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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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141.  幸福の黄色いハンカチ 《ネタバレ》 最近、「月が綺麗ですね」といえばI love youという意味になると勘違いしている馬鹿者がいます。なんかパッと見シャレてるし、「直接好きだっていうより気持ちが伝わるよね」と思って、メールとかで気楽にパクっちゃうんでしょうね。けどそれは夏目漱石がその時そう言ったから良いのであって、他の人間が上っ面だけ真似しても、I love youに逆翻訳はできんワケです。この映画は黄色いハンカチによって見事にI love youを翻訳してみせた良い映画だと思います。当人同士にしかわからないメッセージ。「見て見て!私たちこんなに愛し合ってるの!」という肥大化した自意識とは無縁の映画です。人それぞれ自分たちのI love youを見つけないといかんのでせうね。それが簡単に真似できたら誰も苦労しませんが(泣) 最悪の場合、「ええっ!?こんなに沢山子ども出来ちゃったのぉ!?」なんて勘違いしちゃったりしてね。さすがにそれは無いか。最後に、キスし合う若者二人のそばに素っ気ない電柱が1本立っていたのも印象的。まるで「二人の愛はこれからだ」と言っているようにも感じられました。[DVD(邦画)] 8点(2014-03-18 16:06:21)(良:1票)

142.  50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 「観客が癌患者のドラマを見る」のではなく、「癌患者が周囲を知る」という視点のドラマが新鮮でした。友人のカイルが憎めない良いキャラで、そこも好きです。実は本を読んで必死に勉強していたことが分かるのも、ベタだけど温まります。本以外の小道具の数々も魅力的。ハッパ入りのマカロン、ナニの毛を剃るための洗っていないバリカン、キャサリンの車の中のゴミ、ボケたお父さんが自慢するブルックスブラザーズのスーツ、アダムの手術中に、お母さんがお父さんに飲ませる薬、塗り薬用の綿棒・・・。どれもいい感じにドラマを彩ってましたなあ。 それにしても恋人のレイチェル。彼女はどうなんでしょうね。この映画では割と悪役(?)的なポジションになってしまいましたが、彼女から視点で描いても一本の映画になりそうな気がします。彼氏の闘病を支えようとしたけど力になれず、個展は大失敗、彼氏にあげた自分の絵も「新しいテレビに合わない」という理由で外され、最終的には燃やされる(笑)。身から出た錆とはいえ、かなりエグい映画になりそう。だけどちょっと見てみたい気もする。下手すりゃ自分も彼女のようなポジションに立つことになるかもしれないから。[映画館(字幕)] 8点(2014-03-09 12:55:17)(良:2票) 《改行有》

143.  歓待 《ネタバレ》 一匹のインコが行方不明になったことをキッカケに、あれよあれよと物語が進んでいきます。気づいたときには「どうしてこうなった・・・」状態。まるでオセロゲームのように、人間関係がコロコロと入れ替わっていく様がスリリングで面白かったですね。安部公房の戯曲「友達」みたいな怖さも感じつつ、テーマのようなものが次第に浮き上がっていきます。定住者とよそ者の関係性が次第に曖昧模糊になっていく、なかなかよくできた物語でした。最後は一見 日常に戻ったように見えて、実は決定的に違う点が明かされます。あまり大人たちの人間関係に絡んでこなかった娘が、このオセロゲームの新たなプレーヤーとして招待されたようにも感じられました。[DVD(邦画)] 8点(2014-02-19 10:13:15)

144.  あの頃ペニー・レインと 母ちゃんがいいキャラしてましたな~。ちょっと前なら主人公に感情移入してたはずだけど、ついつい親視点の暖かみを楽しんでしまいました。ラストの食卓の様子も、ベタだけど良かったです。子供なんていないし結婚相手すらいないのに(笑)・・・・・・・(泣)。母親だけじゃなく、沢山いる登場人物の誰もが魅力的で良かったです。ただ、肝心のペニー・レインだけは浮世離れしてて、神懸りすぎじゃない?とは思いました。特別だからこそでしょうけども。なのでタイトルほどは彼女に思い入れは持てませんでした。70歳になってもまだまだ現役のミックジャガーのように、今ごろこの映画の登場人物はどうなってるんだろうなあ、と想像しちゃいました。[DVD(字幕)] 8点(2014-02-13 10:30:08)

145.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 これっぱかしもF1に興味のない自分でも、手に汗握って楽しむことができました。自分のような女にモテない性格だと、必然的に(?)かっこいいのはラウダだな!あんたを応援するぜい!という気分になって鑑賞。実際映画の作りもラウダ視点に立ったものだと思います。スタッフから信頼を勝ち取るのも、女性のハートを射止めるのも、自分が純粋に情熱を傾ける世界で徹底的に突き進む姿を見せるのみ。裕福な家に生まれたかもしれないけれど、「俺にはこれしかないんだ」という姿勢には男の自分も惚れます。けれど最後まで見ると、ハントの「楽しくなければ勝ちじゃない」の言葉にも持っていかれてしまいました。いくら性格や考え方が違っても、楽しさを失ったら確かに終わりだな・・・と思います。ラウダが別に楽しさを失ったわけじゃないだろうけど、「なにくそ」という気持ちが「被害者意識」にすり替わってしまってはいけないな、とも感じました。[映画館(字幕)] 8点(2014-02-08 21:38:31)

146.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 仕事の現場で怒鳴られた日とかにこの映画を見返すと、わりと気分が落ち着く(笑)。うーむ、自分も狂ってるんだろうか。鬼のように厳しいハートマン軍曹ですが、なぜか最期の瞬間だけは至極まともなことを言ってるのが印象に残りました。「パパとママの愛情が足りなかったのか!!」・・・「愛と青春の旅立ち」のように、そう上手くはいきませんわな。卒業後も狂気は続くよどこまでも。訓練所で起きた「狂気」が「日常」となった世界。めまいのする戦争映画です。[DVD(字幕)] 8点(2013-12-28 16:27:47)

147.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 いい意味でかっこ悪いマフィア映画。マフィア映画は大抵の作品が破滅的な結末を迎えるけれど、本作はそこに至るまで道のりがエグい。「有終の美」すら飾る事もできず、後半にいくにつれて話がショボくなっていく、なのに面白い映画は初めてでした。本人たちは命がけなだけに、必死にトマトソースとハンバーグを作るシーンなんて、もはやコメディです。奥さんがデニーロに促されて裏口に誘導されるシーンなんかは怖い。華やかなレストランに裏口から入れてもらっていた前半と対照的です。 この映画で唯一かっこいいのはラストで一瞬だけ登場するジョー・ペシ。まるで「映画」のようにスーツでキメてと帽子をかぶり銃をブッぱなす。けどそれも、ショボいチンピラが見た一瞬の幻・・・。「かっこいい」ってのは一体どこにあるんだろうなあ。[DVD(字幕)] 8点(2013-12-17 11:16:53)《改行有》

148.  旅する映写機 デジタル上映の普及で失われつつある「フィルム映写機」を追ったドキュメンタリー。以前ミニシアターで働く映写技師さんから話を聞いたことがあるけれど、「ちゃんとやって当たり前で、誰からも褒められることのない仕事」と、ハニカミながらも笑顔で教えてくれたのが印象に残っています。たまにはこういう裏側にスポットあててみるのもいいですね。映写機が色んな事情で人から人へ渡っていく中で、ソーシャルネットワークならぬ映写機ネットワークが広がっていきます。映画の中で、「お客さんは減ったけど、ホームシアターを家に作るのはみんな映画館が特別な場所だと感じているからだ」というタッフさんの言葉にも目からウロコ。コスパだの原価だのが云々かんぬんされがちな今、効率だけでは得られない映画館の魅力を再発見できる作品です。中盤と最後に登場する大心劇場はもはや驚愕の域。北野武の短編「素晴らしき休日」で登場した映画館を地でいくような場所。シネコンの設備であーだこーだ言ってる人がセレブに見えます。もはや映写機がメインの話じゃなくなっていきましたが(笑)、映写機だけあってもしょうがない、映画を作る人、見る人、見る場所、そして見せる人を繋ぐ存在だと思います。この先フィルム映写機がいつまで使われるか分からないけれど、そこで働く人々からは悲壮感など微塵も感じず、「映画を楽しみつくしてやろう」という気分になる作品でした。[映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 11:22:16)

149.  四十九日のレシピ 《ネタバレ》 料理を題材にした映画があまり好きではないので(その割に見るけど)最初はどうかなと思ってたんですが、凄く良かったです。料理はあくまで小道具の要素の一つだったので、邪念を捨てて見る事ができました。登場人物がそれぞれ魅力もあれば欠点もあって、一喜一憂しながら堪能できます。劇中で出てくる川や橋の存在感も絶妙。登場人物たちを見守っているようにも見えるし、狭く閉じこもった場所として蓋をしているようにも見える。不思議な空間が出来上がっていました。脇役たちもみんな魅力的。料理だけでなく生活の知恵、そいて生きていくために大切なことを、子供だろうが身内だろうが赤の他人だろうが関係なく”伝えていく”ことの素晴らしさ(そして厳しさ)。それが些細なことでも、いずれは大きなうねりになって、いつかは地球の裏側にだって届くのだ!と本気で信じさせてくれる映画でした。単純なハッピーエンドではない結末ですが、彼らが過ごした四十九日がその後の人生の力になるはずだと思うと希望が沸いてきます。[映画館(邦画)] 8点(2013-12-14 21:42:25)

150.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 高校生で観た時は「なんのこっちゃワケワカメ」状態でしたが、約10年ぶり2度目の鑑賞で、なんとなく話の大筋は理解できたような気がします。それ自体間違ってるかもしれないし、細かい部分で分からないとこも一杯ありますけどね。夢いっぱいでハリウッドにやってきたけれど、仕事もプレイベートも挫折して死を選んだ女性の精神(と現実)世界、という話でしょうか。そう思うととても切ない苦しい話でした。前半は夢、後半は妄想・回想・現実が入り乱れます(多分)。夢や妄想にしたって100%虚構ではなく、恐らく現実に起きたことの反映なんでしょうね。夢にドップリ浸かってる状態だとそれが夢だと気づかないけれど、「目覚め」や「現実」に近づくにつれてシュールな展開が増えていくのも、ある意味リアルです(多分)。そして、ダイアンにとって知らないもの、見たことがないものはシュールな描かれ方になるのが面白い。例えば映画の主演女優をゴリ押ししてくる謎の男たち。ダイアン自身は、「自分の実力不足で女優として成功できなかった」と思いたくなかったのではないでしょうか。だから、監督も屈さなければならない謎の大物のせいにしたかった、と。違うかなあ?自分はダイアンを中心に観ましたが、別の人物を中心に見てみたり、「現実だと思っていたシーンが実は妄想だったら?」という風に視点を変えてみれば、まったく別の物語にもなりそうです。 これっぱかしもハリウッド映画っぽくないのに、絶対にハリウッド以外では成立しない物語だったのも印象的でした。 他人の気持ちをそう簡単に理解できないのと同じで、この映画も分かりづらく作られていることが、逆に誠実だなと思います。自殺する人に気持ちを100%理解したら、自分も死んじゃいますもん。[DVD(字幕)] 8点(2013-12-04 10:01:04)《改行有》

151.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 船長たちと海賊たちとの攻防戦が、相当ハラハラします。少しづつ近づいてくる、レーダーに映る無機質な陰。ちっぽけなはずのモーターボートに翻弄される貨物船・・・。貨物船側はあの手この手で応戦しますが、相手も少しずつ、しかし確実に攻めてくるのがジワジワ怖い!後半は船長にとっても海賊にとっても絶望的な状況で、胸がきりきりします。実話である事や結末なども含めて、ちょっと「狼たちの午後」を思い出しました。 海賊側からの視点は荒々しい粒子の映像で撮られていたと思うんですが(勘違いだったらすみません)、その海賊側の視点と船長側の視点が交差するショットは本当にゾクゾクします。そういえばこの映画、印象的な「視点ショット」が一杯あったような気がしますね。だからこんなにもハラハラし、感情移入してしまうのでしょうか。冒頭での夫婦の会話や、指差しながら「オレの目を見ろ」と言ってくる海賊、ラストに登場する看護師との目の合わせ方など、それぞれの人物の視線を意識しながらもう一度見てみたいです。[映画館(字幕)] 8点(2013-12-02 10:06:50)《改行有》

152.  ばしゃ馬さんとビッグマウス 《ネタバレ》 映画館で開映を待っていると、他の客は若い女の子ばかり・・・。えっ、何?なに??急いで調べると、関ジャニの安田章大が出演とのこと。ああなるほどジャニーズか・・・。けれど、見てみるとびっくり、安田章大こそこの作品のMVPでした。彼が何か行動する度に客席から「カワイイ~♪」ってな黄色い声が沸いてましたが、ファンでもない自分が見てもとても楽しかったです。なかなか夢が叶わないという物語の中で、彼がとても救いになっていました。 それに対して、麻生久美子への追い込みは半端なく切実。畳み掛けるように次から次へと追い込みがかかります。結婚式の席で、今まで見下していたBL系を書いていると言ったとき、仲間たちは「へーぇ、BLねえ」と微妙に納得している様子。人を見下していた過去の自分自身から、逆に見下される感じ。えぐい。 私が選んだ仕事は、シナリオライターと違って、努力すればある程度なんとかなる業界。なので今でもなんとか働いてますが、それでも学生の時、もしくは就職してからも諦めていく人を何人か見ました。その度、麻生久美子の台詞にもあったように「夢を諦めるのってこんなに難しいの・・・」と思ったものです。なので、自分の周辺と照らし合わしてしまってジーンと来ました。むしろ、スパっと諦めた人よりも、ダラダラ続けてる自分の方がダメなのでは?と思ってしまうことも。成長するって大変だあ。せめてこの映画の安田章大のようでいたい。・・・それこそ無理か、諦めまーす。[映画館(字幕)] 8点(2013-11-29 10:02:56)(良:1票) 《改行有》

153.  さんかく 《ネタバレ》 映画冒頭から桃のキャラクターが炸裂していて、思わず引き込まれました。性格も難があるし手癖も悪い。それでも「もしかしたら俺も間違いを犯してしまうかも・・・」と思っちゃうような危険な少女でした。三角関係なんて経験したことは無いけれど、それ以外でも「う、身に覚えがある・・・」と思わされることの連続。「まるで映画のような素敵な恋愛」なんて一切出てこないのに、巷にあふれる凡作よりもはるかに映画らしい映画になってます。構造もよく出来てて、キャラクターの個性を人物単体ではなく「キャラ同士の関係性」によって描いています。だから、主役級の3人だけでなく脇役や役名の無い人物も含めて、至る所に人間関係の「さんかく」ができています。人間、色んな人との「さんかく」が折り重なって出来てるんですナァ。職場に桃がやってくることを迷惑がっていた佳代が、今度は百瀬の職場に押し掛けちゃったり。ストーカー被害を受けた百瀬が、気づかぬうちに自分がストーカーになっていたり。最後に登場した桃の彼氏も、もしかしたら今後ストーカーになってしまうかもしれない。もしくは、大人になってから女の子に「ストーカーをボコボコにしてやった」と武勇伝を語るのかもしれない。理解できなかった相手の気持ち、そして気づけなかった客観的な自分の姿。自分が身を置く「さんかく」とは別の「さんかく」からの視点を知れば、それがわかるのかもしれません。現実にストーカー関係で笑えない事件が起きている中で、この映画から学べることは多そう。ビートたけしがエッセイで書いていたことを思い出しました。「三角関係なんて中途半端なことをするから角が立つ。5角6角7角と増やしていけば、そのうち丸く収まる」けどこの3人、もうしばらくは角が立つ関係が続きそうです。[DVD(邦画)] 8点(2013-11-28 09:56:38)(良:1票)

154.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。[映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10)

155.  夢と狂気の王国 宮崎駿の取材嫌いに反して、どこよりも取材を受けまくっているジブリの新たなドキュメンタリー。今までは、外部の人が「自分たちの知らないアニメ制作の世界を覗いてみよう」というスタンスで作られたものが多かったと思います。今回はそれとはまったく逆。ジブリの中に入り込み、宮崎、高畑、鈴木、そして沢山のスタッフを通して、「ジブリから見える世界」を写し取ったような「作品」です。「世界中で評価され名声を得ている秘密はどこにあるのだろう?」という邪推で臨むと、こんな映画は撮れないだろうな、と思います。この監督の「エンディングノート」はまだ観ていませんが、ただ者ではなさそうですな。ジブリに何か特別な秘密があるのではなく、誰もが当たり前のように生きている世界、自分が立っているところから見える風景の中に発見があるんだと教えられました。[映画館(邦画)] 8点(2013-11-23 13:50:23)

156.  パルプ・フィクション 面白かったんだけど、なにがどう面白いのか、うまく説明できない映画ですね。色んな歌手、色んな曲をランダムに編集したオリジナルテープのような作品だと思います(もしくは、ザッピングしながら聞くラジオ)。一曲一曲は他人の作品なのに、それが一本のテープにまとまると、作った人の個性が滲み出てきちゃう感じです。だから時系列もちぐはぐなのです。下手すりゃ誰にも聴かせられないお寒いモノになりかねないけど、この映画はそこのセンスが一級品なのでしょう。カットとカット、シーンとシーンの間に、タランティーノの個性が炸裂しています。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-21 11:18:14)(良:1票)

157.  アフターショック 《ネタバレ》 上映回数が限られるなか、なんとか時間を作って鑑賞してきました。ほとんど予備知識もなく(それこそ災害パニックものであることも知らずに)見て、一体何が起こるのか、ハラハラしながらも最後まで楽しめました。前半は「クローバーフィールド」っぽく、日常っぽいゆる~い展開。しかし後半になると、前半のゆるい描写がことごとく違う意味を持って主人公たちに襲いかかります。昼間キャッキャウフフと浮かれながら歩いた道が、夜になると極悪脱獄囚に追いかけ回される地獄の道に変貌。前半があるおかげでエグさ倍増です。そういう点は「クローバー~」に勝ってるかも。結講最後のほうまで地震パニックを追体験させる映画なのかなと思っていました。が、ところどころ挟み込まれる「中絶」の話題が、妙に引っかかります。これを踏まえて見ていると、ラストの脱出ルートがまるで産道のように感じてしまいました。熾烈な生存競争を勝ち抜いても、自分ではどうにもできない運命に流されてしまうような無力感・・・。これはちょっとゲスな見方かもしれませんけど。[映画館(字幕)] 8点(2013-11-16 03:30:19)(良:1票)

158.  反撥 《ネタバレ》 ツタヤの良品発掘で鑑賞。カトリーヌ・ドヌーブが超絶きれい。自分と彼女が生物学上同じ人類に分類されてるのが信じられん(笑)。映画の内容は、「ローズマリーの赤ちゃん」の前哨戦といった感じ。それでも「前哨」と言ってしまうには失礼なくらい、面白い映画でした。主人公の彼女を心配し助けようとしていた男こそが、彼女にとっては邪魔者でしかなかったのがちょっと哀しい。近所付き合いなんて殆どしてなさそうだったのに、騒ぎが起きた途端に住民たちがワラワラ登場のするのは、笑ってしまいました。けれど、外の世界と断絶されていた彼女の神経質さが、より強調される無神経さでした。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-14 11:11:45)

159.  スティング 《ネタバレ》 見ていて面白いなあと思ったのは、主人公たち詐欺師の計画がすべて「映画の作り方」そのものと全く同じだということです。カモ(観客)の趣味嗜好を調べ上げマーケティングし、舞台を用意。元々何もなかった空間に、大道具や小道具をホンモノそっくりに準備します。オーディションを行って脇役やエキストラを集め、それぞれが自分の役になりきっての演技合戦。最後は手元に何も残らないのに、お客のほうから金を払ってくれる。なんてステキな商売なのか(笑)。 確かに、最近のサスペンス映画やどんでがえし展開に馴れてしまった観客にとっては、物足りないかもしれません。けれど、犯罪モノでありながら、物語の裏側に作り手の「映画愛」が込められています。だからこそ、他の詐欺師モノやケイパームービーとは一線を画す作品として、いつまでも愛されているのでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-13 01:39:24)

160.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 「日常を描いた映画」と言えば、淡々としてのんびりした雰囲気の映画を思い描くはず。けれど、"ブラジルのスラム街での"と頭に付けただけで、ここまで様変わりしてしまうとは!「常識」っていうのは一体なんなんだろうなと思っちゃいます。この映画以降手持ち撮影が流行ったりしてこのスタイルにも見慣れたし、それなりに年数も経ちました。それでも初めて見た時の衝撃は強烈に印象に残っています。ハエを叩き殺すのとさほど変わらないテンションで殺人が行われ、偉そうなギャングでさえ「神の街」の中では虫ケラ同然。まるで虫カゴの中を観察しているかのような残酷ささせ感じる作りの映画でした。もしかして「神の街」の"神"ってこの映画を見てる観客のこと?まさかねえ…。とは言え、映画を楽しんでしまったのも事実。個人的に印象に残ったのは、最初はただクスリをやってた白人のアンちゃんが、何時の間にかギャングの中でそれなりの地位まで上がっていたこと(笑) 野心を持たずにマイペースでいるほうが、案外生き残るのかもしれない(彼は結局死んでいたけど 汗) 。リトル・ゼなんかも、絶対に関わり合いたくないような人物。けど最後まで見てると、意外と彼に感情移入していたことに気づかされて、それもまた複雑な気分に。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-08 02:22:49)

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