みんなのシネマレビュー |
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141. 真夜中の恋愛論 なかなか凝った映画ですね。ベッドの上で、ミルクを温めたキッチンで、洒落たアパルトマンで、語り合う恋の話。登場人物はたった2人。時間は夜明けまで。事の終わったベッドの上で、漂う気だるい空気。そして冷たいエミリと優しいルイ。とってもいい映画です。6点(2003-12-08 11:14:32) 142. カンゾー先生 俳優さんが頑張ってますね。麻生久美子が好きで、よく観てるわけですが、こうなりましたかと唸らされました。やっぱり監督さんによって変わるもんだ。柄本明さんはいいですね、あの声が素晴らしい。胡散臭いところも非常にいいと思います。それに脇役陣も唐十郎や世良公則なんかが熱血にいい演技していて、いいと思います。ソノ子の岡山弁いいですね。なんか、いいな。パーティーでカンゾー先生が激賞されるところもいいな。ところで、本当に肝臓病ってそんなに頻発していたんでしょうか?ウイルスだから肝炎なんだろうけど、どうなんだろ? 7点(2003-12-03 23:07:25) 143. 鍵(1997) 谷崎文学なんですけどね、違いますね。現代風にアレンジとかしてくれればそれで見ないんですけど、きちんと作ってこれだから救えない。川島なおみは結構ハマルと思ったんですが、ダメでした。ちょっと若いですが、妖艶な魅力を発揮してくれると期待したのに、色気が不足しています。もっと異常な部分を強調して欲しかったな。3点(2003-12-03 22:56:05) 144. 害虫 恐ろしい映画ですね、背筋がゾクゾクと寒気がしました。救えない世界に生きる少女は、これからどこへ行くのでしょうか?燃え上がる家の炎で明々と照らされた宮崎あおいの顔は、美しい。そして決して理解できないほどの、奥深い闇を感じさせます。救えない母親、りょうも、その美しさは変わりません。しかし、その美しさの質が違う。よく説明できませんが。不満な点は、ちょっと男性陣が頼りなかったかもしれません。あんまり必要ないんじゃないかなと思ってしまいました。7点(2003-12-03 22:49:49) 145. EM EMBALMING/エンバーミング 実験的な映画にしたかったんでしょうけど、ちょっと失敗作ですね。最初に「エンバーミングとは・・・」みたいなナレーションまで入って、不自然なことこの上ない。死に対する一つの概念として立ち上げたかったのかな・・・までは想像できますが、ちょっと不可解です。青山監督の広い空間を活かした映像も楽しめませんし、これまでのコンセプトというか、方向性から外れているようでなりません。監督のこれまでを考えずに、単にホラーとして観てみても、とっても怖くない。わかりやすすぎ。説明しすぎ。そんなに単純でしょうか。やっぱり光石研と斉藤陽一郎出しましょう。3点(2003-12-03 22:38:37) 146. ウーマン・オン・トップ ペネロペ可愛いなぁ。いや、あんな女房いたら破滅しますよ。仕事行けない。あんまりコメントもないっす。ペネロペ映画。5点(2003-12-03 22:25:43) 147. Undo “アンドゥー” 山口智子の縛られている美しさには戦慄さえ覚える。僕は決してそんな趣味はない(と思う)のだが、かなり長い期間縛られて虚空を見つづける山口智子の映像が消えなかった。あのワンシーンだけで僕は満ち足りる。8点(2003-12-03 22:21:59) 148. あの夏、いちばん静かな海。 こんな、殺人だとか事件が特に起こらず、日常に近い形で淡々とストーリーが消化される映画って個人的に好きなわけですが、さらにシンプルにシンプルに無駄を削ぎ落としていった、そして重要な表情や演技を丁寧に丁寧に描写していく映像は、素晴らしい、実に素晴らしい、と思う。主役二人は話さないし、脇役は下手だし、そこらへんはなんともダメなわけですが、それでこれだけのモノを作りあげるんですね。いや素晴らしい。7点(2003-12-03 22:14:45) 149. あの子を探して 悔しいなあ、こんな「感動するための映画です!」って子供・貧困モノは苦手なはずなんですが、素直に感動してしまいました。演出が上手いですね、ホントに、だからこそ悔しい。しかも中国の都市間の格差や中国の人情・非人情を上手いこと織り込んで、ただのヒューマンじゃなくて社会派の一面を作ってる。上手いな。それにしても、役者はホントに素人なんだろうし、役名が本名だし、まったくすごい映画です。鼻タレ坊主が小憎らしくていい。可愛い先生がまた生意気でいい。その生意気な娘が泣き出すとさらにいい。最後は無理矢理ですな。7点(2003-12-03 22:09:25) 150. 赤い橋の下のぬるい水 ファンタジーなのか、コメディーなのか、しかしきちんとしたドラマになっているところは、今村昌平監督なんだろうなと思います。それにしても、変な映画つくりましたね。水がチロチロと排水溝を流れるシーンなんて、なんか妙なエロチシズムが感じられます。ベッドシーンにはまったくエロさがないんですがね。面白い映画だと思います。原作者の辺見庸は、本当にこんな感じの映画を書いたのかな?「ものを食う人々」だっけ?しか読んでないので意外でした。6点(2003-12-03 22:00:53) 151. ガープの世界 ストーリーの奇抜さの割りに感動的な、悪く言えば平凡な仕上がりになったような気がするのですが、観終わってから妙に満足感がするので、結果として良い映画になったような気がします。一つ一つのエピソードは、それぞれ考えさせられるものもありますが、事故後初めて奥さんに話しかけた「I miss you」が何より素敵でした。愛って素敵。 7点(2003-12-03 12:06:43) 152. オープン・ユア・アイズ ペネロペ・クルスが美しい。とにかく美しい。その他シーンも、映像美が素晴らしいね。あのペネロペがストリートパフォーマンスをする姿!さらにヌリアの妖艶な魅力。素晴らしい。セザールも男前なんだな、これが。最後までオチがわからなかったことも好印象です。このテの映画は最初から謎解きモードで挑むので、フォーカスを細部に当てるのですが、展開が読めない分視野を広げて観ることが出来ました。最後のシーンがちょっと情けないのはお金の問題か?7点(2003-12-02 19:32:54) 153. es[エス](2001) 自分にフィードバックできない映画ですね。異常心理を扱うんだったら、もっと現実的にして欲しかったな。と書きつつも、日本人の私だから「んなわけねーよ!」と思ったことも否定できない。国家総中産階級の日本国民にはリアルに感じないみたいですね。だって、看守役は毎日家に戻ってるわけですからね。そんなに酷いこと出来ませんぜ。彼女とのエピソードはいらないな、まったくもっていらないな、なんであんな中途半端な登場人物を出したんだか。もっとストイックに作れよ。あのメガネは欲しい。 5点(2003-12-02 19:23:50) 154. メメント なんだかとても惜しいです。ストーリーは素晴らしい、アイデアも良い、けど、なんか薄っぺらいですね。ただの謎解きで終わってしまったみたいです。どうしても全ての可能性を考えながら観ていると、主役を疑ってしまうんですよね。だから、なんか最後も「あ、そうか」で終わってしまいました。こんなスピード感を求められる映画ならしょうがないかもしれませんが、あと一歩先を求めてしまいます。それまでの部分は心理描写が上手く書けていたと思うのですが、最後の部分で足りないような気がします。何故続けるけるのか?を端的に、スピード感を殺さない形で掘り下げたら秀作になったと思います。 5点(2003-12-02 19:18:10) 155. 少林サッカー 妙な話ですが、この映画は意味がわかると面白くないですね。僕は、この映画を最初中国で観ました。もちろん字幕も吹き替えも無しの広東語です。バスの中で上映していたんですが、最初から最後まで笑いっぱなし。もう大爆笑です。バスの乗客みんなで笑ってました。ホントに面白かった。で、言葉はわからないけど、それでも現地のVCD買って、帰ってPCで観て爆笑。けど、字幕入りのDVDをレンタルで観たら面白さが半減なんですね、これが。意味がわからないうちは爆笑してたのにな。セリフをみるとナンセンスギャグが痛かった。残念だ。6点(2003-12-02 18:38:54) 156. ニンゲン合格 どうとらえるか難しい映画ですね。黒沢清監督の映画はみんなそうなんですよ、捉え方によってすごく難しい。簡単なストーリーだけ見ると、破綻してます。単純に考えても10年眠ったまんまの息子に冷たすぎますからね。家族が四散して、皆が後ろめたい気持であればあるほど、そんな息子を無視できないでしょう。役所の役どころもおかしいですしね。けど、それはメッセージを伝える為に無視してます。バッサリ切って、自分の伝えたいことをダイレクトに伝えてます。この姿勢は素晴らしい。こんな演出する監督は日本では(たぶん)彼だけでしょう。日本の映画監督で、観客に最も考えさせる監督は黒沢清だと思います。けど、嫌いなんです。いい映画なのに、嫌い。自分の嗜好が残念。4点(2003-12-02 18:24:41) 157. 肉体の悪魔(1947) とにかく、ジェラール・フィリップの素晴らしさに感動しました。彼の演じるフランソワ君は、なんと言えばいいんでしょうかね、とにかく完璧ですね。「若さ」という甘酸っぱい時期を見事に演じてくれています。ちょっと17歳には無理があるルックスですが、それは演技ですね。はにかんだ表情が17歳になっちゃうんですよ、あっというまに青臭いガキになっちゃうんです。もう参っちゃいますよ。それでいて、瞬間的に男が見え隠れするんですね。上手いですね。ため息がでますよ。しかしながら、ストーリーがちょっとありがちかな?あと、フランソワ君が熱烈に惹かれていく過程が欲しかった。というか一目ぼれならもっとマルトを美しくしてくれ、と思った。あと、大戦終了とのからみはちょっとね。それでも、うん、良かった。7点(2003-12-02 18:12:46) 158. ワンダフルライフ 老婆とスタッフが面談をしているシーン、赤い服を着て踊っていた幼女時代の思い出を語ったお婆さんの所で、いきなり何の前触れもなく「ドドドドド」と感情が湧き出てきました。普通、感動する時と言えば少し前から「感動するぞ感動するぞ」というサインが頭の中で点灯していて、涙腺がちょっとウルウルなって、背筋にちょっと緊張感が走って、ジワジワジワジワと感情が高まっていくものなのですが、今回は突然何の予告もなく来ました。ビールの缶を開けたら実は炭酸が思いっきり振ってあって、いきなり発泡して慌てて「うひょー」と思ってしまうように、自分の中から溢れ出した感情をどう処理すればいいのかわからず、それよりまず第一に何故こんなシーンで感動してしまったのかわからず、ビデオを一時停止するくらい狼狽してしまいました。ホントこんな経験初めてです。「なんだったんだろう?」と振り返ってみるに、上手く言えないんですが、「生きた喜び」みたいなものをシンプルかつ素直に、真正面から表現していたからなんじゃないかな、と思います。観終わって、ぼーっとしながら考えてみると、映画全体を見てみても、ストーリーが秀逸、俳優も良く揃えてあり、映像も素敵、どれも素晴らしいものです。しかし、何よりこの映画の主役は「もし自分が死んだら・・・」ということを真剣に考えて、ちょっとテレながら思い出を語ってくれた素人の出演者の方々だと思います。彼らは、どんな俳優さんよりもリアルで、美しかったです。本当にいい映画を観たと、満足している次第です。 9点(2003-12-02 14:48:36)(良:1票) 159. 水の中の八月 小嶺麗奈さんっていい女優さんですね。眼に力があって、透明感があって、神秘的な役をとても上手く表現していました。TVのドラマなどではちょっと嫌な役が多かっただけに、このように主役クラスで映画にどんどん出て欲しいところです。しかし、ちょっとストーリーが薄い、そして無理な感じがします。説明がないのは、観る側に判断しろということなんでしょうけど、ちょっと難しいですね。映像の良さで見応えは十分ですが、もう少しなんとかならなかったのかな?夏の美しさはいいと思います。5点(2003-11-27 14:52:01) 160. ユメノ銀河 この映画のように、一つ一つの心の揺れを丁寧に描写した映画はいいですね。水の中の八月と同様に小嶺麗奈が透明感のある女性を演じていますが、不安を内に秘めたようなセリフや、ナレーションのシーンでは、実に上手く演技をしていて驚かされます。しかし、新高さんは結局寡黙なままで終わってしまいましたね。もう一段踏み込んだ展開を期待していただけにちょっと残念です。白黒の映像は、雨のシーンが引き立ってなかなかいいです。6点(2003-11-27 14:38:48)
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