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プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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1361.  ミディアン 学生時代に友人に騙されて連れていかれた映画ですが、こんだけ映画でやりたい放題やってくれると気持ちいいなあと、清々しい気分になりました。悪役を演じるは、なんとかのデヴィッド・クローネンバーグ。カッコ良すぎるぞ。ちなみにその後誰彼かまわずこの映画を勧めて、顰蹙を買ったことだけは申し添えておきましょう。8点(2003-05-02 22:05:44)

1362.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922) 「超自然」の薄気味悪さがジワジワっと迫ってくる、いやーな雰囲気がよく出てると思います。シュレックがフワ-っと起き上がってくるとこなんかね。説明よりもイメージの世界。8点(2003-05-01 22:30:09)

1363.  シティ・オン・ファイア(1979) 意外にマトモなものが少ない火災パニックものの中で、貴重な存在です。火災シーンは、いやどうしてなかなかのもの。パニック映画好きのツボ(だけ)は一通り押さえています。8点(2003-04-30 23:25:25)

1364.  座頭市の歌が聞える 座頭市シリーズは90分に満たない作品も多く、コンパクトな印象がありますが、この作品などはその代表で、結局このヒトとこのヒトとは実はこういう関係で・・・というのを辿っていくと、何だかやたら世間は狭いなあ、となってしまうのですが、良く言えば、まとまりのあるオハナシ。旅先で知り合った少年一家を助け、町を牛耳る悪辣な一味に立ち向かう座頭市。 はたまた、座頭市が知り合う女郎のお蝶さんというのが登場しますが、これが小川真由美。どこか妙に現代的ですねえ。で、妙に色っぽい。さらにそこに絡んでくる浪人風情の男が「あの」天知茂で、座頭市のライバルとして超重要な役どころですが、何なら、このヒトが一番、存在感無いかもしれない(笑)。いや、無い訳じゃないけど、ちょっと収まりが悪くって、もっとしっかり描くか、いっそ今回は割愛するか。なんか、勿体ない。けど、まあいいや。 どうしてこんなオカルト映画か何かみたいな不気味なタイトルにしたのか、内容はオカルトでも何でもなく、しかし大映時代劇なので、画面の暗さはオカルト映画以上かも知れませぬ。そんな中、クライマックスの殺陣が、シルエットが闇を切り裂くように引いたカメラで描かれて、不気味さここに極まれり。実際は明るい場所で撮影し、処理によって暗く見せているので、振り回される白刃が光を反射し、うごめく黒い人影に妖しい彩りを与えます。やたらカッコいい。死神たる座頭市の、面目躍如。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-06-09 11:46:32)★《新規》★《改行有》

1365.  007/美しき獲物たち 《ネタバレ》 どういう訳か私にとって妙に印象の薄い、この第14作。何でこんな印象薄いんでしょうね。劇中でいろいろ派手な事やってくれてるんですけれども。「007映画=おバカ映画」という図式を我々にしっかり植え付けてくれたロジャー・ムーアも、今回がボンド役最終作。ということで、ゴジラ同様、実際の元号とズレはあるものの、この作品までが私にとっての、昭和007。 だもんで。どうもこの作品のイメージが『メカゴジラの逆襲』と微妙に重なってしまうんです。すみません。これは私が悪い。こんなイメージ持たれちゃ、ねえ。 実際は、ジョン・グレン監督はこの後のダルトン=ボンド時代も続投するので、そういう意味ではこの第14作と次の第15作に断絶は無いはず、なんだけど、しかし到底、そうは思えません。やはりこの第14作でもって、一時代の終わり。やっぱり、ボンド役が作品のカラーを決定づけますね。そもそも、「007映画の監督と言えば?」と聞かれたら、普通はテレンス・ヤングか、せいぜいガイ・ハミルトン。あるいは最近の人だったら、答えとしてマーティン・キャンベルとかサム・メンデスとかの名を挙げるかもしれない。もしここで、「ルイス・ギルバート」とか「ジョン・グレン」とかを挙げる人がいたら・・・たぶんそれ、悪意があります(笑)。でも、ロジャー・ムーアのおバカ007映画時代を主に支えたのが、この二人。ヒドいことをしてくれたもんだ、などと言うなかれ。全部、ロジャー・ムーアのせいです。多分。 さて、ボンド役最終作と言うだけあって、、、と言うか、「さすがにそりゃ最終作にもなるわなあ」と言うか、ムーアさん、正直、すでに結構なお歳です。しかし飄々としてクールでエロくてコミカルで。まだまだ余裕のエロダンディぶり。アクションシーンはスタントマン多用しているんでしょうが、そりゃ、あんなスキーやらスノボやらが上手かったら、ホントにMI6で秘密諜報部員できちゃいますよね(?)。しかし、潜水シーンなんかでは、本人が実際に潜って演じているように見える場面もあったりしますが、これ、この歳で実際に本人がやってるんだったら大したもの。役者になっていなかったら、本当にスパイになれたのでは(???)。 今回もおバカアクションの見どころ盛り沢山。タイトル前の雪山の死闘に始まり、エッフェル塔から開始される追跡劇ではパリを舞台にしたカーアクション(最近の映画でこそ、名所でのこういうアクション、増えてきましたが)、007映画らしいアクロバットな演出も。これに対し終盤は金門橋が舞台の、飛行船を使ったアホらしくも派手な戦い。だけどやっぱり目を引くのは、中盤の火災シーンですかね。ややシリアスなテイストで、迫力あり。それからもちろん、あの大洪水の修羅場。巨大セットでの撮影がもたらす臨場感に、息を呑みます。 ここまで言っといて、「印象が薄い作品」も何もないだろ、ってなところですが、悪役のクリストファー・ウォーケンが、ちと弱い。ってか、私は昔、このヒトは本当にヤバい人なんじゃないかと思ってた頃があり(もちろんそんなワケ無いと思いつつも、何となく狂気を身に纏っている感じがして)、それを思うとこの作品では、彼にしてはスケールが小さく、小悪党止まりの印象。冷酷極まり無いことを言ったりやったりしてるんだけど、狂気よりセコさが感じられてしまいます。うん。作品の印象の薄さは、これのせいだ。きっと。メカゴジラのせいにしてはいけません。 ボンドガールは今回は結局、何人いたんだっけ? メインとなるタニア・ロバーツは、これまたイマイチ存在感無いですが、ゴージャス感はありますねえ。そういう意味ではいかにもボンドガールらしいボンドガール。昔、『シーナ』とかもよくテレビで放送してたので有名な女優さんかと思ってたんですが、いや、まあ、どうなんでしょ。ははは。一方の敵方のコワモテ用心棒のグレイス・ジョーンズは、これはインパクトあり過ぎ。最後まで見せ場を作りまくりで、確かにイイんだけど、ムーアおバカ路線にはややそぐわない気もしうつつ。昔、『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』とかもたまにテレビで放送してたので、有名な方かと思ってたんですが、その理解で合ってますよね?[CS・衛星(吹替)] 7点(2024-05-26 21:35:51)《改行有》

1366.  デモリションマン かなりポンコツ指数の高いトホホな作品、その割には何度もテレビ放送でお目にかかった気がしますが、結局、「スタローンの使い道はロッキーとランボーにしか無かった」ということを再確認するだけでして。いや、他にも多少は持ちネタあるけれど、これらの持ちネタ周辺から遠ざかったSF映画の領域ってのは、いかにもスタローンとの食い合わせが悪い。頑張れスタローン。 しかも、敵役のウェズリー・スナイプスが、これまたどこまでマジメなのか、あるいは単に不真面目なのか、スゴ過ぎる奴なのか単なるおマヌケなのか、どうにもつかみどころのないキャラクター。ただしムキムキぶりは、スタローンに引けをとらず。 冷凍にされて未来に送り込まれる刑に処せられるという悲劇(どうしてそんなメチャクチャな刑があり得るんだろうか? これ、放射性廃棄物貯蔵施設になぞらえた一種の皮肉だったりして?)、ましてや主人公は、犯人に嵌められた一種の冤罪でもって、妻子と引き離されてしまった、という、この上もない悲劇的な設定ですが、これが物語の上で、ほぼ何も活かされていないのが、思い切りがよいというか、それとも単に不真面目なのか。わざわざそんな設定を映画に入れている以上、もしやもしや、サンドラ・ブロックがその生き別れた娘だったりしたら、いくらバーチャルエッチとは言え、そそそそれってヤヤヤヤバいんじゃないの、とヒヤヒヤするところ。でも勿論そんな偶然はありませんよ、と生き別れの妻子のその後の悲しき運命は、サラリと流されて終了。ははは。 すべてそんな感じ。深刻さは無用、まあ、軽いノリのSFアクション・コメディ、ですね。そう思うと、一周回ってこの作品、悪くないな、と思えてくる。タイトル前の大爆破シーン、「何でもかんでもとりあえずCG」という時代になる前の、何でもかんでもとりあえず爆発させとけ、という大花火ですね。こういうの、懐かしい。。。 撮り方も、特に大きく目を引くものは無いかもしれないけれど、カメラの動かし方など、全編にわたりそれなりのこだわりが感じられて、内容はアホらしくとも面白いモノを撮ってやろう、という意気込みが感じられます。汚い言葉を使うと罰金が科せられるギャグの反復も、「違反キップ」という形で視覚化しつつ、トイレネタにも繋いでいっちゃう妙味。 何より、ウェズリー・スナイプスの悪乗り気味の怪人物ぶりが、見てて楽しくなってきます(昔は見ててイライラしてきたけど)。左右の瞳の色の違い、みたいな細かい演出は序の口で、行動といい恰好といい破天荒そのもの。ここまでやっちゃうと映画がイビツになってしまう、その一線を越えることで、不評も買うかもしれないけれど、映画の個性も生まれれば、それでよいのでは。 破天荒なこの敵役に対し、裏で裁縫に励んでいるらしい。映像としては出てこないその光景を、想像してみるのもまた楽し。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-19 08:01:48)《改行有》

1367.  ベイビーわるきゅーれ 出演しているラバーガールのお二人が、いかにもコントじみた喋り方をしていて、なるほどコントでここぞというセリフが聞き取れなかったら命取りなので聞き取りやすく喋るのは大事なことなんだろう、と思いつつ、映画でこの喋り方というのは、違和感があるのも事実。ただしこの作品の場合、主人公の女性二人がモゴモゴという喋り方なもんで、うまく好対照になっています。もともと、ショートコント集みたいなところのある作品でもあるし、これもきっと意図的な演出なんでしょう。もっとも、モゴモゴ喋りの方は、字幕でも付けていただけると助かります・・・。 で、本当は、その対照が作品のメインなのではなくって、イマドキ女性のモゴモゴ喋りとキレのあるアクション、その不釣り合いな同居こそが、見どころ。冒頭のコンビニを舞台としたスピーディな立ち回りから、アクションも残酷描写も全開。いやあ、こういうお嬢さん、素敵ですね、ホレてしまうではないですか。 男性陣も負けてはいなくって、本宮泰風の極道芸がこれまたお見事。極道コントの一つの到達点とでも言えそうな。 ナンセンスもここまで徹底して本気でやってると、気持ちいいですね。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 18:47:24)《改行有》

1368.  風来坊探偵 岬を渡る黒い風 風来坊探偵シリーズ2作目にして最終作。こんなに面白いのに、どうしてたった2作で終わってしまったのか? まあ、内容、メチャクチャですからね。あと、60分ほどの小品にしては、コダワリ過ぎ、金かけ過ぎ、だったのでしょうか。冒頭からミニチュア特殊効果で嵐に揉まれる船の描写が、なかなかの迫力です。 で、その船の沈没事件の謎の解明依頼が、千葉真一演じる探偵・西園寺五郎のもとに持ち込まれる。よりによってこんないい加減なヤツに依頼しないでも、と思うのですが、この難事件を60分ほどに終わらせるには、彼の軽薄さと強引さが必要不可欠。軽妙な会話のやりとりが、物語をグイグイ引っ張っていきます。 現地に急行する彼の前に立ちふさがる、堀越海運なる悪辣グループ。そこには案の定、用心棒のような男がいて、これが案の定、曽根晴美。千葉真一演じる主人公もインパクトある眉毛でなかなか濃い顔立ちですが、ライバル格の方も顔の濃さでは全く負けていません。この男、一作目に出てたのと同一人物なのか、それともここは一作目とは別次元のパラレルワールドなのか、イマイチ不明。 敵対グループと戦うだけなら、主人公が軽薄なだけの「任侠指数ゼロの任侠モノ」になってしまいますが、そこは「探偵」を名乗るこのシリーズ。何やら怪しいヒゲ画家の存在など、謎が謎を呼ぶ展開、さらにはアクションも散りばめられて、この短い尺には到底収まり切れない高密度設計になっていますが、それをしっかりちゃっかりさばいてしまう、手際の良さ。 何かにつけゲラゲラ笑い、まるで危機に陥るのが楽しくてしょうがないような、若き日の千葉真一。まさに、この時この瞬間にしか、作れないような映画で、2作ぐらいで終わっておいて正解だったのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 08:38:56)(良:1票) 《改行有》

1369.  悪魔の赤ちゃん3 禁断の島 第1作から13年、今回も監督と脚本を手掛け(さらに製作総指揮も)、ラリー・コーエンのライフワークみたいになっちゃってる、この悪魔の赤ちゃん3部作。いや、まだ続編を作りそうな気配も濃厚な終わり方なのですが、こういうのは一種のお約束なのであって、実際は第4作は作られず。残念なようでもあり、当然のようでもあり。 もはやバーナード・ハーマンもリック・ベイカーも全く関わっていない(前者はとっくに鬼籍に入っているし)と思うのですが、クレジットには一応、名前が出てて、一作目の遺産を厚かましくも見事に食いつぶしていっている感じがいたします。 今回は、悪魔の赤ちゃんが、人道的なんだか何なんだかよくわからない措置を受けることになって、どこやらの無人島に送り込まれる。で、そこで成長し人知れず増殖しているのを、再び捕まえに行く、という、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の先駆けのようなオハナシ。もちろん、悪魔の赤ちゃんたちが船で本土に上陸してくるのも同じですね。 悪魔の赤ちゃんが5歳にして巨大化しており、こうなるとかなりカッコ悪い着ぐるみでの演出になってしまうのですが(だもんで例によって、暗がり、出し惜しみ、チラリズム)、まだ悪魔の赤ちゃんが赤ちゃんの状態の時(よくわからん言い方だが)には、ストップモーションアニメの手法も使われていて、こういうのは見ててエラく楽しいもんです。 島の描写では悪魔の赤ちゃん目線の一人称カメラも使われ、不気味かつチープかつ胡散臭い雰囲気が漂います。 悪魔の赤ちゃんがこっそりヘリに忍び込んでいて、操縦士が襲われると何故かヘリが空中で爆発したり、終盤、屋根の上で警官隊と死闘を繰り広げると、警官たちが面白いようにコロコロと投げ飛ばされて激ヨワだったり、トホホなシーンが続出しますが、中でも一番ワケがわからないのが、マイケル・モリアーティ演じる赤ちゃんの父親がキューバに漂着するも、キューバ人たちと意気投合して早々に解放される、という展開。ストーリー上は全く無意味ですが、あえてこういうシニカルなエピソードを挟んでくるのがまさに、一筋縄ではいかないところ。 インディー魂、おそるべし。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-05 10:44:00)《改行有》

1370.  アルティメット 映画冒頭から徹頭徹尾ガラが悪く、徹頭徹尾、アクションを展開。主人公が必死にヤクを始末しようとしていて、何が何やら・・・ではあるのですが、細かい話はどうでもよくって、おおよその状況の見当がつけば充分。悪いヤツはとことん悪くって、主人公はとことんスピーディ、という、それだけで充分。超人的な身のこなしで、その移動には上下左右関係なく、建物は3次元の迷路と化す。彼を追う悪玉たちにもついゴクロウサマと言いたくなる、圧巻の活劇。カメラ(=演出)もそれを必死で追いかける訳ですが、むしろ、引いたカメラで飛び跳ねる彼の姿を捉えた瞬間に、その凄さが最も伝わってきます。 で、舞台はいきなり半年後に飛んで、するとここにもまた、凄いヤツがもう一人。フランスって、こんな凄いヤツだらけだったのか? とにかく、この二人が組む、という、バディ・ムービー。だけど、二人ともに手も焼いても食えない連中、ということだけが伝わればそれでよいので、ほどほどにモメて、後は深入りしない。その方が、もともと有って無いようなストーリーが、それなりに妙な方向へ転がっていくというもの。 ひたすら目まぐるしいアクション、それをゴチャつかせない程度に、カメラが捉えていきます。もう少しメリハリがあってもいいか、とも思わんではないけれど、とにかく突っ走っていく。治安が悪化しまくった近未来、という設定も、この破天荒なアクションにマッチしています。なけなしのストーリーに申し訳程度に入れたヒネリが、映画の中で一番ショボく感じてしまうんですけどね。とは言えこれも、クライマックスのどうでもいい死闘を導き出すための方便。 痛快作、と言ってよいでしょう。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-04 07:42:03)《改行有》

1371.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 今やサメ映画の次くらいに激戦区となっている、ゾンビ映画。ジム・ジャームッシュまでがそこに手を出すか?といったところですが、そもそもロメロ以降のゾンビってのは、この「伝染性」に特性がある訳で。歩きスマホやってる連中を周りから見れば、ゾンビそっくり、ということになるし、そういう連中が世の中どんどん増えてくるのがこれまたゾンビそのもの。だけど、そんな事を言ってる自分もまた、別の面では、周囲から見ればゾンビそっくりと思われているような行動を取っているのかも知れない。そういう自覚を何となく持ちつつも、何を改めるワケでもなく、そのメタ性がまたいかにも、ゾンビ映画的。 羽田圭介の「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」じゃないけれど、ゾンビ映画というジャンル自体がやたら、設定ありき、ルール先行型の世界。ゾンビは歩くべきものなのか、それとも走ってもよいものなのか、とか言うことも気が付いたらどうでもよくなり、単なるバリエーションとして、相対化されていく。メタファーとしてのゾンビは、やがてメタとしてのゾンビ映画となり、パロディ化され、自己言及され、量産化されるゾンビ映画はまさに、「“ゾンビ映画”ゾンビ」、と言ったところか。 何と言うか、対象を突き放して、その存在価値を認めなくなったら、その人にとってはあらゆる対象が、ただ無意味かつ目障りに生き残り続ける「ゾンビ」、になっちゃう。 というそのゾンビ映画というジャンルに手を出す以上、「この監督だから、この程度でいいよね」では済まないぞ、となる訳ですが、さて、この作品。ははは。どうなんでしょうね。 私は結構、楽しんだんですが。 少なくとも、終盤、ゾンビたちにパトカーが取り囲まれる場面のあの不気味さ。ホラー映画としては上々のシーンではないでしょうか。パトライトに照らされるゾンビたちがパトカーをのぞき込んでくる、あのヤな感じ、充分、夢に出てきそうです。 途中も、ゾンビに食い殺される残酷シーンがありつつも、どちらかと言うとノンビリしていて、 ビル・マーレイとアダム・ドライバーのトボけた味わいが、何とも言えず。この二人、自分たちが映画の登場人物であるという自覚もあるらしく、お約束的にメタ性を盛り込んでますが(スターウォーズ!)、はたまたその二人ですら予想しなかったハチャメチャな展開まで待ち受けてますが(UFO!)、ちゃんとペシミスティックな世界観でホラーらしく締めくくっていて、意外な「意外性」が感じられるのが、結構、良かったかな、と。 結局、この田舎町も淡々と滅んでいくしかない(教訓としては、ゾンビには関わらない方がよい、って事くらいでしょうか)のですが、人間が滅んでもカントリーソングだけはこの田舎町にしぶとく残っていきそうな。そんな作品でした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-01 16:07:22)《改行有》

1372.  沈黙のテロリスト 《ネタバレ》 セガールの出演作が片っ端から「沈黙の~」という邦題がつけられるのは、単にレンタルビデオ屋のアイウエオ順配置で固めて並べてもらえるからだろう、くらいに思ってたのですが、一方でこの作品のように、「セガール主演作でなくてもそう見せかけることができる」という二次的な効果もあるんですね。そう見せかけることのメリットは、よくわかりませんけれども。 という訳で、主演はトム・サイズモアであって、セガールは準主役といったところの爆弾処理のオジサン。持ち前の苦み走った顔だちは、プロフェッショナルな雰囲気を漂わせつつ、それでも劇中でこれだけ何度も爆破シーンが登場するのは、やっぱり彼の腕前が大した事ないお陰、なんじゃないかと。 さて、こんな映画に高得点をつけたりすると、「オマエは本気でこの映画が素晴らしいと思ってるのか!」と言われそうですが、いや、そんなワケないじゃないですか。なにせ、こんな邦題つけられちゃう作品ですよ。 とは言え、あくまでコレ、90分ほどにスッキリまとめた、低予算娯楽作品。こういうジャンルなんです。これをダメと言ったら、あの素敵な70年代東映のおバカ作品群が、全滅してしまう・・・。B級のノリ、B級の手腕。この手際の良さ、テンポの良さ。そりゃヘンなところもありますよ、例えば冒頭のセガールが爆弾処理する場面、画面が寄った時と引いた時でタイマー表示がまちまちで、あと何秒で爆発するのかよくわからん。けど、ま、いいじゃないですか。 爆弾魔の役がデニス・ホッパー、というのがいささか心許なく、『スピード』の時のダメダメっぷりが再現されるんじゃないか、と心配になりますが、前述のように、今回は本領を発揮して爆破シーンの連続。規模はともかくそれなりに盛大に吹き上がる炎、爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされる人間、このあたりの演出は、最低限の予算で最大限の効果を上げている、と言ってもいいのではないでしょうか。職人芸。 爆弾処理オジサンとして比較的おとなしくしていたセガールも、このまま退場しては沈黙シリーズの名が廃るとばかり(?)、終盤にはセガールアクションを炸裂させます。ちと控えめな印象もありますが、一応はセガールアクション、有難く堪能しましょう。戦いの中、敵の一人がガラスに叩きつけられたあと、遠ざかる悲鳴だけを残して画面から消える。要は高いところから落ちて絶命したんでしょうなあ、という場面を、落下シーンをわざわざ撮ることなく表現してる訳で、一種の手抜きが、演出上のスパイスになっている。この演出を職人芸と言わずして、何と云おうか(・・・だから、手抜きだって)。 セガールが活躍すれど、乗り越えなければならない過去を抱えているのは、トム・サイズモア。だからやっぱり彼こそが、主人公。なのでした。[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-27 14:28:38)《改行有》

1373.  新・座頭市物語 《ネタバレ》 剣もバクチも無類の強さを誇りながら、普段は朴訥とした佇まいで周囲をケムに巻いている、この座頭市というヒト。こういうのが一番の悪人だろう、とか思っちゃうのですが、この第3作はあまりそういうイメージではなく、どうも本気で女性に惚れ、本気でカタギになろうとしているらしい。どう転んだって、勝新が誠実であるようには見えないんですが、それはさておき、そういうオハナシ。 しかし、いろいろと過去の因縁を抱えているもんで、簡単にはカタギになれない。それでもなろうとすれば、結果的には誰かが犠牲となる。こういうヒトは宿命として、決してカタギにはなれないんですね。 割と座頭市の個人的な部分にスポットが当たっていて、かつての師匠なんてのも登場します。まあ、これがロクな師匠じゃなくって。昭和残侠伝シリーズの池部良が親分に恵まれてないようなもんですかね。 この作品ではどちらかと言うと、普段の朴訥とした雰囲気が素の座頭市で、止む無く戦いに臨まざるを得なくなる、という展開。ある意味、まとまりの良い作品になってます。ニヒルさは座頭市よりも、彼をつけ狙う男(須賀不二男)の方に漂っていて、悪役顔が見事にキマってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-21 09:28:02)《改行有》

1374.  ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録 我々を熱狂させる芸術作品は、作者も熱狂のうちにそれを作り上げたと思いがちだけど、実際は冷静な推敲作業のもとにそれは作り上げられるのだ、とかいう意味の文章をどこかで読んだ気がします。その意味では、最たるものの一つが「映画製作」で、到底、一人の人間が勢いだけで作れるものではなく、一種のプロジェクト運営の側面がある訳で。 ところがこのドキュメンタリを見ていると、大勢の人間と莫大な投資が関わるが故に、「うまくいかなくなった映画製作」ほどオソロしいものは無い、ということがよくわかります。熱狂、というより、底なしの狂気。まさに、闇の奥。 ってか、コッポラというヒトに映画作らせるのが、そもそも危険、ということで。この危険人物が、周囲を巻き込んで(あるいは周囲に巻き込まれて)危険領域に足を踏み込んでいく様が、この作品に捉えらえています。最近はともかく、この頃のコッポラというと、映画で一発当ててはそれをつぎ込んだ次の作品で興行的に大コケして経済的に追い詰められる、ってなイメージがありましたが(?)、そりゃこんなコトばっかりやってたら、そうなるわなあ、と。 『地獄の黙示録』という作品が何ゆえ、魅力があるのかは、このドキュメンタリを見てもよくわからないけれど、何ゆえああいうイビツな作品になってしまったかは、感じ取ることができます。作品の魅力と完成度とは、必ずしも正比例しないんですね。このドキュメンタリが作られた段階ではまだ『特別完全版』は公開されておらず、本編には無かった「はず」のシーンが幾つも登場します。その『特別完全版』は盛り込まれたエピソードの多さ、羅列感がカフカの作品を思わせ、本来は、カフカの長編小説同様に「終わることのない迷宮」だったんじゃないか、とも思えてくる。しかし、事業としての映画は、「完成」はともかく「完結」させないといけない中、もつれたアリアドネの糸をほどくのではなく、その迷宮にスタッフ、役者ともども、入り込んでいってしまう。 ベトナムでの撮影はできないということで、選ばれた撮影場所が、フィリピン。軍隊の協力は取り付けたものの、内戦状態なもんで、撮影に使うヘリが出動してしまう。『地獄の黙示録』という映画自体はフィクションとは言え、登場するヘリは、まさに現在進行形で「戦争中」のもの、なんですね。オープンセットは作り物であっても、台風による破壊は、本物。カーツ大佐の規格外ぶりも本物で、誰の云う事も聞かないマーロン・ブランドは、まさに「企画外」の存在、制御不能。 そして、現場に広がるドラッグの使用。そりゃ、あかんでしょ。 当時を振り返るインタビューに登場するジョン・ミリアス、ジョージ・ルーカス、そしてコッポラ本人。前者2人の余裕(「闇の奥」に足を踏み入れる前に引き返せた余裕?)と比べ、コッポラには未だに「あかん人」のニオイがプンプンと。 この人を先頭に、迷宮に足を踏み入れ、制御不能の一歩寸前か、もしかしたら絶賛制御不能中、という中で、完成と言っちゃってよいかどうかはともかく一応の完結をみた『地獄の黙示録』。結局、この作品の魅力が何だったのかと言うと、もはや「闇鍋の魅力」としか言いようが無い気もしますが、鍋に入れてみたいもの、不本意ながら入ってしまったものが、ゴッタ煮となって、それでもなぜか食えるものに仕上げられている、という奇跡。こんな奇蹟は二度と起きないんじゃないか、という、まさに究極の闇鍋の一杯、ですよ、これは。 このドキュメンタリ映画の元になっているフィルムは、ロケに同行したコッポラの妻が撮りためた記録映像が使われている、ということで、もし最初からドキュメンタリ映画を撮るつもりだったら、また別の撮り方があったのかも知れませんが、とは言え、これ、面白い。映画の裏側ってのはやっぱり気になるし、それが特にこの奇妙な作品の裏側だとなお一層。それを90分あまりにまとめ、テンポよく見せてくれて、興味が尽きません。 たぶん、このドキュメンタリは、コッポラ自身には作れないと思う![インターネット(字幕)] 7点(2024-04-21 08:32:36)《改行有》

1375.  片腕必殺剣 《ネタバレ》 スタジオでの撮影のシーンが多く、こぢんまりした印象は拭えないものの、一方ではセット撮影ならではの趣きのようなものもあって(香港版「時代劇」らしさ、とでも言いますか)、必ずしもマイナス要素ばかりではありません。雪が降る描写など、実にいい雰囲気。スタジオに作られた川に二羽の白鳥が泳いでたりして、なかなか手が込んでます。 片腕必殺剣、な訳ですから、主人公が片腕になってしまうのですが、他の方も書いておられるようにその経緯があまりにもあんまりなもんで、正直、爆笑してしまうのですが、それでも何でも作品の雰囲気がしっかりしていてブレないもんで、見ながら爆笑しつつも物語をしっかり受け止めてる自分がいる。これが最後まで持続するので(逆に一部のヘンテコなシーンが絶妙なスパイスとなって?)、作品に対する満足感に繋がります。ラストシーンは屋外ロケで、もうちょっと良さそうな撮影場所は無かったのか、とか思っちゃうけれど、中盤の祭りのシーン、特に主人公が因縁ある兄弟弟子たちの様子を茶店から伺うシーンなんてのは、サスペンスもあって実にいい。 主演はもちろん、ジミー・ウォング。彼の出世作ということで、まだ20代前半、若い! 端正な顔立ちにスラリとした体格、スターの片鱗を感じさせます。ただし、無精ヒゲが生えてるとやたらビンボー臭く見えてしまう。。。 『必殺「剣」』とあるように、主に剣劇、ですね。正直、スピーディでアクロバットなアクションが堪能できる映画、という訳にはいかず、発展途上感はあるものの、その点は日本のチャンバラ映画だって大差無く、要は、剣を振り回す動きがもたらす迫力。見応えとしては充分でしょう。殺陣が始まると場違いな音楽が流れ(おもに「春の祭典」、一部「展覧会の絵」)、ああ、香港映画だなあ、と。 右腕を失った悲運の若者、彼の師匠の身に迫る魔の手。敵は妙な形の武器を持ってて、なかなかにセコい攻撃を仕掛けてきます。実にセコい。で、どう考えても片腕のない主人公には最も対処が難しそうな敵のこの攻撃を、主人公はやたらアッサリ破ってしまう。片腕であることのハンデをどう克服して敵の攻撃を打ち破っているのか、神業過ぎてイマイチ判然としませんが、どうやら、敵の攻撃のセコさを事前に知っていさえすれば、打ち破るのは大して難しくないのでは?という気もいたします。ここに、伝説の片腕剣士、いや、ジミー・ウォングの片腕商法は、生まれたのであった・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-14 07:46:49)《改行有》

1376.  ゴーストバスターズ/フローズン・サマー ハロルド・ライミス亡き今、存命の第1作出演者が元気なうちになるべくシリーズ作を作っておこう、ぐらいのノリの作品で、どうということもないんですけれど、それでいきなり登場するのがウィリアム・アザートンというのが、なかなか意表をついてます(マクレーン家に押しかけたレポーター、じゃなかった、ゴーストバスターズに言いがかりつけてたあのイヤミな役人ですね)。ちなみに第1作を監督したアイヴァン・ライトマンも鬼籍に入り、今作は彼に捧げられてます。 こうやって、製作から40年(!)経っても、話題になり、シリーズ作が作られ、当時の出演者が引っ張り出され、見てる側も懐かしいなあ、と思ったりするのも、それだけ1作目のインパクトが大きかったということなんだろうけれど、過去の資産でやりくりしてるばかりで進歩がない、という気もして。今の若い人たちは過去の作品も今の作品も自由に楽しめて羨ましくもある反面、さて、今の映画の中に、40年後にも話題になり出演者が引っ張り出されるような作品ってあるんだろうか、と思うと、少し気の毒な気もします。いや、その方がむしろ自然、なのかも。 さて本作、ゴーストバスターズの面々も子供からさらに孫の世代になっている訳ですが、冒頭からいきなりゴースト退治で騒動を起こし、どっちかというと周りから顰蹙を買っている。やはりゴーストバスターズたるもの、こうでなくては。CGは多様されますが、カーアクション等のシーンにはどこか、アナログ的な感じもあって。ゴーストの描写なども、そうですね。 かつて、能天気な教授たちが大学をクビになって立ち上げたベンチャー企業だったゴーストバスターズが、ここでは家族経営の零細企業(?)になってますが、この一家が登場するシーンではクローズアップがあまり使われず、カメラは一歩引いて、「家族」を映そうとする。ちょっと微笑ましいですが、テーマとしては血の繋がらない父と娘とのギクシャクした関係、みたいなのもある訳で、そういう部分の描写はちょっと弱いですかね。しかしそれでも何でも、娘が別行動をとり始めると、ゴーストの少女と知り合うサブストーリーが生まれて物語が広がり始める。こういうのがまた、イイじゃないですか。 いや、サブストーリーというほど独立した物語でもないし、メインの物語自体があまりオハナシとして成立してない気もするので、ゴチャゴチャした印象が拭えないですが、とにもかくにも、クライマックスはゴーストバスターズそろい踏み。ま、コレがやりたかったんですよね。いや、メンバー増えも増えたり、何人いるのよ。 1作目へのオマージュ目白押しですが、どちらかというと1作目を改めて見て「予習」してからこの作品を見るよりも、この作品を見た後で1作目を見て「復習」する方が、楽しいんじゃないか、という気がいたします。[映画館(字幕)] 7点(2024-04-07 21:05:43)《改行有》

1377.  わが青春のアルカディア 劇伴の音楽、ところどころで実際のクラシック音楽も使われていますが(一部加工あり)、冒頭のタイトルの部分でも流れるメインテーマは、クラシック音楽を元にしたパロディ風の音楽で(『ライトスタッフ』とか『勝利への脱出』とかでビル・コンティがやってた、アレですね)、冒頭の一瞬はブラームス交響曲3番の第3楽章かと思わせながら、実はマーラー交響曲5番の第1楽章が元ネタでした、というオチになる。ウム、その手があったか。とは特には思わないけど。 それはともかく。 あまり評判のよろしくない作品のようですが、個人的には割と好きなんですけどね。いや正直、子供の頃はどういう訳かハーロックなるものがどうも苦手で、TVアニメの「宇宙海賊キャプテンハーロック」なんて絶対見ようとしなかったし、銀河鉄道999の映画に毎度出てきては大きな顔してるのもイヤだったのですが、そうやってかつて距離をおいてたお陰で、多少ヘンな映画であっても気にせず楽しめるのかな、とか。内容がムダに重いように思えるそのイビツさも、今、見返せば、作品の一種の個性。作りたいものを作りたいように作ってた、その結果、欠点はあっても独特の魅力が生まれれば、それでいいんじゃないかと。 ハーロックとトチローの出会いが、1000年前の第二次大戦から描かれる、輪廻転生の物語。いまや地球は異星人に支配され、ハーロックはレジスタンス活動に身を投じる。いろいろと出来すぎ、作り過ぎな要素も感じられるけれど、ひたすらヒロイズムを詰め込んで、一種の「真似のできない作品」、には仕上がってます。 アニメーションの緻密さ、ということでは最近の作品には到底かないませんが、それでも、いやそれ故にというべきか、メカニックな動きの見事な描写は、作品の大きな魅力になっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-07 07:43:32)《改行有》

1378.  復讐の荒野(1950) 《ネタバレ》 なんだかマカロニチックな邦題ですが(そういや『荒野の復讐』ってのは確かにありましたねえ・・・)、1950年、アンソニー・マン監督作品。西部劇と言いつつ、中身は父娘の愛憎劇。一種のホームドラマでもあります。 頑固ジジイの父親が父親なら、娘も娘。なんというか、リア王の悲劇は娘が3人いたことではなくって、一人でも充分だったんだなあ、と。 娘を演じる主演のバーバラ・スタンウィックが、素晴らしくハマリ役。髪型見てるだけでもイライラしてくる(笑)。いや、彼女だけでなく、登場人物みなそれぞれ、クセあり、インパクトあり。 ストーリー展開は、最初はじっくり、映画の3分の1くらいから、波乱が起こり始めます。なかなかにエゲツない展開。たしかに邦題の「復讐」ってのは、ひとつのキーワードになってます。 終盤、起死回生の父親が張り切るシーンが、印象的。その先には破滅が待ち構えていることを、見ている我々は予感しているだけに、余計に印象を強くします。 ラストは、大団円とは言えないまでも、せめて小団円か、と思わせて、それすらも否定する徹底ぶり。そこまでやるか、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-16 05:49:44)《改行有》

1379.  クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち 《ネタバレ》 宗教チックで秘密結社チックな猟奇殺人事件、それを捜査する刑事。という、いかにも「ジャンル映画で一本、でっち上げました」というだけの作品っぽい感じではあるのですが、しかし。 中盤の、修道士姿の曲者との間に演じられる追跡劇の、しつこいこと。こういうのはやっぱり、楽しいですね。 マジノ線に残されたトーチカからの銃撃、なんてのも、地の利を活かしている、と言うと変ですが、なかなか意表をついています。あらためて、ここは昔、戦場だったんだなあ、と。 終盤、襲い来る鉄砲水から、走って逃げる。このシーンもやたら長くって、いや、あの水の勢いから、そこまで走りまくって逃げ切ろうなんて、そりゃ無理でしょ、と思うのですが、映画だからできちゃう、やってのけちゃう。いや、ホント、厚かましい演出。でもこれがまた、楽しいもんなのです。 という、荒唐無稽な冒険アクション風味をまぶした、ミステリに仕上がっていて、いやもはやミステリでも無い気もしますが、とにかく一筋縄ではいかないところを、見せてくれます。[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-13 18:01:24)《改行有》

1380.  霊的ボリシェヴィキ 《ネタバレ》 まず、「霊的ボリシェヴィキ」なる意味のよくわからない(というより、おそらくマトモな意味なんて無い)言葉が先にあって、それをタイトルに映画作ったとしたらどんな映画になるんだろう、ってな感じの映画。で、結局、こうなっちゃいました。 数名の者が、工場跡みたいなガランとした部屋に集まり、百物語風の降霊会っぽいことをやっている。その降霊会が、左翼系セクトの集会になぞらえられているように描かれていて。 革命思想ってものがそもそも宗教じみている、というか、心霊主義者ってのがそもそもイデオロギーじみている、というか。 集まったメンバーが自分の過去ばかりを語っている時点で、革命的でも未来的でも無いような気がするけれど、なんかよくわからんながらも、そこには奇妙な相似形があるような気もまたしてきたり。 要らんことを言うと暴力を振るわれ、しかし結局は逆らえない。聞こえたはずの、どこからともなく響いてきた笑い声は、テープに録音されておらず、トランプカードの奇妙な一致も、トリックがあるんだか無いんだか。というモヤモヤ感の中、怪しさは徐々につのっていく。トリックであることがすでに広く知れ渡っている「妖精写真」、なのに呪縛から逃れられない。 何らか怪異が迫りくる雰囲気の中、その怪異の正体は、実は自分の過去、そのものであり、まるで自分の内部に吞み込まれていくような、ラスト。 うーむ。わたしゃ学生運動とかの左翼活動が昔っから大キライで、蛇蝎のごとく憎んでいるのですが、結局はこの「嫌う」という事自体が、何らかの形で、それに縛られている、ということ、すなわち一種のオブセッションとも言えるんでしょう。「ノンポリ世代」が持つ後ろめたさと、「ノンポリで何が悪い」という開き直り。そこに生じるかすかな、しかし根強い苛立ちは、上の世代との単純な比較から生じるものではなく、自分の内部から来るものであることを、認めざるを得ない。。。 とか何とかツマラン理屈をこねくり回して見る映画ではなく、あくまでホラーです。怖さ、というか、その怖さが明確な像を結ぶ前の「ヤな感じ」を楽しめば、それで良し。70分少々の短い映画、シチュエーションが限られていて(登場人物の語りが少なからぬウェイトを占める)、その分、舞台となっている部屋、その空間が、しっかり描かれている。これが実にいい感じに「ヤな感じ」。古びた工場、廃工場のようでもあり、しかしそこに備えられている金属製の設備・什器は、冷たい光を反射している。 こういう雰囲気がしっかり出ていれば、タイトルなり設定なりがよくワカランものであっても、楽しめるもんです。[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-13 16:47:05)(良:1票) 《改行有》

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