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1401. アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 実話の脱獄ものってけっこういっぱいあるんですねぇ。緊張感なら断然『穴』。人間ドラマなら『パピヨン』。『アルカトラズからの脱出』が秀でている部分は、映画とは関係の無い「脱獄方法」のような気がする。 ヒーローものにありがちな、魅力的な主人公をひたすらに追うというつくりである一方、強引な展開、前面に出すぎる音楽などの過剰な演出を極力抑えたつくりはいかにもドン・シーゲルらしい作品です。コレが、実話にしてはあまりに劇的な脱獄劇を見事、緊張感と娯楽性を損なわずに作り上げた所以では。 ちなみに、脱獄に成功した3人は溺死したというのが大方の見解だそうです。真相はこの3人にしか判りませんが。6点(2004-05-28 14:01:59)(良:1票) 1402. ロンゲスト・ヤード(1974) 《ネタバレ》 このような単純明快スポコンドラマにここまでの高得点は正直びっくりしたが、単純なのがいいってことなのでしょうね。冒頭のカーチェイスはバート・レイノルズの為に用意したとしか思えません(笑)。ストーリーは、どんな看守たちの仕打ちもどんな事件も、囚人達でアメフトチームをつくる→選手が集まる→試合→勝つ!という流れへ持っていく原因となり一切の無駄がありません。(ある意味出来すぎ。)試合の後半はシロートの寄せ集めチームとは思えないトリックプレーの数々(笑)。二度の股間攻撃は囚人たちといっしょに笑いました。ここまでしてくれると気持ちいいです。アメフトのルールがわからなくても楽しめると思います。そしてラストも爽快!全編に漂うこの男臭さは、バート・レイノルズだから見れるような気がします。6点(2004-05-27 11:06:36) 1403. 赤い航路 女が男に「なんでも言うこと聞くから~」と泣きすがる。男は「それならば」と...。この辺りまではウンウンと観ていたのだがそこからは未知の世界。とことん女をいじめぬき、精神的に追い込んでゆくことに喜びすら感じる男。女も女で「何でもするからおいてくれ」と言ったもののあんな仕打ちをされても逃げ出さない。未体験ゾーン突入である。飛行機置き去りはあんまりだー!後半は立場が逆転するもいっしょに暮らす。結婚までする。もうついて行けない。理解不能。それでも惹き込まれる。男の誕生日プレゼントにピストル。「あなたが好きなときに終わらせて」とでも言うように。男と女の愛というのは情が増せば増すほど辛いことが多いのかもしれないがこの二人のストーリーはその究極である。愛することに歯止めが効かず行くところまで行った、普通では経験できないドラマを堪能しました。 あ、「そこから未知の世界」とか「未体験ゾーン突入」とか書いてますが、けしてそれまでのプレイを経験したということではないですよ。精神的に理解可能という意味です。そこんところ、くれぐれも誤解無きよう。6点(2004-05-14 11:15:34) 1404. 運動靴と赤い金魚 かわいい子供が主役ということだけで、ほのぼのしちゃうんですけど、けしてその部分だけに甘えてはいない。お兄ちゃんの運動靴を仕方なしに学校へ履いていく妹。まわりの子供達がどんな靴を履いているのか気になってしょうがない。で、ぶかぶかで汚くてかわいくない運動靴が恥ずかしくて誰も見てないのに隠す。隠れてないんだけど、少しでも目にとまらないようにがんばってる。でも先生の「ちゃんと運動靴を履くように。履いている人もいるようですね。」の一言にニッコリ。そうそう、子供の時ってちょっとしたことを凄く気にしたり些細なことで嬉しくなったりしたような。大人の監督がよくここまで子供の視点で描けたなあと感心します。裕福な町並みやマラソン大会での他の子供達の描写を通してイランの貧富の差の激しい現状を映す。あまり必要なシーンとは思わないししつこさを感じるが、世界にイランの現状を知ってもらうという意図があったのかもしれない。ストーリー自体はシンプルでわかりやすい。主役の兄妹とお父さんの自然な演技も好感が持てました。6点(2004-05-11 11:25:57) 1405. チャンプ(1931) 《ネタバレ》 酔った親父を酒場から連れ帰り、服を脱がせベットに寝かせ布団を掛け添い寝する。親父が寝返りして布団をとってもとり返さず親父の背中にぴったりとひっつく。なんていい子なんだ~~~!!こんな子供が欲しい。いや、こんな女房が欲しい!いや、ここまでしなくてもいいから玄関のドアにチェーンをかけるのはやめて。そんなことは置いといて、ちょっと出来すぎの感が。悪くはないが少年が完璧すぎて現実感に欠けるような。話はお涙ちょうだいモノです。ちゃんとちょうだい致しました。そりゃ、あんなに泣きじゃくられたらね。6点(2004-05-07 10:58:12) 1406. 黒衣の花嫁 《ネタバレ》 ヒッチコックを敬愛するトリュフォーらしい題材である一方、主人公がまるでプロの殺し屋かと思うほど感情を表に出さない女というのは、内に秘めた心情を描くのがうまいトリュフォーらしからぬ作品ともいえるのではと思いました。なにせ、殺しが完璧すぎる。失敗してこそトリュフォー作品って気がしないでもない。 4人目の画家の殺人は、もしかしたら画家の愛にほだされ殺さずに改心するのかな、と私も思いました。そう思わせたすぐあとに死体の映像というのは、やっぱりうまいです。証拠隠滅を一旦は図るも、壁に描かれた自分の絵をわざと残し、、というシーンも、言葉での説明が一切なく又わざとらしさもない。「あー、ここがトリュフォーだなぁ」なんて思ったりもします。ただ、私もイマジンさんと同じく、どうもヒロインが、男どもみんなが興味を抱くような女性に見えず、その一点だけでもかなりストーリーにムリを感じてしまいます。ジャンヌ・モローの演技は決して悪くはないので、単なる個人的な女性感によるところの感想なのかもしれませんが。6点(2004-04-22 14:35:31)(良:1票) 1407. 錨を上げて 「典型的ミュージカルが苦手な方」←ハイ、私です。すんません。苦手と言いながらいろいろ見ちゃってます。食わず嫌いはいけないと。前半のシナトラ演じるクラレンスにイライラさせられ、やっぱりダメだと諦めかけたとき、ジェリ-が救ってくれました。あのシーンはホント良かった。アニメの動物達が出てきたとき、バンビの出来損ないみたいなのがでっかい涙を流してるのは笑っちゃいましたけど。ジーン・ケリーのタップは控えめに、そのかわり子供との優しいダンス、シナトラの歌、キャサリン・グレイソンの美声、そしてイタ-ビのピアノと見所聴き所はたくさん用意してくれています。強引なハッピーエンドは清清しくて良かったです。でも点数は『雨に唄えば』と同じ6点。ミュージカルの良さを理解してないバカモノのコメント&点数と思ってください。ゴメンチャイ。6点(2004-04-14 12:39:14)(良:1票) 1408. シェルブールの雨傘 戦争がもたらした悲劇というより、若い遠距離恋愛カップルにありがちな話って感じで、そんな悲しい音楽で盛り上げなくても~!と思ってしまった。セリフが全部「歌」ってのは良いんだけど、明るく楽しい歌をもっと聴きたかった。あと、私がミュージカルを苦手とする原因のひとつに”セットです~!!”って感じのセットでニコニコ踊り歌うというのがあるんですが、この作品は全然それが無くて、情景だけはすごくリアルなんです。ミュージカルという非現実の世界がリアルな情景に見事にマッチしてます。ですが、個人的にはこの両者の見事なミスマッチを観たかった。こういうふうに思うのって、ひねくれてるんでしょうね。解かってます。でも、こんなひねくれた自分が好きなんです。フォローじゃないですけど、オープニングの傘が一列に並ぶシーンは大好きです。このシーンが私の言うところの見事なミスマッチなんです。6点(2004-04-13 12:11:16)(良:1票) 1409. 雨に唄えば ミュージカルがかなり苦手なジャンルでして、そのせいもあってか、この作品がなぜここまで皆から愛されるのかが解かりません。もちろんつまらないということはないんですけど..。ココで絶賛されているドナルド・オコナ-もどうも生理的に受け付けない。同じミュージカルで同じジーン・ケリーものなら、この作品より一年先に公開された『巴里のアメリカ人』のほうが断然面白いと思う私って変?リナのおちゃめな声にプラス1点。こんなところにプラス評価してしまう私ってやっぱり変?6点(2004-04-12 16:06:37) 1410. 女と男のいる舗道 結婚して子供もいる若くて綺麗な女が、ちょっとした不満やちょっとした欲によって人生の罠にはまり、どんどん落ちていく様を淡々と描いていきます。前作『女は女である』とは一変してアンナ・カリ-ナを自然体で映し出す。突然の無音はサイレント映画を思い起こさせます。そういえば、作中,ヒロインが映画を観て涙するシーンがありますが、その映画はサイレント映画『裁かるゝジャンヌ』。未見なのでいつか観てみたいです。私が古典や古い名作と言われる映画を観る理由は、新しい映画をもっと楽しむためです。引用された作品を観ていれば、それだけで楽しみがひとつ増えるんですから。特にゴダール作品は、過去の作品(自分の作品も含めて)からの引用が結構多い。そしてまた、ゴダールを観ることによって、これから観るその後の新しい映画がより楽しめるに違いない。これだから映画はやめられない。でも困ったことに、未見の映画が多すぎるなあ。6点(2004-04-06 11:18:23) 1411. 座頭市(2003) 有名な殺陣師というのは殺陣のシーンにおいてはまるで監督で、本来の監督の演出を無視した殺陣をさせるそうだが、北野監督は我を通さない殺陣師を紹介してもらったらしい。正解です。本当の真剣勝負というのは一瞬できまるもんだと思います。ましてや居合や仕込みは、一瞬で切る為の術。よかったです。これまでの殺陣=チャンバラをあざ笑うかのようなシ-ンがガナルカナル・タカが3人に剣術を教えるシーン。そう思ってみたので、その後の展開に大爆笑しました。映画で”大爆笑”というのは久々です。キャラ配置からストーリー展開はすごくマンガチックでした。もちろん良い意味で。ただ、娯楽に徹した作品であることは、事前に知っていたので過大な期待はしないようにしてたんですが、やはりキタノ作品ともなれば100%そう思えないんですね。キタノらしい美しい映像を、静かな緊張感を、少し期待していたようです。次回作、本気作を期待しております。6点(2004-03-22 13:22:35)(良:1票) 1412. シェーン 「シェ--ン 髪バー-ック」という育毛剤のCMを思い出す。そんなことはさておき、この作品で悪として描かれる農場主の言い分を聞くともっともな言い分で、なぜ入植者が悪とならないか不思議に思う。しかしこれがアメリカなのだろう。インディアンから土地を奪い盗っても侵略者ではなく開拓者なのである。前進する者が正義となる国。主人公シェ-ンもこの新しい正義の波に乗り遅れた一人にすぎない。つまり農場主と同じ立場の人間。ただのヒーローものに終わらせず「努力したが変われなかった」と言わせたところがこの映画の素晴らしいところ。だから余計に、一見ヒーローものに見えるつくりが気に入らない。6点(2004-03-18 12:22:55)(良:1票) 1413. チャンス(1979) 最初観た時は、コメディと判明するのに時間を要しました。作品から溢れ出る質の高さのせいだと思います。ただ、可笑しいんだけど笑えない雰囲気が私には合わないようです。黒人のお手伝いさんが「白人なら誰でもいいのか」というセリフがあったけど、差別問題は黒人の過剰な被害妄想にも原因があると言っているようであまり気持ち良くなかった。そう思うのは私の偏見なのだろうか?それとも、ただの政治批判だったのか?シャーリー・マクレーンはおばさんになってもかわゆい。6点(2004-03-15 12:23:37) 1414. カノン 《ネタバレ》 主人公の内なる思いは自分勝手にも程があり、自らの堕落の言い訳を延々聞かされる。言ってることは過激でも実際暴力を振るったのは妻に対してのみ。映画史上最悪の主人公である。ここまで人間の弱い部分、恐ろしい本性を包み隠さず映像にしたものを見た事が無い。この挑戦的な映画自体は評価しても良いが、虚無感で覆い尽くされる気分の悪さがどうもダメ。ラスト付近の例の「警告!」そしてカウントダウンは思わず姿勢を正しました。その後のバッヘルベルのカノン(私にとってこの曲は希望を感じさせる曲)が流れ、「あー、いい映画だったんだー」と思ったのも束の間。出かかった涙が一気にひいて呆然としてしまいました。おっさん、あんたって人は...。6点(2004-03-05 14:47:51) 1415. カルネ いきなり「警告!」そして衝撃映像にはっきり言って、ひきました。いくら時間が短いといってもこんな映像ばかり見せられたんじゃたまったもんじゃない。しかしその後はいたって普通に観賞できた。おそらく最初の映像のインパクトが凄すぎたせいだろう。実際、なかなか頭から離れてくれない。女の子が生まれ、胸が膨らむまでに成長する年月を、ブォン!という音と字幕を使うことで不必要なものをことごとく排除し一気に見せる。40分てのは凄い。個人的には絶賛の続編「カノン」より高く評価したいが、”「カノン」ありき”の映画なので評価が難しい。6点(2004-03-05 13:57:48) 1416. オー・ブラザー! 素晴らしいアメリカ南部の景観の中にオバカが3人。美しい映像にオバカが3人。これだけでも面白い。ここに銀行強盗のベビーフェイス・ネルソン、悪魔に魂を売ったギタリストのロバート・ジョンソン(ですよね)、白人至上主義集団のKKKとミシシッピ-でその頃活躍(?)した人物たちがコミカルに絡む。ただコーエン兄弟ということもあってか深読みしすぎて疲れた。実際私には深読みして初めて楽しめる作品です。そして自分の無知さにがっかり。原作が「オデュッセイア」?知らない。きっと洗濯女とかカエルだとかも何か意味があるんだろうなあ。なんでもかなり沢山の古典映画を思い起こさせる場面もふんだんにあるらしい。今作を堪能できる人っていいなあ。マジで羨ましい。ジョージ・クルーニ-のケンカする時の構えは大いに笑ったけど。6点(2004-02-27 12:30:56) 1417. アメリカの友人 たしかに同じトム・リプリーでもアラン・ドロンとデニス・ホッパーじゃ全然別人ですね。でも「太陽がいっぱい」のリプリーも原作とはかなり違うようです。ニコラス・レイ、サミュエル・フラー、ダニエル・シュミットという巨匠と呼ばれる監督達を出演させたり、回転させると中の絵が動くおもちゃで子供が遊ぶという描写を入れたりと映画そのものへのオマージュを感じます。一応サスペンスになるのだろうか。どちらかというと男の友情物語っぽい感じがします。いや、友情でもないな。よくわからんけどなんかお互い惹かれ合う関係なんです。この”よくわからん”ところがなんとも消化不良感を持ってしまう。淡々と進むヴェンダース節は好きな人にはたまらないのかもしれないが、個人的には今作に関してはサスペンス度を上げて欲しい。移動する列車や自動車を追いかける映像、そしてなにげに映える空と雲がヴェンダースの映画を感じさせる。6点(2004-02-20 12:44:46)(良:1票) 1418. まわり道 普通、ロードムービーというのはその道すがらに起こる事件や同行者との葛藤等を通して、そこに主人公の成長が見られたり感動があったりするものだが、この作品にはそういったものが何も無い。実際にはいろいろなことが起こっているのに主人公が起こっていないと思っているから、何かが変わるなんてことがあるわけがない。旅をすれば何かを得れるだろうと思うのはとんだ間違いで、本人が何かを得ようとしなければ何も得ることは無い。最初から最後まで”まわり道”ですべて無駄に終わる。ロードムービーを否定したようなロードムービーである。私にはちょっと難しいのか、良さがあまり解からない。でも嫌いではない。印象に残るのは散歩道での延々と無駄に続く会話と景色。そして終始何も語らないナスターシャ・キンスキーの瞳。6点(2004-02-19 13:56:28) 1419. ミラーズ・クロッシング たしかに行き当たりばったり的にどんどんこんがらがった展開に持っていくストーリーはまさにコーエン流。ただコーエン兄弟の犯罪ものは犯罪とは無縁の人間が犯罪に絡んでいくのが面白いのだが、今作は犯罪組織が舞台のため本来もっと怖いはずなのに複雑なからくりのせいで怖さが半減してしまっているように感じる。せっかくの「コーエン流」が反対に作品を軽くしてしまっているように感じる。変に重厚感を出そうとせず(重厚感は感じないが)いっそのこともっと徹底的に軽いタッチで描いてくれたほうが良かったような気がする。6点(2004-02-12 11:34:47) 1420. ウォーカー(1987) 《ネタバレ》 アメリカの外交官ウィリアム・ウォーカーがニカラグアの自由主義国誕生を大義に軍部を掌握、反対派を虐殺、そしてついには大統領にまでなるという実際にあった話。ウォーカーの背後には運河を利用したいアメリカ運輸会社がおり、一見国家ではなくウォーカー個人の暴走にも見えるが、ネイティブアメリカンから土地を奪い今日まで侵略者であり続けるアメリカの一部であることは間違いない。実際この頃、中米の内紛には情報操作により戦犯も問われない大国アメリカとイギリスが大いに関与していたことは紛れもない事実。今作では国の介在がほとんど示されていない事に不満が残る。一見、愛する人の死がウォーカーを暴走させたようにも見えるが、それならそれでもっとその辺りを掘り下げてほしい。大量の鮮やかな赤の血のりもアクション映画っぽくて不満。興味のある題材であるのでそこそこ面白いとは思う。6点(2004-02-09 11:48:12)
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