みんなのシネマレビュー |
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121. マグニフィセント・セブン 《ネタバレ》 現代の映画表現においては、「善玉が悪人をやっつける」という図式は成立せず、どう取り繕っても「善玉が悪人を殺害する」になってしまう。(既に四半世紀も前に「許されざる者」で示されていることだが)おまけに、主役の7人がそろいもそろってアウトローぞろいのため、最初のガンファイトでは、奇襲をくらってばたばた倒される敵側のほうが気の毒に思えてしまうほどだった。 今回の7人は、戦う理由が殆ど個人の胸の内だけにあり、そのため本来主役であるべき街の人たちとの関係はほとんど描写されない。C.プラット演じるファラデーのキャラクターは好感が持てたので、例えばお得意のカードを利用して、街の子供たちとの交流を描くなどすれば(つまりチャールズ・ブロンソン的な役柄にする)、最後の決死の突撃のシーンでもっと盛り上がったのになと思いました。[映画館(字幕)] 6点(2017-02-04 09:10:00)《改行有》 122. ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 歳がばれてしまうが、正直に書こう。名作の誉れ高いEp.IV&Vは公開時はまだ幼くて封切時に劇場には行っておらず、後になってテレビ放送かレンタルビデオ(!)でチェックした。ということでSWを劇場で観るのはEp.VIからかれこれ6作目になるのだが、今回初めてSWを映画館で観て面白いと思った。 ベイダーとルークの親子関係の設定は、本シリーズに“必然性”と“絆”という、物語の核となるものを持ち込んだ半面、宇宙を舞台にした戦争を単なる親子喧嘩に矮小化するという悪い側面もあったと思う。その点、スカイウォーカー親子どころか、フォースにすらほとんど関係のない人物を主人公に据えたこの作品によって、ようやくこのシリーズの世界感をぐっと広げることができたという面で高く評価したい。 旧作にはなかった、反乱軍評議会での自己保身やエゴの噴出や、ヒーロー役の人物による戦う大義の吐露なども、現代の映画らしく深みがあり、大人の鑑賞にも耐えるものになっている。 最近の作品でSWシリーズに飽きてしまった中年のあなたにお勧めの一本です。[映画館(字幕)] 9点(2016-12-27 00:38:09)(良:2票) 《改行有》 123. インフェルノ(2016) 《ネタバレ》 原作既読。 下のほうでも指摘されてますが、ヒロイン・シエナの役どころと、総監のキャラクターの変更は、全く頂けない脚色でした。 あと、これは原作においても最大の弱点なのですが、ゾブリストがウィルスのありかを示す手の込んだ手がかりを残す理由が全くわからないのですよね。ここは脚色された本作でも解決されてませんでした。 今回では、ラングドンの謎解きも割と単純で、シエナに先を越されてしまう場面が少なくとも2か所あったりして、過去2作ほど鮮やかとは言えない感じでした。今作では、過去作のダ・ヴィンチやベルニーニのようには、ダンテにまつわるうんちくがあまり語られなかったのも残念。 それでも、フィレンツェ→ヴェネツィア→イスタンブールと、世界の文化の名所を巡る旅は十分贅沢で楽しく、先に原作を読んでなければもう1点プラスできたと思います。 ああ、そうか!書いていて気がつきました。なぜロスト・シンボルを映画化しないのか、とずっと思ってましたが、映画の舞台がワシントンDC限定では、アメリカ人にはつまんないのか![映画館(字幕)] 6点(2016-11-03 01:01:51)《改行有》 124. スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 主人公を襲う危機を脱するにはどうすれば良いか?敵の最終兵器が起動したらどうなってしまうのか?それをどうすれば止めることができるのか? 等々、アクションを盛り上げるためのこれらの「約束事」を観客に説明することを放棄してしまったこの作品は、画面のにぎやかさや俳優の熱演の割に、全くハラハラドキドキできない作品になってました。 また、凝りすぎるカメラの動きのために、序盤のエンタープライズ墜落のシーンでは、何がどうなっているのか全く分からず、誰がどこにいて、脱出できたのか出来なかったのか?カークが円盤部にいるのか、自ら犠牲になって本体部に残ったのかも直ぐには判断できないような始末でした。実はウフーラが自分を犠牲にしてカークを助けて本体部に残るんですが。結局両方落ちちゃうし。しかも両方生きてるし。 そもそも、主要クルーはことごとく生き残ってはいたが、最初の危機でカークが艦橋を放棄したのは、クルーの大量戦死(推定数百人)を招いた明らかな判断ミスだと思うし、英語をしゃべる都合のよいお助けキャラの登場もどうかと思うし、いろいろがっかりすることが多かったです。 前作まで同様元気がよいのはマッコイとスコット、スールー、それと俳優さんは死んじゃったけどチェコフで、なぜか肝心のカークとスポックがなんだかしょぼくれていて、おかげで映画全体が少し陰気。チェコフは大部分画面に登場してはいたけど、キャストみんなでアントン・イェルチン(およびレナード・ニモイ)のお通夜でもやっている感じでした。 ということで、Beyondというタイトルの割に、逆に後ろばっかり向いている感じで、このシリーズをこのキャストでやるのも、これで終わりかな?好きなシリーズだったんですけどね。[映画館(字幕)] 5点(2016-10-25 00:47:51)(良:1票) 《改行有》 125. ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 さすがのイーストウッド。安定した面白さの佳作でした。 この事件のその後の顛末は知らなかったので、主人公がどうも怪しげなサイドビジネスをしているとか、最初の墜落シーンでの唐突な着水判断とかに、私は見事にだまされて、機長を疑いの目で観てしまい、しっかりサスペンスとしても楽しんでしまった。 乗客に関するエピソードや、船・ヘリの救援隊のエピソードなど、話を膨らまそうとすればいくらでもできそうなのに、それらはあくまで肉付け程度にしか扱わず、とことん機長個人にだけ焦点を合わせていく。画面にトム・ハンクスが出ていない時間が果たしてどれくらいあったか?というくらい。無駄を削ぎ落としたといえばそうなのですが、個人的にはすこし物足りなさを感じてしまった。 せっかくコパイロットのアーロン・エッカートが良い味を出してたので、彼にももう少し活躍してほしかったところですが。[映画館(字幕)] 7点(2016-10-15 00:48:41)《改行有》 126. X-MEN:アポカリプス 《ネタバレ》 たぶん原作がそうなんでしょうが、パラレルワールド設定っていうんですか?登場人物の背景等が、過去作の設定と整合性がとれていないような気がするんですが、そんなこと言うだけ野暮なんでしょうか。もうなんだかしっちゃかめっちゃかになってます。わかりにくいわあ。 今回の敵はもうとんでもない能力を持っていて、「そりゃ、対抗するには彼女しかいないやね」と、ずーっと思っていたのですが、覚醒するのが遅すぎです。もう世界じゅうめちゃくちゃになってますがな。 でも確か、オリジナルの3作目では、不死身の能力を持つウルヴァリンは、ジーンに勝ってましたが???不死身能力にもレベルの違いがあるか、あるいはジーンが愛ゆえにちょっと手加減したと解釈しておきましょうか。 ミュータントが発揮する能力レベルは作を重ねるごとにハイパーインフレ状態で、しでかすことが恐ろしく派手になっています。トードが懐かしいです。これでもまだ続編作るんでしょうかね?そろそろついていけなくなりつつあります。 そういえば、今作は人が死ぬ描写がちょっと多すぎです。1点マイナスしときます。 あ、それともうひとつ、ジーンの女優さんはもう少しこう、可憐な感じの女性が良かったかと。[映画館(字幕)] 7点(2016-08-17 00:59:35)《改行有》 127. シン・ゴジラ 《ネタバレ》 なーるほど。エヴァンゲリオン第〇〇使徒「ゴジラ」登場・・・って映画ですね。これ。 これまで種々のアニメーションで、リアルな日本を舞台にして、カッコイイアクションなりSFなりの映画が作られてきて、そのレベルは決してハリウッド映画に劣ることはなかった。でも、それを実写化するととってもダサいことになるんだろうなあ、なんて勝手に思っていましたが、その思い込みは完全に裏切られ、すごい完成度になっていました。正直驚きました。 オリジナルとの違いは、被害を受けた人に殆ど寄り添わないこと。もう少しそのあたりの描写があれば、主人公の作戦前の演説などにも苦悩が感じさせられることができたのでしょうが、だいぶドライでしたね。ただ、オリジナルでは、終戦から9年の時間がたっていたのに対し、今回がまだ震災からたったの5年だから、そこを詳細に描くのは生々しすぎて難しかったか。[映画館(邦画)] 9点(2016-08-11 17:55:31)(良:1票) 《改行有》 128. ファインディング・ドリー 《ネタバレ》 楽しい楽しい映画でした。名脇役ハンクの登場のおかげで、今作では魚たちが水中だけでなく、なんと人間の世界でも大暴れ!What a wonderful worldやUnforgettableの選曲のセンスにも大笑い。もちろんほろりとする場面もしっかりあります。 近所では吹き替えしか上映してないので、それで鑑賞しましたが、突然の八代亜紀の登場には「???」でしたが、なるほど原語ではシガーニー・ウィーバーですか。日本人でこれにあたる人って、なかなかいないですわな。 しかし公開からまだ間もない今、なんといってもここで言っておきたいのは、絶対にエンドロールの終わりまで席を立たないこと!です。このシーンでプラス1点。[映画館(吹替)] 8点(2016-07-21 00:46:53)《改行有》 129. シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 そこそこ面白かったのですが、アイアンマン=トニー・スタークがどんどんまじめ人間になってしまうのはつまらないなあ。 また、アベンジャーズ系は、過去作を全部見ておいて、ある程度背景を知っておかないと満足に楽しめないというのは不満です。2~3作と言うならともかく、10作越えてるんじゃないですか?全部は観てないし、観てたとしても細かいとこは覚えていませんって。 空港でのスーパーヒーローバトルロワイヤルは、見ごたえあるのですが、結局誰も負けさせるわけにはいかないので、落とし所がなくて、詰まんない結末のなるのが見え見えなんだよな。例えて言うなら、ジャイアント馬場、アントニオ猪木、スタンハンセン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ジャンボ鶴田、三沢光春、長州力等々が戦うとして、誰が強いかって言っているようなもんで。今回、大けがしたのがラッシャー木村という感じ。(ラッシャーさんすみません。)[映画館(字幕)] 7点(2016-05-02 23:54:38)《改行有》 130. ズートピア 《ネタバレ》 あきらめなければ願いはかなうという子供の教育上にも好ましい基本プロットの下には、現代社会の人種間の諍いの問題をしっかりと据えていて、大人の観客にも大満足の素晴らしい出来でした。中でも特にゴッドファーザーのパロディは、これは明らかに対象を大人に絞ってますな。笑わせてもらいました。まだ小学生の子供二人と一緒に見に行ったのですが、このシーンで私が笑うのを見て、「なぜ笑うのか?」と聞いてきて困りました。さすがにこの元ネタ作品を彼らに見せて一緒に笑えるようになるには、まだ数年間必要です。[映画館(吹替)] 8点(2016-05-02 23:38:01) 131. レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 最後の最後に、ディカプリオが意味ありげにこちらを見つめるし、「復讐の先に、何があるのか」なんて宣伝コピーがあるので、何かしら現代社会への風刺かメッセージがあるんかいなと深読みしようとしましたが、わかりません。 単純に、アメリカ西部開拓時代の、壮絶サバイバルものとして理解しました。この映画のディカプリオはアカデミー主演男優賞というより、寒中ガマン大会でよく頑張りましたで賞に値します。 風景描写は見事だし、面白くないわけではないのですが、なんとも暗い話だなあ。やっぱりこの監督さんは苦手です。[映画館(字幕)] 6点(2016-04-28 00:53:04)《改行有》 132. バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 《ネタバレ》 思いっきりネタばれしてますので、未見の方は読まないほうがよいです。 スーパーマンが死んだと見せかけて、結局生きていましたと思わせるあのラストシーンは、「そりゃそうなるでしょ」と思いながら見てはいたんですが、それでもずるいです。ただでさえ長い上映時間の最後の10分くらいは、あの悲壮感があってこそのシーンの連続であって、それらが全て無意味になるなんて、おかしいでしょ。ここだけで-2点。 スーパーマンの葬式。「S」のマークのついた棺の上で、折りたたまれる星条旗のシーンは、世界の警察・リーダーを自認できなくなったアメリカの死を象徴するものと理解して、ついにここまで病んでしまったのかという思いを強くしました。まるで敗戦国の心理です。スーパーヒーロー、特にスーパーマンが死ぬという設定はタブーに属すると思いますが、それでもそういうストーリーで貫いてくれたのであれば、そこには製作者の「善意の神などいない」という意図を強烈に感じとることは出来たので、あのラストシーンは無いほうが私のこの映画の評価は高くなります。 かといって、アメコミタイトルでこんなストーリーでよいのかどうかは別です。1970年代のスーパーマンを観た子供たちはハリウッド映画に夢中になりました。今の子供たちがこの映画を見て喜べる(or楽しめる)だろうか?昨今、大人の鑑賞に堪えうるアメコミもの、というのが追求されてきて私も確かにそれを楽しんできましたが、本作ではついに、大人の観客しか相手にしないアメコミものになってしまった感があります。そろそろこの分野を子供に返すべき時がきたと思います。[映画館(字幕)] 5点(2016-04-06 00:37:30)《改行有》 133. アーロと少年 《ネタバレ》 これはホントにCGアニメーションなのか?まず思ったのはこれ。風にそよぐ草、水中および水面の表情、そしてもちろんCMでも使われるホタルのシーンなど、あらゆる自然の情景を恐ろしいまでの精度で表現しています。もはや、この映画がアニメであることを主張しているのは、極端にデフォルメされたアーロと少年をはじめとした生物だけです。 シリーズ物を除けば、作品中にいつも、何か革命を起こすような仕掛けをするピクサーですから、私は素直に「これは、背景を楽しめって言うことね」と勝手に解釈して、大いに堪能しました。背景は10点、でもストーリーはそれほど・・・だったかな。 「言葉を話す高度な文明をもつ恐竜と、犬のように知能の低い人間の組み合わせ」、というのは、設定としては必然性を感じないし、ちょっとひねりすぎじゃないかい?なーんて思ってみてましたが、映画が終わって、家に帰り、飯を食って風呂に入り、さー寝ようと横になった瞬間に、オープニングのシーン(大隕石が通り過ぎる→数百万年後)の意味がわかって数時間置いての思い出し笑いをしてしまいました。そういうことか!私の脳がそれこそステゴザウルス並みと言われれば反論のしようもないですが、小学生以下でこれを正確に理解できる子ってそうはいないんじゃないかな?[映画館(吹替)] 7点(2016-03-19 01:03:48)(良:1票) 《改行有》 134. オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 Gravity(敢えて原題)と同系統プロットの映画で、かなり面白いんですが、Gravityより落ちるかな。 火星上で芋を作りだしたとき、「水がないだろ」とすぐに思ったのですが、そうか、そういえば水素があれば確かに作れるな。火を焚いて水を作る。ローソクの科学だ!化学の基本中の基本であるのに、恥ずかしながら解決法を全く思いつかず、ここは唸ってしまった。 科学的な考察が十分になされた原作なんだと思うが、それにしては最後の宇宙船とのランデブーが、高度といい、速度といい、一か八かのシチュエーションになってしまうというのはどういうこと?劇中では説明があったような気がしませんが。 ラストで主人公がうんちく垂れるシーンが不要と思いました。あと、これは映画の内容とは関係ないけど、邦題のセンスはどうかと思う。[映画館(字幕)] 7点(2016-02-21 00:32:48)《改行有》 135. ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 序盤は法廷もののような雰囲気で比較的わかりやすいのですが、スパイ交換のあたりから、登場人物がひたすら相手の腹の探り合いをするセリフの応酬を始めるので、字幕鑑賞では正直、物語を正確に追えたのかどうかも怪しいくらいでした。このあたりは、やっぱりコーエンの脚本の面白さというところなんでしょうかね。英語がもっと堪能なら、この映画ももっと楽しめそうです。それでも、Would it help?(でしたっけ?)は良かったな。 それにしても、東西冷戦もだいぶ昔のことになって記憶が薄れがちですが、この映画が描く頃の東ドイツって、あんなに怖い国だったんでしょうかね?既に40台の当方がそう思うのだから、この映画の対象年齢ってかなり高くないですか?[映画館(字幕)] 7点(2016-02-02 23:09:15)《改行有》 136. クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 皆さん割と高評価だったので期待しすぎたのか、残念ながら私はそれほどのりきれずでした。やはり、ドニーがボクサーへの道を選ぶことの動機にいまいち説得力がなかったです。彼が見もしなかった父親に対する何らかの思いを募らせるエピソードが、一つは必要だったかと。あと、音楽はいかにも現代の若者向け(しかも特にアフリカ系アメリカ人向けか?)風で、オールドファンの私には違和感大でした。 それでも久しぶりにロッキー(決してスタローンではない)に会えたことはうれしかったですね。[映画館(字幕)] 6点(2016-01-15 22:09:35)(良:2票) 《改行有》 137. スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 スター・ウォーズと言う割に出来事が全て半径50km圏内で起きているかのような狭い世界観、強大な戦力を持っているはずなのにどうにも攻撃の手が緩い帝国軍、銀河の危機がかかっている割に妙に杜撰で能天気な作戦計画を立てる共和国軍。製作陣が一新されて、私が感じていたこれらの不満を解消してくれるのではないかとひそかに期待していましたが正反対で、JJ氏は、本シリーズが築き上げてきた世界観をきわめて忠実に再現しておりました。それでも、さすがに最後の点に関しては、ハン・ソロ氏までが「そんな杜撰な!」と非難していました。 カイロ・レンがマスクを外したり、ヒロインにあわや倒されてしまいそうになるのはまずかったんではないですかね。これではシリーズを通しての悪役としては役不足だと思いました。 もうひとつ、EP.IVでもVでも、さらに今回も(たしかIでも)、たまたま脱出ポッドないし宇宙船が落ちた(降りた)ところの近くで重要な出会いがある、というシーンがあって、これが一番無理がある設定だと思うのですが、そういえばJJはスタートレックでも同じことをやっていたな・・・[映画館(字幕)] 6点(2015-12-23 00:33:06)(良:2票) 《改行有》 138. 007/スペクター 《ネタバレ》 つまるところ、「リアルな」スパイものとはなんぞや?というところに尽きるのだと思う。 ダニエルボンドになってからのシリアス路線は大変に気に入っていた一方で、現実に存在するスパイの日常が、娯楽映画の題材になるほど劇的なものではないことは容易に想像できるわけで、この路線を究極まで突き詰めてしまっては、007シリーズは陰気でつまらないものになっていくのでしょう。 ということで、いずれは荒唐無稽な元の路線に戻す必要があったわけで、その宣言らしきものは前作のラストですでに現れていました。 今回の、今一つヌケている敵キャラクターだとか作戦だとか、車を飛行機で追いかけちゃうとかの無理やりな設定とかの種々のことは、そういう事情を全てわかった上で、わざとやっているのだと理解します。 これらを全部ひっくるめての感想としては、リアルさとエンターティメントのちょうどよいバランスがとれており、面白かったというものでした。 ダニエルボンドの集大成ですね。完結編かとも思わせるようなラストシーンだったため、最後にちゃんと「James Bond will return」の文字を見てホッとしました。[映画館(字幕)] 7点(2015-12-16 06:26:46)《改行有》 139. コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 元々ナポレオン・ソロの映画化という企画ということでもあるし、時代設定からしても現代風のハイテク情報戦を期待できるわけでもなく、スパイ映画というよりはガイ・リッチーによるキレキレのアクションを楽しもうという極めて正しい心構えで鑑賞してきましたが・・・ちょっと大味すぎる出来でした。 敵のアジトに乗り込むという最大の見せ場を、キレキレ(切れ切れ)の編集ですっとばしてしまうのはどうなんだろう?そこはじっくり見せてほしかったなあ。2度ほど使われた、会話の一部を隠しておいて謎めかしておき、あとで種明かしするという編集もそれほどの効果があったとは思えなかったし。最後の見せ場も、ソロの話術で全てを解決なんて、あまりに肩透かし。 文句が増えましたが、主演二人とヒロインには存在感があったし、全体的な雰囲気は良かったと思います。特に、ヘンリー・カヴィルはスーパーマンよりこっちが合っています。続編を作るなら、たぶんまた観ます。[映画館(字幕)] 6点(2015-11-17 21:41:30)《改行有》 140. キングスマン マシュー・ヴォーン流エンターティメントの表現、あるいは自分のモラルに対する「踏み絵」のような感覚を持ちました。 というのも、この映画の面白みのエッセンスはそのまま「キック・アス」のそれと感じたからです。(音楽も似た感じではなかったですか?) しかも悪趣味さはややエスカレートしています。 「キック・アス」のインモラルをクロエ・グレース・モレッツが可愛かった、そのただ一点で許してしまった自分としては、 この映画に低評価をしてしまっては、ただのロリコンということを認めるに等しいではないか! と、いうことで同じ点数にしておこう。[映画館(字幕)] 7点(2015-09-30 00:55:44)《改行有》
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