みんなのシネマレビュー |
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1421. キャスト・アウェイ 文字通り体を張ったトム・ハンクスのほぼ一人芝居による熱演は賞賛に値することは言うまでもない。ロバート・ゼメキス特有の映画的な色彩の強い演出も非常に楽しめ引き込まれる。この手の映画には安易なハッピーエンドがつき物であるが、意外なほどに人間的な切なさが残るラストがとても感慨深かった。目立つ役ではないが、ヘレン・ハントの切ない美しさが印象に残る。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-16 19:10:21) 1422. 顔(1999) 社会に適応しきれずにいた女が、妹殺しの逃亡生活の中で社会生活に喜びと充実を感じていく。非常に皮肉なものだが、今の社会というものは、ただ素直に生きていても幸福感は得られない寂しい部分が確かにあるのだと思う。屈折しさらに屈折した生活の中で人間らしさを見出していく主人公を藤山直美が色濃く演じる。7点(2003-12-16 17:41:20)(良:2票) 1423. 風花(2000) いまひとつ起伏のないストーリー展開に一見退屈さを感じるが、人間の心の傷の回復を描くという点で今作は非常に秀でていることに気付く。人間の心なんてものは憎憎しいほどに、愛しいほどに複雑で、一度ついた傷は簡単に修復されるものではない。この映画の主人公の男女が辿ったように、ゆっくりと、大きく回り道しながら回復するかどうかという微妙なところをさまよい続けるものだと思った。その人間の心らしい、まどろっこしさがこの映画の最大の要点だ。7点(2003-12-16 01:04:17)(良:1票) 1424. バグダッド・カフェ 非常に「淡々とした」ストーリーなのだけれど、ふとした出会いによる人々の心の交流が非常に濃厚に描かれる。一歩間違えると退屈と感じるところだが、絶妙な演出のユニークさが引きつける。さりげなくはあるが映像も音楽もとても印象深い秀逸さに溢れている。何ともいえない解放感に溢れたラストシーンがとても感慨深い。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-16 00:56:49) 1425. はつ恋(2000) ストーリー的にはシンプルで映画にできる規模の物語ではないかもしれないが、映画女優田中麗奈の存在感がこの作品を印象深いものに仕上げている。特にラスト、夜桜の下で輝く彼女の笑顔には、彼女の女優としてのとてつもない魅力を感じずにはいられない。7点(2003-12-13 20:52:31) 1426. バッファロー'66 ただ見た目のセンスの良さだけを追い求めて面白くない映画は多々あるが、ここまで雰囲気的なセンスの良さを追求して尚面白い映画も珍しい。はっきり言って内容がどうこうと言える映画ではなく、ただただその世界観に引き込まれる。「オシャレな映画」などと言うと軽薄に聞こえるが、今作ほどその名にふさわしい秀作はない。7点(2003-12-12 01:41:44) 1427. スペース・カウボーイ 今作の場合、じいさんたちが老体に鞭打って地球を救うために立ち上がるという設定だけでユニークなエンターテイメント性に溢れている。そのご老体軍団を演じるのが熟年豪華スター揃いなのだからビジュアル的にも完璧である。映画自体も非常に楽しめたが、クライマックスがいささか盛り上がりに欠けた感が残った。[映画館(邦画)] 7点(2003-12-10 17:09:38) 1428. 弾丸ランナー タイトル通り、「走りっぱなし」のこの映画は徹底的なまでのエネルギーにあふれている。ストーリーやキャラクターの破錠ぶりもすべてそのエネルギーに包み込み痛快なエンターテイメント性に昇華している。常に日本映画に対する「衝撃性」を追い求めるSABU監督にふさわしいデビュー作品だったと思う。7点(2003-12-10 16:53:46) 1429. 上海グランド 何と言っても、レスリー・チャン&アンディ・ラウの男の艶やかさに引き込まれる。彼らの画面に映えるその目つきだったり、話し方というものはやはり魅力的だと感じた。ストーリー的には裏社会における男の友情とその破錠を描いたもので目新しさはないけど、演じる俳優に華があるので観ていて飽きることがなかった。最初のアンディ・ラウのキャラクターに疑問は残るが、この手の映画としてはなかなか秀逸な仕上がりだったと思う。レスリー・チャンの映画を多く観てきたわけではないが、惜しい俳優を亡くしたものだと思う。7点(2003-12-08 17:06:19)(良:1票) 1430. シックスティナイン タランティーノ、もしくは日本のSABU監督作品を思い起こすような、日常の破錠によるバイオレンスな展開がシニカルなユーモアと衝撃に溢れタイのこの新鋭監督に力量を感じた。汗が染み出るようなじっとりとしたタイの空気感が異様な緊張感に拍車をかける。なかなか魅せるタイ映画だった。7点(2003-12-08 16:58:41) 1431. ファインディング・ニモ もはや洗練しつくされた感さえあるCGアニメーションによる映像美には感嘆した。瑞々しくなめらかなキャラクターたちの動きと海中世界は、まさに小さい頃から想像したビジュアルそのもので素晴らしかったと思う。まさしくアニメでしか描くことはできない魚たちの冒険、親子の愛、成長の姿は人間のそれとまったく同じで感動的であった。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-08 16:10:06) 1432. グラディエーター 物語のスケール、映像的な怒涛の迫力は大作の名にふさわしく、壮大な映画であることは間違いないのだけれど、それほどの印象深さがない。面白かったし、もう一度観ても面白いという感想は変わらないだろうけど、あまり心に残ることはないだろうと思う。7点(2003-12-03 13:19:33) 1433. がんばっていきまっしょい(1998) 映画デビューとなった田中麗奈のそっけなくはあるが華のある存在感が非常に魅力的だった。水を切るオールの瑞々しさに少女たちの瑞々しさが重なり深いノスタルジーを覚える。舞台となった愛媛県松山市出身の私にとっては、殊更に感慨深い映画となった。[ビデオ(邦画)] 7点(2003-12-03 13:11:12) 1434. タクシードライバー(1976) ロバート・デ・ニーロは、誰もが認める大俳優で、それについて全く異論はない。 ただし、彼の主演映画の中で心から「大好きだ」と言える作品は、個人的に無い。 それが何故かというと、全てはデ・ニーロの俳優としてのパフォーマンスに、動揺され続けてしまうからだと思う。 数々の映画で、彼の存在そのものから発されるリアルすぎる「狂気」。次の瞬間に訪れる光景が全く読めない彼の表現に、いつも心が乱され、平穏に映画世界に浸ることが出来ない。 言うまでもないが、それは俳優に対する最大級の賛辞である。が、それと同時に、それは避けられない苦手意識だとも思う。 そのロバート・デ・ニーロの俳優としての存在性を確固たるものしたのが、この「タクシー・ドライバー」のトラヴィスだったのだろう。 前述に違わず、心から好きな映画とは程遠く、主人公の心理の“揺れ”にそのまま揺さぶられ、非常に居心地が悪かった。 しかし、その居心地の悪さこそが、スコセッシ監督が描き出したかった社会の異常性の姿だったのだろう。そして、そこに息づくタクシー・ドライバーの決して特別ではない異常さを体現したデ・ニーロは、やはり凄いとしか言いようがない。[DVD(字幕)] 7点(2003-12-03 12:42:20)《改行有》 1435. 水の中の八月 Fishes in August NHKのハイビジョンスペシャルドラマとして放映された作品。思春期の少年たちの恋心や苦悩に満ちた夏休みを瑞々しく描く。全編通して主人公が水と接するシーンが多く、その水の使い方が映像的に非常に巧みだった。想いを胸に秘めながらも成長していく主人公のひと夏の姿が印象的。[地上波(邦画)] 7点(2003-12-03 12:15:40) 1436. ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌 「ちびまる子ちゃん」映画化第2弾作品で、登場人物たちそれぞれの「好きな歌」のエピソードを軸に展開される。童謡から往年の名歌謡曲、さらには学校歌、替え歌と音楽的なバラエティーが豊富で楽しい。劇中、まる子が出会う絵描きのお姉さんとの関係を中心に物語は流れていき、ラストの別れのシーンはこの漫画らしい感動に溢れている。お馴染みの個性的なキャラクター陣ももちろん健在で、笑いは必至。[ビデオ(邦画)] 7点(2003-12-01 14:17:48) 1437. 御法度 ストーリーの性質的に好き嫌いはあるだろうが、映像感覚、俳優陣の好演と見所はとても多い。浅野忠信の男色ぶりが非常にセクシーだった。松田龍平の個性的な風貌にこれからの可能性を感じる。ストーリー的に盛り上がりには欠けるが、完成度の高い作品だったと思う。7点(2003-11-30 12:13:07) 1438. 刑務所の中 日本を代表する個性派俳優がそれぞれ獄中の囚人たちをユーモラスに演じていて非常に楽しかった。忠実なまでの獄中の描写が逆に面白すぎる。これは体験者ならではの視点であり発見であると思う。ここ数年絶え間なく秀作に主演している山崎努の流石の巧さが光る。[DVD(邦画)] 7点(2003-11-30 11:43:25) 1439. 北京のふたり 中国の法律の間で苦闘するサスペンスは目新しく、緊張感に溢れている。ディテールに問題点はあるかもしれないが、サスペンス映画としての出来栄えは良い。7点(2003-11-29 16:52:43) 1440. 中国の鳥人 この頃(もちろん今もだけども)、Vシネを撮り、アイドル映画を撮り、テレビドラマの映画版を撮り、今作のようなドラマ性が高い作品も撮る三池崇史に対して、「なんて節操のない監督だろう」などと感じたものだが、彼の映画作りの根本は暴力的なまでのチャレンジ精神に他ならないということを近年強く感じる。でなければ、中国の奥地まで行ってこんなパワーに満ちた映画は作れない。[ビデオ(邦画)] 7点(2003-11-29 02:44:20)
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