みんなのシネマレビュー |
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1501. 世界の心 英国宰相の依頼で作られた第一次世界大戦を舞台にした戦意抑揚映画らしいが、連合軍として独裁政権を共に倒そうとアメリカに促したものであって、作中にも「ひとにぎりの人間が戦争で儲けようとしている」とあるように、けして戦争賛美の映画ではない。実際の前線にカメラを持ち込んで撮った戦争映画ではあるが、印象に残るのは生々しい戦場の描写ではなく、ドロシーの炸裂するお転婆ぶりである。30人定員の小さな映画館で見たのですが、この手の映画館というのはちょっとしたことで妙にわかったふうにクスクスと笑う人が必ずおり、それが鬱陶しくてたまらなかったりするんですが、この作品に限っては場内大爆笑。もちろん私も笑いをこらえることなく大いに笑った。ドロシーの奮闘ぶりも楽しいが、リリアンが嫁いだ先の末っ子がまた大いに笑わせてくれ、そして大いに泣かせてくれる。またぜひ見たい作品なのですが、いつ見られることやら。[映画館(字幕)] 8点(2005-05-18 13:30:47)(良:1票) 1502. 國民の創生 冒頭でアメリカに買われたアフリカ黒人の姿が映され、「悲劇の種は蒔かれた」というような(正確には違う文言だったと思います)字幕が出る。つまり黒人蔑視の描写があっても、黒人=悪のストーリーではなく、諸悪の根源はアメリカが黒人奴隷を買いつけたという歴史にあると言っている。とはいえ、そのことを理由にKKKを正当化していることは間違いないところ。しかし、それもその時代の南部出身のグリフィスの視点という意味では仕方のないことなのかもしれないし、当時の思想を見る、という部分では興味深かったりもする。ストーリーはさておき、この作品の凄いところは、今ある映画手法のほとんどがこの作品によって生まれたということ。映画をいきいきとさせる、そのための手法がわんさと投入されるこの作品は、今見ても存分に楽しめるものとなっている。映画手法のパイオニア的価値を見出すまでもなく、その躍動感だけで十分この映画は面白いのである。物語がどんなものであれ。 ただしストーリーを全く無視するということはなかなか難しく、またストーリーによる感動も些細ではあるが映画の一部であると思ってしまう私は、心情的に違和感を感じた光り輝くラストシーンだけがどうも...。あれさえなければ10点を付けていたかもという可能性を否定できません。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-17 15:16:31) 1503. イントレランス 《ネタバレ》 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の時間軸をバラバラにした構成を受け入れられなかったアメリカですから、100年近く前のアメリカでこの作品が受けなかったことはじゅうぶんに理解できる。それほどまでに4つの時代を平行に描いた構成は前衛的だったといえる。見所はその構成と有名なバビロン空中庭園の巨大セット。この巨大セットを全て映し出そうとするために生まれたんじゃないかと思われる俯瞰ショットは圧巻。 人間の持つ不寛容が悲劇を生む。4つの時代のそれぞれの不寛容、それぞれの悲劇を描く。唯一「現代」だけが最悪を免れるというのは、人間がこれまでの歴史の中でさまざまな悲劇を経験し学び、そしてゆりかごで揺らされる赤子からようやく成長した証しということなのでしょう。しかし1916年当時のアメリカ人、グリフィスが、不寛容のもたらすものをここまで描いているにも関わらず、今現在のアメリカが世界中にその不寛容さを見せつけている様はなんとも皮肉です。人間はいまだ、ゆりかごから出られないでいる。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-17 15:14:35) 1504. Mの物語 リヴェット作品にしては非常にわかりやすいオチのついたメロドラマ。時計職人の男を通して、確実に時が刻まれる現実世界の無情感を描きながら、映画だけが時をコントロールできると言わんがごとくのストーリーはいかにもリヴェットらしい。時というこの作品のテーマとリンクするかのように、エマニュエル・ベアールが12年前(!)の『美しき諍い女』の時と変わらぬ美貌を見せる。話変わって、あるシーンを回想じゃないんだけど全く同じように演じるシーンがあるんですが(あまりくわしく書くとネタバレになってしまう)、猫の歩く場所が微妙に違うんです。なかなか名演技の猫だったんですが猫の演技指導には限界があるようです。猫だから許すけど(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-13 14:05:16)(良:1票) 1505. パリでかくれんぼ もともと2人の女の物語だったのをリヴェット得意の即興でもってもう一人の女の話を絡めて3人の女の話にしたらしいのですが、この3人目の女の話ははっきり言って浮いている。パリが舞台で女が主役で陰謀めいたものも描かれ、演出は即興、そして当然長尺というまさにリヴェットの映画といえる要素をふんだんに持っていながら、どうも冴えが無い。その原因はやっぱり3人目の女の話のせいだと思う。即興で得られる自由さよりも、強引に話を作った不自由さを感じる。一方、リヴェットの映画では「映画ならではの」とか「映画だからこそ描けた」というものが必ずと言っていいほど盛り込まれたり提起されたりするのですが、この作品でそれに当たるのが、唐突に始まる“ミュージカル”。これは良かった。その踊りも斬新で面白かったのですが、現実世界の中で、踊っている2人だけがミュージカルの世界にいるという映画ならではの描写がいい。 クラブ歌手として登場のアンナ・カリ-ナは....そりゃ、歳もくうわな。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-05-13 13:34:46)(良:1票) 1506. 美しき諍い女 舞台がパリではなく、陰謀も無いせいか、これまでのリヴェットの映画とは作風が違う(長尺という部分はリヴェットらしい)ように感じる。それがダメというわけではなく、コレはコレで良かったのですが、初見時はちょっと戸惑いました。 ひたすらに絵を描く風景が描かれる中で、音楽を消し去り、絵を描く音だけを響かせて、画家とモデルの間に生まれる緊張感、そして画家とモデルの間に築かれる関係の微妙な変化を際立たせる。とくに何度も見たいとは思わない作品なのですが(長いし..)、なぜか既に4回見ている。何度見ても絵を描く風景の独特な緊張感には引きつけられます。画家は容姿ではなく内面を描く。内面を見られることは裸を見られることよりも辛いことなのかもしれません。無意識的に目を背けていたものが人間の奥底に潜み、それが暴かれたら..。そしてそれを暴くことが芸術だとしたら、芸術とはなんて残酷なのだろうと思わずにはいられない。完成した絵が画商の手に渡らなかった結末に、映画が芸術であるための何がしかのメッセージととるのは考えすぎでしょうか?リヴェットってそういうことしそうなんですけど。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-11 15:19:40)(良:1票) 1507. 北の橋 な!な!な!なんじゃこりゃ~~!!これが見終わってすぐの率直な感想。しかし良い意味でなんじゃこりゃです(なんのこっちゃ)。まずへんてこりんな女が一人いますがコレが笑えます。素振りが変なんです。この女が原チャリでパリの街をぐるぐるとまわるシーンがあるのですが、延々とそれだけが映し出されたと思ったらいきなりピアソラのタンゴが強烈なインパクトをもってバックに流されます。この意味の無い映像が一変して名シーンになるというとんでもないシーンです。「ドンキホーテ」をベースにしたストーリーはストーリーとしての機能を持たず、リヴェット作品に付き物の「陰謀」も最後には置いてきぼりをくらう。終わり方はただ呆然とするしかなく、ここまでハチャメチャな構成の映画は見たことがありません。不思議な世界ではあるけれど、そこはまぎれもなくパリだし。ただ凄く印象に残る映画なんです。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-10 17:38:31) 1508. セリーヌとジュリーは舟でゆく 冒頭のセリーヌとジュリーの出会いから即興ならではの先の読めない展開で、終始ワクワクしながら好奇心旺盛な二人に誘われるように不思議な世界を共に堪能してゆきます。キャンディを舐めている間だけ覗ける異世界のドラマはキャンディを舐めきると当然そこで中断します。主人公二人と同様に早く続きを見たくてしょうがない。翌日またキャンディをほうばると待望の続きではなく同じ場面が重複して展開される。「もう、そこは見たって!」私がそう思うように彼女等もそう思う。そんな共感に嬉しくなりながら、異世界に入ってゆく二人と同じように、いつのまにか映画の中に入ってゆく自分がいる。あまみさんがご指摘のように、異世界に入っていった二人は芝居をメチャクチャにしているようで、反対に映画の可能性を提示しているようです。“なんでもあり”な映画の素晴らしさ見せてくれるリヴェットの傑作。そしてリヴェット作品一番のおすすめです。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-09 16:56:49)(良:1票) 1509. チアーズ!2 な!なんなんですか!ここのお部屋の暗さは! たしかにベタにもほどがあるっちゅうくらいベタベタで笑いも外しまくってます。邦画コメディでよく見る絶対にいないであろう超越した個性派キャラも主人公のキャラを食うだけ食って浮きまくり。でも、まあ、許してやってください。私も元気出しますから皆さんもどうぞ元気を出して..。[DVD(字幕)] 3点(2005-05-06 13:47:50)(笑:2票) 1510. チアーズ! キルスティン・ダンストって可愛いのか可愛くないのかよくわからん人ですけど、そこが魅力でもあるのでしょう(実際に目の前で見たらものすごく可愛いのでしょうが)。とくに着飾った風でもない表情が可愛くて、そういうところがこの作品にマッチしていました。かなり特訓したであろうチアダンスよりもキルスティン・ダンストの魅力が作品を魅力的にしているように感じました。じゃあ、“2”に彼女が出ていたらどうだったのか。“2”はそれ以前の問題です。[DVD(字幕)] 6点(2005-05-02 15:02:12) 1511. ブルジョワジーの秘かな愉しみ 食欲、性欲、睡眠欲が人間の三大欲と言われます。登場人物を全てに満たされた上流階級の人間とすることでより明瞭に人間の欲深さが描かれる。同時に睡眠中の夢を通して人間誰しもが持つ無(死)への不安を描く。この作品もまたどこからが夢なのか、はたまた全てが夢なのか、、。贅沢な文句を言いながらいつまでたっても食にありつけない様で、一度手に入れたものは離したくないという人間の欲深さをあざ笑う。地位欲とでも言おうか、それこそ上流階級の人間らしいと言える欲も描きながら、人間を面白可笑しく描いてゆく。果てしない欲に向かって真直ぐに歩いてゆく人間たち。まるで人間ではない人が人間を観察して作ったような作品。我々もここに描かれる人々を高見の見物的に見ると、人間って愚かで滑稽だなぁと思うと同時になんとも可愛らしい生き物だなぁと思ってしまう。流麗なカメラワークと極端なアップからのズームアウト、この小ばかにしたようなギャップも面白い。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-28 15:00:14) 1512. 哀しみのトリスターナ 清純を絵に描いたような可憐な少女トリスターナと冷酷な悪女と化したトリスターナ。ふたつの顔を見事に画面に残したブニュエル+ドヌ-ブが素晴らしい。ひとつひとつの画にいろいろなことを暗示させるブニュエルの傑作。二つに分かれた道でどちらに進むかをトリスターナが自信たっぷりに選ぶシーンは、道の先での狂犬病の犬騒動でその後の彼女の悲しい運命を予感させるとともに、後半、個人主義を貫くドン・ロぺを夫としては認めなくても父としては認めるというセリフに繋がり、養父ドン・ロぺの思想を受け継いでいることを象徴している。だから結婚制度を嫌い教会を下げずんでいたロぺの、結婚を望み教会へ足を運ぶという行為はロぺ自信が自己を否定するにとどまらずトリスターナをも否定する行為となってしまう。後戻りのできないトリスターナにとっては許されない行動となる。後半の赤子を見るシーンは前半の赤子を見るシーン(家族を否定するロぺに口答えする)に観客の頭の中でフラッシュバックさせ、「こんなはずではなかった」と哀しみに暮れるとも開き直りともとれるトリスターナを映し出す。しかし自分で決めて自分で行動する個人主義に生きながら、不幸の責任は自分には無く諸悪の根源をドン・ロぺと考えるトリスターナの存在そのものがこの作品の中で一番哀しいものとして描かれている。 自分に都合の良い信仰心、自分に都合の良い無神論、自分に都合の良い家族主義、自分に都合の良い個人主義、、、人間の哀しい性で溢れている。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-27 17:39:23) 1513. 昼顔(1967) まず夢がなんともエロチックなわけですがこれをどう捉えるかによって解釈が変わってきます。セヴリーヌの潜在的性願望と捉えるのが自然なのでしょうが、はたしてそうだろうか。セヴリーヌは少女時代のトラウマによって不感症となっています。そして夫を愛しています。夢は夫のために不感症を克服したいと願っているセヴリーヌの葛藤の表われではないでしょうか。そう考えるとですねぇ、夢以外のシーンは全て妄想で、不感症克服へのステップとして娼婦としてのわかりやすいステップアップが描かれ、色々な性癖を持った客たちが彼女を治療してゆく、、というのはどうでしょうか。さらに不感症という夫に対する負い目と同じく夫にも妻の介護なしでは生きられないという負い目を背負わせ、最後にはそれまで隠していたことを暴露し、二人に幸せが訪れるという彼女の妄想。全部が妄想と考えれば一番わかりやすくて楽なんですがそんな簡単、、じゃないですよねぇ。見れば見るほど引き込まれる作品です。[DVD(字幕)] 7点(2005-04-26 17:10:04) 1514. ミナ 同じ日に同じ病院で産まれたミナとエテル。その病院を映し出す前に手前の土のミミズのアップから入るところでこの映画は面白そうだと思った。病院の奥の扉には眼科と書かれてありその扉を開けると10歳くらいに成長したビン底メガネのミナが視力検査をしている。二人の家庭環境や容姿に対する劣等感を描きながらこの時代に二人は出会う。すると空で天使のおじさんが出会うのが早すぎるとか言ってる。ベンチに座る二人に友情が芽生えカメラはぐるっと一周。回りきるとそのベンチには年頃と呼ばれる年齢に達した二人がいる。実に楽しいお遊び満載の映画。一方が楽しそうに恋の話をすると笑顔で聞いている一方の不満そうな心の声が流される。私は女じゃないけどこれが女同志の会話ってものなのかもと妙に納得したりもする。五月革命後、女性はどんどん社会に出てゆく。女性に閉鎖的だった時代を生きた親と昔ながらのユダヤの戒律に片足を捕まれながらも自分らしさを主張できる時代(いわゆる時代の谷間)に生きた二人の女の物語。そして、ミナとエテルという性格の違う二人の女を通して時代の流れを描き出した作品とも言える。良かったです。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-22 11:37:01) 1515. ミミ 病んだ世界で病んだ人間を描いたギャスパー・ノエの作品のほうがショッキングではあるが、子供が病んだ世界に侵されるこちらのほうが怖いものがある。無表情と閉塞感という子供と対極にある世界を作り上げ、そこに子供を放り込み観察しているような、こちらまで病んでゆきそうな作品です。配色が寓話的に感じさせていて見ている者としては救いである。同時に独特な世界観を作り上げることに成功している。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-21 13:44:13) 1516. テス 貧しい農村の中でひときわ輝く清楚な美少女の中に、苺を食べるシーンや口笛の練習のシーンで強調された唇の描写で女を映し出してゆく。はるか昔のことを「異教の時代」と言うこの作品はキリスト教世界に被われている。そしてその世界が一人の女を悲劇へと導く。牧師の要らぬ一言が悲劇の発端となり、私生児には洗礼を受けることが許されないだとか秘密を持った結婚は許されないだとかという戒律に、またその戒律に従う信仰心に翻弄されて悲劇の道を転がり落ちてゆく。エンジェルがテスの告白を受け入れることができなかったのは、単なる嫉妬心以上にキリスト教世界の中で生きているという大前提があったからではなかろうか。宗教でもなく合理主義でもなく愛を選んだテスが行きつくところがストーンヘンジという異教の遺跡というのが皮肉である。太陽を神と崇める石の遺跡の前で太陽が昇る前に連行されてゆくというのも二重の皮肉だ。幸薄いヒロインを演じたナスターシャ・キンスキーの純朴な中にも意志の強さを漂わせる瞳が印象的。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-20 16:35:44)(良:2票) 1517. カル え?謎って、なんかありました?たしかに明確じゃない部分はありましたけど謎ってほどのものでもないと思うんですが。明確にしなくても話は成立してるし。この映画はシム・ウナにつきます。美しいシム・ウナを見てればいいんです。そう思っている私は真っ先にバラバラにされるタイプです。[DVD(字幕)] 5点(2005-04-19 14:39:02) 1518. ソウ 出だしから完全に観客を引きつけてしまう設定のアイディア勝ちといったところでしょうか。そういう意味では『CUBE』に近いタイプの作品。大掛かりな機材を使った仕掛けが現実感に乏しいが(『CUBE』は非現実感をも武器にしているぶん有利)、そういったマイナス面を力でねじ伏せる勢いがこの作品にはある。それよりも気になるのはアダムに対する意味ありげな描写。想像力を膨らまさせるのはいいのですが、これらの描写はあきらかに何かの伏線として描かれているはずなのに結局、作中で明確な答えを出してくれない。なんとも、消化不良感を残します。メッセージは『CUBE』同様とって付けたようでムリがあるので無視してよいのでは。どこにムリがあるかと言うと、娘を人質にとった時点で他人を殺してでも生きたいと思わせる罠と真逆の罠になってます。父親としては自分の命を捨ててでもって思うでしょ。ハラハラドキドキドカーン!と楽しむ映画です。[DVD(字幕)] 6点(2005-04-18 16:01:17)(良:1票) 1519. BROTHER これは当時『バトルロワイヤル』で撃沈して口直しに見に行った。『ソナチネ』と『HANA-BI』が好きなんですが、もっと娯楽にとんだものと予想して見に行きました。たしかに北野武の映画の空気はあるし予想通り娯楽色もあったんですが、いざ見てみるとあまりに期待通りというか、もうちょっと驚かせてほしかった。ハリウッド資本ということは当然商業的に成功しなけりゃいけないということもあるでしょう。まぎれもない北野武の映画でありながら、そういう部分が中途半端にちらちらする。ひとつひとつのシーンは北野映画の間で描かれているのに全体を見ると妙にせかせかと進んでいく。腹切りと指詰を見せるためだけに入れたとしか思えない日本のヤクザのシーンはいらないと思う。[映画館(字幕)] 6点(2005-04-15 13:10:14) 1520. Kids Return キッズ・リターン シンジとマサルのメインストーリーにサイドストーリーを絡ませながらそれぞれのエンディングへと向かってゆくわけですが、作為的すぎるというか、展開に強引さを感じてしまいました。それでもいいなぁと思えるのは、この作品が成功の物語ではなく失敗の物語であるのに暗くないというところ。主人公の二人は大人の世界に踏み込んで、結局挫折して元の位置にリターンしてくるんですが、すごく冷めた視点で描いていてもけして否定的に捉えていない。まるで、1回くらい挫折したほうがいいんだよ!という冷たくも暖かい監督の声が聞こえてきそうなエンディングでした(勝手な思い込みですが..)。なにせ1回死にかけて蘇って作った作品ですしね。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-14 18:22:31)(良:1票)
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