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プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1321.  古畑任三郎ファイナル フェアな殺人者<TVM> 語るべきは、やはり“犯人イチロー”だと思う。 結論から言うと、イチローの演技はとても良かった。シリーズのテンションを決して崩すことなく、しっかりとストーリーの上に“イチロー”として存在した彼のバイタリティーは、やはり普通ではない。 ただそれは同時に、三谷幸喜が用意した脚本が非常に巧かったと言えると思う。 “イチロー”が“イチロー”のままに存在することで「古畑任三郎」のストーリーを成立させる脚本が、前程としてあったからこそ、危惧された違和感が生まれなかったのだと思う。 さすが売れっ子脚本家は、用意された「企画」をこなすことも、しっかり「一流」である。[地上波(邦画)] 6点(2006-10-02 23:54:29)《改行有》

1322.  古畑任三郎ファイナル 今、甦る死<TVM> 《ネタバレ》 このスペシャルシリーズ3作品の中では、結局一番完成度が高かったと思う。 藤原竜也はやはり中々の芸達者で、演じたキャラクターの絶妙な“浅はかさ”を巧く表現できていた。ダブル犯人という核心も、巧みだった。 ラストが少々強引だった気もするが、ストーリーの整合性と完成度はやはり高い。[地上波(邦画)] 7点(2006-10-02 23:49:00)《改行有》

1323.  僕たちの戦争<TVM> 現代社会に生きる人間が、戦時中にタイムスリップしてしまい、戦渦に巻き込まれていくという設定はよくありがちだが、容姿が全く同じ人間が時代を越えて入れ替わってしまうという設定はちょっと新しい。 そして、その対象をそれぞれの時代を生きる「若者」にすることで、リアルで敏感な感情がダイレクトに伝わってくる。 まったく違う時代と環境を生きてきた二人が、突如として放り込まれた時間と場所の中で、混乱しつつも感情豊かに対応していき、それまでに見出す余地もなかった「意識」を生み出していく様は、実に胸に迫るものがある。 「戦争」というある種の固定概念が定着している題材の中で、決して暗く堅苦しくならず、「若者」を主題にするにふさわしい“瑞々しさ”で描き出した演出と演技はとても良かったと思う。 戦渦の中、特攻として最期を迎える寸前の主人公(現代人)は、猛々しく叫ぶ。 「正しい戦争なんかない」 この作品で描かれるのは、単なる戦争の愚かさではない。「戦争」という時間、「現代」という時間、それぞれに生きる人間たちの「普遍」である。 「戦争」を、そして「現代」を、新たな“世代”と“言葉”によって語られるべき時代がきていると思う。 [地上波(邦画)] 7点(2006-10-02 23:41:03)《改行有》

1324.  フラガール 《ネタバレ》 本当に良い映画というものは、そのファーストシーンから観客を包み込む。 最初のシーン、福島の“なまり”で語り合う少女たちが映し出された瞬間、「ああ、これは良い映画だ」と思った。 毎度のことであるが、映画が“良い映画”であるほどに、こうやって感想を紡ぐことは困難で、むしろナンセンスだとさえ思う。 節々で溢れ出る涙と反比例するように、映画を語るにたる「言葉」は出てこない。 それは、この映画が、その中で描かれる人生が、決して「理屈」ではないということを物語っている。 この映画は、昨今流行りのストレートな“スポコン”では留まらない。 廃れゆく炭鉱のまちで、自分が生きるため、家族を生かすため、まちを守るため、彼女たちは未知なる舞台へと上がる。 まったくの素人集団が、荒涼とする寒空の中ひたすらにレッスンに励み、困難と別れそして数々の笑顔を経て、紛れもないフラダンサーへと成長していく。ただその姿を見るだけで、感情は激しく揺さぶられる。 東京から流れてきた女流ダンサー(松雪泰子)、廃れゆく炭鉱の中で新しい時代に踏み出そうとする少女(蒼井優)、かつての隆盛の時代から炭鉱に生き続けてきた母親(富司純子)、という三様の女性の視点からこの映画の物語は紡ぎだされる。 その他の女性たちも含めて、それぞれの感情がぶつかり合い、混ざり合うことによって、物語は濃厚な広がりを見せる。 変化する時代と環境に対し、しっかりと向き合おうとするそれぞれの“女性の強さ”こそ、この映画がもっとも雄弁に語るものだと思う。 厳しく悲しい実情を抱え、それでも尚、自分たちが立つべき舞台に凛と立ち、ひたすらに踊り、絶えずスマイルを放ち続ける“フラガール”たちの姿そのものに、涙が止まらなかった。スバラシイ。 [映画館(字幕)] 10点(2006-10-01 18:19:36)(良:1票) 《改行有》

1325.  笑う大天使 まったく平凡な一般庶民だった少女が、唯一の肉親である母親の死に際して突如として現れた超大富豪の兄によって、超スーパーお嬢様学校に編入させられるというプロットは、ベタといえばベタだが、その設定がいちいち“大袈裟”すぎていて、面白い。 主人公を中心とした主要キャラの3人が、同じように表向きは“お嬢様ぶっている”というのも愉快である。 ベタベタなCGによって仰々しく作られたビジュアルも、遠慮の無いキャラクター設定も、この手のコメディ映画として及第点だと思う。 ただ、少々“はしゃぎすぎ”ているような気もする。 学園内の騒動程度で留めておけばとても小気味よくまとまったと思うが、謎の悪党集団とあまりに破天荒なバトルアクションまでしてしまうと、満腹感を通り過ぎてしまった。決着の付け方も、映画として豪快というよりは、シラけてしまう部分がある。 そして、作品のテンション的に、程度の低いCGを多用するのは別に構わないと思うが、決して必要のない箇所にまで乱用するのは、品がないと言わざるを得ない。 こういう映画は、物足りないよりはやり過ぎる方がよっぽど良いので、その方向性自体は決して間違ってはいなかったと思うが、あまりの節操の無さが残念だ。 「おチキンおラーメンでございますのよ」という台詞だけで、充分でございますのよ。[映画館(字幕)] 5点(2006-10-01 18:14:28)《改行有》

1326.  グエムル/漢江の怪物 明らかな「モンスター映画」でありながら、その主眼はほとんどモンスター自体には当たらず、ひたすらな家族愛を中軸とするシニカルなヒューマンドラマに仕上がっている。 米国の“モンスターパニック映画”や日本の“巨大怪獣映画”を想定してこの「モンスター映画」を観ると、少なからず面食らってしまうことは間違いないだろう。 かといって、登場するモンスター自体にもしっかりとインパクトはある。 水質汚染の突然変異的に誕生した~というのはかなりありきたりではあるが、その登場や動きの“描き方”は、これまでのモンスター映画の“パターン”に反旗をひるがえす様な、常軌の逸しかたを見せる。 笑ってしまうほどに“ぶさいく”なビジュアルにも賞賛を送りたい。 展開されるストーリーには、“陽”と“陰”が入り混じり、ただ“エンターテイメント”とはくくり切れない「感情」がほとばしる。 もちろん、そこには好みや固定観念が立ちふさがるので、一概に「面白い」とは言えない部分もあるにはある。 だが、一言に「モンスター映画」と言っても、国とその国民性の相違によって、これほどまでに独特で新しい「モンスター映画」が生まれるものか、と思う。 そして、そういう部分にこそ、映画が様々な国で作られ、それが様々な国で観られることの、意味と価値があると思うのだ。[映画館(字幕)] 6点(2006-09-23 15:00:17)(良:1票) 《改行有》

1327.  電車男 「真実」というフレーズを謳うものほど、実のところ“つくりもの”が多いのではないかと、常々思っている。 この「電車男」についても、そういう疑いは拭えず、一体どこまでを“リアル”と捉えるかは微妙な部分があると、思う。 書籍化、テレビドラマ化、映画化、さらには舞台化と、ありとあらゆる媒体において「企画化」されていく様を見て、そういう印象は益々膨れ上がる。 ただ、リアルかどうかということを度外視するならば、このストーリー自体は結構好きだったりはする。 根っからのヲタク野郎が、ふいな出会いから文字通り“高嶺の花”なお嬢様に恋をするという着想は、ベタで古典的であると同時に、非常に現代的な要素が巧く合わさっている。 「ネット」という手法で、主人公が見ず知らずの無数の「他人」たちによって、支えられ、励まされるという構図にも、ある種奇跡的なほどの成功要素が加味されていると思う。 でも、なかなか珍しいことではあるが、この映画版よりもテレビドラマ版の方が、随分「映像化」ということについて完成度が高いと思う。 主演の山田孝之の根っからの「暗さ」が、一層に拍車をかけていると思われるが、映画全体がとても「重い」感じがする。ヒロインの中谷美紀はもちろん巧い女優だが、そういう女優としての厚みが、また必要以上に「重い」印象を与える結果になっている。 全体的に軽くアクティブな作りだったテレビドラマ版に対し、映画版は少々趣向を変えて“リアリティ”を狙ったのだとは思うが、ストーリー自体のテンションとしては、ドラマ版の雰囲気の方がふさわしかったのではないかと思う。製作費もドラマ版の方がずいぶん潤沢だったんじゃないかと思う。 まあ詰まるところ、某キー局お得意の「企画映画」の枠を越えないことは確かなことだ。 [地上波(字幕)] 5点(2006-09-16 23:29:30)《改行有》

1328.  運命じゃない人 《ネタバレ》 とことん不器用で呑気でいいやつなサラリーマン宮田くんの周囲で、“実は”巻き起こっていたある一夜の騒動を巧みな構成で描く“タイム・スパイラル・コメディ”。 むむむ、巧い!ずばり、見事! と、絡み合ったストーリーのパズルが次々に解かれていく様を目の当たりにして、自らの感情を口走ってしまった。こういう「巧い映画」を観ると、よくそういう風になる。 時間軸を巧みにずらして、効果的にストーリーの全貌を見せていくというアイデアを礎にした映画は、「パルプ・フィクション」以降各国で作られているが、ついに日本でも本家に勝るとも劣らない(とは言い過ぎかもしれないが)傑作が誕生した。と、思う。 ストーリーの軸に「大金」が存在するというのは、このタイプの映画の“定石”とも言える要素で、今作においてもその要素は存在するのだが、この映画が素晴らしいのは、最終的に登場人物たちが得るものが「金」ではないということだ。 そして、主人公は、端から終わりまで「大金」の存在すら知らないままであるということ。 それはすなわち、この映画の描く主題が、他国の娯楽映画のように“一獲千金”的なことではなく、呑気な主人公を軸とする“人と人との繋がり”であり、詰まるところ“人の感情”ということを意味する。 そのことが、この手のアイデアによる他の映画とは一線を画すような、今作ならではの“なんだか温かい”余韻を生み出していると思う。 娯楽性と同時に、人の感情を“さりげなく”描き出す素晴らしい映画だと思う。[DVD(字幕)] 9点(2006-09-15 16:22:11)(良:4票) 《改行有》

1329.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 社会に爪弾きされた二人の男が、突如「何も無い(nothing)世界」に放り込まれる。 その世界では、自分たちの「意識」によって“すべて”を消し去ることができる……。 「CUBE」「カンパニーマン」の鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が、またもや相当に作り込まれた“異質”な映画世界を生み出した! と、かなり期待が大きかっただけに、少々肩透かしの感は否めない。 この世界は何なのか……?すべてを消し去った後にたどり着くものは……? 特異な世界観に包まれるままに、映画の「意図」を待ち望んだのだけれど、明確な答えは得られることが出来なかった。 奇抜なアイデアから端を発する、綿密なストーリー展開を予想していたのだけれど、監督の狙いはそういうことではなかったようだ。 とにかく“アイデア”ありきで、二人の男の「予想不可能」な可笑しな生活を楽しむための映画だったようだ。 それならそれで悪くはない映画だと言えるが、やはり多くの観客はそういうわけにはいかないだろう。 この監督に期待するのは、そういうものではないからだ。 ただただ真っ白な何も無い世界で、ひたすらに二人芝居を繰り広げるには、ストーリーの踏み込み方が甘すぎだと思う。[DVD(字幕)] 4点(2006-09-15 01:06:34)《改行有》

1330.  サウンド・オブ・サンダー 過去の生態系に抵触してしまったために、現在の人類社会が巨大に打ち寄せる時空の大津波ごとに“崩壊”してゆく……。 劇場公開時は、結構大々的にプロモーションをしていたので、とりあえず「巨費」をかけたエンターテイメント大作なのだろうと踏んでいたのだけれど、蓋を開けてみると、文句なしの“B級映画”だった。 VFXというよりも、もはや“合成”に近いCG。ベタベタなストーリー展開に、漫画みたいに極端な化け物たちが襲ってくる……。 こき下ろそうと思えば、もういくらでも非難することができるだろう。 が、こういう映画には弱い。もう明らかに「趣味」の問題だが、あからさまな“B級”ノリが逆に「安心感」を生み出す。 ヘタに色々と懲りすぎて、映画として破綻気味の映画に比べたら、よっぽど楽しんで観られる。 ベタではあるけど、ストーリー自体の整合性は保たれているし、まるでテーマパークのアトラクションみたいな“固定装置”でタイムスリップをするという設定には、派手さの代わりにリアリティがある。 そのタイムマシン装置を利用して、まったく融通の利かない「恐竜狩り」を商売にするというのも、実に有り得そうである。 まあB級ならB級でもっと遊んでほしかった部分もあり、明らかな製作費不足が目に余ることも事実なので、単純に高評価というわけにはいかない。 が、最初の方の、主人公が歩く未来の街並みのあまりにチープなビジュアルを見た時点で、この映画の“すべて”を受け入れられることが出来れば、きっと100分余りの時間が「苦痛」にはならない筈だ。[DVD(字幕)] 5点(2006-09-14 01:35:33)《改行有》

1331.  アンダーワールド/エボリューション 「吸血鬼VS狼男」という構図も、圧倒的に美しく強い女ヒーローという要素も、もはや「ベタだ」と言えてしまうほど、ありふれたアクション映画の“ジャンル”である。 しかし、この映画のシリーズには、他を寄せつけない唯一無二のポイントがある。 それは、「闇の美しさ」である。 タイトルが示すとおり、この映画はほぼ全編通して“闇”の中で繰り広げられる。主人公が吸血鬼なのだから仕方がない。 闇を描き連ねるあまり、ただただ画面が“真っ暗”になってしまっている駄作は多々ある。 しかし、今作は、見事に闇の世界の美しさを革新的なほどの映像美で映し出す。 藤子・F・不二雄の短編漫画で、吸血鬼に支配された世界における暗闇の美しさと素晴らしさを描いた作品があるのだが、まさにそれを思い出した。 吸血鬼から見た闇の世界は、これほどまでに美しさに溢れているのか、と思わせる。 そして、その美しい闇の中に、前作から引き続きケイト・ベッキンセールのまさに透き通るような美しさが映える。(実はもうそれだけで、及第点) ただ、往々にしてよくあることだが、前作の大ヒットによって、製作費が潤沢になり過ぎ映画全体がやや「大味」になってしまっていることは否めない。ストーリー自体も、前作ほどスマートではない。 しかしまあ、ヴァンパイアたちによる悪趣味なほどに美しい、文字通り“血で血を洗う”戦いには、充分に見応えがある。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-13 18:24:11)《改行有》

1332.  エリ・エリ・レマ・サバクタニ 久しぶりに、こういう「言葉」で説明するべきではない映画を観たような気がする。数年前までは、こういう映画ばかり観ていたものだが……。 “人を自殺に追い込む”奇病の世界的蔓延。 人類に残された道は、もはや「滅亡」しかない、という無力感から始まるこの物語。 唯一の“救済”の可能性として、僻地にて隠遁生活を送る二人のミュージシャンが放つ「音楽」を求めて、少女がやってくる。 はっきり言って、そのストーリーには、リアリティもなければ説得力もない。非常に脆弱な物語である。 しかし、この映画の「目的」は、ストーリーを繰り広げるというところにない。 “救い”として取りざたされる「音楽」そのものが、この映画の主題であり、主人公である。 その音楽でさえ、造詣のない者にとっては始めのうちは、ただの「騒音」でしかない。 ただただ“騒がしい”だけの爆音に、思わず耳を塞ぎたくなった。 確実に中だるみも、する。 が、非常に不思議なのだが、映画が展開してゆくにつれ、次第に「騒音」が何かしらの意思を持った「音」へと変わっていき、「音楽」となって脳内に染み渡ってくる。 そして、「音楽」はついに神々しいまでの「振動」となって精神を包み込んでくる。ような気がした。 元来得意なタイプの映画ではなかったが、その奇異な新体感と、絶対的に特異な映画世界の中に、ごく自然に息づいてみせた浅野忠信と宮崎あおいの存在感は、価値の高いものだと思う。 人が「生きる」ということに本来意味などない。生きたいから生きる。ただそれだけのことだ。 ならば同様に、「死ぬ」ということにおいても、意味などないのだろう。 すなわち、もしそれらを促したり、抑止したりする「方法」があるとするならば、そこに「理屈」などある筈もない。と、いうこと。 [DVD(字幕)] 5点(2006-09-13 00:06:36)《改行有》

1333.  ミリオンズ ふいに手にした(空から降ってきた)数百万の大金にふりまわされる大人たちの中で、ひとりその“純真”を貫こうとする少年のお話。 ファンタジーとシニカルが融合した希有な世界観に、イギリスの美しいんだけどどこか雑多な空気感がよく合う。 主人公の少年を演じた子役の可愛らしさと存在感は大きく、しっかりと作品の“顔”になっている。 少年の純粋さと敬虔さを前面に押し出した物語の構図は悪くはなかった。けれど、もう少し展開自体に“毒っ気”があった方が、もっとストーリーが締まったと思う。 随所で善行から逸脱する部分があるにはあるが、なんとなく中途半端で不十分。とっても“良い子”な主人公が目立ちすぎて、ストーリーに面白味が加わりきれていない感じがする。 結果、決して面白くないことはないんだけど、印象の薄い映画に仕上がっている気がする。 監督のダニー・ボイルはもちろん優秀で、独自の世界観は確かにあるけど、心に響くものがもう一つ足りなかった。[DVD(字幕)] 6点(2006-09-12 17:04:30)《改行有》

1334.  変身(2005) 東野圭吾の原作を読んでいないので憶測の域を出ないが、どうも映画化にあたり原作の持つ物語自体の「意思」を取り違えてしまっているんじゃないかと思った。 人格が崩れ変化してゆく中で苦悩する主人公と、それを目の当たりにして苦しむヒロインそれぞれの葛藤を、表面的な感情のままに映し出しすぎていると思う。 工夫なくただ各々の感情が羅列してしまい、ストーリーの基礎となるテンションに一貫性を持つことが難しい。結果として、文字通り物凄く苦悩する登場人物たちにほとんど感情移入することができない。 おそらく原作は、ある部分においてもっと“客観的”に描き連ねることによって、一層に人物たちの苦悩を引き立たせているんじゃないだろうか。 物語自体の持つアイデアや主題の深みには、映画として仕上げるのに丁度いいバランスと、映像化することによって生まれる付加価値の可能性の高さを感じる。 配役も役者の力量も問題ない。が、結局一番大切な監督の力量が伴っていない。 この物語を映画化するには、今作がデビュー作となった新人監督にはあまりに荷が重過ぎている。 ふいに挿入される音楽がいやにわざとらしかったり、ちょっとした展開にいちいち違和感を感じさせたり、微妙な部分ではあるが、“人間の精神”という非常に繊細なものが主題な物語であるだけに、そういう細部に対するセンスの無さは致命的であったと思う。 実は先日、東野圭吾の直木賞受賞作品「容疑者Xの献身」を読み終えたばかりである。東野作品を読んだのはこれが初めてだったが、大胆なアイデアを礎にした緻密な構成には、流行作家らしい斬新さがある。 この映画の原作である「変身」も読んでみようと思うが、原作を読んだことによって、この映画の評価が尚更下がることは必至のようだ。 [DVD(字幕)] 5点(2006-09-11 03:14:53)《改行有》

1335.  X-MEN2 超人勢揃いの娯楽映画を何故こんなにも陰気に描き出すのか?” “どうしてこんなタフさだけが売りの荒々しい爪男が主人公なんだ?” というのが、初めてこの映画を観た時の感想だった。 原作コミックの持つ世界観や諸々の設定を情報としてまったく知らなかったので、表面的な娯楽性の乏しさに不満が先行し、個人的に駄作というレッテルを貼ってしまっていた。 しかし、映画シリーズにおける“新章”と言える「ファースト・ジェネレーション」「フューチャー&パスト」、そして“爪男”の出自を描いた「ウルヴァリン」を見終えて、すっかりこのアメコミシリーズのファンとなってしまった今となっては、かつて駄作と決めつけた今作の印象も一転した。 特に今作の場合、スピンオフ作の「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」と連なる描写が多々あり、ようやく今作におけるヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの主人公性が理解できた。(ストライカー大佐のビジュアルが違いすぎるのはいただけないが……) アメリカン・コミック映画に総じて言えることだが、原作コミックには日本の漫画とはまたひと味違った“深み”があるんだろうと思う。「X-MEN」はもとより、「スパイダーマン」も「バットマン」も原作を一通り読んでみたいものだ。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-09-10 23:36:49)《改行有》

1336.  スーパーマン リターンズ おおよそ20年の沈黙を経て、ついに“スーパーヒーロー”の祖とも言える男が還ってきた。 その名は「スーパーマン」。 その工夫も変哲もないストレートすぎるほどのネーミングを堂々と掲げられるヒーローは、やはりこの男しかいなかった。 弾丸よりも早く飛び、大陸さえも持ち上げる、圧倒的な“ザ・パワー”。強引なまでの存在感のみで人々を魅了できるヒーローが“スーパーマン”以外にいるだろうか。 そう問答無用に褒めちぎれるほどに、20年ぶり(劇中では5年ぶりという設定)の帰還を果たした“新”スーパーマンは素晴らしかったと思う。 故クリストファー・リーブは、スーパーマンになるために生まれてきたと言っていい俳優だった。「彼なしにスーパーマンは有り得ない」というのは、とても真っ当な正論だったと思う。 しかし、新スーパーマンを演じきったブランドン・ラウスという新人俳優は、その高すぎるハードルを見事に越えて見せたと思う。 それはクリストファー・リーブのスーパーマンを越えたという意味ではなく、ラウスもリーブと同様、“スーパーマンになるために生まれてきた俳優”だということだ。いや、彼の場合は“スーパーマンを復活させるために”と言い換えるべきかもしれない。 まるで作られたようなスタイルとルックス、コミックヒーローの“根源”であるキャラクターに成るためのその重要な要素を、この新人俳優も見事に兼ね備えている。少しクラシカルな美貌も、新聞記者が仮の姿という原作コミックが生まれた当時の時代背景にふさわしい。 冒頭、早速ピンチに陥ったヒロインを助けるために、沈黙を破ったヒーローがロケットよりも早く飛び立っていく。 途端、言葉にならない高揚感に包まれた。それは“ヒーローの帰還”という圧倒的な希望を無意識レベルに感じた瞬間だった。シンプルだけれどとても大きなその感情を、理屈なしに抱かすそのキャラクターの存在は、もう絶対的ですらある。 近年のアメコミブームは、数多くのスーパーヒーローを登場&復活させてきた。 それは、もしかするとただ一人のヒーローの復活を望むムーヴメントであったのではないかとすら思う。 そしてようやく、最も愛され、最も待ち望まれたスーパーヒーローの帰還に成功したのだと。 [映画館(字幕)] 8点(2006-09-02 00:46:55)《改行有》

1337.  ハチミツとクローバー うーむ。やはり「人気漫画の映画化」はものすごく困難がつきまとうもの、ということか。 ただその中でも幾分やりやすい部類かと思っていた。少女漫画の映画化ならではの、原作キャラクターと実写俳優のイメージのギャップによる拒否感というものはどうやったって生じるだろう。が、美大を舞台にした青春ロマンスというストーリー性自体は、実写映画として構築しやすいと思った。 が……結果としてはものの見事に「失敗」してしまっている。 単行本数巻に渡って長い月日を描く原作を、2時間弱の尺で映画化するわけだから、ストーリー展開が原作といくらか変わってしまうことは、結果が良い悪いは別として仕方がない。 でもね。キャラクターの性格まで変えてしまっては、どうしようもなくなる。原作のある漫画の映画化である以上、それをしてしまっては映画として「破綻」していると言わざるを得ない。 少し踏み込んで指摘すると、竹本は“逃げ出す”ために走り出したわけではないし、森田はあんなにドライではないし、真山はあれほどヒクツな行動はしないし、山田はもっと芯がしっかりしている……etc。 そもそも叙情的なイメージを保つ原作なのだから、もっと忠実に映像化することができれば、それだけでそこそこ優れた映画になったように思う。 詰まるところは、やはり冒頭の言葉に尽きるわけで。「仕方ないな」という言葉に終始する。 やはり「漫画の映画化」の中でも「少女漫画」の場合、男キャラの“かわいくなさ”または“美しくなさ”に批判は集中するようだ。今回の場合はビジュアル的にはそれほど悪くなかったが、内面的なギャップの激しさが痛かった。 唯一にして評価点のすべての要因は、蒼井優のかわいさ。もうそれっきゃない。 個人的にはそこだけで映画館で観た甲斐はあった。と、思う。 [映画館(字幕)] 3点(2006-08-09 13:47:00)(良:2票) 《改行有》

1338.  ゲド戦記 「ハウルの動く城」で著しく失望をした。が、それでも僕は、自分の「映画を観る」ということを構築してくれた“天才”の息子の処女作に期待せずにはいられなかった。 結論から言うと、映画作品としては「ハウル~」よりはよっぽど面白い。それは確実。でも、宮崎映画の他の傑作たちの内どれか一つにでも匹敵するか、もしくは何かそういう要素があるかというと、それもない。 テーマはあり、物語もある程度まとまっているが、映画としてそれほど大きな魅力がないという感じだろうか。 一番分かりやすい要素を挙げると、キャラクターにインパクトがないというところだろう。それぞれが様々な葛藤や想いを抱えてはいるが、映画のメインとして語るべきキャラクターにどれも達していない。だから、展開の起伏のわりにどうも抑揚が付かず淡々とした印象を受けてしまった。 まあそれでも。何といっても「処女作」なわけで、充分な及第点レベルだとは思う。 でもね。やはり「天才の息子」というレッテルは絶対に付いてまわる。どうやったって酷評は逃れられないだろう。 何度も言うが、「ハウル」よりは面白いがね。[映画館(字幕)] 6点(2006-08-01 22:47:48)《改行有》

1339.  日本沈没(2006) 「日本の超大作映画」というだけで、「駄作」とほとんど決めつけても決して行き過ぎではない「確率」というものは確かにある。が、しかし!この映画は、多くのそういう映画とは一線を画す見事なスペクタクル映画だったと思う。 オリジナル作品も数年前に観ていたが、明らかにそれを超える出来栄えだった。リメイク作品としては非常に珍しい。 この映画は迫力のVFXが最大の売りである少し古風な言い方をすれば「特撮映画」である。実際ストーリーなど二の次でも構わない(いや別にストーリーも悪くはなかったが)。 崩壊していく日本列島を描き出した「特撮」に確固たる感情の揺れを覚え、涙が溢れた。それだけで、この映画の価値は高い。 日本映画の「特撮」はようやく「感動」を紡ぎ出せるレベルに達した。いや“戻った”と言うべきか。[映画館(字幕)] 9点(2006-08-01 22:29:47)(良:1票) 《改行有》

1340.  DEATH NOTE デスノート(2006) うむ。良い意味でも悪い意味でも「こんなものだろう」というのが素直な感想。やはりというか当然ながら、「漫画」の実写化というものは難しい。 オリジナルストーリーが絡んで、一瞬「こんなのは月(ライト)じゃない」と思わせるが、しっかりと原作の人物像に迫らせられたのは良かったと思う。ただ、漫画に対し実写となると、やはり極端に非道な内面描写というのは困難だったのだと思う。漫画だと許されるが、実写だとリアリティがなくなるという部分は、この漫画の場合特にあると思う。 映画的なディティールにおいて雑な部分はあるが、それでもそれなりに「よくまとめた」ということが言える出来だろう。 懸念だった死神リュークのビジュアルも、ベストかどうかは疑問だが、悪くは無かった。[映画館(字幕)] 5点(2006-06-27 18:25:58)《改行有》

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