作品です。狂信的な科学者の実験台にされて、肉体をガス化できる能力を持ってしまった男。これまでのシリーズに倣うなら、科学者への復讐のストーリーとなるところをサラッと流します。このガス人間は銀行を襲い、現金を強奪しますが、やがて明らかになるその動機は復讐ではなく一途な愛情でした。落ちぶれた日本舞踊の家元を助けるために、主人公は能力を使います。人を殺してまで。ガス化する体では常人の幸せは望めないという覚悟は、まるで渡辺淳一が脚本を書いているような破滅に向かう純愛としてボルテージを上げて行く。それまでの東宝特撮映画と比べて明らかに異彩を放ち、ガス化する人間を見せることはオマケと思えるほど正統なサスペンスです。家元を演じるのが八千草薫。この種の映画には不似合いな空気を持つ方ですが、あの美しさの説得力はこの作品に必須でした。主人公が意識的にガス化と実体化を使い分けられると気付くシーンや、ガス人間の名を騙った犯罪の増加といった描写も、特撮映画にリアルな背景を与えています。主人公は数多の映画・ドラマに出演した土屋嘉男。生きる意味を女性への愛へ振り絞ってゆく様が抑え気味の演技から滲み出ます。今作は彼の代表作だと思う。スカーレット・ヨハンソンはこの頃の八千草薫さんに良く似ていますな。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-06-20 01:53:25)(良:2票)

1236.  しあわせのかおり 料理を創るシーンをじっくり詳細に見せる。人の手によって創られるものが人を悦ばせることの素晴らしさを、強く印象付けられる。その悦びが創る側と食べる側の双方の人生に意味を持って拡がってゆく。料理を通じて表現される創造の本質です。こういう作品には邦画の良さが滲んでいると思います。派手なテーマはなくとも、身近にある幸せを慈しむ丁寧な映画です。師弟関係という視点で観ても、これはひとつの理想型だと思いました。もちろん、中華が食べたくなりました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-06-19 15:48:29)(良:1票)

1237.  コン・エアー 《ネタバレ》 役者の面子に期待したけれどがっかりする出来映え。魅力を感じる設定ではあるが、アクションやストーリーが場当たり的で生ぬるい。緊迫感がない。ハリウッド的ご都合主義の典型だろう。細かい話だけど、短いカットを繋ぐだけでそれっぽく見えると思っているアクションシーンの編集が極めて下手くそ。マルコビッチは変人には見えても悪人には見えず、こんな役は不適。初めて会う父親が血だらけで現れたら、幼い少女はトラウマになると思うよ。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-06-19 08:42:47)

1238.  ワルキューレ こんな人たちがいたのを知ったことは勉強になった。でも、何が言いたいのかは良く分からない映画だった。暗殺に失敗することは分かっている訳だから、その前提となる動機部分や実行しようとした人々の人物像がテーマとなって然るべきだと思うのだが、それが希薄だ。事実をなぞるだけだと意義が薄い。暗殺計画が英雄的に見えるのは、その行為の絶対的価値というより、ヒトラーが史上最悪の独裁者という歴史観が前提になっているから。もし、その後の戦局が変わっていれば、本作の価値や意味は違ったものになっている。この映画から茫洋とした虚しさを感じるのは、計画が失敗したからではなく、失敗すると分かっている計画を描いたから。さらには、結果論の積み重ねである歴史を何のひねりも無く受け入れて描いているから。そんなことを言ったら戦争映画はほとんどがそうなのだが、失敗が描かれることでそんな想いを強くした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-18 09:33:18)(良:1票)

1239.  告白(2010) 《ネタバレ》 この原作を中島哲也氏が監督すると知った時は強い期待を抱いたけれど、「松子」や「パコ」で見せられた極彩色の世界がこの話にマッチするとは到底思えず不安も抱いた。観終わった後に思うことは、そんな不安は杞憂だったどころか、過去の記憶に無いほど小説の世界を損なわずに映像化されているということだ。色彩に関して云うと、すでにスクリーンに色があったことが思い出せない。心象はグレーの一色だけだ。森口先生(松たか子)の告白に語られる「少年Aと少年B」は、それに続く話の内容で特定の生徒を指していることが呆気なく明らかになる。この作品を象徴する非倫理的な違和感がざわめく教室を黙らせて行く。おだやか口調とは裏腹な内容を孕んだ森口の告白はエンディングに至るストーリーを完全に支配していて、作品を冷え切った印象でまとめ上げる。会話ではなく独白の連鎖で綴られる物語を絵的に飽きさせることもなく、至福の時間を提供してもらった。原作にも言えることだが、それぞれの登場人物が持つエピソードは、リアルかと云うとちょっと違う。例えば、アニメーションが人のピュアな感情を抽出するように、本作の中島監督の演出は人のネガティブな感情だけを選り分けて抽出し尖らせて見せる。それは肉体ではなく心を痛めつける残酷なショーを客席から傍観するエンターテイメントだ。これに見応えを感じることに罪悪と背徳的なカタルシスを覚える。剥き出しのエゴや悪意や復讐が人を引きつけて止まないエレメントであることも再認識させられる。観る側の心に危険な開放感を与える映画。問題作かもしれないが、傑作であることは疑う余地なし。[映画館(邦画)] 9点(2010-06-15 10:47:31)(良:2票)

1240.  太陽を盗んだ男 初見は公開後のテレビ放送でした。大学に入ったばかりの頃で当時は衝撃的でした。うだつの上がらない教師が原爆を作るという設定に驚いたものね。原発(だったかな…)に忍び込むジュリーがルパンみたいでカッコ良かった。これは高度成長が終焉した後の時代の閉塞感みたいなものを映し出している映画でしょう。比較的最近(と言っても10年ほど前か…)に再見した際には、すでに衝撃でも何でも無く、突っ込みどころが先行するクライム・サスペンスでした。今の時代に初めて観ていたならこんな点は付けないでしょう。思いっきり観るべき時代を選ぶ映画で、鮮度で勝負していたとも言える。比較的新鮮なうちに食して良かったです。長谷川和彦には、この後にも映画を創って欲しかったなぁ…。[地上波(邦画)] 8点(2010-06-14 21:49:40)

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