みんなのシネマレビュー |
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121. 或る夜の出来事 「或る夜の出来事」じゃないじゃん。5点(2004-03-03 14:18:32) 122. サンセット大通り 『何がジェーンに起ったか?』を最近観たこともあって、往年の大女優の晩年の悲劇がずしりと身に染みる。久々に映画を観て嫌な汗をかいた、グロリアさんのラストの狂気。サスペンスというよりホラー。きっとアカデミーの会員は恐ろしすぎて賞をあげるのをためらってしまったのだろう。執事は気味悪く、偏屈し、不気味であるが究極の愛。主人公のジョーはどう見ても売れない脚本家というより映画スターだが、死体の回想という物語の構成は見事。つまるところ、『何がジョーに起ったか?』。6点(2004-03-03 01:35:27) 123. ミシシッピー・バーニング 「憎しみを7歳までに教えられた」、ここに真実があるような気がする。人間は決して憎しみ合うために生まれてきたわけではない。自由、とは自分の力で物事を考えることが出来ること。ミシシッピーの子供たちは大人たちに差別という絶対的な価値観を植えつけられ、多くの血が流れ、炎が上がった。例えば現在の北朝鮮の子供達だって、外の世界から隔離された状態で、大人たちに勝手な価値観を植え付けられている。純粋な子供の瞳を憎悪で濁らせないために。「見ていないふりをしていた者にも罪が有る」、この言葉が胸に残る。7点(2004-03-02 16:47:41) 124. 完全なる飼育 中1のときにレンタルで観た。 エロティックのコーナーから、さりげなくビデオを抜くときの緊張感。誰かに見られているのでは?という不安。/カウンターで、会計が済むまでの果てしない数秒間。「こちらの商品は・・・」と言われるのでは?という不安。 当時の自分としては最大級の勇気だった。昔観た映画というものは、音楽と一緒でその頃の思い出と一緒に記憶が甦るもの。クラスの友達数人と一緒に見て、一瞬ヒーロー的存在になったなぁ。 ホントは隣にあった「憧れの女教師」の方がよかったんだけどね。そこまでの勇気は・・・。6点(2004-02-29 23:29:27)(笑:1票) 125. イノセンス 「アントニオ、それはいのき。」 ・・・。 よく分からなかったので、こんなクダラナイ駄洒落を言うぐらいしか・・・。6点(2004-02-28 17:13:46)(笑:3票) 126. 花とアリス〈劇場版〉 目をつむり、胸に自らの思い出を丁寧に描き出す。それはひどくおぼろげで、淡く、一瞬経つとすぐに消えていってしまう・・・。岩井俊二監督の映像にはそれと似た優しさがあるような気がする。冬の終わりを告げる朝の、黄金色の陽光のように。だから観る者の心の中に素直に染み込んで、その温もりを感じとることができ、いつまでも包まれていたいほど心地がいいのだ、と。 風に散る桃色の桜、はためく2人の黒い髪。緩やかな波打ち際、まぶしい太陽、舞い上がるのは無数のトランプ。家に咲く色とりどりの花々、そして白い光の中、華麗に踊り続けるアリスの姿。それらはみんな、あぁ、涙が出るほど美しい。それが些細な、例えばどこにでもある喫茶店であっても、その風景は驚くほど光に満ちている。そうして気付かされる。そう、この世界はこんなにも美しいのだと。 好きな人が自分じゃない別の人を好きだと知ったときの、雨の中のあの表情。机の列が少し曲がった、2人だけのガラリとした教室。じわじわと心に広がりくる共感。「邦画は苦手」といって聞かない人々に伝えたい。共感、懐かしさ、これらをはっきりと感じる事が出来るのは日本映画だけだ。 幻想世界のように美しい映像は、まさに「不思議の国の花とアリス」。記憶喪失、三角関係、定番を逆手にとった一筋の物語に、奇妙で可笑しな人間たちが瑞々しい葉として連なる。そして鈴木杏と蒼井優の、まるで水面に反射する日差しのようにキラキラ眩しい魅力が、永遠に美しい花として咲き誇るのだ。 間違いなく、これは世界一美しい青春物語。9点(2004-02-27 22:20:21)(笑:1票) (良:5票) 《改行有》 127. 何がジェーンに起ったか? 不気味、冗長、陰鬱。ぐへっ4点(2004-02-26 14:08:33) 128. ドッグヴィル 《ネタバレ》 劇場を出た後の強烈な頭痛。 家々に壁は無くとも、人々の心の中にそれは間違いなく存在する。何とも利己的で、冷淡で、ふてぶてしい、生まれながらの罪人たち。 さよならドッグヴィル。7点(2004-02-24 18:55:28) 129. フォレスト・ガンプ/一期一会 「人生はチョコレート箱のようなものであけるまで中身は分からない」って台詞が有名だけど、そんなん箱に入ってるんだからチョコレートだろうが和菓子だろうが何だろうが分かるわけないじゃん。4点(2004-02-23 16:49:22)(笑:1票) 130. ヘブン・アンド・アース うっそ~ん、中井貴一は何しに中国まで行ってきたんだよ。この驚異的な尻すぼみはチャチいCGのせいだけでは無いはず。何なんだよ、あのシューボワッって。この後味はどっかで・・・、あ、『ベン・ハー』だ。う~ん、まぁ相変わらず可愛いヴィッキー・チャオが見れただけいいか。3点(2004-02-23 16:43:15) 131. フレンチ・コネクション2 予想は付いてたけど、実話をベースにした前作とは違い、普通のアクション映画になってしまっている。これはこれでそう悪くはないのだが、ハードで骨太な空気感はフランスの美しい町並みには合わず、やっぱアメリカの冷たさあってのもの。麻薬の恐ろしさを痛感するという意味では「レクイエム・フォー・ドリーム」に次ぐ。6点(2004-02-20 17:08:19) 132. セルピコ まさしく究極の正義。利益などは欠片もなく、マイナスだらけの困難な状況の中、全てを犠牲に貫き通す。やはり正直者が馬鹿を見る社会にはしてはいけない。そして、正義を貫く事で不利益を被ることなどは絶対にあってはならないのだ。セルピコのような本当の英雄たちのよって、この世界は少しずつ良くなっていくのだと思う。知るべきである事実をこうして伝えてくれる映画もまた素晴らしい、と改めて実感した。7点(2004-02-18 14:08:22) 133. スミス都へ行く 生まれたときは真っ裸の人間も、歳を重ねるにつれ濁っていってしまう。たとえ本人が望んでいなくとも、この空気の悪い社会の中では。金権政治、スキャンダル、汚職事件、圧力団体、あっせん、鉄の三角関係・・・。これらの言葉は、実際にいま日本の高校の教科書に載っている言葉である。自分達高校生は学校で、日本の政治の黒い部分を学んでいるのである。居眠りを続け、野次を飛ばしあい、スキャンダルばかり報道される日本の政治家に何を期待すればいいのだろうか?自由にものを考える事が出来、自由にものを言う事が出来る。今となっては当たり前の事だが、この自由がどれだけ困難な戦いの末に勝ち取られたものなのか、どれだけ尊いものなのかをスミスは教えてくれる。もっと自覚をもって大事にしなくては先人の方々に申し訳が立たないじゃないか。すべての政治家の方々に是非ともどうしてもこの映画を観て頂きたい。信念を持ち続ける事が想像以上に困難だということは分かるが、しかし信念がなくてはどうにもならないだろうから。7点(2004-02-17 23:42:30) 134. フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 コンクリートのように冷たく、それでいて銃口から飛び出た弾丸のように熱い。無駄な音楽や台詞を廃し、刑事たちの剥き出しのドラマが描かれる。銃声で終わる物語。あぁ、このハードボイルドな世界にクラクラするゼ。8点(2004-02-17 16:53:28) 135. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 自らの命を犠牲に、未来に失われるであろう何千もの命を救おうとする。彼らのした事が正しいとは思えないし、その狂気じみた執念には恐怖を感じる。死刑というのは犯罪者の命を他者と比較し、そしてそれを切り捨てる事。どんな命も尊重すべき、だから犯罪者の命を消し去る死刑は廃止すべきだと訴えるのなら、自分の命を捨てるなんて馬鹿げている。彼の子供は泣いているのかもしれないぞ。 ダレさせずに引き込む物語の力、そして死刑について真剣に考えさせられる圧倒的な力。評判どおりの見事な映画だと思う。それにしても思うのは、ゲイルの家に住んでいるあの女、趣味が悪いにも程があるぞっ!7点(2004-02-17 13:47:38) 136. 我が家の楽園 《ネタバレ》 うんうん、そうだよ、お金なんかより大切なのは友達だよ。観て良かった、いい映画だった。コミュニケーションも希薄で正直に生きる事が恥ずかしくさえある現代で、これほどストレートな美しい感動物語をつくったとしても笑われてしまうだろう、それはとても悲しいことだけれど。だけど、いやだからこそ僕たちは古い映画を観るのかもしれない。この白黒の物語の中でなら、友情や愛情に素直に感動する事が出来る。そう、クラシック映画は永遠のイノセンスだから。8点(2004-02-16 23:25:21) 137. ゴスフォード・パーク 《ネタバレ》 人間関係はいつの時代もややこしく、ドロドロしていて嫌気が差す。しかしその底に隠された愛の強さ。うん、母は強し。6点(2004-02-16 17:29:27) 138. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ きっかけは、猛スピードでやってくる。5点(2004-02-16 14:14:22) 139. 乙女の祈り 《ネタバレ》 少女が殺人者になる過程を2時間かけて見せられる訳で、これは見ていて本当にツラい。ボウリーン、ジュリエット、母親、父親、不倫相手、下宿人、教師。一体誰が、何が二人の未来を闇へ導いてしまったのだろうか。二人だけをどうして責めることができようか。あの残虐な殺人を見てしても、二度と会う事の叶わなかった二人への哀れみを否定できない。人は生まれながらに罪人である。この殺伐とし、欺瞞に満ちた日常の中、二人にとっての現実は第四世界だけだったのだろう。 ・・・、けど現実世界も意外と悪くないぞ。7点(2004-02-15 22:25:54) 140. 過去のない男 《ネタバレ》 何ともシュールな映画。 蛇足:自分って何なんだろう、と考える。自分が自分たる由縁、それは記憶の存在だ。名前、友人、家族、家、趣味、思い出・・・。自分の辿ってきた人生が記憶として残っているから、自分が何者なのかを証明できるのであって、「アイデンティティー」=「記憶」。過去は何より大切で、失くすなんて絶対に嫌。絶対に嫌だが、しかしこの映画の温かな後味に包まれると、その過去を捨てることでしか見る事のできない景色もあるのだと気付かされたりもする。人は過去に縛られて生きているんだ、と。あまり振り返り過ぎず、前に進まないとな。6点(2004-02-15 13:56:16)
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